JP2014167354A - 熱交換器のケース、熱交換器、および熱交換器のケースの製造方法 - Google Patents

熱交換器のケース、熱交換器、および熱交換器のケースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケース本体に多少の歪みや寸法誤差が生じているような場合であっても、ケース本体と側板との溶接箇所の耐久強度や気密性を適切に確保することが可能な熱交換器のケースを提供する。
【解決手段】筒状のケース本体2の端部の開口周縁部22に、側板6の外周縁部の筒状フランジ部61が嵌合されて溶接されている、熱交換器のケースCであって、ケース本体2の開口周縁部22および側板6の筒状フランジ部61のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部7Bとされ、かつ他方は、外周面が非傾斜状または傾斜筒状部7Bよりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部7Aとされ、傾斜筒状部7Bは、非傾斜筒状部7Aの内側に差し込まれて、非傾斜筒状部7Aの先端部と傾斜筒状部7Bとが溶接されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、給湯装置の構成要素などとして用いられる熱交換器のケース、これを備えた熱交換器、および熱交換器のケースの製造方法に関する。
給湯装置用の熱交換器の具体例としては、バーナを用いて発生された燃焼ガスを内部に流入させることが可能なケース内に伝熱管を収容し、この伝熱管内を流通する湯水を燃焼ガスによって加熱し、温水を加熱生成させるようにしたものがある。このような熱交換器におけるケースは、端部が開口した筒状のケース本体と、このケース本体の端部開口を塞ぐための側板とを備えた構成とされている場合が多い。従来において、このような構成のケースを構成する場合、側板の外周縁部には、この側板の厚み方向に突出した筒状フランジ部を連設しておき、この筒状フランジ部をケース本体の端部開口周縁部に嵌合させてから、この嵌合部分を溶接する手段がある(たとえば、特許文献1,2を参照)。
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるような不具合があった。
図8を参照して説明すると、従来においては、ケース9の側板91の外周縁に筒状フランジ部91aを形成しているものの、この筒状フランジ部91aは、側板91の厚み方向に非傾斜状で単に突出しているだけのものに過ぎない。このため、ケース本体90の端部開口部92に側板91を嵌入させた際に、筒状フランジ部91aの全周域をケース本体90の開口周縁部93の全周域に対して隙間の無い状態に設定することが困難な場合があった。ケース本体90を形成する際には、開口周縁部93に歪みや寸法誤差が生じている場合があるが、このような場合に、筒状フランジ部91aの全周を開口周縁部93の全周に積極的に接触させることは困難であり、それらの間に隙間98が発生してしまう。一方、筒状フランジ部91aと開口周縁部93とを溶接する場合、前記したような隙間98が存在していると、この部分に溶接不良が生じる虞があり、ケース9の耐久強度や気密性を確保する上で好ましいものではない。
特開2011−27363号公報 特開2009−162461号公報
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、ケース本体に多少の歪みや寸法誤差が生じているような場合であっても、ケース本体と側板との溶接箇所の耐久強度や気密性を適切に確保することが可能な熱交換器のケース、これを備えた熱交換器、および前記ケースの製造方法を提供することを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面により提供される熱交換器のケースは、内部に伝熱管を収容し、かつ前記伝熱管との間で熱交換を図るための流体を内部に流入させるための筒状のケース本体と、外周縁部に筒状フランジ部を有し、かつこの筒状フランジ部が前記ケース本体の端部の開口周縁部に嵌合されて溶接されていることにより前記ケース本体の端部開口部を塞
ぐ側板と、を備えている、熱交換器のケースであって、前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とされ、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部とされており、前記傾斜筒状部は、前記非傾斜筒状部の内側に差し込まれて、前記非傾斜筒状部の先端部と前記傾斜筒状部とが溶接されていることを特徴としている。
このような構成によれば、ケース本体の開口周縁部に歪みや寸法誤差が多少生じている場合であっても、傾斜筒状部の外周面の全周が非傾斜筒状部の先端部の全周に適切に当接するように設定し、これらの間に隙間を生じないようにすることができる。傾斜筒状部については、非傾斜筒状部の先端部との当接によって弾性変形させることができるために、その弾性復元力を利用して非傾斜筒状部の先端部に対して傾斜筒状部の外周面を積極的に圧接させることが可能である。このような状態で溶接を施せば、非傾斜筒状部の先端部と傾斜筒状部との溶接箇所に溶接不良を生じないようにし、溶接強度や気密性を適切に確保することが可能となる。その結果、熱交換器の製造に際しての歩留りも良くすることができる。
本発明において、好ましくは、前記傾斜筒状部の外周面と前記非傾斜筒状部の内周面との相互間には、前記溶接のビード部による壁面部が前記ケースの内部に対面した状態で形成されており、前記ケース本体および前記側板の溶接箇所においては、前記ケース本体の内側面が前記ビード部による壁面部に繋がった第1の角部と、前記側板の内側面が前記ビード部による壁面部に繋がった第2の角部とが互いに離間して形成されている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、ケースは、内部への熱交換用媒体の流出入に伴って熱膨張や熱収縮を生じるために、ケース本体と側板との溶接箇所に応力が発生する場合がある。これに対し、前記溶接箇所には、第1の角部と第2の角部とが離間して形成されているために、溶接箇所に1つの角部のみが形成されている場合と比較すると、溶接箇所に応力集中を生じ難くする作用が得られる(溶接箇所に1つの角部のみが形成されている場合には、この角部に応力が集中し易いが、2つの角部が形成されていれば、そのような応力集中は生じ難い)。したがって、ケースの強度・耐久性能をより高めることができる。
第2に、ケース本体と側板との溶接箇所に、微小幅の隙間を生じないようにすることが可能である。本発明では、傾斜筒状部を非傾斜筒状部内に差し込んでいるために、本来ならば、傾斜筒状部の外周面と非傾斜筒状部の内周面との間に微小幅の隙間が形成されるが、溶接のビード部の壁面部の存在によって、そのような微小幅が形成されないようにすることが可能である。微小幅の隙間が比較的長寸法で形成された場合には、この部分に隙間腐食を生じる虞があるが、前記構成によれば、そのような虞もなくすことが可能である。
潜熱回収用の熱交換器においては、強酸性のドレインが発生し、このドレインがケースの底部上などを流れるために、ケースの耐腐食性を高める必要性が高いが、前記構成によれば、このような用途にも適するものとなる。
本発明において、好ましくは、前記溶接は、レーザ溶接であり、前記傾斜筒状部の外周面と前記非傾斜筒状部の内周面との夾角は、16〜24°の範囲内とされている。
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
第1に、レーザ溶接は、高速かつ低入熱での溶接が可能であり、母材の熱歪みを少なくできるといった利点を有することに加え、局所加熱による高密度エネルギ加工が可能であるため、深い溶融層を母材の所望の位置に正確に形成することが可能である。したがって、レーザ溶接を用いれば、ケース本体と側板との溶接箇所において、溶接のビード部による壁面部をケースの内部に向けて対面させた状態で形成することが、容易かつ適切に実現
できることとなる。
第2に、前記の夾角を16〜24°の範囲内に設定することにより、次のような効果が得られる。
まず、前記夾角が、16°未満である場合には、傾斜筒状部の外周面と非傾斜筒状部の内周面との間に形成される隙間の幅が過小となる。この場合においては、前記隙間の奥部に溶接のビード部を仮に形成したとしても、傾斜筒状部の外周面と非傾斜筒状部の内周面とは、隙間の奥部において直接繋がってしまい、隙間の奥部には、実質的に1つの角部が形成されるに過ぎない状態になり易い。これに対し、前記夾角を16°以上とすれば、隙間の奥部に第1の角部と第2の角部とを適切に形成することが可能となる。
一方、前記夾角が、24°を超える角度とされた場合には、傾斜筒状部と非傾斜筒状部とが隙間を介して大きく離間することとなる。この場合には、非傾斜筒状部に対してその外側からレーザ溶接を施す際に、この非傾斜筒状部に形成された溶融池が破れ、溶接不良(非傾斜筒状部の孔あき)が生じ易くなる。これに対し、前記構成によれば、そのようなことも適切に防止することができる。
本発明の第2の側面により提供される熱交換器は、本発明の第1の側面により提供される熱交換器のケースを備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の熱交換器のケースについて述べたのと同様な効果が得られる。
本発明の第3の側面により提供される熱交換器の製造方法は、筒状のケース本体の端部の開口周縁部に、筒状フランジ部を外周縁部に有する側板を嵌合させる組付工程と、この組付工程の後に、前記ケース本体の開口周縁部と前記側板の筒状フランジ部とを溶接する溶接工程と、を有している、熱交換器のケースの製造方法であって、前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とし、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部としておき、前記組付工程においては、前記傾斜筒状部を前記非傾斜筒状部の内側に差し込み、前記傾斜筒状部の外面を前記非傾斜筒状部の先端部に当接させ、前記溶接は、前記非傾斜筒状部の先端部を前記傾斜筒状部に接合させるように行なうことを特徴としている。
このような構成によれば、本発明の熱交換器を適切に製造することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
本発明に係る熱交換器の一例を示す外観斜視図である。 (a)は、図1のIIa−IIa断面図であり、(b)は、(a)のIIb−IIb断面図である。 (a),(b)は、図1および図2に示す熱交換器の製造工程の一例を示す断面図である。 (a),(b)は、図1および図2に示す熱交換器との対比例を示す要部断面図である。 (a),(b)は、本発明の他の例を示す要部断面図である。 本発明の他の例を示す要部断面図である。 (a),(b)は、本発明の他の例を示す要部断面図である。 従来技術の一例を示す断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2に示す熱交換器HEは、たとえばガスバーナなどのバーナ(図示略)によって発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なう用途に好適なものであり、たとえば給湯装置の潜熱回収用の熱交換器として用いられる。
この熱交換器HEは、ケースCと、このケースC内に収容された複数の伝熱管1と、これら複数の伝熱管1の下端部および上端部に繋がった入水用および出湯用の一対のヘッダ3(3A,3B)とを具備している。
複数の伝熱管1は、平面視長円状の複数の螺旋状管体を利用して構成されている。これら複数の螺旋状管体は、互いにサイズが異なっており、略同心の重ね巻き状に配されている。各伝熱管1の下部および上部は、略水平に延びる直状管体部10a,10bとされており、これらの先端開口部はヘッダ3(3A,3B)内のチャンバ36に連通している。複数の伝熱管1内への入水は、入水用のヘッダ3Aからなされ、複数の伝熱管1を通過して加熱生成された湯水は、出湯用のヘッダ3Bから出湯する。
ケースCは、略直方体状であり、矩形筒状のケース本体2と、左右一対の側板6(6A,6B)とを組み合わせて構成されている。ケース本体2および側板6のそれぞれは、たとえばステンレス板にプレス加工などを施して形成されたものである。ケース本体2の後壁部20cおよび前壁部20dには、燃焼ガス用の給気口25および排気口26が設けられている。給気口25からケースC内に流入した燃焼ガスは複数の伝熱管1の隙間を通過した後に排気口26に到達し、この過程において前記燃焼ガスから各伝熱管1により熱回収がなされ、各伝熱管1内を流通する湯水が加熱される。ケース本体2の上壁部20aおよび下壁部20bには、伝熱管1との間に形成される隙間を小さくするための突出段部20',20”が形成されている。
ケースCの一対の側板6(6A,6B)は、ケース本体2の端部開口部21を塞ぐための部材である。端部開口部21は、略矩形状であり、各側板6もこれに対応した形状である。一方の側板6Bには、ケースCの外方に向けて膨出した一対の膨出部62が形成されている(図3も参照)。直状管体部10a,10bは、一対の膨出部62に設けられた複数の貫通孔68に挿入されて側板6Bに溶接されている。複数の貫通孔68および伝熱管1の端部は、比較的接近した間隔で略水平方向に並んでいる(図2(a)のヘッダ3Bの部分を参照)。膨出部62には、ヘッダ3が外嵌されて溶接されている。ヘッダ3は、膨出部62に外嵌可能な開口縁部33を有する内部空洞状の本体部30と、この本体部30の後面側に連結された継手用管体部31とを有するものである。他方の側板6Aには、膨出部62やヘッダ3は設けられていない。
各側板6の外周縁部には、各側板6の本体部(中央寄り領域)60からケース本体2の外側方に向けて突出した筒状フランジ部61が形成されている。本実施形態では、この筒状フランジ部61の全体は、ケース本体2の内側方向に進むほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部7Bとされている。図3(a)に示すように、傾斜筒状部7Bの傾斜角度α1(後述する夾角α1と同一)は、好ましくは、16〜24°の範囲内であり、より好ましくは、20°である。一方、ケース本体2の各開口周縁部22は、外形寸法が略一定の非傾斜筒状部7Aである。
ケース本体2と各側板6とは、傾斜筒状部7Bが非傾斜筒状部7Aの内側に差し込まれる態様で嵌合されており、かつ非傾斜筒状部7Aの先端部と傾斜筒状部7Bとは互いに溶接されている。この溶接は、後述するように、たとえば溶加材を用いないレーザ溶接である。
図2(b)の要部拡大断面図に示すように、傾斜筒状部7Bの外周面70と非傾斜筒状
部7Aの内周面71との間には、隙間8が形成されている。外周面70と内周面71との夾角α1は、前記した傾斜角α1と同一である。一方、隙間8の奥部には、溶接のビード部4(溶融凝固金属部)による壁面部40が隙間8に対面(露出)した状態で形成されている。隙間8の奥部においては、内周面71が壁面部40と交差して繋がった第1の角部c1と、外周面70が壁面部40と交差して繋がった第2の角部c2とが互いに離間して形成されている。
次に、前記したケースCおよびこれを備えた熱交換器HEの製造方法の一例について説明する。
まず、図3(a)に示すように、ケース本体2内に複数の伝熱管1を収容した状態において、同図(b)に示すように、側板6をケース本体2の端部開口部21に嵌合させる組付工程を行なう。この組付工程では、各側板6の傾斜筒状部7Bをケース本体2の非傾斜筒状部7A内に差し込み、傾斜筒状部7Bの外周面を非傾斜筒状部7Aの先端部に当接させる。この作業は、たとえば左右一対の適当な押圧部材99を用いて一対の側板6をケース本体2側に押圧することにより行なわせればよい。傾斜筒状部7Bの外周面を非傾斜筒状部7Aの先端部に押し付けると、傾斜筒状部7Bを弾性変形させることができる。したがって、その弾性復元力を利用し、非傾斜筒状部7Aの先端部の全周に対して傾斜筒状部7Bの外周面を適切に圧接させることが可能である。
前記組付工程の後には、傾斜筒状部7Bが非傾斜筒状部7A内に差し込まれた状態を維持させたまま、レーザ溶接装置を構成するレーザ溶接加工ヘッド5から非傾斜筒状部7Aの先端部周辺に対してレーザ光50を照射し、非傾斜筒状部7Aの先端部を傾斜筒状部7Bに溶接する。この溶接に用いられるレーザは、たとえば半導体レーザであり、その波長はステンレスが吸収可能な波長域(波長1000nm近辺)である。レーザ溶接時には、溶接対象領域に不活性ガスがシールドガスとして供給される。前記レーザ溶接は、非傾斜筒状部7Aの先端部および傾斜筒状部7Bの全周にわたって行なう。このようなレーザ溶接に際し、溶加材は必要ではなく、本実施形態では、溶加材を用いていない。このようなレーザ溶接により、図2(b)の要部拡大断面図に示したビード部4を形成し、ケースCを適切に製造することができる。
なお、その後は、各伝熱管1を膨出部62に溶接する作業、およびヘッダ3を膨出部62に外嵌させて溶接する作業を行なうことにより、熱交換器HEを適切に製造することができる。各伝熱管1やヘッダ3の溶接は、たとえばTIG溶接であるが、レーザ溶接を用いることも可能である。
次に、前記した熱交換器HEの作用について説明する。
まず、ケース本体2に各側板6を溶接するための前提構造として、傾斜筒状部7Bを非傾斜筒状部7Aの内部に差し込む構造を採用しているために、この構造においては、非傾斜筒状部7Aに多少の歪みや寸法誤差が生じていても、傾斜筒状部7Bを弾性変形させて、非傾斜筒状部7Aの先端部の全周に傾斜筒状部7Bの外周面を隙間のないように積極的に当接させることが可能である。このような状態で溶接を施せば、溶接不良を生じ難くし、溶接強度や気密性を適切に確保することが可能となる。熱交換器HEの製造に際しての歩留りも良くすることができる。
図2(b)の要部拡大断面図に示した構造では、隙間8の奥部に2つの角部c1,c2が形成されている。このため、隙間8の奥部に1つの角部のみが形成されている構成(後述する図4(a)の対比例1が相当)と比較すると、ケースCが熱膨張や熱収縮したような際に、隙間8の奥部に応力集中が生じ難くなる。その結果、ケースCの耐久性がより向上する。
また、隙間8の奥部が前記したような構造とされていれば、隙間8の奥部がかなりの微小幅になることが回避される。したがって、隙間腐食も生じ難くなる。たとえば、SUS444などのステンレス鋼においては、臨界隙間深さが40μmであり、溶接隙間の幅が40μmとなる位置が、溶接隙間の奥部から2mm以下であれば、隙間腐食は生じないとの報告がある(日本材料学会 Number267, Volume48, Part2 March 9, 2009「最近のステンレス鋼の開発・適用状況」)。このような報告内容に照らせば、本実施形態のケースCを、隙間8に腐食(隙間腐食)が生じないものとすることが可能である。熱交換器HEは、いわゆる潜熱回収型であるために、潜熱回収に伴って発生した強酸性のドレインが隙間8に進入する虞があり、前記したような隙間腐食を防止する要請は強い。本実施形態によれば、そのような要請に的確に応えることが可能である。
図4(a),(b)は、本実施形態との対比例を示しており、本実施形態では、これらの対比例との比較において、次に述べるような好ましい効果が得られる。
図4(a)は、隙間8を形成する傾斜筒状部7Bの外周面70と非傾斜筒状部7Aの内周面71との夾角α2が、16°未満とされた対比例1を示している。この場合には、隙間8の全体の幅がかなり微小となり、溶接のビード部4の一部が隙間8の奥部に仮に形成されたとしても、実質的には、このビード4の一部は隙間8に対面するように形成されず、外周面70と内周面71とが直接繋がった状態となる。このため、図2(b)の要部拡大断面図で示した隙間8の奥部に計2つの角部c1,c2を形成した構成を実現することは難しい。加えて、夾角α2が16°未満の場合には、傾斜筒状部7Bを開口周縁部22の内側に差し込む作業も難しくなる。
一方、図4(b)は、夾角α3が、24°よりも大きな角度とされた対比例2を示している。この場合には、非傾斜筒状部7Aの外周面にレーザ光を照射して溶融池を形成した場合に、この溶融池の下方直近に傾斜筒状部7Bが存在しないために、溶融池が破れて溶融金属が流れ落ち、穴あき19を生じる可能性が高くなる。
本実施形態では、夾角α1が、16〜24°の範囲とされているために、前記した対比例1,2のような不具合を生じないようにし、図2(b)の要部拡大断面図に示した構造を適切かつ容易に実現することが可能である。
なお、本実施形態では、溶接手段として、レーザ溶接を用いているために、高速かつ低入熱での溶接が可能となり、溶接箇所近辺の熱歪みを少なくし、ケースCの品質をより良好にしつつ、熱交換器HEの生産効率を高めることも可能となる。加えて、レーザ溶接は、深い溶融池を所望の位置に正確に形成することが可能であるため、ビード部4の一部を、隙間8の奥部に存在させることも容易かつ適切に実現できる利点が得られる。
図5〜図7は、本発明の他の実施形態を示している。
図5に示す実施形態においては、同図(a)に示すように、非傾斜筒状部7Aの先端部近辺にレーザ光を照射して溶接を施す場合に、同図(ロ)に示すように、溶接のビード部4を、側板6の本体部60寄りに形成し、ビード部4によって隙間8の略全域が塞がれるようにしている。ケースCの内部において、ケース本体2と側板6との溶接箇所には、第1および第2の角部c1,c2が離間して形成されている。
本実施形態によれば、隙間8が塞がれているために、隙間腐食を防止する上でより好ましいものとなる。
図6に示す実施形態においては、傾斜筒状部7Bと非傾斜筒状部7Aとの先端部どうしが溶接されている。本発明においては、この溶接態様としてもよい。
図7(a)に示す実施形態においては、側板6の傾斜筒状部7B(筒状フランジ部61)が本体部60よりもケース本体2側に突出するように形成されており、側板6に対する傾斜筒状部7Bの突出方向が、先の実施形態とは反対とされている。このような構成であっても、本発明が意図する作用を得ることが可能である。
図7(b)に示す実施形態においては、側板6の筒状フランジ部61が非傾斜筒状部7Aとされているのに対し、ケース本体2の開口周縁部22が傾斜筒状部7Bとされている。このような構成においても、やはり本発明が意図する作用を得ることが可能である。本実施形態から理解されるように、本発明では、ケース本体の開口周縁部と側板の筒状フランジ部のうち、いずれを傾斜筒状部または非傾斜筒状部とするかは問わない。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る熱交換器のケース、および熱交換器の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。同様に、本発明に係る熱交換器のケースの製造方法の各工程の具体的な構成は、種々に変更自在である。
本発明でいう非傾斜筒状部は、基本的には、外周面が非傾斜状とされた筒状部であるが、傾斜筒状部よりも小さい傾斜角度で傾斜した筒状部とされていてもかまわない。ケース本体は、その基本的な形態が端部が開口した筒状であればよく、矩形筒状以外の筒状に形成することもできる。ケース本体は、単一部材で形成されている必要もない。側板は、外周縁部に筒状フランジ部を有する基本的形態を有し、ケース本体の端部開口部を塞ぐことが可能であればよく、やはりその具体的な形状などは限定されない。
溶接はレーザ溶接とすることが好ましいものの、これ以外の溶接(TIG溶接などのアーク溶接など)とすることができる。レーザ溶接を採用する場合、その種類は半導体レーザによるものに限定されず、他の種類のレーザを用いてもよい。レーザ溶接では、溶加材を用いる必要がないが、あえて溶加材を用いてもよい。本発明に係る熱交換器の伝熱管は、螺旋タイプのものに限らず、直管状あるいは蛇行状の伝熱管を用いることが可能であり、ケース内に流入される熱交換用の流体も、燃焼ガスに限らない。本発明に係る熱交換器は、給湯装置用あるいは湯水加熱用に限らない。
HE 熱交換器
C ケース
c1,c2 第1および第2の角部
α1 夾角
1 伝熱管
2 ケース本体
4 ビード部(溶接の)
6 側板
8 隙間
21 端部開口部(ケース本体の)
22 開口周縁部(ケース本体の)
40 壁面部(ビード部による)
61 筒状フランジ部(側板の)
7A 非傾斜筒状部
7B 傾斜筒状部

Claims (5)

  1. 内部に伝熱管を収容し、かつ前記伝熱管との間で熱交換を図るための流体を内部に流入させるための筒状のケース本体と、
    外周縁部に筒状フランジ部を有し、かつこの筒状フランジ部が前記ケース本体の端部の開口周縁部に嵌合されて溶接されていることにより前記ケース本体の端部開口部を塞ぐ側板と、
    を備えている、熱交換器のケースであって、
    前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とされ、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部とされており、
    前記傾斜筒状部は、前記非傾斜筒状部の内側に差し込まれて、前記非傾斜筒状部の先端部と前記傾斜筒状部とが溶接されていることを特徴とする、熱交換器のケース。
  2. 請求項1に記載の熱交換器のケースであって、
    前記傾斜筒状部の外周面と前記非傾斜筒状部の内周面との相互間には、前記溶接のビード部による壁面部が前記ケースの内部に対面した状態で形成されており、
    前記ケース本体および前記側板の溶接箇所においては、前記ケース本体の内側面が前記ビード部による壁面部に繋がった第1の角部と、前記側板の内側面が前記ビード部による壁面部に繋がった第2の角部とが互いに離間して形成されている、熱交換器のケース。
  3. 請求項1または2に記載の熱交換器のケースであって、
    前記溶接は、レーザ溶接であり、
    前記傾斜筒状部の外周面と前記非傾斜筒状部の内周面との夾角は、16〜24°の範囲内とされている、熱交換器のケース。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器のケースを備えていることを特徴とする、熱交換器。
  5. 筒状のケース本体の端部の開口周縁部に、筒状フランジ部を外周縁部に有する側板を嵌合させる組付工程と、
    この組付工程の後に、前記ケース本体の開口周縁部と前記側板の筒状フランジ部とを溶接する溶接工程と、
    を有している、熱交換器のケースの製造方法であって、
    前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とし、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部としておき、
    前記組付工程においては、前記傾斜筒状部を前記非傾斜筒状部の内側に差し込み、
    前記溶接は、前記非傾斜筒状部の先端部を前記傾斜筒状部に接合させるように行なうことを特徴とする、熱交換器のケースの製造方法。
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