JP2014167354A - 熱交換器のケース、熱交換器、および熱交換器のケースの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】筒状のケース本体2の端部の開口周縁部22に、側板6の外周縁部の筒状フランジ部61が嵌合されて溶接されている、熱交換器のケースCであって、ケース本体2の開口周縁部22および側板6の筒状フランジ部61のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部7Bとされ、かつ他方は、外周面が非傾斜状または傾斜筒状部7Bよりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部7Aとされ、傾斜筒状部7Bは、非傾斜筒状部7Aの内側に差し込まれて、非傾斜筒状部7Aの先端部と傾斜筒状部7Bとが溶接されている。
【選択図】 図1
Description
ぐ側板と、を備えている、熱交換器のケースであって、前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とされ、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部とされており、前記傾斜筒状部は、前記非傾斜筒状部の内側に差し込まれて、前記非傾斜筒状部の先端部と前記傾斜筒状部とが溶接されていることを特徴としている。
第1に、ケースは、内部への熱交換用媒体の流出入に伴って熱膨張や熱収縮を生じるために、ケース本体と側板との溶接箇所に応力が発生する場合がある。これに対し、前記溶接箇所には、第1の角部と第2の角部とが離間して形成されているために、溶接箇所に1つの角部のみが形成されている場合と比較すると、溶接箇所に応力集中を生じ難くする作用が得られる(溶接箇所に1つの角部のみが形成されている場合には、この角部に応力が集中し易いが、2つの角部が形成されていれば、そのような応力集中は生じ難い)。したがって、ケースの強度・耐久性能をより高めることができる。
第2に、ケース本体と側板との溶接箇所に、微小幅の隙間を生じないようにすることが可能である。本発明では、傾斜筒状部を非傾斜筒状部内に差し込んでいるために、本来ならば、傾斜筒状部の外周面と非傾斜筒状部の内周面との間に微小幅の隙間が形成されるが、溶接のビード部の壁面部の存在によって、そのような微小幅が形成されないようにすることが可能である。微小幅の隙間が比較的長寸法で形成された場合には、この部分に隙間腐食を生じる虞があるが、前記構成によれば、そのような虞もなくすことが可能である。
潜熱回収用の熱交換器においては、強酸性のドレインが発生し、このドレインがケースの底部上などを流れるために、ケースの耐腐食性を高める必要性が高いが、前記構成によれば、このような用途にも適するものとなる。
第1に、レーザ溶接は、高速かつ低入熱での溶接が可能であり、母材の熱歪みを少なくできるといった利点を有することに加え、局所加熱による高密度エネルギ加工が可能であるため、深い溶融層を母材の所望の位置に正確に形成することが可能である。したがって、レーザ溶接を用いれば、ケース本体と側板との溶接箇所において、溶接のビード部による壁面部をケースの内部に向けて対面させた状態で形成することが、容易かつ適切に実現
できることとなる。
第2に、前記の夾角を16〜24°の範囲内に設定することにより、次のような効果が得られる。
まず、前記夾角が、16°未満である場合には、傾斜筒状部の外周面と非傾斜筒状部の内周面との間に形成される隙間の幅が過小となる。この場合においては、前記隙間の奥部に溶接のビード部を仮に形成したとしても、傾斜筒状部の外周面と非傾斜筒状部の内周面とは、隙間の奥部において直接繋がってしまい、隙間の奥部には、実質的に1つの角部が形成されるに過ぎない状態になり易い。これに対し、前記夾角を16°以上とすれば、隙間の奥部に第1の角部と第2の角部とを適切に形成することが可能となる。
一方、前記夾角が、24°を超える角度とされた場合には、傾斜筒状部と非傾斜筒状部とが隙間を介して大きく離間することとなる。この場合には、非傾斜筒状部に対してその外側からレーザ溶接を施す際に、この非傾斜筒状部に形成された溶融池が破れ、溶接不良(非傾斜筒状部の孔あき)が生じ易くなる。これに対し、前記構成によれば、そのようなことも適切に防止することができる。
このような構成によれば、本発明の熱交換器のケースについて述べたのと同様な効果が得られる。
このような構成によれば、本発明の熱交換器を適切に製造することができる。
この熱交換器HEは、ケースCと、このケースC内に収容された複数の伝熱管1と、これら複数の伝熱管1の下端部および上端部に繋がった入水用および出湯用の一対のヘッダ3(3A,3B)とを具備している。
部7Aの内周面71との間には、隙間8が形成されている。外周面70と内周面71との夾角α1は、前記した傾斜角α1と同一である。一方、隙間8の奥部には、溶接のビード部4(溶融凝固金属部)による壁面部40が隙間8に対面(露出)した状態で形成されている。隙間8の奥部においては、内周面71が壁面部40と交差して繋がった第1の角部c1と、外周面70が壁面部40と交差して繋がった第2の角部c2とが互いに離間して形成されている。
なお、その後は、各伝熱管1を膨出部62に溶接する作業、およびヘッダ3を膨出部62に外嵌させて溶接する作業を行なうことにより、熱交換器HEを適切に製造することができる。各伝熱管1やヘッダ3の溶接は、たとえばTIG溶接であるが、レーザ溶接を用いることも可能である。
なお、本実施形態では、溶接手段として、レーザ溶接を用いているために、高速かつ低入熱での溶接が可能となり、溶接箇所近辺の熱歪みを少なくし、ケースCの品質をより良好にしつつ、熱交換器HEの生産効率を高めることも可能となる。加えて、レーザ溶接は、深い溶融池を所望の位置に正確に形成することが可能であるため、ビード部4の一部を、隙間8の奥部に存在させることも容易かつ適切に実現できる利点が得られる。
本実施形態によれば、隙間8が塞がれているために、隙間腐食を防止する上でより好ましいものとなる。
C ケース
c1,c2 第1および第2の角部
α1 夾角
1 伝熱管
2 ケース本体
4 ビード部(溶接の)
6 側板
8 隙間
21 端部開口部(ケース本体の)
22 開口周縁部(ケース本体の)
40 壁面部(ビード部による)
61 筒状フランジ部(側板の)
7A 非傾斜筒状部
7B 傾斜筒状部
Claims (5)
- 内部に伝熱管を収容し、かつ前記伝熱管との間で熱交換を図るための流体を内部に流入させるための筒状のケース本体と、
外周縁部に筒状フランジ部を有し、かつこの筒状フランジ部が前記ケース本体の端部の開口周縁部に嵌合されて溶接されていることにより前記ケース本体の端部開口部を塞ぐ側板と、
を備えている、熱交換器のケースであって、
前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とされ、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部とされており、
前記傾斜筒状部は、前記非傾斜筒状部の内側に差し込まれて、前記非傾斜筒状部の先端部と前記傾斜筒状部とが溶接されていることを特徴とする、熱交換器のケース。 - 請求項1に記載の熱交換器のケースであって、
前記傾斜筒状部の外周面と前記非傾斜筒状部の内周面との相互間には、前記溶接のビード部による壁面部が前記ケースの内部に対面した状態で形成されており、
前記ケース本体および前記側板の溶接箇所においては、前記ケース本体の内側面が前記ビード部による壁面部に繋がった第1の角部と、前記側板の内側面が前記ビード部による壁面部に繋がった第2の角部とが互いに離間して形成されている、熱交換器のケース。 - 請求項1または2に記載の熱交換器のケースであって、
前記溶接は、レーザ溶接であり、
前記傾斜筒状部の外周面と前記非傾斜筒状部の内周面との夾角は、16〜24°の範囲内とされている、熱交換器のケース。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載の熱交換器のケースを備えていることを特徴とする、熱交換器。
- 筒状のケース本体の端部の開口周縁部に、筒状フランジ部を外周縁部に有する側板を嵌合させる組付工程と、
この組付工程の後に、前記ケース本体の開口周縁部と前記側板の筒状フランジ部とを溶接する溶接工程と、
を有している、熱交換器のケースの製造方法であって、
前記ケース本体の開口周縁部および前記側板の筒状フランジ部のうち、一方は、他方に対する嵌合方向の前寄り部分ほど外形寸法が小さくなる傾斜筒状部とし、かつ他方は、外周面が非傾斜状または前記傾斜筒状部よりも傾斜角度が小さい非傾斜筒状部としておき、
前記組付工程においては、前記傾斜筒状部を前記非傾斜筒状部の内側に差し込み、
前記溶接は、前記非傾斜筒状部の先端部を前記傾斜筒状部に接合させるように行なうことを特徴とする、熱交換器のケースの製造方法。
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