以下、本発明を画像形成装置としての複写機(以下、複写機500という)に適用した第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る複写機500を示す概略構成図である。複写機500は、複写装置本体(以下、プリンタ部100という)、給紙テーブル(以下、給紙部200という)及びプリンタ部100上に取り付けるスキャナ(以下、スキャナ部400という)から構成されている。
プリンタ部100の上部に設けられた収容器搭載部70には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナー容器32(Y,M,C,K)が着脱自在(交換自在)に設置されている。収容器搭載部70の下方には中間転写ユニット85が配設されている。
中間転写ユニット85は、中間転写ベルト48、4つの一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)、二次転写バックアップローラ82、複数のテンションローラ、及び、不図示の中間転写クリーニング装置等で構成されている。中間転写ベルト48は、複数のローラ部材によって張架、支持されるとともに、この複数のローラ部材の1つである二次転写バックアップローラ82の回転駆動によって図1中の矢印方向に無端移動する。
プリンタ部100には、中間転写ベルト48に対向するように、各色に対応した4つの作像部46(Y,M,C,K)が並設されている。また、粉体収容器としての4つのトナー容器32(Y,M,C,K)の下方には、それぞれに対応した4つのトナー補給装置60(Y,M,C,K)が配設されている。そして、トナー容器32(Y,M,C,K)に収容されたトナーは、それぞれに対応するトナー補給装置60(Y,M,C,K)によって、各色に対応した作像部46(Y,M,C,K)の現像装置(粉体物使用部)内に供給(補給)される。
図1に示されるように、プリンタ部100は、4つの作像部46の下方に潜像形成手段としての露光装置47を備えている。露光装置47は、スキャナ部400で読み込んだ原稿画像の画像情報またはパーソナルコンピュータ等の外部装置から入力される画像情報に基づいて、後述する感光体41の表面に対して露光し、感光体41の表面に静電潜像を形成する。プリンタ部100に設けられた露光装置47は、レーザーダイオードを用いたレーザービームスキャナ方式を用いているが、露光手段としてはLEDアレイを用いるものなど他の構成でも良い。
図2は、イエローに対応した作像部46Yの概略構成を示す模式図である。作像部46Yは、潜像担持体たるドラム状の感光体41Yを備えている。また、作像部46Yは、帯電手段である帯電ローラ44Y、現像手段である現像装置50Y、感光体クリーニング装置42Y、不図示の除電装置等を、感光体41Yの周囲に有している。作像部46Yでは、感光体41Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)が行われて、感光体41Y上にイエロー画像が形成される。
なお、他の3つの作像部46(M,C,K)は、使用するトナーの色が異なる点の他は、イエローに対応した作像部46Yとほぼ同様の構成となっていて、各感光体41(M,C,K)上にそれぞれのトナーに対応した色の画像が形成される。以下、他の3つの作像部46(M,C,K)の説明を適宜に省略して、イエローに対応した作像部46Yのみの説明を行うことにする。
感光体41Yは、不図示の駆動モータによって図中の時計回り方向に回転駆動する。そして、帯電ローラ44Yと対向する位置で、感光体41Yの表面が一様に帯電される(帯電工程)。その後、感光体41Yの表面は、露光装置47から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程)。そして、感光体41Yの表面は、現像装置50Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程)。
中間転写ユニット85の4つの一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)は、それぞれ、中間転写ベルト48を感光体41(Y,M,C,K)との間に挟み込んで一次転写ニップを形成している。そして、一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)に、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
現像工程でトナー像が形成された感光体41Yの表面は、中間転写ベルト48を挟んで一次転写バイアスローラ49Yと対向する一次転写ニップに達して、この一次転写ニップで感光体41Y上のトナー像が中間転写ベルト48上に転写される(一次転写工程)。このとき、感光体41Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。一次転写ニップでトナー像を中間転写ベルト48に転写した感光体41Yの表面は、感光体クリーニング装置42Yとの対向位置に達して、この位置で感光体41Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード42aによって機械的に回収される(クリーニング工程)。最後に、感光体41Yの表面は、不図示の除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体41Y上の残留電位が除去される。こうして、感光体41Y上で行われる一連の作像プロセスが終了する。
このような作像プロセスは、他の作像部46(M,C,K)でも、イエロー作像部46Yと同様に行われる。すなわち、作像部46(M,C,K)の下方に配設された露光装置47から、画像情報に基づいたレーザ光Lが、各作像部46(M,C,K)の感光体41(M,C,K)上に向けて照射される。詳しくは、露光装置47は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して各感光体41(M,C,K)上に照射する。その後、現像工程を経て各感光体41(M,C,K)上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト48上に転写する。
このとき、中間転写ベルト48は、図1中の矢印方向に走行して、各一次転写バイアスローラ49(Y,M,C,K)の一次転写ニップを順次通過する。これにより、各感光体41(Y,M,C,K)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト48上に重ねて一次転写され、中間転写ベルト48上にカラートナー像が形成される。
各色のトナー像が重ねて転写され、カラートナー像が形成された中間転写ベルト48は、二次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、二次転写バックアップローラ82が、二次転写ローラ89との間に中間転写ベルト48を挟み込んで二次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト48上に形成されたカラートナー像は、二次転写ニップの位置に搬送された転写紙等の記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト48には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。二次転写ニップを通過した中間転写ベルト48は、不図示の中間転写クリーニング装置の位置に達し、その表面上の未転写トナーが回収され、中間転写ベルト48上で行われる一連の転写プロセスが終了する。
次に、記録媒体Pの動きについて説明する。
上述した二次転写ニップに搬送される記録媒体Pは、プリンタ部100の下方に配設された給紙部200の給紙トレイ26から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等を経由して搬送されるものである。詳しくは、給紙トレイ26には記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が図1中の反時計回り方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対28の2つのローラによって形成されるローラニップに向けて搬送される。
レジストローラ対28に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト48上のカラートナー像が二次転写ニップに到達するタイミングに合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、記録媒体Pが二次転写ニップに向けて搬送される。これにより、記録媒体P上に、所望のカラートナー像が転写される。
二次転写ニップでカラートナー像が転写された記録媒体Pは、定着装置86の位置に搬送される。定着装置86では、定着ベルト及び加圧ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラートナー像が記録媒体P上に定着される。定着装置86を通過した記録媒体Pは、排紙ローラ対29のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対29によって装置外に排出された記録媒体Pは、出力画像として、スタック部30上に順次スタックされる。こうして、複写機500における一連の画像形成プロセスが完了する。
次に、作像部46における現像装置50の構成及び動作について、さらに詳しく説明する。なお、ここではイエローに対応した作像部46Yを例に挙げて説明を行うが、他色の作像部46(M,C,K)においても同様である。
現像装置50Yは、図2に示されるように、感光体41Yに対向する現像ローラ51Y、現像ローラ51Yに対向するドクタブレード52Y、二つの現像剤収容部(53Y,54Y)内に配設された二つの現像剤搬送スクリュウ55Y、及び、トナー濃度検知センサ56Y等で構成される。現像ローラ51Yは、内部に固設されたマグネットローラ、及び、マグネットローラの周囲を回転するスリーブ等で構成される。第一現像剤収容部53Y及び第二現像剤収容部54Y内には、キャリアとトナーとからなる二成分の現像剤Gが収容されている。第二現像剤収容部54Yは、その上方に形成された開口を介してトナー落下搬送経路64Yに連通している。また、トナー濃度検知センサ56Yは、第二現像剤収容部54Y内の現像剤G中のトナー濃度を検知する。
現像装置50内の現像剤Gは、2つの現像剤搬送スクリュウ55Yによって、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。第一現像剤収容部53Y内の現像剤Gは、現像剤搬送スクリュウ55Yの一方に搬送されながら現像ローラ51Y内のマグネットローラにより形成される磁界によって現像ローラ51Yのスリーブ表面上に供給され、担持される。現像ローラ51Yのスリーブは、図2の矢印で示されるように反時計回り方向に回転駆動し、現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51Y上を移動する。このとき、現像剤G中のトナーは、現像剤G中のキャリアとの摩擦帯電によりキャリアとは逆極性の電位に帯電して静電的にキャリアに吸着し、現像ローラ51Y上に形成された磁界によって引き寄せられるキャリアとともに現像ローラ51Y上に担持される。
現像ローラ51Y上に担持された現像剤Gは、図2中の矢印方向に搬送されて、ドクタブレード52Yと現像ローラ51Yとが対向するドクタ部に達する。現像ローラ51Y上の現像剤Gは、ドクタ部を通過する際にその量が適量化され、その後、感光体41Yとの対向位置である現像領域まで搬送される。現像領域では、現像ローラ51Yと感光体41Yとの間に形成された現像電界によって感光体41Y上に形成された潜像に現像剤G中のトナーが吸着される。現像領域を通過した現像ローラ51Yの表面上に残った現像剤Gはスリーブの回転に伴い第一現像剤収容部53Yの上方に達して、この位置で現像ローラ51Yから離脱される。
現像装置50Y内の現像剤Gは、トナー濃度が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置50Y内の現像剤Gに含まれるトナーの現像による消費量に応じて、トナー容器32Yに収容されているトナーが、後述するトナー補給装置60Yを介して第二現像剤収容部54Y内に補給される。そして、2つの現像剤搬送スクリュウ55Yによって、現像剤Gとともに混合、攪拌されながら、第一現像剤収容部53Yと第二現像剤収容部54Yとの間を循環する。
次に、トナー補給装置60(Y,M,C,K)について説明する。
図3は、トナー補給装置60Yにトナー容器32Yが設置された状態を示す模式図であり、図4は、4つのトナー容器32(Y,M,C,K)がセットされた状態の収容器搭載部70を示す概略斜視図である。
プリンタ部100の収容器搭載部70に設置された各トナー容器32(Y,M,C,K)内のトナーは、各色の現像装置50(Y,M,C,K)内のトナー消費に応じて、トナー色ごとに設けられたトナー補給装置60(Y,M,C,K)によって適宜に各現像装置50(Y,M,C,K)内に補給される。なお、4つのトナー補給装置60(Y,M,C,K)やトナー容器32(Y,M,C,K)は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造である。このため、以下、イエローに対応したトナー補給装置60Yやトナー容器32Yのみの説明を行い、他の3つの色に対応したトナー補給装置60(M,C,K)やトナー容器32(M,C,K)の説明を適宜に省略する。
トナー補給装置60(Y,M,C,K)は、収容器搭載部70、搬送ノズル611(Y,M,C,K)、搬送スクリュウ614(Y,M,C,K)、トナー落下搬送経路64(Y,M,C,K)、容器回転駆動部91(Y,M,C,K)等で構成されている。
トナー容器32Yが図中矢印Qの方向へ差し込まれてプリンタ部100の収容器搭載部70に装着されると、その装着動作に連動して、トナー容器32Yの先端側からトナー補給装置60Yの搬送ノズル611Yが挿入され、トナー容器32Y内と搬送ノズル611Y内とが連通する。
トナー容器32Yは、円筒状の形状になっており、収容器搭載部70に非回転の状態で固定される容器先端側カバー34Yや、容器ギア301Yが一体的に形成された容器本体33Yなどから構成されている。保持部としての容器先端側カバーは、容器本体33Yの回転軸線方向の先端部を受け入れた状態で、容器本体33Yを回転可能に保持する。
収容器搭載部70は、トナー容器32Yの容器先端側カバー34Yを固定するための先端受部73、トナー容器32Yの容器本体33Yを受けるための容器受部72、トナー容器32Yの装着動作時における挿入口を形成する挿入口形成部71等から構成されている。複写機500の手前側(図1の紙面垂直方向手前側)に設置された不図示の本体カバーを開放すると、収容器搭載部70の挿入口形成部71が露呈される。そして、各トナー容器32(Y,M,C,K)の長手方向を水平方向とした状態で、複写機500の手前側から各トナー容器32(Y,M,C,K)の着脱操作(トナー容器32の長手方向を着脱方向とする着脱操作)を行う。なお、図4中のセットカバー608Yは、収容器搭載部70の先端受部73の一部である。
容器受部72は、その長手方向の長さが、容器本体33Yの長手方向の長さとほぼ同等になるように形成されている。また、先端受部73は容器受部72における長手方向(着脱方向)の一端側に設けられ、挿入口形成部71は容器受部72における長手方向の他端側に設けられている。容器先端側カバー34Yは、トナー容器32Yの装着動作に伴って、挿入口形成部71を通過した後に、しばらく容器受部72上を滑動して、その後に先端受部73に装着される。
容器先端側カバー34Yが先端受部73に装着された状態で、駆動モータや駆動ギヤ等で構成されている容器回転駆動部91が容器ギア301Yに回転駆動力を伝達することで、容器本体33Yが図3中の矢印A方向に回転駆動される。容器本体33Y自体が回転することで、容器本体33Yの内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起302Yによって、容器本体33Yの内部に収容されたトナーが容器本体長手方向に沿って容器本体の後端側から先端側(図3中の左側から右側)に搬送されて、容器先端側カバー34Y側から搬送ノズル611Y内に供給される。
搬送ノズル611Y内には、搬送スクリュウ614Yが配置されており、容器回転駆動部91Yから搬送スクリュウギヤ605Yに回転駆動が入力されることで、搬送スクリュウ614Yが回転して搬送ノズル611Y内のトナーを搬送する。搬送ノズル611Yの搬送方向下流端は、トナー落下搬送経路64Yに接続されており、搬送スクリュウ614Yによって搬送されたトナーは、トナー落下搬送経路64Yを自重落下して現像装置50Y(第二現像剤収容部54Y)内に補給される。
トナー容器32(Y,M,C,K)は、それぞれ、寿命に達したとき(収容するトナーがほとんどすべて消費されて空になったとき)に新品のものに交換される。トナー容器32の長手方向における容器先端側カバー34とは反対側の端部には把手部303が設けられており、交換の際には、作業者が把手部303を握って引き出すことで、装着されたトナー容器32を取り外すことが出来る。
露光装置47に用いられる画像情報に基づいて制御部90がトナー消費量を算出し、制御部90が現像装置50Yへのトナーの供給を要すると判断した場合や、トナー濃度検知センサ56Yの検知結果に基づいて現像装置50Y内のトナー濃度が低下したことを制御部90にて検出した場合は、制御部90の制御によって容器回転駆動部91Yを回転駆動し、トナー容器32Yの容器本体33Yと搬送スクリュウ614Yとを所定時間回転させて現像装置50Yへのトナー補給を行う。また、搬送ノズル611Y内に配置された搬送スクリュウ614Yを回転することによってトナーの補給を行っているため、搬送スクリュウ614Yの回転数を検出することで、トナー容器32Yからのトナー供給量を精度良く算出することもできる。そして、トナー容器32Yを装着したときから累積的に算出したトナー供給量が装着時のトナー容器32Y内のトナー量に達した場合には、制御部90はトナー容器32Y内にトナーが無いもの(トナーエンド)と判定する。そして、複写機500の不図示の表示部にトナー容器32Yの交換を促す旨のメッセージを表示させる。また、補給動作を繰り返し実行しているにもかかわらず、トナー濃度の回復が検出されない場合も、制御部90はトナーエンドと判定して前述のメッセージを表示させる。
す旨の表示を行う。
制御部90は、搬送スクリュウ614Yの回転数に基づいて現像装置50Yへのトナーの供給量を制御している。このため、搬送ノズル611Yを通過したトナーは、現像装置50Yへの供給量を制御されることなく、トナー落下搬送経路64Yを介して、直接に現像装置50Yへと搬送される。搬送ノズル611Yをトナー容器32Yに挿入する構成であっても、トナーホッパ等のトナー一次貯留部を設けてもよい。そして、このトナー一次貯留部から現像装置50Yへのトナーの搬送量を制御することで、現像装置50Yへのトナーの供給量を制御する構成としてもよい。
トナー補給装置60Yは、搬送ノズル611Y内に供給されたトナーを搬送スクリュウ614Yによって搬送しているが、搬送ノズル611Y内に供給されたトナーを搬送する手段はスクリュウ部材に限られるものではない。粉体ポンプを用いて搬送ノズル611Yの開口部に負圧を発生させる構成など、スクリュウ部材とは異なるものによって搬送力を付与する構成であってもよい。
トナー一次貯留部を設ける構成では、トナー一次貯留部内に貯留されたトナーが所定量以下になったことを検知するトナーエンドセンサを設けるのが一般的である。そして、トナーエンドセンサのトナーエンド検知に基づいて、容器本体33Y及び搬送スクリュウ614Yを所定時間回転駆動してトナー一次貯留部へのトナー補給を行う。さらに、このような制御を所定回数繰り返してもトナーエンドセンサによるトナーエンド検知が解除されない場合には、トナー容器32Y内にトナーがないものとして、複写機500の不図示の表示部にトナー容器32Yの交換を促す旨の表示を行う。このように、トナーエンドセンサのトナーエンド検知に基づいてトナー容器32Y内のトナーが無くなったことを検出する構成であれば、トナー容器32Yを装着したときからのトナー供給量を累積的に算出する必要がない。しかし、第1実施形態に係るトナー補給装置60Yのように、トナー一次貯留部を設けない構成であれば、トナー補給装置60Yの小型化を図ることができ、複写機500全体の小型化を図ることができる。
次に、トナー容器32(Y,M,C,K)及びトナー補給装置60(Y,M,C,K)についてより詳細に説明する。なお、上述したように、トナー容器32(Y,M,C,K)及びトナー補給装置60(Y,M,C,K)は、それぞれ使用するトナーの色が異なる他はほぼ同様の構成になっているので、以下、Y,M,C,Kという使用するトナーの色を示す添字を省略して説明する。
図5は、第1実施形態に係るトナー容器32を示す斜視図である。また、図6は、トナー容器32を装着する前のトナー補給装置60と、トナー容器32の先端側端部とを示す拡大斜視図である。また、図7は、トナー容器32を装着した状態のトナー補給装置60と、トナー容器32の先端側とを示す拡大斜視図である。また、図8は、トナー容器32を装着する前のトナー補給装置60と、トナー容器32の先端部とを示す縦断面図である。また、図9は、トナー容器32を装着した状態のトナー補給装置60と、トナー容器32の先端部とを示す縦断面図である。
トナー補給装置60は、内部に搬送スクリュウ614を具備する搬送ノズル611を備えている。また、ノズルシャッタ部材612も備えている。ノズルシャッタ部材612は、トナー容器32が装着される前の非装着時(図6及び図9の状態)において、搬送ノズル611に形成されたノズル開口部610を閉鎖する。また、トナー容器32が装着された装着時(図7及び図8の状態)において、ノズル開口部610を開放する。
トナー容器32の先端面の中央には、装着時に搬送ノズル611が挿入されるノズル受入口331や、非装着時にノズル受入口331を閉鎖する容器シャッタ332が設けられている。
図5に示されるように、容器本体33は、略円筒状であり、円筒の中心軸を回転軸として回転する構成となっている。以下、この回転軸に平行な方向を「回転軸方向」と言う。また、回転軸方向において、トナー容器32におけるノズル受入口331が形成されている側(容器先端側カバー34が配置されている側)を「容器先端側」と言う。また、トナー容器32における把手部303が配置されている側(容器先端側とは逆側)を「容器後端側」と言う。なお、上述したトナー容器32の長手方向は回転軸方向であり、トナー補給装置60にトナー容器32を装着した状態では、回転軸方向は水平方向となる。容器本体33の容器ギア301よりも容器後端側は、容器先端側よりもその外径が大きくなっており、その内周面には螺旋状突起302が形成されている。そして、容器本体33が図中の矢印A方向に回転すると、容器本体33内のトナーは螺旋状突起302の作用によって回転軸方向における一端側(容器後端側)から他端側(容器先端側)に向かう搬送力が付与される。
容器本体33の容器先端側の内壁には、容器本体33が図中矢印A方向に回転することで螺旋状突起302によって容器先端側に搬送されてきたトナーを、容器本体33の回転によって上方に汲み上げる汲み上げ部304が形成されている。汲み上げ部304は、凸部304hと、汲み上げ壁面304fとから成る。凸部304hは、螺旋を形成しながら容器本体33の回転中心に向かって山の稜線を成すように容器本体33の内側に隆起した部分である。汲み上げ壁面304fは、凸部304h(稜線)から容器本体33の周面の内壁にまで繋がる隆起部の壁面のうち容器回転方向から見て下流側となる壁面である。そして、汲み上げ壁面304fが下方にあるときに、螺旋状突起302の搬送力によって汲み上げ部304に対向する内部空間に進入したトナーを、容器本体33の回転に応じて汲み上げ壁面304fが上方に汲み上げる。これにより、挿入された搬送ノズル611よりも上方にトナーを汲み上げることができる。
また、図5等に示されるように、汲み上げ部304の内周面にも、螺旋状突起302と同様に内部のトナーを搬送するように、螺旋状に形成された汲み上げ部螺旋状突起304aが形成されている。
容器本体33の汲み上げ部304よりもさらに先端側には、容器ギア301が形成されている。容器先端側カバー34には、容器本体33に取り付けた状態で、この容器ギア301の一部(図5中の奥側)が露出するように、ギヤ露出開口部34aが設けられている。そして、トナー容器32をトナー補給装置60に装着することで、ギヤ露出開口部34aから露出した容器ギア301が、トナー補給装置60側の容器駆動ギヤ601に噛み合う構成となっている。
容器本体33の容器ギア301よりもさらに先端側には、円筒状の容器開口部33aが形成されている。そして、この容器開口部33aにノズル受入部材330の受入部材固定部337を圧入することにより、容器本体33に対してノズル受入部材330を固定することが出来る。ノズル受入部材330を固定する方法としては圧入に限らず、接着剤による固定やネジ止めによる固定であっても良い。
トナー容器32は、容器本体33に対して容器開口部33aの開口からトナーが充填された後、ノズル受入部材330が容器本体33の容器開口部33aに固定されたものである。
容器本体33は、二軸延伸ブロー成形法によって成形されたものである。この二軸延伸ブロー成形法は、一般的にはプリフォーム成形工程と延伸ブロー成形工程との二段工程からなる。プリフォーム成形工程では、樹脂を用いて射出成形により試験管状のプリフォームを成形する。このときの射出成形により、試験管状の口部に、容器開口部33a、カバー爪引掛け部306及び容器ギア301を形成する。延伸ブロー成形工程は、プリフォーム成形工程後に冷却され、型から外されたプリフォームを加熱して軟化した後、ブロー成形すると共に延伸する。
容器本体33における容器ギア301よりも後端側は、延伸ブロー成形工程によって成形されたものである。よって、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部303は、延伸ブロー成形工程によって成形されたものである。
容器ギア301、容器開口部33a及びカバー爪引掛け部306等の容器ギア301から先端側の各部は、射出成形されたプリフォームのままの形状であるため、寸法を精度良く維持することができる。一方、汲み上げ部304、螺旋状突起302が形成されている部分、及び、把手部303は、射出成形された後、延伸ブロー成形工程で延伸して成形されているため、精度精度が劣っている。
次に、容器本体33に固定されるノズル受入部材330について説明する。
図10は、ノズル受入部材330を先端側から示す斜視図である。ノズル受入部材330は、シャッタ後端支持部335と、シャッタ側面支持部335a及び受入部材固定部337からなる容器シャッタ支持部材340と、容器シャッタ332とを有している。更に、容器シール部材333、コイルスプリングからなる容器シャッタバネ336なども有している。容器シャッタバネ336の先端側の端部は、容器シャッタ332の壁面に突き当たり、容器シャッタバネ336の後端側の端部はシャッタ後端支持部335の壁面に突き当たる。このとき、容器シャッタバネ336は圧縮した状態であるため、容器シャッタ332はシャッタ後端支持部335から離れる方向の付勢力を受ける。
トナー容器32では、管挿入部材であるノズル受入部材330の管挿入口であるノズル受入口331が開口している先端側の端面は、弾性部材である容器シール部材333によって形成される。そして、粉体受入口開閉部材であるノズルシャッタ部材612の突き当て部であるノズルシャッタ鍔部612aが、容器シール部材333を押し潰して圧縮させた状態で突き当たる。これにより、ノズルシャッタ鍔部612aにおけるノズルシャッタバネ受け面612fと反対側の面が、容器シール部材333に密着し、更なるトナー漏れ防止機能の向上を図ることができる。
ノズル受入部材330の受入部材固定部337内において、弾性部材である容器シール部材333が圧縮されると、ノズルシャッタ鍔部612a(図9参照)が複数本のノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たる。ノズルシャッタバネ613に付勢されるノズルシャッタ鍔部612aのノズルシャッタバネ受け面612fの裏側がノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たることで、ノズルシャッタ部材612のトナー容器32に対する回転軸方向の位置が決まる。これにより、容器シール部材333の先端側の端面及び容器開口部33aの先端側の端面と、ノズルシャッタ部材612との回転軸方向の位置関係が決まる。
トナー容器32の装着時には、搬送ノズル611のノズル開口部610は、ノズルシャッタ鍔部612aがノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たり、ノズルシャッタ部材612のトナー容器32に対する相対的な位置が固定されてから開き始める。一方、トナー容器32の取り外し時には、搬送ノズル611がトナー容器32から抜け始めても、ノズル開口部610が開口している状態ではノズルシャッタ部材612のトナー容器32に対する相対的な位置は変化せず、ノズルシャッタ部材612がノズル開口部610を閉鎖した後に、ノズルシャッタ部材612は搬送ノズル611とともにトナー容器32から抜けていく。ノズルシャッタ鍔部612aがノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たる状態では、搬送ノズル611のノズル開口部610が形成されている部分は、ノズル受入部材330の入口部分よりも十分にトナー容器32の内側に位置している。十分にトナー容器32の内側に位置している状態からノズル開口部610が開閉するため、ノズル開口部610から外部へのトナー漏れを防止することができる。
シャッタ側面支持部335aとシャッタ支持開口部335bとは、2つのシャッタ側面支持部335aが円筒形状の一部を形成し、シャッタ支持開口部335bの部分で円筒形状を大きく切り取った形状となっている。このような形状により、円筒形状の内側に形成される円柱状の空間内を容器シャッタ332が回転軸方向に移動するようにガイドすることができる。
後述するように、トナー容器32の装着時には、ノズル開口610は、ノズルシャッタ鍔部612aがノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たり、ノズルシャッタ612のトナー容器32に対する相対的な位置が固定されてから開き始める。一方、トナー容器32の取り外し時には、搬送ノズル611がトナー容器32から抜け始めても、ノズルシャッタ612のトナー容器32に対する相対的な位置は変化しない。これは、ノズル開口610が開口している状態では、ノズルシャッタバネ613による付勢力が働くからである。
トナー容器32が引き出されると、搬送ノズル611に対するトナー容器32の相対的な位置が変化するため、搬送ノズル611に対するノズルシャッタ612の相対的な位置も変化し、ノズルシャッタ612がノズル開口610を閉鎖し始める。このとき、トナー容器32が引き出される動作に伴い、トナー容器32と容器セット部615との距離が離れていく。これにより、ノズルシャッタバネ613が自身の復元力によって自然長に戻り始めることで、ノズルシャッタ612に対する付勢力が減少し始める。
さらに、トナー容器32が引き出されて、ノズルシャッタ612がノズル開口610の閉鎖を完了すると、ノズルシャッタ612の一部が搬送ノズル611の一部に対して突き当たる。この突き当たりにより、搬送ノズル611に対するノズルシャッタ612の相対的な位置が固定され、ノズルシャッタ鍔部612aのノズルシャッタ突き当てリブ337aに対する突き当たりが解除される。この後、さらにトナー容器32が引き出されることで、ノズルシャッタ612は搬送ノズル611とともにトナー容器32から抜けていく。
ノズルシャッタ鍔部612aがノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たる状態では、搬送ノズル611のノズル開口610が形成されている部分が次のように位置している。即ち、ノズル受入口331の入口部分よりも十分にトナー容器32の内側(容器後端側、奥側)に位置している。より詳しくは、回転軸方向を容器後端側に向かって、容器ギア301を越え、汲み上げ部304に対向する位置にノズル開口が有る様配置されている。十分にトナー容器32の内側に位置している状態からノズル開口610が開閉するため、ノズル開口610から外部へのトナー漏れを防止することができる。
また、シャッタ側面支持部335aとシャッタ支持開口335bとは、二つの互いに対向するシャッタ側面支持部335aが円筒形状の一部を形成し、シャッタ支持開口335bの部分(ニ箇所)で円筒形状を大きく切り取った形状となっている。このような形状により、円筒形状の内側に形成される円柱状の空間S1内を容器シャッタ332が回転軸方向に移動するようにガイドすることができる。
容器本体33に固定されるノズル受入部材330は、容器本体33の回転時に容器本体33とともに回転するが、このとき、ノズル受入部材330のシャッタ側面支持部335aは、トナー補給装置60側の搬送ノズル611の周りを回転する。このため、回転しているシャッタ側面支持部335aが搬送ノズル611の上部に形成されたノズル開口610のすぐ上方の空間を通過する。これにより、仮にノズル開口610の上方でトナーが瞬間的に堆積してもその堆積トナーをシャッタ側面支持部335aが横切って崩す。よって、放置時に堆積トナーが凝集してしまい、再起動時にトナーの搬送不良を起こすことを抑制することができる。一方、シャッタ側面支持部335aが搬送ノズル611の側方に位置している。そして、ノズル開口610とシャッタ支持開口335bとが対向するタイミングでは、図8中の矢印βで示すように、容器本体33内のトナーが搬送ノズル611内へと供給される。
次に容器先端側カバー34の構成について図5、6を用いて説明する。
トナー容器32の容器先端側カバー34は、トナー補給装置60に装着するときに、図5の容器受部72上を滑らせて移動させる。図5では四つのトナー容器32の直下に容器本体33の軸方向を長手として、挿入口形成部71から容器カバー受入部73まで続く溝がそれぞれ形成されている。この溝に嵌ってすべり移動を可能にするよう、容器先端側カバー34の下部の両側面には一対のスライドガイド361がある。詳しく述べると、容器受部72の溝にはその両側面から突き出る一対のスライドレールがある。この一対のスライドレールに上下から挟むように、スライドガイド361は容器本体33の回転軸と平行にスライド溝361aが形成されている。さらに容器先端側カバー34は、トナー補給装置60に装着するときに、セットカバー608に設けられた補給装置側ロック部材609と結合する容器ロック部を備える。
また、容器先端側カバー34には、トナー容器32の使用状況等のデータを記録したIDタグ(IDチップ)700が設けられている。さらに、容器先端側カバー34には、収納するトナーの色が異なるトナー容器32が他の色のセットカバー608に装着されることを防止する色非互換リブ34bを設けている。上述したように、スライドガイド361が装着時に容器受部72のスライドレールと係合することで容器先端側カバー34の補給装置60上での姿勢が決まる。そして、容器ロック部と補給装置側ロック部材609の位置合わせ、および後述するIDタグ700と本体側のコネクタ800の位置合わせをスムースに行うことができる。
次にトナー補給装置60について説明する。
図6及び図7に示されるように、トナー補給装置60は、複写機500本体のフレーム602に対して搬送ノズル611を固定するノズルホルダ607を備え、ノズルホルダ607に対して、セットカバー608が固定されている。さらに、ノズルホルダ607には、搬送ノズル611の下方から搬送ノズル611の内部に連通するように配置されたトナー落下搬送経路64が固定されている。
フレーム602には、容器回転駆動部91が固定されている。容器回転駆動部91は、駆動モータ603及び容器駆動ギヤ601や、不図示の容器駆動ギヤ601の回転軸に駆動モータ603の回転駆動を伝達するウォームギヤ603aなどを有している。容器駆動ギヤ601の回転軸には、駆動伝達ギヤ604が固定されており、搬送スクリュウ614の回転軸に固定された搬送スクリュウギヤ605と噛み合う構成となっている。このような構成により、駆動モータ603を回転駆動させることで、容器駆動ギヤ601及び容器ギア301を介してトナー容器32を回転させる。そして、駆動伝達ギヤ604及び搬送スクリュウギヤ605を介して、搬送スクリュウ614を回転させる。
なお、駆動モータ603から容器ギア301までの駆動伝達経路や、駆動モータ603から搬送スクリュウギヤ605までの駆動伝達経路にクラッチを設けても良い。このようなクラッチを設けることで、駆動モータ603を回転駆動させたときに、トナー容器32と搬送スクリュウ614との何れか一方のみを回転させる構成を実現できる。
次に、トナー容器32のトナー補給装置60に対する装着過程について説明する。
図6や図8の図中矢印Qで示されるようにトナー補給装置60の方向にトナー容器32が移動すると、搬送ノズル611のノズル先端部611aが容器シャッタ332の先端側の端面に接触する。トナー容器32が更にトナー補給装置60の方向に移動すると、搬送ノズル611が容器シャッタ332の先端側の端面を押圧する。これによって容器シャッタバネ336が縮むと、容器シャッタ332がトナー容器32の内部側(後端側)に押し込まれるとともに、搬送ノズル611のノズル先端側がノズル受入口331に挿入される。このとき、ノズルシャッタ部材612におけるノズルシャッタ鍔部612aよりもノズル先端側のノズルシャッタ筒状部612eも搬送ノズル611とともにノズル受入口331に挿入される。
トナー容器32が更にトナー補給装置60の方向に移動すると、ノズルシャッタ鍔部612aのノズルシャッタバネ受け面とは反対側の面が、容器シール部材333の先端側の端面に接触して容器シール部材333を少し押し潰す。これにより、前述の面がノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たることで、ノズルシャッタ部材612のトナー容器32に対する回転軸方向の相対的位置が固定される。
トナー容器32がトナー補給装置60の方向に更に移動すると、搬送ノズル611がさらにトナー容器32の内部側に挿入される。このとき、ノズルシャッタ突き当てリブ337aに突き当たっていたノズルシャッタ部材612は、搬送ノズル611に対してノズル根元側に押し戻される。これにより、ノズルシャッタバネ613が縮み、ノズルシャッタ部材612の搬送ノズル611に対する相対的位置がノズル根元側に移動する。この相対的位置の移動に伴い、ノズルシャッタ部材612に覆われていたノズル開口部610が容器本体33内部で露出し、容器本体33内と搬送ノズル611内とが連通する。
搬送ノズル611がノズル受入口331に挿入されている状態では、縮んだ状態の容器シャッタバネ336やノズルシャッタバネ613の付勢力によって、次のような力が作用する。即ち、トナー補給装置60に対してトナー容器32を押し戻す方向(図中矢印Qとは逆方向)の力である。しかし、トナー容器32をトナー補給装置60に装着する際には、容器ロック部材(連結部)339に対してトナー補給装置60のセットカバー608の係止部材609に対してトナー容器32の容器ロック部材(連結部)339を嵌め合わせる位置まで、トナー容器32を前述の力に抗してトナー補給装置60の方向に移動させる。これにより、容器シャッタバネ336及びノズルシャッタバネ613の付勢力と、容器ロック部材(連結部)339に対する係止部材609の引っ掛かりと、によって、図7及び図9に示される状態で、トナー容器32のトナー補給装置60に対する回転軸方向の位置決めがなされる。
図6に示されるように、容器ロック部材(連結部)339は、容器先端側カバー34の両側面部に設けられている。トナー容器32は、回転軸に直交する仮想平面上において、2つの容器ロック部材(連結部)339を結んだ線分の中央に容器シャッタ332を位置させるレイアウトになっている。容器シャッタ332が2つの容器ロック部材(連結部)339を結んだ線分上に存在していないと、次のような回転モーメントが作用する。即ち、容器シャッタ332の位置で作用する容器シャッタバネ336及びノズルシャッタバネ613の付勢力によって、線分を中心にトナー容器32を回転させる回転モーメントである。これにより、トナー容器32がトナー補給装置60に対して傾くおそれがある。そこで、第1実施形態に係るトナー容器32は、2つの容器ロック部材(連結部)339を結んだ線分上に容器シャッタ332が位置している。かかる構成では、容器シャッタ332の位置で作用する容器シャッタバネ336及びノズルシャッタバネ613の付勢力によって、トナー容器32がトナー補給装置60に対して傾くことを防止できる。
なお、トナー容器32をトナー補給装置60に装着した状態で、トナー容器32の先端側の端部である容器開口部33aの円状の端面は、容器セット部615の端面(615b)には接触しない構成となっている。かかる構成が採用されているのは、次に説明する理由からである。即ち、容器ロック部材(連結部)339に対して係止部材609を進入させる前に、容器開口部33aの円状の端面が容器セット部615の端面(615b)に突き当たると、トナー容器32を更にトナー補給装置60側に向けて移動させることができなくなる。これにより、回転軸方向の位置決めができなくなってしまう。そこで、トナー容器32をトナー補給装置60に装着した状態では、容器開口部33aの円状の端面と、容器セット部615の端面(615b)との間には、若干の隙間がある状態にしている。
トナー容器の回転軸方向の位置決めがなされた状態では、容器セット部615の内周面615aに、容器開口部33aの外周面が摺動可能な状態で嵌合される。このため、回転軸に直交する平面方向におけるトナー容器32のトナー補給装置60に対する位置決めがなされる。これにより、トナー容器32のトナー補給装置60に対する装着が完了する。
トナー容器32の装着が完了した状態で、駆動モータ603を回転駆動させることにより、トナー容器32の容器本体33と、搬送ノズル611内の搬送スクリュウ614が回転する。容器本体33が回転することで、容器本体33内のトナーは螺旋状突起302によって、容器本体33の先端側に搬送される。この搬送によって汲み上げ部304に到達したトナーは、容器本体33が回転することで汲み上げ部304により、ノズル受入部材330内に挿入されている搬送ノズル611のノズル開口部610の上方まで持ち上げられたトナーが、ノズル開口部610に落下することで、搬送ノズル611内にトナーが供給される。搬送ノズル611内に供給されたトナーは、搬送スクリュウ614によって搬送され、トナー落下搬送経路64を通って現像装置50に補給される。なお、同図では、このときの容器本体33内からトナー落下搬送経路64までのトナーの流れを図9中の矢印βで示している。
図9のαは、容器開口部33aが容器セット部615の内周面615aと摺動可能に接触して、トナー容器32のトナー補給装置60に対する位置決めがなされる位置を示している。この位置は、摺動部と位置決め部との両方の機能を有する構成に限らず、摺動部また位置決め部の何れか一方の機能を有する構成であってもよい。
トナー容器32のノズル受入部材330は、ノズル受入口331とシャッタ支持開口部335bと容器シャッタ332とを有している。容器本体33の開口部の位置に設けられたノズル受入口331は、粉体受け口であるノズル開口部を具備する搬送ノズル611を受け入れる。また、シャッタ支持開口部335bは、少なくともその一部に容器本体33内の粉体であるトナーをノズル開口部610へ供給する補給口として機能する。また、容器シャッタ332は、ノズル受入部材330に支持され、搬送ノズル611がノズル受入部材330に対して、挿入または抜き出す動作により、回転軸方向にスライド移動してノズル受入口331を開閉する開閉部材として機能する。このような構成により、トナー容器32は、搬送ノズル611が挿入されるまではノズル受入口331が閉じられた状態を維持し、トナー補給装置60に装着される前の状態でのトナーの漏れや飛散を防止できる。
ノズル受入口331に搬送ノズル611が挿入され、搬送ノズル611に押された容器シャッタ332が容器奥側にスライド移動すると、シャッタ支持開口部335b近傍に溜まっていたトナーが押しのけられる。このため、シャッタ支持開口部335bの周辺にノズル受入口331が形成された部分の搬送ノズル611が進入する空間を確保でき、シャッタ支持開口部335bからノズル受入口331へのトナーの供給を確実に行える。このようにトナー容器32は、トナー補給装置60に装着前の状態では、容器本体33に収納されているトナーの漏れや飛散を防止しつつ、トナー補給装置60に装着されたときには、確実に容器本体33外にトナーを排出することができる。
図8及び図9において、ノズル開口部610やノズル受入口331からは、トナーが飛散するおそれがある。トナー補給装置60側の容器セット部615及びトナー容器32側の容器開口部33aの先端側端部は、トナー容器32を装着する前後の何れの状態においても、それら開口部から離れている。このため、トナー容器32を装着する前のノズル受入口331や、トナー容器32をトナー補給装置60に装着した状態の容器シール部材333と搬送ノズル611との接触部からトナーが漏れることを防止できる。さらに、トナー容器32の着脱の際もトナー補給装置60側の容器セット部615はノズル開口部610から離れている。また、トナー容器32側の容器開口部33aの先端側端部は、容器シャッタ332から離れている。
トナー容器32におけるトナーの排出部であるノズル受入口331を封止する容器シャッタ332は、容器本体33の先端開口305の先端側端部より後端側(奥側)に配設されている。これにより、先端開口305の先端側端部に対して、容器シャッタ332からある程度の距離が確保されている。かかる構成では、トナーが容器本体33の開口位置よりも奥側にあるノズル受入口331から容器本体33の開口位置を回り込む。これにより、容器開口部33aの外周面側にトナーが到達することを抑制して、トナー飛散の発生を抑制することができる。
トナー補給装置60に対するトナー容器32の回転軸に直交する方向の位置決めは、容器開口部33aの外周面と、容器セット部615の円筒状の内周面615aとの嵌合によってなされている。すなわち、粉体収納部材である容器本体33の容器開口部33aの外周面が粉体搬送装置であるトナー補給装置60との位置決め部である。このため、容器開口部33aの外周面側にトナー汚れが生じると、容器セット部615の内周面615aとの嵌合状態が変化し、位置決め精度が低下するおそれがある。そこで、第1実施形態に係るトナー容器32は、容器開口部33aの外周面側にトナーが到達することを抑制して、トナー容器32のトナー補給装置60に対する位置決め精度を安定させるようになっている。
容器開口部33aの外周面と、容器セット部615の内周面615aとの接触部は、トナー容器32が回転するときに摺動する関係にある。すなわち、粉体収納部材である容器本体33の容器開口部33aの外周面が粉体搬送装置であるトナー補給装置60との摺動部である。この摺動部にトナーが進入すると、摺動負荷が増大し、トナー容器32の回転トルクが上昇するおそれがある。これに対し、第1実施形態に係るトナー容器32は、容器開口部33aの外周面側にトナーが到達することを抑制し、容器セット部615の内周面615aとの接触部にトナーが進入することを抑制できる。このため、摺動負荷の増大を抑制して摺動性を安定させて、トナー容器32の回転トルクが上昇することを抑制することができる。また、摺動部にトナーが進入することを抑制できるため、摺動部でトナーが押し固められることに起因してトナーの凝集体が発生することを抑制できる。
トナー容器32をトナー補給装置60に装着したときには、容器シール部材333がノズルシャッタ鍔部612aに押し潰される。これにより、ノズルシャッタ鍔部612aが容器シール部材333に密着加圧された状態となり、より確実にトナー漏れを防止することができる。容器シャッタ332を開口位置より長手方向内側(後端側)に配置する構成とすることによって、トナー容器32の先端から容器シャッタ332及び容器シール部材333の先端側の端面までの間に円柱状の空間部が形成される。
次に、第1実施形態に係る複写機の特徴的な構成について説明する。
図11は、トナー容器32の容器ロック部材(連結部)339と、トナー補給装置60の係止部材609とを示す部分拡大斜視図である。トナー容器32がトナー補給装置60に対して装着される際には、作業者によってトナー容器32が図中矢印のように押し込まれる。容器ロック部材(連結部)339は、そして、トナー容器32の容器先端側カバー34の周面に突設せしめられており、トナー容器32の押込方向であり、且つトナー容器32の長手方向でもある図中矢印の方向に延在する溝(凹部)を有している。この溝は、底の部分が溝開口の部分よりも大きな円柱状の空間になっている。
一方、トナー補給装置60の係止部材609は、容器ロック部材(連結部)339の溝の中にピッタリと嵌り込む形状になっている。トナー容器32がトナー補給装置60に装着される際、トナー容器32の容器ロック部材(連結部)339の溝339aが、トナー補給装置60の係止部材609に嵌り込む。この嵌り込みにより、トナー容器32が所定の位置に係止される。尚、これとは逆に、トナー容器32の容器ロック部材(連結部)339をトナー補給装置60の係止部材609のように突起として形成し、対応するトナー補給装置60の係止部材609を容器ロック部材(連結部)339のように溝として形成することもできる。
次に、トナー容器32の容器ロック部材(連結部)339が備える具体的な構成及び機能について説明する。
図12は、トナー容器32を示す正面図である。トナー容器32は4つの連結部を有している。より具体的に説明すると、トナー容器32を正面から眺めた場合における、容器本体中心軸線を中心とする仮想時計の3時の位置に第1連結部339aが設けられている。第1連結部339aは、図11を用いて説明した溝(凹部)からなる連結部として構成されている。また、トナー容器32の容器先端側カバー34の周面には、この第1連結部339aの他に、第2連結部339b、第3連結部339c、及び第4連結部339dがそれぞれ突設せしめられている。
第2連結部339bは、容器本体中心軸線を中心とする仮想時計の6時の位置に配設されており、第1連結部339aの溝と同様の形状の溝を有している。また、第3連結部339cは、前記仮想時計の9時の位置に配設されており、トナー補給装置60の係止部材609と同様の凸形状になっている。また、第4連結部339dは、前記仮想時計の12時の位置に配設されており、トナー補給装置60の係止部材609と同様の凸形状になっている。そして、第1連結部339a、第2連結部339b、第3連結部339c、第4連結部339dは、トナー容器同士を連結するための連結部として機能している。
図13は、第1接続例の形態で接続されている4つのトナー容器32を示す正面図である。また、図14は、第1接続例の形態で接続されている4つのトナー容器32を示す斜視図である。これらの図において、4つのトナー容器32は、互いに長手方向を平行にした状態で1段目に2個並べられ、その上の2段目に2個並べられている。従って、図13に示されるように正面から見ると縦に2行、横に2列並んでおり、2×2個のマトリクス状に互いに接続されていると言える(以下、縦(行)と横(列)とに並ぶ状態をマトリクス状と言う)。第1接続例では、4個のトナー容器32を2個×2個のマトリクス状に並べているが、6個のトナー容器32を2個×3個のマトリクス状に並べたり、3個×2個のマトリクス状に並べたりすることも可能である。また、9個のトナー容器32を3個×3個のマトリクス状に並べることも可能である。
図15は、第2接続例の形態で接続されている4つのトナー容器32を示す正面図である。また、図16は、第2接続例の形態で接続されている4つのトナー容器32を示す斜視図である。これらの図のように、トナー容器32を正面から見た場合に、複数のトナー容器32を横一直線状に連結することもできる。
以上のように、複数のトナー容器32を、それぞれに設けられた連結部同士で連結した状態にすることで、単純に開梱状態(使用状態)にした場合に比べて、より多くのトナー容器32を持ち運べるようにする。これにより、ユーザーは、保管している全てのトナー容器32を一度で移動させるか、あるいは、全てのトナー容器32の移動を終えるまでの往復移動回数を減らすかすることで、トナー容器32の移動の手間を低減することができる。また、第1接続例、第2接続例で説明したように、どのような個数であっても、縦に積み重ねたり、横に並べたりして連結させることができる。なお、この第1変形例では、容器ロック部材(連結部)339の連結部を4つ設けた例を示したが、連結部が1つであっても、2つのトナー容器32に夫々設けた連結部が互いに連結可能な形状を有していれば、連結させることは可能である。また、連結部が互いに連結可能な2種類の形状であって、夫々のトナー容器32が少なくとも2つの連結部を有していれば、上述した第1接続例、第2接続例のように連結させることが可能である。
図17は、第1変形例に係る複写機のトナー容器32の接続例を説明するための説明図である。同図は、4つのトナー容器32をそれぞれ正面から示している。第1変形例に係るトナー容器32においては、第1実施形態に係るトナー容器32に設けられていた4つの連結部のうち、第1連結部339a及び第2連結部339bの2つだけを設けている。この場合、図示のように、4つのトナー容器32におけるそれぞれの2つの連結部を全て使用して、4つのトナー容器32を2個×2個のマトリクス状に連結することができる。交換によって使用したトナー容器32を迅速に補充してY,M,C,K用の4つのトナー容器32を常備する運用を行うユーザーに適した形態である。
図18は、第2変形例に係る複写機のトナー容器の接続例を説明するための説明図である。第2変形例に係る複写機では、Y,M,C,K用のトナー容器32Y,32M,32C,32Kのうち、最もトナー消費量の多いK用のトナー容器32Kが、他の3つのトナー容器よりも大きな径に形成されていることで、より多くのトナーを収容している。4つのトナー容器のうち、大径のK用のトナー容器32Kだけ、第1連結部の配設位置を、3時の位置ではなく、3時の位置から少しだけ4時側にずらしている。また、第3連結部の配設位置を、9時の位置ではなく、9時の位置から少しだけ8時側にずらしている。
これにより、図示のように、大径のK用のトナー容器32Kにおける第1連結部を、小径のトナー容器(32Y,32M,32C)の第3連結部にずれなく嵌合させることができる。また、同図には示されていないが、大径のK用のトナー容器32Kにおける第3連結部を、小径のトナー容器(32Y,32M,32C)の第1連結部にずれなく嵌合させることができる。
図19は、第3変形例に係る複写機のトナー容器の接続例を説明するための説明図である。第3変形例に係る複写機も、K用のトナー容器32Kが、Y,M,C用のトナー容器32Y,32M,32Cよりも大径になっている。K用のトナー容器32Kは、第1連結部339aの配設位置が、Y,M,C用のトナー容器32Y,32M,32Cと同様に3時の位置になっている。また、第2連結部339bの配設位置が、Y,M,C,K用のトナー容器32Y,32M,32Cと同様に6時の位置になっている。また、第3連結部339cの配設位置が、トナー容器32Y,32M,32Cと同様に9時の位置になっている。また、第4連結部339dの配設位置が、トナー容器32Y,32M,32Cと同様に12時の位置になっている。
Y,M,C,K用のトナー容器32Y,32M,32C,32Kは、それぞれ、4つの連結部(339a〜d)が次のようになっている。即ち、連結部(330a〜d)の容器先端側カバー34表面からの立ち上がり部が可撓性をもっており、図20に示されるように柔軟に撓むことができる。この撓みにより、大径のK用のトナー容器32Kと、小径のY,M,C用のトナー容器32Y,M,Cとで、互いの連結部の配設位置を同じにしていても、互いの連結部を連結させることができる。
図21は、第4変形例に係る複写機のトナー容器32の接続例を説明するための説明図である。第4変形例に係る複写機のトナー容器32においては、4つの連結部のうち、3時の位置に配設された第1連結部、6時の位置に配設された第2連結部、及び9時の位置に配設された第3連結部の3つだけを有している。第2連結部は、溝だけでなく、凸部も具備している。そして、第3変形例では、図示のように、第1連結部は、他のトナー容器32の第3連結部だけに連結する。また、第3連結部は、他のトナー容器32の第1連結部だけに連結する。また、第2連結部は、他のトナー容器32の第2連結部だけに連結する。
第2連結部同士の連結は、互いの凹部及び凸部をくさび状に嵌合させる連結であるため、すぐれた連結強度を発揮する。このため、トナー容器32を2個だけ連結させる場合であっても、安定した連結状態を維持することができる。なお、図示のように互いに連結している4つのトナー容器32の群を、図中左右方向に複数連結させることも可能である。
図22は、第5変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器おける第1連結部339aと第3連結部339cとの連結を説明するための斜視図である。トナー容器に設けられている4つの連結部339a〜dは、何れもトナー容器の長手方向に摺擦しながら嵌合するものである。このため、複数のトナー容器を連結させた状態でトナー容器がカートリッジ長手方向とは異なる方向に移動しようとしても、連結部同士の嵌合は解けずに、カートリッジ同士の連結状態が維持される。しかしながら、トナー容器がカートリッジ長手方向に移動しようとすると、連結部同士の嵌合が解けて、連結していたトナー容器同士が離間してしまうおそれがある。
そこで、第5変形例に係る複写機では、第3連結部339cの幅を部分的に第1連結部339aの溝の幅よりも少しだけ大きくするための突起d1を第3連結部339cに設けている。また、第3連結部339cの突起d1を受け入れるための小さな凹部d2を第1連結部339aの溝に設けている。第3連結部339cが第1連結部339aの溝の中でスライド移動するためには、第3連結部339cの突起d1を第1連結部339aの溝の壁に強く押し当てて変形させる必要がある。このように突起d1を強制的に変形させた状態では、かなり強い力をかけない限り第3連結部339cを第1連結部339aの溝内でスライド移動させないことから、カートリッジ長手方向の力をトナー容器にかけても、カートリッジ同士の連結状態を維持することができる。
なお、これまで、トナー容器32の連結部をトナー補給装置の係止部材に係合させて係止する被係止部材として兼用する例について説明してきた。このように兼用する場合には、トナー容器32の連結部同士の嵌め合い方向を、トナー補給装置に対するトナー容器32の着脱方向と同じにする必要がある。その方向は、これまで説明してきた例では、トナー容器32の長手方向である。一方で兼用しない場合には、容器先端側カバー34に対して上述した連結部と容器ロック部材とを別々の位置に設けてもよい。このような場合には、連結部同士の嵌め合い方向を前記着脱方向と異ならせることも可能である。例えば、図23に示される第6変形例のように、トナー容器32をカートリッジ横断面方向に移動させて連結部同士を嵌め合わせるようにしてもよい。例えば、第1連結部339aについて、その溝が図中上下方向に延在し、上端が閉じるように形成する。そして、この第1連結部339aと係合する連結部、例えば第3連結部339cを係合させる場合には、第3連結部339cの凸部が図中上下方向に沿って延在するように形成すればよい。この場合には、連結部を容器ロック部材と補給装置側の係止部材609との係合を妨げない位置に設けるとよい。
上述してきたように、第1〜第6変形例では、容器先端側カバー34に第1連結部339a、第2連結部339b、第3連結部339c、第4連結部339dを設けている。このような構成の方が、トナー容器32の容器本体33にこれらの連結部を設ける構成に比べ、次に説明する点で有利である。即ち、容器先端側カバー34は、トナーを収容する収容部たる容器本体33を回転自在に保持する保持部として機能している。そして、回転する容器本体33を安定して保持するために、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネイト(PC)など、容易に変形しない樹脂、あるいは金属材料で形成するのが一般的である。容器先端側カバー34が容易に変形してしまうと、トナー補給装置の係止部材609に係止されている容器先端側カバー34が容器本体33からの回転慣性力を受けて係止部材609に押し当てられた際に容易に変形して係止が解けてしまうからである。トナー補給装置内に確実に係止できるように、容器先端側カバー34を容易に変形させない材料で構成するのである。一方、容器本体33は、トナー補給装置に係止されるものではないので、高い剛性が要求されない。むしろ、ある程度変形した方が衝撃に対して有利である。更に、弾性に優れた樹脂材料を採用することで、ブロー成形が容易になるというメリットがある。このため、容器本体33については、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)など、弾性に優れた樹脂材料で形成するのが一般的である。
弾性変形し易い容器本体33ではなく、変形し難い容器先端側カバー34に対して連結部339を一体形成することで、互いに連結している連結部339同士が変形し難くなる。よって、変形による連結部339の抜けを発生し難くして、連結状態を安定して維持することができる。また、容器先端側カバー34を変形し難い樹脂で形成した場合、容器先端側カバー34を衝撃で破損させ易くなる。衝撃に弱い容器先端側カバー34同士を連結することで、容器先端側カバー34の破損の発生を抑えることが可能になる。特に、4つの連結部339の全てに他のトナー容器32の連結部を連結させているトナー容器32は、容器先端側カバー34が周囲のトナー容器32の容器先端側カバー34に覆われて隠れるため、破損の発生が有効に抑えられる。
なお、これまで、トナー容器32の容器先端側カバー34に連結部を設けた例について説明してきたが、容器本体33に連結部を設けると以下の利点がある。
図24は、第7変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の第1接続例を説明するための斜視図である。また、図25は、第7変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の第2接続例を説明するための斜視図である。第7変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32は、容器本体33に設けられた第1連結部339eによって他のトナー容器32の第2連結部339fと連結するようになっている。図24、図25では、第1連結部339e及び第3連結部339fを面ファスナーで構成し、第1連結部339eをトナー容器32の正面から見た3時と6時の位置、第2連結部339fを同方向から見た9時と12時の位置に設けている。容器本体33に第1連結部339e及び第2連結部339fが設けられていることから、図24や図25に示されるように、複数のトナー容器32をそれらの容器本体後端の位置を揃えて連結することができる。そのため、4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kのうち、最も使用頻度の高いK用のトナー容器32Kを、他のトナー容器32Y,32M,32Cに比べて、大径で且つ長さが大きくなるよう構成した場合に、図24に示される第1接続例、図25に示される第2接続例の何れにおいても、K用のトナー容器32Kの頭部が他のトナー容器32Y,32M,32Cの頭部から突出する。これにより、容器先端側カバー(34Y,34M,34C,34K)を下方に向けた状態でトナー容器32Y,32M,32C,32Kを床面上に立たせることが防止される。
図26は、第8変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の接続例を説明するための斜視図である。第8変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32は、容器本体33と容器先端側カバー34とにそれぞれ図示しない連結部339が設けられている。そして、トナー容器32は、自らの容器先端側カバー34に設けられた連結部339を、他のトナー容器32の容器本体33に設けられた連結部339に嵌め合わせる。また、自らの容器本体33に設けられた連結部339を、他のトナー容器32の容器先端側カバー34に設けられた連結部339に嵌め合わせる。例えば、図26に示されるように、容器先端側カバー34の外径が容器本体33の外径よりも大きい場合、容器先端側カバー34同士を連結させる構成に比べて、省スペース化を図ることができる。具体的には、一方のトナー容器32の容器先端側カバー34と、他方のトナー容器32の容器本体33とを向かい合わせて両カートリッジを連結することで、連結した時に省スペース化を図ることができる。
これまで、ボトル状のトナー容器32に本発明を適用した例について説明したが、トナー容器32の形状はボトル状に限定されるものではない。
図27は、第9変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32を示す正面図である。また、図28は、同複写機に搭載される2つのトナー容器32を示す斜視図である。また、図29は、同複写機に搭載される複数のトナー容器32の接続例を説明するための斜視図である。第9変形例に係る複写機のトナー容器32は、図示のように、箱状の形状になっている。そして、図示しないトナー補給装置に装着された状態では、カートリッジ自体はトナー補給装置に固定されて動かない。内部に配設されている図示しない回転部材を回転させることで、カートリッジ内からのトナーの排出を促す仕組みになっている。
連結部としては、凹状(メス)の第1連結部339a、及び凸状(オス)の第3連結部339cの2つだけを有している。複数のトナー容器32を、図29に示されるように横一直線状に連結することが可能である。
図30は、第10変形例に係る複写機に搭載される2つのトナー容器32を示す斜視図である。これらトナー容器32は、それぞれ、自らの第1連結部399aと、他のトナー容器の第3連結部339cとを連結させるようになっている。それら連結部は互いに嵌合するタイプのものではなくて、互いに面係合するようになっている。具体的には、マジックテープ(登録商標)やベルクロテープ(登録商標)などの面ファスナーからなっている。
図31は、第11変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の頭部を示す斜視図である。また、図32は、第11変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の頭部を示す縦断面図である。第11変形例に係る複写機においては、カートリッジ内からのトナー飛散を防止するためのキャップ350をトナー容器32に設けている。
トナー容器32がプリンタ部100の収容器搭載部70に装着されていない状態では、トナー容器32のノズル受入部材330のノズル受入口331が容器シャッタ332によって閉じられている。これにより、カートリッジ内からのトナー飛散が阻止されている。しかし、容器シャッタ332は上述したように移動可能になっており、トナー容器32が誤って落とされるなどしてカートリッジに衝撃が加わると、容器シャッタ332が容器シャッタバネ336の付勢力に打ち勝って一時的に移動するおそれがある。すると、ノズル受入口331が一時的に開かれて、トナー飛散が発生してしまう。
そこで、第11変形例に係る複写機においては、収容器搭載部70に装着されていない状態のトナー容器32の容器先端側カバー34に嵌合してノズル受入口331を容器外側から塞ぐキャップ350を設けている。より具体的には、先端開口305を外側から覆うように設けられている。落下時などの衝撃によって容器シャッタ332が一時的に移動しても、ノズル受入口331がキャップ350によって容器外側から塞がれているため、トナー飛散が防止される。また、キャップ350は、容器先端側カバー34の先端側壁に固定されているIDタグ700を外側から覆うことで、IDタグ700を保護することもできる。
なお、作業者は、新しいトナー容器32を収容器搭載部70に装着する際には、次のようにするとよい。即ち、まず、装着に先立ってキャップ350を容器先端側カバー34から取り外す。次いで、画像形成装置500から取り出したトナー容器32の容器先端側カバー34に対して取り付け、その後に、新しいトナー容器32を画像形成装置500に装着するようにする。
図33は、第12変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の頭部を示す分解斜視図である。また、図34は、同頭部を示す斜視図である。便宜上、これらの図には示されていないが、第12変形例に係る複写機では、第1連結部〜第2連結部を容器本体33に設けている。また、トナー容器32は容器先端側カバーを有しておらず、容器本体33は収容器搭載部70に装着された際に、収容器搭載部70に回転可能に保持される。
容器本体33の先端部には、IDタグ700を保持するためのチップ固定円盤701が設けられている。そして、トナー容器32が収容器搭載部70装着されていない状態では、キャップ350が容器本体33の先端に嵌合して容器本体33の開口を閉じている。
チップ固定円盤701には、誤装着防止用貫通口701aが設けられている。トナー容器32が収容器搭載部70に装着される際に、収容器搭載部70に設けられた図示しない係止棒がこの誤装着防止用貫通口701aに挿入される。誤装着防止用貫通口701aの配設位置は、Y,M,C,Kの色毎に異なっている。また、収容器搭載部70の係止棒の配設位置も色毎に異なっている。このため、例えばY用のトナー容器32YをK用の収容器搭載部70Kに装着しようとすると、収容器搭載部(70K)の係止棒が誤装着防止用貫通口701aに進入せずに、チップ固定円盤701の表面に突き当たるため、誤装着が防止される。
以上のように第1実施形態では、第1〜4の連結部を設ける例について説明してきたが、連結部の数についてはいくつであっても構わない。例えば2つのトナー容器32を連結させるのであれば、夫々のトナー容器32が異なる連結部339を有し、その連結部同士が係合可能な形状を有していればよい。そして、3つ以上のトナー容器32を連結させるのであれば、夫々のトナー容器32に対して少なくとも2つの連結部があればよい。従って、1つのトナー容器32に対して少なくとも1つの連結部が設けられていれば複数のトナー容器32を連結させることができる。
そして、黒を多く使用するユーザーに対してY1個,M1個,C1個,K2個というような組み合わせ、Y1個,M1個,C1個,K1個に加えて階調色を1個といった組み合わせも実現することができる。
次に、第1実施形態に係る複写機に、より特徴的な構成を付加した各実施例の複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例に係る複写機の構成は、第1実施形態と同様である。
[第1実施例]
第1実施例に係る複写機は、Y,M,C,K用のトナー補給装置で、係止部材609の形状を互いに異ならせている。そして、Y,M,C,K用のトナー容器32における連結部339の形状を、Y,M,C,K用のトナー補給装置の係止部材609に嵌合させる形状にしている。このようにすることで、例えばY用のトナー補給装置にK用のトナー容器32Kを装着しようとするなど、色違い装着がなされようとした際に、係止部材609と連結部との嵌め合いを阻止して、色違い装着の発生を回避している。
図35(a)、(b)、(c)、(d)は、Y,M,C,K用のトナー容器の第3連結部339cを示す背面図である。これらの図に示されるように、各色において、第3連結部339cの形状が異なっている。なお、各色のトナー容器においては、第4連結部339dが第3連結部339cと同じ形状になっている。
図36(a)、(b)、(c)、(d)は、Y,M,C,K用のトナー補給装置の左係止部材609bを示す背面図である。図示のように、各色の左係止部材609bは、対応する色のトナー容器の第3連結部339cに嵌合する形状の溝(メス)を具備している。このように、第3連結部339cの形状と、左係止部材609bの形状との組み合わせを色毎に異ならせることで、同じ色の組み合わせしかトナー容器32の装着が行われないようになっている。
図35(a)〜(d)において、各色の第3連結部339cは、全体としては互いに形状が異なっているが、先端部だけは各色共通の円柱状の形状になっている。図39は、各色のトナー容器32における第1連結部339aを示す背面図である。各色のトナー容器32は、凹状の第1連結部339aが各色で共通の形状になっている。より詳しくは、円柱状の溝形状になっている。この円柱状の溝形状は、図35(a)〜(d)に示される各色の第3連結部339cの先端部に嵌り合う。また、各色の第3連結部339cの先端部と同じ形状になっている各色の第4連結部339dの先端にも嵌り合う。つまり、各色の第1連結部339cは、相手が第3連結部339c又は第4連結部339dであれば、どの色であってもその相手に嵌り合うことが可能である。
また、各色の第2連結部339bは、各色の第1連結部339aと同じ形状になっている。よって、各色の第2連結部339bも、相手が第3連結部339c又は第4連結部339dであれば、どの色であってもその相手に嵌り合うことが可能である。
かかる構成では、トナー容器32同士の連結については、色に関係なく、オス形状の第3連結部339cや第4連結部339dをメス形状の第1連結部339aや第2連結部339bに嵌め合わせて、トナー容器32同士を連結させることができる。よって、トナー容器32同士を連結させる場合には、色を気にすることなく、自由に連結させることができる。
Y,M,C,Kの4色を区別する構成について説明したが、更にバリエーションを増やすことも可能である。図37は、第3連結部339c(図中下側)と係止部材609(図中上側)とを示す説明図である。第3連結部339cは、第1根元側部(A部)、第2根元側部(B部)、第1延在部(CA域)、第2延在部(CB域)、端部(D径・形状)、根元部(E幅)を備えている。係止部材609は、第1対向部(A部)、第2対向部(B部)、第1壁部(CA域)、第2壁部(CB域)、溝底部(D径・形状)、溝部(E幅)を備えている。第3連結部339cと係止部材609を係止した状態では、各部が次のように対応している。即ち、第3連結部339cの第1根元側部(A部)に係止部材の第1対向部(A部)が対応している。また、第3連結部339cの第2根元側部(B部)に係止部材609の第2対向部(B部)が対応している。また、第3連結部339cの第1延在部(CA域)に係止部材609の第1壁部(CA域)が対応している。また、第3連結部339cの第2延在部(CB域)に係止部材609の第2壁部(CB域)が対応している。また、第3連結部339cの端部(D径・形状)に係止部材609の溝底部(D径・形状)が対応している。また、第3連結部339cの根元部(E幅)に係止部材609の溝部(E幅)が対応している。
これらの対応関係における各寸法や各形状を、様々に異ならせることによって、更にバリエーションを増やすことができる。例えば、第1延在部(CA域)或いは第2延在部(CB域)、または第1壁部(CA域)或いは第2壁部(CB域)、に対応関係のある窪みと突起を設けることなどが考えられる。また、例えば、端部(D径・形状)と溝底部(D径・形状)とを、対応関係を維持したまま正方形、長方形、三角形、多角形、クローバ型、スペード型、ハート型、V字型、矢印型など様々な形状とすることが考えられる。
なお、トナー容器32同士の連結については、図39を用いて説明したのと同様に自由に連結させることができる。例えば、第1連結部339aの形状を係止部材609の溝部(E幅)、溝底部(D径・形状)と略同形状とし、第1壁部(CA域)、第2壁部(CB域)に相当する部分の形状を、これらよりも狭く(短く)すれば良い。連結部と係止部とのバリエーションの一例を図38(a)、図38(b)に示す。図38(a)において、一番左に描かれているのは、K用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、左から二番目に描かれているのは、Y用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、左から三番目に描かれているのはM用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、左から4番目に描かれているのは、C用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、一番右に描かれているのは、それらのトナー容器がセットされる複写機(トナー補給装置)側に設けられた係止部材609である。図38(a)は、それら部材の形状的な対応関係を模式的に示している。
図38(b)において、一番左に描かれているのは、K用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、左から二番目に描かれているのは、Y用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、左から三番目に描かれているのは、M用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、左から四番目に描かれているのは、C用のトナー容器32に設けられた連結部339である。また、一番右に描かれているのは、それらのトナー容器がセットされる複写機(トナー補給装置)側に設けられた係止部材609である。図38(a)と図38(b)とでは、例えば、複写機の種類、仕向地、トナー容器が収容するトナーの種類(色以外の性質、材質、物性、特性)、などが異なっている。ここで、図38(a)及び図38(b)の係止部材609は、C用の連結部339に対応している。それは、係止部材609における第2壁部(CB域)の幅a或いはcaが、C用の連結部339における第2延在部(CB域)の幅a或いはcaと夫々等しく、且つ、形状が同一(平坦)だからである。K用の連結部339、Y用の連結部339、及びM用の連結部339は、第2延在部(CB域)の形状が、係止部材609の第2壁部(CB域)の形状と異なっている。K用の連結部339は、更に端部(D径・形状)の形状についても係止部材609の溝底部(D径・形状)と異なっている。そして、図38(a)の係止部材609における第2壁部(CB域)の幅aは、図38(b)の係止部材609における第2壁部(CB域)の幅caよりも大きい。そのため、図38(a)のC用の連結部339を備えるトナー容器32を、図38(b)の係止部材609を備える複写機に対して装着可能となっている。例えば、図38(a)の連結部339を備えるトナー容器32に内容されるトナーの融解温度が、図38(b)の連結部339を備えるトナー容器32に内容されるトナーの融解温度よりも高く、仕向地での保管環境下の温度に余裕度が欲しい場合など、一方を他方に対しても用いたいというニーズに対応することが可能である。但し、図38(a)の他色(Y,M)のトナー容器32が図38(b)のC色の係止部材609に係合できないように、例えば図38(a)のM用の連結部339に書き加えた幅aが、図38(b)の係止部材609における第2壁部(CB域)の幅caよりも小さく形成されていることが好ましい。図示した例では上述の幅caよりも上述の幅aの方が大きいために係合可能となっているが、少なくともK色については、図38(b)C用の係止部材609の溝底部(D径・形状)と端部((D径・形状))とで係合不可となっている。以上、説明したように、トナー容器32の連結部339と複写機の係止部材609とを様々な組み合わせとすることで、ニーズに応じた対応関係を実現することができる。
[第2実施例]
図40は、上述した第11変形例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の頭部を示す縦断面図である。同図において、トナー容器32は容器先端側カバー34を鉛直方向下方に向けた姿勢で、床面に立てられている。細長い形状のトナー容器32が床面上に立つためには、横断面方向に延在する平面をカートリッジ先端又は後端に設ける必要がある。横断面方向に延在する平面が床面に密着することで、細長い形状のトナー容器32が鉛直方向に延在する姿勢を保てるからである。第10変形例に係る複写機では、キャップ350の先端が、カートリッジ横断面方向に延在する平面を有しているため、図示のように、容器先端側カバー34を鉛直方向下方に向ける姿勢でトナー容器32を床面上に立たせることができる。そして、図13などに示したように、連結部339同士を連結させた場合には、キャップ350の先端の平面が4箇所となるために、更に安定して、容器先端側カバー34を鉛直方向下方に向ける姿勢でトナー容器32を床面上に立たせることができる。
トナー容器32の容器本体33の先端部には、ノズル受入部材330が設けられている。トナー容器32が図示のように立てられると、ノズル受入部材330にトナーが満たされる。この状態で長期間放置されると、ノズル受入部材330内でトナーが凝集してノズル受入部材330のシャッタ支持開口部335b周辺に架橋となって、容器シャッタ332の移動を困難にしてしまうおそれがある。ノズル受入口331に詰まった凝集トナーによって容器シャッタ332の移動を困難にしてしまうおそれがある。シャッタ支持開口部335b周辺に詰まったトナーによって容器シャッタ332の移動ができなくなると、トナー容器32を容器搭載部70に装着することができなくなってしまう。また、例えば容器シャッタ332を移動させることができても、シャッタ支持開口部335b周辺で凝集したトナーが容器本体33内に落下し、トナー容器32内部に挿入された搬送ノズル611のノズル開口部610から、現像装置へ供給されると、異常画像を生ずることがある。
図41は、第2実施例に係る複写機に搭載される容器本体33を示す斜視図である。また、図42は、同複写機に搭載される容器本体33の頭部を示す縦断面図である。第2実施例に係る複写機では、容器本体33の容器先端側カバー34に嵌合するキャップ350の先端を、図42に示されるように斜めにカットしたような形状にしている。これにより、キャップ350の端面は、容器本体横断面方向や容器本体縦断面方向からそれぞれ傾いた傾斜面になっていることから、容器本体33は、容器先端側カバー34を鉛直方向下方に向けた姿勢で床面に立つことができなくなっている。
これにより、容器先端側カバー34を鉛直方向下方に向けた姿勢で容器本体33を立たせた状態で保管することが阻止されることから、保管中にトナーをノズル受入部材330のノズル受入口331内で凝集させてしまうことによるトナー排出不良の発生を回避することができる。なお、容器本体33を支える手段が何もない状態では、ユーザーは、図43に示されるように、容器本体33を横に寝かせた状態で保管することになる。
図44は、第2実施例に係る複写機に搭載されるY用のトナー容器32Y、及びM用のトナー容器32Mを示す側面図である。同図において、Y用のトナー容器32YとM用のトナー容器32Mとは、連結部339によって互いに連結されている。Y用のトナー容器32Yに装着されているキャップ350Yの容器本体軸線方向の長さは、M用のトナー容器32Mに装着されているキャップ350Yの容器本体軸線方向の長さよりも短くなっている。このため、それらトナー容器(32Y、32M)が互いに連結された状態では、図示のように、Y用のトナー容器32Yにおけるキャップ350Yの先端と、M用のトナー容器32Mにおけるキャップ350Mの先端とに段差dxが生じる。この段差により、Y用のトナー容器32YとM用のトナー容器32Mとが互いに連結された状態であっても、容器先端側カバー34を下方に向けた状態でそれらトナー容器を床面上に立たせることが防止される。
なお、図44を用いて、Y用のトナー容器32Y及びM用のトナー容器32Mだけについて説明したが、Y,M,C,Kの4色において、キャップの容器本体軸線方向の長さは互いに異なっている。このため、4色すべてのトナー容器32Y,32M,32C,32Kを連結したとしても、全てのカートリッジ間で段差が生ずる。これにより、トナー容器32Y,32M,32C,32Kのノズル受入部材(330)が設けられている側(先端側)を下に向けた状態でトナー容器32Y,32M,32C,32Kを床面上に立たせることが防止される。
[第3実施例]
図45は、第3実施例に係る複写機に搭載される4色のトナー容器32Y,32M,32C,32Kの第1接続例を説明するための斜視図である。第3実施例に係る複写機においても、各色のトナー容器32Y,32M,32C,32Kにおいてそれぞれ、第1実施形態の第7変形例で説明した4つの連結部339e、339fを容器本体(33Y,33M,33C,33K)に設けている。
4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kは、互いに径や長さが同じである。また、4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kは、それぞれの4つの連結部の配設位置が容器本体軸線方向において互いに異なっている。このため、4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kを図示のように連結すると、互いの頭部にそれぞれ段差が生じる。第1接続例ではなく、マトリクス状に接続する第2接続例でも、同様に、4つのトナー容器32Y,32M,32C,32Kの頭部にそれぞれ段差が生じる。これらの段差により、容器先端側カバー(34Y,34M,34C,34K)を下方に向けた状態でトナー容器32Y,32M,32C,32Kを床面上に立たせることが防止される。なお、第3実施例では、連結部339を容器本体33に設けることで、連結部339を容器先端側カバー34に設ける場合に比べ、上述した段差を大きくできるため、床面上に立たせることを防止する観点で有利な構成となっている。
[第4実施例]
図46は、第4実施例に係る複写機に搭載されるトナー容器のキャップ350を示す斜視図である。第5実施例に係る複写機においても、各色のトナー容器に、図示のようなキャップ350を設けている。そして、第5実施例に係る複写機では、連結部としての連結部をキャップ350に設けている。具体的には、図示のように、貫通穴状の第1連結部351aと、貫通穴状の第2連結部351bと、円盤状の第3連結部351cとを設けている。また、不図示の円盤状の第4連結部も設けている。これら連結部は、容器本体回転軸線を中心にして、互いに90°ずつ位相ずれした位置に配設されている。
円盤状の第3連結部351cや第4連結部が、貫通穴状の第1連結部351aや第2連結部351bに入り込むことで、互いが嵌め合うようになっている。この嵌め合いにより、図49に示されるように、複数のキャップ350が連結することで、それらキャップ350が装着されている図示しないトナー容器同士が連結される。
キャップ部350に設ける連結部として、貫通穴状のもの(第1連結部351a、第2連結部351b)と、円盤状のもの(第3連結部351c、第4連結部)とを設けた例について説明したが、連結部の態様はそれらに限られるものではない。例えば、図48に示されるように、連結部として切り込み状のスリットからなるものを設け、それらを図49に示されるように噛み合わせてもよい。また、図50に示されるフック状の連結部を、図50に示されるゲート状の連結部に差し込むようにしてもよい。この場合、差し込み方向を、容器本体中心線を中心にする法線方向に沿わせることで、キャップ350が容器本体中心線を中心にして回転しようとする際の連結部の嵌合部のガタツキを小さくすることができる。また、図51に示されるフック状の連結部を、図51に示されるゲート状の連結部に差し込むようにしてもよい。図51に示されるゲート状の連結部には、フック状の連結部を押して撓ませるための部材を設けているため、ゲート状の連結部からフック状の連結部を引き抜き易くしている。
また、連結部や連結部材として、磁力によって連結するもの、面ファスナーによって連結するもの、吸盤とこれが吸い付く平面との組み合わせによって連結するものなどを採用してもよい。
[第5実施例]
図52は、第5実施例に係る複写機に搭載されるトナー容器32の頭部を示す縦断面図である。第5実施例に係る複写機においても、排出口としてのノズル受入口331を塞ぐ閉塞部材としてのキャップ350トナー容器32に設けている。そして、キャップ350には、連結部351を1つだけ設けている。この連結部351は、雌ネジ状の凹部からなっている。
一方、図53に示されるように、トナー容器32の容器本体33には、その後端に雄ネジ状の連結部33aが設けられている。容器本体33の雄ネジ状の連結部33aが、キャップ350の雌ネジ状の連結部351に螺号せしめられることにより、図54に示されるように、2つのトナー容器32が長手方向に沿って連結される。
次に、第2実施形態に係る複写機について説明する。なお、以下に特筆しない限り、第2実施形態に係る複写機の構成は、第1実施形態と同様である。
図55は、第2実施形態に係る複写機に搭載される2つのトナー容器32を示す斜視図である。2つのトナー容器32は、それらを連結するための連結部材360が装着されることによって互いに連結されている。
トナー容器32の容器先端側カバー34には、図56に示されるように、連結部材360を装着するための連結部材装着部34fが形成されている。具体的には、容器先端側カバー34の先端面には、円柱部材が容器本体軸線方向に延在する姿勢で突設せしめられている。そして、この円柱部材には、円柱部材よりも径の大きな第1円盤部34dと第2円盤部34eとが互いに容器本体軸線方向に所定の距離をおいて並ぶように一体形成されている。円柱部材の容器本体軸線方向における全域のうち、第1円盤部34dと第2円盤部34eとの間の領域が連結部材装着部34fになっている。なお、第2円盤部34eは、第1円盤部34dよりも容器本体軸線方向の先端側に位置している。
図57は、連結部材360を示す斜視図である。連結部材360は、トナー容器32の容器先端側カバー34の連結部材装着部34fを通すための2つの装着穴361を具備している。それらの装着穴361の周囲には、穴を中心にして法線方向に延びる複数のスリット362が形成されている。連結部材360は、ある程度の剛性を発揮する樹脂材料から形成されているが、装着穴361の周囲には、複数のスリット362が設けられている。連結部材360の装着穴361の周囲に存在するリット間箇所に対してある程度に力が加わると、スリット間箇所が少し撓む。
装着穴361の径は、上述した円柱部材の径よりは僅かに大きいが、第2円盤部34eの径よりは小さくなっている。連結部材360の装着穴361にトナー容器32の連結部材装着部34fを通すためには、装着穴361に対し、それよりも大きな径の第2円盤部34eを通す必要がある。このとき、作業者が連結部材360の装着穴361の周囲箇所を第2円盤部34eに引っ掛けた状態で連結部材360をトナー容器32の後方に向けて強く押し込む。すると、連結部材360の装着穴361の周囲に存在しているスリット間箇所が後方に向けて撓むことで、第2円盤部34eが装着穴361を通過することができる。
連結部材装着部34fに装着されている状態の連結部材360を取り外す際には、図58に示されるように、連結部材360に対してトナー容器32を傾ける姿勢を取らせることで、連結部材360のスリット間箇所を撓ませて連結部材360を引き抜くことができる。
なお、図55は、連結部材360として、2つのトナー容器32を隙間なく密着させる姿勢で連結させる長さのものを用いた例を示している。このような連結部材360を用いた場合、連結部材360によって2つのトナー容器32を密着させた状態を維持することから、積載時にも形崩れさせることなく2つのトナー容器32の密着状態を維持することができる。
一方、トナー容器32の積載性よりも持ち運び性を重視する場合には、図59に示されるように、連結部材360として、2つの装着穴361の間に、手で把持するための把持部363を設けたものを用いることが望ましい。この場合、図60に示されるように、2つのトナー容器32は密着せずに、両者間に作業者の手を入れるスペースができることから、連結部材360の把持部363を容易に把持することが可能になる。これにより、2つのトナー容器32を片手で持ち運ぶことができる。但し、互いに密着していない状態のトナー容器32は形崩れし易いことから、積載保管のための連結には不向きである。
図61は、手で持つための環状の紐367を取り付けた連結部材360によって連結されている2つのトナー容器32を示す斜視図である。この例では、2つのトナー容器32を連結部材32によって密着させた状態で連結しつつ、紐367によってそれらトナー容器32を容易に片手で持ち運ぶことが可能なので、積載性と持ち運び性との両立を図ることができる。
なお、連結部材360に設ける装着穴361の数は2つに限られるものではない。図62に示されるように、複数のトナー容器32をマトリクス状の配列で連結するための複数の装着穴を設けてもよい。このような連結部材360によって複数のトナー容器32をマトリクス状に連結した場合には、トナー容器32を梱包箱に入れることなく輸送することが可能になる。室内の移動については、フォークリフトなどを用いることで、複数のトナー容器32をマトリクス状に連結したままの状態で移動させることも可能である。これにより、物流コストや保管コストを低減することができる。また、第11変形例において説明したキャップ350に対し、連結部材360を装着するための連結部材装着部34fを設けてもよい。
トナー容器32の形状は、ボトル形状に限られるものではない。図63に示されるように、箱状の形状のトナー容器32であっても、連結部材360によって連結することが可能である。
また、細長い形状であって、且つカートリッジ自体を回転させないタイプのトナー容器32であれば、図64に示されるように、1つのトナー容器32に対して長手方向に沿って複数の連結部材装着部を設けることが望ましい。複数の連結部材装着部に対してそれぞれ連結部材360を装着することで、2つのトナー容器32をがたつかせることなく持ち運ぶことが可能になる。この場合、図65に示されるように、カートリッジ同士を連結していない状態では、連結部材360を1つのトナー容器32の複数の連結部材装着部に装着することで、トナー容器32と一緒に連結部材360を持ち運ぶことができる。
これまで、電子写真プロセスによって画像を形成する複写機に本発明を適用した例について説明したが、電子写真プロセスとは異なる方式によって画像を形成する画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。例えば、直接記録方式によって画像を形成する画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。この直接記録方式とは、潜像担持体によらず、トナー飛翔装置からドット状に飛翔させたトナー群を記録体や中間記録体に直接付着させて画素像を形成することで、記録紙や中間記録体に対してトナー像を直接形成する方式である。特開2002−307737号公報に記載の画像形成装置などに採用されている。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、粉体を収容する粉体収容器と取り容器取り扱い方法において、
それぞれ他の粉体収容器に連結するための連結部(例えば第1連結部339a、第2連結部339b、第3連結部339c、第4連結部339d)を設けた少なくとも2つの粉体収容器をそれぞれの連結部によって連結した状態で取り扱うか、あるいは、それぞれ他の粉体収容器に連結するための連結部材(例えば連結部材360)が装着される連結部材装着部(例えば連結部材装着部34f)を設けた少なくとも2つの粉体収容器をそれらの前記連結部材装着に対する前記連結部材の装着によって連結した状態で取り扱うことを特徴とするものである。
[態様B]
態様Bは、粉体を収容する粉体収容器(例えばトナー容器32)において、他の粉体収容器に連結するための連結部(例えば第1連結部339a、第2連結部339b、第3連結部339c、第4連結部339d)、又は、他の粉体収容器に連結するための連結部材(例えば連結部材360)を装着する連結部材装着部(例えば連結部材装着部34f)、を有することを特徴とするものである。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、前記連結部を、容器横断面の外周方向に沿って複数並べて設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、第1実施形態で説明したように、1つの粉体収容器に対してその横断面方向の周囲に複数の粉体収容器を連結させることができる。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、外周方向における互いに180[°]ずれた位置にそれぞれ前記連結部を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図16を用いて説明したように、複数の粉体収容器を横並びの一直線状に連結させることができる。
[態様E]
態様Eは、態様C又はDにおいて、外周方向における互いに90[°]ずれた位置にそれぞれ前記連結部を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図14に用いて説明したように、複数の粉体収容器を立体的に積み重ねた状態で連結することができる。
[態様F]
態様Fは、態様Bであって、自らと他の粉体収容器とをそれぞれの長手方向に沿って連結するために、自らの長手方向の一端部と他端部とにそれぞれ前記連結部を有することを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図54を用いて説明したように、複数の粉体収容器を長手方向に沿って連結させることができる。
[態様G]
態様Gは、態様C〜Eの何れかにおいて、複数の前記連結部をそれぞれ粉体収容器本体の表面から突出する形状にするとともに、それら連結部における前記表面からの立ち上がり部に可撓性をもたせたことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図20を用いて説明したように、互いに横断面径の異なる粉体収容器を連結することができる。
[態様H]
態様Hは、態様C、D、E又はGにおいて、複数の前記連結部の1つとして、凹状の凹連結部を設けるとともに、他の1つとして、前記凹連結部に嵌り合う凸状の凸連結部を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、凹連結部と凸連結部との嵌合によって複数の粉体収容器を連結させることができる。
[態様I]
態様Iは、態様C、D、E又はGにおいて、複数の前記連結部として、それぞれ磁力によって結合するものを設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、複数の粉体収容器に特別な凹凸形状を設けなくても、それら粉体収容器を磁力によって連結することができる。
[態様J]
態様Jは、態様Fにおいて、内部の粉体を排出するための排出口(例えばノズル受入口331)を粉体収容器本体における長手方向の一端に設け、粉体収容器の長手方向の一端部に装着されて前記排出口を塞ぐ閉塞部材(例えばキャップ350)を設け、且つ、他の粉体収容器における長手方向の他端部に連結させるための前記連結部を前記閉塞部材に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、図54を用いて説明したように、複数の粉体収容器を長手方向に沿って連結することができる。
[態様K]
態様Kは、態様C〜Eの何れかにおいて、内部の粉体を排出するための排出口を粉体収容器本体における長手方向の一端に設け、粉体収容器の長手方向の一端部に装着されて前記排出口を塞ぐ閉塞部材を設け、且つ、複数の前記連結部をそれぞれ前記閉塞部材に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図47に示されるように、複数の閉塞部材を互いに連結部によって連結することで複数の粉体収容器を互いに連結することができる。
[態様L]
態様Lは、態様B〜Kの何れかであって、粉体を収容する収容部(例えば容器本体33)と、前記収容部を回転自在に保持する保持部(例えば容器先端側カバー34)とを有し、且つ、前記連結部が前記保持部に設けられたものであることを特徴とするものである。かかる構成では、一般的に弾性変形し易い材料で形成される収容部ではなく、変形し難い材料で形成される保持部に対して連結部を一体形成することで、互いに連結している連結部同士が変形し難くなるので、変形による連結部の抜けを発生し難くして、連結状態を安定して維持することができる。
[態様M]
態様Mは、態様B〜Lの何れかにおいて、内部の粉体を排出するための排出口を粉体収容器本体における長手方向の一端に設けるとともに、粉体収容器の長手方向の一端側を鉛直方向下方に向けた状態で粉体収容器を水平平面上に直立させようとした場合に、粉体収容器の姿勢を強制的に鉛直方向から傾いた姿勢にして粉体収容器の直立を阻止する直立阻止部(例えばキャップ350)を、前記粉体収容器本体の長手方向の一端部に着脱可能に設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図44を用いて説明したように、排出口を下に向けた姿勢で粉体収容器を床面に立たせた状態で保管することによる排出口からのトナー排出不良の発生を回避することができる。
[態様N]
態様Nは、態様C、D、E、G、H、I又はJにおいて、複数の前記連結部のうち、少なくとも2つを、粉体収容器の長手方向における互いに異なった位置に配設したことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図45を用いて説明したように、互いに連結した複数の粉体収容器について、排出口を下に向けた姿勢で粉体収容器を床面に立たせた状態で保管することによる排出口からのトナー排出不良の発生を回避することができる。
[態様O]
態様Oは、態様Bにおいて、内部に収容している粉体の種類に応じて、前記連結部材装着部の粉体収容器長手方向における配設位置を異ならせたことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図35〜36を用いて説明したように、粉体収容器の誤装着の発生を回避することができる。
[態様P]
態様Pは、トナー収容器であって、態様B〜Oの粉体収容器からなることを特徴とするものである。
[態様Q]
態様Qは、トナーを用いてトナー像を作像する作像手段と、前記作像手段に用いられるトナーを収容するトナー収容器とを備える画像形成装置において、前記トナー収容器として、態様Pのトナー収容器を備えることを特徴とするものである。
[態様R]
態様Rは、態様Qにおいて、
前記トナー収容器から排出されるトナーを搬送先に向けて搬送するトナー搬送装置を設け、前記トナー容器を前記トナー搬送装置に装着する際に、装着操作に伴って前記連結部を前記トナー搬送装置の係止部材に嵌め合わせることで前記トナー収容器を前記トナー搬送装置に係止するようにしたことを特徴とするものである。かかる構成では、連結部材を係止部材に嵌め合わせるための嵌め合わせ部材として兼用してトナー収容器の構造の簡素化を図ることができる。
[態様S]
態様Sは、態様Rにおいて、前記トナー搬送装置として、互いに異なる色のトナーを搬送するための複数のトナー搬送装置を設け、それぞれのトナー搬送装置における前記係止部材を互いに異なる形状にし、且つ、それぞれのトナー搬送装置に対応する色の複数のトナー収容器における前記連結部を、それぞれ対応する前記係止部材に嵌め合う形状にしたことを特徴とするものである。かかる構成では、トナー収容器の色違い誤装着の発生を回避することができる。
[態様T]
態様Tは、態様Rにおいて、前記トナー搬送装置として、互いに異なる色のトナーを搬送するための複数のトナー搬送装置を設け、それぞれのトナー搬送装置における前記係止部材を互いにトナー搬送装置内における異なる位置に配設し、且つ、それぞれのトナー搬送装置に対応する色の複数のトナー収容器における前記連結部を、それぞれトナー収容器の全域のうち、対応する色の前記トナー搬送装置の前記係止部材に嵌め合う位置に配設したことを特徴とするものである。かかる構成では、例えば図33を用いて説明したように、トナー収容器の色違い誤装着の発生を回避することができる。