JPH04333575A - チタン含有金属材料上に複合被覆膜層を形成する方法 - Google Patents

チタン含有金属材料上に複合被覆膜層を形成する方法

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JPH04333575A
JPH04333575A JP922791A JP922791A JPH04333575A JP H04333575 A JPH04333575 A JP H04333575A JP 922791 A JP922791 A JP 922791A JP 922791 A JP922791 A JP 922791A JP H04333575 A JPH04333575 A JP H04333575A
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JP
Japan
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treatment
coating layer
nickel
resistant
thickness
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Application number
JP922791A
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English (en)
Inventor
Eiji Hirai
英次 平井
Yoshio Matsumura
松村 由男
Kazuyoshi Kurosawa
一吉 黒澤
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Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン含有金属材料上
に複合被覆膜層を形成する方法に関するものである。更
に詳しく述べるならば、本発明は、チタン、又はチタン
含有合金などのチタン含有金属材料の表面上に、密着性
、耐熱性、および耐摩耗性などにすぐれた複合被覆膜層
を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンまたはチタンを含有する各種合金
は、軽量化を目指す自動車、およびオートバイの動弁系
各種部品(エンジンバルブ、バルブスプリング、バルブ
リテーナー、バルブおよびリフターなど)、並びに駆動
系各種部品(コネクティングロッドなど)などに広く使
用されており、更に高い耐食性を必要とする化学工業用
のポンプ部品等への利用が拡大している。これらのチタ
ン含有金属材料には、耐熱性、耐摩耗性、および耐摺動
性を併せ具備することが求められる場合が多い。
【0003】従来、チタン含有金属材料に上記のような
耐熱性および耐摩耗性にすぐれた被覆膜を密着形成させ
る方法としては、ガス窒化法、塩浴窒化法が知られてい
る。しかし、これらの窒化法は処理温度が高いために、
熱歪による材料の変形が大きく、さらに十分な厚さを有
する被覆膜層を得るのに長時間を要し、このため生産性
が低い等の欠点を有している。
【0004】上記窒化法に代る方法としてイオンプレー
ティング法、CVD法、PVD法等の乾式メッキ法や各
種の湿式メッキ法も知られているが、これらのメッキ法
では、チタン含有金属材料の表面と、形成された被覆膜
層との密着性が低く、使用の際に被覆膜層剥離が起り易
いという欠点を有している。即ち、得られた製面の表面
が強度の摩擦に十分に耐えるには、被覆膜層が耐摩耗性
および耐摺動性に優れていること、並びに被覆膜層と素
地金属材料表面との密着性が優れていることが必須条件
であるが、剥離し易い被覆膜層は、強度の摩擦に耐えら
れるものではない。
【0005】特願平1−79397 号にはマルチント
ーマの方法を用いて、チタンまたはチタン合金材料に摩
耗防止被覆膜層を形成する方法が記載されている。
【0006】しかし、この方法には、下記の欠点がある
。 (1)酸化雰囲気で熱処理を施す為、化学的析出法で形
成されたニッケル被覆膜層がかなりの程度に酸化され、
次の工程でこの酸化された被覆膜層を除去する必要があ
り、そのために比較的長い時間を要する除膜処理を必要
とする。
【0007】(2)摩耗防止層として最表面に形成され
るクロム被覆膜層は耐焼付性及び耐熱耐摩耗性が不十分
である。
【0008】本発明者等は、チタンまたはチタン合金に
耐熱性と耐摩耗性とにおいて優れている被覆膜層を形成
する方法について特願平2−30494 号にて特許出
願しており、その後、この発明をベースとして耐摺動性
にも優れた皮膜を形成する方法を見出し、これを特願平
2−129268号にて特許出願した。次いで前記特願
平2−30494 号に記載の発明方法によって形成さ
れる皮膜の密着性を更に向上させる方法を見出して、こ
れを特願平2−238998号にて特許出願している。
【0009】しかしながらチタン含有金属材料と、その
表面上に形成される被覆膜層との密着性について、一層
の向上が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術に
おける上記問題点を解決し、チタン含有金属材料上に、
耐熱性および耐摩耗性の良好な複合被覆膜層を、密着性
よく形成することのできる方法を提供しようとするもの
である。
【0011】特に、本発明は、酸化皮膜の除去に比較的
長時間を要し、従って工程管理が困難になるようなこと
がなく、また、従来方法により形成されたクロム被覆膜
層のように耐焼付性、および耐摩耗性が不十分であるな
どの欠点のない複合被覆膜層を密着性よくチタン含有金
属材料上に形成する方法を開成しようとするものである
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記、特願
平2−129268号の方法によって形成される被覆膜
層の密着性を一層向上させるために、この発明の方法を
ベースとしこれに前記特願平2−238998号の方法
を導入することを試み、その結果、チタン含有金属材料
上により一層皮膜密着性に優れかつ耐熱性・耐摩耗性・
耐摺動性にも優れた複合被覆膜層をより一層向上した密
着性をもって形成させ得ることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0013】すなわち、本発明に係るチタン含有金属材
料上に、複合被覆膜層を形成する方法は、チタン含有金
属材料の表面に下記処理工程: (A)表面清浄化処理、(B)置換法による銅、又はニ
ッケルの無電解フラッシュメッキ処理、(C)ニッケル
による電気メッキ、又はニッケル・リン合金による電気
メッキ処理、(D)10−1〜10−5Torrの真空
圧下、 450℃以上の温度における1時間以上の真空
加熱処理、(E)表面活性化処理、(F)ニッケル・リ
ン合金、またはコバルトからなるマトリックスと、この
マトリックス中に分散され、かつ SiC, Si3N
4, BN, Al2O3, WC, ZrB2、ダイ
ヤモンド、および CrBから選ばれた少なくとも1種
からなる微細粒子とを含む耐熱耐摩耗性被覆膜層の形成
処理、(G)表面粗さ(Rz)を1.0〜10.0μm
とする表面粗面化処理、および(H)MoS2、グラフ
ァイト、ボロンナイトライド、およびフッ素含有樹脂か
ら選ばれた少なくとも1種を含有する固体潤滑被覆膜層
の形成およびその焼付処理、を順次に施すことを特徴と
するものである。
【0014】
【作用】本発明方法の第1工程において、チタンまたは
チタン合金などのチタン含有金属材料の表面を酸洗いを
含む表面処理によって清浄化する。
【0015】この表面清浄化処理は、好ましくは、例え
ばアルミナ粒子によるショットブラスト処理を含みその
後に酸洗いが施される。
【0016】酸洗い処理は、例えば、約15%の塩酸な
どを用い、常温において約30秒間洗浄し、水洗する事
によって達せられる。この表面清浄化処理により、次の
工程におけるフラッシュメッキ処理におけるチタン含有
金属材料表面のメッキ金属に対する付着性を向上させる
ことができる。
【0017】ただし、チタン含有金属材料の表面に油性
物質が付着している場合には、前記ショットブラスト処
理前に、予めアルカリ洗浄、またはトリクレン蒸気等を
用いる有機溶剤洗浄処理を施し、油分を除去しておくこ
とが好ましい。
【0018】本発明方法の第2工程では、表面清浄化さ
れたチタン含有金属材料の表面に、置換法による銅また
はニッケルのフラッシュメッキ処理が施される。
【0019】銅のフラッシュメッキは、例えば、硫酸銅
10g/l、水酸化ナトリウム10g/l、ホルマリン
(37%)20ml/l、およびEDTA、20g/l
を含む水溶液からなるメッキ浴を用い、所定のメッキ温
度、例えば45℃の温度において行われ、化学的置換に
基づく銅メッキ層が形成される。
【0020】また、ニッケルのフラッシュメッキは、例
えば、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸ナトリウム
10g/l、およびクエン酸ナトリウム10g/lを含
む水溶液からなるメッキ浴を用い、所定のメッキ温度、
例えば60℃の温度において行われ、化学的置換に基づ
くニッケルメッキ層が形成される。
【0021】このフラッシュメッキ処理において、得ら
れるメッキ層の厚に格別の限定はないが好ましくは0.
1〜2μmにコントロールされる。メッキ層の厚さが0
.1μm未満では皮膜の均一析出が困難になることがあ
り、しかし、それが2μmを越えると、その後の真空加
熱処理によるTi2Ni, TiNi, TiNi3ま
たは TiCu, TiCu2等のようなチタンとニッ
ケルまたは銅との合金層の形成を徐々に妨げることがあ
る。
【0022】特に、フラッシュメッキ処理によるメッキ
層の厚さを、0.1〜1μmの範囲内にコントロールす
ると、得られるメッキ層と、チタン含有金属材料表面と
の密着性が、極めてすぐれたものとなる。
【0023】本発明方法の第3工程において、フラッシ
ュメッキ処理により形成されたメッキ層上にニッケル電
気メッキまたはニッケル・リン電気メッキが施される。
【0024】ニッケル電気メッキ処理は、例えばスルフ
ァミン酸ニッケル 800g/l、塩化ニッケル15g
/l、およびほう酸30g/lを含有する水溶液からな
るメッキ液を用いて行われ、またニッケル・リン電気メ
ッキ処理は、例えばスルファミン酸ニッケル 800g
/l、塩化ニッケル15g/l、ほう酸30g/l、お
よび次亜リン酸ソーダ3g/lを含有する水溶液からな
るメッキ液を用いて行われ、これらのメッキ液に通電す
ることによって電気メッキが施される。
【0025】電気メッキ処理におけるメッキ液の温度、
電流密度、およびメッキ時間などは、使用するメッキ液
の組成、所望のメッキ層の厚さなどに応じて適宜に設定
される。
【0026】電気メッキ処理によって得られるメッキ層
の厚さには、格別の限定はないが、5〜30μmの厚さ
にコントロールすることが好ましい。5〜30μmの厚
さの電気メッキ層は、その後に施される真空加熱処理に
おいて、電気メッキ皮膜がフラッシュメッキ皮膜ととも
に、チタン含有金属材料と合金化して相互の密着性を一
層向上させることができる。
【0027】電気メッキ層の厚さが、5μm未満のとき
は、上記密着性向上効果が不十分になることがあり、ま
たそれが30μmをこえる場合は、上記密着性向上効果
が飽和してしまい、却って製造コストの無駄な上昇を招
くという不都合を生ずる。
【0028】本発明方法において、電気メッキ処理によ
り形成されたニッケルメッキ皮膜は約 200℃まで十
分な硬度を有し、またニッケル・リン合金メッキ皮膜は
約 350℃まで十分な硬度を有する。
【0029】本発明方法においては、後で述べる耐熱耐
摩耗性皮膜の組成を考慮し、電気メッキ処理において、
ニッケルあるいは、ニッケル・リン合金の何れかを選定
すればよい。
【0030】本発明方法の第4工程において、上記電気
メッキを施されたチタン含有金属材料に対して、真空度
が10−1〜10−5Torrの範囲内で、少なくとも
 450℃の温度で、1時間以上加熱するという条件で
、真空加熱処理が施される。
【0031】上記、真空加熱処理において、真空度が1
0−1Torr未満のときは、前記第3工程までに形成
したメッキ金属皮膜が酸化される危険があり、また、真
空度が10−5Torrを越える場合、このような高真
空度を得るには非常に高いコストがかかり、本発明の方
法においてはこの様な高真空度を必要とするものではな
い。
【0032】本発明方法における真空加熱処理は、チタ
ンまたはチタン合金とメッキされた金属とから合金層を
形成させるために行うものであるが、このような合金層
を形成するためには、金属の十分な拡散を達成するため
に、前述の特定真空度を有する雰囲気内において、 4
50℃以上の温度で、1時間以上処理することが必要で
ある。
【0033】上記のような特定された条件のもとに真空
加熱処理を施すことにより、チタン含有金属材料上に形
成されている金属メッキ皮膜は酸化されず、かつ後の工
程で耐熱耐摩耗性皮膜を形成する前に、前記第1〜4工
程において所定の処理を施されたチタン含有金属材料の
表面を化学的に活性化処理すれば、その上に密着性に優
れた耐熱耐摩耗性皮膜を形成することができる。この事
実は、本発明において初めて見出されたことである。
【0034】本発明方法の第5工程において、前記第1
〜4工程を施されたチタン含有金属材料に対し表面活性
化処理が施される。この表面活性化処理の手段について
は、それが表面活性化に有効なものである限り、格別の
限定はなく、簡易な方法、例えば3〜10%のフッ化水
素酸と50〜70%の硝酸とを含有する硝フッ素水溶液
中に、被処理材料を2〜5秒間浸漬する方法であっても
よい。
【0035】上記の表面活性化処理によって、前記第4
工程までに形成された金属被覆膜層を保持したまゝそれ
を、ミクロエッチングすることができ、この活性化され
た表面は後の第6工程で形成される耐熱耐摩耗性皮膜に
対し、すぐれた密着性を示すことができる。
【0036】本発明方法の第6工程において、前記チタ
ン含有金属材料の活性化された表面上に耐熱耐摩耗性皮
膜が形成される。
【0037】この耐熱耐摩耗性被覆膜層は、 SiC,
 Si3N4, Al2O3, WC, ZrB2、ダ
イヤモンド、およびCrBなどのファインセラミックス
から選ばれた1種または2種以上の微細粒子が、ニッケ
ル・リン合金、またはコバルトからなるマトリックス中
に分散している複合メッキ被覆膜からなるものである。
【0038】ニッケル・リン合金からなるマトリックス
を形成するためには、例えばスルファミン酸ニッケル 
800g/l、塩化ニッケル15g/l、ほう酸30g
/l、および次亜リン酸ソーダ3g/lを含む水溶液が
用いられ、またコバルトからなるマトリックスを形成す
るためには、例えばスルファミン酸コバルト 300g
/l、塩化コバルト15g/l、およびほう酸30g/
lを含む水溶液がメッキ液として用いられる。
【0039】耐熱耐摩耗性被覆膜層を形成するには、上
記のマトリックス形成メッキ液中に例えば1μmの平均
粒径を有するSiC, Si3N4, Al2O3, 
WC, ZrB2, CrB、およびダイヤモンドから
選ばれた1種または2種以上の微細粒子を、例えば 2
00g/lの量で添加して電解メッキ液として用い、こ
れに通電してメッキ層を形成させればよい。
【0040】耐熱耐摩耗性被覆膜層中に含まれる微細粒
子の平均粒径は、0.1〜10.0μmであることが好
ましい。この平均粒径が0.1μm未満のときは、得ら
れる被覆膜層の耐摩耗性および耐摺動性が十分でないこ
とがあり、またそれが10μmを越えるときは、それを
マトリックス中に均一に分散させることが難しくなるこ
とがある。
【0041】また、耐熱耐摩耗性被覆膜層の厚さには、
格別の限定はないが5〜500 μmであることが好ま
しい。これが5μm未満のときは得られる被覆膜層の耐
摩耗性が不十分になることがあり、その厚さが 500
μmを越えると、得られる被覆膜層の、それに隣接する
他層に対する密着性に悪影響を及ぼすことがある。
【0042】上記工程により形成される耐熱耐摩耗性被
覆膜層において、ニッケル・リン合金からなるマトリッ
クスは、約 350℃程度までの温度上昇によってNi
3Pを析出して硬化する。またコバルトからなるマトリ
ックスは、約 500℃の高温においても硬度低下が生
じない。
【0043】本発明方法において、耐熱耐摩耗性被覆膜
層中に分散する微細粒子の量には、格別の限定はないが
、この被覆膜層の重量に対し2〜20重量%であること
が好ましい。
【0044】本発明方法において、耐熱耐摩耗性被覆膜
層中に分散せしめられる微細粒子の好ましいものは、例
えばSiC(微小硬度約3000) 、Si3N4(微
小硬度約2000) 、WC(微小硬度約2500)、
およびダイヤモンド(微小硬度約8000)などの高硬
度の微粉である。
【0045】本発明方法の耐熱耐摩耗性被覆膜層形成処
理において、前記特定のマトリックス中に、前記特定の
微細粒子を分散させることによって、得られる被覆膜層
は、すぐれた耐熱性を示すばかりでなく、それに摺動力
が負荷されたとき、すぐれた耐摩耗性を示すことができ
る。
【0046】本発明方法の第7工程において、前記処理
により形成された耐熱耐摩耗性被覆膜層の表面に対し、
それを、Rz :1.0〜10.0μmの表面粗さとす
る粗面化処理が施される。
【0047】この粗面化処理の具体的手段については、
所望の粗面化が達成される限り格別の限定はないが、例
えば、乾式法または湿式法により、グリッド番号が 1
20〜270 番のアルミナ粒子を、前述の処理により
形成された耐熱耐摩耗性被覆膜層の表面に吹き当てる方
法を用いることができる。
【0048】この粗面化処理によって、前記処理工程に
より形成された耐熱耐摩耗性被覆膜層上に、次処理工程
により形成される固体潤滑被覆膜層を、高い密着性をも
って形成することが可能になる。
【0049】この粗面化処理において、粗面化された表
面の表面粗さ(Rz)が1.0μm未満であるときは、
この粗面化表面の固体潤滑被覆膜層に対する密着性およ
び結着保持性が不十分になり、また、その表面粗さ(R
z)が、10.0μmをこえる高いものにしても、その
前記密着性向上効果に格別の利点がなく、却って製品の
寸法公差が大きくなるという不利を生ずる。
【0050】本発明方法の第8工程においては、粗面化
処理された耐熱耐摩耗性被覆膜層上に、MoS2、グラ
ファイト、ボロンナイトライド、フッ素樹脂から選ばれ
る1種または2種以上を含有する固体潤滑皮膜の形成焼
付処理が施される。
【0051】この固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理の前
に、粗面化された耐熱耐摩耗性被覆膜層の表面を、例え
ばアルカリ洗浄または有機溶剤洗浄により清浄化するこ
とが好ましい。
【0052】固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理において
、所定の塗布法、例えばスプレー法、又は浸漬法により
、MoS2、グラファイト、ボロンナイトライド、およ
びフッ素樹脂から選ばれた少なくとも1種を塗着し、こ
の塗布層を所定の焼付温度、例えば 180℃に加熱焼
付して固体潤滑皮膜を形成する。
【0053】この固体潤滑被覆膜層の厚さには格別の限
定はなが、5〜30μmであることが好ましい。このよ
うな厚さを有する固体潤滑被覆膜層は、すぐれた耐久性
を有し、長期間にわたって、すぐれた耐摺動性を示すこ
とができる。
【0054】
【実施例】本発明を下記の実施例により更に説明する。
【0055】実施例1 (1)供試材料… JIS Ti2種(φ10mm×L
35mm、又はφ6mm×L100mm)のチタン材2
【0056】(2)供試材料の表面清浄化処理■  ア
ルミナによるショットブラスト処理■  トリクレン蒸
気洗浄 ■  アルカリ脱脂(FC−315、日本パーカライジ
ング社製弱アルカリクリーナー、50g/l、70℃、
3分浸漬)■  水洗 ■  塩酸(17%常温)による酸洗(30秒)■  
水洗
【0057】 (3)銅フラッシュメッキ(置換法)処理■  浴組成
:硫酸銅                    1
0g/l水酸化ナトリウム          10g
/lホルマリン(37%)        20ml/
lEDTA                    
  20g/l処理温度:45℃ メッキ層の厚さ:0.7μm ■  水洗
【0058】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
浴組成:スルファミン酸ニッケル   800g/l塩
化ニッケル              15g/lホ
ウ酸                    30g
/l次亜リン酸ソーダ           3g/l
■  処理温度:57℃ ■  電流密度:20A/dm2  ■  メッキ層の厚さ:20μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0059】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−4To
rr炉内温度: 600℃ 処理時間:2時間
【0060】 (6)表面活性化処理 処理水溶液… HF 5%、 HNO3 60%常温、
3秒浸漬 水洗
【0061】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層の形成処理(ニッケル・リ
ン合金− SiC微細粒子複合メッキ処理)■  浴組
成:スルファミン酸ニッケル   800g/l塩化ニ
ッケル              15g/lホウ酸
                    30g/l
次亜リン酸ソーダ           3g/lSi
C                      20
0g/l■  処理温度:57℃ ■  電流密度:15A/dm2  ■  被覆膜層の厚:20μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0062】 (8)表面粗面化処理 (グリッド 200番アルミナ粒子によるショットブラ
スト処理)■  表面粗さ、Rz :5〜7μm■  
トリクレン蒸気洗浄
【0063】(9)固体潤滑処理(スプレー法)■  
FBT−116(MoS2粒子を含有するフェノール樹
脂固体潤滑皮膜剤、(株)川邑研究所製) ■  被覆膜層の厚:10μm ■  焼付(180℃、1時間)
【0064】(10)得られた製品の複合被覆膜層の密
着性、耐熱性、および耐摺動性をテストした。
【0065】但し、上記テストは下記の方法によって行
った。 被覆膜層の密着性評価方法:万能試験機を用いた折り曲
げによる方法 試験機:YONEKURA CATY−2002S(2
Ton 用)Cross Head Speed   
 10mm/minCross Head降下量   
 10mm耐摩耗・耐摺動性評価方法:ファレックス摩
耗試験摩擦速度:0.39m/s 潤滑法:潤滑油無し(乾式) 荷  重:1分毎に50kgづつステップアップ相手材
:SUJ−2(硬度H RC60)のブロック
【006
6】テスト結果を表1に示す。
【0067】実施例2 実施例1と同じ操作を行った。但し、下記の点を変更し
た。
【0068】(1)供試材料…Ti−6Al−4V(形
状寸法は、実施例1と同じ)
【0069】 (2)表面清浄化処理 ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0070】 (3)銅フラッシュメッキ(置換法)処理■  メッキ
層の厚さを0.2μmとしたことを除き、実施例1の場
合と同じ ■  水洗
【0071】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
浴組成:スルファミン酸ニッケル   800g/l塩
化ニッケル              15g/lホ
ウ酸                    30g
/l次亜リン酸ソーダ           3g/l
処理温度:57℃ 電流密度:15A/dm2  被覆膜層の厚さ:20μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0072】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−2To
rr炉内温度: 450℃ 処理時間:1.5時間
【0073】(6)表面活性化処理(実施例1の場合と
同じ) ■  水洗
【0074】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層形成処理 (複合メッキ処理) ■  ニッケル・リン・ SiC複合メッキ処理(実施
例1の場合と同じ) ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0075】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 150番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :3〜5μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0076】 (9)固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理(スプレー法)
■  FH−70(フッ素樹脂を含有するエポキシ樹脂
系固体潤滑皮膜剤、(株)川邑研究所製) ■  被覆膜層の厚:25μm ■  乾燥(180℃、1時間)
【0077】(10)テスト結果を表1に示す。
【0078】実施例3 下記の点を除き、実施例1と同じ操作を行った。
【0079】(1)供試材料… JIS Ti2種(形
状寸法は、実施例1と同じ)
【0080】 (2)表面清浄化処理 ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0081】 (3)銅フラッシュメッキ(置換法)処理■  メッキ
層の厚さを1.2μmとしたことを除き、実施例1の場
合と同じ ■  水洗
【0082】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
メッキ層の厚さを10μmとした以外は実施例1の場合
と同じ。 ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0083】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−5To
rr炉内温度: 850℃ 処理時間:1時間
【0084】(6)表面活性化処理 ■  2秒浸漬とした以外は実施例1の場合と同じ■ 
 水洗
【0085】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層形成・焼付処理(ニッケル
・リン合金−BN微細粒子複合メッキ処理)■  浴組
成:スルファミン酸ニッケル   800g/l塩化ニ
ッケル              15g/lホウ酸
                    30g/l
次亜リン酸ソーダ           3g/lBN
                     200g
/l■  処理温度:57℃ ■  電流密度:15A/dm2  ■  被覆膜層の厚さ:20μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0086】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 220番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :6〜8μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0087】 (9)固体潤滑被覆層形成・焼付処理(スプレー法)■
  HMB−4A(MoS2粒子を含有するポリアミド
樹脂系固体潤滑皮膜剤、(株)川邑研究所製) ■  被覆膜層の厚:15μm ■  乾燥(180℃、1時間)
【0088】(10)テスト結果を表1に示す。
【0089】実施例4 下記の点を除き実施例1と同じ操作を行った。
【0090】(1)供試材料… JIS Ti2種(形
状寸法は、実施例1と同じ)
【0091】 (2)表面清浄化処理 ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0092】 (3)ニッケルフラッシュメッキ(置換法)処理■  
浴組成:塩化ニッケル              3
0g/l次亜リン酸ナトリウム      10g/l
クエン酸ナトリウム        10g/l■  
処理温度:60℃ ■  メッキ層の厚さ:0.5μm ■  水洗
【0093】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
浴組成:スルファミン酸ニッケル   800g/l塩
化ニッケル              15g/lホ
ウ酸                    30g
/l次亜リン酸ソーダ           3g/l
WC                     20
0g/l■  処理温度:57℃ ■  電流密度:15A/dm2  ■  メッキ層の厚さ:20μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0094】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−2To
rr炉内温度: 550℃ 処理時間:3時間
【0095】 (6)表面活性化処理 ■  5秒浸漬としたことを除き、実施例1の場合と同
じ■  水洗
【0096】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層形成処理 ■  複合メッキ処理(実施例1の場合と同じ)■  
水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0097】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 180番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :4〜6μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0098】 (9)固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理■  被覆膜層
の厚さを8μmとしたことを除き実施例1の場合と同じ
。 ■  乾燥(180℃、1時間)
【0099】(10)テスト結果を表1に示す。
【0100】実施例5 下記の点を除き、実施例1と同じ操作を行った。
【0101】(1)被加工材料…Ti−6Al−4V(
形状寸法は、実施例1と同じ)
【0102】 (2)表面清浄化処理 ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0103】 (3)ニッケルフラッシュメッキ(置換法)処理■  
メッキ層の厚さを0.2μmとしたことを除き実施例4
の場合と同じ ■  水洗
【0104】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
実施例1の場合と同じ ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0105】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−5To
rr炉内温度: 800℃ 処理時間:1時間
【0106】 (6)活性化処理 ■  実施例4の場合と同じ ■  水洗
【0107】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層形成処理 ■  実施例3の場合と同じ ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0108】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 250番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :7〜9μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0109】 (9)固体潤滑処理 ■  被覆膜層の厚さを10μmとしたことを除き実施
例2の場合と同じ ■  乾燥(180℃、1時間)
【0110】(10)テスト結果を表1に示す。
【0111】実施例6 下記の点を除き、実施例1と同じ操作を行った。
【0112】(1)被加工材料…Ti−6Al−4V(
形状寸法は、実施例1と同じ)
【0113】 (2)表面清浄化処理 ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0114】 (3)ニッケルフラッシュメッキ(置換法)処理■  
メッキ層の厚さを1.5μmとしたことを除き実施例4
の場合と同じ ■  水洗
【0115】 (4)ニッケル・リン合金による金属メッキ処理■  
浴組成:スルファミン酸ニッケル   800g/l塩
化ニッケル              15g/lホ
ウ酸                    30g
/l次亜リン酸ソーダ           3g/l
BN                     20
0g/l■  処理温度:57℃ ■  電流密度:15A/dm2  ■  皮膜厚  :10μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0116】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−4To
rr炉内温度: 700℃ 処理時間:1.5時間
【0117】 (6)表面活性化処理 ■  2秒浸漬としたことを除き実施例1の場合と同じ
■  水洗
【0118】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層形成処理 (ニッケル・リン合金− Al2O3微細粒子複合メッ
キ処理) ■  浴組成:スルファミン酸ニッケル   800g
/l塩化ニッケル              15g
/lホウ酸                    
30g/l次亜リン酸ソーダ           3
g/lAl2O3                 
   200g/l■  処理温度:57℃ ■  電流密度:15A/dm2  ■  皮膜厚  :20μm ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0119】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 200番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :5〜7μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0120】 (9)固体潤滑被覆膜層形成処理 ■  被覆膜層の厚さを20μmとしたことを除き実施
例3の場合と同じ ■  乾燥(180℃、1時間)
【0121】(10)テスト結果を表1に示す。
【0122】比較例1 下記の操作および実施例1と同じテストを行った。
【0123】(1)被加工材料… JIS Ti2種(
形状寸法は実施例1の場合と同じ)
【0124】 (2)表面清浄化処理 ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0125】 (3)銅フラッシュメッキ(置換法)処理■  実施例
1の場合と同じ ■  水洗
【0126】(4)ニッケル・リン合金による電気メッ
キ処理 ■  実施例1の場合と同じ。 ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0127】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−4To
rr炉内温度: 400℃ 処理時間:40分
【0128】 (6)表面活性化処理 ■  実施例1の場合と同じ ■  水洗
【0129】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層形成処理 ■  複合メッキ処理(実施例1の場合と同じ)■  
水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0130】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 220番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :6〜8μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0131】 (9)固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理■  被覆膜層
の厚さを15μmとしたことを除き実施例2の場合と同
じ ■  乾燥(180℃、1時間)
【0132】(10)テスト結果を表1に示す。
【0133】比較例2下記の操作および実施例1と同じ
テストを行った。
【0134】(1)被加工材料… JIS Ti2種(
形状寸法は、実施例1と同じ)
【0135】 (2)表面粗面化処理 グリッド 220番アルミナ粒子によるショットブラス
ト処理(表面粗さ  Rz :6〜8μm)
【0136
】(3)表面清浄化処理 トリクレン蒸気洗浄
【0137】 (4)固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理■  実施例1
の場合と同じ ■  乾燥(180℃、1時間)
【0138】参考例1 下記の操作および実施例1と同じテストを行った。
【0139】(1)被加工材料… JIS Ti2種(
形状寸法は、実施例1と同じ)
【0140】 (2)表面清浄化処理(特願平2−30494 号、実
施例1記載の方法による) ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0141】(3)銅ストライクメッキ■  浴組成:
硫酸銅          60g/lロッセル塩  
   160g/l 苛性ソーダ      50g/l ■  処理温度:常温 ■  電流密度:0.5A/dm2  ■  皮膜厚:1μm ■  水洗
【0142】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
実施例1の場合と同じ。 ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0143】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−5To
rr処理温度: 450℃ 処理時間:3時間
【0144】 (6)表面活性化処理 ■  実施例1の場合と同じ ■  水洗
【0145】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層の形成処理■  複合メッ
キ処理(実施例1の場合と同じ)■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0146】(8)テスト結果を表1に示す。
【0147】参考例2 下記の操作および実施例と同じテストを行った。
【0148】(1)被加工材料… JIS Ti2種(
形状寸法は、実施例1と同じ)
【0149】 (2)表面清浄化処理(特願平2−129268号の実
施例1と同一方法による) ■  アルミナによるショットブラスト処理■  トリ
クレン蒸気洗浄 ■  アルカリ脱脂(実施例1の場合と同じ)■  水
洗 ■  塩酸による酸洗(実施例1の場合と同じ)■  
水洗
【0150】 (3)銅ストライクメッキ ■  メッキ層の厚さを2μmとしたことを除き参考例
1の場合と同じ。 ■  水洗
【0151】 (4)ニッケル・リン合金による電気メッキ処理■  
メッキ層の厚さを10μmとしたことを除き実施例1の
場合と同じ ■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0152】 (5)真空加熱処理    真空度  :10−3To
rr処理温度: 500℃ 処理時間:3時間
【0153】 (6)表面活性化処理 ■  実施例1の場合と同じ ■  水洗
【0154】 (7)耐熱耐摩耗性被覆膜層の形成処理■  複合メッ
キ処理(実施例1の場合と同じ)■  水洗 ■  熱風乾燥(約80℃)
【0155】 (8)表面粗面化処理 ■  グリッド 200番アルミナ粒子によるショット
ブラスト処理(表面粗さ、Rz :5〜7μm)■  
トリクレン蒸気洗浄
【0156】 (9)固体潤滑被覆膜層形成・焼付処理■  実施例1
の場合と同じ ■  乾燥(180℃、1時間)
【0157】(10)テスト結果を表1に示す。
【表1】
【0158】表1における各特性の評価基準は下記の通
り。
【0159】 密着性  :◎  試験片破断まで被覆膜層の剥離なし
、また、被覆膜層の外観性能に異常なし ○  試験片の変形量10mmまで、被覆膜層の剥離な
し、また、被覆膜層の外観性能に異常なし △  試験片の変形量10mmまでに、被覆膜層の一部
分に剥離を生じた ×  試験片の変形量10mmまでに、広範囲に被覆膜
層の剥離を生じた
【0160】 耐熱性  :○  約 350℃まで十分な耐熱性を有
する×  約 150℃まで十分な耐熱性を有する
【0
161】 耐摩耗性:○  荷重 715〜780kg において
焼付き発生×  荷重65kgにおいて焼付き発生
【0
162】表1のテスト結果から明らかなように本発明方
法(実施例1〜6)により形成された複合被覆膜層は、
変形量(Cross Headの落下距離)を10mm
までにおいて剥離などや、外観、特性の変化などの異常
は認められず、密着性に優れ、かつ耐熱性および耐摩耗
・耐摺動性にすぐれたものであった。
【0163】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法により
チタン含有金属材料上に形成された複合被覆膜層は、優
れた密着性と耐熱性と耐摩耗性とを有し、さらに油潤滑
方式を用いない乾式条件下の摺動においても、摺動摩擦
抵抗を驚異的に低下させることが可能であり、このため
耐焼付き性を著しく向上させることができる。
【0164】本発明の方法は、具体的には、例えばチタ
ンまたはチタン合金などからなる金属材料は、航空機部
品、自動車および自動二輪車等の車両部品、並びにその
他の部品の製造に効果的に利用できるものである。本発
明方法を用いて得られた上記部品製品は、前記の優れた
性能を発揮することができる。また、従来摺動部材とし
て利用されていた特殊鋼材に代えて、本発明方法によっ
て形成された複合被覆膜層を有するチタン含有金属材料
を用いることによって、当該部品の軽量化に寄与すると
ともに、その耐久性をも著しく向上させ得るなどの効果
も併せ奏することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  チタン含有金属材料の表面に、下記処
    理工程: (A)表面清浄化処理、(B)置換法による銅、又はニ
    ッケルの無電解フラッシュメッキ処理、(C)ニッケル
    による電気メッキ、又はニッケル・リン合金による電気
    メッキ処理、(D)10−1〜10−5Torrの真空
    圧下、 450℃以上の温度における1時間以上の真空
    加熱処理、(E)表面活性化処理、(F)ニッケル・リ
    ン合金、またはコバルトからなるマトリックスと、この
    マトリックス中に分散され、かつ SiC, Si3N
    4, BN, Al2O3, WC, ZrB2、ダイ
    ヤモンド、および CrBから選ばれた少なくとも1種
    からなる微細粒子とを含む耐熱耐摩耗性被覆膜層の形成
    処理、(G)表面粗さ(Rz)を1.0〜10.0μm
    とする表面粗面化処理、および(H)MoS2、グラフ
    ァイト、ボロンナイトライド、およびフッ素含有樹脂か
    ら選ばれた少なくとも1種を含有する固体潤滑被覆膜層
    の形成およびその焼付処理を順次に施すことを特徴とす
    る、チタン含有金属材料上に複合被覆膜層を形成する方
    法。
  2. 【請求項2】  前記無電解フラッシュメッキ処理によ
    り形成される銅、又はニッケルのメッキ層の厚さを0.
    1〜2μmにコントロールする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】  前記電気メッキ処理により形成される
    ニッケル、又はニッケル・リン合金のメッキ層の厚さを
    5〜30μmにコントロールする請求項1に記載の方法
  4. 【請求項4】  前記表面活性処理において、被処理材
    料を、減圧下で放冷し、その後、この被処理材料の表面
    を、3〜10重量%の弗化水素酸と、50〜70重量%
    の硝酸とを含有する水溶液に、2〜5秒間接触させる、
    請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】  前記耐熱耐摩耗性被覆膜層の形成処理
    において、前記微細粒子が、0.1〜10.0μmの平
    均粒径を有し、かつ形成される耐熱耐摩耗性被覆膜層の
    厚さを5〜 500μmにコントロールする、請求項1
    に記載の方法。
  6. 【請求項6】  前記表面粗面化処理が、グリッド番号
    が 120番〜 270番のアルミナ粒子を乾式法、又
    は湿式法により被処理材料の被処理面に吹き当てること
    によって施される、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】  前記固体潤滑被覆膜層の形成および焼
    付処理により形成される固体潤滑被覆膜層の厚さを5〜
    30μmにコントロールする、請求項1に記載の方法。
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