JP2014167392A - 位相差測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲の位相差のフィルムに対し、位相差と光学主軸方位を測定する方法を提供する。
【解決手段】回転検光子法又は回転偏光子法により以下のステップにより被測定物の位相差を求める。複数の波長での検出信号を取り込む。波長λiごとの検出光強度に基づき、基準方向に対する被測定物の透過光の楕円率と楕円方位角を算出し、各波長での偏光状態に対応するポアンカレ球赤道面上の各点の座標を求めるS1。シミュレーションにより、基準波長λoでの位相差Roを変化させながら波長λiごとの透過光の楕円率と楕円方位角を求め、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標を求めるS2。ポアンカレ球赤道面の計算で求めた複数の点の座標(Xis、Yis)について、同じ波長の実測点の座標(Xi、Yi)に最も近くなるときの基準波長λoでの位相差Roを被測定物の位相差とするS3。
【選択図】図3

Description

本発明はPET(Polyethylene terephthalate)、PEN(Polyethylene naphthalate)、PI(Polyimide)やPC(Polycarbonate)等の樹脂フィルム、特に高位相差樹脂フィルムの位相差と光学主軸(遅相軸又は進相軸)方位を測定する方法と装置に関するものである。
液晶表示装置に使用される反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルムなどのように様々な光学的効果を与える光学フィルムについては、位相差と光学主軸方位が管理されている。
近年、液晶表示装置は、携帯電話やタブレット端末等のモバイル機器の表示画面に限らず、カーナビゲーション装置の表示画面としても多用されている。これらの表示画面にはタッチパネルが付いているものが多い。タッチパネル自体の構成部材として又は表面の保護フィルムとして、主にPETフィルムが使用されることが多くなっている。
PETフィルムを使用したこれらの表示画面を、偏光サングラスを通して見たときに、虹模様が見えて見づらくなる現象がある。PETフィルムは、一般的に逐次二軸延伸法で製造され、配向状態が幅方向において大きく変化する、いわゆるボーイング現象を示すことは広く知られている。そのため、幅広のPETフィルムから所定形状に切り出す、いわゆる取り位置によって位相差や光学主軸方位が異なり、それが虹模様の見え方に大きく影響する。そのような場合の視認性を改善するためには、タッチパネルの構成部材や保護フィルムとして使用されるPETフィルムについても、光学フィルムと同様に位相差と光学主軸方位を管理する必要がある。タッチパネルの構成部材や保護フィルムとしてPETフィルム以外のフィルムが使用される場合にも同様の問題が生じる。
さらに、このような問題はタッチパネルに使用されるフィルムに限らず、他の液晶表示装置に使用されるフィルムについても同様に生じる。
本発明は、そのような位相差と光学主軸方位を管理する必要のあるフィルムを測定対象とする。
フィルムの位相差を測定する従来の方法としては、図9のような構成の測定装置が使用される。複数の波長を含む光を発する光源装置1からの測定光をライトガイド2で集光レンズ3に導いて平行光にして被測定物5に照射する。集光レンズ3と被測定物5の間にバンドパスフィルタ7を配置して測定波長を選択するとともに、偏光子4を配置して直線偏光にする。被測定物5を透過した測定光を検光子6を通して光検出器8に導いて透過光量を検出する。光検出器8の検出信号は増幅器及びA/D変換器を含む電気回路10によりデジタル信号に変換して演算処理部11に導く。このとき、被測定物5の前後に配置した偏光子4と検光子6の透過軸を同じ方向に保ちながら偏光子4と検光子6を一回転したときの光検出器8による検出光強度の変化から、被測定物5の位相差と光学主軸方位を求める。これを平行ニコル回転法という。
その検出光強度変化は(1)式で表され、図10のようになる。
ここで、Ioは被測定物5への入射光の強度、θは偏光子・検光子の回転角、ζは振幅透過率比、φは被測定物5の光学主軸の方位、Rは被測定物5の位相差、λは測定波長である。
(1)式に含まれる未知数は、Io、ζ、C0およびφの4つであるが、φは検出光強度図形の最大直径の方位として最初に求まるので、残りの未知数は3つである。それらは、検出光強度のθ=φ、φ+45°、φ+90°の値から連立方程式を解いて容易に求めることができる。C0が求まれば、(2)式よりその測定波長における位相差Rは(3)式で計算できる。
ここで、mは次数で1,2,3,…の値をとり、Rの絶対値を得るにはmの値を定める必要がある。
一般的に位相差Rは波長依存性があり、それをR(λ)とすると(4)式のセルマイヤーの近似式で表すことができる。
A,B,Cは定数である。
基準波長λoに対する位相差の分散比率R(λ)/R(λo)を考えると、分散比率の波長依存性は材料ごとにほぼ1つになる。このことを、例えばPETフィルムについて示すと、種々の厚さのPETフィルムの位相差R(λ)は図7(A)のように位相差の絶対値が異なっているが、基準波長λo(たとえば590nm)に対する分散比率R(λ)/R(λo)の波長依存性は図7(B)のようにほぼ1つに重なる。
従来法で1000nm以上の高位相差を測定する場合は、この特性を利用して、図97に示されるようにバンドパスフィルタ7を切り換えて、例えば6つの異なる測定波長で平行ニコル回転法によって測定し、(3)式から得られる波長ごとの位相差候補Rim(ただし、iは波長、mは次数)を並べ、それらの数値の中から分散比率の波長依存性がその材料特有のものに最も近くなるRimの組を見つけ出す。この演算は演算処理部11により実行される。この方法により、市販されている王子計測機器製の位相差測定装置KOBRA−WRでは、位相差が5000nm程度以下であれば正確に求めることができる。
http://www.oji-keisoku.co.jp/products/kobra/reference.html(平成25年1月31日検索時)
本発明は、広範囲の位相差のフィルムに適用でき、平行ニコル回転法とは異なる方法により位相差と光学主軸方位を測定する方法と装置を提供することを目的とするものである。
本発明の位相差測定方法は、被測定物を挟んで偏光子と検光子を配置して偏光子の透過軸と検光子の透過軸のうち一方を固定し他方を回転させ、偏光子を通して被測定物に測定光を照射し、被測定物を透過した測定光を検光子を通して光検出器で検出する測定装置を用い、以下のステップS0からS3により被測定物の位相差を求める。
(S0)前記測定装置から互いに異なる複数の波長での検出信号を取り込む。
(S1)取り込んだ複数の波長λiごとの検出光強度に基づき、基準方向に対する被測定物の透過光の楕円率(α/β)iと楕円方位角Ψiを算出し、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標(Xi、Yi)を求める。
(S2)シミュレーションにより、基準波長λoでの位相差Roを変化させながら複数の測定波長λiごとの透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求め、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標(Xis、Yis)を求める。
(S3)ポアンカレ球赤道面の計算で求めた複数の点の座標(Xis、Yis)について、同じ波長の実測点の座標(Xi、Yi)に最も近くなるときの基準波長λoでの位相差Roを被測定物の位相差とする。
ここで、基準方向とは偏光子又は検光子の回転のスタート位置になるように任意に設定した方向である。オンライン測定装置の場合には被測定部が移動する方向を装置の基準方向とすると、基準方向の一例は装置の基準方向であり、図11では0°方向である。基準方向としては装置の基準方向から45°の方向のように他の方向を用いることもできる。
基準波長λoは複数の測定波長λiに対して任意に設定した波長である。基準波長λoは分散比率R(λ)/R(λo)を算出するときの基準になる波長であり、任意に設定することができるが、品質管理で光学的な測定を行う波長領域の波長に設定するのが好ましい。その一例は、例えば590nmである。
本発明の位相差測定装置は、実施例を示す図1を参照して示すと、光源からの測定光が偏光子から検光子を経て光検出器に入射するように、かつ互いに異なる複数の波長λiで測定を行うように構成された光学系を有し、偏光子の透過軸と検光子の透過軸のうち一方が固定され他方が回転されるように構成され、偏光子と検光子の間に被測定物が配置される測定部(100)、及び測定部(100)からの複数波長λiでの検出信号を取り込んで被測定物の位相差を求める演算処理部(11)を備えている。
演算処理部(11)は、偏光解析部(110)、位相差補正部(113)、偏光特性算出部(111)及びマッチング部(112)を備えている.
偏光解析部(110)は、波長λiごとの検出光強度から回転検光子法又は回転偏光子法の原理に基づいて楕円偏光の楕円率(α/β)i及び楕円方位角Ψiを算出し、さらにそれらの楕円率と楕円方位角に対応する偏光状態をポアンカレ球赤道面に図示したときの点の座標(Xi、Yi)を求める。
位相差補正部(113)は、被測定物の位相差の波長分散特性を保持して、その波長分散特性に基づいて基準波長λoでの位相差Roを前記複数の各波長λiでの位相差Riに補正する。
偏光特性算出部(111)は、シミュレーションにより、基準波長λoでの位相差Roを変化させながら複数の測定波長λiごとの透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求め、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標(Xis、Yis)を算出する。
マッチング部(112)は、偏光特性算出部(111)による計算結果の点の座標(Xis、Yis)の中から実測で得られた波長λiごとの点の座標(Xi、Yi)に最も近くなるときの基準波長λoでの位相差Roを求めてそれを被測定物の位相差とする。
本発明によれば、広範囲の位相差のフィルムについて、平行ニコル回転法とは異なる方法により位相差と光学主軸(遅相軸又は進相軸)方位を測定することができる。
一実施例を示すブロック図である。 被測定物の旋光性を考慮した場合の一実施例を示すブロック図である。 図1の実施例における動作を示すフローチャートである。 図2の実施例における動作を示すフローチャートである。 位相差板に直線偏光が入射したときのポアンカレ球上の点の移動を説明する図である。 位相差板に直線偏光が入射したときの透過光を回転検光子法で測定するときの説明図である。 PETフィルムの位相差の波長依存性を示すグラフである。 (A)と(B)はそれぞれ実施例の位相差測定装置の概略構成図である。 平行ニコル回転法の概略構成図である。 平行ニコル回転法の検出光強度図形の一例である。 回転検光子法の検出光強度図形の一例である。 (A)はバンドパスフィルタの分光スペクトル(B)は位相差の波長依存性の説明図である。 高位相差フィルムを回転検光子法で測定したときのバンドパスフィルタの半値幅の影響のシミュレーション結果である。 高位相差のPETフィルムとPCフィルムを回転検光子法で測定した結果をポアンカレ球赤道面に表示した図である。 高位相差のPETフィルムをφの条件を変えて回転検光子法で測定した結果をポアンカレ球赤道面に表示した図である。 ポアンカレ球赤道面で旋光角と回転断面、回転軸を説明した図である。 図8(A)と同じ実施例の位相差測定装置の概略構成図である。 同実施例の動作を示すフローチャートである。 同実施例における測定結果をポアンカレ球赤道面上に表示した状態を示す図である。 同実施例において使用する分散曲線を示す図である。 同実施例において実測値と計算値をポアンカレ球赤道面上に表示した状態を示す図である。
一実施形態では、ステップS2でのシミュレーションは、OPTIMA法により偏光板に位相差板1枚が貼合された状態での透過光の楕円率と楕円方位角を求める計算手法である。その際の計算条件として被測定物に対して基準方向の直線偏光が照射されるものとし、さらに被測定物の位相差値を波長λiごとに補正された変数Riとし、光学主軸方位を変数φとして、基準波長λoでの位相差Roを所定の範囲にわたって、所定の刻みで変化させながら波長λiごとの楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisとを求める。光学主軸方位は基準方向からの値である。光学主軸は遅相軸と進相軸の2つがあるので、いずれを光学主軸としてもよい。
一実施形態では、ステップS0は複数の波長での検出信号を取り込むためにバンドパスフィルタを使用して波長を選択するものである。そして、ステップS2でのシミュレーションではステップS0でのバンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮して波長λiごとの検出光強度を算出し、その算出された検出光強度に基づいて被測定物の楕円率及び楕円方位角を算出する。バンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮する具体的な一方法は後で述べる。
他の実施形態は被測定物の旋光性を考慮したものである。この実施形態では、ステップS1で求めたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点からなる近似直線を求め、その近似直線がポアンカレ球赤道面の円と交わる点とポアンカレ球赤道面の円上の入射直線偏光に対応する点とのなす角に基づいて被測定物の旋光角を求める。
被測定物の旋光角を求めるこの方法は、一実施形態としては被測定物の位相差と光学主軸の方位を求め、さらに旋光角を求めるように実施することである。
被測定物の旋光角を求めるこの方法は、また、被測定物の位相差と光学主軸の方位を求めることなく、被測定物の旋光角を求める方法としても実施することができる。
さらに他の実施形態は被測定物の旋光性を考慮した真の光学主軸方位を求めるものである。この実施形態では、ステップS1で求めたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点からなる近似直線を求め、ポアンカレ球赤道面の円の中心からその近似直線に下ろした垂線と、ポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応した点と該円の中心を結ぶ直線とのなす角を求め、その角と旋光角とに基づいて被測定物の真の光学主軸方位を求める。
被測定物の真の光学主軸方位を求めるこの方法は、一実施形態としては被測定物の位相差と光学主軸の方位を求め、さらに旋光角とともに真の光学主軸方位を求めるように実施することである。
被測定物の旋光角と真の光学主軸方位を求めるこの方法は、また、被測定物の位相差と光学主軸の方位を求めることなく、被測定物の旋光角と真の光学主軸方位を求める方法としても実施することができる。
真の光学主軸方位に対し、被測定物の旋光性を考慮することなく求めた光学主軸方位は、いわば見掛け上の光学主軸方位というべきものである。被測定物が旋光性をもっている場合は、見掛け上の光学主軸方位は旋光角の分だけ真の光学主軸方位から異なったものとなる。一方、被測定物が旋光性をもっていない場合は、見掛け上の光学主軸方位と真の光学主軸方位は一致する。この明細書では真の光学主軸方位については逐一「真の」という形容詞をつけるが、見掛け上の光学主軸方位については逐一「見掛け上」のという形容詞はつけない。
位相差測定装置の好ましい実施形態では、測定部の光学系は、互いに異なる複数の波長λiごとのバンドパスフィルタを備え、光検出器はバンドパスフィルタごとに設けられ、それらのバンドパスフィルタを透過した測定光がそれぞれの光検出器で同時に検出されるように構成されている。
バンドパスフィルタを切り替えて、異なる波長ごとの位相差を測定する場合には装置も大きくなり測定時間も長くなるが、この実施形態のように複数の波長での検出信号を同時に得るようにすれば、測定系の駆動機構は検光子又は偏光子の回転1つのみでよいので検出光強度は短時間で取り込むことができ、演算処理時間を含めても短時間、例えば3秒以内、で被測定物の1点の測定を終えることができる。したがって、この実施形態によれば、例えば高位相差フィルムの加工工程において大量の検査を効率よく行うことができるようになる。
しかし、本発明は、偏光子回転法又は検光子回転法を用いポアンカレ球を利用する方法に特徴があるので、光学系としては図9のようにバンドパスフィルタを順次切り替えて複数波長での検出信号を得るものも含む。
以下に本発明の位相差測定方法と装置を具体的に説明する。
測定部(100)の検出法は、回転検光子法によるものと回転偏光子法によるものの2種類がある。
回転検光子法をとる測定部(100)では、図8(A)において光源装置1からの測定光はライトガイド2を経て集光レンズ3で平行光になる。その測定光は固定された偏光子4を通して直線偏光となり、被測定物5に照射され、被測定物5を透過した測定光が検光子6を経て、光検出器8に入射して透過光強度が測定される。光検出器8は複数個設けられ、それぞれの光検出器8は可視域で互いに異なる波長λiの測定光が入射するようにバンドパスフィルタ7を備えている。検光子6はその偏光方位θが0°から360°まで1回転するように回転機構を備えている。
一方、回転偏光子法では図8(B)のように偏光子と検光子の役割が入れ替わり、検光子6が固定され、偏光子4はその偏光方位θが0°から360°まで1回転するように回転機構を備えているが、得られる検出光強度変化は回転検光子法と同じである。
図1に示されるように、演算処理部(11)は、波長λiごとの検出光強度から回転検光子法の原理に基づいて楕円偏光の楕円率(α/β)i及び楕円方位角Ψiを算出し、さらにそれらの楕円率と楕円方位角に対応した偏光状態をポアンカレ球赤道面に図示したときの点の座標(Xi、Yi)を求める偏光解析部(110)と、被測定物の位相差の波長分散特性を予め保持して、その波長分散特性に基づいて基準波長での位相差Roを各波長での位相差Riに補正する位相差補正部(113)と、後述のOPTIMA法により偏光板に位相差板1枚が貼合された状態での透過光の楕円率と楕円方位角を求める計算手法を用い、その際の計算条件として被測定物に対して基準方向(装置基準方向又は装置基準方向に対して45°方向)の直線偏光が照射され、さらに被測定物の位相差値を位相差補正部(113)により波長λiごとに補正された変数Ri、光学主軸方位を変数φ(ただし、φは基準方向からの値)とし、位相差Roを所定の範囲にわたって、所定の刻みで変化させながら波長λiごとの楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisとを求め、さらにそれらの偏光状態のポアンカレ球赤道面の点の座標(Xis、Yis)を算出する偏光特性算出部(111)と、偏光特性算出部(111)による計算結果の点の座標(Xis、Yis)の中から実測で得られた波長λiごとの点の座標(Xi、Yi)とが最も近くなるときのRoを求めるマッチング部(112)と、を備えている。
ここで、「所定の範囲」は次のように定める。検査しようとしている被測定物の位相差がどの程度の範囲の値をとるものであるか分かっており、その値を含むような範囲、例えばRoは1000nmから3000nmの範囲という具合に定める。
また、「所定の刻み」とは、測定者が必要とする位相差の分解能の意味であり、例えば5nmの刻みで計算する。
一実施例の位相差測定装置の動作を、図3を参照して説明する。波長λiの測定光が偏光子を通して直線偏光となって被測定物に照射され、被測定物を透過した光が検光子を経て光検出器に入射して透過光強度が検出される。検光子は0°から360°まで回転可能な機構になっており、検光子1回転中の検出光強度変化から楕円偏光状態、すなわち楕円率(α/β)iと基準方向に対する楕円方位角Ψiとを算出する(ステップS1)。例えば、図11のような検出光強度変化が得られたとき、楕円率は(Imin/Imax)1/2、楕円方位角は長軸方向となるので、比較的容易に実測することができる。ここでは検光子回転法を例にして説明しているが、偏光子回転法の場合も同じである。
一方、計算によって被測定物に直線偏光が入射したときの、透過光の偏光状態(楕円率と楕円方位角)を求める(ステップS2)。例えば、王子計測機器製のシミュレーションソフトLCD−OPTIMAは任意の偏光が位相差板に入射したときの透過光の偏光状態を計算でき、位相差板の位相差及び遅相軸方位を任意に設定できる。本発明はLCD−OPTIMAで用いている計算方法を用いる。その計算方法をOPTIMA法と呼ぶ。
OPTIMA法を説明する前に、偏光状態を表現する方法の一つであるポアンカレ球について説明する。ポアンカレ球は地球儀のような球体上に配置した点の位置によって偏光状態を表すが、基本的な特徴は次のようになる。(1)赤道上はすべて楕円率0の直線偏光を表し、北極と南極は楕円率1の円偏光、その他の点はすべて楕円偏光を表す。(2)経度が同じ点はすべて方位の同じ偏光を表し、基準となる位置から読み取った経度の半分の角度だけ偏光方位が変わる。(3)北半球と南半球では回転方向が逆の楕円偏光を表す。
位相差板を偏光変換素子と考えると、その変換の様子はポアンカレ球を用いて表すことができる。図5は、図6のように位相差板に直線偏光が入射したときのポアンカレ球上での点の移動を説明した図である。位相差板の位相差をR、入射直線偏光の透過軸を基準にした位相差板の遅相軸方位をφとして、ポアンカレ球上では入射直線偏光を表す点をPとし、まず点Pから経度2φの方向に球の中心を通る回転軸を描く。次に点Pを通り回転軸と直角に交わる直線を含みかつ赤道面に垂直な面を考え、これを回転断面と呼ぶことにする。この回転断面によって定まる球上の円弧に沿ってRと波長λによって決まる回転角δだけ点Pを移動した点Mが位相差板によって変換された偏光状態になる。
点Mを赤道面へ投影した点をM’とし、点Pから見た点M’の経度を2Ψとしたとき、点Mの楕円方位は点Pの直線偏光の透過軸に対してΨだけ方位が異なる。また、点Mの楕円率は∠MOM’を2χとしたとき、tanχとなる。
OPTIMA法は、上記のようにポアンカレ球上で移動する点を幾何学的に処理することにより、直線偏光が任意の位相差板に入射したときの透過光の楕円偏光状態を求めるものである。
計算の中で、被測定物の基準波長での位相差Roは所定の範囲を所定の刻みで変化させるが、位相差は波長依存性をもっている。そこで、演算処理部(11)は位相差補正部(113)を備えている。位相差補正部(113)は、被測定物の位相差の波長分散特性を予め保持しており、偏光特性算出部(111)で使用する変数Riをその波長分散特性に基づいて各波長の位相差に補正する。
位相差補正部(113)は波長λiごとの位相差を次のように求める。まず、被測定物の位相差の波長分散特性を(4)式で表し、予め式中の係数A、B、Cを登録しておく。計算の中では基準波長λoにおける位相差を変数Roとして変化させ、波長λiでの位相差Riを(5)式によって算出する。そして、OPTIMA法の計算により波長ごとの楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを計算により求める(図3のステップS2)。
好ましい実施形態での特徴は2つあり、1つは偏光特性算出部(111)での計算において波長λiは測定波長に対応した複数の波長であるが、装置に使用されるバンドパスフィルタは理想的な単一波長ではなく分光スペクトルの分布を持つフィルタである。その特性は中心波長と半値幅で示され、例えば半値幅は10nm前後のものを使用する場合が多い。
このときλiは図12(A)のように中心波長に相当し、分光スペクトルで光が透過する範囲の各波長をλijとすると、図12(B)のようにλijに対応した被測定物の位相差Rjすべてが測定に関わり、回転検光子法で観測される検出光強度は透過する光λijすべてを合算したものになる。それは、中心波長を単一波長として観測したものとは異なる。
例えば、位相差Roが2800nmのPETフィルムを仮定し、入射直線偏光方位に対してその遅相軸が40°になるように置いたときの透過光の偏光状態をOPTIMA法を用いて計算し、測定光が単一波長のとき及びバンドパスフィルタの半値幅が10nmのとき、それぞれの計算結果をポアンカレ球赤道面に表示すると、図13のようになり両者の点の位置がずれる。
ただし、被測定物の位相差が1000nm以下の場合は、中心波長の単一波長で計算した結果と観測される結果は殆ど一致しズレは無視できる。バンドパスフィルタの半値幅の大小で観測される偏光状態が変わるのは、被測定物の位相差が1000nmを超える高位相差の場合で、このことは実際に半値幅の異なるバンドパスフィルタを用いて実測した結果でも確認できた。
好ましい実施形態では、バンドパスフィルタの分光スペクトルを次式で近似し、OPTIMA法の計算の際に分光スペクトルの波長分の透過光強度を集計して1つの楕円率と楕円方位角を算出する(図3のステップS2)。
ここで、λiは中心波長、Δλは半値幅である。
バンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮した実施形態の位相差測定装置では、偏光特性算出部(111)は、シミュレーションでは測定部の光学系のバンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮して波長λiごとの検出光強度を算出し、その算出された検出光強度に基づいて被測定物の楕円率(α/β)is及び楕円方位角Ψisを算出するように構成されている。
好ましい実施形態のもう1つの特徴は、偏光特性算出部(111)での計算において旋光性を考慮することである。旋光とは入射直線偏光がその物質を透過したときに偏光方位が回転する現象であり、糖などの溶液や水晶などの結晶で起こる。
図14は、位相差が3770nmのPETフィルム及び位相差が4790nmのPCフィルムを、図6におけるφを45°にして、回転検光子法によって450nm〜750nm範囲の6つの異なる波長で透過光の偏光状態を測定し、その結果をポアンカレ球赤道面に表示したものである。点POLは入射直線偏光に対応する点を表し、本来、旋光性をもたないフィルム1枚に直線偏光が入射した場合はPCフィルムの測定結果のように、点POLと円の中心を結ぶ線(縦軸)上に各波長の点が並ぶ。しかし、旋光性をもつフィルムの場合は、図14のPETフィルムの測定結果のように、点POLを通らない、即ち前述のポアンカレ球の特徴説明の回転断面が点POLを通らないことになる。
同じく位相差3770nmのPETフィルムを、図6におけるφを20°、30°及び45°にした状態の透過光の偏光状態をポアンカレ球赤道面に表示すると、図15のようになり、すべての回転断面は点P'を通ることが分かる。そこで、PETフィルムは旋光性と複屈折性を併せ持つと解釈し、図15のような図から被測定物の旋光角と真の光学主軸方位を求める。
旋光性を考慮したこの実施形態を図2と図4を参照して説明する。図1、図3と同じ部分には同じ符号を付し、説明を省略する。図16のように6つの測定点の座標(Xi,Yi)を、楕円率(α/β)iと楕円方位角Ψiから次式によって求める。
6つの測定点を直線近似して、図16における点POLと線分OP'のなす角2ε及び回転軸の方位2γを求める(図4のステップS5)。ポアンカレ球では角度はすべて2倍で表されるので、旋光角はε、また被測定物の真の光学主軸方位は(γ−ε)となる。実際に、図15のφ=20°、30°及び45°の条件で実測した数値を上記の方法で解析すると、ε=2.2°となり、かつφ(=γ−ε)は十分な精度で元の値と一致した。PETフィルムであれば旋光角が一定値になるというものではなく、被測定物ごとに異なるのでステップS5の処理は常に行う。
ステップS5の処理を行うために、この実施形態の位相差測定装置は、図2に示されるように旋光角(ε)算出部(115)と真の光学主軸方位(γ−ε)算出部(116)をさらに備えている。
旋光角算出部(115)は、偏光解析部(110)で求められたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点(Xi、Yi)からなる近似直線を求め、その近似直線がポアンカレ球赤道面の円と交わる点とポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点とのなす角に基づいて被測定物の旋光角εを求めるものである。
光学主軸方位算出部(116)は、偏光解析部(110)で求められたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点(Xi、Yi)からなる近似直線を求め、ポアンカレ球赤道面の円の中心からその近似直線に下ろした垂線と、ポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点とポアンカレ球赤道面の円の中心を結ぶ直線とのなす角を求め、その角と旋光角εとに基づいて被測定物の真の光学主軸方位(γ−ε)を求めるものである。
実測値から得られたεおよび(γ−ε)の値はOPTIMA法の計算時に条件として持ち込まれ、Roのみを変数として変化させながら計算を行う(図4のステップS2)。
図15のようなポアンカレ球赤道面の図において、実測値の点が点POLの周辺に集まる場合は、計算結果とのマッチング処理で誤差が出やすくなる。そこで、検光子回転法の場合は、偏光子として透過軸が装置基準軸(検光子透過軸方位)に対して例えば0°のものと45°のものを用意しておく。一方の偏光子を使用して測定をしてポアンカレ球赤道面の図において実測値の点を求めた場合、それらの点が点POLの周辺に集まったときは、もう1つの偏光子に入れ替えて測定し直すことにより、測定精度がよくなる。偏光子方位の0°と45°のいずれを採用するかは、測定結果の被測定物の真の光学主軸方位(γ−ε)の算出時に設定することができる。偏光子回転法の場合は、同様にして検光子の透過軸を設定することができる。
図8(A)は、一実施例の概略構成図であり、回転検光子法を採用したものである。6つの異なる波長に対する透過光強度を検出する部分と、実測の波長ごとに被測定物に直線偏光が入射したときの透過光の楕円率と楕円方位角とを算出する演算処理部11を備えている。
透過光強度検出部において、光源装置1は例えばハロゲンランプを発光源とした可視域の多波長成分を含む測定光を供給するもので、測定光はライトガイド2と集光レンズ3を通って被測定物へ照射される。
被測定物5を透過した光は回転可能な検光子6を透過して、バンドパスフィルタ7を通り光検出器8に入る。光検出器8は6個配置され、バンドパスフィルタ7は各光検出器8に入射する測定光の光路上にそれぞれ異なる波長を選択するように配置されている。
図8(B)のように、被測定物と検光子の順序が逆になった測定系でも光学的には同じであるので、図8(A)の測定系を用いた場合と同様の結果が得られる。このとき、検光子6に替わる偏光素子4は被測定物に対して入射側に位置するために偏光子と呼ばれ、測定法は回転偏光子法となる。
検光子6又は偏光子4の1回転中に光検出器8で検出された透過光強度の変化は、増幅器とA/D変換器を含む電気回路10で増幅とA/D変換されて演算処理部11に取り込まれる。演算処理部11は、上述のように波長λiごとの透過光の楕円率(α/β)iと楕円方位角Ψiを算出するとともに、それらの楕円率と楕円方位角に対応した偏光状態をポアンカレ球赤道面に図示したときの点の座標(Xi、Yi)を求め、別途演算処理法によって被測定物の位相差Roを変化させながら求めた楕円率と楕円方位角からポアンカレ球赤道面での点の座標(Xis、Yis)を計算し、それら計算結果の中から実測で得られた波長λiごとの点の座標(Xi、Yi)に最も近くなるときのRoを求める。演算処理部11は専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現される。
図17は図8(A)と同じ位相差測定装置を表わしたものである。偏光子4はその透過軸の方向を0°又は45°に設定できるように選択可能になっている。偏光子4の透過軸の方向は一方の偏光子を使用してポアンカレ球赤道面の実測点を求めた結果に基づいて選択することができる。光検出器8の検出信号を取り込んで増幅とA/D変換を行う増幅及びA/D変換回路10aは電気回路10に相当するものであり、測定用CPU11aは専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現されるものであり、演算処理部11を含む。回転検光子法による検光子6を回転させるために、検光子を回転させるモータを駆動するモータドライバ12と、モータドライバ12を制御するモータ制御回路13が設けられ、モータ制御回路13は測定用CPU11aに接続されている。測定用CPU11aからの指示によりモータ制御回路13からモータドライバ12を介して検光子6が回転させられる。
この実施例において、位相差を求める過程を図18から図21に改めて示す。
基準波長λoに対する位相差の分散比率R(λ)/R(λo)を表わす分散曲線を選択する。分散曲線は材質ごとに決まっているので、予め測定用CPU11aに保持しておくことにより、被測定物の材質が決まればそれに対応したものを選択することができる。
偏光子はその透過軸の方向が装置の基準方向に対して0°のものと45°のものを用意しておき、その何れかで測定を行う。測定用CPU11aはモータ制御回路13からモータドライバ12を介して検光子を1回転させ、その間に得られた6波長での検出信号をそれぞれの光検出器8から増幅及びA/D変換回路10aを介して取り込む。それらの波長ごとの検出光強度に基づき、基準方向に対する被測定物の透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを算出し、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の点の座標を求める。それらの座標をポアンカレ球赤道面上に表示すると図19のようになる。
このとき、ポアンカレ球赤道面上の各点による近似直線が破線で示されるようにポアンカレ球赤道面の円の直径から離れてその各点が狭い範囲に集まった場合は、後の計算値との比較の精度が悪くなるので、他方の偏光子に交換をして測定をしなおす。
選択した分散曲線分散比率R(λ)/R(λo)から測定波長λiごとの分散比率R(λ)/R(λo)を求める(図20)。測定波長λiごとの分散比率R(λ)/R(λo)をR/R(λi)と表示する。
次に、基準波長λoでの位相差R(λo)を変化させながら複数の測定波長λiごとの透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求める。この操作は具体的には例えば次のように行う。基準波長λoでの位相差Roを変化させる範囲をRx(最小値)〜Ry(最大値)とし、位相差Roを変化させる幅を計算ステップΔRとする。まず、位相差Roの最小値Rxに各波長λiで分散比率R/R(λi)を乗算して
R'(λi)=Rx×R/R(λi)
を求める。それらのR'(λi)を基にした各波長での透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求める。このとき、波長λiとしてはバンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮して、具体的には(6)、(7)式に基づいて楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求める。それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上での点の座標を求め、波長ごとに実測点の座標との距離を求める。位相差Roを計算ステップΔRずつ増加させながら、同じ操作を位相差Roの最大値Ryまで繰り返す。
その後、計算上の点の座標と実測点との距離が最も小さかった位相差R(λo)をその被測定物の位相差とする。計算上の点の座標と実測点との距離は、例えば波長ごとに求めた計算上の点の座標と実測点との距離の総和として求めることができる。
1 光源装置
2 ライトガイド
3 集光レンズ
4 偏光子
5 被測定物
6 検光子
7 バンドパスフィルタ
8 光検出器
10 電気回路
11 演算処理部
100 測定部
110 偏光解析部
111 偏光特性算出部
112 マッチング部
113 位相差補正部
115 旋光角算出部
116 真の光学主軸方位算出部

Claims (11)

  1. 被測定物を挟んで偏光子と検光子を配置して偏光子の透過軸と検光子の透過軸のうち一方を固定し他方を回転させ、偏光子を通して被測定物に測定光を照射し、被測定物を透過した測定光を検光子を通して光検出器で検出する測定装置を用い、以下のステップ(S0)から(S3)により被測定物の位相差を求める位相差測定方法。
    (S0)前記測定装置から互いに異なる複数の波長での検出信号を取り込む。
    (S1)取り込んだ複数の波長λiごとの検出光強度に基づき、基準方向に対する被測定物の透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを算出し、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標(Xi、Yi)を求める。
    (S2)シミュレーションにより、基準波長λoでの位相差Roを変化させながら複数の測定波長λiごとの透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求め、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標(Xis、Yis)を求める。
    (S3)ポアンカレ球赤道面の計算で求めた複数の点の座標(Xis、Yis)について、同じ波長の実測点の座標(Xi、Yi)に最も近くなるときの基準波長λoでの位相差Roを被測定物の位相差とする。
  2. 前記ステップS2でのシミュレーションは、OPTIMA法により偏光板に位相差板1枚が貼合された状態での透過光の楕円率と楕円方位角を求める計算手法であり、その際の計算条件として被測定物に対して基準方向の直線偏光が照射されるものとし、さらに被測定物の位相差値を波長λiごとに補正された変数Riとし、光学主軸方位を変数φ(ただし、φは基準方向からの値)として、基準波長λoでの位相差Roを所定の範囲にわたって、所定の刻みで変化させながら波長λiごとの楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisとを求めるものである請求項1に記載の位相差測定方法。
  3. 前記ステップS0は複数の波長での検出信号を取り込むためにバンドパスフィルタを使用して波長を選択するものであり、
    前記ステップS2でのシミュレーションでは前記ステップS0でのバンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮して波長λiごとの検出光強度を算出し、その算出された検出光強度に基づいて被測定物の楕円率及び楕円方位角を算出する請求項1又は2に記載の位相差測定方法。
  4. 前記ステップS1で求めたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点からなる近似直線を求め、
    前記近似直線がポアンカレ球赤道面の円と交わる点とポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点とのなす角に基づいて被測定物の旋光角を求める請求項1から3のいずれか一項に記載の位相差測定方法。
  5. 前記ステップS1で求めたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点からなる近似直線を求め、
    ポアンカレ球赤道面の円の中心から前記近似直線に下ろした垂線と、ポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点と該円の中心を結ぶ直線とのなす角を求め、その角と旋光角とに基づいて被測定物の真の光学主軸方位を求める請求項4に記載の位相差測定方法。
  6. 前記ステップS1で求めたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点からなる近似直線を求め、
    前記近似直線がポアンカレ球赤道面の円と交わる点とポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点とのなす角に基づいて被測定物の旋光角を求め、
    ポアンカレ球赤道面の円の中心から前記近似直線に下ろした垂線と、ポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点と該円の中心を結ぶ直線とのなす角を求め、その角と前記旋光角とに基づいて被測定物の真の光学主軸方位を求め、
    得られた前記旋光角および前記被測定物の真の光学主軸方位の値をOPTIMA法の計算時に条件として使用する請求項2に記載の位相差測定方法。
  7. 光源からの測定光が偏光子から検光子を経て光検出器に入射するように、かつ互いに異なる複数の波長λiで測定を行うように構成された光学系を有し、前記偏光子の透過軸と前記検光子の透過軸のうち一方が固定され他方が回転されるように構成され、前記偏光子と前記検光子の間に被測定物が配置される測定部(100)、及び前記測定部からの複数波長λiでの検出信号を取り込んで被測定物の位相差を求める演算処理部(11)を備え、
    前記演算処理部(11)は、波長λiごとの検出光強度から回転検光子法又は回転偏光子法の原理に基づいて楕円偏光の楕円率(α/β)i及び楕円方位角Ψiを算出し、さらにそれらの楕円率と楕円方位角に対応する偏光状態をポアンカレ球赤道面に図示したときの点の座標(Xi、Yi)を求める偏光解析部(110)と、
    被測定物の位相差の波長分散特性を保持して、その波長分散特性に基づいて基準波長λoでの位相差Roを前記複数の各波長λiでの位相差Riに補正する位相差補正部(113)と、
    シミュレーションにより、基準波長λoでの位相差Roを変化させながら複数の測定波長λiごとの透過光の楕円率(α/β)isと楕円方位角Ψisを求め、それらの値を基にした各波長での偏光状態に対応する、ポアンカレ球赤道面上の各点の座標(Xis、Yis)を算出する偏光特性算出部(111)と、
    偏光特性算出部(111)による計算結果の点の座標(Xis、Yis)の中から実測で得られた波長λiごとの点の座標(Xi、Yi)に最も近くなるときの基準波長λoでの位相差Roを求めてそれを被測定物の位相差とするマッチング部(112)と、
    を備えている位相差測定装置。
  8. 前記演算処理部(11)は、前記偏光解析部(110)で求められたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点(Xi、Yi)からなる近似直線を求め、前記近似直線がポアンカレ球赤道面の円と交わる点とポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点とのなす角に基づいて被測定物の旋光角εを求める旋光角算出部(115)をさらに備えている請求項7に記載の位相差測定装置。
  9. 前記演算処理部(11)は、前記偏光解析部(110)で求められたポアンカレ球赤道面上の複数の実測点(Xi、Yi)からなる近似直線を求め、ポアンカレ球赤道面の円の中心から前記近似直線に下ろした垂線と、ポアンカレ球赤道面の円上で入射直線偏光に対応する点と該円の中心を結ぶ直線とのなす角を求め、その角と旋光角εとに基づいて被測定物の真の光学主軸方位(γ−ε)を求める真の光学主軸方位算出部(116)をさらに備えている請求項8に記載の位相差測定装置。
  10. 前記測定部の光学系は、互いに異なる複数の波長λiごとのバンドパスフィルタを備え、前記光検出器はバンドパスフィルタごとに設けられ、それらのバンドパスフィルタを透過した測定光がそれぞれの光検出器で同時に検出されるように構成されている請求項76から9のいずれか一項に記載の位相差測定装置。
  11. 前記偏光特性算出部(111)は、シミュレーションでは前記測定部の光学系のバンドパスフィルタの分光スペクトルを考慮して波長λiごとの検出光強度を算出し、その算出された検出光強度に基づいて被測定物の楕円率(α/β)is及び楕円方位角Ψisを算出する請求項10に記載の位相差測定装置。
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