JP2014162886A - 半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 - Google Patents
半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014162886A JP2014162886A JP2013036858A JP2013036858A JP2014162886A JP 2014162886 A JP2014162886 A JP 2014162886A JP 2013036858 A JP2013036858 A JP 2013036858A JP 2013036858 A JP2013036858 A JP 2013036858A JP 2014162886 A JP2014162886 A JP 2014162886A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silicone resin
- resin composition
- component
- inorganic filler
- compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Abstract
【解決手段】環状シロキサン化合物(a1)とビニルオキシ基又はアリルオキシ基を有する脂環式不飽和化合物(a2)とをヒドロシリル化して得られるシリコーン化合物(A)、ビニル基を有する環状シロキサン化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)からなる樹脂成分と、無機フィラー(D)を含有する半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物であって、
無機フィラー(D)は、フッ化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化ジルコニウムから選ばれる1種以上の無機粒子(d1)と、該無機粒子の疎水性処理物(d2)の混合物であり、無機フィラー(D)の含有量が、(A)成分と(B)成分および(C)成分の総和を100重量部として、0.1〜40重量部であり、無機粒子(d2)の割合が無機フィラー(D)の20〜80wt%であることを特徴とする半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物により提供する。
【選択図】なし
Description
このように従来のLED用非導電性接着剤においては、接着力や耐熱性試験や耐光性試験による透過率を十分満足させるに至っていないのが現状である。
無機フィラー(D)は、フッ化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化ジルコニウムから選ばれる1種以上の無機粒子(d1)と、該無機粒子の疎水性処理物(d2)の混合物であり、無機フィラー(D)の含有量が、(A)成分と(B)成分および(C)成分の総和を100重量部として、0.1〜40重量部であり、無機粒子(d2)の割合が無機フィラー(D)の20〜80wt%であることを特徴とする半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記ヒドロシリル化触媒(C)は、白金系触媒であることを特徴とする半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記無機フィラー(D)は、バンドギャップエネルギーが2.8eV以上であり、屈折率が1.2〜1.8の無機粒子であることを特徴とする半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、無機粒子(d2)は、炭素数1〜20のアルコール、有機シリル化合物、有機酸、または有機アミンから選ばれる1種以上の有機物によって疎水性変性処理されていることを特徴とする半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物が提供される。
この組成物は、透明性が高いので、LED素子を接着すると、下面に発光した光が透明接着剤を透過しリードフレーム面で反射させ、その光も外部に出力でき外部量子効率の上昇を図ることができる。また、同時にLEDの封止樹脂として使用すれば、熱膨張係数なども同じなので接着剤と封止樹脂の界面で剥離を防止することができる。
本発明の半導体素子接着剤用シリコーン樹脂組成物(以下、シリコーン樹脂組成物、あるいは単に樹脂組成物ともいう)は、環状シロキサン化合物(a1)とビニルオキシ基又はアリルオキシ基を有する脂環式不飽和化合物(a2)とをヒドロシリル化して得られるシリコーン化合物(A)、ビニル基を有する環状シロキサン化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)からなる樹脂成分と、無機フィラー(D)を含有する半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物であって、
無機フィラー(D)は、フッ化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化チタン、または酸化ジルコニウムから選ばれる1種以上の無機粒子(d1)と、該無機粒子の疎水性処理物(d2)の混合物であり、無機フィラー(D)の含有量が、(A)成分と(B)成分および(C)成分の総和を100重量部として、0.1〜40重量部であり、無機粒子(d2)の割合が無機フィラー(D)の20〜80wt%であることを特徴とする。
本発明におけるシリコーン化合物(A)は、環状シロキサン化合物(a1)とビニルオキシ基又はアリルオキシ基を有する脂環式不飽和化合物(a2)とをヒドロシリル化して得られるものである。
フェニル基は、二重結合により光劣化が起こることから、分子あたり3個以下、好ましくは1個以下とすることが好ましい。
中でも、1,2−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,2,4−シクロヘキサントリメタノールトリビニルエーテルが好ましく、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルがより好ましい。
ヒドロシリル化反応される(a1)成分と(a2)成分は、(A)成分のシリコーン化合物1分子中に、2個以上のSi−H基を含有するような比率で配合される。例えば、(a1)成分中のSi−H基の数をX、(a2)成分中のSi−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合の数をYとしたとき、X:Yが10:1〜8:1となるのが好ましい。シリコーン化合物の粘度の点から、7:1〜5:1が更に好ましく、4:1〜2:1が最も好ましい。
本発明において、引き続き(A)成分のシリコーン化合物に、他の成分(B)、さらには成分(D)(E)を配合する場合、ここでのヒドロシリル化触媒の使用量を(a1)成分と(a2)成分との反応必要量以上とすることができ、これにより後述する(C)成分:ヒドロシリル化触媒の追加量を節減するようにしてもよい。
なお、本発明における(A)成分としては、前記特許文献5の記載に基づく市販品を利用することができるが、Si−H基の濃度が1〜100mmol/gを外れたものでは、硬化性が不十分となるか保存安定性が低下することがあり好ましくない。
なお、(A)成分として前記特許文献5の記載に基づく市販品を利用することができるが、重量平均分子量が50,000〜300,000を外れたものでは、耐熱性が不十分となるかハンドリング性が低下することがある。
本発明における(B)成分は、前記(A)成分がもつSi−H基との反応性を有する炭素−炭素二重結合を1分子中に2個以上含有する環状シロキサン化合物である。
この環状シロキサン化合物の二重結合の数は、3〜15個が好ましく、硬化物の架橋密度を高める点から3〜8個がより好ましい。このSi−H基と反応性を有する炭素−炭素二重結合は、ビニル基を必須とし、アルケニル基等も含んでよい。ケイ素原子に結合したビニル基(Si−CH=CH2基)であると反応性が高いのでより好ましい。
この(B)成分は、前記環状シロキサン化合物(a1)と基本骨格が同様であるが、側鎖に反応性の二重結合を有する点に特徴がある。
反応性などから、2,4,6,8,10−ペンタメチル−2,4,6,8,10−ペンタビニルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサメチル−2,4,6,8,10,12−ヘキサビニルシクロヘキサシロキサンが更に好ましく、2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンが最も好ましい。
本発明における(C)成分としては、ヒドロシリル化反応の触媒活性を有するものであれば特に限定されない。このような触媒としては、例えば、白金、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム及びインジウム等の第VIII族の金属からなる錯体、又は化合物等が挙げられる。前記環状シロキサン化合物(a1)とビニルオキシ基又はアリルオキシ基を有する脂環式不飽和化合物(a2)とのヒドロシリル化に用いた白金、パラジウム、ロジウム系触媒の使用が好ましい。
パラジウム系触媒又はロジウム系触媒としては、例えば上記白金系触媒の白金原子の代わりにパラジウム原子又はロジウム原子を含有する化合物が挙げられる。これらは1種で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ヒドロシリル化触媒としては、反応性が高いという点で白金系触媒が好ましく、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、または白金−カルボニルビニルメチル錯体が更に好ましく、白金−カルボニルビニルメチル錯体が最も好ましい。
本発明においては、(A)成分のシリコーン化合物を合成する際にヒドロシリル化触媒を使用しているので、ここでの添加量は、不足分を(C)成分として追加すれば良い。いいかえれば、(A)成分のシリコーン化合物の合成時に過剰量のヒドロシリル化触媒を使用しており、その過剰量が(B)成分のヒドロシリル化に十分な量であれば、新たに追加する必要はない。
本発明では、(D)成分の無機フィラーとして、光透過性の無機粒子を使用する。この無機フィラーは、シリコーン樹脂組成物の粘性を調整するチクソ調整剤として機能し、シリコーン樹脂組成物が硬化した際に硬化物の強度を向上し、さらに半導体素子であるLED等を接着した場合は、発光した光を吸収しないという特徴がある。
このような無機フィラーとしては、フッ化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムまたは二酸化ケイ素などがあげられる。以下、これらから選ばれる1種以上を無機粒子(d1)という。このうち特に好ましいものは、二酸化ケイ素である。 これらの粒子(粉末)は、単独で用いることができるが、2種以上を混合して使用しても差し支えない。
一方、このバンドギャップエネルギーが2.8eV未満であると、その粒子のもつ波長吸収域が440nm以上となり、発光したLEDなどで光の吸収を招く。本発明で用いるシリコーン化合物(A)は、屈折率が1.4〜1.6付近を示すものである。従って、その屈折率に近い、屈折率が1.2〜1.8の無機粒子を使用すると光透過性を得ることができる。特に、シリコーン化合物(A)の屈折率と同等な1.4〜1.6程度の無機粒子を使用することが好ましい。屈折率が1.2〜1.8の範囲から外れていると、光透過性が得られない場合がある。
また、無機粒子の色は特に限定されないが、光の波長吸収を防ぐためには白色系の粉末か、その接着するLED等が発光する波長と同色をした粉末が望ましい。
組成物中で無機フィラーの1次粒子は、それぞれ分散して存在していることが望ましい。それらが凝集しあって2次粒子を形成しうる場合は、分散剤などを配合するなどの手段をとることが好ましい。
そのため本発明において、無機粒子(D)は、上記の無機粒子(d1)と、該無機粒子の疎水性処理物(d2)の混合物で構成する。
該無機粒子の疎水性処理とは、水酸基(OH基)によって覆われ、親水性である無機粒子(d1)を、そのOH基と反応する有機物、すなわち炭素数1〜20のアルコール、有機シリル化合物、有機酸、有機アミンから選ばれる1種以上によって疎水性変性処理することである。
シランカップリング剤としては、加水分解によってシラノール基を生じるものが使用でき、例えば、アルコキシシラン化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシランが挙げられる。またクロロシランとして、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシランなどが挙げられる。さらには、ビニル基を含有するビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、エポキシ基を含有する3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシ基を含有する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを挙げることができる。
これらの中でも、発光ダイオード(LED)チップ用の場合、塩素基や芳香族基をもたない、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン化合物が好ましい。
また、有機アミンとしては、C1〜C30アルキル基を有するオレイルアミン、オクタデシルアミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミンなどのアルキルアミン、アリールアミンなどが挙げられる。ポリエチレングリコール官能アミン(例えば、ジェファミン材料)でもよい。
以上のほかに、アルキルチオール、アリールチオール、アルキルカルボン酸、アリールカルボン酸、アルキルホスフィン酸、アリールホスフィン酸なども使用できる。
疎水性変性の処理方法は、無機粒子と上記の有機物を接触させ、物理/化学的方法により無機粒子の表面に有機物を吸着させるか、あるいは共有結合させる方法などを用いる。
本発明において、無機粒子(d2)は、シリコーン化合物(A)、ビニル基を有する環状シロキサン化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)からなる樹脂成分が、半導体素子基板に対して、塗布性を向上させるという機能を有する。すなわち、無機粒子(d2)は、表面に有機物に由来する炭化水素残基を有するので、それが樹脂成分や被着面、無機粒子(d1)との水素結合を進展させないため、塗布性の経時変化を抑制させる。少な過ぎると塗布性を悪化させ、多すぎると接着強度や浸み出しへ悪影響を与える場合がある。
上記各成分を所定量含有した本発明のシリコーン樹脂組成物は、室温(25℃)で良好な流動性、すなわち塗布性を有しており、ハンドリング性に優れている。しかも、以下の実施例に示すように、大気中150℃で120分経過後の熱重量減少が小さく、高温での保存安定性に優れている。
本発明のケイ素含有硬化物は、上記のシリコーン樹脂組成物を加熱することにより硬化させた硬化物である。
シリコーン樹脂組成物の硬化反応は、本発明のシリコーン樹脂組成物の配合成分を別々に用意して使用直前に混合する方法、あらかじめ配合成分の全部を混合しておき硬化反応を行うときに加熱などにより硬化する方法があり、いずれの方法で行ってもよい。
加熱硬化温度は、配合成分の種類や量によっても異なるが、35〜350℃が好ましく、50〜250℃がより好ましい。また、硬化時間も配合成分の種類や量によっても異なるが、0.01〜10時間が好ましく、0.05〜6時間がより好ましい。
また、本発明では(a2)成分が脂環構造であるので硬化収縮が小さく、エーテル基を有するので可撓性があることから、高温での耐熱性に優れる硬化物となる。さらに、本発明に係る(a1)成分が環状シロキサン化合物であるため、鎖状化合物の場合に比べて硬化物の物理的強度(剛直性)、耐クラック性等が向上する。
それは、以下の実施例に示されており、室温での接着強度だけでなく、250℃に加熱した状態で測定される熱間接着強度も高く、硬化物を150℃のオーブンに1500時間放置したときの透過率の低下が小さく耐熱性にも優れている。また、硬化物に340nmを超える波長の光を照射したとき、400nmの透過率の低下率が小さく耐光性にも優れている。
また、本発明においては、バンドギャップエネルギーが2.8eV以上、かつ屈折率が1.2〜1.8の無機粒子(d1)に対して、疎水性処理を施した無機粒子(d2)を特定量含有しており、この無機粒子(d2)が、シリコーン化合物(A)、ビニル基を有する環状シロキサン化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)からなる樹脂成分を、半導体素子基板に対して、塗布しやすくし、接着強度を向上させている。
本発明の半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物は、青色や白色発光ダイオード(LED)チップなどの接着剤として使用でき、半導体素子の封止樹脂としても使用することができる。
現在、一般的な青色や白色LEDでは基板がサファイアであり、その基板の上にGaN層などを堆積させている。一般的にサファイアは絶縁体なので上下導通できず、上面のGaN層から2つの電極を取っている。
LEDチップは、リードフレームに接着させる必要があるが、上記理由により接着剤に導電性は必要ない。透明であれば、下面に発光した光が透明接着剤を透過しリードフレーム面で反射させ、その光も外部に出力でき外部量子効率の上昇を図ることができる。同時にLEDの封止樹脂としてシリコーン樹脂組成物を使用すれば、熱膨張係数なども同じなので接着剤と封止樹脂の界面で剥離することを抑制することが期待できる。
シリコーン化合物(A):ヒドロシリル基の濃度が5.0mmol/g、重量平均分子量が150,000、重量平均分子量とSi−H基の含有量から得られた1分子あたりのSi−H基の数は750であった。
ビニル基を有する環状シロキサン化合物(B):2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンを用いた。
ヒドロシリル化触媒(C):白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を使用した。なお、シリコーン化合物(A)にヒドロシリル化触媒(C)が0.003%含有している。
無機フィラー(d1)B:市販の酸化アルミニウム粉末(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROXIDE)。バンドギャップエネルギーが2.8eV以上、平均粒径0.03μmの白色粉末を使用した。
無機フィラー(d1)C:市販の酸化チタン粉末(日本アエロジル株式会社製、商品名:AEROXIDE)。バンドギャップエネルギーが2.8eV以上、平均粒径0.08μmの白色粉末を使用した。
無機フィラー(d2)E:市販の酸化アルミニウム粉末の疎水化処理物(処理剤として、ジメチルジエトキシシランを使用)。バンドギャップエネルギーが2.8eV以上、平均粒径0.03μmの白色粉末を使用した。
無機フィラー(d2)F:市販の酸化チタン粉末の疎水化処理物(処理剤として、ジメチルジエトキシシランを使用)。バンドギャップエネルギーが2.8eV以上、平均粒径0.08μmの白色粉末を使用した。
<接着強度>
ステンレス基板上にシリコーン樹脂組成物を滴下し、1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオーブン中に120分間放置して硬化させた。室温まで冷却した後、上記アルミナ基板に対し水平方向から上記シリコンチップに力を加え、該シリコンチップが剥がれた時の力を接着強度として測定した。接着強度は35N以上であれば合格とした。
<熱間強度>
ステンレス基板の上にシリコーン樹脂組成物を滴下し、1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオーブン中に120分間放置して硬化させた。室温まで冷却した後、250℃に加熱してあるホットプレート上に上記Cu基板を20秒間放置し、加熱したまま、該ステンレス基板に対して水平方向から上記シリコンチップに力を加え、該シリコンチップが剥がれた時の力を熱間強度として測定した。熱間強度は5N以上であれば合格とした。
厚さ1mmの硬化物の400nmの透過率を分光光度計を用いて測定した。その際、初期透過率が90%以上の場合:◎、80%以上の場合:○、60%以上の場合:△、60%以下の場合:×とした。
<耐熱性>
厚さ1mmの硬化物を150℃のオーブンに1500時間放置し、400nmの透過率を分光光度計を用いて測定した。その際、初期からの透過率の低下率が5%未満の場合:◎、10%未満の場合:○、10〜20%未満の場合:△、20%以上の場合:×とした。
<耐光性>
厚さ1mmの硬化物に高圧水銀ランプに340nm以下をカットするフィルターを装着し、100mW/cm2で24時間照射し、400nmの透過率を分光光度計を用いて測定した。その際、初期からの低下率が5%未満の場合:◎、10%未満の場合:○、10〜40%未満の場合:△、40%以上の場合:×とした。
シリンジ中に充填した樹脂組成物を、シリンジ吐出口に取り付けた内径0.2mmのニードルから25点連続で吐出した。その際、円錐状もしくは半球形状になっているものは「○」、糸を引いて隣の点と触れたり、隣の点に線状で伸びてしまったり、また円錐状の角が高くなって2mm以上になるものが3点以上あった場合は「×」とした。
<浸み出し>
アルミナ基板上にシリコーン樹脂組成物を滴下し、1.5mm角のシリコンチップを載せ、150℃のオーブン中に120分間放置して硬化させた。室温まで冷却した後、上記アルミナ基板のシリコーン樹脂組成物を実体顕微鏡で観察し、浸み出しが観られているか確認した。浸み出しが認められなかった場合:○、浸み出しが認められた場合:×とした。
<総合評価>
得られたサンプルについて、接着強度、熱間強度、初期透過率、耐光性試験後、耐熱性試験後、塗布性、浸み出しについて調べた結果、接着強度は35N以上、熱間強度は5N以上、初期透過率、耐光性試験後、耐熱性試験後が「◎」、塗布性は「○」、浸み出しは「○」となったもののみ、総合評価を「○」とし、どれか一つでも満たさない特性があった場合は、「×」とした。
表1の重量割合に従って各原料を配合し、3本ロール型混練機で混練することにより、本発明のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。このシリコーン樹脂組成物のサンプルを用い、前記の要領で硬化物を作製し、性能を評価した。得られた結果を表1に併記した。
なお、実施例1は、特許文献4(特開2009−280747)に記載の要領で製造したシリコーン化合物(A)、環状シロキサン化合物(B)、およびヒドロシリル化触媒(C)を使用し、シリコーン化合物(A)100重量部に対して、環状シロキサン化合物を10重量部、無機フィラー(d1)Aを4.7重量部、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを7重量部配合した。
また、実施例2は、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを本発明の範囲内で増やし、9.4重量部とし、無機フィラー(d1)Aを2.3重量部に減らした以外は実施例1と同様にして本発明のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。実施例3は、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを本発明の範囲内で減らし、2.3重量部とし、無機フィラー(d1)Aを9.4重量部に増やした以外は実施例1と同様にして本発明のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。
また、実施例4は、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aをともに本発明の範囲内で減らしたとした以外は実施例1と同様にして本発明のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。実施例5は、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aをともに本発明の範囲内で増やした以外は実施例1と同様にして本発明のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。
また、実施例6〜7は、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dの代わりに、疎水化処理した無機フィラー(d2)E、あるいは疎水化処理した無機フィラー(d2)Fを用い、かつ無機フィラー(d1)Aの代わりに、無機フィラー(d1)B,あるいは無機フィラー(d1)Cを用いて実施例1と同様にして本発明のシリコーン樹脂組成物を作製した。さらに、実施例8は、無機フィラー(d1)Aの代わりに、無機フィラー(d1)Cを用いて実施例1と同様にして本発明のシリコーン樹脂組成物を作製した。
実施例1で用いたと同じシリコーン化合物(A)、環状シロキサン化合物、およびヒドロシリル化触媒からなる樹脂成分に対して、比較例1は、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを本発明の範囲外となるよう増やし、9.9重量部とし、無機フィラー(d1)Aを1.8重量部に減らした以外は実施例1と同様にして、比較用のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。比較例2は、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを本発明の範囲外となるよう減らし、1.8重量部とし、無機フィラー(d1)Aを9.9重量部に増やした以外は実施例1と同様にして、比較用のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。
また、比較例3は、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aをともに本発明の範囲外になるよう減らした以外は実施例1と同様にして、比較用のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製し、比較例4は、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aをともに本発明の範囲外となるよう増やし、比較例5は、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aをともに配合せず、比較用のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。
そして、これらシリコーン樹脂組成物のサンプルを用い、前記の要領で硬化物を作製し、性能を評価した。得られた結果を表1に併記した。表3に、参考までに無機フィラーとシランカップリング剤の含有比率の関係を示した。
実施例1のシリコーン樹脂組成物に代えて、比較例6は、汎用エポキシ樹脂接着剤として住友金属鉱山社製T−3925を用いた。この汎用エポキシ樹脂接着剤には、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aが本発明相当分含まれているが、シリコーン樹脂は含まれていない。
また、比較例7は、汎用シリコーン樹脂接着剤として信越化学社製の汎用品(KER−3000M2)を用いた。この汎用シリコーン樹脂接着剤には、樹脂成分100重量部に対して、無機フィラーおよびシランカップリング剤を添加していない。さらに、比較例8は汎用シリコーン樹脂接着剤に実施例1と同じく、疎水化処理した無機フィラー(d2)D、無機フィラー(d1)Aを添加したサンプルを作製した。これらの汎用シリコーン樹脂接着剤は、本発明のシリコーン化合物(A)とは異なる構造である。実施例と同一の上記評価条件で評価し、得られた評価結果は、表2に併記した。
さらに、比較例9は、実施例1に対して、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを使用せず、無機フィラー(d1)Bを7重量部配合し、比較例10は、疎水化処理した無機フィラー(d2)Dを使用せず、無機フィラー(d1)Cを11.7重量部配合し、比較用のシリコーン樹脂組成物のサンプルを作製した。
上記結果を示す表1から、実施例は本発明のシリコーン樹脂組成物を用いており、シリコーン樹脂成分に対して、無機フィラーを特定量配合しており、その一部が疎水化処理した無機粒子から構成されているので、全ての性能評価が優れており、総合評価が合格となっている。
これに対して、表2から分かるように、比較例では本発明のシリコーン樹脂組成物とは、無機フィラーと疎水化処理した無機粒子の配合量が異なるか、本発明に係るシリコーン樹脂成分を用いていないので、いずれかの性能評価が悪くなり、総合評価が不合格となっている。
比較例9、10は、本発明に係るシリコーン樹脂成分に無機フィラーを配合したが、疎水化処理した無機粒子を配合しなかったので、塗布性が要求を満たしていない。
Claims (6)
- 環状シロキサン化合物(a1)とビニルオキシ基又はアリルオキシ基を有する脂環式不飽和化合物(a2)とをヒドロシリル化して得られるシリコーン化合物(A)、ビニル基を有する環状シロキサン化合物(B)、ヒドロシリル化触媒(C)からなる樹脂成分と、無機フィラー(D)を含有する半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物であって、
無機フィラー(D)は、フッ化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、または酸化チタンから選ばれる1種以上の無機粒子(d1)と、該無機粒子の疎水性処理物(d2)の混合物であり、無機フィラー(D)の含有量が、(A)成分と(B)成分および(C)成分の総和を100重量部として、0.1〜40重量部であり、無機粒子(d2)の割合が無機フィラー(D)の20〜80wt%であることを特徴とする半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物。 - シリコーン化合物(A)は、ヒドロシリル基の濃度が1〜10mmol/gであることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物。
- ヒドロシリル化触媒(C)は、白金系触媒であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物。
- 無機フィラー(D)は、バンドギャップエネルギーが2.8eV以上であり,屈折率が1.2〜1.8の無機粒子であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物。
- 無機粒子(d2)は、炭素数1〜20のアルコール、有機シリル化合物、有機酸、または有機アミンから選ばれる1種以上の有機物によって疎水性変性処理されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1〜5の何れかに記載のシリコーン樹脂組成物を加熱硬化させてなるケイ素含有硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013036858A JP6048212B2 (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013036858A JP6048212B2 (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014162886A true JP2014162886A (ja) | 2014-09-08 |
JP6048212B2 JP6048212B2 (ja) | 2016-12-21 |
Family
ID=51613807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013036858A Expired - Fee Related JP6048212B2 (ja) | 2013-02-27 | 2013-02-27 | 半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6048212B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280747A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Adeka Corp | ケイ素含有硬化性組成物 |
JP2010018719A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Adeka Corp | ケイ素含有硬化性組成物 |
-
2013
- 2013-02-27 JP JP2013036858A patent/JP6048212B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009280747A (ja) * | 2008-05-26 | 2009-12-03 | Adeka Corp | ケイ素含有硬化性組成物 |
JP2010018719A (ja) * | 2008-07-11 | 2010-01-28 | Adeka Corp | ケイ素含有硬化性組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6048212B2 (ja) | 2016-12-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4586967B2 (ja) | 発光半導体被覆保護材及び発光半導体装置 | |
JP5549568B2 (ja) | 光半導体素子封止用樹脂組成物及び当該組成物で封止した光半導体装置 | |
JP4300418B2 (ja) | エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及び発光半導体装置 | |
JP5686497B2 (ja) | 光電子デバイス光透過表面の保護用シリコーン樹脂 | |
JP4614075B2 (ja) | エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及びその製造方法、並びに発光半導体装置 | |
JP6027209B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物、硬化物、封止材、及び半導体装置 | |
JP5830201B2 (ja) | 硬化性樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置 | |
WO2013008842A1 (ja) | 光半導体装置用封止剤及び光半導体装置 | |
JP4479882B2 (ja) | 砲弾型発光半導体装置 | |
KR20150065672A (ko) | 광반도체 소자 밀봉용 실리콘 조성물 및 광반도체 장치 | |
KR20170057330A (ko) | 경화성 실리콘 수지 조성물 및 그의 경화물 | |
JP6313722B2 (ja) | 付加硬化型シリコーン組成物および半導体装置 | |
JP7248645B2 (ja) | 硬化性オルガノポリシロキサン組成物及び光半導体装置 | |
WO2017122712A1 (ja) | 硬化性樹脂組成物、硬化物、封止材、及び半導体装置 | |
JP6307465B2 (ja) | 縮合硬化型シリコーン組成物および半導体装置 | |
JP2014162885A (ja) | 半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 | |
JP6966411B2 (ja) | 付加硬化型シリコーン樹脂組成物、その硬化物、及び光半導体装置 | |
JP2007191697A (ja) | エポキシ・シリコーン混成樹脂組成物及び光半導体装置 | |
KR20140071961A (ko) | 광반도체 장치용 경화성 조성물 | |
JP6048212B2 (ja) | 半導体素子接着用シリコーン樹脂組成物及びそれを用いたケイ素含有硬化物 | |
WO2022004464A1 (ja) | 硬化性シリコーン組成物及びその硬化物 | |
JP2007180284A (ja) | 発光装置 | |
JP7021049B2 (ja) | 付加硬化型シリコーン樹脂組成物、その硬化物、及び光半導体装置 | |
JP2017002172A (ja) | 高硬度ポリシロキサン硬化物を与える硬化性樹脂組成物及びその硬化物 | |
TWI829640B (zh) | 可固化聚矽氧組合物及光學半導體裝置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20150508 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150608 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150625 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160414 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160426 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160623 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161025 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161107 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6048212 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |