JP2001140094A - コンプレッサー用部材 - Google Patents

コンプレッサー用部材

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JP2001140094A
JP2001140094A JP32237999A JP32237999A JP2001140094A JP 2001140094 A JP2001140094 A JP 2001140094A JP 32237999 A JP32237999 A JP 32237999A JP 32237999 A JP32237999 A JP 32237999A JP 2001140094 A JP2001140094 A JP 2001140094A
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JP
Japan
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nickel
plating
tungsten
compressor
alloy plating
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JP32237999A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Matsuyoshi
弘明 松好
Kazuo Tanaka
一男 田中
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エロージョンなどによる損傷劣化を生じ難いコ
ンプレッサー用部材の製造技術において、簡便な手法に
より部材を低コストで製造することができ、しかも複雑
な形状の部材にも適用できる新たな技術を提供するこ
と。 【解決手段】ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜
を金属基体上に有するコンプレッサー用部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンプレッサー用
部材および該部材を備えたコンプレッサーに関する。
【0002】
【従来の技術】各種産業分野において、水蒸気、その他
の蒸気をコンプレッサーで昇圧したり、移送したりする
プロセスが多用されている。一般に、流体(水蒸気、そ
の他の蒸気など)を移送、昇圧するには、エゼクター
式、容積式(ルーツブロワー、リショルムコンプレッサ
ーなど)、タービン式などのコンプレッサーが用いられ
ている。また、これらのコンプレッサーの材料として
は、一般鋼やアルミニウム合金等が用いられている。
【0003】コンプレッサー用部材には、耐食性、特
に、水、油あるいは空気などの流体中に浮遊する粒子、
液滴などが、流体と相対運動する該部材の表面を機械的
に変形または削り取ることにより生じる損傷であるエロ
ージョンなどによる損傷劣化に対して、耐性があること
が要求される。ところが、上記プロセスにおいては、流
体の凝縮や、相変化(例えば液体から気体など)などを
起こすため、コンプレッサー部材にエロージョンなどに
よる損傷劣化が発生して、使用耐久性を低下させるとい
う問題がある。即ち、上記機械中で蒸気をハンドリング
すると、構成部材(ローターやケーシングなど)が損傷
劣化を起こすことがある。その結果、移送能力低下や昇
圧能力低下(圧縮比の低下)を生ずる。最悪の場合は、
部材の一部がはがれ、回転を阻害したりして、機械本体
を破壊することも考えられる。また、これらのようなト
ラブル発生前に部品や本体の取り換えが必要となり、メ
ンテナンス費用が発生する。
【0004】上記のようなトラブルを防止するため、構
成部材にテフロンコーティングなどを行うことがある
が、その部材を用いたコンプレッサーの性能は十分とは
言えない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
エロージョンなどによる損傷劣化を生じ難いコンプレッ
サー用部材の製造技術において、簡便な手法により部材
を低コストで製造することができ、しかも複雑な形状の
部材にも適用できる新たな技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
組成の合金メッキ皮膜を金属基体上に形成させる場合に
は、従来技術の問題点を大幅に軽減あるいは実質的に解
消し得ることを見出し、これに基づき本発明を完成する
に至った。
【0007】即ち、本発明は、下記のコンプレッサー用
部材および該部材を備えたコンプレッサーを提供するも
のである。 1.ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜を金属基
体上に有するコンプレッサー用部材。 2.ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜中のタン
グステンの含有率が、1〜61重量%である上記項1に
記載のコンプレッサー用部材。 3.ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜中のタン
グステンの含有率が、5〜60重量%である上記項2に
コンプレッサー用部材。 4.ローター用、ケーシング用、羽根車用、軸用、軸受
け用、ダイヤフラム用、ラビリンス用、インペラー用ま
たはディフューザー用の部材である上記項1〜3のいず
れかに記載のコンプレッサー用部材。 5.上記項1〜4のいずれかに記載の部材を備えたコン
プレッサー。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のコンプレッサー用部材
は、金属基体上にニッケル−タングステン系合金メッキ
皮膜を形成した構成を有する。
【0009】本発明の部材の基体となる金属の種類とし
ては、通常コンプレッサーを形成する金属であれば特に
制限されず、例えば、アルミニウム、アルミニウム合
金、鉄系合金(炭素鋼、特殊鋼、耐熱鋼、ステンレス鋼
など)、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、コバル
ト、コバルト合金、チタン、チタン合金などが挙げられ
る。
【0010】ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜
の厚さは、部材の材質および形状、該部材を使用する環
境および条件、合金の組成比などにより異なるが、通常
1〜1000μm程度であり、より好ましくは10〜1
00μm程度である。
【0011】ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜
中のタングステン含有率は、通常1〜61重量%程度で
あり、好ましくは5〜60重量%程度であり、より好ま
しくは10〜50重量%程度である。タングステン含有
率が低すぎる場合には、部材のエロージョン防止という
所期の効果が十分に発揮されない。タングステン含有率
の上限である61重量%は、Ni−W合金メッキにおけ
るタングステンの最大含有率である。これは、Ni2
組成に相当する。
【0012】なお、無電解メッキ法によるニッケル−タ
ングステン系合金メッキ皮膜の形成に際し、次亜リン酸
ナトリウムなどのリン系還元剤を使用する場合には、リ
ンがメッキ皮膜中に取り込まれて、リンを含むニッケル
−タングステン合金が形成される。リンの存在は、合金
メッキ皮膜の耐食性および耐熱性を向上させるが、リン
の含有量が多すぎる場合には、メッキ皮膜が脆くなるの
で、リンの含有量は、15重量%以下とすることが好ま
しく、10重量%以下とすることがより好ましい。ま
た、ジメチルアミンボランなどのホウ素系還元剤を使用
する場合には、同様にホウ素を含むニッケル−タングス
テン合金が形成される。ホウ素の存在も、合金メッキ皮
膜の耐食性および耐熱性を向上させるが、ホウ素の含有
量が多すぎる場合には、やはりメッキ皮膜が脆くなるの
で、ホウ素の含有量は、10重量%以下とすることが好
ましく、5重量%以下とすることがより好ましい。従っ
て、本発明において、「ニッケル−タングステン系合
金」とは、ニッケル−タングステン合金のみならず、こ
の様な還元剤由来のリンあるいはホウ素を併せて含有す
るニッケル−タングステン合金をも包含する。
【0013】金属基体上にニッケル−タングステン系合
金メッキ層を形成する方法は、特に限定されず、常法に
従って、金属基体を脱脂、酸洗などの前処理に供した
後、ニッケル塩とタングステン塩とを含有する電解メッ
キ液または無電解メッキ液を用いて、金属基体に対する
メッキ処理を行えばよい。電解メッキ液および無電解メ
ッキ液の種類も、特に限定されず、公知の各種組成の電
解メッキ液あるいは無電解メッキ液を使用することがで
きる。
【0014】また、金属基体に対するニッケル−タング
ステン系合金メッキ皮膜の密着性を向上させるために、
必要に応じて、公知の方法により金属基体表面に予めス
トライクメッキ処理による下地層を形成した後、合金メ
ッキ皮膜を形成しても良い。さらに、金属基体上に通常
の電解ニッケルメッキ皮膜あるいは無電解ニッケルメッ
キ皮膜からなる下地層を形成させた後、合金メッキ皮膜
を形成させても良い。また、無電解メッキに対する触媒
活性のない金属基体上に直接無電解メッキを行う場合に
は、常法に従って、触媒を付与した後、無電解メッキを
行えばよい。
【0015】この様な電解メッキ法あるいは無電解メッ
キ法によれば、簡単な方法により低コストで、コンプレ
ッサー用部材を得ることができる。そして、ニッケル−
タングステン系合金メッキ皮膜が形成されたコンプレッ
サー用部材は、長期にわたり優れた耐食性、特に耐エロ
ージョン性を発揮する。
【0016】特に、無電解メッキ法により皮膜形成を行
う場合には、複雑な形状の部材表面にも、均一な合金メ
ッキ皮膜を容易に形成することができる。
【0017】また、電解メッキ法による場合にも、適当
な補助電極を用いることにより、複雑な形状の部材表面
に均一な合金メッキ皮膜を形成することができる。
【0018】電解メッキ法によって部材表面にニッケル
−タングステン系合金メッキ皮膜を形成させる方法とし
て、ニッケル塩として硫酸ニッケルを用い、かつタング
ステン塩としてタングステン酸ナトリウムを用いる場合
の浴組成およびメッキ条件の一例を下記に示す。
【0019】ニッケル−タングステン系合金メッキ液の
浴組成およびメッキ条件 硫酸ニッケル 5〜100g/l タングステン酸ナトリウム 20〜100g/l クエン酸 20〜150g/l pH 6.0〜8.0 温度 60〜80℃ 陰極電流密度 0.5〜30A/dm2
【0020】電解メッキ法により合金メッキ皮膜を形成
させる場合にも、リンあるいはホウ素を含有するニッケ
ル−タングステン系合金メッキ皮膜を形成させることが
できる。
【0021】また、無電解メッキ法によってニッケル−
タングステン系合金メッキ皮膜を形成する場合には、公
知の組成の無電解メッキ液、例えば無電解ニッケル−タ
ングステン−リンメッキ液、無電解ニッケル−タングス
テン−ホウ素メッキ液などを用いて、通常の無電解メッ
キ条件と同様にして部材表面にニッケル−タングステン
系合金メッキ皮膜を形成すればよい。
【0022】上記のいずれかの方法を用いて、金属基体
上にニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜を形成す
ることにより、本発明によるコンプレッサー用の部材が
得られる。
【0023】本発明による部材を適用するコンプレッサ
ー用部材としては、例えば、ローター、ケーシング、ケ
ーシング、羽根車、軸、軸受け、ダイヤフラム、ラビリ
ンス、インペラー、ディフューザーなどが例示される。
【0024】本発明による部材は、これらのコンプレッ
サー用の構成材料として、所期の優れた効果を発揮す
る。従って、そのコンプレッサーは、繊維、製糸業の乾
燥ロール機の熱源に昇圧蒸気を使う場合、酒、ビールな
どの精製トッパー(塔頂留出ベーパー)の移送の場合、
廃塩酸処理プロセス中の熱媒蒸気の昇圧の場合、コジェ
ネレーションより発生する水蒸気の昇圧の場合などにお
いて、好適に使用できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をより一層具体的に説明する。
【0026】各例において、使用した試験材料の材質及
び形状は、次の通りである。 (a)試験材料1 材質がSUS430で、形状が50mm×50mm×
0.5mmの正方形板材を、試験材料1とした。 (b)試験材料2および3 材質がアルミニウム鋳造合金AC2Aで、形状が直径7
5mm、長さ200mmで互いに噛み合う雌雄2本のね
じれたローターを、試験材料2及び3とした。
【0027】図1に、上記試験材料2の雄ローター及び
試験材料3の雌ローターの形状を図示する。
【0028】実施例1 前記試験材料1、2および3を用いて、電解メッキを行
った。
【0029】(1)試験材料1を、アルカリ脱脂液で脱
脂した後、これを負極とし、下記ニッケルストライクメ
ッキ液を含むニッケルストライクメッキ槽を用いて、液
温25℃、電流密度10A/dm2の条件下で2分間の
ニッケルストライクメッキ処理を行った。
【0030】ニッケルストライクメッキ液 塩化ニッケル 245g/l 塩酸 120g/l。
【0031】次に、上記ストライクメッキ処理後、水洗
して、下記組成の電解ニッケル−タングステン合金メッ
キ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH6.
0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹拌し
つつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を行っ
て、試験材料1の表面に電解ニッケル−タングステン合
金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試験材
料を水洗し、乾燥させた。
【0032】電解ニッケル−タングステン合金メッキ液 硫酸ニッケル 5g/l タングステン酸ナトリウム 60g/l クエン酸 50g/l。
【0033】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1を使
用して、エネルギー分散型X線分析装置((株)堀場製
作所製、“EMAX−5700”)により、合金メッキ
皮膜中のタングステン含有率を求めたところ、60重量
%であった。
【0034】(2)試験材料2及び3を、アルカリ脱脂
液で脱脂した後、下記亜鉛置換メッキ液を含む亜鉛置換
メッキ槽を用いて、液温25℃の条件下で30秒間の亜
鉛置換メッキ処理を行った。
【0035】亜鉛置換メッキ液 水酸化ナトリウム 120g/l 酸化亜鉛 20g/l ロッセル塩 50g/l 塩化第二鉄 2g/l 硝酸ナトリウム 1g/l。
【0036】次に、上記亜鉛置換メッキ処理後、水洗し
て、上記(1)の場合と同じ組成の電解ニッケル−タン
グステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温6
5℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下にス
クリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メ
ッキ処理を行って、試験材料2及び3の表面に電解ニッ
ケル−タングステン合金メッキ皮膜を形成させた。メッ
キ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥させた。
【0037】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーに雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0038】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン合金メッキ皮膜によ
り、ローター基体が保護されているため、基体の損傷劣
化は認められなかった。
【0039】実施例2 前記試験材料1、2及び3を用いて、電解メッキを行っ
た。
【0040】(1)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及びニッケルストライクメッキ処理した試験材料1
を、水洗後、下記組成の電解ニッケル−タングステン合
金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH
6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹
拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を
行って、試験材料1の表面に電解ニッケル−タングステ
ン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試
験材料を水洗し、乾燥させた。
【0041】電解ニッケル−タングステン合金メッキ液 硫酸ニッケル 20g/l タングステン酸ナトリウム 60g/l クエン酸 90g/l。
【0042】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1につ
いて、実施例1と同様にして、合金メッキ皮膜中のタン
グステン含有率を求めたところ、45重量%であった。
【0043】(2)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及び亜鉛置換メッキ処理した試験材料2及び3を、水
洗後、上記(1)の場合と同じ組成の電解ニッケル−タ
ングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温
65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下に
スクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解
メッキ処理を行って、試験材料2および3それぞれの表
面に電解ニッケル−タングステン合金メッキ皮膜を形成
させた。メッキ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥
させた。
【0044】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーに雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0045】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン合金メッキ皮膜によ
り、ローター基体が保護されているため、基体の損傷劣
化は認められなかった。
【0046】実施例3 前記試験材料1、2及び3を用いて、電解メッキを行っ
た。
【0047】(1)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及びニッケルストライクメッキ処理した試験材料1
を、水洗後、下記組成の電解ニッケル−タングステン合
金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温65℃、pH
6.0、電流密度7A/dm2の条件下にスクリュー撹
拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解メッキ処理を
行って、試験材料1の表面に電解ニッケル−タングステ
ン合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試
験材料を水洗し、乾燥させた。
【0048】電解ニッケル−タングステン合金メッキ液 硫酸ニッケル 60g/l タングステン酸ナトリウム 60g/l クエン酸 90g/l。
【0049】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1につ
いて、実施例1と同様にして、合金メッキ皮膜中のタン
グステン含有率を求めたところ、30重量%であった。
【0050】(2)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及び亜鉛置換メッキ処理した試験材料2及び3を、水
洗後、上記(1)の場合と同じ組成の電解ニッケル−タ
ングステン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温
65℃、pH6.0、電流密度7A/dm2の条件下に
スクリュー撹拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで電解
メッキ処理を行って、試験材料2および3それぞれの表
面に電解ニッケル−タングステン合金メッキ皮膜を形成
させた。メッキ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥
させた。
【0051】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーに雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0052】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン合金メッキ皮膜によ
り、ローター基体が保護されているため、基体の損傷劣
化は認められなかった。
【0053】実施例4 前記試験材料1、2及び3を用いて、無電解メッキを行
った。
【0054】(1)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及びニッケルストライクメッキ処理した試験材料1
を、水洗後、下記組成の無電解ニッケル−タングステン
−リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温90
℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚
が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、試験
材料1の表面に無電解ニッケル−タングステン−リン合
金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試験材
料を水洗し、乾燥させた。
【0055】無電解ニッケル−タングステン−リン合金
メッキ液 硫酸ニッケル 7g/l タングステン酸ナトリウム 35g/l 次亜リン酸ナトリウム 10g/l クエン酸ナトリウム 30g/l。
【0056】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1につ
いて、実施例1と同様にして、合金メッキ皮膜中のタン
グステンおよびリンの含有率を求めたところ、それぞれ
20重量%および7重量%であった。
【0057】(2)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及び亜鉛置換メッキ処理した試験材料2及び3を、水
洗後、上記(1)の場合と同じ組成の無電解ニッケル−
タングステン−リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用い
て、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌
しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を
行って、試験材料2および3それぞれの表面に無電解ニ
ッケル−タングステン−リン合金メッキ皮膜を形成させ
た。メッキ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥させ
た。
【0058】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーに雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0059】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン−リン合金メッキ皮膜
により、ローター基体が保護されているため、基体の損
傷劣化は認められなかった。
【0060】実施例5 前記試験材料1、2及び3を用いて、無電解メッキを行
った。
【0061】(1)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及びニッケルストライクメッキ処理した試験材料1
を、水洗後、下記組成の無電解ニッケル−タングステン
−リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温90
℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚
が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、試験
材料1の表面に無電解ニッケル−タングステン−リン合
金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試験材
料を水洗し、乾燥させた。
【0062】無電解ニッケル−タングステン−リン合金
メッキ液 硫酸ニッケル 7g/l タングステン酸ナトリウム 35g/l 次亜リン酸ナトリウム 10g/l クエン酸ナトリウム 20g/l。
【0063】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1につ
いて、実施例1と同様にして、合金メッキ皮膜中のタン
グステンおよびリンの含有率を求めたところ、それぞれ
10重量%および4重量%であった。
【0064】(2)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及び亜鉛置換メッキ処理した試験材料2及び3を、水
洗後、上記(1)の場合と同じ組成の無電解ニッケル−
タングステン−リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用い
て、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌
しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を
行って、試験材料2および3それぞれの表面に無電解ニ
ッケル−タングステン−リン合金メッキ皮膜を形成させ
た。メッキ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥させ
た。
【0065】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーに雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0066】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン−リン合金メッキ皮膜
により、ローター基体が保護されているため、基体の損
傷劣化は認められなかった。
【0067】実施例6 前記試験材料1、2及び3を用いて、無電解メッキを行
った。
【0068】(1)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及びニッケルストライクメッキ処理した試験材料1
を、水洗後、下記組成の無電解ニッケル−タングステン
−リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温90
℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜厚
が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、試験
材料1の表面に無電解ニッケル−タングステン−リン合
金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試験材
料を水洗し、乾燥させた。
【0069】無電解ニッケル−タングステン−リン合金
メッキ液 硫酸ニッケル 7g/l タングステン酸ナトリウム 35g/l 次亜リン酸ナトリウム 10g/l クエン酸ナトリウム 10g/l。
【0070】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1につ
いて、実施例1と同様にして、合金メッキ皮膜中のタン
グステンおよびリンの含有率を求めたところ、それぞれ
5重量%および2重量%であった。
【0071】(2)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及び亜鉛置換メッキ処理した試験材料2及び3を、水
洗後、上記(1)の場合と同じ組成の無電解ニッケル−
タングステン−リン合金メッキ液を含むメッキ槽を用い
て、液温90℃、pH9.0の条件下にスクリュー撹拌
しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を
行って、試験材料2および3それぞれの表面に無電解ニ
ッケル−タングステン−リン合金メッキ皮膜を形成させ
た。メッキ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥させ
た。
【0072】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーに雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0073】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン−リン合金メッキ皮膜
により、ローター基体が保護されているため、基体の損
傷劣化は認められなかった。
【0074】実施例7 前記試験材料1、2及び3を用いて、無電解メッキを行
った。
【0075】(1)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及びニッケルストライクメッキ処理した試験材料1
を、水洗後、下記組成の無電解ニッケル−タングステン
−ホウ素合金メッキ液を含むメッキ槽を用いて、液温6
5℃、pH6.5の条件下にスクリュー撹拌しつつ、膜
厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理を行って、試
験材料1の表面に無電解ニッケル−タングステン−ホウ
素合金メッキ皮膜を形成させた。メッキ処理終了後、試
験材料を水洗し、乾燥させた。
【0076】無電解ニッケル−タングステン−ホウ素合
金メッキ液 硫酸ニッケル 7g/l タングステン酸ナトリウム 35g/l ジメチルアミンボラン 5g/l クエン酸ナトリウム 20g/l。
【0077】合金メッキ皮膜を形成した試験材料1につ
いて、実施例1と同様にして、合金メッキ皮膜中のタン
グステンおよびホウ素の含有率を求めたところ、それぞ
れ20重量%および1重量%であった。
【0078】(2)実施例1と同様に、アルカリ脱脂処
理及び亜鉛置換メッキ処理した試験材料2及び3を、水
洗後、上記(1)の場合と同じ組成の無電解ニッケル−
タングステン−ホウ素合金メッキ液を含むメッキ槽を用
いて、液温65℃、pH6.5の条件下にスクリュー撹
拌しつつ、膜厚が20μmとなるまで無電解メッキ処理
を行って、試験材料2および3それぞれの表面に無電解
ニッケル−タングステン−ホウ素合金メッキ皮膜を形成
させた。メッキ処理終了後、各試験材料を水洗し、乾燥
させた。
【0079】上記の合金メッキ皮膜を形成した試験材料
2および3をリショルムコンプレッサーの雄ローターお
よび雌ローターとして設置して、コンプレッサーを10
00時間運転した。この間、コンプレッサーの能力低下
や運転中の異常振動は無かった。
【0080】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、ニッケル−タングステン−ホウ素合金メッキ皮
膜により、ローター基体が保護されているため、基体の
損傷劣化は認められなかった。
【0081】比較例1 前記試験材料2及び3の雌雄2本のねじれたローター
を、メッキすることなく、リショルムコンプレッサーに
雄ローター及び雌ローターとして使用した。
【0082】即ち、これらのローターをリショルムコン
プレッサーに設置して、コンプレッサーを1000時間
運転した。この間、500時間を過ぎてからコンプレッ
サーの能力低下や運転中の異常振動が断続的に認められ
た。
【0083】また、1000時間運転後の上記コンプレ
ッサーを分解して、上記各ローターを目視にて点検した
ところ、50カ所にわたって基体の損傷劣化が認められ
た。
【0084】
【発明の効果】本発明によるコンプレッサー用部材は、
優れた耐食性を有しており、特に、水、油あるいは空気
などの流体中に浮遊する粒子、液滴などが、流体と相対
運動する該部材の表面を機械的に変形または削り取るこ
とにより生じる損傷であるエロージョンなどによる損傷
劣化に対して、例えば水蒸気などの流体の凝縮や相変化
がある場合にも、長期にわたり優れた耐性を発揮する。
【0085】また、本発明によるコンプレッサー用部材
は、簡便な方法により低コストで製造することができ
る。
【0086】また、本発明で採用するニッケル−タング
ステン系合金メッキ法によれば、複雑な形状の部材表面
にも、簡単にメッキ皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例及び比較例で用いた試験材料2
及び3である雄ローター及び雌ローターの形状を図示す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F04D 29/04 F04D 29/04 Z 4K024 29/42 29/42 Z Fターム(参考) 3H022 AA01 BA01 BA02 BA03 BA04 BA05 BA06 BA07 CA04 CA33 CA51 DA14 3H029 AA01 AB01 BB44 CC02 CC08 CC09 CC12 CC16 CC38 3H034 AA04 BB03 CC01 CC02 CC03 CC05 CC06 DD01 DD24 EE11 4K022 AA02 AA48 AA50 BA25 DA03 4K023 AA12 AA22 AB14 AB20 AB21 BA07 BA19 DA03 DA07 DA08 4K024 AA03 BA01 BA02 BA06 BA09 BB01 BB04 BB05 BC06 BC10 CA01 CA03 CA04 CA06 GA04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜
    を金属基体上に有するコンプレッサー用部材。
  2. 【請求項2】ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜
    中のタングステンの含有率が、1〜61重量%である請
    求項1に記載のコンプレッサー用部材。
  3. 【請求項3】ニッケル−タングステン系合金メッキ皮膜
    中のタングステンの含有率が、5〜60重量%である請
    求項2に記載のコンプレッサー用部材。
  4. 【請求項4】ローター用、ケーシング用、羽根車用、軸
    用、軸受け用、ダイヤフラム用、ラビリンス用、インペ
    ラー用またはディフューザー用の部材である請求項1〜
    3のいずれかに記載のコンプレッサー用部材。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかに記載の部材を備
    えたコンプレッサー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009203536A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Univ Kanagawa めっき液及び該めっき液を用いての切削ブレードの製造方法
JP2011027104A (ja) * 2009-07-15 2011-02-10 Nuovo Pignone Spa ターボ機械構成部品のための被覆層の生産方法、構成部品自体および対応する機械
JP2014163345A (ja) * 2013-02-27 2014-09-08 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 舶用ディーゼル機関の排気再循環システム

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