JP2014163345A - 舶用ディーゼル機関の排気再循環システム - Google Patents

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Abstract

【課題】再循環路にスクラバを有する舶用ディーゼル機関の排気再循環システムにおいて、簡易かつ低コストな手段で、過給機のコンプレッサに発生する損傷を防止する。
【解決手段】排気路14に設けられた排気タービン18及び給気路34に設けられたコンプレッサ20が回転軸22を介して連動する過給機16と、排気タービン18の下流側で排気路14から分岐し、排気eが舶用ディーゼル機関12に再循環する排気循環路14と、排気循環路14に設けられ、洗浄水を噴霧して排気を洗浄するスクラバ30とを備え、コンプレッサ20を構成する羽根車38において、少なくともブレード40の前縁領域を含む羽根車38の表面に、膜厚が15μm以上60μm以下のNi系合金からなるメッキ被膜が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、過給機のコンプレッサに発生するエロージョン等を防止可能にした舶用ディーゼル機関の排気再循環システムに関する。
内燃機関のうち、軽油や重油等を燃料とするディーゼル機関は、ガソリン機関よりも、排気中に、NOx、SOx及び煤塵等の有害物質や環境に負荷を与える物質を含んでいる。そこで、例えば、排気中のNOxを低減する方法として、排気の一部を給気に混入させて燃焼させ、燃焼温度を低下させることで排気中NOxを低減する排気再循環(EGR)方式が用いられている。舶用ディーゼル機関においても、NOx排出規制が強化されつつあり、EGR方式の採用が検討されている。
重油等の低質な燃料が使用される舶用ディーゼル機関では、排気と共に排出される有害物質の含有量が多い。そのため、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、排気再循環路にスクラバを設け、このスクラバで再循環される排気から煤塵やSOx等を除去するようにしている。スクラバとは、水などの液体を吸収液として、排気中の有害成分やダストを吸収液の液滴や液膜中に捕集して分離する湿式の排気洗浄装置である。
しかし、排気をスクラバに通すと、スクラバを通過した後の排気中に液滴が含まれるようになる。一方、ディーゼル機関では、性能向上のため、過給機がよく用いられている。本発明者等は、給気路に過給機を構成するコンプレッサが設けられ、再循環した排気と給気との混合流が該コンプレッサを通過すると、排気中に含まれる液滴により、コンプレッサの羽根車の表面が機械的に変形又は削り取られるエロージョンが発生し易いという現象に着目した。また、本発明者等は、舶用ディーゼル機関の燃料として使用される重油には、S(硫黄)成分が含まれる。S成分を含む液滴によって、コンプレッサの翼面に化学的な腐食(コロージョン)が発生し易いという現象を見い出した。
図5は、舶用ディーゼル機関の給気路に設けられる過給機のコンプレッサを構成する羽根車を示している。図5において、羽根車100は回転軸102に結合され、回転軸102を介して、排気路に設けられた排気タービン(図示省略)と連結される。そして、排気路を流れる排気の動圧によって回転する排気タービンと共に回転する。図示のように、再循環された排気を含む給気aは、回転軸102の軸線方向から入り、羽根車100の回転により加圧され、羽根車100の半径方向外側へ吐出される。
本発明者等は、給気aが羽根車100に進入するとき、給気aに含まれる液滴が羽根車100に当たることによって、羽根車100を構成する複数のブレード104にエロージョンやコロージョンが発生することを見い出した。図6に、エロージョンやコロージョンが発生したコンプレッサの羽根車を示している。図6に示すように、これらの損傷は、給気aの進入方向に対面している各ブレード104の前縁領域104aに最もひどく発生することがわかる。そのため、これらの損傷を防止する対策が必要となる。
特許文献3には、Al又はAl合金で形成されたコンプレッサ羽根車の表面を陽極酸化処理(アルマイト処理)し、酸化被膜を形成する技術が開示されている。また、特許文献4には、スクリュー圧縮機のロータなどのコンプレッサ用部材に、エロージョンを防止するため、Ni−P系合金からなるメッキ被膜を形成することが開示されている。
特開2002−332919号公報 特開2012−127205号公報 特開2012−122444号公報 特開2001−200390号公報
前述のように、再循環路にスクラバを有する舶用ディーゼル機関の排気再循環システムにおいて、過給機のコンプレッサを構成する羽根車に、S成分等を含む液滴の存在によってエロージョンやコロージョン等の損傷が発生しやすいという問題がある。
この対策として、特許文献3に開示されているように、羽根車の表面を陽極酸化処理することで、耐食性を向上させることが考えられる。しかし、陽極酸化処理で形成できる酸化被膜は、一般に1μm以下であり、かかる薄い被膜では、コンプレッサ羽根車の損傷を長期間防止することは困難である。
また、特許文献4に開示されているように、コンプレッサ用部材に、Ni−P系合金からなるメッキ被膜を形成することが考えられる。しかし、コンプレッサ羽根車は、排気の動圧によって高速回転を可能にするため、通常、Al又はAl合金等の軽い金属で構成されている。一方、Ni(比重8.85)は鉄(比重7.85)より重い金属である。そのため、低重量の羽根車に重いNi系合金からなる被膜を形成すると、羽根車の重量バランスを乱し、これによって、高速回転を阻害し、過給機の性能が低下するおそれがある。そのため、一概にNi系合金からなるメッキ被膜を形成するのが得策とは言えない。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、再循環路にスクラバを有する舶用ディーゼル機関の排気再循環システムにおいて、簡易かつ低コストな手段で、過給機のコンプレッサに発生するエロージョンやコロージョン等の損傷を防止することを目的とする。
かかる目的を達成するため、本発明の舶用ディーゼル機関の排気再循環システムは、排気路に設けられたタービン及び給気路に設けられたコンプレッサが同軸で連動する過給機と、排気タービンの下流側で排気路から分岐し、排気が舶用ディーゼル機関に再循環する循環路と、循環路に設けられ、洗浄水を噴霧して排気を洗浄する排気洗浄装置とを備え、コンプレッサを構成する羽根車において、少なくとも羽根の前縁領域を含む羽根車の表面に、膜厚が15μm以上60μm以下のNi系合金からなるメッキ被膜が形成されてなるものである。
排気循環路に排気洗浄装置(スクラバ)を備えた舶用ディーゼル機関の排気再循環システムでは、スクラバに低温の排気を導入し、洗浄水が排気の保有熱で蒸発するのを防ぎ、且つ洗浄効果を保持する必要がある。そのため、排気循環路は排気タービンの下流側で排気路から分岐させ、低温低圧の排気をスクラバに導入させる。また、メッキ被膜を施す羽根車の領域は、少なくとも最も激しいエロージョンを受ける羽根の前縁領域を含むようにする。例えば、羽根車の前縁領域以外の表面にマスキングを行うことで、羽根の前縁領域のみにメッキ被膜を被覆することもできる。
本発明のメッキ処理で被覆されるNi系合金からなるメッキ被膜は、例えば、Ni−P系合金からなるメッキ被膜、Ni−B(ボロン)系合金、あるいはNi−P系合金にBを添加したNi−P−B系合金からなるメッキ被膜等が含まれる。かかるNi系合金からなるメッキ被膜を羽根車の表面に形成することで、簡易かつ低コストで羽根車に発生するエロージョンやコロージョン等の損傷を防止でき、羽根車を長寿命化できる。
また、メッキ被膜の膜厚は15μm以上60μm以下とする。本発明者等は、かかる膜厚とすることで、羽根車の重量バランスを乱すことなく、排気の動圧による過給機の高速回転を阻害せず、過給機の性能低下をきたさないことを見い出した。
本発明において、メッキ被膜が、羽根車の表面に無電解メッキ法により形成されているとよい。羽根車は複数のブレードが羽根車の半径方向へ放射状に突出した複雑な形状を有している。このような複雑な形状をした羽根車に電解メッキ法を用いてメッキ被膜を施すと、電流密度にバラツキが発生しやすい。この電流密度のバラツキによって、メッキ被膜の膜厚にバラツキが発生し、羽根車に耐腐食性を付与できないことがある。無電解メッキ法を用いてメッキ被膜を形成することで、ピンホールのない均一なメッキ被膜を形成でき、所期の目的を達成できる。
本発明において、好ましくは、Ni系合金からなるメッキ被膜がNi−P系合金からなるメッキ被膜であり、該メッキ被膜中にテフロン(登録商標)(PTFE)が共析されているとよい。テフロン(登録商標)は撥水性を有している。本発明者等は、テフロン(登録商標)をNi−P系合金に共析させることで、液滴に対する耐エロージョン性が向上することを見い出した。このように、Ni−P系合金にテフロン(登録商標)を含有させることで、メッキ被膜の耐腐食性を向上できる。
本発明において、コンプレッサを構成し、複数の羽根を有する羽根車がAl又はAl合金で構成されているとよい。羽根車を加工性が容易なAl又はAl合金で構成することで、複雑な形状であっても加工が容易になる。また、Al又はAl合金はNi系合金からなるメッキ被膜となじみ性が良いため、容易に剥離しない強固なメッキ被膜を形成できる。
本発明によれば、排気洗浄装置(スクラバ)を備えた舶用ディーゼル機関の排気再循環システムにおいて、少なくとも羽根の前縁領域を含む羽根車の表面に、膜厚が15μm以上60μm以下のNi系合金からなるメッキ被膜を形成させることで、過給機の性能低下をきたすことなく、エロージョン及びコロージョン等の損傷を防止し、コンプレッサを長寿命化できる。
本発明の一実施形態に係る舶用ディーゼル機関の排気再循環システムを示すブロック線図である。 前記排気再循環システムに組み込まれたコンプレッサの羽根車を示す斜視図である。 前記コンプレッサの羽根車における耐エロージョン試験結果を示す線図である。 前記コンプレッサの羽根車における耐コロージョン試験結果を示すグラフである。 従来のコンプレッサの羽根車を示す斜視図である。 損傷が発生した従来のコンプレッサの前縁領域を示す斜視図である。
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではない。
本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。図1は、本実施形態が適用される舶用ディーゼル機関の排気再循環システム10を示す。図1において、舶用ディーゼル機関12から排出される排気eは、排気路14を経て、排気路14に設けられた排気タービン18をその動圧により駆動する。過給機16は、排気タービン18とコンプレッサ20とが回転軸22で連結され、両者は連動する。コンプレッサ20は、給気路34に配置されている。
排気タービン18の下流側で排気路14から排気循環路24が分岐している。排気循環路24には流量制御弁(EGR弁)26が設けられている。排気循環路24には、上流側から順に、排気路14から排気の一部を吸引し、給気路34に導くブロア28と、排気から煤塵やSOx等を除去するスクラバ30と、排気循環路24を流れる排気を冷却する第1のエアクーラ32とが設けられている。第1のエアクーラ32の下流側で、排気循環路24は給気路34に接続されている。コンプレッサ20の下流側で、給気路34に第2のエアクーラ36が設けられている。
かかる構成において、舶用ディーゼル機関12から排気路14に排出された排気eの動圧によって、排気タービン18が駆動される。排気タービン18の下流側で、排気路14から排気の一部がブロア28によって吸引され、コンプレッサ20の駆動によって、排気循環路24から給気路34に再循環される。再循環される排気eの流量はEGR弁26によって調整される。排気循環路24に再循環された排気は、排気に含まれる塵埃やSOxがスクラバ30によって除去される。スクラバ30によって洗浄された排気を含む給気aは、第1のエアクーラ32で一次冷却された後、コンプレッサ20を経て、第2のエアクーラ36で二次冷却され、その後、舶用ディーゼル機関12に供給される。
スクラバ30は、水などの液体を吸収液として、排気中の有害成分やダストを吸収液の液滴や液膜中に捕集して分離するもので、その構成は従来公知であり、従来公知のスクラバを用いればよい。例えば、特許文献1にスクラバの具体的な構成が開示されている。
図2は、コンプレッサ20を構成する羽根車38を示す。羽根車38は、Al又はAl合金で製造され、半径方向に放射状に配置された複数のブレード40を有している。羽根車38は回転軸22に結合され、回転軸22を介して排気タービン18に連結されている。コンプレッサ20は、排気の動圧によって排気タービン18と共に回転軸22を中心に回転する。
羽根車38は、ブレード40を含めた全表面に、無電解メッキ法を用いて被覆された、Ni−P合金からなるメッキ被膜が形成されている。メッキ被膜の膜厚は、後述するように、15μm以上60μm以下とするとよい。排気循環路24から再循環された排気を含む給気aは、回転軸22の軸線方向から入り、羽根車38の回転により加圧され、羽根車38の半径方向外側へ向けて吐出される。ブレード40の前縁40aが給気aの進入方向に対面した位置に配置されている。
排気再循環システム10を有する舶用ディーゼル機関12において、運転時に、過給機16のコンプレッサ20を構成する羽根車38は、スクラバ30で液滴(水分)が含まれた排気を吸い込むことになる。液滴は、最初にブレード40の前縁40aに衝突し、その後、水流としてブレード40の翼面に沿って流れることになる。そのため、ブレード40の翼面には、前縁領域を中心に液滴の衝突によるエロージョンが発生する。また、舶用ディーゼル機関12の燃料として使用される重油などの燃料中には、S(硫黄)成分が多く含まれるため、水流が流れる翼面にコロージョン(腐食)が発生する。これらの損傷は、特にブレード40の前縁領域に激しく発生する。
羽根車用素材として用いられるAl−Cu合金からなる試験片に、従来方法である陽極酸化処理(アルマイト処理)した供試材と、Al−Cu合金からなる試験片に、前記実施形態で行ったように、無電解メッキ法を用いて、Ni−P合金からなるメッキ被膜を形成した供試材とを用意した。形成した陽極酸化被膜の膜厚は1μmであり、Ni−P合金からなるメッキ被膜の膜厚は、8μm、15μm、30μm、60μm及び80μmの5種類を用意した。
図3は、これら供試材を対象として耐液滴エロージョン試験を実施した結果を示している。この耐液滴エロージョン試験は、供試材の表面に、高圧水を噴射し、所定時間毎にエロージョン深さを測定した。図3中、ラインAは、従来の陽極酸化処理を行った供試材のエロージョン深さを示し、ラインBは、本実施形態で、膜厚が8μmのメッキ被膜を形成した供試材のエロージョン深さを示し、ラインCは、本実施形態で、残りの膜厚を有するメッキ被膜を形成した供試材のエロージョン深さを示す。図3から、本実施形態により形成したメッキ被膜を有する供試材は、従来の陽極酸化処理を施した供試材と比べて、耐液滴エロージョン性が大幅に向上していることがわかる。
但し、膜厚が8μmのメッキ被膜を有する供試材は、時間の経過と共に、徐々に減肉量が増えていくことがわかった。従って、膜厚が8μmのメッキ被膜を有する供試材では、良好な耐液滴エロージョン性を保持できないことがわかった。また、膜厚が80μmのメッキ被膜を有する供試材は、減肉量はごく少量であるが、羽根車38の重量バランスに乱れが生じ、このため、過給機16の高速回転がスムーズにできなくなった。そのため、本実施形態の供試材では、膜厚が15μm以上60μm以下とすることで、エロージョンを防止できると共に、過給機のスムーズな高速回転を可能にすることがわかった。
舶用ディーゼル機関の燃料として使用される重油(C重油)などの燃料には、S成分が多く含まれる。そのため、羽根車の翼面に硫酸を含む水流が流れ、コロージョン(腐食)が発生する。そこで、硫酸環境下におけるNi系合金からなるメッキ被膜の腐食試験を行った。供試材は、従来材及び本発明とも、前記耐液滴エロージョン試験と同様の供試材を用いた。また、参考のため、表面が無処理のAl−Cu合金からなる供試材も試験に供した。試験条件は、供試材を、試験温度が120℃で、pH=1.5の硫酸環境下に100時間放置した後腐食度を観察した。
図4に、この試験結果を示す。図4から、Ni−P合金からなるメッキ被膜を施した供試材の腐食性は、膜厚が8μmのものを除き、従来の陽極酸化処理を施した供試材とほぼ同等であり、十分な耐硫酸腐食性を示すことがわかる。
なお、前記耐液滴エロージョン試験及び前記耐硫酸腐食性試験は、Ni−P系合金からなるメッキ被膜以外のNi系合金、即ち、Ni−B(ボロン)系合金、Ni−P−B系合金からなるメッキ被膜を有する供試材に対しても行った。その結果は、Ni−P合金からなるメッキ被膜を有する供試材と同様の結果を得た。即ち、膜厚が15μm以上60μm以下のメッキ被膜のとき、良好な耐腐食性と過給機性能が得られた。
前記実施例から、羽根車38の全表面にNi系合金からなり、膜厚が15μm以上60μm以下のメッキ被膜を形成したことで、羽根車38の前縁を含めて、排気eに含まれる液滴によるエロージョンやコロージョン等の損傷を防止できる。また、羽根車38の重量バランスを良好に保持でき、スムーズな高速回転を可能とする良好な過給機性能を保持できる。しかも、メッキ被膜を形成するだけの簡易かつ低コストな手段でこれを達成でき、これによって、羽根車38を長寿命化できる。また、無電解メッキ法を用いてメッキ被膜を形成したので、複雑な形状にかかわらず、羽根車全体で均一な膜厚でピンホールのないメッキ被膜を形成できる。従って、耐腐食効果を長期間維持できる。
また、羽根車38はAl合金でできているので、Ni−P合金からなるメッキ被膜となじみが良く、容易に剥離しない強固なメッキ被膜を形成できる。なお、羽根車38の表面に適宜範囲にマスキングを施し、羽根車38の前縁領域のみにメッキ被膜を形成するようにしてもよい。
なお、前記実施例とは別に、無電解メッキ法を用い、Ni−P合金にテフロン(登録商標)を分散して共析させたメッキ被膜を形成し、前記実施例と同様の試験条件で、耐液滴エロージョン試験及び耐硫酸腐食性の試験を行った。この結果、テフロン(登録商標)を分散共析させたメッキ被膜は、膜厚が15μm以上60μm以下の範囲で、耐液滴エロージョン性及び耐硫酸腐食性がさらに向上することがわかった。
本発明によれば、排気洗浄装置(スクラバ)を備えた舶用ディーゼル機関の排気再循環システムにおいて、簡単かつ低コストな手段で、過給機のコンプレッサを構成する羽根車のエロージョン及びコロージョン等の損傷を防止し、羽根車を長寿命化できる。
10 排気再循環システム
12 舶用ディーゼル機関
14 排気路
16 過給機
18 排気タービン
20 コンプレッサ
22 回転軸
24 排気循環路
26 EGR弁
28 ブロア
30 スクラバ
32 第1のエアクーラ
34 給気路
36 第2のエアクーラ
38,100 羽根車
40,104 ブレード
102 回転軸
40a 前縁
104a 前縁領域
a 給気
e 排気

Claims (4)

  1. 舶用ディーゼル機関から排気路に排出された排気の一部を給気路に戻すようにした舶用ディーゼル機関の排気再循環システムにおいて、
    排気路に設けられた排気タービン及び給気路に設けられたコンプレッサが同軸で連動する過給機と、
    前記排気タービンの下流側で前記排気路から分岐し、排気が前記舶用ディーゼル機関に再循環する排気循環路と、
    前記排気循環路に設けられ、洗浄水を噴霧して排気を洗浄する排気洗浄装置とを備え、
    前記コンプレッサを構成する羽根車において、少なくとも羽根の前縁領域を含む前記羽根車の表面に、膜厚が15μm以上60μm以下のNi系合金からなるメッキ被膜が形成されていることを特徴とする舶用ディーゼル機関の排気再循環システム。
  2. 前記メッキ被膜が、前記羽根車の表面に無電解メッキ法により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の舶用ディーゼル機関の排気再循環システム。
  3. 前記Ni系合金からなるメッキ被膜がNi−P系合金からなるメッキ被膜であり、
    該メッキ被膜中にテフロン(登録商標)(PTFE)が共析されていることを特徴とする請求項1に記載の舶用ディーゼル機関の排気再循環システム。
  4. 前記コンプレッサを構成し、複数の羽根を有する羽根車がAl又はAl合金で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の舶用ディーゼル機関の排気再循環システム。
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