JP5060388B2 - オンライン位相差測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は被測定物の少なくとも位相差をオンラインで求めるための位相差測定装置に関する。
被測定物の位相差を測定する方法としては、偏光子と検光子それぞれの透過軸を平行に配置し、偏光子と検光子との間に被測定物を置き、偏光子と検光子とを平行ニコル状態に保って1回転し、そのときの透過光強度変化から被測定物の位相差と配向角とを求める方法(平行ニコル回転法)がある。
平行ニコル回転法をオンライン測定に適用し、単一波長の測定光を用いて透明フィルム・シートの位相差と配向角とをオンラインで測定可能にしたものがある(特許文献1,2参照。)。そのような装置は実際に光学フィルム製造工程で使用されている。光学フィルムの場合は、測定値である位相差に目標値があり、極力その変動を抑えて均一なものを製造することが重要であるので、測定すべき位相差の変動幅はごく限られた小さい範囲である。したがって、平行ニコル回転法でオンライン測定する場合も、1つの波長で測定するだけで十分な精度で位相差と配向角を測定できる。
図11は平行ニコル回転法のときの測定波長λと位相差Rとによって表されるC(=cos2πR/λ)を位相差Rに対して示したものである。その下に示した図形は、それぞれの位相差をもつ被測定物に対して偏光子と検光子とを平行ニコル状態に保って1回転したときの透過光の検出強度図形である。
特許第2791506号公報 特許第2927145号公報 日本写真学会誌, Vol.27, No.6, pp.478-483 (1990)
平行ニコル回転法では、透過光強度図形からCの値を求めて位相差Rを算出するが、位相差Rがλの整数倍近傍になったときに検出光強度図形が円になって、位相差と配向角はともに測定精度が悪くなる。
また、平行ニコル回転法で1つの波長で測定したとき、図11からも分かるように、追随可能な位相差Rの変化範囲は測定波長λの半分以内に制限される。しかし、一般フィルムの場合は位相差Rの変化範囲は大きいことがある。例えば透明フィルム・シートの位相差と配向角とをフィルム・シートの製造工程中に設置してオンライン測定しようとすると、MD方向(長手方向、引っ張り方向又は巻取り方向)又はTD方向(MD方向と直角する方向)における位相差変動が大きく、変化量が数100nm以上になる場合もある。そのため、1波長による平行ニコル回転法では位相差Rの変化に対して追随できなくなり、測定は実質的に困難となる。
本発明は、位相差Rが測定波長λの半分以上変化する被測定物に対しても測定可能なオンライン測定装置を提供することを目的とするものである。
本発明のオンライン位相差測定装置は、白色光のような多波長成分を含む測定光が移動する被測定物に偏光子を通して照射され、被測定物を透過した測定光が検光子を通して分光器(分散素子及び検出器を含む。)に入射して透過光分光スペクトルが測定される位相差測定部と、位相差測定部で測定された透過光分光スペクトルから被測定物の位相差を少なくとも算出する演算処理部を備えている。位相差測定部では、偏光子、検光子及び分光器は被測定物の移動方向に沿って配置された第1、第2の2組を含み、各組の偏光子と検光子は平行ニコルの状態に配置され、かつ第1の組の偏光子と検光子は基準方位に対する偏光方位(透過軸方位)が0°に設定され、第2の組の偏光子と検光子は基準方位に対する偏光方位が45°に設定されている。基準方位は任意に設定することができ、MD方向、TD方向又は他の方位に設定することができる。
平行ニコル配置の場合、一般的に検出光強度は下記の式で表現される。
I(θ)
=I0{α2cos4(θ−φ)+sin4(θ−φ)+(Cα/2)sin2 2(θ−φ )}
(1)
ただし、C =cos(2πR /λ ) (2)
ここで、θは偏光子・検光子の透過軸方位、I0は被測定物がないときの検出光強度、αは直交する2つの光学主軸方向に直線偏光が透過するときの振幅透過率比、φは被測定物の配向角(被測定物の2つの光学主軸のうちの屈折率が大きい方向)、Rは被測定物の位相差、λは測定波長である。θとφは適当に設定した基準方位に対する角度である。
(1)式において、I0及びRは測定波長λに依存する。また、αはほとんどの場合ほぼ1であるが、被測定物の位相差が大きいときは2つの光学主軸の屈折率差が大きいことに相当するため、2つの方向において表面反射率に差が生じ、その結果2つの光学主軸方向に対する直線偏光の透過率にも差が生じて、αは1より小さくなる。しかし、その場合でもαは0.95程度まで小さくなるだけであり、かつ可視域の波長全体について考える場合、αの波長依存性は無視できることが多い。
まず簡単のために、(1)式においてα=1の場合について考える。θ=0°と45°のときの検出光強度をI(0)とI(45)と表記し、θ=0°と45°のときのI0を区別してI0(0)とI0(45)とすると、I(0)とI(45)はそれぞれ次のように表される。
I(0)={I0(0)/2}{2+(C−1)sin22φ} (3)
I(45)={I0(45)/2}{2+(C−1)cos22φ} (4)
被測定物がないときの検出光強度I0(0)とI0(45)とは本来ほとんど同じであるが、それぞれの偏光子の特性や分光器の波長特性に僅かの違いがある場合も考えられるので、一応異なるものとして扱う。
そこで、I(0)/I0(0)とI(45)/I0(45)とを計算した後、それらを合算した値をITとすると、式(3),(4)からITは次のように表される。
T=(C+3)/2 (5)
(5)式からITはCすなわち位相差Rと測定波長λによって決まり、被測定物の配向角φには影響されないことがわかる。ただし、(5)式のITは偏光子や分光器の波長特性を除くために被測定物がないときの値I0(0),I0(45)で除したものである。
例えば2000nmの位相差Rをもつ被測定物を波長λが590nmの測定光による平行ニコル回転法で測定した場合、被測定物を配向角φが0°の状態に配置したときの検出光強度図形と被測定物を配向角φが20°の状態に配置したときの検出光強度図形を示すと図1のようになる。φが0°の場合とφが20°の場合とでは、I(0)とI(45)は異なるが、(5)式の結果によればI(0)+I(45)はφによらず一定ということを意味している。図1においても、I(0)+I(45)はφが0°の場合とφが20°の場合とで等しくなることが窺われる。
このことは1つの波長についてだけではなく、すべての波長に対して成立するので、分光スペクトルについても同様のことが成り立つ。また、Cが取り得る範囲は−1〜1であるから、α=1のときITは1〜2の範囲の値になる。
そこで、図9に示されるように、本発明のオンライン位相差測定装置は、演算処理部10として、位相差R(λ)を異ならせて算出された複数の合算位相差IT(=(C+3)/2)の分光スペクトルを保持する分光スペクトル保持部102と、位相差測定部において被測定物がない状態での2組の偏光子と検光子による透過光分光スペクトルI0(0),I0(45)と被測定物がある状態での2組の偏光子と検光子による透過光分光スペクトルI(0),I(45)とから合算スペクトル実測値IT’(ただし、IT’=I(0)/I0(0)+I(45)/I0(45)である。)を算出する合算スペクトル算出部104と、分光スペクトル保持部102に保持された計算値ITと合算スペクトル算出部104で算出された実測値IT’の差が最小になるITを求めてそのITに該当する位相差R(λ)をその被測定物の位相差Rm(λ)とする位相差算出部106を備えている。
さらに、演算処理部10は、位相差をR(λ)として波長分散を次式で表し、あらかじめ式中の係数a、b、cを材料ごとに区別して登録しておくことができる(非特許文献1参照)。
R(λ)=a+b/(λ2−c2) (6)
a、b、cの各係数の値は、例えば王子計測機器(株)製の位相差測定装置KOBRA−WRを用いれば容易に求めることができる。
ここで、基準波長をλ0とすると、(6)式より基準波長λ0に対する任意の波長λでの分散比率R(λ)/R(λ0)は容易に求まる。基準波長は任意に定めることができる。フィルムの延伸倍率の違いや厚さの違いによって位相差R(λ)が異なる場合も、この分散比率R(λ)/R(λ0)は材料ごとにほぼ等しくなることがよく知られている。図2(A)は5種のPETフィルムの位相差R(λ)の波長依存性を示したものであり、(B)はその分散比率R(λ)/R(λ0)の波長依存性を示したグラフであるが、実際に分散比率R(λ)/R(λ0)はほぼ1本の曲線に重なっている。したがって、(6)式の各係数を設定して波長分散式を登録しておくことにより、基準波長に対する分散比率も求まり、計算上R(λ0)を所定の範囲だけ所定の刻みで変化させれば、その都度任意の波長に対してR(λ)も容易に計算できる。すなわち、被測定物の位相差の波長分散式が既知であれば基準波長に対する位相差を任意に変化させながら、そのときの(5)式のITに相当する分光スペクトルを自由に計算できることを意味している。
そこで、本発明の好ましい形態では、図9に示されるように、演算処理部10は被測定物についての位相差R(λ)の波長分散式から基準波長λ0に対する位相差の分散比率R(λ)/R(λ0)を計算する分散比率算出部108をさらに備え、分光スペクトル保持部102に保持されているIT分光スペクトルは、R(λ0)を複数に変化させたときの対応するR(λ)から算出されたものであり、位相差算出部106は計算値ITと実測値IT’の差が最小になるITに該当する位相差として基準波長λ0での位相差Rm(λ0)を求め、分散比率を用いて任意の波長λでの位相差Rm(λ)を求めるものとすることができる。
次に、2つの光学主軸方向の振幅透過率比αが1ではない場合を検討する。α≠1のときの(5)式に相当する値をIT’とすると、IT’は位相差Rと測定波長λだけでなく、被測定物の配向角φや振幅透過率比αによって変わる。例えばPETフィルムを仮定し、基準波長λ0=590nmでの位相差Rを2000nm、配向角φ=20°及び振幅透過率比α=0.95としたとき、I(0)/I0(0)、I(45)/I0(45)及びIT’は図3のようになり、IT’の最大値は2にはならない。図3においてITはα=1のときの分光スペクトルである。
さらに、同じPETフィルムの条件で配向角φ及び振幅透過率比αの値を変えたときのIT’の最大値を調べ、その結果をグラフにすると図4のようになり、IT’の最大値はφとαのいずれの影響も受けることがわかる。また、位相差Rが変わればこれらの関係も変わる。α≠1のときにφやRがどのような値であっても、測定されたIT’の情報から精度よくRとφを求めるために、α=1のときにITの最大値が2になることを考慮に入れて、β1=2/(IT’の最大値)とし、β1×IT’の分光スペクトルを考える。図3のα=0.95のときのIT’についてこの処理を行なうと、図5のようになり、α=1としたときのITの分光スペクトルと近い曲線が得られる。したがって、I(0)/I0(0)、I(45)/I0(45)を合計したIT’の分光スペクトルを実測し、IT’の最大値から上記のβ1を求めた後、β1×IT’の分光スペクトルを測定値とし、一方で登録した波長分散式と(5)式を利用した前述の計算方法によってITの分光スペクトルを算出し、β1×IT’とITの2つの分光スペクトルの差が最小になるときの基準波長に対する位相差Rm(λ0)を決定する。
そこで、本発明の他の好ましい形態では、図9に示されるように、演算処理部10は補正係数β1として2/(IT’の最大値)を計算する補正係数算出部110をさらに備え、位相差算出部106は計算値ITと比較する実測値IT'としてβ1で補正された補正実測値分光スペクトルβ1×IT'を用いるようにすることができる。
この場合も、位相差算出部106が位相差として基準波長λ0での位相差Rm(λ0)を求めるようにした場合には、分散比率を用いて任意の波長λでの位相差Rm(λ)を求めることができる。
また、さらに他の好ましい形態として、位相差算出部106は計算値ITと実測値IT’の差として波長ごとの残差2乗和を計算するようにすることができる。
次に、被測定物の配向角φを決定する方法を説明する。配向角φを決定するために、本発明のさらに他の好ましい形態では、図9に示されるように、演算処理部10は、偏光方位が0°又は45°のいずれかの偏光子と検光子の組における透過光分光スペクトル実測値I(0)又はI(45)と、位相差算出部106により求められた位相差Rm(λ)を用い実測時と同じ偏光方位について被測定物の光学主軸φを変化させて計算した複数の透過光分光スペクトル計算値I(0)又はI(45)とを比較し、その差が最小になるときの光学主軸φを被測定物の配向角φmとする配向角算出部112をさらに備えている。
配向角算出部112は、透過光分光スペクトル実測値I(0)又はI(45)に代えてIS’としてI(0)/I0(0)又はI(45)/I0(45)を使用し、透過光分光スペクトル計算値I(0)又はI(45)に代えてIsとして{2+(C−1)sin22φ}/2又は{2+(C−1)cos22φ}/2を使用するようにしてもよい。
I(0)/I0(0)、I(45)/I0(45)の分光スペクトルの最大値はα=1のときはいずれも1になるが、α≠1のときの最大値は1にはならない。そこで、配向角算出部112はIs’の最大値が1になるように補正をした上で透過光分光スペクトル計算値Isと比較するものとしてもよい。
また、偏光子・検光子方位が0°と45°の2つの角度のみに着目しているため、配向角φ=22.5°及び−67.5°のときには、必ずI(0)=I(45)となる。配向角φを決定するにはI(0)/I0(0)、I(45)/I0(45)のいずれか一方の分光スペクトルを利用すればよいが、できるだけ波長に対して変化の大きい方のスペクトルを採用した方が計算値との一致が判断しやすい。そこで、α≠1のときのI(0)/I0(0)、I(45)/I0(45)それぞれの最大値をI0max、I45maxとし、φの値を−90°〜90°の範囲で変えて両者の大小を調べると、次のような結果が得られた。
−90°≦φ<−67.5°のときI0max>I45max
−67.5°≦φ<22.5°のときI0max≦I45max
22.5°≦φ≦90°のときI0max≧I45max
さらに、I0max、I45maxのうち大きい値に対応した方の分光スペクトルが波長に対する変化が大きいことも分かった。したがって、まずI0max、I45maxのいずれが大きいかを調べた後、大きい方の分光スペクトルに着目すればよい。
例としてI(0)/I0(0)に着目する場合について考える。β2=1/I0maxを求めてIS’=β2×I(0)/I0(0)を測定値の分光スペクトルとする。一方、計算でφを−90°≦φ<−67.5°及び22.5°≦φ≦90°の範囲を所定の刻みで変化させながら、先に決定したRm(λ)と(3)式とを利用して、α=1のときのIS=I(0)/I0(0)の分光スペクトルを算出し、測定値IS’と計算値ISの2つの分光スペクトルの残差2乗和が最小になるときの配向角φmを決定する。
I(45)/I0(45)に着目する場合は、β2=1/I45maxとし、(3)式の代わりに(4)式を利用し、−67.5°≦φ<22.5°の範囲でφを変化させて配向角φmを決定する。
図6は上記に示した位相差Rm(λ)の決定手順で最も好ましい方法をまとめて示したフローチャートであり、図7は上記に示した配向角φmの決定手順で最も好ましい方法をまとめて示したフローチャートである。
本発明によれば、被測定物がない状態での2組の偏光子と検光子による透過光分光スペクトルI0(0),I0(45)と被測定物がある状態での2組の偏光子と検光子による透過光分光スペクトルI(0),I(45)とから合算スペクトル実測値IT’(=I(0)/I0(0)+I(45)/I0(45))を算出し、位相差を異ならせて算出された複数の合算スペクトルIT(=(C+3)/2)とを比較し、その差が最小になるITを求めてそのITに該当する位相差R(λ)をその被測定物の位相差Rm(λ)とするので、位相差Rが測定波長λの半分以上変化する被測定物に対しても位相差Rm(λ)を精度よく、しかも短時間に測定することができるので、オンライン測定装置を実現することができる。
さらに、透過光分光スペクトル実測値I(0)又はI(45)と、求められた位相差Rm(λ)を用い実測と同じ偏光方位について被測定物の光学主軸φを変化させて計算した複数の透過光分光スペクトル計算値I(0)又はI(45)とを比較し、その差が最小になるときの光学主軸φを被測定物の配向角φmとするようにすれば、配向角φmも精度よく、しかも短時間に測定することができるので、位相差Rm(λ)と配向角φmをともに測定するオンライン測定装置を実現することができる。
図8は、本発明のオンライン位相差測定装置の第1の実施例の概略構成図であり、位相差測定部と、位相差測定部で測定された透過光分光スペクトルから被測定物の位相差と配向角を算出する演算処理部10を備えている。演算処理部10と被測定物6を除く部分が位相差測定部を構成している。
位相差測定部において、光源1は例えばハロゲンランプの光をライトガイドで導いた発光源であり、多波長成分を含む測定光として白色光を供給するものである。光源1としては白色LED(発光ダイオード)を用いた光源であってもよい。
移動する被測定物6に直線偏光の測定光を照射するために被測定物6の一方の面に対向し被測定物6の移動方向に沿って2つの偏光子4a,4bが配置されている。被測定物6の他方の面側には被測定物6を挟んで偏光子4a,4bに対向するように2つの検光子5a,5bが配置されている。偏光子4aと検光子5aは平行ニコルの状態に配置され、偏光子4bと検光子5bも平行ニコルの状態に配置されている。基準方位をMD方向(被測定物6の移動方向)とすると、第1の組の偏光子4aと検光子5aは基準方位に対する偏光方位が0°に設定され、第2の組の偏光子4bと検光子5bは基準方位に対する偏光方位が45°に設定されている。
光源1からの測定光はライトガイド2によって導かれ、集光レンズ3a,3bを経て偏光子4aと4bに照射されている。偏光子4a,4bから被測定物6及び検光子5a,5bを透過した測定光は、それぞれの集光レンズ7a,7bによって集められ、ライトガイド8a,8bを経てそれぞれの分光器9a,9bに導かれる。分光器9a,9bはそれぞれグレーティングなどの分散素子とCCDカメラなどの検出器を含んでいる。
分光器9a,9bによって分光され検出されたそれぞれの透過光強度は演算処理部10に取り込まれて、上に述べたように、被測定物6の位相差Rm(λ)と配向角φmが算出される。演算処理部10は専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータにより実現される。
図10は本発明のオンライン位相差測定装置の第2の実施例の概略構成図である。被測定物6の一方の面に対向し被測定物6の移動方向に沿って2つの偏光子24a,24bが配置されている。偏光子24a,24bは被測定物6の幅方向全体に延びて配置されており、それぞれの偏光子24a,24bに白色光の測定光を照射するために、それぞれの光源21a,21bも被測定物6の幅方向全体に延びて配置されている。被測定物6の他方の面側には被測定物6を挟んで偏光子4a,4bに対向するように2つの検光子5a,5bが配置されている。検光子5a,5bを透過した測定光をそれぞれの集光レンズ7a,7bによって集めライトガイド8a,8bを経てそれぞれの分光器9a,9bに導く受光側の光学系の構成は図8の実施例と同じであるが、図10の実施例では受光側の光学系は被測定物6の幅方向に移動できるように支持されている。
偏光子24aと検光子5aは平行ニコルの状態に配置され、偏光子24bと検光子5bも平行ニコルの状態に配置され、基準方位をMD方向として偏光子24aと検光子5aは基準方位に対する偏光方位が0°に設定され、偏光子24bと検光子5bは基準方位に対する偏光方位が45°に設定されている。
分光器9a,9bによって分光されたそれぞれの透過光は演算処理部10に取り込まれて、上に述べたように、被測定物6の位相差Rm(λ)と配向角φmが算出される。
図10の実施例によれば、受光側の光学系を走査すれば被測定物6の幅方向変化を測定できる。
平行ニコル回転法においてある位相差をもつ被測定物をある測定波長で測定したときの検出光強度を示す図である。 (A)はPETフィルムを測定したときの位相差の波長依存性を示す図、(B)は同じく分散比率の波長依存性を示す図である。 本発明で扱う検出光の分光スペクトルの例を示す図である。 被測定物の振幅透過率比αと検出光の分光スペクトルIT'の最大値との関係を示す図である。 検出光の分光スペクトルIT'を補正したものとα=1のときの分光スペクトルITとを比較した図である。 本発明における位相差Rm(λ)の決定手順で最も好ましい方法を示すフローチャートである。 本発明における配向角φmの決定手順で最も好ましい方法を示すフローチャートである。 第1の実施例を示す概略構成図である。 同実施例における演算処理部を示すブロック図である。 第2の実施例を示す概略構成図である。 平行ニコル回転法におけるCと位相差Rの関係、及び検出光強度図形の関係を示す図である。
符号の説明
1,21a,21b 光源
4a,4b,24a,24b 偏光子
5a,5b 検光子
9a,9b 分光器
10 演算処理部
102 分光スペクトル保持部
104 合算スペクトル算出部
106 位相差算出部
108 分散比率算出部
110 補正係数算出部
112 配向角算出部

Claims (7)

  1. 多波長成分を含む測定光が移動する被測定物に偏光子を通して照射され、被測定物を透過した測定光が検光子を通して分光器に入射して透過光分光スペクトルが測定される位相差測定部であって、前記偏光子、検光子及び分光器は被測定物の移動方向に沿って配置された第1、第2の2組を含み、各組の偏光子と検光子は平行ニコルの状態に配置され、かつ第1の組の偏光子と検光子は基準方位に対する偏光方位が0°に設定され、第2の組の偏光子と検光子は基準方位に対する偏光方位が45°に設定されている位相差測定部と、
    前記位相差測定部で測定された透過光分光スペクトルから被測定物の位相差を少なくとも算出する演算処理部と、を備え、
    前記演算処理部は、位相差を異ならせて算出された複数の合算スペクトルIT(=(C+3)/2)(ただし、C=cos(2πR(λ)/λである。)を保持する分光スペクトル保持部と、
    前記位相差測定部において被測定物がない状態での2組の偏光子と検光子による透過光分光スペクトルI0(0),I0(45)と被測定物がある状態での2組の偏光子と検光子による透過光分光スペクトルI(0),I(45)とから合算スペクトル実測値IT’(ただし、IT’=I(0)/I0(0)+I(45)/I0(45)である。)を算出する合算スペクトル算出部と、
    前記分光スペクトル保持部に保持された計算値ITと前記合算スペクトル算出部で算出された実測値IT’の差が最小になるITを求めてそのITに該当する位相差R(λ)をその被測定物の位相差Rm(λ)とする位相差算出部を備えているオンライン位相差測定装置。
  2. 前記演算処理部は被測定物についての位相差R(λ)の波長分散式から基準波長λ0に対する位相差の分散比率R(λ)/R(λ0)を計算する分散比率算出部をさらに備え、
    前記分光スペクトル保持部に保持されているIT分光スペクトルは、R(λ0)を複数に変化させたときの対応するR(λ)から算出されたものであり、
    前記位相差算出部は計算値ITと実測値IT’の差が最小になるITに該当する位相差として基準波長λ0での位相差Rm(λ0)を求め、分散比率を用いて任意の波長での位相差Rm(λ)を求めるものである請求項1に記載のオンライン位相差測定装置。
  3. 前記演算処理部は補正係数β1として2/(IT’の最大値)を計算する補正係数算出部をさらに備え、
    前記位相差算出部は計算値ITと比較する実測値IT’としてβ1で補正された補正実測値分光スペクトルβ1×IT’を用いる請求項1又は2に記載のオンライン位相差測定装置。
  4. 前記位相差算出部は計算値ITと実測値IT’の差として波長ごとの残差2乗和を計算するものである請求項1から3のいずれか一項に記載のオンライン位相差測定装置。
  5. 前記演算処理部は、偏光方位が0°又は45°のいずれかの偏光子と検光子の組における透過光分光スペクトル実測値I(0)又はI(45)と、求められた位相差Rm(λ)を用い実測時と同じ偏光方位について被測定物の光学主軸φを変化させて計算した複数の透過光分光スペクトル計算値I(0)又はI(45)とを比較し、その差が最小になるときの光学主軸φを被測定物の配向角φmとする配向角算出部をさらに備えている請求項1から4のいずれか一項に記載のオンライン位相差測定装置。
  6. 前記配向角算出部は透過光分光スペクトル実測値I(0)又はI(45)に代えてIS’としてI(0)/I0(0)又はI(45)/I0(45)を使用し、
    透過光分光スペクトル計算値I(0)又はI(45)に代えてIsとして{2+(C−1)sin22φ}/2又は{2+(C−1)cos22φ}/2を使用するものである請求項5に記載のオンライン位相差測定装置。
  7. 前記配向角算出部はIS’の最大値が1になるように補正をした上で透過光分光スペクトル計算値ISと比較するものである請求項6に記載のオンライン位相差測定装置。
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