JP2014168017A - 全固体型電気二重層コンデンサ - Google Patents

全固体型電気二重層コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】 静電容量が高く、小型化が可能な全固体型電気二重層コンデンサを提供すること。
【解決手段】 無機固体電解質と、この無機固体電解質を挟んで設けられる一対の集電体と、を含む全固体型電気二重層コンデンサであり、無機固体電解質が、下記組成式で表わされるセラミック電解質であって、ナシコン型結晶構造を有する。
組成式:LiαAlTi2−x(POβ
組成式中、αおよびβは、α≠1+x、β=3であるか、α=1+x、β≠3であるか、または、α≠1+x、β≠3である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、全固体型電気二重層コンデンサに関し、特にはその固体電解質に関する。
情報機器、通信機器および家電機器に至る各種電子機器は、高性能化とともに小型化が要求され、そのためには電子機器に搭載されている各電子部品が高性能化および小型化に対応する必要がある。電子機器に搭載される電子部品の1つにコンデンサがある。コンデンサに要求される性能は静電容量であり、高い静電容量を有しながら全体としては小型化を実現しなければならない。
特許文献1および特許文献2記載の積層セラミックコンデンサは、誘電体としてチタン酸バリウムを用いており、誘電体の比誘電率を高くして静電容量を高めている。
特許文献3には、全固体型電気二重層コンデンサが記載されている。電気二重層コンデンサは、電解質と集電体との界面に形成される電気二重層を利用して高い静電容量を実現しようとするものである。また、全固体型であれば電解質として液体を使用しないので液漏れが発生することがない。
特許第5046700号公報 特開2012−138502号公報 特開2008−130844号公報
チタン酸バリウムの比誘電率は、およそ数千から1万ほどであり、特許文献1,2記載の積層セラミックコンデンサでは、高い静電容量と小型化とをともに満足させることは難しい。また、特許文献3記載の電気二重層コンデンサは、静電容量としては未だ十分ではない。
さらに、特許文献3記載の電気二重層コンデンサは、無機固体電解質の緻密化が難しく、内部に空隙が多く、薄型化した場合には無機固体電解質を挟む集電体が空隙を介して短絡してしまうなどの問題があり、小型化が困難である。
本発明の目的は、静電容量が高く、小型化が可能な全固体型電気二重層コンデンサを提供することである。
本発明は、無機固体電解質と、
前記無機固体電解質を挟んで設けられる一対の集電体と、を含む全固体型電気二重層コンデンサであって、
前記無機固体電解質が、下記組成式で表わされる、ナシコン型結晶構造を有するセラミック電解質であることを特徴とする全固体型電気二重層コンデンサである。
組成式:LiαAlTi2−x(POβ
(式中、αおよびβは、α≠1+x、β=3であるか、α=1+x、β≠3であるか、または、α≠1+x、β≠3である。)
また本発明は、前記組成式の式中、α>1+xであるか、またはβ>3の少なくともいずれかであることを特徴とする。
また本発明は、前記組成式の式中、0.4≦x≦0.6であり、1.61≦α≦1.80であり、3.01≦β≦3.60であることを特徴とする。
また本発明は、前記集電体は、AgまたはCuの少なくともいずれか一方を主成分とする金属材料からなり、
前記無機固体電解質と前記集電体とは、同時焼成によって形成されることを特徴とする。
また本発明は、前記無機固体電解質は、TiO,LiTiPO,AlPO,LiTiOPO,αLiYTiOPO,Al(PO,Li0.3Ti2.94,LiPOおよびLiから選ばれる一種または二種以上をさらに含むことを特徴とする。
本発明によれば、無機固体電解質と、無機固体電解質を挟んで設けられる一対の集電体と、を含む全固体型電気二重層コンデンサであって、この無機固体電解質は、ナシコン型結晶構造を有しており、下記組成式で表わされるセラミック電解質である。
組成式:LiαAlTi2−x(POβ
(式中、αおよびβは、α≠1+x、β=3であるか、α=1+x、β≠3であるか、または、α≠1+x、β≠3である。)
このような組成式で表わされる無機固体電解質は、化学量論的組成からずれた組成となり、低温で焼成しても緻密なセラミック電解質が得られる。
低温で焼成することにより、焼成中におけるリチウムの蒸発を抑制し、焼成後に得られる無機固体電解質内にリチウムを偏りなく含有させることができる。これによりリチウムイオンおよび空孔を偏りなく生成することができ、イオン移動度が高い無機固体電解質が得られる。
そして、このような特性を有する無機固体電解質を電気二重層コンデンサに適用することにより、高い静電容量と小型化とを実現することができる。
また本発明によれば、前記組成式の式中、α>1+xであるか、またはβ>3の少なくともいずれかであることが好ましい。
また本発明によれば、前記組成式の式中、0.4≦x≦0.6であり、1.61≦α≦1.80であり、3.01≦β≦3.60であることがより好ましい。
無機固体電解質の組成を上記のようにすることで、リチウムを無機固体電解質に偏りなく含有させることができ、リチウムイオンおよび空孔を偏りなく生成することが可能な、イオン移動度が高い無機固体電解質が得られる。
また本発明によれば、前記集電体は、AgまたはCuの少なくともいずれか一方を主成分とする金属材料からなり、前記無機固体電解質と前記集電体とは、同時焼成によって形成される。
無機固体電解質が比較的低温で焼成可能であるので、集電体を構成する金属材料にAgまたはCuを用いることができ、集電体の電気伝導性を高めてコンデンサ特性を向上させることができる。
また本発明によれば、無機固体電解質には、異相として、TiO,LiTiPO,AlPO,LiTiOPO,αLiYTiOPO,Al(PO,Li0.3Ti2.94,LiPOおよびLiから選ばれる一種または二種以上をさらに含む。
このような異相が存在することによって、無機固体電解質の電気絶縁性を高くすることができ、電気二重層コンデンサとして、高電圧の印加や長期間にわたる充放電の繰返しに対して高い信頼性を実現できる。
固体電解質(サンプルNo.7)の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。 固体電解質(サンプルNo.2)の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。 4つの薄型化サンプルのコールコールプロットを示す。 4つの薄型化サンプルの誘電正接を示すグラフである。 4つの薄型化サンプルの静電容量Cpを示すグラフである。 固体電解質の厚みと静電容量の周波数依存性との関係を示すグラフである。
本発明の全固体型電気二重層コンデンサは、無機固体電解質と、この無機固体電解質を挟んで設けられる一対の集電体と、を含み、無機固体電解質が、下記組成式で表わされるセラミック電解質であって、ナシコン型結晶構造を有することを特徴としている。
組成式:LiαAlTi2−x(POβ
ここで、組成式中、αおよびβは、α≠1+x、β=3であるか、α=1+x、β≠3であるか、または、α≠1+x、β≠3である。上記組成式において、α=1+xであり、β=3であるときは、その組成が化学量論的組成(ストイキオメトリ)の状態にあるが、そのような組成で焼結して得られる無機固体電解質(以下では、単に固体電解質ということがある。)は内部に多くの空隙を含む。
したがって、化学量論的組成にある固体電解質は、低密度で機械的強度が十分に得られず、比誘電率も低いものとなる。このような固体電解質を用いた電気二重層コンデンサは、静電容量が低く、小型化も困難である。
本発明の電気二重層コンデンサを構成する固体電解質は、上記組成式において、α≠1+x、β=3であるか、α=1+x、β≠3であるか、または、α≠1+x、β≠3である、すなわち化学量論的組成からずれた組成ではあるが、ナシコン(NASICON:Na Super Ionic Conductor)型結晶構造を有している。
固体電解質は、主として上記組成式で表わされるナシコン型結晶粒子からなる多結晶構造を有するセラミック電解質であり、生成したリチウムイオンが、結晶粒子内を移動する。このリチウムイオンの移動により集電体との界面、および粒界において電気二重層が形成される。
さらに、αについてα≠1+xの場合、α>1+xであることが好ましく、βについてβ≠3の場合、β>3であることが好ましい。
化学量論的組成からずれた組成とすることにより、緻密な固体電解質を、低温で焼結させることができる。低温で焼結させることにより、焼成中に固体電解質の表面近傍からのリチウムの蒸発を抑制することができ、焼成後にはリチウムが偏りなく分布した固体電解質、すなわち、リチウムイオンおよび空孔を偏りなく生成することができ、イオン移動度が高い固体電解質が得られる。
そして、このような特性を有する固体電解質を電気二重層コンデンサに適用することにより、高い静電容量と小型化とを実現することができる。
リチウムイオンおよび空孔が偏りなく存在するため、電圧印加時に速やかに多くのリチウムイオンが固体電解質と集電体との界面に集中し、界面に発生する電気二重層に基づく静電容量を高めることができる。
また、固体電解質が緻密であることにより、比較的薄い固体電解質としても、固体電解質の表裏面に設けられた集電体同士が短絡しないので、低背で小型化された電気二重層コンデンサが得られる。
さらに、本発明の電気二重層コンデンサを構成する固体電解質としては、上記組成式において、x,αおよびβについては、それぞれ0.4≦x≦0.6であり、1.61≦α≦1.80であり、3.01≦β≦3.60であることがより好ましい。
xが0.4≦x≦0.6の範囲内にあることにより、焼成温度が比較的低温であっても緻密な固体電解質が得られる。なお、xがこの範囲外であれば、固体電解質の空隙率が大きくなる傾向がある。αが1.61≦α≦1.80の範囲にあることにより、焼成温度が比較的低温であっても緻密な固体電解質が得られる。αがこの範囲外であれば、固体電解質の空隙率が大きくなる傾向があり、固体電解質の比誘電率は低下する。βについてもαと同様に、βが3.01≦β≦3.60の範囲にあることにより、焼成温度が比較的低温であっても緻密な固体電解質が得られる。βがこの範囲外であれば、固体電解質の空隙率が大きくなる傾向があり、固体電解質の比誘電率は低下する。
本発明の電気二重層コンデンサを構成する固体電解質は、750℃〜840℃の比較的低温の温度範囲で焼成可能であるので、集電体を、AgまたはCuを主成分とした金属材料で固体電解質と同時焼成によって形成することができる。集電体として、電気伝導性が高いAg、Cuなどの金属材料を使用することができるので、電気二重層コンデンサの特性をより向上させることができる。
集電体と固体電解質との接合強度を向上させる目的で、集電体中には固体電解質と同じセラミック電解質からなるフィラーを混合させてもよい。また、集電体材料を、Pdなどを含む合金、たとえばAg−Pdなどとしてもよい。
電気二重層コンデンサでは、固体電解質においてリチウムイオンが主として結晶粒内を移動するように構成されることが好ましく、この観点から固体電解質の厚みは、結晶粒子が数個〜10個分程度であることが好ましい。具体的には、固体電解質の厚みは0.5〜20μmであり、好ましくは1〜10μmである。固体電解質の厚みをこのような範囲とすることによって、電気二重層コンデンサに印加される電圧の周波数に対して静電容量の変動、すなわち静電容量の周波数依存性を小さくすることができ、安定なコンデンサを実現できる。
また、集電体の厚みは、特に限定されるものではないが、たとえば、0.5〜3.0μmである。
さらに、本発明の電気二重層コンデンサを構成する固体電解質は、上記組成式で表わされる主結晶粒子間に、異相として、TiO,LiTiPO,AlPO,LiTiOPO,αLiYTiOPO,Al(PO,Li0.3Ti2.94,LiPOおよびLiから選ばれる一種または二種以上をさらに含むことが好ましい。このような異相が存在することによって、固体電解質の電気絶縁性を高くすることができ、電気二重層コンデンサとして、高電圧の印加や長期間にわたる充放電の繰返しに対して高い信頼性を実現できる。またリーク電流の発生も抑制できる。
以下では、本発明の全固体型電気二重層コンデンサの製造方法についてその一例を説明する。
全固体型電気二重層コンデンサは、たとえば固体電解質を先に焼成し、焼成された固体電解質の表面に集電体を形成する。固体電解質は、たとえば、原料粉末の混合、1次粉砕、仮焼、2次粉砕、焼成の手順で作成することができる。仮焼は、たとえば温度650〜750℃、保持時間2時間で行い、焼成は、たとえば温度840℃、保持時間2時間で行うことにより、固体電解質を作製することができる。
また、固体電解質の焼成温度が比較的低温であるので、AgまたはCuを主成分とする集電体と固体電解質とを同時焼成によって形成することができる。例えば、焼成前の固体電解質シートの表面に、Agペーストをスクリーン印刷し、これらを積層したのち、固体電解質と集電体とを大気中にて同時焼成する。このように、焼成温度が低温であり、また大気中(酸素雰囲気下)で焼成することができるので、製造にかかるコストを低減することができる。
・サンプル作製
メタ燐酸リチウム、メタ燐酸アルミニウム、酸化チタンの3つの原料について、その混合比を変更することにより、上記組成式のα,β(x=0.5)を調整して各種サンプルを作製した。
粉末状のメタ燐酸リチウムの組成比が1.35または1.50または1.65、粉末状のメタ燐酸アルミニウムの組成比が0.5、粉末状の酸化チタンの組成比が1.5となるよう原料混合物を調合した。これらの混合粉末に、溶媒としてイソプロピルアルコールを加えてスラリーとし、φ10mmのジルコニアボールを用いて回転ミルにより20時間粉砕混合した。
その後、スラリーを乾燥し、仮焼温度750℃、保持時間2時間として仮焼した。仮焼後に得られた粉末を乳鉢で解砕し、さらにφ3mmのジルコニアボールを用いて回転ミルにより96時間粉砕した。この仮焼粉末に対してパラフィンワックスを5質量%混合した後、1ton/cmプレスにて圧粉体とした。
この圧粉体を焼成温度840℃、保持時間2時間で焼成し、直径約12mmの円板状である固体電解質の焼結体を得た。
作製した各サンプルのα,βについては、表1に示す通りである。
ここで、得られたサンプルについてICP分析を行った結果、固体電解質の主たる構成元素について、焼成後の組成比は原料調合時点の金属元素組成比と分析誤差の範囲内で一致することを確認した。なお、酸素の組成比については、焼成条件等により若干変動する場合がある。また、X線回折(XRD)測定により得られた結果から、NaSICON型の結晶構造を有することを確認した。
・サンプル評価方法
(相対密度測定)
得られた各サンプルを研磨により900μmの厚さに加工し、直径(表2点、裏2点の平均値)、厚み(5点の平均値)および重量を測定し、各サンプルの密度D(g/cm)を算出した。
LiTi(POの理論密度である2.948g/cmを基準とし、各サンプルについて相対密度Dr(%)=D×100/2.948を算出した。
(比誘電率測定および誘電正接測定)
得られた各サンプルを、研磨により800μmの厚さに加工し、その表裏に集電体として直径10mmのAuをスパッタで形成した。次いでインピーダンス測定器(Solartron社製、SI1260型)を用いて、周波数0.01Hz〜1MHz、実効電圧0.5Vの交流電圧を印加し、インピーダンスZの実数部Z′および虚数部Z″を測定した。なお、Z=Z′−jZ″であり、jは虚数単位である。
測定した実数部Z′および虚数部Z″から静電容量Cp(F)を算出し、さらに比誘電率εを算出した。
まず静電容量Cpは、Cp=Z″/(2πf(Z′+Z″))(fは、周波数)により算出した。また、比誘電率εrは、式Cp=εε×S/d(εは真空の誘電率、Sは電極面積、dは固体電解質の厚み)が周波数の全域にわたって成立するとみなし、ε=Cp×d/(ε×S)として算出した。
また、誘電正接(tanδ)は、上記測定により得られた実数部Z′および虚数部Z″に基づいて、tanδ=−Z′/Z″により算出した。
表1には、各サンプルの組成を示すαおよびβと、評価結果のうち相対密度(%)および比誘電率(測定周波数0.01Hz)について示す。
相対密度については90%以上、比誘電率については、1.0×10であれば、好ましい特性であるとする。サンプルNo.3は、化学量論的組成の状態であり(α=1.50、β=3.00)、相対密度が60.9%、比誘電率が0.07×10といずれも低いものであった。
相対密度について、たとえば、(α,β)=(1.50,2.95)のサンプルNo.2の相対密度は60.6%と非常に低い値であった。なお、このサンプルNo.2の焼成温度を1150℃まで上昇させても、相対密度は85.6%であり、大幅な相対密度の向上は認められなかった。これに対し、たとえば、(α,β)=(1.65,3.15)のサンプルNo.7の相対密度は97.5%と緻密化していた。
また比誘電率について、(α,β)=(1.50,2.95)のサンプルNo.2の0.01Hzにおける比誘電率は0.1×10と低い値であるのに対し、(α,β)=(1.65,3.15)のサンプルNo.7の比誘電率は6.1×10と、大きな値を示した。
また、サンプルNo.2およびサンプルNo.7について、固体電解質断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮影した。図1は、固体電解質(サンプルNo.7)の断面SEM写真を示し、図2は、固体電解質(サンプルNo.2)の断面SEM写真を示す。サンプルNo.2では、固体電解質の焼結体全体にわたって空隙が存在し、多孔質体のような状態であった。これに対してサンプルNo.7は、固体電解質の焼結体全体が緻密化されていることがわかった。
表1から、上記組成式において、x=0.5のとき、αおよびβは、それぞれ1.61≦α≦1.80であり、3.01≦β≦3.60であることが好ましいことがわかる。
さらにサンプルNo.2の焼結体を研磨して厚みを50μmに薄くして表裏に直径10mmのAu集電体をスパッタで形成したところ、表裏の集電体間で短絡し、絶縁抵抗値は10Ω以下であった。断面SEM写真からもわかるように、サンプルNo.2は空隙を多く有するので、この空隙に集電体材料が入り込み、固体電解質が薄い場合は、集電体が固体電解質の内部で短絡してしまう。
サンプルNo.7の固体電解質の焼結体を研磨して、厚みが619μm、330μm、124μm、42μmの4種類の薄型化サンプルを作製した。これらの薄型化サンプルの表裏に直径10mmのAu集電体をスパッタで形成したところ、全ての薄型化サンプルにおいて、絶縁抵抗値が1MΩ以上であり、表裏の集電体間での短絡は発生しなかった。断面SEM写真からもわかるように、サンプルNo.7は緻密化されており、空隙を有していないので、薄型化しても集電体材料が固体電解質内に入り込むことがなく、表裏の集電体間で短絡することはない。
4つの薄型化サンプルについて、上記と同様にしてインピーダンス、誘電正接、静電容量を測定した。
図3は、4つの薄型化サンプルのコールコールプロットを示す。横軸はインピーダンスの実数部Z′(Ω)を示し、縦軸はインピーダンスの虚数部−Z″(Ω)を示す。図3に示すコールコールプロットからは、厚みを小さくするに従い、結晶粒子内の抵抗値を示す円弧が小さくなる傾向が見られた。
図4は、4つの薄型化サンプルの誘電正接を示すグラフである。横軸は測定周波数(Hz)を示し、縦軸は誘電正接tanδ(−)を示す。図4に示すグラフからは、厚みを小さくするに従い、10kHz付近に見られる主ピークが減少し、電気エネルギーの損失が抑制される傾向が見られた。
図5は、4つの薄型化サンプルの静電容量Cpを示すグラフである。横軸は測定周波数(Hz)を示し、縦軸は静電容量Cp(F)を示す。図5に示すグラフからは、厚みを小さくするに従い、高周波側での容量値が増加し、低周波側での容量値が減少する傾向が見られた。
薄型化に伴う高周波側での容量値の増加は、厚みが薄くなるに従って、固体電解質内の電界強度が増加し、表面電荷密度が増大したことによるものと思われる。また薄型化に伴う低周波側での容量値の減少は、厚みが薄くなるに従って、集電体と固体電解質の界面で容量を生じさせるリチウムイオンの実質的な量が減少したためと思われる。
図6は、固体電解質の厚みと静電容量の周波数依存性との関係を示すグラフである。横軸は固体電解質の厚み(m)の対数を示し、縦軸は静電容量の周波数依存性(−)の対数を示す。ここで、周波数依存性とは、測定周波数が1Hzの静電容量値Cpに対する測定周波数が10kHzの静電容量値Cpの比(静電容量の変化率)であり、この対数値がゼロに近いほど周波数による静電容量の差が小さい、すなわち静電容量の周波数依存性が平坦化されているといえる。
図6に示すように、固体電解質の厚みと静電容量の周波数依存性との関係は、厚みが小さくなるにつれて静電容量の周波数依存性が直線的にゼロに近づき、両対数グラフにおいて、直線近似で良好に表せる結果であった。このような結果から、固体電解質の厚みを小さくすることにより、電源周波数に対して静電容量の分散が小さく、周波数変動に対して安定なコンデンサを提供できることがわかった。また、固体電解質の厚みを10μm以下とすることにより、周波数依存性をアルミ電解コンデンサと同等のレベル(周波数依存性の対数値が−0.1程度)にできる。
以上の結果から、固体電解質の厚みを薄くするほど、結晶粒子内の抵抗が小さくなり、電気エネルギーの損失が抑えられ、静電容量の周波数依存性が平坦化するため、コンデンサとして好適であることがわかった。

Claims (5)

  1. 無機固体電解質と、
    前記無機固体電解質を挟んで設けられる一対の集電体と、を含む全固体型電気二重層コンデンサであって、
    前記無機固体電解質が、下記組成式で表わされる、ナシコン型結晶構造を有するセラミック電解質であることを特徴とする全固体型電気二重層コンデンサ。
    組成式:LiαAlTi2−x(POβ
    (式中、αおよびβは、α≠1+x、β=3であるか、α=1+x、β≠3であるか、または、α≠1+x、β≠3である。)
  2. 前記組成式の式中、α>1+xであるか、またはβ>3の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1記載の全固体型電気二重層コンデンサ。
  3. 前記組成式の式中、0.4≦x≦0.6であり、1.61≦α≦1.80であり、3.01≦β≦3.60であることを特徴とする請求項2記載の全固体型電気二重層コンデンサ。
  4. 前記集電体は、AgまたはCuの少なくともいずれか一方を主成分とする金属材料からなり、
    前記無機固体電解質と前記集電体とは、同時焼成によって形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の全固体型電気二重層コンデンサ。
  5. 前記無機固体電解質は、TiO,LiTiPO,AlPO,LiTiOPO,αLiYTiOPO,Al(PO,Li0.3Ti2.94,LiPOおよびLiから選ばれる一種または二種以上をさらに含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の全固体型電気二重層コンデンサ。
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