JP3246040B2 - 複屈折測定装置 - Google Patents
複屈折測定装置Info
- Publication number
- JP3246040B2 JP3246040B2 JP05302493A JP5302493A JP3246040B2 JP 3246040 B2 JP3246040 B2 JP 3246040B2 JP 05302493 A JP05302493 A JP 05302493A JP 5302493 A JP5302493 A JP 5302493A JP 3246040 B2 JP3246040 B2 JP 3246040B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sample
- retardation
- phase plate
- measurement
- wavelength
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複屈折性材料のレターデ
ーションを測定する方法と装置に関するものである。
ーションを測定する方法と装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】延伸したプラスチックシートは一般に複
屈折性を示す。材質が同じであるときは厚さが一定のシ
ートであれば複屈折の程度によって延伸度合いを判定す
ることができ、逆に延伸度合いが一定のシートではその
厚さを判定することができる。複屈折性のシートは例え
ば液晶表示装置に用いられるが、その場合にも複屈折特
性の測定は必要である。その他にもシート材料の複屈折
は色々な目的で測定される。また、シート状材料の3軸
方向の屈折率を測定する必要がある場合もある。
屈折性を示す。材質が同じであるときは厚さが一定のシ
ートであれば複屈折の程度によって延伸度合いを判定す
ることができ、逆に延伸度合いが一定のシートではその
厚さを判定することができる。複屈折性のシートは例え
ば液晶表示装置に用いられるが、その場合にも複屈折特
性の測定は必要である。その他にもシート材料の複屈折
は色々な目的で測定される。また、シート状材料の3軸
方向の屈折率を測定する必要がある場合もある。
【0003】複屈折性は常光線と異常光線の屈折率によ
って表わされ、両者の差は試料を透過した常光線と異常
光線との位相差として現れる。この位相差はレターデー
ションと呼ばれ、2つの屈折率の差と材料の厚さとの積
によって決まる。レターデーションの測定によってシー
ト状試料の複屈折特性が分かる。
って表わされ、両者の差は試料を透過した常光線と異常
光線との位相差として現れる。この位相差はレターデー
ションと呼ばれ、2つの屈折率の差と材料の厚さとの積
によって決まる。レターデーションの測定によってシー
ト状試料の複屈折特性が分かる。
【0004】試料のレターデーションを測定するには、
平行ニコル又は直交ニコルに配置された2つの偏光板の
間に試料を置き、偏光板と試料とを相対的に回転させ
る。そして、偏光板と試料を透過した光の変化を記録
し、その結果からレターデーションを計算で求めるとい
う方法が採られている。レターデーションは試料に同相
で入射させた常光線と異常光線との試料出射時の位相差
として観察され、その位相差は一般に(2nπ+δ)で
表わされる。nは0,1,2,……の自然数であり、次
数と呼ばれる。試料が厚くなれば次数nも大きくなる。
偏光板と試料とを相対的に回転させて求まる透過光強度
の変化幅はδによって変わる。測定で直接求まるのはδ
のみであって、次数nを直接求める方法はない。
平行ニコル又は直交ニコルに配置された2つの偏光板の
間に試料を置き、偏光板と試料とを相対的に回転させ
る。そして、偏光板と試料を透過した光の変化を記録
し、その結果からレターデーションを計算で求めるとい
う方法が採られている。レターデーションは試料に同相
で入射させた常光線と異常光線との試料出射時の位相差
として観察され、その位相差は一般に(2nπ+δ)で
表わされる。nは0,1,2,……の自然数であり、次
数と呼ばれる。試料が厚くなれば次数nも大きくなる。
偏光板と試料とを相対的に回転させて求まる透過光強度
の変化幅はδによって変わる。測定で直接求まるのはδ
のみであって、次数nを直接求める方法はない。
【0005】そこで、従来は波長の異なる2つの光を用
いてそれぞれについてレターデーションに対応した位相
差δを求める。そして、次数nを1,2,3,……と順
に変えながら、各次数に対応した試料厚さを逆算し、2
つの波長の光について計算された試料厚さが最もよく一
致するときの次数nを正しい値としていた。
いてそれぞれについてレターデーションに対応した位相
差δを求める。そして、次数nを1,2,3,……と順
に変えながら、各次数に対応した試料厚さを逆算し、2
つの波長の光について計算された試料厚さが最もよく一
致するときの次数nを正しい値としていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は2つの波長の光による位相差の差Δが2πまでしか求
めることができず、その差が2πm+Δ’(mは1,
2,3,……,Δ’は0〜2π)であるときの整数mを
決定することができない。そのため実際にその方法が適
用できるのは、レターデーションの次数nで20位が限
度であり、厚い試料を測定することができなかった。し
かも、レターデーションの次数nが20以上で、上記の
mが1,2,……の場合でもm=0として次数を決定し
てしまうおそれがある。
は2つの波長の光による位相差の差Δが2πまでしか求
めることができず、その差が2πm+Δ’(mは1,
2,3,……,Δ’は0〜2π)であるときの整数mを
決定することができない。そのため実際にその方法が適
用できるのは、レターデーションの次数nで20位が限
度であり、厚い試料を測定することができなかった。し
かも、レターデーションの次数nが20以上で、上記の
mが1,2,……の場合でもm=0として次数を決定し
てしまうおそれがある。
【0007】また、レターデーションがnλ/2(λは
測定波長)の付近では位相差がnπ付近となって分解能
が悪くなり、レターデーションの値を正確に決めること
が困難となる。本発明は、1台の測定装置で、高い次数
のレターデーションを正しく測定できる機能の他に、位
相差の値に拘らず高分解能で測定できる機能と、3軸方
向の屈折率を測定できる機能の少なくとも一方を実行で
きる複合的な測定装置を提供することを目的とするもの
である。
測定波長)の付近では位相差がnπ付近となって分解能
が悪くなり、レターデーションの値を正確に決めること
が困難となる。本発明は、1台の測定装置で、高い次数
のレターデーションを正しく測定できる機能の他に、位
相差の値に拘らず高分解能で測定できる機能と、3軸方
向の屈折率を測定できる機能の少なくとも一方を実行で
きる複合的な測定装置を提供することを目的とするもの
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】次数が高くなってもレタ
ーデーションを正しく測定できるようにするために、試
料に位相板を重ねて、1つの波長の光に対して試料と位
相板とを合わせたレターデーションに基づく位相差が2
πの整数倍になるようにし、この状態で上記の波長に近
接した他の波長の光を用い、偏光方向を一定の関係に保
った2枚の偏光板(光源側が偏光子、検出器側が検光
子)をこれらの間の試料に対して相対的に回転させ、そ
のときの透過光強度の最大値と最小値との関係を、予め
作成してあるレターデーションの次数とこの関係とにあ
てはめて、試料のレターデーションの次数を決定し、そ
の後に正しいレターデーションを得る。
ーデーションを正しく測定できるようにするために、試
料に位相板を重ねて、1つの波長の光に対して試料と位
相板とを合わせたレターデーションに基づく位相差が2
πの整数倍になるようにし、この状態で上記の波長に近
接した他の波長の光を用い、偏光方向を一定の関係に保
った2枚の偏光板(光源側が偏光子、検出器側が検光
子)をこれらの間の試料に対して相対的に回転させ、そ
のときの透過光強度の最大値と最小値との関係を、予め
作成してあるレターデーションの次数とこの関係とにあ
てはめて、試料のレターデーションの次数を決定し、そ
の後に正しいレターデーションを得る。
【0009】常光線と異常光線との位相差がnπ付近に
なる場合でもレターデーションを分解能よく測定できる
ようにするために、レターデーション既知の板、例えば
1/4波長板を屈折計の光軸上に出入できるように設け
る。位相差がnπ近辺になる場合に自動的に分解能を高
めるようにするために、位相差がnπ近辺にあることを
検知する手段を設け、その手段の結果に基づいてレター
デーション既知の板、例えば1/4波長板を屈折計の光
軸上に自動的に挿入するようにする。そのため、偏光方
向を一定の関係に保った2枚の偏光板の間に試料を置
き、その2枚の偏光板を試料に対して相対的に回転さ
せ、2枚の偏光板及び試料の三者を透過した光の強度の
最大値と最小値から試料のレターデーションを決定する
方式の測定装置においては、上記の透過光強度の最大値
と最小値との比又は差が予め定めた基準範囲内であるか
否かを検知する検知手段と、上記の透過光強度の最大値
と最小値との比又は差が予め定めた基準範囲内であるか
否かにより1/4波長板のようにレターデーション既知
の板を上記の2枚の偏光板の間で試料に重なるように出
入させる手段と、上記の透過光強度の最大値を与えると
きの試料の方位、すなわち光学主軸の方位を検出する手
段と、上記レターデーション既知の板の光学主軸の方位
を試料の光学主軸の方位と合わせる手段と、上記検知手
段により上記の透過光強度の最大値と最小値との比又は
差が基準範囲内のときは上記レターデーション既知の板
を測定光路から外した状態でレターデーションを求め、
上記の透過光強度の最大値と最小値との比又は差が基準
範囲内でないときは上記レターデーション既知の板をそ
の光学主軸を試料の光学主軸の方位と一致させて試料と
重ね再度透過光強度の最大値と最小値を検出してレター
デーションを求める操作を行なうデータ処理装置とを設
ける。
なる場合でもレターデーションを分解能よく測定できる
ようにするために、レターデーション既知の板、例えば
1/4波長板を屈折計の光軸上に出入できるように設け
る。位相差がnπ近辺になる場合に自動的に分解能を高
めるようにするために、位相差がnπ近辺にあることを
検知する手段を設け、その手段の結果に基づいてレター
デーション既知の板、例えば1/4波長板を屈折計の光
軸上に自動的に挿入するようにする。そのため、偏光方
向を一定の関係に保った2枚の偏光板の間に試料を置
き、その2枚の偏光板を試料に対して相対的に回転さ
せ、2枚の偏光板及び試料の三者を透過した光の強度の
最大値と最小値から試料のレターデーションを決定する
方式の測定装置においては、上記の透過光強度の最大値
と最小値との比又は差が予め定めた基準範囲内であるか
否かを検知する検知手段と、上記の透過光強度の最大値
と最小値との比又は差が予め定めた基準範囲内であるか
否かにより1/4波長板のようにレターデーション既知
の板を上記の2枚の偏光板の間で試料に重なるように出
入させる手段と、上記の透過光強度の最大値を与えると
きの試料の方位、すなわち光学主軸の方位を検出する手
段と、上記レターデーション既知の板の光学主軸の方位
を試料の光学主軸の方位と合わせる手段と、上記検知手
段により上記の透過光強度の最大値と最小値との比又は
差が基準範囲内のときは上記レターデーション既知の板
を測定光路から外した状態でレターデーションを求め、
上記の透過光強度の最大値と最小値との比又は差が基準
範囲内でないときは上記レターデーション既知の板をそ
の光学主軸を試料の光学主軸の方位と一致させて試料と
重ね再度透過光強度の最大値と最小値を検出してレター
デーションを求める操作を行なうデータ処理装置とを設
ける。
【0010】試料の3軸方向の屈折率測定をできるよう
にするために、試料をその面内で回転できるようにする
とともに、試料の表面に沿う一直線を中心として試料を
傾けることができる手段を設け、試料を一定角度ずつ回
転と傾斜をさせながら屈折率測定を行なうようにする。
にするために、試料をその面内で回転できるようにする
とともに、試料の表面に沿う一直線を中心として試料を
傾けることができる手段を設け、試料を一定角度ずつ回
転と傾斜をさせながら屈折率測定を行なうようにする。
【0011】
【作用】まず、レターデーションの測定方法について説
明する。図1Aでx,y両軸は試料のシート面に平行な
直交2方向の光学主軸を示し、矢印Cの方向は試料を挾
んで平行ニコルに配置された2枚の偏光板の偏光方向を
示している。測定光が上側の偏光板を通って試料に入射
する。矢印Cで示されるベクトルは上側の偏光板を通っ
て試料に入射する光の振幅ベクトルを表わす。ベクトル
Cで表わされる光は、y方向成分Y(常光線と呼ぶ)と
x方向成分X(異常光線と呼ぶ)に分かれて試料内を進
行する。振幅ベクトルX及びYそれぞれのベクトルC方
向の成分Ax及びAyが試料の下側の偏光板を透過す
る。このとき、試料を透過した振幅ベクトルAx,Ay
の光には図1Bのように位相差δが生じる。位相差δを
もつ振幅AxとAyの2つの光(空間的なベクトルの方
向は同じ)を合成したものが試料の下側の偏光板を透過
した光の振幅であり、これをAと表わし、その光強度を
Iとすると、 I=A2 =Ax2+Ay2+2AxAycosδ ……(1) δ=2πR/λ(但し、Rはレターデーション、λは空
気中での測定光の波長である)
明する。図1Aでx,y両軸は試料のシート面に平行な
直交2方向の光学主軸を示し、矢印Cの方向は試料を挾
んで平行ニコルに配置された2枚の偏光板の偏光方向を
示している。測定光が上側の偏光板を通って試料に入射
する。矢印Cで示されるベクトルは上側の偏光板を通っ
て試料に入射する光の振幅ベクトルを表わす。ベクトル
Cで表わされる光は、y方向成分Y(常光線と呼ぶ)と
x方向成分X(異常光線と呼ぶ)に分かれて試料内を進
行する。振幅ベクトルX及びYそれぞれのベクトルC方
向の成分Ax及びAyが試料の下側の偏光板を透過す
る。このとき、試料を透過した振幅ベクトルAx,Ay
の光には図1Bのように位相差δが生じる。位相差δを
もつ振幅AxとAyの2つの光(空間的なベクトルの方
向は同じ)を合成したものが試料の下側の偏光板を透過
した光の振幅であり、これをAと表わし、その光強度を
Iとすると、 I=A2 =Ax2+Ay2+2AxAycosδ ……(1) δ=2πR/λ(但し、Rはレターデーション、λは空
気中での測定光の波長である)
【0012】また、試料への入射光強度をIo、振幅ベ
クトルの方位角をφとして、 Ax=Xsinφ=Csin2φ Ay=Ycosφ=Ccos2φ これを(1)式に入れると、C=Ioであるから、 I=Io{sin4φ+cos4φ+2sin2φcos2φcosδ} となる。この式を整理すると、 I/Io=1−sin22φ(1−cosδ)/2 ……(2) となる。(2)式はsin2φ=0のとき最大でI=Io
となる。また、(2)式はsin2φ=1のとき最小にな
り、このとき I/Io=(1+cosδ)/2 となる。すなわち、試料を平行ニコルに配置された2枚
の偏光板の間で相対的に回転させて、図2に示されるよ
うな透過光強度パターンを測定し、その最大透過光強度
をIo、最小透過光強度をImとすると、 cosδ=2Im/Io−1 ……(3) となり、位相差δのcosが求まる。
クトルの方位角をφとして、 Ax=Xsinφ=Csin2φ Ay=Ycosφ=Ccos2φ これを(1)式に入れると、C=Ioであるから、 I=Io{sin4φ+cos4φ+2sin2φcos2φcosδ} となる。この式を整理すると、 I/Io=1−sin22φ(1−cosδ)/2 ……(2) となる。(2)式はsin2φ=0のとき最大でI=Io
となる。また、(2)式はsin2φ=1のとき最小にな
り、このとき I/Io=(1+cosδ)/2 となる。すなわち、試料を平行ニコルに配置された2枚
の偏光板の間で相対的に回転させて、図2に示されるよ
うな透過光強度パターンを測定し、その最大透過光強度
をIo、最小透過光強度をImとすると、 cosδ=2Im/Io−1 ……(3) となり、位相差δのcosが求まる。
【0013】次に、次数nを決定する方法を説明する。
(3)式から Im=Io(1+cosδ)/2 であり、これに次数nを導入すると、 Im=Io(1+cos(2nπ+δ))/2 ……(4) となり、Imの値は0とIoとの間で変化する値であ
る。横軸にレターデーションRをとってImの変化を図
示すると、図3のような正弦波形Aとなる。この波形の
1周期ごとに次数nは1ずつ増加する。波形Aの測定光
の空気中での波長をλ1とし、波長が少し異なる測定光
(空気中での波長λ2)について同様のカーブを描く
と、図3中の正弦波形Bとなる。波形AとBとは周期が
わずかに異なっている。ここで、位相板を重ねて波長λ
1の光に対してレターデーションに基づく見掛け上の位
相差が0であるように、すなわち図3でIm=Ioの位
置に移動させる。そして、わずかに波長が異なる波長λ
2の光に対してImを求める。このことは図3の波形A
で極大値をとるときの波長λ2の光によるImを求める
ことである。すなわち、図3上で、a,b,c……の値
を求めることである。波形Bのa,b,c……における
Imの値を結ぶと、Cで示されるカーブになり、次数n
が大きくなるほど単調に減少する。波形AとBがちょう
ど反対位相で重なる次数で0になり、以後単調増加に転
ずる。
(3)式から Im=Io(1+cosδ)/2 であり、これに次数nを導入すると、 Im=Io(1+cos(2nπ+δ))/2 ……(4) となり、Imの値は0とIoとの間で変化する値であ
る。横軸にレターデーションRをとってImの変化を図
示すると、図3のような正弦波形Aとなる。この波形の
1周期ごとに次数nは1ずつ増加する。波形Aの測定光
の空気中での波長をλ1とし、波長が少し異なる測定光
(空気中での波長λ2)について同様のカーブを描く
と、図3中の正弦波形Bとなる。波形AとBとは周期が
わずかに異なっている。ここで、位相板を重ねて波長λ
1の光に対してレターデーションに基づく見掛け上の位
相差が0であるように、すなわち図3でIm=Ioの位
置に移動させる。そして、わずかに波長が異なる波長λ
2の光に対してImを求める。このことは図3の波形A
で極大値をとるときの波長λ2の光によるImを求める
ことである。すなわち、図3上で、a,b,c……の値
を求めることである。波形Bのa,b,c……における
Imの値を結ぶと、Cで示されるカーブになり、次数n
が大きくなるほど単調に減少する。波形AとBがちょう
ど反対位相で重なる次数で0になり、以後単調増加に転
ずる。
【0014】Imの実測値は光源の強さなどの測定条件
により変化するので、実際上はImを用いるよりIm/
Io又は(Io−Im)/Ioを用いる方がよい。Im
/Ioの値は次数nの関数で、Im/Ioが0になる次
数は2つの測定光の波長で決まるので、予めIm/Io
(又は(Io−Im)/Io)とnとの関係を求めてお
けば、Im/Io(又は(Io−Im)/Io)の実測
値からnを決定することができる。
により変化するので、実際上はImを用いるよりIm/
Io又は(Io−Im)/Ioを用いる方がよい。Im
/Ioの値は次数nの関数で、Im/Ioが0になる次
数は2つの測定光の波長で決まるので、予めIm/Io
(又は(Io−Im)/Io)とnとの関係を求めてお
けば、Im/Io(又は(Io−Im)/Io)の実測
値からnを決定することができる。
【0015】次数nを決定するには次のようにすればよ
い。位相板を重ねて波長λ1の光に対してレターデーシ
ョンに基づく見掛け上の位相差が0であるようにしたと
きの cosδをC1とする。次に、波長λ2の測定光に代
え、偏光板14,18を回転させて透過光強度を測定し
て得られる図2のパターンの最大値Ioと最小値Imと
の比Im/Ioからcosδを求め、それをC2とする。C
2とC1を図3から求められる次の関係式に代入すると、
次数候補n(偶数)が決定される。 C2=C1・sin(π/2−(n/2)(λ2−λ1)2π/λ2) (5) また、波長λ1の測定光と波長λ2の測定光を用いて次数
nとIm/Ioとの関係を示すグラフを予め求めてお
き、上記の波長λ2の測定光での比Im/Ioをそのグ
ラフにあてはめて、次数nを図上で求めるようにしても
よい。測定波長を順次代えながら次数候補について複数
の値を得て、その中から例えば多数決で1つのnを決定
するようにすればよい。
い。位相板を重ねて波長λ1の光に対してレターデーシ
ョンに基づく見掛け上の位相差が0であるようにしたと
きの cosδをC1とする。次に、波長λ2の測定光に代
え、偏光板14,18を回転させて透過光強度を測定し
て得られる図2のパターンの最大値Ioと最小値Imと
の比Im/Ioからcosδを求め、それをC2とする。C
2とC1を図3から求められる次の関係式に代入すると、
次数候補n(偶数)が決定される。 C2=C1・sin(π/2−(n/2)(λ2−λ1)2π/λ2) (5) また、波長λ1の測定光と波長λ2の測定光を用いて次数
nとIm/Ioとの関係を示すグラフを予め求めてお
き、上記の波長λ2の測定光での比Im/Ioをそのグ
ラフにあてはめて、次数nを図上で求めるようにしても
よい。測定波長を順次代えながら次数候補について複数
の値を得て、その中から例えば多数決で1つのnを決定
するようにすればよい。
【0016】次数nが決定されれば、波長λ1の光に対
してレターデーションに基づく見掛け上の位相差が0で
あるようにした位相板のレターデーション増加分rが分
かっているときは、求めるレターデーションは nλ1−r として求めることができる。もし、その位相板のレター
デーション増加分rが分からないときは、その位相板を
測定光路から外した状態で偏光板を試料に対して相対的
に1回転させて、波長λ1の測定光で透過光を測定すれ
ば、試料のレターデーションRが0〜2πの間で求まる
ので、決定された次数nを用いて、試料のレターデーシ
ョンは、 (n−1)λ1+R として求めることができる。また、各測定波長ごとに次
数候補とレターデーションとの対応関係を示すマトリッ
クスを作成し、各測定波長間でレターデーションが一致
した次数を真の次数として採用するとともに、そのとき
のレターデーションを採用するようにしてもよい。
してレターデーションに基づく見掛け上の位相差が0で
あるようにした位相板のレターデーション増加分rが分
かっているときは、求めるレターデーションは nλ1−r として求めることができる。もし、その位相板のレター
デーション増加分rが分からないときは、その位相板を
測定光路から外した状態で偏光板を試料に対して相対的
に1回転させて、波長λ1の測定光で透過光を測定すれ
ば、試料のレターデーションRが0〜2πの間で求まる
ので、決定された次数nを用いて、試料のレターデーシ
ョンは、 (n−1)λ1+R として求めることができる。また、各測定波長ごとに次
数候補とレターデーションとの対応関係を示すマトリッ
クスを作成し、各測定波長間でレターデーションが一致
した次数を真の次数として採用するとともに、そのとき
のレターデーションを採用するようにしてもよい。
【0017】Im/Ioと次数nとの関係は次のように
なる。いま2つの測定光の波長をλ1,λ2とし、試料の
2つの光学主軸の屈折率をν1,ν2とする。屈折率は波
長依存性をもつが、この場合、波長λ1とλ2は近接した
波長であるので、両波長での屈折率の変化は無視するこ
とができる。波長λ1の光で測定するとし、試料の厚さ
を0から次第に大きくして最初に図2のパターンが円に
なるときの厚さをSとすると、 R=S(ν1−ν2)=λ1 ……(6) である。このとき、波長λ2の光による測定での位相差
δは、 δ=2πS(ν1−ν2)/λ2 =2π+e となる。試料の厚さがSの整数n倍のとき波長λ1の光
に対するレターデーションに基づく位相差は見掛け上0
で、次数はnである。このとき、波長λ2の光に対する
レターデーションに基づく位相差は nδ=2πn+ne であるが、見掛け上の位相差はneである。このneが
2πになるのは図3のカーブCが1周期を描いたときで
ある。このときのnをn0とすると、 2πn0S(ν1−ν2)/λ2=2πn0+n0e =2π(n0+1) であるので、これに(6)式を用いて n0λ1/λ2=n0+1 となる。したがって、 n0=λ2/(λ1−λ2) ……(6) となり、n0は波長だけで決まる。λ1とλ2が近いとn0
は大きな次数となって、次数の大きなところでもIm/
Ioの実測値から次数nを決めることができる。次数n
が決まれば、波長λの測定光での実測から求まる見掛け
上のレターデーションRとnλとから試料の真のレター
デーションが求まる。
なる。いま2つの測定光の波長をλ1,λ2とし、試料の
2つの光学主軸の屈折率をν1,ν2とする。屈折率は波
長依存性をもつが、この場合、波長λ1とλ2は近接した
波長であるので、両波長での屈折率の変化は無視するこ
とができる。波長λ1の光で測定するとし、試料の厚さ
を0から次第に大きくして最初に図2のパターンが円に
なるときの厚さをSとすると、 R=S(ν1−ν2)=λ1 ……(6) である。このとき、波長λ2の光による測定での位相差
δは、 δ=2πS(ν1−ν2)/λ2 =2π+e となる。試料の厚さがSの整数n倍のとき波長λ1の光
に対するレターデーションに基づく位相差は見掛け上0
で、次数はnである。このとき、波長λ2の光に対する
レターデーションに基づく位相差は nδ=2πn+ne であるが、見掛け上の位相差はneである。このneが
2πになるのは図3のカーブCが1周期を描いたときで
ある。このときのnをn0とすると、 2πn0S(ν1−ν2)/λ2=2πn0+n0e =2π(n0+1) であるので、これに(6)式を用いて n0λ1/λ2=n0+1 となる。したがって、 n0=λ2/(λ1−λ2) ……(6) となり、n0は波長だけで決まる。λ1とλ2が近いとn0
は大きな次数となって、次数の大きなところでもIm/
Ioの実測値から次数nを決めることができる。次数n
が決まれば、波長λの測定光での実測から求まる見掛け
上のレターデーションRとnλとから試料の真のレター
デーションが求まる。
【0018】図3からも分かるように、cosδが±1、
すなわち位相差δがπの整数倍の付近ではδの変化に対
するcosδの変化率、つまりImの変化率が小さいか
ら、δ(したがってレターデーションR)を精密に求め
るのは難しい。逆にcosδ=0の付近ではδとImとは
比例的に変化するからδの測定感度がよく、精密にδを
決定することができる。このため、cosδが±1になる
近辺ではレターデーション既知、好ましくは位相差δが
π/2であるシートを重ねて合計の位相差がπ/2の奇
数倍になるようにするとcosδがほぼ0となり、合計の
レターデーションが容易に精密に測定でき、したがって
試料のレターデーションが精密に求まる。
すなわち位相差δがπの整数倍の付近ではδの変化に対
するcosδの変化率、つまりImの変化率が小さいか
ら、δ(したがってレターデーションR)を精密に求め
るのは難しい。逆にcosδ=0の付近ではδとImとは
比例的に変化するからδの測定感度がよく、精密にδを
決定することができる。このため、cosδが±1になる
近辺ではレターデーション既知、好ましくは位相差δが
π/2であるシートを重ねて合計の位相差がπ/2の奇
数倍になるようにするとcosδがほぼ0となり、合計の
レターデーションが容易に精密に測定でき、したがって
試料のレターデーションが精密に求まる。
【0019】本発明の好ましい態様ではレターデーショ
ン既知のシートを用いるか否かの判定を0<D<1とな
る一定値Dを設定しておいて、 |cosδ|>D のときレターデーション既知のシートを用いる。上記の
説明では偏光板にも試料にも光の吸収がないものとして
扱っているが、実際には光の吸収があるので、(3)式
のIoは入射光強度ではなく、透過光強度の最大値を用
いる方が好ましい。
ン既知のシートを用いるか否かの判定を0<D<1とな
る一定値Dを設定しておいて、 |cosδ|>D のときレターデーション既知のシートを用いる。上記の
説明では偏光板にも試料にも光の吸収がないものとして
扱っているが、実際には光の吸収があるので、(3)式
のIoは入射光強度ではなく、透過光強度の最大値を用
いる方が好ましい。
【0020】
【実施例】図4に第1の実施例を示す。白色光の光源2
からの測定光が光ファイバ4で導かれ、集光レンズ6で
平行光束となって出射する。測定光が集光レンズ6から
受光素子24に至る光路には、集光レンズ6側から順に
フィルタ8、偏光子としての偏光板14、位相板36、
試料22、検光子としての偏光板18が配置されてい
る。フィルタ8はフィルタ保持板10の周方向に沿って
透過光特性の異なる5個のフィルタF1〜F5が配置さ
れている。フィルタ保持板10を回転させるステッピン
グモータ12によってその中の1つのフィルタが選択さ
れて測定光の光路に挿入される。これらのフィルタ8の
うち、フィルタF1がレターデーション測定用の波長の
光を通すバンドパスフィルタであり、フィルタF2〜F
5はフィルタF1との透過波長差がF2からF5になる
に従って順に大きくなるように選択されたフィルタであ
る。なお、波長の選択は光源2から受光素子24に至る
光路上のどの位置で行なってもよく、したがってフィル
タ8の配置位置は図4の位置に限定されるものではな
い。
からの測定光が光ファイバ4で導かれ、集光レンズ6で
平行光束となって出射する。測定光が集光レンズ6から
受光素子24に至る光路には、集光レンズ6側から順に
フィルタ8、偏光子としての偏光板14、位相板36、
試料22、検光子としての偏光板18が配置されてい
る。フィルタ8はフィルタ保持板10の周方向に沿って
透過光特性の異なる5個のフィルタF1〜F5が配置さ
れている。フィルタ保持板10を回転させるステッピン
グモータ12によってその中の1つのフィルタが選択さ
れて測定光の光路に挿入される。これらのフィルタ8の
うち、フィルタF1がレターデーション測定用の波長の
光を通すバンドパスフィルタであり、フィルタF2〜F
5はフィルタF1との透過波長差がF2からF5になる
に従って順に大きくなるように選択されたフィルタであ
る。なお、波長の選択は光源2から受光素子24に至る
光路上のどの位置で行なってもよく、したがってフィル
タ8の配置位置は図4の位置に限定されるものではな
い。
【0021】偏光板14と18は偏光方向が互いに平行
になるように配置され、それぞれ保持円板16,20に
保持されている。保持円板16,20はそれぞれベルト
25,26を介して軸32上に固定されたプーリ28,
30とそれぞれ連結され、軸32がステッピングモータ
34によって回転させられることにより、両偏光板1
4,18が一体的に回転させられる。偏光板14を装着
した保持円板16の側面の一箇所に反射体の印がつけら
れており、光電検出器によりこの反射体を検出すること
により、偏光板14,18の回転の初期位置が検出され
る。偏光板14,18の間に設置された試料22にはフ
ィルタF1〜F5のいずれかにより選択された波長の測
定光が偏光板14を透過して入射し、試料22を透過し
た測定光は偏光板18を通って受光素子24に入射して
測光される。
になるように配置され、それぞれ保持円板16,20に
保持されている。保持円板16,20はそれぞれベルト
25,26を介して軸32上に固定されたプーリ28,
30とそれぞれ連結され、軸32がステッピングモータ
34によって回転させられることにより、両偏光板1
4,18が一体的に回転させられる。偏光板14を装着
した保持円板16の側面の一箇所に反射体の印がつけら
れており、光電検出器によりこの反射体を検出すること
により、偏光板14,18の回転の初期位置が検出され
る。偏光板14,18の間に設置された試料22にはフ
ィルタF1〜F5のいずれかにより選択された波長の測
定光が偏光板14を透過して入射し、試料22を透過し
た測定光は偏光板18を通って受光素子24に入射して
測光される。
【0022】偏光板14と試料22の間には位相板36
がステッピングモータ48により出入り自在に設置され
ている。位相板36としてはそれ自身のレターデーショ
ンが可変であるようにバビネソレイユの補償板が用いら
れている。38は補償板36のレターデーションを変化
させるステッピングモータである。位相板36はその光
学主軸を試料22の光学主軸と平行な方向又は直交する
方向になるように方位を定める必要がある。そのため、
位相板36は回転台40に取りつけられ、回転台40は
支持台42に回転可能に支持され、ベルト44を介して
ステッピングモータ46により位相板36を回転させる
ことができる。
がステッピングモータ48により出入り自在に設置され
ている。位相板36としてはそれ自身のレターデーショ
ンが可変であるようにバビネソレイユの補償板が用いら
れている。38は補償板36のレターデーションを変化
させるステッピングモータである。位相板36はその光
学主軸を試料22の光学主軸と平行な方向又は直交する
方向になるように方位を定める必要がある。そのため、
位相板36は回転台40に取りつけられ、回転台40は
支持台42に回転可能に支持され、ベルト44を介して
ステッピングモータ46により位相板36を回転させる
ことができる。
【0023】受光素子24の検出出力を増幅するために
増幅回路が設けられ、増幅された出力をデジタル信号に
変換するためにA/Dコンバータが設けられている。5
0は増幅回路とA/Dコンバータをまとめて表わしたも
のである。デジタル信号に変換された出力はデータ処理
と測定装置の動作制御を兼ねるコンピュータ52に取り
込まれ、データ処理された結果がCRT表示装置54に
表示される。コンピュータ52は測定データを処理する
とともに各モータ12,34,38,46,48にパル
スを送り、各モータの回転を制御している。
増幅回路が設けられ、増幅された出力をデジタル信号に
変換するためにA/Dコンバータが設けられている。5
0は増幅回路とA/Dコンバータをまとめて表わしたも
のである。デジタル信号に変換された出力はデータ処理
と測定装置の動作制御を兼ねるコンピュータ52に取り
込まれ、データ処理された結果がCRT表示装置54に
表示される。コンピュータ52は測定データを処理する
とともに各モータ12,34,38,46,48にパル
スを送り、各モータの回転を制御している。
【0024】図4の装置により次数nを決定し、レター
デーションを測定する方法を説明する。位相板36を測
定光路に挿入した状態で、まず測定基準波長の光を選択
するフィルタF1(透過波長λ1)を測定光路上に位置
させる。位相板36の光学主軸が試料22の光学主軸と
一致するようにモータ46を駆動して位相板36の方位
を設定する。試料22が例えば延伸されたシート材の場
合は、その試料22の光学主軸は延伸方向と一致してい
るから、位相板36の光学主軸を試料22の長手方向と
一致させればよい。一般の試料でその光学主軸の方向が
予め判明していない場合、例えば試料が既にシート材か
ら所定の形に打ち抜かれた半製品であるような場合は、
まず、位相板36を測定光路から外した状態で偏光板1
4,18を回転させて偏光板14,18の回転角に対す
る受光素子24の出力を求める。コンピュータ52は偏
光板14の保持円板16の側面の反射体が光電検出器で
検出された時点から受光素子24の出力を取り込み、偏
光板14,18を1回転させる。この結果は曲座標表示
で示すと図2のようになる。この出力から偏光板14,
18の各回転角度の前後に22.5°ずつ、すなわち互
いに45°隔てた2つの角度位置での出力の差を偏光板
14,18の各回転角について算出すると、偏光板14
の一回転の間にこの差が0(正負反転する位置)になる
角が8個所あり、その中間に受光素子出力が最大になる
角が4個所ある。この4箇所の角位置は互いに90°離
れていて、この方向が試料22の光学主軸又はそれと直
交する方向である。
デーションを測定する方法を説明する。位相板36を測
定光路に挿入した状態で、まず測定基準波長の光を選択
するフィルタF1(透過波長λ1)を測定光路上に位置
させる。位相板36の光学主軸が試料22の光学主軸と
一致するようにモータ46を駆動して位相板36の方位
を設定する。試料22が例えば延伸されたシート材の場
合は、その試料22の光学主軸は延伸方向と一致してい
るから、位相板36の光学主軸を試料22の長手方向と
一致させればよい。一般の試料でその光学主軸の方向が
予め判明していない場合、例えば試料が既にシート材か
ら所定の形に打ち抜かれた半製品であるような場合は、
まず、位相板36を測定光路から外した状態で偏光板1
4,18を回転させて偏光板14,18の回転角に対す
る受光素子24の出力を求める。コンピュータ52は偏
光板14の保持円板16の側面の反射体が光電検出器で
検出された時点から受光素子24の出力を取り込み、偏
光板14,18を1回転させる。この結果は曲座標表示
で示すと図2のようになる。この出力から偏光板14,
18の各回転角度の前後に22.5°ずつ、すなわち互
いに45°隔てた2つの角度位置での出力の差を偏光板
14,18の各回転角について算出すると、偏光板14
の一回転の間にこの差が0(正負反転する位置)になる
角が8個所あり、その中間に受光素子出力が最大になる
角が4個所ある。この4箇所の角位置は互いに90°離
れていて、この方向が試料22の光学主軸又はそれと直
交する方向である。
【0025】受光素子出力の最大の角位置を直接求める
こともできるが、受光素子出力が最大の近辺では受光素
子出力の変化が小さく、角位置が正確に求められないか
ら、上記のように差が正負反転する角位置から求める方
がよい。ただし、試料の光学主軸の検出方法はこれに限
らない。
こともできるが、受光素子出力が最大の近辺では受光素
子出力の変化が小さく、角位置が正確に求められないか
ら、上記のように差が正負反転する角位置から求める方
がよい。ただし、試料の光学主軸の検出方法はこれに限
らない。
【0026】位相板36の光学主軸が試料22の光学主
軸と一致するように設定して位相板36を測定光路に設
置した後、偏光板14,18を回転させて試料透過光の
強度変化を測定し、偏光板14,18の回転角と透過光
強度との関係データを取り込む。この関係は図示する
と、一般に図2のような花形となる。
軸と一致するように設定して位相板36を測定光路に設
置した後、偏光板14,18を回転させて試料透過光の
強度変化を測定し、偏光板14,18の回転角と透過光
強度との関係データを取り込む。この関係は図示する
と、一般に図2のような花形となる。
【0027】次に、偏光板14,18の偏光方向を試料
の光学主軸から45°だけずれた位置に偏光板14,1
8を回転させて停止させる。A/Dコンバータ50にト
リガーを出力し、例えば12ビットのデータを取り込み
ながら、その値が先に測定した回転角と透過光強度との
関係の最大値とほぼ同じになるように位相板36のレタ
ーデーションを変化させる。試料22と位相板36との
レターデーションの合計がフィルタF1を透過した測定
光の波長の整数倍になるところで透過光強度が最大値と
なる。このときは図2のパターンが円になることを意味
している。
の光学主軸から45°だけずれた位置に偏光板14,1
8を回転させて停止させる。A/Dコンバータ50にト
リガーを出力し、例えば12ビットのデータを取り込み
ながら、その値が先に測定した回転角と透過光強度との
関係の最大値とほぼ同じになるように位相板36のレタ
ーデーションを変化させる。試料22と位相板36との
レターデーションの合計がフィルタF1を透過した測定
光の波長の整数倍になるところで透過光強度が最大値と
なる。このときは図2のパターンが円になることを意味
している。
【0028】位相板36をその状態にして、偏光板1
4,18を測定開始位置まで戻し、再度回転角と透過光
強度との関係を示すパターンを測定する。もし、そのパ
ターンが真円(Im/Io=1)でなければ、モータ3
8により位相板36のレターデーションを少し変えて、
パターンができる限り真円に近づくまで繰り返す。この
ときの cosδをC1とする。
4,18を測定開始位置まで戻し、再度回転角と透過光
強度との関係を示すパターンを測定する。もし、そのパ
ターンが真円(Im/Io=1)でなければ、モータ3
8により位相板36のレターデーションを少し変えて、
パターンができる限り真円に近づくまで繰り返す。この
ときの cosδをC1とする。
【0029】次に、フィルタをF2(透過波長λ2)に
変え、偏光板14,18を回転させて透過光強度を測定
する。このときに得られる図2のパターンの最大値Io
と最小値Imとの比を求める。その比Im/Ioからco
sδを求め、それをC2とする。C2とC1と(5)式の関
係から次数候補n(偶数)が決定される。フィルタ8を
F3,F4,F5と順次変えながら同様の測定を行なう
ことによって、次数候補nについて4個の値を得ること
ができる。その中から例えば多数決で1つのnを決定す
る。次数nが決定されれば試料のレターデーションを求
めることができる。この測定ではフィルタF1による基
準波長での試料22と位相板36とを合わせた見掛けの
位相差を0にする場合の精度が測定精度に関係する。そ
こで、位相板36とは別に基準波長λ1の光に対する1
/2波長板を用意しておく。試料22と位相板36と1
/2波長板とを合わせたときのレターデーションがπ、
すなわち偏光板14,18を回転させたときの透過光強
度が0と最大との間で変化するように位相板36を調整
した後、1/2波長板を測定光路から外す。このとき試
料22と位相板36とを合わせた見掛けのレターデーシ
ョンが0になっている。この方法は図2に示される透過
光強度のパターンが円になるように位相板36を調節す
るより高感度で位相板36を調節することができる。
変え、偏光板14,18を回転させて透過光強度を測定
する。このときに得られる図2のパターンの最大値Io
と最小値Imとの比を求める。その比Im/Ioからco
sδを求め、それをC2とする。C2とC1と(5)式の関
係から次数候補n(偶数)が決定される。フィルタ8を
F3,F4,F5と順次変えながら同様の測定を行なう
ことによって、次数候補nについて4個の値を得ること
ができる。その中から例えば多数決で1つのnを決定す
る。次数nが決定されれば試料のレターデーションを求
めることができる。この測定ではフィルタF1による基
準波長での試料22と位相板36とを合わせた見掛けの
位相差を0にする場合の精度が測定精度に関係する。そ
こで、位相板36とは別に基準波長λ1の光に対する1
/2波長板を用意しておく。試料22と位相板36と1
/2波長板とを合わせたときのレターデーションがπ、
すなわち偏光板14,18を回転させたときの透過光強
度が0と最大との間で変化するように位相板36を調整
した後、1/2波長板を測定光路から外す。このとき試
料22と位相板36とを合わせた見掛けのレターデーシ
ョンが0になっている。この方法は図2に示される透過
光強度のパターンが円になるように位相板36を調節す
るより高感度で位相板36を調節することができる。
【0030】レターデーションの次数が大きくなってく
ると、使用する単色光の波長の広がりの影響で常光線、
異常光線の干渉がぼやけてきて偏光板14,18を回転
させたときの透過光強度の変化が小さくなり、レターデ
ーションが見掛け上小さくなったようになる。このた
め、使用する光源の単色性は高いことが望ましい。光源
としては連続スペクトル光源の光をフィルタで選択する
より、放電管を用い、いくつかの輝線光をフィルタで選
択する方がよい。例えばキセノン放電管の輝線450.
1nm、462.4nm、467.1nmを利用し、46
2.4nmの輝線を基準波長として467.1nmの輝線
を利用するときは、(6)式のn0は約100となり、
次数50位まで測定可能になる。
ると、使用する単色光の波長の広がりの影響で常光線、
異常光線の干渉がぼやけてきて偏光板14,18を回転
させたときの透過光強度の変化が小さくなり、レターデ
ーションが見掛け上小さくなったようになる。このた
め、使用する光源の単色性は高いことが望ましい。光源
としては連続スペクトル光源の光をフィルタで選択する
より、放電管を用い、いくつかの輝線光をフィルタで選
択する方がよい。例えばキセノン放電管の輝線450.
1nm、462.4nm、467.1nmを利用し、46
2.4nmの輝線を基準波長として467.1nmの輝線
を利用するときは、(6)式のn0は約100となり、
次数50位まで測定可能になる。
【0031】位相板36としてはバビネソレイユの補償
板を用いているが、これは高価であるので、次数を決定
するための位相板36としては、レターデーションが既
知で互いに少しずつその値が異なっている複数の板をフ
ィルタF1〜F5と同じようにターレット式に交換可能
に設けてもよい。偏光板の回転角と受光素子検出出力と
の関係(図2)で、極大値Ioと極小値Imとの差が小
さいときは検出精度が低下するので、cosδの絶対値が
ある一定値D(0<D<1)より大きいか否かを判定
し、Dより大きいときに位相板36を自動的に測定光路
に挿入して検出感度を高めることができる。
板を用いているが、これは高価であるので、次数を決定
するための位相板36としては、レターデーションが既
知で互いに少しずつその値が異なっている複数の板をフ
ィルタF1〜F5と同じようにターレット式に交換可能
に設けてもよい。偏光板の回転角と受光素子検出出力と
の関係(図2)で、極大値Ioと極小値Imとの差が小
さいときは検出精度が低下するので、cosδの絶対値が
ある一定値D(0<D<1)より大きいか否かを判定
し、Dより大きいときに位相板36を自動的に測定光路
に挿入して検出感度を高めることができる。
【0032】図4の実施例で、そのような検出感度を高
めるための動作を図5のフローチャートを参照して説明
する。位相板36は測定波長に対し、1/4波長板とし
て作用するように設定しておく。位相板36は初めは測
定光路上から外した状態にある。試料22を装置にセッ
トし、測定動作をスタートさせる。コンピュータ52は
偏光板14と18を回転させながら角度1°ごとに透過
光強度を測定して、その値を偏光板14,18の回転角
度のデータとともにメモリに格納していく。次に、この
取り込んだデータから透過光強度の最大値Ioと最小値
Imを検索する。透過光強度と偏光板14,18の回転
角度との関係は曲座標によって図示すると図2のような
花形になり、位相差δが2πの近辺ではこの花形は円に
近い形となって最大値と最小値の差が小さくなり、レタ
ーデーションが正確に求まらなくなる。そこで、cosδ
の絶対値が予め設定してある定数Dより大きいか否かを
判断する。
めるための動作を図5のフローチャートを参照して説明
する。位相板36は測定波長に対し、1/4波長板とし
て作用するように設定しておく。位相板36は初めは測
定光路上から外した状態にある。試料22を装置にセッ
トし、測定動作をスタートさせる。コンピュータ52は
偏光板14と18を回転させながら角度1°ごとに透過
光強度を測定して、その値を偏光板14,18の回転角
度のデータとともにメモリに格納していく。次に、この
取り込んだデータから透過光強度の最大値Ioと最小値
Imを検索する。透過光強度と偏光板14,18の回転
角度との関係は曲座標によって図示すると図2のような
花形になり、位相差δが2πの近辺ではこの花形は円に
近い形となって最大値と最小値の差が小さくなり、レタ
ーデーションが正確に求まらなくなる。そこで、cosδ
の絶対値が予め設定してある定数Dより大きいか否かを
判断する。
【0033】cosδがD以下のときは求められたImと
Ioから位相差δを(3)式によって算出して動作を終
える。一方、cosδの絶対値がDより大きいときは、ま
ず試料の光学主軸の方向を探す。そのために、一例とし
て、前述のように、偏光板14,18を1回転させて得
られたデータから偏光板14,18の角位置が相互に4
5度離れた一対の透過光強度の差を順次求めて、この差
の符号が反転するときの相互に45度離れた角度位置の
中間方向として試料22の光学主軸の方位を求める。こ
の方位が求まったらモータ46を駆動して位相板36の
光学主軸の方位をそれに合わせ、モータ48を駆動して
位相板36を測定光路上に移動させる。その後、偏光板
14,18を回転させて測定を行なう。位相板36を測
定光路上に挿入したことで、cosδの絶対値がD以下と
なり、位相板36を重ねた場合のレターデーションが求
められる。
Ioから位相差δを(3)式によって算出して動作を終
える。一方、cosδの絶対値がDより大きいときは、ま
ず試料の光学主軸の方向を探す。そのために、一例とし
て、前述のように、偏光板14,18を1回転させて得
られたデータから偏光板14,18の角位置が相互に4
5度離れた一対の透過光強度の差を順次求めて、この差
の符号が反転するときの相互に45度離れた角度位置の
中間方向として試料22の光学主軸の方位を求める。こ
の方位が求まったらモータ46を駆動して位相板36の
光学主軸の方位をそれに合わせ、モータ48を駆動して
位相板36を測定光路上に移動させる。その後、偏光板
14,18を回転させて測定を行なう。位相板36を測
定光路上に挿入したことで、cosδの絶対値がD以下と
なり、位相板36を重ねた場合のレターデーションが求
められる。
【0034】次のステップでは位相板36を測定光路上
に挿入した後の測定(2回目の測定)であるか否かをチ
ェックし、そうであれば位相板36が使用されているの
で、求められたδからπ/2を引き算し、その値から試
料のレターデーションを算出して測定動作を終える。こ
の動作では、試料のレターデーションがnλ/2の近辺
になって正確に決定しがたいときでもその状況を自動的
に判断して、位相板36を測定光路上に自動的に挿入し
て測定を行なうので、測定を行なう人は格別の判断動力
を費やさず、如何なる場合でも容易に正確にレターデー
ションを測定することができる。
に挿入した後の測定(2回目の測定)であるか否かをチ
ェックし、そうであれば位相板36が使用されているの
で、求められたδからπ/2を引き算し、その値から試
料のレターデーションを算出して測定動作を終える。こ
の動作では、試料のレターデーションがnλ/2の近辺
になって正確に決定しがたいときでもその状況を自動的
に判断して、位相板36を測定光路上に自動的に挿入し
て測定を行なうので、測定を行なう人は格別の判断動力
を費やさず、如何なる場合でも容易に正確にレターデー
ションを測定することができる。
【0035】図4の実施例に、試料を色々な角度で透過
する光の屈折率を測定することができる手段を追加した
実施例を図6に示す。図6では試料22の3軸方向の屈
折率測定をするために、試料22をその面内で回転でき
るようにするとともに、試料22の表面に沿う一直線を
中心として試料を傾けることができるようにするため
に、試料22は試料保持装置に保持されている。
する光の屈折率を測定することができる手段を追加した
実施例を図6に示す。図6では試料22の3軸方向の屈
折率測定をするために、試料22をその面内で回転でき
るようにするとともに、試料22の表面に沿う一直線を
中心として試料を傾けることができるようにするため
に、試料22は試料保持装置に保持されている。
【0036】試料保持装置の詳細を図7に示す。試料保
持台70は中央に穴72が設けられ、裏面がリング状に
くり抜かれて凹部が形成され、上面には試料を押さえて
保持する押え板74が2箇所に設けられている。試料保
持台70の裏面の凹部と嵌合するリング状の凸部76を
もつ回転台78が基板80に取りつけられ、試料保持台
70を試料面に垂直な軸のまわりに回転可能に保持して
いる。回転台78に嵌め込まれた試料保持台70の側面
とステッピングモータ82の回転軸に取りつけられたプ
ーリ84との間にベルト86が装着され、モータ82に
よって試料保持台70が回転する。モータ82も基板8
0に取りつけられており、プーリ84と試料保持台70
が一平面内に配置されるように、モータ82と回転台7
8の取りつけ面が構成されている。基板80の一対の側
面には軸88と90が取りつけ、られ、軸88と90の
中心軸が試料保持台70の表面にくるように配置されて
いる。これらの軸80と90が複屈折計本体に支持され
ている。一方の軸88にはプーリ62が取りつけられ、
複屈折計本体側に設けられたステッピングモータ68の
プーリ66とこのプーリ62との間にベルト64が書け
られ、基板80がモータ68により傾斜させられる。コ
ンピュータ52はモータ68,82の動作も制御する。
持台70は中央に穴72が設けられ、裏面がリング状に
くり抜かれて凹部が形成され、上面には試料を押さえて
保持する押え板74が2箇所に設けられている。試料保
持台70の裏面の凹部と嵌合するリング状の凸部76を
もつ回転台78が基板80に取りつけられ、試料保持台
70を試料面に垂直な軸のまわりに回転可能に保持して
いる。回転台78に嵌め込まれた試料保持台70の側面
とステッピングモータ82の回転軸に取りつけられたプ
ーリ84との間にベルト86が装着され、モータ82に
よって試料保持台70が回転する。モータ82も基板8
0に取りつけられており、プーリ84と試料保持台70
が一平面内に配置されるように、モータ82と回転台7
8の取りつけ面が構成されている。基板80の一対の側
面には軸88と90が取りつけ、られ、軸88と90の
中心軸が試料保持台70の表面にくるように配置されて
いる。これらの軸80と90が複屈折計本体に支持され
ている。一方の軸88にはプーリ62が取りつけられ、
複屈折計本体側に設けられたステッピングモータ68の
プーリ66とこのプーリ62との間にベルト64が書け
られ、基板80がモータ68により傾斜させられる。コ
ンピュータ52はモータ68,82の動作も制御する。
【0037】図6に示された実施例の装置で試料の複屈
折を測定するときは、次のように行なう。試料22を試
料保持台70に取りつけ、図4の実施例と同じ操作によ
り試料のレターデーションRを算出して記憶する。1回
の測定が終わると、モータ82を駆動させ、試料保持台
70を一定角、例えば10度回転させて、再び上と同じ
動作を行なわせる。このようにして、試料の向きを変え
ながらレターデーションを求める。
折を測定するときは、次のように行なう。試料22を試
料保持台70に取りつけ、図4の実施例と同じ操作によ
り試料のレターデーションRを算出して記憶する。1回
の測定が終わると、モータ82を駆動させ、試料保持台
70を一定角、例えば10度回転させて、再び上と同じ
動作を行なわせる。このようにして、試料の向きを変え
ながらレターデーションを求める。
【0038】さらに、以上の測定動作を、モータ68を
駆動して一定角、例えば5°ずつ試料保持台70を傾け
ることにより試料の傾斜角度を変えながら繰り返してレ
ターデーションを求める。コンピュータ52では、試料
保持台70の回転角度をモータ82の駆動パルスによっ
て読み取り、試料保持台70の傾斜角度をモータ68の
駆動パルスによって読み取る。
駆動して一定角、例えば5°ずつ試料保持台70を傾け
ることにより試料の傾斜角度を変えながら繰り返してレ
ターデーションを求める。コンピュータ52では、試料
保持台70の回転角度をモータ82の駆動パルスによっ
て読み取り、試料保持台70の傾斜角度をモータ68の
駆動パルスによって読み取る。
【0039】図6の実施例によれば、シート状試料の複
屈折率の測定を試料の傾斜角度及び回転角度を自動的に
調整しながら行なうことができるようになり、3軸方向
の屈折率測定を高精度に、自動的に行なうことができる
ようになる。図6の実施例でも位相板36は複数波長を
用いてレターデーションの次数を決定する場合の位相板
として利用される他に、受光素子出力の最大値Ioと最
大値Imの差が小さいときに試料のレターデーションを
1/4波長分移動させるための位相板としての機能も果
たすことができる。試料保持機構60は試料22を回転
させるとともに、傾斜させることができる。その結果、
図6の測定装置では、次数及びレターデーションを正確
に求めることができるとともに、試料の回転角と傾斜角
を変えながら3軸方向の屈折率測定を高精度に行なうこ
とができる。
屈折率の測定を試料の傾斜角度及び回転角度を自動的に
調整しながら行なうことができるようになり、3軸方向
の屈折率測定を高精度に、自動的に行なうことができる
ようになる。図6の実施例でも位相板36は複数波長を
用いてレターデーションの次数を決定する場合の位相板
として利用される他に、受光素子出力の最大値Ioと最
大値Imの差が小さいときに試料のレターデーションを
1/4波長分移動させるための位相板としての機能も果
たすことができる。試料保持機構60は試料22を回転
させるとともに、傾斜させることができる。その結果、
図6の測定装置では、次数及びレターデーションを正確
に求めることができるとともに、試料の回転角と傾斜角
を変えながら3軸方向の屈折率測定を高精度に行なうこ
とができる。
【0040】
【発明の効果】本発明では、次数nを決定し、レターデ
ーションを測定することができるだけでなく、極大値I
oと極小値Imとの差が小さいときには検出精度を高め
ることができる。試料の傾斜角度及び回転角度を調整で
きる機構をさらに追加することにより、試料の回転角と
傾斜角を変えながら次数及びレターデーションを正確に
求めることができるようになる。
ーションを測定することができるだけでなく、極大値I
oと極小値Imとの差が小さいときには検出精度を高め
ることができる。試料の傾斜角度及び回転角度を調整で
きる機構をさらに追加することにより、試料の回転角と
傾斜角を変えながら次数及びレターデーションを正確に
求めることができるようになる。
【図1】レターデーション測定原理を説明する図であ
り、(A)は試料の光学主軸と偏光板の偏光方向の関係
を示す図、(B)は試料を透過した常光線と異常光線の
位相差を示す図である。
り、(A)は試料の光学主軸と偏光板の偏光方向の関係
を示す図、(B)は試料を透過した常光線と異常光線の
位相差を示す図である。
【図2】偏光板の回転角に対する受光素子検出出力の強
度分布を示す図である。
度分布を示す図である。
【図3】本発明における次数決定動作を示す図である。
【図4】第1の実施例を示す概略斜視図である。
【図5】図4の実施例の動作の一例を示すフローチャー
ト図である。
ト図である。
【図6】第2の実施例を示す概略斜視図である。
【図7】図6の実施例における試料保持装置を示す分解
斜視図である。
斜視図である。
2 光源 8 フィルタ 12,34,38,46,48 ステッピングモー
タ 14,18 偏光板 22 試料 24 受光素子 36 位相板 52 コンピュータ
タ 14,18 偏光板 22 試料 24 受光素子 36 位相板 52 コンピュータ
フロントページの続き (72)発明者 今川 恭次 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神 崎製紙株式会社神崎工場内 (56)参考文献 特開 平2−102437(JP,A) 特開 平2−102436(JP,A) 特開 平5−240777(JP,A) 特開 平6−229910(JP,A) 特開 平5−281136(JP,A) 特開 平4−294250(JP,A) 特開 平6−281567(JP,A) 特開 平4−89553(JP,A) 特開 平4−294249(JP,A) 特開 昭64−35244(JP,A) 特開 昭62−180242(JP,A) 特開 昭63−82345(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/21 - 21/23 G01J 4/00 - 4/04
Claims (6)
- 【請求項1】 測定光路に測定光を供給する光源部と、 測定光の波長を選択するフィルタ部と、 測定光路上に配置され、偏光方向を一定の関係に保った
2枚の偏光板を備え、その間に配置された試料に対して
相対的に回転する偏光・検光部と、 光源側の偏光板と試料との間の測定光路上に配置される
レターデーション可変の位相板と、 前記位相板を測定光路上の位置と測定光路から外れた位
置との間で移動させる移動機構と、 前記位相板の光学主軸の方向を試料の光学主軸の方向と
一致させるように、前記位相板を測定光路を中心として
回転させる回転機構と、 前記偏光・検光部、前記位相板及び試料を透過した測定
光を検出する光検出部と、 前記フィルタ部での波長選択、前記偏光・検光部の回
転、前記位相板のレターデーション変化、前記移動機構
及び前記回転機構の動作を制御するとともに、前記光検
出部の出力信号を取り込んで試料のレターデーションを
算出するデータ処理・制御部と、を備えた複屈折測定装
置。 - 【請求項2】 前記データ処理・制御部は、前記フィル
タ部により第1の波長の測定光を選択し、前記移動機構
を作動させて前記位相板を測定光路上に配置させ、前記
回転機構を作動させて位相板の光学主軸の方向を試料の
光学主軸の方向と一致させ、第1の波長の測定光に対し
て試料と前記位相板とを合わせたレターデーションに基
づく位相差が2πの整数倍になるように前記位相板のレ
ターデーションを変化させた後、前記フィルタ部により
第1の波長に近接した第2の波長の測定光を選択し、前
記偏光・検光部を試料に対して相対的に1回転させ、そ
のときの透過光強度の最大値Ioと最小値Imとの関係
を、予め作成してあるレターデーションの次数と前記関
係との関係にあてはめて、試料のレターデーションの次
数nを決定し、その後にレターデーションを算出する手
段を備えている請求項1に記載の複屈折測定装置。 - 【請求項3】 前記データ処理・制御部は、前記位相板
を測定光路から外した状態で、前記偏光・検光部を試料
に対して相対的に1回転させたときの前記光検出部の出
力信号の最大値Ioと最小値Imとの比又は差が予め定
めた基準範囲内であるか否かを検知する検知手段を備
え、光検出部の出力信号の最大値Ioと最小値Imとの
比又は差が前記基準範囲内のときはその最大値Ioと最
小値Imを基にしてレターデーションを算出し、光検出
部の出力信号の最大値Ioと最小値Imとの比又は差が
前記基準範囲内でないときは前記移動機構を作動させて
前記位相板を測定光路上に配置させ、前記回転機構を作
動させて前記位相板の光学主軸の方向を試料の光学主軸
の方向と一致させ、第1の波長の測定光に対して1/4
波長板となるように前記位相板のレターデーションを変
化させた後、前記偏光・検光部を試料に対して相対的に
1回転させ、そのときの前記光検出部の出力信号の最大
値Ioと最小値Imを基にしてレターデーションを算出
する手段を備えている請求項1に記載の複屈折測定装
置。 - 【請求項4】 前記データ処理・制御部は、前記フィル
タ部により第1の波長の測定光を選択し、前記移動機構
を作動させて前記位相板を測定光路上に配置させ、前記
回転機構を作動させて位相板の光学主軸の方向を試料の
光学主軸の方向と一致させ、第1の波長の測定光に対し
て試料と前記位相板とを合わせたレターデーションに基
づく位相差が2πの整数倍になるように前記位相板のレ
ターデーションを変化させた後、前記フィルタ部により
第1の波長に近接した第2の波長の測定光を選択し、前
記偏光・検光部を試料に対して相対的に1回転させ、そ
のときの透過光強度の最大値Ioと最小値Imとの関係
を、予め作成してあるレターデーションの次数と前記関
係との関係にあてはめて、試料のレターデーションの次
数nを決定し、その後にレターデーションを算出する手
段と、前記位相板を測定光路から外した状態で、前記偏
光・検光部を試料に対して相対的に1回転させたときの
前記光検出部の出力信号の最大値Ioと最小値Imとの
比又は差が予め定めた基準範囲内であるか否かを検知す
る検知手段を備え、光検出部の出力信号の最大値Ioと
最小値Imとの比又は差が前記基準範囲内のときはその
最大値Ioと最小値Imを基にしてレターデーションを
算出し、光検出部の出力信号の最大値Ioと最小値Im
との比又は差が前記基準範囲内でないときは前記移動機
構を作動させて前記位相板を測定光路上に配置させ、前
記回転機構を作動させて前記位相板の光学主軸の方向を
試料の光学主軸の方向と一致させ、第1の波長の測定光
に対して1/4波長板となるように前記位相板のレター
デーションを変化させた後、前記偏光・検光部を試料に
対して相対的に1回転させ、そのときの前記光検出部の
出力信号の最大値Ioと最小値Imを基にしてレターデ
ーションを算出する手段と、を備えている請求項1に記
載の複屈折測定装置。 - 【請求項5】 試料をその面内で回転する機構、及び試
料の表面に沿う一直線を中心として試料を傾ける機構を
さらに備え、前記データ処理・制御部は試料を一定角度
ずつ回転と傾斜をさせながらレターデーションを算出す
る手段を備えている請求項1,2又は3に記載の複屈折
測定装置。 - 【請求項6】 第1の波長の測定光に対する1/2波長
板を測定光路に出入可能にさらに設け、 前記データ処理・制御部は、第1の波長の測定光に対し
て試料と前記位相板とを合わせたレターデーションに基
づく位相差が2πの整数倍になるように前記位相板のレ
ターデーションを変化させる際、試料、前記位相板及び
前記1/2波長板を合わせたときのレターデーションが
πの整数倍となるように前記位相板を調整した後、前記
1/2波長板を測定光路から外す手段を備えている請求
項2,4又は5に記載の複屈折測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05302493A JP3246040B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 複屈折測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05302493A JP3246040B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 複屈折測定装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06241987A JPH06241987A (ja) | 1994-09-02 |
JP3246040B2 true JP3246040B2 (ja) | 2002-01-15 |
Family
ID=12931330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05302493A Expired - Fee Related JP3246040B2 (ja) | 1993-02-17 | 1993-02-17 | 複屈折測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3246040B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100868374B1 (ko) * | 2006-10-31 | 2008-11-12 | 한국생산기술연구원 | 잔류응력 추정 방법 및 장치 |
KR100844034B1 (ko) * | 2006-10-31 | 2008-07-04 | 한국생산기술연구원 | 복굴절 측정 장치 및 방법 |
JP5060388B2 (ja) * | 2008-05-12 | 2012-10-31 | 王子計測機器株式会社 | オンライン位相差測定装置 |
-
1993
- 1993-02-17 JP JP05302493A patent/JP3246040B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06241987A (ja) | 1994-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5504581A (en) | Method and apparatus for measuring birefringence | |
JPS62157549A (ja) | シート状透光性試料の異方性測定方法 | |
JP3910352B2 (ja) | プレチルト角検出方法及び検出装置 | |
EP1060369A4 (en) | BIREFRINGENCE MEASUREMENT SYSTEM | |
JPH10332533A (ja) | 複屈折評価装置 | |
US6697157B2 (en) | Birefringence measurement | |
JP3246040B2 (ja) | 複屈折測定装置 | |
US6348966B1 (en) | Measuring method of liquid crystal pretilt angle and measuring equipment of liquid crystal pretilt angle | |
US6300954B1 (en) | Methods and apparatus for detecting liquid crystal display parameters using stokes parameters | |
US7002685B2 (en) | System for measuring of both circular and linear birefringence | |
KR100205671B1 (ko) | 광학적 이방성을 측정하기 위한 장치 및 방법 | |
JP3518313B2 (ja) | レターデーション測定方法及び装置 | |
JP3142805B2 (ja) | 液晶セルパラメータ検出方法及び装置 | |
JP3338157B2 (ja) | 配向膜評価装置 | |
WO2001042750A1 (en) | Automated system for measurement of an optical property | |
JP3136569B2 (ja) | 複屈折性材料のレターデーション測定方法 | |
JP2927020B2 (ja) | 複屈折測定装置 | |
JPH0989761A (ja) | レターデーション測定方法 | |
JPH09178608A (ja) | 消光比測定方法および消光比測定装置 | |
WO1999042796A1 (en) | Birefringence measurement system | |
JP2789575B2 (ja) | 複屈折測定装置 | |
JP3142804B2 (ja) | 2次元液晶セルパラメータ検出方法及び装置 | |
JP2927019B2 (ja) | 複屈折測定方法 | |
JPH06229909A (ja) | 偏光二色性測定装置 | |
JP2956731B2 (ja) | 複屈折測定装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |