JPH1082697A - 複屈折測定装置 - Google Patents

複屈折測定装置

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JPH1082697A
JPH1082697A JP25771896A JP25771896A JPH1082697A JP H1082697 A JPH1082697 A JP H1082697A JP 25771896 A JP25771896 A JP 25771896A JP 25771896 A JP25771896 A JP 25771896A JP H1082697 A JPH1082697 A JP H1082697A
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Kyoji Imagawa
恭次 今川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正確な光学次数を決定する。 【解決手段】 複数の測定波長のうちの基準となる1つ
の測定波長について透過光強度の偏光方位に対する角度
依存性を測定してレターデーションを測定し、その結果
に基づいて波長板の重ね合わせの要否を判定する。その
基準となる測定波長で波長板の重ね合わせが必要と判定
されたときは他の測定波長についても波長板を重ね合わ
せた状態でレターデーションを求めた後、それらのレタ
ーデーションの結果から他の測定波長について波長板の
重ね合わせが必要であったかどうかを判定し、基準とな
る測定波長で波長板の重ね合わせが不要と判定されたと
きは他の測定波長についても波長板を重ね合わせない状
態でレターデーションを求めた後、それらのレターデー
ションの結果から他の測定波長について波長板の重ね合
わせが必要であるかどうかを判定する。さらに、光学次
数を決定するに際し、試料の波長分散係数が参照され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複屈折測定装置、
とくに光学次数の決定に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レターデーション値を求める方法の一例
を説明する。いま、図1のように、光源11から受光部
16に至る光路上で、2枚の偏光板13,14をその偏
光方向が互いに平行な状態(平行ニコル)に配置し、試
料15をその間の光路上に挿入する。測定波長はフィル
タ12により選択する。その状態で、偏光板13,14
と試料15とを光軸のまわりに相対的に1回転したとす
れば、このときの透過光強度I(θ)は、次のように表わ
される。 I(θ)=I02cos4(θ-φ)+sin4(θ-φ)+(1/2)C・α・sin22(θ-φ) ……(1) ここで、C=cosδ I(θ):透過光強度 I0:最大透過光強度 θ:回転角度 φ:試料の最大屈折率方位 α:試料の2つの光学主軸方向の振幅透過率比 δ:位相差 (1)式において、θ=φのとき、 I(φ)=I0α2 ……(2) θ=φ+π/4のとき、 I(φ+π/4)=(1/4)I02+1+2αC) ……(3) θ=φ+π/2のとき、 I(φ+π/2)=I0 ……(4) とおくと、以上より I0=I(φ+π/2) ……(5) C={4I(φ+π/4)/I(φ+π/2)−1−α2}/2α……(6) α={I(φ)/I(φ+π/2)}1/2 ……(7) また、 C=cosδ =cos{2π(d/λi)・(n2−n1)} ……(8) ただし、 d:試料の厚さ λi:測定波長 n2:光学主軸の屈折率 n1:異常光線軸の屈折率 であるから、レターデーションRは、 R=d(n2−n1) =(λi/2π)cos-1C ……(9) として求められるが、ここで問題になるのは透過光強度
の角度依存性から(6)式に示すCが求められても、
(9)式からレターデーションRは、一義的には求めら
れないという点である。そこで、次数mを考慮にいれて
(9)式を書き直すと、 R=(λi/2π){Kπ−(−1)mcos-1C} ……(10) K=m−{1−(−1)m}/2 m=1、2、3・・・ となる。
【0003】本発明は、この次数が一義的に求められる
方法を提供するとともに、広範囲、例えば0〜5900
nm以上にわたって、精度良くレターデーションRある
いは複屈折率を測定可能ならしめるものである。ここ
で、透過光強度の角度依存性から求まるC、レターデー
ションR、測定波長λi及び次数mの関数をグラフに表
わすと図2のようになる。
【0004】次に、次数mを一義的に決定する方法につ
いて説明する。基本的には、同一の試料を少し波長の異
なる2種類の波長で測定することによって、次数mがき
まる。分かりやすくするために、2波長での測定原理を
記述する。図3に示すように、試料のレターデーション
が例えば510nmであった場合を考える。C1は測定
波長λ1(590nm)で測定した場合のC、C2は測
定波長λ2(610nm)で測定した場合のでのCを表
わす。C1,C2に対するRは510nmのところでの
み一致し、80nm付近、670nm付近では一致しな
い。同一の試料を測定しているのだから、波長依存性が
無視できるならば、どちらの波長で測定しても同じレタ
ーデーションになるはずである。したがって、異なる波
長で測定したレターデーションRが一致したところが、
求めるレターデーションであり、次数である。
【0005】ところが、この方法では図2からもわかる
ように、C=1、C=−1付近では、C=cos(2π
R/λi)の関係から、Cの僅かな変動(ノイズ)によ
りRが大きく変化するため、この2波長方式では、全て
の試料に対して正確な次数及びレターデーションRを測
定することは難しい。
【0006】そこで、レタデーション値が測定波長の半
波長の整数倍近傍の場合、測定精度の低下を防ぐため
に、1/4波長板のような波長板を試料と重ね、全体の
レターデーション値をずらして測定することが行なわれ
ている。また、広範囲にわたるレターデーションの測定
において次数を決定するには、複数波長におけるレター
デーション値を用いる必要があるが、上記のように位相
差値が測定波長の半波長の整数倍近傍の場合、波長板と
の重ね合わせを行うか否かは、ある測定波長λ1でのC
1で判断し、その波長で波長板との重ね合わせを行なう
ときには、他の測定波長λ2、λ3でもその波長板との
重ね合わせを行なってレターデーションを測定し、これ
らの結果を用いて次数決定マトリックスを組み、試料の
光学次数を決定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法では、ある
測定波長λ1でのレタデーション値がその測定波長の半
波長の整数倍近傍の場合は、波長板を試料に重ね合わせ
て測定することによりその測定波長λ1ではデータに信
頼性が出るが、他の測定波長λ2、λ3では逆にレタデ
ーション値がずれて半波長の整数倍近傍に近くなってそ
の測定精度が低下し、次数決定ミスが発生することがあ
る。
【0008】また、同一試料でも測定波長によってレタ
ーデーション値が異なる、いわゆる波長分散が存在す
る。測定試料によっては、波長分散特性がかなり大きな
ものがあるが、従来の測定方法では波長分散が考慮に入
れられていないので、光学次数決定時に使用する測定デ
ータに誤差が生じ、光学次数が正確に求まらない場合が
ある。本発明は、上記のような試料条件に特に影響され
ることなく、正確な光学次数を決定することが可能な複
屈折測定装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の測定波
長それぞれに対して試料の偏光透過光強度の偏光方位に
対する角度依存性を測定する測定手段と、測定波長を選
択する手段と、選択されたそれぞれの測定波長における
測定手段による試料の偏光透過光強度の偏光方位に対す
る角度依存性測定結果に基づいて試料への波長板の重ね
合わせの要否を判定する判定手段と、この判定結果に基
づき、波長板の重ね合わせが必要と判定された測定波長
については試料に波長板を重ね合わせ、波長板の重ね合
わせが不要と判定された測定波長については試料に波長
板を重ね合わせないように波長板の位置を制御する波長
板位置制御部と、この測定結果を用いて光学次数を決定
しレターデーションを求めるデータ処理装置とを備えて
いる。
【0010】波長板の重ね合わせの要否は、C値の絶対
値として1に近い所定の値、例えば0.95を閾値とし
て判定することができ、C値の絶対値がその閾値を越え
たときは波長板の重ね合わせを必要と判定し、その閾値
以下のときは波長板の重ね合わせを不要と判定すること
ができる。これにより、基準となる波長λ1だけでな
く、波長板を重ね合わせた状態での他の波長λ2、λ3
でのC2’,C3’も判断に入れ、C’値が絶対値でそ
の閾値を越えた場合には、波長板を抜いてレターデーシ
ョン値が測定波長の半波長の整数倍近傍からずれるよう
にしする。その結果、全ての測定波長において精度の高
いレターデーション値を用いることができるようにな
り、次数決定マトリックスを組み試料の光学次数を決定
すれば、次数決定ミスを抑えることができるようにな
る。
【0011】光学次数の決定及びレターデーション値の
算出に際し、レターデーション値の測定結果を試料の波
長分散係数を用いて補正するのが好ましい。これによ
り、波長分散性の大きい試料の場合にも、正確な次数決
定が可能となり、測定精度が向上され、また測定可能な
試料の範囲が拡大される。
【0012】
【実施例】一実施例の複屈折測定装置を図4に示す。1
は光源であり、測定波長範囲を含む多色光源または白色
光源を用いる。2は測定光束の波長選択部であり、例え
ば円形のホルダの円周上に透過波長の異なる数個の狭帯
域通過フィルタ素子が分散配置されたものであり、その
ホルダを軸の回りに回転させることにより、所望の単色
波長を通過させるフィルタ素子を測定光路上に選択でき
るように構成されている。
【0013】Sは高分子フィルムその他の測定試料であ
り、図のような枚葉試料に限らず、長尺試料であっても
よい。3,4は試料Sを挟んで面を平行にして配置され
た1対の偏光板であり、3は偏光子、5は検光子であ
る。偏光子3と検光子5は互いに透過軸方向を同じくし
て平行ニコルの関係に配置され、試料Sに対して相対的
に光軸のまわりに回転できるように構成されている。
【0014】5はレターデーション値及び透過軸方向が
既知の複屈折性板、例えば1/4波長板などの波長板で
あり、偏光子3と検光子4との間に試料と重ねて配置さ
れる。波長板5は、特に図示されていないが、その面内
回転及び面に平行な方向への平行スライド移動ができる
ように適当な可動部材に保持されており、面内回転、測
定光路上への前進、測定光路上からの後退離脱は、適当
な駆動部(図示せず)を介して、波長板制御部7Bの制
御により行なわれる。
【0015】6は検光子4の後段に配置され、検光子4
を透過した測定光の強度を検出する受光部であり、検出
出力は入力処理部6Aにより増幅及びA/D変換され
て、データ処理装置8に導入される。
【0016】7は主として機械的動作を制御する動作制
御部であり、波長選択制御部7A、前述の波長板制御部
7B、及び偏光板回転制御部7Cを含んでいる。波長選
択制御部7Aは測定光の波長選択動作を制御するもので
あり、具体的にはフィルタ2のホルダの回転角度位置を
制御し、プログラムに従って、所要の波長の光を通過さ
せるフィルタ素子を測定光路上に位置させる。波長板位
置制御部7Bは、測定光路上への波長板5の前進(挿
入)、後退(離脱)の切り替えの制御及び面内での回転
位置制御を行なう。偏光板回転制御部7Cは、偏光子3
及び検光子4の回転角度位置を検出するとともに、所定
のプログラムに従って両者の回転角度位置を制御するも
のであり、透過光強度の回転角度パターンを1回得る際
に、偏光板3、4を1回転又は1/2回転させる。
【0017】8は装置の動作の制御、必要な各種の演
算、入出力制御その他のコンピュータ機能を備えたデー
タ処理装置であり、内部のメモリに所要のプログラムが
内蔵されている。データ処理装置8はCPU81、プロ
グラム格納部82、バッファメモリ83、測定データ用
データメモリ84、表示記録装置85、及び入力装置8
6を備え、データバスライン80を介して相互に結合
し、制御部7の各部とも結合している。プログラム格納
部82は動作制御部7の制御を含めて、装置全体の動作
制御を行なう動作制御プログラム、入力処理部6Aから
入力された検出データに基づいて透過光強度の角度パタ
ーンの決定、レターデーション値R、C値の演算、遅相
軸の決定、波長板の重ね合わせの要否判定、その他を行
なう演算制御プログラム、これらの値から試料の波長分
散係数を参照して次数決定を行なう次数決定プログラ
ム、試料の波長分散係数の入力用の係数設定プログラ
ム、及び入出力制御プログラム等をROMメモリ等に内
蔵している。
【0018】各測定波長における試料への波長板の重ね
合わせの要否を判定する判定手段はデータ処理装置8の
CPU81と演算制御プログラムにより実現される。バ
ッファメモリ83及びデータメモリ84はRAMメモリ
等により構成され、表示記録装置85はCRT、液晶表
示板、プリンタ等により実現され、入力装置86はキー
ボード等により実現される。
【0019】波長分散係数を入力する場合には、例えば
図6のような、測定試料の波長分散特性曲線から、特定
の複数の測定波長における波長分散係数を読み取り、基
準波長(例えば589.3nm)に対するレターデーション
値の比率R/R589.3を、入力装置86等により入力
し、データメモリ84に記憶させる。これにより、基準
波長以外の波長での測定値は、この比率の逆数を乗じて
正規化して用いられる。
【0020】次にこの実施例の複屈折測定装置の動作に
ついて、図面を参照しながら説明する。まず、図4に基
づいて、一般的な動作について説明する。光源1から投
射された光束は、フィルタ2により選択された所望の波
長の単色光とされ、測定光束として偏光子3に垂直に入
射する。偏光子3及び検光子4は、ステッピングモータ
等により一定の微小角度、例えば1°ごとに間欠駆動さ
れる。偏光子3、試料S及び検光子4を通過した透過光
の強度は、受光部6により検出され、電気信号に変換さ
れる。受光部6の検出出力は、入力処理部6Aにより、
偏光子3及び検光子4の一定の微小角度回転毎に、サン
プリング及びA/D変換されてデータ処理装置8に入力
される。
【0021】データ処理装置8では、内蔵されたプログ
ラムにより、測定波長の選択、試料への波長板の重ね合
わせの可否決定、偏光板の回転制御等を行ない、測定動
作のシーケンスを進行させるとともに、各測定波長に対
して、透過光強度の角度パターンの決定、レターデーシ
ョンR,C値の算出、光学次数の決定等を行う。
【0022】波長板を試料に重ねた状態では、両者を合
成したレターデーション値が求められるが、試料の遅相
軸と波長板の光学主軸を合致させて測定した場合には、
合成のレターデーション値から波長板のレターデーショ
ン値を減算すれば、試料自体のレターデーション値が得
られる。
【0023】次に、図5を参照しながら、4波長を用い
て次数及びレターデーションを測定する場合の手順につ
いて、詳細に説明する。まず、測定光路上から波長板5
を後退させた状態で、測定光波長の中で最小の波長λ
1、例えば589.3nm(反対に最大の波長を用いて
もよい)で測定して、測定波長λ1でのレターデーショ
ン値R1を計算し、その波長でのCをC1=cos(2
πR1/λ1)として求める(ステップS1)。
【0024】レターデーション値が測定波長の半波長の
整数倍近傍となって測定精度が低下するかどうかを判断
するために、C1の絶対値|C1|が一定値、例えば
0.95より大きいか否かを調べる(ステップS2)。
|C1|>0.95ならば、測定精度を高めるために、
波長λ1での測定は波長板を重ねた状態で行なうことに
なる。
【0025】|C1|>0.95ならば、C1<0かど
うかを調べる(ステップS3)。C1<0であれば透過
光強度の回転角度パターンから、遅相軸と進相軸の区別
はつかないとしても互いに直交する軸方向(仮の軸方向
と呼ぶ)を読み取ることができるが、C1>0であれば
透過光強度の回転角度パターンが円又はそれに近いもの
となるため、遅相軸又は進相軸を表わす仮の軸方向を読
み取ることはできない。
【0026】そこで、C1<0でない場合、すなわちC
1>0の場合には、波長λ1から最も離れた第4の波長
λ4、例えば700nmの光を用いて透過光強度の回転
角度パターンを測定することにより、その回転角度パタ
ーンは円から外れて軸方向を表わすパターンとなるの
で、その波長λ4での回転角度パターンから試料の仮の
軸方向を決定する(ステップS4)。
【0027】次に波長板5を測定光路上に前進させ(ス
テップS5)、波長板5の光学主軸方向を先に決定され
た仮の軸方向と一致させ、波長λ1で透過光強度の回転
角度パターンを測定してレターデーション値を求める。
このとき、試料と波長板5のレターデーション値が相加
的に合成される方の仮の軸方向が試料の遅相軸方向であ
る。遅相軸方向を記憶するとともに、波長板5の光学主
軸方向が試料の遅相軸と一致するように波長板5を試料
に重ねた状態での波長λ1、λ2、λ3における透過光
強度の回転角度パターンから各波長におけるレターデー
ション値R1’,R2’,R3’及びそれらに対応する
C1’,C2’,C3’値を算出する(ステップS6,
S7,S8)。ここで、R’,C’はそれぞれ波長板を
試料に重ねて測定したR,Cを表わしている。
【0028】次に、上記で求めたC2’,C3’につい
て、C2’の絶対値またはC3’の絶対値が0.95よ
り大であるか否かを判定する。C’の絶対値が0.95
より大となった波長については、波長板5を後退させて
測定光路上から外した状態で透過光強度の回転角度パタ
ーンを測定し、そのレターデーション値Riを求める。
C’の絶対値が0.95以下の場合には、波長板を試料
に重ねて測定したレターデーション値Ri’を採用する
(ステップS9)。
【0029】以上で求めた3波長λ1,λ2,λ3での
測定結果に基づき、その3波長でのレターデーション値
Riを用いて次数決定マトリクスを組み、次数決定の処
理を行ない、結果を出力する(ステップS10,S1
1)。レターデーション値が波長板を試料に重ねて測定
したレターデーション値Ri’である場合には、波長板
のレターデーション値をRoとしたとき、 Ri=Ri’−Ro として次数決定マトリクスを組む。次数決定マトリクス
は既知のものであるので、詳しい説明は省略するが、原
理的には図3を参照して説明した方法である。より詳細
な方法は、例えば特開平4−294250号公報にも記
載されている。
【0030】ステップS3において、C1<0である場
合には、波長λ1での透過光強度の回転角度パターンか
ら仮の軸方向を読み取ることができるので、仮の軸方向
を決定するためだけの波長λ4による透過光強度の回転
角度パターンの測定は行なわない。その他の点はステッ
プS5からS11と同じ手順により、波長板5を測定光
路上に前進させて遅相軸方向を決定し、波長板5を試料
に重ねた状態で波長λ1、λ2、λ3におけるレターデ
ーション値R1’,R2’,R3’及びそれらに対応す
るC1’,C2’,C3’値を算出し、C2’,C3’
の絶対値が0.95より大であるものについては波長板
5を後退させてレターデーション値Riを求め、次数決
定マトリクスにより次数決定を行ない、結果を出力する
(ステップS12〜S18)。
【0031】ステップS2において、C1の絶対値が
0.95以下であると判定された場合には、波長λ1で
の透過光強度の回転角度パターンの長軸aと短軸bとの
比b/aが0.8より大であるか否かを判定する(ステ
ップS19)。その比b/aが0.8より大であれば長
軸aと短軸bのいずれが遅相軸であるかを決定するのは
困難であるが、その比b/aが0.8以下であれば短軸
bの方向を遅相軸であると決定することができる。いず
れの場合もC1の絶対値が0.95以下であれば、波長
板を重ねなくても波長λ1での透過光強度の回転角度パ
ターンからレターデーション値R1を求めることができ
る。
【0032】ステップS19で比b/aが0.8より大
である場合には、波長λ2、λ3でそれぞれ透過光強度
の回転角度パターンを測定し、それぞれのC2,C3値
及びレターデーション値R2,R3を求める(ステップ
S20,S21)。
【0033】次に、遅相軸を決定するために、波長板を
測定光路上に前進させ、波長板5の光学主軸方向を長軸
a又は短軸bと一致させ、波長λ1で透過光強度の回転
角度パターンを測定してレターデーション値を求める
(ステップS22)。試料と波長板5のレターデーショ
ン値が相加的に合成される方の軸a又はb方向を試料の
遅相軸方向と決定する(ステップS23)。
【0034】次に、上記で求めたC2,C3について、
C2の絶対値またはC3の絶対値が0.95より大であ
るか否かを判定する。Cの絶対値が0.95より大とな
った波長については、波長板5を前進させて測定光路上
に挿入した状態で透過光強度の回転角度パターンを測定
し、そのレターデーション値Ri’を求める。Cの絶対
値が0.95以下の場合には、波長板を試料に重ねない
で測定したレターデーション値Riを採用する(ステッ
プS24)。
【0035】以上で求めた3波長λ1,λ2,λ3での
測定結果に基づき、その3波長でのレターデーション値
Riを用いて次数決定マトリクスを組み、次数決定の処
理を行ない、結果を出力する(ステップS25,S2
6)。この場合も、レターデーション値が波長板を試料
に重ねて測定したレターデーション値Ri’である場合
には、波長板のレターデーション値をRoとしたとき、 Ri=Ri’−Ro として次数決定マトリクスを組む。
【0036】ステップS19において、比b/aが0.
8以下の場合には短軸bの方向を遅相軸であると決定す
ることができるので、遅相軸を決定するためのステップ
S22,S23を除いてはステップS20〜S26と同
じ手順により、波長λ2、λ3でそれぞれのC2,C3
値及びレターデーション値R2,R3を求め、C2の絶
対値またはC3の絶対値が0.95より大である場合に
はその波長については波長板を測定光路上に挿入した状
態でレターデーション値Ri’を測定し、3波長λ1,
λ2,λ3での測定結果に基づき、その3波長でのレタ
ーデーション値Riを用いて次数決定マトリクスを組
み、次数決定の処理を行ない、結果を出力する(ステッ
プS27〜S31)。
【0037】縦延伸後のナイロンフィルム(厚さ90μ
m)について、波長分散の係数設定を行なって、フィル
ムの幅方向に測定点をとり、幅方向のレターデーション
値の分布を測定し、これを係数設定を行なわない場合の
測定結果と対照して図7に示した。図7(a)は波長分
散の係数設定を行なわなかった場合、(b)は行なった
場合である。この結果からみると、レターデーション値
の分布の全体的傾向はほぼ同じであるが、係数設定を行
なった場合の方が分布値カーブの変動が単純化されてい
ることがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明では、波長板の重ね合わせが必要
と判定された測定波長については試料に波長板を重ね合
わせた状態で、波長板の重ね合わせが不要と判定された
測定波長については試料に波長板を重ね合わせない状態
で、各測定波長でレターデーションの測定を行なわせる
ようにしたので、レターデーションを各測定波長におい
て安定した精度で測定でき、これを用いて光学次数を正
確に決定でき、次数決定ミスの発生を抑えることができ
る。また、波長分散係数を用いて補正すれば、波長分散
性の大きい試料を測定する場合に次数決定の精度が向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】複屈折測定装置の基礎的な構成を示す概略図で
ある。
【図2】複屈折測定における光学次数を説明する波形図
である。
【図3】複数波長を用いた光学次数決定方法を説明する
波形図である。
【図4】本発明の一実施例の複屈折測定装置を示す概略
構成図である。
【図5】同実施例の次数決定動作を示すフローチャート
図である。
【図6】レターデーションの波長分散特性を示す図であ
る。
【図7】波長分散特性を考慮しない場合(a)と考慮し
た場合(b)のレターデーション測定結果を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 光源 2 フィルタ 3 偏光子 4 検光子 5 波長板 6 受光部 7 動作制御部 7A 波長選択制御部 7B 波長板位置制御部 8 データ処理装置 82 プログラム格納部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のそれぞれの測定波長に対して試料
    の偏光透過光強度の偏光方位に対する角度依存性を測定
    する測定手段と、 測定波長を選択する手段と、 選択されたそれぞれの測定波長における前記測定手段に
    よる試料の偏光透過光強度の偏光方位に対する角度依存
    性測定結果に基づいて試料への波長板の重ね合わせの要
    否を判定する判定手段と、 この判定結果に基づき、波長板の重ね合わせが必要と判
    定された測定波長については試料に波長板を重ね合わ
    せ、波長板の重ね合わせが不要と判定された測定波長に
    ついては試料に波長板を重ね合わせないように波長板の
    位置を制御する波長板位置制御部と、 この測定結果を用いて光学次数を決定しレターデーショ
    ンを求めるデータ処理部とを備えたことを特徴とする複
    屈折測定装置。
  2. 【請求項2】 前記判定手段と波長板位置制御部は、複
    数の測定波長のうちの基準となる1つの測定波長につい
    て波長板の重ね合わせの要否を判定し、その基準となる
    測定波長で波長板の重ね合わせが必要と判定されたとき
    は他の測定波長についても波長板を重ね合わせた状態で
    レターデーションを求めた後、それらのレターデーショ
    ンの結果から他の測定波長について波長板の重ね合わせ
    が必要であったかどうかを判定し、基準となる測定波長
    で波長板の重ね合わせが不要と判定されたときは他の測
    定波長についても波長板を重ね合わせない状態でレター
    デーションを求めた後、それらのレターデーションの結
    果から他の測定波長について波長板の重ね合わせが必要
    であるかどうかを判定するものである請求項1に記載の
    複屈折測定装置。
  3. 【請求項3】 前記判定手段は、C値の絶対値が1に近
    い所定の閾値を越えたときは波長板の重ね合わせを必要
    と判定し、その閾値以下のときは波長板の重ね合わせを
    不要と判定する請求項1又は2に記載の複屈折測定装
    置。ここで、 C=cos(2πR/λi) R:レターデーション λi:測定波長 である。
  4. 【請求項4】 光学次数の決定及びレターデーション値
    の算出に際し、レターデーション値の測定結果を試料の
    波長分散係数を用いて補正する請求項1,2又は3に記
    載の複屈折測定装置。
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