JP2014167484A - 化学物質に関連した情報を取り扱うためのシステム - Google Patents

化学物質に関連した情報を取り扱うためのシステム Download PDF

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Abstract

【課題】化学物質に関連するコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置を有するシステムを提供する。
【解決手段】生成する装置は、少なくともいずれかの化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化をコンテンツデータに変換する変換ユニットを含み、少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、当該システムは、さらに、設定条件を、分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき設定条件を変える前処理装置を有する。
【選択図】図7

Description

本発明は、空気中などにおいて検出される成分を取り扱うためのシステムおよび方法に関するものである。
マイクロマシン技術をベースとしたコンパクトな質量分析装置が開発されている(国際公開WO2006/013396(日本国特表2008−508693号)、国際公開WO2004/013890参照)。また、任意の臭気を表す臭気物質フィンガープリントを提供する臭気物質フィンガープリント生成器、および臭気物質フィンガープリントを受容し、そして臭気物質濃度ベクトルを生成する臭気物質濃度ベクトル生成器を含むシステムが国際公開WO00/15269(日本国特表2002−524206号)に開示されている。
特表2008−508693号公報 特表2002−524206号公報
しかしながら、におい(臭い、匂い)に関し、音や画像などと同様に動的な情報として伝達したり、音や画像などのデータと共に処理でき、マルチメディアの一翼を担う情報として取り扱いできるシステムおよび方法は提供されていない。
本発明の一態様は、化学物質(chemical substances)に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置を有するシステムである。化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む。生成する装置(第1のデータを生成する装置)は、少なくともいずれかの化学物質の存在により変化する量(物理量)を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質(detected chemical substances)の強度変化(変量、variations)をコンテンツデータに変換する。本明細書において、化学物質とは、化合物、分子および元素を含み、成分あるいは組成物に限らず、生成物も含む。
少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、システムは、さらに、設定条件を、分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき設定条件を変える前処理装置をさらに有する。前処理装置は、定期的に、予備検出の条件を設定し、予備分析を行うユニットを含んでいてもよい。
システムは、少なくとも生成する装置を含む回路が集積された少なくとも1つのチップを含んでいてもよい。
本発明の他の態様の1つは、化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する方法である。この方法は、少なくとも1つのセンサーから得られる化学物質を示す強度変化によりコンテンツデータに変換することを含む。少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、方法は、設定条件を、分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき設定条件を変えることをさらに有する。
本発明のさらに異なる他の態様の1つは、コンピュータを、化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置として機能させるためのプログラムである。プログラム(プログラム製品)は、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供できる。プログラム(プログラム製品)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供することも可能である。
システムのブロックダイアグラムである。 OLPのブロックダイアグラムである。 ジェネレータ回りのブロックダイアグラムである。 グループ化(サブバンド対応)のダイアグラムである。 ルックアップテーブルを示す図である。 図6(a)および(b)は、マッピングの一例を示す図である。 プリプロセッサのブロックダイアグラムである。 異なるタイプのプリプロセッサのブロックダイアグラムである。 認識セクションのブロックダイアグラムである。 圧縮ユニットのブロックダイアグラムである。 RAWデータを生成する過程を示すフローチャートである。 マッピングの過程を示すフローチャートである。 センサーリコンフィグレーションの過程を示すフローチャートである。 再生の過程を示すフローチャートである。 アプリケーションの一例を示すブロックダイアグラムである。 アプリケーションのいくつかの例を示すブロックダイアグラムである。 匂いの記録再生のアプリケーションのフローチャートである。 汚染モニタリングのアプリケーションのフローチャートである。 健康モニタリングのアプリケーションのフローチャートである。
図1に、本発明に係る1つのシステムを示している。このシステム1は、典型的には、ノート型のパーソナルコンピュータ10を中心としたシステム1として実現される。パーソナルコンピュータ(PC)10は、CPU11と、適当なメモリ12と、ハードディスクなどのストレージ13と、ユーザインターフェイスを提供するローカルな入出力インターフェイス14と、たとえば、無線15、コンピュータネットワーク16を介して外界の機器とデータ交換するための通信インターフェイス(トランシーバ)17と、これらを接続するバスシステム18とを備えている。ローカル入出力インターフェイス14には、キーボード21などの入力機器と、液晶ディスプレイ22などの画像出力機器と、スピーカ23などの音響出力機器と、マイクロホン25などの音響情報を取得するための機器と、カメラ24などの画像情報を取得するための機器が接続されている。システム1は、これらの入出力デバイスを含んでいてもよく、入出力デバイスを接続するためのインターフェイスが用意されているものであってもよい。
バス18には、さらに、衛星からの電波により測位するデバイス(GPS)19と、嗅覚機能を提供するデバイス(嗅覚プロセッサ、OLP、Olfaction Processor)100と、におい生成装置200を駆動するためのドライバデバイス(ドライバIC)201とが接続されている。OLP100は、1つの集積化されたデバイス(チップ)または複数の集積化されたチップ(チップセット)として提供することができる。におい生成装置200が、USBなどの汎用インターフェイスにより接続する機能を備えていれば、におい生成装置200は、破線で示すように専用のデバイス201の代わりにローカル入出力インターフェイス14に接続することも可能である。におい生成装置200は、典型的には、複数のにおいソース(におい発生源)202と、それらを混合して所望のにおいを生成する左右の混合器203Lおよび203Rと、制御ユニット205とを含む。
PC10は、さらに、センサーコントローラデバイス50を備えている。センサーコントローラデバイス50は、OLP100により制御され、OLP100に対して各種のデータを供給する機能を果たす。センサーコントローラデバイス50は、各種のセンサーと接続され、データを取得(サンプリング)するためのセンサーインターフェイス51と、いくつかのセンサーの測定条件を変えることができるセンサードライバ・コントローラユニット(SDCU)52とを備えている。典型的なセンサーは、左右の鼻として機能する左右の質量分析ユニット(MSU、Mass Spectrometer Unit)61および62である。これらのMSU61および62の測定条件はSDCU52により制御される。
MSU61および62の一例は、国際公開WO2006/013396または国際公開WO2004/013890に記載されたイオン移動度質量分析装置である。これらはモノリシックな、または、マイクロマシン型のコンパクトな質量分析装置であり、十分に携帯できるものである。センサーインターフェイス51には、さらに、温度、湿度などの環境情報(環境条件)を測定するための複数のセンサー群(環境情報センサー群)70が接続されている。環境条件測定用のセンサー群70は、温度センサー71、湿度センサー72、圧力センサー73、エアーフローセンサー74を含む。また、GPS19の測位データも位置センサー入力として使用できるようになっている。さらに、センサーインターフェイス51は、エアーポンプ75を制御する機能を含む。エアーポンプ75は必須の構成ではない。エアーポンプ75は、アプリケーションの要求、外界条件などにより上記の環境条件測定用のセンサー群70および/または嗅覚センサーであるMSU61および62に強制的に外気を供給することを可能とする。
OLP100を含むシステムのもっとも小さい単位は、デバイス(集積回路チップ)100そのものである。OLP100を含むシステムは、PC10であっても良く、におい生成装置200を含むシステム1であっても良く、さらには、OLP100を搭載した空調システム、自動車、飛行機、産業機械、建物、治療機器などであっても良い。
OLP100は、嗅覚機能を備えており、外気あるいは周辺の空気のにおい(匂い、芳香、臭い)をリアルタイムでデータ(ストリームデータ、データストリーム)にすることができるデバイスあるいは装置である。さらに、OLP100は、そのデータをエンコードし、また、デコードすることができる。においの情報は、バーチャル・リアリティー、マルチメディア、健康および安全にかかわる多くのアプリケーションで重要な役割を果たす可能性を秘めている。OLP100は、嗅覚機能をポータブルな家電装置やPC10に搭載したり、音、画像などの信号処理技術により、においのデータを処理することを可能とする。
においの要因は、周囲の空気に含まれる化合物、ガスなどの化学物質である。以下において、化学物質とは、化合物、分子および元素を含み、成分あるいは組成物に限らず、生成物も含む。それらにおいの要因は、水晶センサー(QCM、Quartz Crystal Microbalance)、電気化学的なセンサー、SAW(Surface acoustic wave)デバイス、光センサー、ガスクロマトグラフィおよび質量分析装置などのセンサーにより検出できる。これらのセンサーは、化学物質の存在により変化(変動)する量(物理量)を検出できるものである。これらのセンサーの多くは、かさばっていて複雑であり、日常で使用されるアプリケーションに使用することは容易ではない。さらに、これらのセンサーの幾つかは、少数のガスまたはその他の特定の化学物質にのみ鋭敏であったり、感度が温度と湿度に応じて変わるなどの制限もある。
近年、上述したようにコンパクトで携帯が可能で、においの要因を検出できる分析装置が検討されている。イオン・モビリティおよび光学(赤外線、NMR)を使用した分析デバイスは、単一チップに纏められた小さなセンサーを提供可能であり、家庭における健康および安全管理のような種々様々のアプリケーションに使用できる可能性がある。
質量分析装置は、特定の成分(化学物質)に敏感なセンサーと比較すると汎用性が高く、分析可能な範囲内では、ほとんどすべての成分の有無および強度(濃度)を同じ程度の精度で検出できる。しかしながら、質量分析装置は化学物質の存在を示唆する大量のデータを出力する。そのため、質量分析装置のデータをPC10のCPU11で処理しようとするとCPU11の処理機能が消費される。CPU11の処理能力が過大でないと、嗅覚を実現しようとするために他のアプリケーションを実行できなくなったり、処理能力が著しく制限されたりする可能性がある。OLP100は、そのような不便さに対しても解を提供できるものである。すなわち、図1に示したようなPC10をベースとするシステム1に限らず、ワンチップ化されたOLP100を搭載することにより、テレビなどの家電、携帯電話などの極めてハンディーな電子端末、ホームセキュリティ用の機器などに、経済的に嗅覚機能を搭載することが可能となる。
フィールド非相称質量分析計(FAIMS、Field Asymmetric waveform Ion Mobility Spectrometry、または、DIMS、Differential Ion Mobility spectrometry)のようなMEMSセンサーを、OLP100とともに用いることにより、高価なCPUまたはDSPが不要で、大きな機械的な部分も不要で、さらに、複雑なコントロール回路類も不要な、低コストの、においを記録、生成、認識できるシステム1を提供できる。
OLP100を採用したシステム1は、極めて汎用性および拡張性が高く、多種多様な目的のために使用できる。まず、OLP100は、分析装置をセンサーとした入力データに限らず、IEEE1451に準拠したケミカルセンサー、QCM、電気化学、SAW、MOS(Metal Oxide Semiconductor)センサーを含めた多種多様なセンサー(化学成分を検出できるセンサー)からの入力データに対して共通の、または標準のデータ・フォーマットを提供できる。さらに、OLP100は、MPEG(Moving Picture Experts Group)、RoSE(Representative of Sensory Effect)およびNOSE・N/W(Second Network on Artificial Olfactory Sensing(Nose II))によって定義された標準インターフェイスおよびデータ・フォーマットをサポートできる。したがって、システム1を多種類のセンサーに適応するための投資を抑制できる。また、ユーザは、さまざまな標準にしたがったデータで、においの情報を入出力できる。このため、システム1の使用効率を向上でき、実質的に低コストで汎用性の高いシステムを提供できる。
OLP100は、次に、センサーにより検出された化学成分(化学物質、chemical substances)の情報を動的なデータ(データストリーム)に変換(生成)できる。においの情報をデータストリーム化することにより、音、映像とともに、においをマルチメディアに含めることが可能となる。さらに、無線、インターネットなどの通信媒体あるいは通信インフラを介してリアルタイムで、においを伝えることが可能となる。さらに、圧縮、暗号化、伸長(解凍)といった音、画像データではすでに行われているデータ処理を参照し、においの情報を圧縮、暗号化、伸長することも可能となる。
また、データストリーム化された、においの情報のワンショットを次々と解析することにより、オンザフライで、においを認識し、監視することができる。さらに、化学物質の情報は、共通のデータ・フォーマットに変換されているので、ターゲットの物質を判断したり認識したりする処理の速度・負荷を低減でき、さらに、パターン認識する対象のパターンデータの標準化が可能となる。したがって、においを含めた多種多様な物質を判断するためのパターンを、経済的に、豊富に取りそろえることが可能となる。においをマシンによりパターン認識することは、携帯型の装置あるいは計算する装置にマシン嗅覚機能を付加することであり、セキュリティに対する脅威の発見、医学の診断ルーチンおよび個人の健康モニタリングなど、多種多様な方面で利用できる。さらに、OLP100により生成されたにおいデータは、さまざまなタイプのにおい再生装置に対して、リアルタイムの、動的な又は静的なにおい再生に必要な汎用的な入力となる。
以下では、ほぼ以下の順番でOLP100について説明する。
1. OLPの概略構成(図2)
2. OLPによるデータ生成
2.1 概要(図3)
2.2 化学物質空間(化学物質特徴空間)のデータの周波数空間へのマッピング(図3)
2.3 サブバンドイメージを用いたマッピング(図4−図6)
2.4 ストリームデータの生成および出力
2.5 ステレオイメージ
2.6 化学物質情報以外の補助情報の畳み込み
2.6.1 環境情報(温度、湿度、圧力)
2.6.2 エアーフロー
2.6.3 時刻
2.6.4 位置
2.7 プリプロセッサ(測定条件の再構成)(図7,8)
2.8 複数センサーに対する対応
3. OLPにおける物質認識(図9)
4. OLPにおけるデータ圧縮(図10)
5. OLPにおけるデータ再生および出力
6. OLPについてのいくつかの補助情報
7. アプリケーション
1. OLPの概略構成(図2)
OLP100は、データを生成しエンコードするセクション101と、データを受信しデコードするセクション102と、OLP100の全体を制御するOLPコントローラ105とを含む。OLP100は、エンコーダセクション101またはデコーダセクション102のいずれかを含むものであってもよい。OLP100は、1つのデバイス(集積回路、チップ)として提供されているが、チップセットとして提供することも可能であり、また、適当な能力を備えたCPUまたはMPUで実行可能なプログラム(プログラム製品)として提供することも可能である。
エンコードセクション101は、センサーインターフェイス51からデータ31を受信(入力)するADCユニット(ADC Mixer)110、前処理を行うプリプロセッサ(Pre−Processor)セクション120、データ生成を行うジェネレータ130、データのパターン認識を行う認識セクション150、データを圧縮する圧縮(Compression/Encode)ユニット160、圧縮されたデータを暗号化する暗号化ユニット169を含む。センサーインターフェイス51から入力されるデータはアナログデータであってもディジタルデータであってもよい。アナログデータ31は、ADCユニット110によりディジタル化され、ディジタルデータ32として前処理を行うプリプロセッサセクション120に送られる。プリプロセッサセクション120は、センサータイプなどにより異なる複数のタイプのプリプロセッサ121および122を含む。
ジェネレータ130は、化学物質に関連したコンテンツデータ(コンテナデータ)139d(左右の情報139dLおよび139dR)を含む第1のデータ(データストリーム、RAWデータ、圧縮等の処理前の生データ)35を生成する。以下の例では、コンテンツデータ139dは、左右の情報139dLおよび139dRを含むが、左右に共通する場合は、左右を示すLおよびRを省くことがある。コンテンツデータ139dは、センサーからのセンサーインターフェイス51を介して入力されたデータ32により検出された成分または化学物質(detected chemical substances、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む)の強度変化(濃度変化、存在率変化およびその他のセンサーにより感知される変化・変量(intensity variations)を含む)を周波数空間にマップしたストリームデータ(音声のような時間的局所性のあまりないストリームタイプのデータ)である。化学物質を示す強度変化が周波数空間にマップできるように、周波数空間の複数の周波数は、予め適当なルールにより複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられている。
RAWデータ35は周波数領域(周波数空間)のデータであっても、それを時間領域(時間空間)に変換(逆FFT)したデータであってもよい。RAWデータ35の典型的なものは、PCM(Pulse Code Modulation)タイプのデータである。RAWデータ35は、QMF(Quadrature Mirror Filter)などによりサブバンドに分割されたQMFタイプのデータであってもよい。これらのRAWデータ35は、OLPのインターフェイス107からそのまま出力されてもよい。
認識セクション150では、ストリームタイプのRAWデータ35を時間的に局所的なデータに変換し、RAWデータ35に含まれる物質を判別する。圧縮ユニット160および暗号化ユニット169では、RAWデータ35を可逆あるいは非可逆の適当な方法で圧縮および暗号化する。RAWデータ35には、基本的にセンサーから入力されたすべての情報が周波数空間に変換されて存在する。圧縮する際には、アプリケーションにより不要な情報が含まれる部分、あるいは情報密度の低い部分を削除することで圧縮率を向上できる。
デコーダセクション102は、暗号化されたデータを受信して復号する復号(Decryption)ユニット173と、復号されたデータを解析する再生解析ユニット(Parser)170と、その結果により適当な方法により伸長してRAWデータ35を復元する伸長(De−compression/Decode)ユニット175とを含む。デコーダセクション102は、さらに、プリプロセッサセクション120から、システム周囲のリアルタイムの環境および化学物質に関する情報(スキャンデータ)33を受信し、RAWデータ35を補正する補正(background Compensation)ユニット180と、補正されたRAWデータ35をさらに人間の嗅覚の感度などに合わせて再構築して、匂いデータ(Odor data)39として出力する再構築(Re−construction)ユニット190とを含む。この明細書において、においは、匂い、臭い、香りなど嗅覚で感じるすべての情報を含む概念である。なお、以降においては表記を明確にするために「匂い(Smell/Odor)」と表記する。
匂いデータ39は、実際には、OLPインターフェイス107から出力され、システム1のバス18を介して匂い生成装置(Odor Emitter)200のドライバ201に供給される。ドライバ201は、専用回路として提供されていてもよく、システム1のCPU11で実行されるプログラム209として提供されていてもよい。ドライバ201またはプログラムがロードされたドライバ209においては、匂いデータ39を匂い生成装置200において利用可能な匂いソース202の組み合わせに変換する。匂いデータ39は、PCM対応のデータであり、周波数空間にマップされた各々の化学物質の存在を示す(示唆する)強度変化のデータを含む。したがって、匂いデータ39は、複数の化学物質の情報を汎用化されたフォーマットあるいは標準化されたフォーマットで含むストリームタイプのデータである。このため、匂い生成装置200を提供するメーカは、汎用的なドライバ201または209を提供できる。
2. OLPによるデータ生成
2.1 概要(図3)
図3に、OLP100に含まれる複数の機能ユニットのうち、RAWデータ(RAWデータストリーム、第1のデータ)35を生成する部分を抜き出して示している。また、図11に、OLP100のエンコードセクション101において、RAWデータ35を生成する処理(生成方法)の概要をフローチャートにより示している。
OLP100を搭載したシステム1は、コンテンツデータ139dを含むRAWデータ(第1のデータ)35を生成する機能を備える。以下の例では、生成機能はOLP100というデバイスにより与えられるが、プログラムにより与えることも可能である。RAWデータ35の生成装置130は、少なくとも1つのセンサーから直接または間接的に得られたデータに含まれる、検出された化学物質(detected chemical substances)を示す(示唆する)強度変化(変量、variations)を、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ予め割り当てられた周波数空間にマッピングすることによりコンテンツデータ139dに変換する変換ユニット131を含む。
上述したように、化学物質とは、化合物、分子および元素を含み、成分あるいは組成物に限らず、生成物も含む。また、強度変化とは、化学物質、成分の有無および強度(濃度)の変換、すなわち、濃度変化および存在の有無(存在率変化)を含み、センサーにより感知される物質存在に関する状況の変化を含むものである。
コンテンツデータ139dを含む第1のデータ(RAWデータ)35を生成する方法300は、少なくとも1つのセンサーからのデータにより検出された、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む化学物質を示す強度変化を、複数の周波数が複数の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングすることによりコンテンツデータ139dに変換すること(ステップ310)を有する。センサーからのデータにより検出された化学物質、すなわち、検出された化学物質(as detectedな化学物質)は、センサーからのデータにより最終判断された物質であってもよいが、質量分析におけるフラグメント成分であってもよく、M/Z(電荷あたりの質量)が同じ成分は適当な、あるいは所定のルールで仮に割り当てられた化学物質で代表されていてもよい。
生成されるRAWデータ35は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む化学物質(chemical substances)を示す強度変化が、複数の周波数が複数の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングされたコンテンツデータ139dを含み、適当な記録媒体、たとえば、メモリ、CD−ROM、ハードディスクなどに記録して提供できる。RAWデータ35は、必ずしも最終分析された化学成分あるいは化学物質の情報を含んでいなくてもよく、一方、センサーからのデータのうち、化学物質の認定に要する可能性のある情報は、実際には異なる化学物質に分類されていても含まれていることが望ましい。
また、RAWデータ35は、無線、有線を含む伝達媒体に搭載して放送または配信することも可能である。また、RAWデータ35は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して配信することができる。したがって、音声、画像などの他のマルチメディア用の情報を放送、送受信、配信するインフラ、システム、装置を用いて、他のマルチメディアの情報と同様にコンテンツデータ139dを含むRAWデータ35、RAWデータ35を圧縮した情報を放送、送受信、配信することが可能となる。
2.2 化学物質空間(化学物質特徴空間)のデータの周波数空間へのマッピング(図3)
化学成分の分析は、個体、液体、気体、空間を含めた多種多様な対象物について行われる。本願に含まれる発明は、そのすべての対象物において検出された成分(化学物質)をデータ化あるいはコンテンツ化してデータ処理、伝達、記録、再生などのために利用できるものである。大気中に存在する成分は、五感のうちの嗅覚において把握される。したがって、以下では、本発明を、嗅覚機能を情報処理装置に実装するというアプリケーションに適用した例を説明する。
センサーにより大気中の化合物を検出し、電気信号を介して様々な信号処理とパターン・マッチングテクニックとを使用し、大気中の匂いを特定することが可能であろう。しかしながら、センサーのタイプ、センサーの特性により、検出可能な化合物が変わり、検出可能な化合物に対する感度も変わる。したがって、さまざまな匂いに対して、同じプロセスによりデータ化し、再生するシステムを提供することが望ましい。
さらに、パターンマッチングなどの認識技術を用いて匂いを特定することにより、その匂いを伝達あるいは処理するための情報を生成する場合、匂いの特定は時間的に局所化された情報であり、静的なデータである。したがって、時間的な局所性の少ない、動的に変換する匂いを記録・再生するためのシステムを提供することが望ましい。
嗅覚は視覚、聴覚などとともに五感の1つであり、時間的に連続した変化を感知する。したがって、匂いを、音楽、音声、画像などとともにマルチメディアとして構成するためには、ストリーム型のデータで匂いを記録・再生することが望ましい。本例では、そのような技術を提供することが目的の1つである。
大気中に存在する可能性がある成分のうち、嗅覚で感じられるものは限られる。嗅覚で感じられる、あるいは嗅覚に訴えることが少ない成分は、匂いとしての価値は少ない。しかしながら、嗅覚、特に人間の嗅覚で感知できない成分が人間生活に警告をもたらすことはありうる。匂いとして価値が薄い情報を削除したり、匂いとしての価値が薄くても、他のアプリケーションにおける価値が高い情報を効果的に利用する技術を提供することも有効である。
OLP100のジェネレータ130は、FCWS(Functionally Classification Wave Shaping、機能的(官能基による)分類による波形成形)技術により、化学物質に特徴付けられた空間(化学物質空間)を周波数空間にマップし(割り当てし)、化学物質の存在を示す強度情報を周波数領域の強度情報に変換する。すなわち、各化学物質の検出強度変化の時間経過を、各化学物質に対応するように定められた周波数の信号の強度変化に変換する。FCWSにより、匂いを示す信号は、周波数空間に写像されて、再定義され、匂いストリームとして出力される。
可聴領域の周波数の信号の強度変化を示すデータの処理は、音響データの処理として数多くの実績がある。可視領域の周波数の信号の強度変化を示すデータの処理は画像データの処理として、数多くの実績がある。したがって、化学物質のデータを周波数領域にマッピングすることにより、これら数多くの実績のある技術を信号処理のために適用できる。また、音響データ、画像データと共通のプラットフォームを用いて匂いデータを処理することが可能となる。
ジェネレータ130の変換ユニット(FCWSユニット)131は、標準化可能なインターフェイスとデータフォーマットとを備えたRAWデータ35を生成する。このため、汎用性が非常に高い。たとえば、この技術は、MPEG、IEEEのような標準化機関に対して匂いデータのデータフォーマットとインタフェースとの標準化を推し進めさせるのに有用な手段となる。
2.3 サブバンド(マルチバンド)イメージを用いたマッピング(図4−図6)
例示しているFCWS技術においては、複数の化学物質は複数のグループに分けられ、複数のサブバンドが複数のグループにそれぞれ割り当てられる。データ化の対象となる化学物質の数が少ない場合は、サブバンド化(マルチバンド化)することによるデータ処理の負荷が勝る可能性がある。しかしながら、大気中に含まれる、または、含まれる可能性のある化学物質の種類は膨大であり、サブバンド化することは、パターンマッチング、圧縮などのほとんどすべてのデータ処理において有効である。
したがって、変換ユニット131は、検出された化学物質を示す強度変化を、いずれかのサブバンドに含まれる周波数の強度変化に変換する。また、データを生成する方法300の生成(変換するステップ)(ステップ310)は、検出された化学物質を示す強度変化を、いずれかのサブバンドに含まれる周波数の強度変化に変換することを含む。サブバンド波形成形については、図12にそのさらに詳しい処理を示している。
変換ユニット131の対象が匂いのデータ化である場合、すなわち、RAWデータ(第1のデータ)35に含まれるコンテンツデータ139dが匂いを解析する情報および/またはにおいに関連する情報を伝達するための匂いデータであれば、複数のグループ(機能グループ、FG、Functional Group)は、有機物の官能基により分けられた複数のグループを含むことが望ましい。さらに、複数のグループFGは、無機物のグループと、未分類(Unknown)のグループとを含むことが望ましい。
嗅覚で感じられる人間の匂いスペースは、ケミカルな官能基との関連性が高い。したがって、センサーから入力されたデータ33により検出された化学物質をケミカル官能基と人間の匂いスペースに関連づけて周波数空間にマップすることは、記録・再生において効率的な写像になる。有臭成分は湿度と温度などの環境変数に関して異なる振る舞いをし、それも官能基に依存する部分がある。この点でも、官能基による化学物質のグループ化は有効である。この例では、ケミカルクラスを頂点とし、次の階層である機能グループFGとして化学官能基に基づく分類が続く階層型のグループ構造を提案している。官能基は、たとえば46のグループをあげることができ、それに、無機、アンノウン(分類不可、未分類)の2グループを加え、トータル48に分けることができる。それらのグループに適当な周波数帯(サブバンド)を割り当てることができ、それぞれの官能基を備えた化学物質のグループを周波数領域で分離する(切り離す)ことができる。ユーザは、システム要件に基づき、サブバンドを追加したり、分類カテゴリを追加することが可能である。
化学物質を検出するためのセンサー61および62の典型的なものは、MEMSを用いたチップベースの質量分析器(MS)である。これらのセンサー61および62は、サンプリングタイム(スキャン)毎に、化学物質の存在を示唆するデータ(変量)としてM/Z(質量電荷比)の強度(スペクトル、以降においては単に「M/Z」と示すことがある)を出力する。したがって、スキャンを連続的に繰り返すことによりセンサー61および62から出力され、変換ユニット131に入力されるデータ31、32および33は、検出された化学物質を識別できる情報、すなわち、検出された化学物質を示す(示唆する)情報(強度変化、強度変量)であるM/Zと、そのM/Zの時間的な変化(変動)を示す情報を含む。MSから得られるM/Zは、実際に存在する化学物質と完全に一対一に対応しない。しかしながら、適当なルールを設けることにより、検出された化学物質を示す値として一対一に対応させることは可能である。たとえば、変換ユニット131は、スキャンデータ33に含まれるM/Z情報に、無機物よりも有機物を優先して割り当てるというルールを適用できる。さらに、変換ユニット131は、スキャンデータ33に含まれるM/Z情報に、有機物のうち、ルックアップテーブル(LUT)133Rおよび133Lにより分類されている官能基のグループのうちの最も順番の早いグループに含まれる化学物質を優先して割り当てるというルールを適用できる。
図4に、化学物質をグループ分け(クラス分け)するための階層を示している。第1階層81は、化学クラス(ケミカルクラス)であり、有機81a、無機81bおよび分類不能(未分類)81cの3つのエレメントを含む。その下の階層(第2層、サブクラス)82は、化学的な機能グループ(官能基のグループ、functional groups)FGに基づき分けられており、有機81aは46個の官能基のグループ(サブクラス)を含む。その下の階層(第3層、物質クラス)83が具体的な化学物質を示す層である。官能基のグループの1つはアルカン(鎖式飽和炭化水素)82aであり、このグループ82aには化学物質としてエタン83a、メタン83b、プロパン83c、ブタン83dなどが含まれる。官能基のグループは、炭化水素の基に限らず、窒素を含む官能基の1つであるアミノ基82b、酸素を含む官能基の1つであるアルコール基82cおよびケトン基82dなどを含む。官能基の分子の中の原子は、同じであるか同様の化学反応を受けて、共通の匂いと他の特性を示す。揮発性有機物と有機化合物は、匂いとして嗅覚を刺激する典型的なものであり、健康状態を監視するためにも利用可能である。
無機物81bは原子によりサブクラス分けすることができる。たとえば、炭素82e、アルミニウム82f、窒素82gにグループ分けすることができる。第3層83は物質層であり、炭素82eの下位には一酸化炭素83e、二酸化炭素83fが挙げられている。
分類不能のケミカルクラス81cは、センサーから入力されたデータに含まれる情報がRAWデータ35から欠如しないように設けられている。たとえば、特定の化学物質に割り当てられていないM/Z成分が検出されたときに、その成分の強度変化を分類不可能(未分類、不知)82i、82jまたは82kに割り当て、RAWデータ35のヘッダ情報に未分類82iのM/Z成分などの後に成分を特定するための情報を格納しておくことができる。分類不可能なサブクラスは自由に増やすことができる。さらに、分類不可能なサブクラスの化学物質が後に判明すれば、そのクラスを官能基のサブクラスに加えることも可能である。この図4に示したグループ分けはあくまで例示であるが、匂いデータのグループ分けにはひとつの好適な例である。
図5に、OLP100のジェネレータ130において、検出された化学物質を所定の周波数にそれぞれ割り付けるための情報を含むルックアップテーブル(LUT)133の一例を示している。LUT133は、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ予め割り当てられた周波数空間を定義する手段の一例である。LUT133の代わりに辞書ファイル、データベース、ライブラリなどを用いて周波数空間を定義することも可能である。
このLUT133では、上述したように、化学物質は第1層81で3つのクラス、有機物81a、無機物81bおよび分類不能81cに分けられ、第2層82で官能基に基づくグループFGに分けられて定義されている。このLUT133では、第2層82の複数のFGのそれぞれに対応して48個(SB−1からSB−48)のサブバンド84が割り付けられている。各々のサブバンドは950kHzのバンド幅86を持ち、それぞれのサブバンドの間には50kHzのセパレータが設定されている。たとえば、エタンをはじめとする化学物質を含むアルカン82aのFG(サブクラス)には、50−1kHzのバンド幅のサブバンドSB−1が割り当てられている。次のFG(サブクラス)には1050−2kHzのサブバンドSB−2が割り当てられている。さらに、それぞれのサブクラスに含まれる化学物質、たとえばエタンには、サブバンドSB−1のバンド幅50−1kHzに含まれる所定の周波数f0が割り当てられている。メタンにはサブバンドSB−1の中の周波数f1、プロパンにはサブバンドSB−1の中の周波数f2、ブタンにはサブバンドSB−1の中の周波数f3が割り当てられている。他の化学物質についても同様である。
したがって、このLUT133を参照することにより、主に官能基に基づき特定された複数の化学物質が複数の周波数に割り当てられた周波数空間が定義される。したがって、検出された化学物質を示す測定値を、検出された化学物質に対応する周波数の信号の強度に変換できる。変換されたデータは、共通の周波数空間の定義、すなわち、共通のLUT133を参照することにより化学物質を示す測定値に逆変換することができる。なお、化学物質の測定値をマッピングする周波数空間の定義は本例に限定されない。匂い要因となる化学物質は比較的分子量の小さい有機物であることが多い。このため、LUT133に示したように周波数空間に特定の化学物質を割り当てる方法は、匂いの要因となる化学物質を周波数空間にマッピングするのに適している。他の用途、たとえば、浮遊している汚染物質を検出する用途や、息に含まれる物質から健康状態を判断する用途などでは、それぞれの用途の検出対象となる化学物質をマッピングしやすいように周波数空間を定義することが可能である。
図3に示すように、OLP100のジェネレータ130に含まれる変換ユニット131は、左右のセンサー61および62でそれぞれ検出された化学物質を示す量(測定値)を、左右のLUT133Lおよび133Rをそれぞれ参照して所定の周波数にマップする高速シーケンスマッパー(FSM、Fast Sequence Mapper)132Lおよび132Rを含む。さらに、変換ユニット131は、検出された化学物質を示す強度変化を、FSM132Lおよび132RでLUT133を用いて割り付けられた周波数の強度信号にそれぞれ変換する波形成形ユニット136Lおよび136Rを含む。それぞれの波形成形ユニット136Lおよび136Rは、48個のサブバンド波形成形ユニット(SBWS、Sub Band Wave Shaping)135.1〜135.48を含み、サブバンド単位で並列に波形処理を実行できるようになっている。波形成形ユニット136Lおよび136Rの出力は、検出された化学物質を示す強度変化が所定の周波数の強度変化に変換されたコンテンツデータ139dLおよび139dRである。
この段階のコンテンツデータ139dLおよび139dRは、サブバンド単位にまとめられた周波数領域のデータであり、適当なヘッダー情報139hを付けてサブバンド単位に分割されたディジタルストリームデータ36として出力できる。このデータは音響データにおけるQMFに通されてサブバンドに分離されたデータと共通するフォーマットに纏めることができる。
図6(a)および(b)に、MSタイプのセンサー61および62から入力されるスキャンデータ(MSスペクトル)33の一例を示している。図6(a)のM/Zデータ16はメタン(CH4)の質量電荷比に一致する。このため、FSM132Lまたは132Rは、M/Zデータ16のピークP16をサブクラス(ファンクションクラス)「アルケン」のサブバンドSB−1に含まれる周波数f1にマップし(割り付け)、波形成形ユニット136Lまたは136Rは、ピークP16の強度を周波数f1の強度に変換する。
図6(b)のM/Zデータ30はエタン(C2H6)の質量電荷比に一致する。このため、FSM132Lまたは132Rは、M/Zデータ30のピークP30をサブクラス(ファンクションクラス)「アルケン」のサブバンドSB−1に含まれる周波数f0にマップし(割り付け)、波形成形ユニット136Lまたは136Rは、ピークP30の強度を周波数f0の強度に変換する。
変換対象となるスキャンデータ(M/Zデータ)33は、MSタイプのセンサー61または62から入力されたものであってもよく、プリプロセッサ121で補正されたものであってよい。FSM132Lおよび132Rは、スキャンデータ33から、フラグメントイオン(イオン化の過程、飛行中において解離したイオン、娘イオンとも呼ぶ)のピーク、同位体のピークを含めて、そのままのピークを周波数空間に割り当て(マップし)てもよい。FSM132Lおよび132Rは、スキャンデータ33のピークから、MSにより検出された成分をある程度明確にしてフラグメントイオンのピークや同位体のピークを除いた、あるいは削減したスペクトルデータに変換し、より実際の成分に近いであろう化学物質で周波数空間に割り当て(マップし)てもよい。
スキャンデータ33に含まれるすべてのピークを何らかの化学物質のピークに関連づけして周波数空間にマップすることにより、スキャンデータ33に含まれるすべての情報を、もれなくコンテンツデータ139dに含めてRAWデータ35として出力できる。また、スキャンデータ33のピークに対して誤った化学物質が割り当てられた場合であっても、化学物質を示す強度変化を、オリジナルのM/Zの強度変化に変換することは容易である。このため、スキャンデータ33を保存するという点では、OLP100のジェネレータ130において、実際に大気などに含まれる化学物質を精度よく求めることはそれほど、あるいはほとんど重要なことではない。
図12に、コンテンツデータ139dを生成する過程(ステップ310)をさらに詳しく示している。ステップ311において、スキャンデータ33を入力するバッファを初期化する。データ入力バッファはたとえば32サンプルチャンネルを備えたものである。ステップ312において、FSM132Lおよび132Rは、データ中の化学物質を検出し、検出された化学物質を判明させる(規定する)。このステップ312においては、ヒューリスチックな(発見的な)方法、化学的なルール、水素/炭素比ルール、成分比および確率、などの種々な方法のいずれか1つ、あるいは複数の方法を組み合わせることにより、検出された化学物質を規定する。
ステップ313において、検出された化学物質がルックアップテーブル133により分類可能なものであれば、ステップ315において、ケミカルクラス、サブクラス、物質の順にルックアップテーブル133を辿って所定のサブバンドの所定の周波数を割り当てる。検出された化学物質(の情報)がルックアップテーブル133では分類不可能であれば、ステップ314において、分類不可能(未分類)の所定の周波数を割り当てる。
波形成形ユニット136Lおよび136Rは、ステップ316において、検出された化学物質の強度を、割り当てられた周波数の強度に変換する(マッピング)。さらに、ストリームジェネレータ137は、所定のストリームデータのフォーマットに、周波数強度変化のディジタルデータを当てはめてストリーム型のデータを生成する。ステップ318において、センサーからのデータ入力が続いている場合は、これらの処理を繰り返すことにより、ストリーム型のRAWデータ35を生成できる。
なお、このフローチャートは生成方法をわかりやすく説明するために変換ユニット131における処理を一連の流れで示している。しかしながら、OLP100に実装された変換ユニット131では並列処理が可能な回路によりこれらの機能が実現されており、フローチャートに示した各処理は並列に実行できる。
このように、OLP100は、より高い解像度で、再現性の高い化学成分の情報を周波数空間に変換できる。参照用テーブル133に存在していない化合物は未知の機能的なグループにタグ付けをされ、アプリケーションまたはユーザが他の科学技術により未知化合物を特定する機会を確保する。特定された成分類は、対応する周波数のパルス列として、コンテンツデータ139dのそれぞれのサブバンドに表される。コンテンツデータ139dのディジタルパルス列は、その成分の出現に関する時間的変動を表す。なお、本明細書において、左右のコンテンツデータ139dLおよび139dRに共通の説明には、左右を示す符号を省略してコンテンツデータ139dと記載する場合がある。他の左右ペアの機能あるいはユニットにおいても同様である。
変換ユニット131は、ストリームジェネレータ138を備えており、音響ファイルまたは画像ファイルに準じたフォーマットで、サブバンド毎にまとめられた周波数の強度変化を示すデータをストリームデータにして出力する。ヘッダー情報139hには、以下で説明するように環境情報などの他の情報が含まれる。
2.4 ストリームデータの生成
変換ユニット131により生成されるコンテンツデータ139dは、化学物質情報を含む周波数領域のデータ36である。したがって、音響データおよび画像データといった時間領域の情報をFFTにより周波数領域に変換したデータに対比させることができる。さらに、ジェネレータ130は、オッシレータ142と、周波数領域のデータ36に逆FFTを行うことにより時間領域のデータ、たとえば、PCMタイプのデータ34に変換する変換装置(コンバータ)141とを備えている。さらに、OLP100は、周波数領域のデータ36および時間領域のデータ34のいずれもRAWデータ35としてインターフェイス107を介して外部(システム1の内外)に出力できる。
プリプロセッサ121および122から得られるスキャンデータ33を、データ33に含まれるM/Zの情報を周波数領域に写像することにより周波数領域のデータとし、逆FFTを行うことにより時間領域のデータ、たとえば、PCMタイプのデータに変換することも可能である。FMS132において参照するLUT133を用いて、M/Zと、それに対応する周波数とを定義することが可能であり、化学物質情報に変換せずに、質量分析器MSにより計測されるM/Zの情報を周波数領域のデータに変換できる。さらに、周波数領域のデータを逆FFT変換することによりM/Zの情報を時間領域のデータに変換することが可能である。
人間の嗅覚(嗅覚受容体)に作用して匂いとして感じられる物質分子の分子量は、揮発性などの観点から300から400ぐらいが上限であるといわれている。したがって、その程度の分子量を最大とする質量分析結果をターゲットとして、質量分析結果に含まれるM/Zの数値を周波数領域に変換することが可能である。後述するステレオイメージなどの機能あるいはアプリケーションにおいて、周波数空間にマッピングされたデータには、化学物質情報に変換して周波数空間にマッピングされたデータに加え、M/Zの情報が周波数空間にマッピングされたデータも含まれる。また、時間領域のデータにも、化学物質情報に変換して周波数空間にマッピングされたデータを逆FFTしたデータに加え、M/Zの情報が周波数空間にマッピングされたデータを逆FFTしたデータも含まれる。
時間領域のデータ34は、インターフェイス107を介して出力し、ディスプレイ22で画像として表示したり、スピーカ23から音として出力することが可能である。画像および音として意味があるか否かの判断は容易ではないが、同じパターン、すなわち、本例では同じまたは類似の匂いの情報をもつデータは、同じまたは類似の画像あるいは音を出力することが考えられる。したがって、嗅覚で感じるデータを、視覚または聴覚で感じるデータに変換することができる。
周波数領域のデータ36または時間領域のデータ34を含むRAWデータ35は、インターフェイス107を介してシステム1のストレージ13に記録することが可能である。また、RAWデータ35は、システム1のトランシーバユニット(通信インターフェイス)17を介してシステム1の外部へ伝送することも可能である。たとえば、無線15で基地局を介して他の端末、サーバなどに対してRAWデータ35をリアルタイムで送ることができる。また、ネットワーク401を介して他の端末、サーバなどに対してRAWデータ35をリアルタイムで送ることができる。リアルタイムでの匂いデータの録音および再生はOLP100の最も重要な特徴の1つである。ほとんどの電子装置は、遠隔のユーザとリアルタイムの情報を交換する能力を持っている。1つの例はマルチメディアアプリケーション、チャット、オンライン学習およびゲーミングのような対話型のアプリケーションである。各ユーザは遠隔のユーザに対しインターネット上に書き込んだり、無線で送受信することにより、リアルタイムに芳香情報(匂い情報)を交換することができる。
2.5 ステレオイメージ
OLP100は、具体的には匂い情報のステレオ記録および再生に対応している。OLP100に、方向に関する検出特性の異なる左右のセンサー61および62からデータを入力できる。変換ユニット131は、左右のFSM132Lおよび132Rと、左右の波形成形ユニット136Lおよび136Rを含む。変換ユニット131は、左右のセンサー61および62のそれぞれから得られるスキャンデータ33、または左右のスキャンデータ33に基づく左右の化学物質を示す強度変化を左右の周波数空間にそれぞれマッピングする機能を含む。ステレオイメージのRAWデータ35は、左右のコンテンツデータ139dLおよび139dRを含む。データの生成方法(ステップ310)においても、左右のセンサー61および62のそれぞれからのデータにより検出された左右の化学物質を示す強度変化を左右の周波数空間にそれぞれマッピングすることが並列に実行される。
ステレオセンシング(2重のセンサ)は、OLP100に、芳香ソースを識別する際の人間の嗅覚機能をシステム的に組み込み、また、模倣させる重要な機能の1つである。たとえば、ステレオセンシングにより、芳香ソースの距離および/または方向を計算することが可能となる。また、匂いの再生をステレオで行うことにより、ユーザに対して匂いソースの距離および/または方向を情報として提供することが可能となる。したがって、匂いについても、音、画像と同様に立体的な再現方法をユーザに対して提供できる。2つのセンサー61および62は、典型的には、中心に対し、90度異なる方向からの芳香情報を捕らえることを目指している。これは、人間に非常に似ている芳香再生および分析能力を増強する際に有効である。
ステレオセンシングにおいては、RAWデータ35に、2つのセンサー61および62のデータから検出されたコンテンツデータ139dLおよび139dRを独立して記録してもよく、コンテンツデータ139dLおよび139dRの一方と、左右の差分とを記録してもよい。差分は、サブバンド単位で計算でき、記録することができる。また、ステレオセンシングの対象となるセンサーの数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。複数のセンサーを左右、上下、前後に立体的に配置し、それらから得られるスキャンデータ33を解析することにより匂いのソースの位置をより精度よく、高速に認識することができる。
センサーコントローラデバイス50は、同一タイプおよび/または異なるタイプの複数のセンサーが接続できるマルチセンサー対応である。デバイス50は、たとえば、IEEE1451.1にしたがった2重のチャネルをサポートする。デバイス50は、また、センサーのどのような組み合せも、差異入力であってもサポートし、典型的なものは、上述したように質量分析型のセンサーである。
OLP100のADCユニット110は、質量分析タイプのセンサーからのステレオ入力用のインターフェイス111および112と、左右のアナログデータをそれぞれディジタルデータに変換するためのADC117Lおよび117Rを含む。さらに、ADCユニット110は、質量分析タイプのモノラル入力用のインターフェイス113と、ADC117Mと、モノラル信号を左右の信号にそれぞれ加えるためのサミングアンプ119aおよび119bとを含む。質量分析型のセンサーからの入力は第1型のプリプロセッサ121に入力され、データ処理(前処理)される。
さらに、ADCユニット110は、質量分析以外の異なるタイプのセンサーからのデータを入力するためのインターフェイス114と、ADC117Aとを含む。質量分析以外のタイプ、たとえば、特定の化学成分の検出に特化したセンサーからの入力は、第2型のプリプロセッサ122に入力され、データ処理(前処理)される。
ADCユニット110は、さらに、ディジタルインプット用のインターフェイス115を含み、ディジタル入力は、プリプロセッサセクション120の後流に設けられたサミングアンプ119cおよび119dにより、前処理された信号にそれぞれ加えられる。そして、すべての前処理が終了した入力データ33が変換ユニット131により処理され、化学物質の情報が、周波数空間に変換(写像)される。
ADCユニット110のミキシング機能は、いくつかの有効性を備えている。外部のディジタル入力115は、たとえば、ユーザが映画用の背景芳香を、動的に変動する芳香に加えることを可能にする。静的および動的な芳香は、特殊効果を作成するために、現在の芳香レベルから指定された芳香レベルまで音量調節のように可変させて作成することができる。
2.6 化学物質情報以外の補助情報の畳み込み
OLP100のジェネレータ130は、化学物質に関連した情報であるコンテンツデータ139dに加えて、他の種々の情報をRAWデータ35に組み込むことができる。
2.6.1 環境情報(温度、湿度、圧力)
温度、湿度および気圧は嗅覚作用に重要な役割を果たす。RAWデータ35を生成した時間および/または場所と異なる時間および/または場所(遠隔サイト)において匂いを再生するためには、温度、湿度および気圧の情報に基づいて匂いの強度を補正することが望ましい。
OLP100のADCユニット110は、温度および湿度を含む環境情報が得られるセンサー(環境情報センサー、環境情報取得用のセンサー)からデータを入力できるインターフェイス119を含む。RAWデータ35を生成するジェネレータ130は、RAWデータ(第1のデータ)35を生成するときの環境情報を取得し、ヘッダー情報139hに、RAWデータ35を生成したときの環境情報としてRAWデータ35に含める補助情報エンコーダ(補助情報追加ユニット)137を含む。ストリームジェネレータ138は、補助情報を含むヘッダー情報139hをコンテンツデータ139dに加えてデータストリームを生成しRAWデータ35として出力する。
RAWデータ35を生成する過程(ステップ310、図12参照)においても、ステップ317においてストリーム化する際に、生成したときの環境情報をRAWデータ35に含めることをさらに有する。RAWデータ35には、温度、湿度(相対湿度)、大気圧のデータがコンテンツデータ139dとともにリアルタイムに記録される。このため、環境情報がデータから抜け落ちたり、再生するときに同期させる必要はなく、匂いデータの再生効率を向上できる。
2.6.2 エアーフロー
OLP100は、補助情報として気流センサー74のデータもヘッダー情報139hに加えることができる。気流センサー74の情報は、ステレオセンシングに加えて、RAWデータ35に、より方向性のある情報としての性質を加える。したがって、セキュリティなアプリケーションにおいては、汚染物質ソースの方向、風向きを的確に判断でき、ユーザが脅威から脱出するのを支援したり、脅威に近づくのを未然に防止できる。ロボット工学のアプリケーションにおいては、気流センサーに対応するOLP100は、芳香ソースへの方向および距離を識別する機能をロボットに与えることができる。
2.6.3 時刻
OLP100は、補助情報として日時のデータもヘッダー情報139hに加えることができる。日時の情報は、RAWデータ35の生成の証明として有効である。OLP100は、ヘッダー情報139hに、メタデータとして、絶対的時間および/または相対的な時間情報を含めることが可能である。相対的な時間は、たとえば再生開始からの経過時間であり、他のマルチメディアコンテンツとともに再生する際に、芳香データを放出する同期用の情報として有用である。
2.6.4 位置
OLP100は、補助情報として位置情報もヘッダー情報139hに加えることができる。位置情報は、RAWデータ35の生成場所の証明として有効である。OLP100は、ヘッダー情報139hに、メタデータとして、絶対的位置情報および/または相対的な位置情報を含めることが可能である。絶対的な位置情報の1つは、GPSシステム19から取得できる衛星測位された位置の情報、たとえば、経度緯度データである。相対的な位置情報の1つは、無線電話でアクセスしているときの基地局の情報である。
さらに、バーチャルワールド、ゲームなどのアプリケーションにおいては、位置情報にバーチャルな位置をセットすることが可能である。ユーザがバーチャルワールドあるいはゲームにおいてその場所に着いたあるいは居ることを示す匂いを放出することができる。RAWデータ35に組み込むことができる情報は上記に限定されない。たとえば、カメラ24により取得される画像情報および/またはマイクロホン25により取得される音響情報を、匂い情報34または36と組み合わせることにより、匂いも含めたマルチメディア情報をRAWデータ35として生成し、出力できる。このようなマルチメディアのRAWデータ35は、ワンショットのスタティックなデータであってもよく、時間領域の動的なデータであってもよい。
2.6.5 RAWデータストリーム
RAWデータストリーム35の一例は、匂いのサブバンド信号が連結された生データ(圧縮、暗号化などの処理がされてないデータ)である。RAWデータ35は、温度のような環境変数のための補助チャネルを含み、その補助チャネルには、さらに、湿度、空気圧力、および気流などの変数を含めることができる。また、RAWデータ35は、シングル、モノラル、ステレオ(左右)の嗅覚に関する時間変化するデータを、ストリーム型のデータとして格納できる。典型的なデータストリームは、ヘッダー139hと、ペイロード(コンテンツデータ)139dのデータパケットとを有する。ストリームヘッダー139hは、さらに、タイムスタンプ、データ型式、分割、および信号処理に必要な他の大事な細目を含む。
RAWデータストリーム35は、センサー(捕捉デバイス)のすべての特定された成分類に対応する情報を基本的に含む。OLP100は、RAWデータストリーム35が使用されうる汎用性を考慮して設計されており、人間のにおいスペースに関わるか否かにかかわらず、RAWデータストリーム35からセンサーが検出した化合物などの情報を排除しない。環境、健康および汚染などにターゲットを置いたリアルタイムモニタリングなどの多種多様な用途があるからである。一方、OLP100の圧縮エンジン160は人間のにおいスペースの外にある化学物質に関する情報を排除するように構成してもよい。
RAWデータストリーム35は、嗅覚作用を介してユーザに豊富な経験を供給することができる。人間は芳香ソースおよび方向を検知することができる。人間の脳は、芳香ソースを決定するために定量測定を使用する。RAWデータストリーム35には、人間の嗅覚を覚醒させるほとんどすべての情報を含めることができる。
さらに、この特徴はロボット工学および人工知能においても重要である。火、危険なガス漏れあるいはバイオハザードのような危険から立ち去るために、ユーザに警告を出すことができる。GPSによる位置情報は、ユーザの撤退を指示するか支援するために使用することができる。OLP100を適用することにより、ロボット工学の分野において、ロボットに画像認識および音声認識に加え、匂い認識の機能を与えることができる。触感も加えると、5感のうち、4つの感覚(視覚、聴覚、触覚、嗅覚)をロボットに付与することが可能となる。このため、匂いも含めた複数の感覚により、もの(物、者)を認識したり、周辺の状況を認識したりすることができるロボットを提供できる。
匂いも含めた複数の感覚は、ロボットに、ものあるいは周囲の状況を認識するために相互に補完的な役割を果たす。画像情報、音声情報および/または触感だけでは認識が難しい、あるいは認識に長時間を要する場合に匂いの情報を加えることに認識精度および速度を向上させることが可能となる。また、以下で説明する匂いのパターン認識の際に、画像情報、音声情報および/または触感により、パターン認識の対象となる範囲(検索範囲)を限定することが可能であり、パターン認識の精度および速度を向上させることが可能となる。匂い情報、画像情報および/または音声情報により、対象(物、環境など)を協調認識する機能は、ロボットに限らず、それらの情報を取得する機能を備えた携帯端末などおいても有用である。
2.7 プリプロセッサ(測定条件の再構成)(図7,8)
OLP100は、センサーからの入力データを前処理するプリプロセッサセクション120を有する。典型的なプリプロセッサ121は、再サンプリング、ベースライン修正、正規化、ノイズリダクション、ピーク検出を行う。OLP100は、前処理されたデータをRAWデータ35に変換することにより、たとえば、NISTまたはWileyというMS(質量分析)データベースを用いてウェブ上あるいはPCにより化学成分を分析可能とする。OLP100のプリプロセッサ121の特徴の1つは、分析タイプのセンサーの測定条件を自動的に制御することである。
図7は、典型的なプリプロセッサ121のブロックダイアグラムである。センサー61および62が質量分析装置のように、設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーの場合に適用できる。プリプロセッサ(前処理装置、予備処理装置)121は、センサーの設定条件を自動設定する。プリプロセッサ121は、まず、分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件128aに設定し、その予備検出結果を予備分析する。次に、予備分析された物質に基づき、アプリケーションに適した設定条件128bを選択してセンサーの設定条件を変える。プリプロセッサ121は、定期的に、予備検出の条件128aを設定し予備分析を行う。
図11に示したOLP100におけるRAWデータ35の生成方法では、センサーコントローラデバイス50からセンサーデータが入力されると(ステップ301)、ADCユニット110でディジタル化し(ステップ302)、次に、プリプロセッサ121においてセンサー条件の再設定(リコンフィグレーション)を行う(ステップ330)。再設定(ステップ330)のさらに詳しい内容は図13のフローチャートに示している。その後、本サンプリング(リサンプリング)を行い(ステップ303a)、時間が経過するとステップ303bで再設定のプロセス330を繰り返す。定期的にセンサーの測定条件を再設定することにより、時間および場所に適した条件でデータを取得できる。RAWデータ35を生成する工程(ステップ310)では、時間および場所に適した条件で測定されたデータにより検出された化学物質の情報をストリームデータにできる。すなわち、RAWデータ35を生成する過程は、設定条件を、分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件128aに設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき設定条件を変えることをさらに有する。
具体的には、プリプロセッサ121は、センサー61および62のスキャン出力(スペクトルグラム)の状態を改善するシグナルコンディショナ123と、マススペクトルに含まれるピークをスキャン周期でサンプリングするサンプリングユニット124とを含む。サンプリングユニット124は、化学物質空間のデータ、たとえば、M/Zに対する強度のPCMライクのデータを生成する。サンプリングユニット124は、その際、ベースライン修正、正規化、ノイズリダクション、ピーク検出を行う。
ベースライン修正
センサーデータ(スペクトルグラム)32は、化学雑音、イオンオーバーロードなどの要因により変動するベースラインを含む。サンプリングユニット124は、高周波ノイズと、信号ピークとにより隠される低周波ベースラインを見積もり、ベースラインとみなされる低周波成分をスペクトルグラム32から差し引く。
正規化
サンプリングユニット124は、アプリケーションにより定められた要求あるいはルールにより、あらゆる信号の最大の強度を再スケーリングし、スペクトルグラム35を標準化(正規化)する。
ノイズリダクション(ノイズ低減)
通常、正規化されたデータは雑音と信号の混合物を含んでいる。ノイズリダクションは、スペクトルの精度と妥当性を改善するために必要であり、ノイズを低減することによりピーク検出アルゴリズムを有効に作用させることができる。ノイズリダクションの1つは、多項式フィルタであり、ピークの鋭さを保存することができる。
ピーク検出
ピーク検出アルゴリズムは、振幅に基づきピークを特定する。スペクトルのピークの形状に追加の情報が含まれていることがあり、それも考慮される。ピークの形状には特徴があり、形状マッチング機能を用い、スケールと振幅とを変えることで個々のピーク(個々の化学物質(分子、化合物、成分))を特定できる。このテクニックは、単純なまたは簡易なパターンマッチングであるが、効果的にスパイク雑音とノイズから切り離して、信号を特定することができる。
再サンプリング
プリプロセッサ121は、さらに、センサー構成制御ユニット126と、センサーに設定可能な複数の条件(測定条件)を含むライブラリー125と、予備解析ユニット127とを含む。質量分析型のセンサー61および62には、典型的には、スペクトルの広範囲にわたりほぼ同一の解像度が得られ、広範囲の化学物質の強度を比較できる低解像度モードと、冗長的でデータ量が多くなるが高分解能の高解像度モードとを設定できる。低解像度モードの条件128aが予備測定(予備検出)に適しており、高解像度モード128bにより測定されたデータがRAWデータ35に変換されるために利用される。具体的には、条件128a、128bにより、質量分析型のセンサー61および62のM/Zをスキャンするための電圧を変えてスキャンスピードを変えたり、イオン化するための電圧を変えたりすることが可能である。
典型的には、センサー構成制御ユニット126が、センサー制御デバイス50のSDCU52を介して、センサー61および62に低解像度モード128aをセットして広範囲のスペクトルを取得する。サンプリングユニット124を介して予備解析ユニット127は、予備解析用のデータを取得し、アプリケーションにより要求される化学物質が検出されるスペクトル領域を限定する。予備解析ユニット127が、ノイズが多いスペクトル領域を測定しないような条件を設定してもよい。センサー構成制御ユニット126は、ターゲットとなる化学物質が検出されやすい条件で高解像度モード128bを、SDCU52を介してセンサー61および62にセットする。しかしながら、アプリケーションにより、広範囲のスペクトルが優先されたり、時間的に高解像度が優先されるなど、条件はさまざまであり、高解像度モードがRAWデータ35を生成するための入力を得るための条件に適しているとは限らない。
定期的に予備測定(測定の初期化)を行ってセンサーの測定条件を動的に再構成する技術は、OLP100の特徴の1つである。RAWデータ35に含める興味のある分析対象あるいは記録対象はアプリケーションによって定義される。例えば、取締り機関は、汚染物質や有害な合成物の空気中の濃度を記録することを目的とし、対象となる物質あるいは合成物のマススペクトルは予め設定できる。別のアプリケーションでは、ターゲットの芳香を、背景の望んでいない芳香と識別することが重要であり、対象となる化学物質のスペクトルを予めOLP100に与えることができる。
OLP100は予備サンプルを分析し、測定可能な合成物の動的なテーブルを構築し、アプリケーションの目的を考慮したり、環境変数を考慮したり、左右のチャンネル強度を考慮したりして、再度サンプリングするための条件を定義する。この動的再構成技術は、測定時の背景ノイズを識別し、排除するためにも有効である。この動的再構成技術は、OLP100の回路的な処理能力に対し、測定あるいは検出にかかる全体的性能、感度および選択性を大幅に増強できる。この動的再構成技術は、分光計または光センサーのような分析的な測定センサーのためにのみ適用できる。
図13に、センサーを動的に再構成する過程(ステップ330)のフローチャートを示している。このステップ330は、プレスキャンのステップ331と、再構成のステップ332とを含む。プレスキャン331は、アプリケーションから測定条件を取得するステップ333と、センサーコントローラ(SDCU)52を初期化するステップ334と、各センサーを初期条件でリセットするステップ335と、テストスキャンを実施するステップ336とを含む。
アプリケーションから測定条件を取得するステップ333では、匂いの記録、汚染モニタ、健康モニタなどのアプリケーションに適したあるいはアプリケーションにより定義されている条件を取得し、ライブラリ125に格納する。センサーコントローラ52を初期化するステップ334では、複数タイプのセンサーがセンサーインターフェイス51に接続されているのであれば最適なセンサーを選択するか、あるいはセンサーに優先度を設定する。また、ライブラリ125から予備測定用の条件128aを取得する。この条件には、センサーを初期設定する条件だけではなく、システム1のディスプレイにスキャン表示を行うなどの指示を含めることが可能である。各センサーを初期条件でリセットするステップ335では、質量分析型のセンサーのみならず、温度、湿度を測定するセンサーも含めて初期設定してもよい。
再構成のステップ332は、テストスキャンの結果を予備分析するステップ337と、予備分析に応じた測定条件128bを選択するステップ338と、センサーコントローラ52を再設定するステップ339とを含む。予備分析するステップ337では、スペクトルグラム33だけではなく、左右の差分、温度、湿度、エアーフローなどの他の条件を含めて分析してもよい。適した測定条件128bを選択するステップ338では、フォアグラウンドの条件とバックグラウンドの条件として複数の条件を選択し、センサーを時分割で複数の条件で駆動することにより、化学物質検出の高解像度と、強度変化の時間的な高解像度とを両立させてもよい。
図8は、センサーの測定条件を自動制御できないタイプのセンサーに対するプリプロセッサ(第2型のプリプロセッサ)122のブロックダイアグラムである。このプリプロセッサ122は、シグナルコンディショナ123と、サンプリングユニット124とを含む。
2.8 複数タイプのセンサーに対する対応
OLP100のさらに異なる特徴は、複数タイプのセンサーに対応でき、それらの測定結果を共通フォーマットのRAWデータ35に集約できることである。すなわち、ジェネレータ130の変換ユニット131は、複数のセンサーのそれぞれからのデータにより検出された化学物質を示す強度変化を共通の周波数空間にマッピングする機能を含む。また、生成する過程310は、複数のセンサーのそれぞれからのデータにより判明した化学物質を示す強度変化を共通の周波数空間にマッピングすることを含む。
センサーのタイプが異なっても、化学成分を検出するセンサーの出力は化学成分である。したがって、FSM132は、ルックアップテーブル133を参照することにより、センサーの検出結果を周波数空間のいずれかの周波数にマップできる。このため、OLP100は化学物質のデータ化において、極めて汎用性の高いインターフェイスを提供する。また、OLP100により生成されるRAWデータ35を、センサータイプに依存しない汎用性の高いデータにすることができる。
OLP100は匂いを捕捉し、コンピューティングおよび電子装置に適したデータストリームにするための単チップ嗅覚プロセッサとして機能することを意図して設計されている。ユーザは、匂いを捕捉するために、様々なタイプのガスセンサを使用する可能性がある。FAIMS(フィールド非相称質量分析計)は、OLP100とともに使用することで、高解像のデータを取得でき、におい処理に最も適している。しかしながら、OLP100には、その他のセンサーであっても接続でき、たとえば、ローエンドアプリケーションのために、ユーザはSAW、水晶マイクロバランス、高分子またはその他のIEEE1451に対応するセンサーを接続できる。OLP100は、基本的にはIEEE1451および質量分析型のセンサーに対するインターフェイスを提供するが、他の任意のタイプのセンサーに対するインターフェイスを追加したり、コンバータを追加したりすることは容易である。
OLP100は、センサーインターフェイス51に接続されているセンサーの特性を、デバイス初期化の間に取得できる機能を備えていることが望ましい。配列型センサーは、化学成分の特定の群あるいは成分そのものにそれぞれ敏感な複数のセンサーの集団であり、質量分析型のセンサーは、質量TOF(Time Of flight、飛行時間)とイオン化テクニックの原則により機能する。各カテゴリーのセンサーはあるアプリケーションだけには敏感である。多くのセンサーは、温度、湿度により検出結果がドリフトする傾向があるが、RAWデータ35は、それを補正または補償することができる。さらに、芳香合成物の反応速度および溶解は温度と湿度に応じて変わる傾向があるが、RAWデータ35は、それを補正または補償できる。
このように、OLP100により供給できるRAWデータ35は、捕捉デバイスの如何にかかわらず共通の信号フォーマットを適用でき、さらに、匂いに関する他の諸条件、メタデータもデータストリームに入れ込むことができる。そして、RAWデータ35は、周波数空間あるいは時間空間のデータに変換あるいは割り当てられている(マッピングされている)ので、ディジタル信号処理テクニックを、得られた信号、データまたは情報を改良したり、機能アップするために適用できる。適用可能なディジタル信号処理の一例は、フィルタリングであり、信号のグレードアップ、圧縮、パターンマッチングにおいて重要である。適用可能なディジタル処理の他の例は予測処理(誤差論、外挿技術)であり、データを記録、伝送する際の信号修正に適用できる。これらは、マシン嗅覚を可能にすることを目的の1つとしているOLPの重要な特徴であり主要な利点である。
3. OLPにおける物質認識(図9)
化学物質情報が周波数空間にマップされたコンテンツデータ139dは、周波数空間にマップされたターゲットの物質情報とパターンマッチングさせることにより、コンテンツデータ139dに含まれる物質を特定することができる。コンテンツデータ139dをM/Z空間に逆変換して物質を特定することも可能である。
OLP100は、認識セクション150を有し、認識セクション150は、RAWデータ(第1のデータ)35から静止データ151dを生成するキャプチャユニット151を内蔵しており、静止データ151dに基づき特定の物質を認識する。RAWデータ35は時間的な局所性の少ないストリームタイプであり、キャプチャユニット151は、データ解析および認識のために時間的に局所的な、ワンショットタイプの静止データ151dを生成する。キャプチャユニット151は、認識セクション150から独立したサービス機能としてOLP100に含まれていてもよく、RAWデータ35から、印刷などの他のアプリケーションの処理のための静的なデータを生成するために利用できる。
認識セクション150は、さらに、複数の対象物質に含まれる化学物資が周波数空間にそれぞれ単独に、または混合した状態で予めマッピングされた複数の認識対象パターンを含むライブラリ153と、ライブラリを参照して静止データをパターン認識し、認識された対象物質を出力する認識エンジン152とを含む。認識エンジン152の一例は、サブバンドの単位でパターン認識するものである。認識結果158はOLPコントローラ105に伝えられ、OLPコントローラ105に用意されたシーケンスにしたがってシステム1に伝達される。システム1において稼働している適当なアプリケーションは、認識結果158に基づきディスプレイあるいは音により警告を発したり、統計処理したり、記録したりすることができる。
認識セクション150に、RAWデータ35に含まれるコンテンツデータ139dをM/Z空間に逆変換して物質を特定する機能を含めることが可能である。この場合、コンテンツデータ139dの代わりに、M/Z情報を含むスキャンデータ33により物質を特定することが可能である。ライブラリ153には、複数の対象物質に含まれる化学物資がM/Z空間にそれぞれ単独に、または混合した状態で予めマッピングされた複数の認識対象パターン(M/Zパターン)を用意することが望ましい。スキャンデータ33は、ワンショットのデータであってもよく、逆FFTにより時間領域のデータに変換されている場合は、キャプチャユニット151により静的データに変換することが可能である。
認識セクション150は、さらに、静止データ151dまたは静止データをパターン認識するために変換したデータ157を、通信インターフェイス17を介して出力し、認識された物質に関する情報を取得する外部認識インターフェイス154を含む。さらに、認識セクション150は、認識された物質により特定のアクションを生成するアクションジェネレータ155と、アクションライブラリ156とを有し、生成されたアクション159はOLPコントローラ105に伝達される。
このように、OLP100は、RAWデータ35を生成するだけではなく、RAWデータ35から静止データ151dをキャプチャすることと、静止データ151dに基づき特定の物質を認識することとを含み、種々の現象を検査、調査または診断する方法を提供する。
パターン認識エンジン152は、におい分析、健康状態監視、汚染、および安全確保(セキュリティー)のような局所適用にだけ使用される。パターン認識エンジン152は、特徴抽出処理ブロック152a、次元分解(ダイメンジョナリ−リダクション)処理ブロック152b、分類処理ブロック152c、ニューラルネットワーク処理ブロック152d、データベース検索エンジン152e、および機械学習機能ブロック152fを備えている。
サブバンドを利用したパターン認識
コンテンツデータ139dは、複数のサブバンドに分けて化学物質情報が割り当てられている。したがって、パターン認識はサブバンド単位で行うことが可能であり、個々のパターン認識処理で取り扱うファクタを数10分の1に低減することが可能となる。サブバンド単位でのパターン認識は、特定物質の認識のための処理速度を向上でき、それに要するパターン認識エンジン152の処理能力を低減できる。以下のそれぞれの処理ブロックは、サブバンド毎に実装したり、実行することが可能である。
特徴抽出処理ブロック152a
特徴抽出処理ブロック152aは、線形、線非線型およびヒューリスティックアルゴリズムを実装するためのものである。RAWデータ35に含まれるコンテンツデータ139dは、プリプロセッサ121から出力されたマススペクトルグラムを、化学物質というインデックスを介して周波数空間にマップした情報である。したがって、コンテンツデータ139dは、冗長で、基本的には、多数の化学物質に起因する多重化された情報を含んでいる。冗長性と多重性とを備えたコンテンツデータ139dを処理するために、パターン認識エンジン152は十分な処理能力が要求される。データの冗長性に対応するためには、適当な信号モデルに基づくアルゴリズムを認識エンジン152は備えていることが望ましい。特性抽出のために主成分分析法(PCA、Principle Component Analysis)あるいは判別分析法(LDA、Linear Discriminate Analysis)といった標準的なアルゴリズムを適用することも可能である。
パターン分類処理ブロック152c
パターン分類処理ブロック152cは、2分類法、普遍的近似法(ユニバーサルアプロキシメーション)、KNN(K Nearest Neighbour)などのコンピュータに実装しやすい分類アルゴリズムを含む。分類処理ブロック152cは、匂いベクトルを対応するクラスに分類する。
ニューラルネットワーク処理152d
認識エンジン152は、ニューラルネットワーク処理152dを含み、パターンマッチングのためにニューラルネットワークを適用できる。ニューラルネットワークとファジィ論理アルゴリズムは、においの特性とパターンとをリアルタイムで決定する。ニューラルネットワークは人工知能の中心となり得る。OLP100においても、ニューラルネットワークは、人間の脳のいくつかのユニークな特性をまね、シミュレートできるので、人間の嗅覚を再現するのに適している。ニューラルネットワークは、訓練および学習により、ライブラリ153に予め格納された複数の匂いパターン(フィンガープリント)とのパターンマッチングのスピードを加速できる。また、ターゲットとなる新しいフィンガープリントをライブラリ153に格納することも可能である。さらに、外部インターフェイス154を介してウェブから新しいフィンガープリントを取得したり、ウェブ上、たとえばサーバやホームページなどに用意されているフィンガープリントにパターンマッチングの範囲を広げることも可能である。
マシンデータベースと機械学習
パターン認識エンジン152は、パターンデータベース153を高速で検索するために、CAMベースのハードウェア索引エンジン(データベース検索エンジン)152eを備えている。パターン認識エンジン152は、ローカルなデータベース153に、一致するものが探索されれば、その匂いパターンと特性とをOLPコントローラ105に返す。OLP100では、探索(認識)の対象は匂いのみに限定されず、嗅覚にほとんど影響を与えなくても、人体に影響を与えたり、危険物であったりする物質の認識を行うことができる。さらに、パターン認識エンジン152は、システムが新しいにおいパターンを認識するか、または学ぶのを訓練するために学習機能ブロック152fまたはそれ用のインタフェースをユーザに提供する。データベース153に登録可能なターゲットの匂いあるいは物質のパターンは、質量分析器などにより組成あるいは成分が判明している物、標準的な化学データベースに登録されている物であれば、ターゲットの物質の成分を、ルックアップテーブル133を用いて周波数空間にマップすることにより生成できる。
4. OLPにおけるデータ圧縮(図10)
信号圧縮は、伝播に必要となるバンド幅を減少させ、記録容量を減少させるための重要な機能である。OLP100は、RAWデータ(第1のデータ)35を圧縮した圧縮データ37を生成するための圧縮装置(圧縮ユニット)160を有する。圧縮ユニット160は、サブバンドにより圧縮条件を変える圧縮制御ユニット161を含む。匂いに関するコンテンツデータ139dに対しては、圧縮制御ユニットの一例は匂いスペースフィルタ161である。匂いスペースフィルタ161は、匂いスペーステーブル162の情報に基づき、RAWデータ35に含まれる複数のサブバンドのうち、匂いに関連しないグループに割り当てられたサブバンドを削除することにより圧縮率をあげる。人間の匂いスペースの外にある信号を排除することにより、匂いとしての情報量を落とさずにデータ量を削減できる。
次に、可逆・非可逆圧縮ユニット163により、このされた匂いに関連するサブバンドを、可逆的(無損失)なアルゴリズムで圧縮したり、非可逆的なアルゴリズムで圧縮する。匂いスペースフィルタ161が、RAWデータ35に含まれる複数のサブバンドのうち、匂いに関連しないグループに割り当てられたサブバンドと、匂いに関連するグループに割り当てられたサブバンドとを振り分け、可逆・非可逆圧縮ユニット163が匂いに関連しないサブバンドについては非可逆的な圧縮方法を適用し、匂いに関連するグループに割り当てられたサブバンドには可逆的な圧縮方法を適用することにより、情報量をより落とさずに圧縮率を上げることも可能である。可逆・非可逆圧縮ユニット163は、RAWデータ35の全体を、可逆的なアルゴリズムで圧縮したり、非可逆的なアルゴリズムで圧縮することも可能である。
圧縮ユニット160により圧縮されたデータ37は、暗号ユニット169により暗号化されたデータ38となり、OLPインターフェイス107を介してシステム1に供給される。システム1では、データ38をストレージ13に記録したり、通信ユニット17を介して外部へ伝送することができる。
一部のサブバンドを削除することによる非可逆圧縮は、OLP100の重要な特徴の1つである。匂いに関連しないサブバンドを除去するだけではなく、人間の嗅覚の特性を利用してデータを圧縮することができる。たとえば、強度の低い匂いは、同時に起こるより高い強度の匂いで隠される。そのような匂いを示す情報は、圧縮率を上げるために、圧縮後のストリーム37から排除することができる。圧縮ユニット(圧縮エンジン)160は、品質面を定義するためのインタフェースをユーザまたはアプリケーションに提供してもよい。ユーザまたはアプリケーションは、目標とするデバイスの機能、格納容量、またはネットワーク帯域幅に合うように圧縮されるストリーム37の品質面をネゴシエーションし、決めることができる。圧縮ユニット160は、圧縮データストリーム37の品質を、これらの要素に基づいてダイナミックに変化させることができる。
典型的な圧縮符号化アルゴリズムの一つはエントロピ符号化である。その他の圧縮形式、特にISO/MPEGのような標準化団体が定義している圧縮形式を適用することは容易である。圧縮されたデータストリーム37は、ヘッダーとペイロードとを含むパケットで出力され、ヘッダーにはデコーダがストリームを解読する必要な情報を含められる。
図11に、OLP100のエンコードセクション101の処理をまとめてフローチャートにより示している。ステップ301でセンサーからのデータが入力されると、ステップ302でディジタル化する。ステップ330でセンサーの条件を動的に再構成し、ステップ303aでサンプリングする。そして、ステップ310でRAWデータ35を生成する。アプリケーションによりRAWデータ35に含まれる物質の認識が要求されれば(ステップ304)、認識セクション150で物質を認識する(ステップ305)。RAWデータ35の圧縮が要求されれば(ステップ306)、圧縮ユニット160でデータを圧縮する(ステップ307)。さらに、RAWデータ35、圧縮されたデータ37および/または圧縮および暗号化されたデータ38を出力する要求があれば(ステップ308)、それらのデータをOLPインターフェイス107からシステム1へ出力する(ステップ309)。
5. OLPにおけるデータ再生および出力
OLP100は、図2に示すように、RAWデータ35のコンテンツデータ139dを匂いデータ39に変換し、匂い生成装置200のドライバ201に対し供給するための再生装置(デコーダセクション)102を有する。デバイスドライバ201は、におい生成装置200において利用可能な複数のにおい源202の組み合わせに匂いデータ39を変換する機能を含む。デコーダセクション102は、暗号化されたデータ38を受信して復号するデクリプションユニット173と、復号されたデータ37を解析する再生解析ユニット170と、その結果により適当な方法によりデータ37を伸長してRAWデータ35を復元する伸長ユニット175とを含む。
RAWデータ35を記録したときの環境と、RAWデータ35により匂いを再生するときの環境とが全く同じであれば、RAWデータ35に格納されたコンテンツデータ139dを匂いデータ39として出力できる。しかしながら、記録した日時および/または場所と、再生する日時および/または場所とは異なるので、環境が一致することはほとんどない。そのため、デコーダセクション102は、補正ユニット180を備えている。この補正ユニット180は、温度などの環境条件に合わせて補正した匂いデータ39を生成する機能(第1の補正機能)と、バックグランドの匂いに合わせて補正した匂いデータ39を生成する機能(第2の補正機能)とを含む。
すなわち、補正ユニット180は、温度、湿度、大気圧といった環境情報取得用のセンサー群70から、再生するときの環境情報を取得して、生成したときの環境情報と比較し、コンテンツデータ139dを、再生するときの環境情報に適したにおいデータ39に変換する第1の補正ユニットとしての機能を含む。再生するときの環境情報は、RAWデータ35のヘッダー情報139hに含まれる環境情報に対応するものである。
さらに、補正ユニット180は、センサー61および62からのデータにより検出された化学物質を示す強度変化に基づき、再生するときの化学物質の情報を取得し、RAWデータ35のコンテンツデータ139d(すなわち、RAWデータを生成したときの化学物質の情報)と比較し、コンテンツデータ139dを、再生するときの化学物質の情報に適した匂いデータ39に変換する第2の補正ユニットとしての機能を含む。
さらに、デコーダセクション102は、人間の嗅覚の特性に基づいてコンテンツデータ138dを匂いデータ39に変換する再構築ユニット190を含む。このようにして再生あるいは生成された匂いデータ39は、標準化された化学物質を指標としたデータである。したがって、デバイスドライバ201は、匂いデータ39に含まれる可能性のある標準化された化学物質の組み合わせを、再生装置200に固有の匂いソースの組み合わせに変更するルックアップテーブルあるいは関数を予め用意することにより、RAWデータ35により伝達された匂いを再生装置200で再生できる。デコーダセクション102は、ステレオ再生に対応しており、左右の匂いを再生することができる再生装置200のデバイスドライバ201には、左右の匂いデータ39を供給する。
図14に、OLP100における匂いの再生処理350をフローチャートにより示している。ステップ351で、コンテンツデータ139dを含むRAWデータ(第1のデータ)35、圧縮されたデータ37および/または圧縮および暗号化されたデータ38を受信する。ステップ352でデータの解凍が必要であれば、ステップ353でデクリプションユニット173、再生解析ユニット170および伸長ユニット175を用いて解凍してRAWデータ35を復元する。
ステップ354において、補正ユニット180により、再生するときの環境情報をRAWデータ35に含まれる環境情報と比較し、コンテンツデータ139dを、再生するときの環境情報に適した匂いデータ39に変換する(第1のバックグラウンド補正処理)。ステップ355において、再生するときの化学物質の情報をコンテンツデータ139dと比較し、コンテンツデータ139dを再生するときの化学物質の情報に適したにおいデータに変換する(第2のバックグラウンド補正処理)。
さらに、ステップ356において、再構築ユニット190により、人間の嗅覚の特性に基づいてコンテンツデータ139dを匂いデータ39に変換する。このようにして生成された匂いデータ39をステップ357でデバイスドライバ201に対し供給する。
補正ユニット180および再構築(Re−construction)ユニット190は、再生される芳香のユーザのマニュアルによる改造も許可する。さらに、補正ユニット180および再構築ユニット190は、再生される芳香の、アプリケーションや他のマルチメディアコンテンツによる改造も許可する。再構築ユニット190は、人間が感じるレベル以下の芳香は再生させない、人間の嗅覚が飽和している場合は芳香のレベルを上げる、などの嗅覚に即した幾つかのルールを適用して匂いデータ39を再構築する。再構築ユニット190は、ユーザ・プロファイルが設定されている場合は、ユーザの志向、嗅覚能力、感性などに合致するように芳香レベルを増減させる機能を含む。
6. OLPについてのいくつかの補助情報
OLP100は、生成装置(ジェネレータ)130を含む回路が集積されたチップ(集積回路デバイス)で提供することが好ましい。上述したOLP100のすべての機能が集積回路で実現されていてもよく、一部はファームウェア(プログラム、プログラム製品)で実現されていてもよく、一部がシステム1の機能により実現されていてもよく、一部がインターネット上の機能により実現されていてもよい。また、OLP100の機能が固定化された回路で実現されていてもよく、動的に再構成可能な回路により実現されていてもよい。コンピュータにより、OLP100の一部あるいはすべての機能を実現するためのプログラム(プログラム製品)を提供することが可能であり、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供したり、インターネットなどの通信媒体を介して提供することも可能である。
上記のOLP100は、データを生成するエンコードセクション101と、データを再現するデコードセクション102とを備えているが、エンコードセクション101を含まない再生専用のプロセッサであってもよく、デコードセクションを含まない生成専用のプロセッサであってもよい。
OLPにより、コンピュータに限らず、通信端末、家電製品、輸送機関、産業用機械などのすべての分野に、芳香を捕らえて再生するための嗅覚作用ポートを実装することができる。また、匂いの記録および再生に汎用的なインターフェイスを提供するので、様々なサードパーティーのセンサおよび芳香再生装置をサポートするのに標準になるだろう。OLPは標準的な1または複数のバス・インターフェース、USB、上位プロセッサーと通信する高速連続インターフェースを含むことが望ましい。
7. アプリケーション
本発明において提供する化学物質に関連するコンテンツを含むデータの生成に関する技術およびアーキテクチャの適用は匂いに限定されず、多種多様な分野で適用できる。それらの中でいくつかのアプリケーションを挙げるが、これらに限定することを意図するものではない。たとえば、OLP100が提供する電子ノーズ技術は、芳香センシングに基づく、芳香レシピ生成、芳香再生における汎用的なフォーマット、インターフェイスを提供する。OLP技術はガスおよび薬品に対する嗅覚を電子技術で模倣でき、ガスおよび薬品に対する電気・機械製品の対応を標準化でき、統合できる。
1つの典型的なアプリケーションは、他のマルチメディア機器などと連携したエンターテイメントなものである。図15に示すように、OLP100のエンコーダセクション101は匂いレコーダ410として機能し、香水などを含む種々の芳香411、クッキングに関連する匂い412、テレビおよび映画の画面に関連する匂い413、ゲームの場面などに関連する匂い414を記録できる。OLP100のデコーダセクション102は、匂い再生装置200のインターフェイスとして機能し、テレビの画面に連動した匂い421、マルチメディア配信に連動した匂い422、ビデオに連動した匂い423、ゲームに連動した匂い424、映画に連動した匂い425を再生させることができる。エンコーダセクション101と、デコーダセクション102とは、インターネット401などの通信媒体で接続することが可能であり、匂いのデータはネット配信のようなリアルタイム型でも、メールのような蓄積交換型でも伝達できる。
他の1つの典型的なアプリケーションは、スタンドアロンでの使用であり、典型的にはモニターである。図15に示すように、OLP100のエンコーダセクション101の能力を使用して、汚染領域402を検知できる。OLP100を搭載した移動型の端末やロボットは、汚染領域402に接近したことを検知してユーザに知らせたり、地域403を巡回しながらその地域の汚染状況を調べることができる。GPS19で得られた位置情報や、基地局情報から得られた位置情報をRAWデータ35に組み込むことが可能であり、危険区域をウェブに自動的に公開したりすることも可能である。
図16に、OLP100がスタンドアロンモードで使用されると予想されるいくつかのアプリケーションを示している。大きくは、工業(産業)501、輸送502、家庭503、環境/安全対策504におけるアプリケーションに分けられる。工業分野501には、食品分野506があり、たとえば、安全管理、プロセス制御、有毒物質管理、食品の香り分析、包装、保存などへの適用が考えられる。工業分野501には、調剤分野507があり、薬品の開発、医療診断、薬局などへの適用が考えられる。工業分野501には、香水分野508があり、香りの分析、調香などへの適用が考えられる。
輸送分野502は、空および海の分野510があり、空港および港における安全、税関検査、空調、マルチメディアサービスなどにおける適用が考えられる。列車および公共交通機関の分野511では、大気汚染監視、避難誘導指示などへの適用が考えられる。自動車の分野512では、安全、空調、マルチメディアサービスなどへの適用が考えられる。
家庭分野503では、防災分野513があり、二酸化炭素、酸素、窒素、オゾンのモニタリングへの適用が考えられる。シックハウス対策の分野514では、VOCやホルムアルデヒドの監視への適用が考えられる。料理およびテレビの分野515では、家庭用テレビに匂い再生装置を追加したり、料理の匂いをサンプリングしたり、食べ物の匂いを記録したりすることへの適用が考えられる。
環境安全の分野504では、大気汚染モニタリング分野516があり、公共施設、公園、ごみ処理場、工業地帯などにおいて汚染状況をモニタリングすることへの適用が考えられる。ワイヤレスネットワークセンサーとしての分野517があり、オゾン、温度、湿度監視、花粉状況の監視などへの適用が考えられる。ホームセキュリティー518では、住民の安全や健康をモニタリングするために適用することが考えられる。
図17は、匂いの記録に適用する場合のフローチャートであり、システム1は、匂い記録用の構成91が適用される。匂いデータの記録410は、動的記録(連続記録)431と、静的記録(スナップショット)432とがある。いずれもマシンが自動的に管理できるものであり、スナップショット432では、2秒、5秒、10秒という時間がユーザにより指定できる。動的記録431では、リアルタイム分析および再生433が可能であり、コンピュータレコード434が可能である。広告宣伝、オンラインチャット、ゲーム、料理ショーなどの応用が考えられる。音響および/または画像と同期したリアルタイム記録435が可能であり、テレビジョン436では、香つきの放送、広告宣伝への適用が考えられる。
静的記録432は、匂い分析437が主な用途であり、ウェブ関連438としては、オンラインパターンサーチ、電話嗅覚サービス、診断、匂い比較、香水の調香レシピのダウンロードなどのサービスへの適用が考えられる。ローカル関連439では、マシン学習、分析、メッセージ、情報共有、3次元ビユー、匂い表示などへの適用が考えられる。さらに、これらをローカルで記録再生できる(439a)。
図18は汚染モニタリングに適用する場合のフローチャートであり、システム1は汚染モニタリング用の構成92が適用される。汚染モニタリング440は、アウトドア441と、インドア442とへの適用がある。いずれも、国などが設定した汚染基準情報443を参照してモニタリングすることになる。アウトドア441では、場所単位の汚染検出への適用444がある。OLP100とハンドヘルドデバイス(携帯電話、ラップトップ、ワイヤレスインターネット用の機器)との組み合わせは有効であり、位置情報をベースとした汚染情報を取得および表示できる。マニュアル検出445への適用もあり、汚染物質、VOCの検出がある。インドア442では、空気調和設備の制御446への適用が考えられる。室内空気状況の監視、エアコンのベンチレーションコントロール、ガスリーク警報などへの適用が考えられる。自動車の空気調和制御447への適用も考えられる。空気状況の監視、燃焼状態の監視、マルチメディアおよび香り供給への適用が考えられる。
図19は健康モニタリングに適用する場合のフローチャートであり、システム1は健康モニタリング用の構成93が適用される。健康モニタリング450は、吐息分析451と、診断および予防452とがある。吐息分析451では、体臭口臭の分析453、アルコール検出454がある。診断/予防452では、アレルギー対策456があり、アレルゲン、要因となるガス、喘息要因、花粉の検出などへの適用が考えられる。また、発がん検出、薬害検出457への適用も考えられる。さらに、メタボリック対策458への適用も考えられる。
このようにOLP100は、ユーザプログラムに基づいた種々の処置に適用でき、芳香またはガスを捕らえる、記録・再生する、モニターする、分析するといった様々なアプリケーション・インターフェースを介してユーザと対話し、電子鼻としての機能を発揮する。セキュリティのコンテキストでは、OLPを備えたシステムは、ユーザが危険なソースから立ち去ることができるように、装置が、ソースの方向および位置上のユーザに警告を出すことができる。たとえば、センサーは適当な角度だけ旋回するようなベースにマウントされる。一方、OLPを備えたシステムは、芳香を捉え、芳香ソースへの方向および距離を検知し、ユーザを導くために利用することも可能である。
データベースから、芳香シグネチャおよび化学成分のフィンガープリントを取得することにより、さまざまな匂いに対し、それぞれ異なったアクションを提供できる。データベースはローカルのメモリ上であってもよい。ローカルのデータベースをユーザが新しい芳香およびその特性を学習するように訓練することが可能である。一方、未承認のデータはウェブかオンライン・データベースで管理したりするサービスを提供することも可能である。
芳香特性に関する詳細な情報の出力の一例は、アニメーション表示である。芳香を視覚的に表現することができる。芳香再生ユニットはアニメーションを使用し、かつ、合成物およびそれらの特性を3D表示するなどの適用も考えられる。
アプリケーションおよび利用者に対するインタフェースはOLPの重要な一面である。嗅覚作用あるいは芳香内容を表現するいくつかの方法がある。自然な方法は、嗅覚のディスプレイあるいは触覚型のディスプレイとして芳香再生装置を使用して芳香自体を再生することである。
本明細書において開示している技術の一態様は、化学物質(chemical substances)に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置を有するシステムである。化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む。生成する装置(第1のデータを生成する装置)は、少なくともいずれかの化学物質の存在により変化する量(物理量)を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質(detected chemical substances)の強度変化(変量、variations)を、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングする(マップする)ことによりコンテンツデータに変換する変換ユニットを含む。本明細書において、化学物質とは、化合物、分子および元素を含み、成分あるいは組成物に限らず、生成物も含む。
本明細書において開示している技術の異なる一態様は、化学物質を示す強度変化が、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングされたコンテンツデータを含む第1のデータを受信するためのインターフェイスと、第1のデータのコンテンツデータに基づく、においデータをデバイスドライバに対し供給するための再生装置とを有し、デバイスドライバは、におい生成装置において利用可能な複数のにおい源の組み合わせににおいデータを変換する機能を含む、システムである。
本明細書において開示している技術のさらに異なる他の態様の1つは、化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する方法である。この方法は、化学物質を示す強度変化を、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングすることによりコンテンツデータに変換することを含む。
本明細書において開示している技術のさらに異なる他の態様の1つは、化学物質を示す強度変化が、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングされたコンテンツデータを含む第1のデータを受信し、デバイスドライバが、におい生成装置において利用可能な複数のにおい源の組み合わせににおいデータを変換することを含み、においを生成する方法である。
本明細書において開示している技術のさらに異なる他の態様の1つは、コンピュータを、化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置として機能させるためのプログラムである。プログラム(プログラム製品)は、CD−ROMなどの適当な記録媒体に記録して提供できる。プログラム(プログラム製品)は、インターネットなどのコンピュータネットワークを介して提供することも可能である。
上記において開示したシステムは、化学物質に関連するコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置を有するシステムであって、前記化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含み、前記生成する装置は、少なくともいずれかの前記化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化を、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングすることにより前記コンテンツデータに変換する変換ユニットを含む。
前記複数の化学物質は複数のグループに分けられ、複数のサブバンドが前記複数のグループにそれぞれ割り当てられており、前記変換ユニットは、検出された化学物質を示す強度変化を、いずれかのサブバンドに含まれる周波数の強度変化に変換してもよい。
前記コンテンツデータは、においを解析する情報および/または、においに関連する情報を伝達するためのデータであり、前記複数のグループは、官能基により分けられた複数のグループを含んでもよい。前記複数のグループは、さらに、無機物のグループと、未分類のグループとを含んでもよい。
システムは、少なくとも温度および湿度を含む環境情報が得られるセンサーをさらに含んでもよい。前記生成する装置は、前記第1のデータを生成するときに前記環境情報を取得し、前記第1のデータを生成したときの環境情報として前記第1のデータに含める補助情報追加ユニットを含んでもよい。
前記少なくとも1つのセンサーは、方向に関する検出特性の異なる左右のセンサーを含み、前記変換ユニットは、前記左右のセンサーそれぞれからのデータに含まれる、左右の前記検出された化学物質を示す強度変化を左右の周波数空間にそれぞれマッピングする機能を含んでもよい。
システムは、前記第1のデータを時間領域のデータに変換するための装置をさらに有することが望ましい。システムは、前記時間領域のデータを画像および/または音により出力するためのインターフェイスをさらに有してもよい。また、システムは、前記時間領域のデータを記録および/または外部へ伝送するためのインターフェイスをさらに有してもよい。
システムは、また、前記第1のデータを圧縮した圧縮データを生成するための圧縮装置をさらに有することが望ましい。前記複数の化学物質は複数のグループに分けられ、複数のサブバンドが前記複数のグループにそれぞれ割り当てられ、前記第1のデータでは、前記検出された化学物質を示す強度変化がいずれかのサブバンドに含まれる周波数の強度変化に変換されており、前記圧縮装置は、サブバンドにより圧縮条件を変える圧縮制御ユニットを含んでもよい。
前記コンテンツデータは、においを解析する情報および/または、においに関連する情報を伝達するためのデータであり、前記複数のグループは、官能基により分けられた複数のグループを含み、前記圧縮制御ユニットは、前記複数のグループのうち、においに関連しないグループに割り当てられたサブバンドを削除する、または、非可逆的な圧縮方法により圧縮率を上げることにより圧縮されたデータのデータ量を削減してもよい。
システムは、前記圧縮データを記録および/または外部へ伝送するためのインターフェイスをさらに有していてもよい。
システムは、前記第1のデータから静止データを生成するキャプチャユニットと、前記静止データに基づき特定の物質を認識する認識装置とをさらに有することも有効である。前記認識装置は、複数の対象物質に含まれる化学物質が前記周波数空間にそれぞれマッピングされた複数の認識対象パターンを含むライブラリと、前記ライブラリを参照して静止データをパターン認識し、認識された対象物質を出力する認識エンジンとを含むことが望ましい。前記複数の化学物質は複数のグループに分けられ、複数のサブバンドが前記複数のグループにそれぞれ割り当てられ、前記第1のデータでは、前記検出された化学物質を示す強度変化がいずれかのサブバンドに含まれる周波数の強度変化に変換されており、前記認識エンジンは、サブバンドの単位でパターン認識してもよい。
システムは、外部と通信するための通信インターフェイスをさらに有し、前記認識装置は、前記静止データまたは前記静止データをパターン認識するためのデータを、前記通信インターフェイスを介して出力し、認識された物質に関する情報を取得することが望ましい。システムは、さらに、認識された物質により特定のアクションを行うためのインターフェイスをさらに有していてもよい。
前記少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、システムは、前記設定条件を、前記分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき前記設定条件を変える前処理装置をさらに有することが望ましい。前記前処理装置は、定期的に、前記予備検出の条件を設定し、予備分析を行う。
また、前記少なくとも1つのセンサーは、タイプの異なる複数のセンサーを含み、システムの前記変換ユニットは、前記複数のセンサーのそれぞれからのデータに含まれる前記検出された化学物質を示す強度変化を共通の前記周波数空間にマッピングする機能を含んでもよい。
システムは、さらに、前記第1のデータのコンテンツデータに基づくにおいデータをデバイスドライバに対し供給するための再生装置を有し、前記デバイスドライバは、におい生成装置において利用可能な複数のにおい源の組み合わせに前記においデータを変換する機能を含むことが望ましい。少なくとも温度および湿度を含む環境情報が得られるセンサーをさらに含み、前記第1のデータは、前記第1のデータを生成したときの環境情報を含み、前記再生装置は、前記環境情報が得られるセンサーから再生するときの環境情報を取得して前記生成したときの環境情報と比較し、前記第1のデータの前記コンテンツデータを、前記再生するときの環境情報に適した前記においデータに変換する第1の補正ユニットを含んでもよい。
前記再生装置は、前記少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる前記検出された化学物質を示す強度変化に基づき、再生するときの化学物質に関連する情報を取得して前記第1のデータのコンテンツデータと比較し、前記第1のデータの前記コンテンツデータを、前記再生するときの化学物質に関連する情報に適した前記においデータに変換する第2の補正ユニットを含んでもよい。
前記再生装置は、人間の嗅覚の特性に基づいて前記第1のデータの前記コンテンツデータを前記においデータに変換する再構成ユニットを含んでもよい。
システムは、少なくとも前記生成する装置を含む回路が集積された少なくとも1つのチップを含んでもよい。
システムの異なる形態は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む化学物質を示す強度変化が、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングされたコンテンツデータを含む第1のデータを受信するためのインターフェイスと、前記第1のデータのコンテンツデータに基づくにおいデータをデバイスドライバに対し供給するための再生装置とを有し、前記デバイスドライバは、におい生成装置において利用可能な複数のにおい源の組み合わせに前記においデータを変換する機能を含んでもよい。
システムは、環境情報が得られるセンサーから少なくとも温度および湿度を含む、再生するときの環境情報を得るためのインターフェイスを有し、前記第1のデータは、前記第1のデータを生成したときの環境情報を含み、前記再生装置は、前記センサーから再生するときの環境情報を取得して前記生成したときの環境情報と比較し、前記第1のデータのコンテンツデータを、前記再生するときの環境情報に適した前記においデータに変換する第1の補正ユニットを含んでもよい。
システムは、前記化学物質の存在により変化する量を検出可能なセンサーから、再生するときの化学物質を示す強度変化を含む、再生するときの化学物質に関連する情報を取得するためのインターフェイスを有し、前記再生装置は、前記再生するときの化学物質に関連する情報を取得して前記第1のデータのコンテンツデータと比較し、前記第1のデータを、前記再生するときの化学物質に関連する情報に適した前記においデータに変換する第2の補正ユニットを含んでもよい。
前記再生装置は、人間の嗅覚の特性に基づいて前記第1のデータを前記においデータに変換する再構成ユニットを含んでもよい。システムは少なくとも1つのチップに集積されていてもよい。
化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する方法であって、前記化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含み、少なくともいずれかの前記化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーから得られたデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化を、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングすることにより前記コンテンツデータに変換することを有する方法を本明細書は含む。
前記複数の化学物質は複数のグループに分けられ、複数のサブバンドが前記複数のグループにそれぞれ割り当てられており、前記変換することは、検出された化学物質を示す強度変化を、いずれかのサブバンドに含まれる周波数の強度変化に変換することを含んでもよい。
少なくとも温度および湿度を含む環境情報が得られるセンサーにより、前記第1のデータを生成するときの環境情報を取得し、その環境情報を、生成したときの環境情報として前記第1のデータに含めてもよい。前記少なくとも1つのセンサーは、方向に関する検出特性の異なる左右のセンサーを含み、前記変換することは、前記左右のセンサーそれぞれからのデータに含まれる、左右の前記検出された化学物質を示す強度変化を左右の周波数空間にそれぞれマッピングすることを含んでもよい。
この方法は、前記第1のデータを時間領域の第2のデータに変換することをさらに有していてもよい。この方法は、前記第1のデータを圧縮した圧縮データを生成することをさらに有していてもよい。
前記少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、方法は、前記設定条件を、前記分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき前記設定条件を変えることをさらに有していてもよい。
前記少なくとも1つのセンサーは、タイプの異なる複数のセンサーを含み、前記変換することは、前記複数のセンサーのそれぞれからのデータに含まれる、前記検出された化学物質を示す強度変化を共通の前記周波数空間にマッピングすることを含んでいてもよい。
この明細書は、さらに、上記に記載の方法と、前記第1のデータから静止データをキャプチャすることと、前記静止データに基づき特定の物質を認識することとを有し、検査、調査または診断する方法を含む。
この明細書は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含む化学物質を示す強度変化が、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングされたコンテンツデータを含む第1のデータを受信することと、前記第1のデータのコンテンツデータに基づくにおいデータをデバイスドライバに対し供給することと、前記デバイスドライバが、におい生成装置において利用可能な複数のにおい源の組み合わせに前記においデータを変換することとを含む、においを生成する方法を開示する。
この方法は、少なくとも温度および湿度を含む再生するときの環境情報をセンサーにより取得することと、前記再生するときの環境情報を前記第1のデータを生成したときの環境情報と比較し、前記第1のデータのコンテンツデータを、前記再生するときの環境情報に適した前記においデータに変換することを含んでいてもよい。
この方法は、前記化学物質の存在により変化する量を検出可能なセンサーから再生するときの化学物質を示す強度変化を含む、再生するときの化学物質に関連した情報を取得することと、前記再生するときの化学物質に関連した情報を前記第1のデータのコンテンツデータと比較し、前記第1のデータを、前記再生するときの化学物質に関連した情報に適した前記においデータに変換することを含んでいてもよい。
この方法は、人間の嗅覚の特性に基づいて前記第1のデータのコンテンツデータを前記においデータに変換することを有していてもよい。
さらに、この明細書には、コンピュータを、化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置として機能させるためのプログラムであって、前記化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含み、前記生成する装置は、少なくともいずれかの前記化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化を、複数の周波数が複数の特定の化学物質にそれぞれ割り当てられた周波数空間にマッピングすることにより前記コンテンツデータに変換する変換ユニットを含む、プログラムが開示されている。

Claims (5)

  1. 化学物質に関連するコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置を有するシステムであって、
    前記化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含み、
    前記生成する装置は、少なくともいずれかの前記化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化を前記コンテンツデータに変換する変換ユニットを含み、
    前記少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、
    当該システムは、さらに、前記設定条件を、前記分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき前記設定条件を変える前処理装置を有する。
  2. 請求項1において、前記前処理装置は、定期的に、前記予備検出の条件を設定し、予備分析を行うユニットを含む。
  3. 化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する方法であって、
    前記化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含み、
    少なくともいずれかの前記化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーから得られたデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化を前記コンテンツデータに変換することを有し、
    前記少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、
    当該方法は、前記設定条件を、前記分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき前記設定条件を変えることをさらに有する、方法。
  4. コンピュータを、化学物質に関連したコンテンツデータを含む第1のデータを生成する装置として機能させるためのプログラムであって、
    前記化学物質は、化合物、分子および元素の少なくともいずれかを含み、
    前記生成する装置は、少なくともいずれかの前記化学物質の存在により変化する量を検出可能な少なくとも1つのセンサーからのデータに含まれる、検出された化学物質を示す強度変化により前記コンテンツデータに変換する変換ユニットを含み、
    前記少なくとも1つのセンサーは設定条件により感度、解像度および/または選択性を制御可能な分析型のセンサーを含み、
    前記生成する装置は、さらに、前記設定条件を、前記分析型のセンサーにより高範囲をスキャンする予備検出の条件に設定し、その予備検出結果を予備分析し、予備分析された物質に基づき前記設定条件を変える前処理ユニットをさらに有する、プログラム。
  5. 請求項4において、前記前処理ユニットは、定期的に、前記予備検出の条件を設定し、予備分析を行うユニットを含む、プログラム。
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