JP2014162814A - プラスチック基板用硬化性樹脂組成物及びその用途 - Google Patents

プラスチック基板用硬化性樹脂組成物及びその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】特にプラスチック基板用に適しており、当該基板との密着性や耐溶剤性とともに、高い表面硬度等を安定して発現できる硬化物を与え得るプラスチック基板用硬化性樹脂組成物を提供する。また、このようなプラスチック基板用硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜、並びに、該硬化膜を有する表示装置用部材及び表示装置も提供する。
【解決手段】プラスチック基板に用いられる硬化性樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物は、無機微粒子、光重合開始剤、多官能(メタ)アクリレート化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含み、該アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に1.3〜5mmol/gの二重結合が導入された重合体であるプラスチック基板用硬化性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プラスチック基板用硬化性樹脂組成物及びその用途に関する。より詳しくは、プラスチック基板を用いた各種表示装置の構成部材等に有用な硬化性樹脂組成物、それを用いた硬化膜、表示装置用部材及び表示装置に関する。
熱や活性エネルギー線によって硬化しうる硬化性樹脂組成物は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等に代表される各種表示装置の構成部材等の各種用途への適用が種々検討され、各用途で要求される特性に優れた硬化性樹脂組成物の開発がなされている。これらの用途のうち、タッチパネル式表示装置とは、近年の情報技術の発展により、従来のキーボードやマウス等による入力操作に替えて、指やタッチペン等で画面に触れることで入力操作を行うことができる表示装置であり、入力操作が直感的に分かりやすく容易であるため、近年、急速に普及されつつある。
タッチパネル式表示装置は、概ね、触れた位置を検出する原理に電気を用いる方式と用いない方式との2種類に大別される。電気を用いる方式には抵抗膜方式や静電容量方式、電磁誘導方式等が、用いない方式には赤外線方式や超音波表面弾性波方式等があり、製造コストが低く軽量化も容易なことから、抵抗膜方式が主流となっている。抵抗膜方式は、通常、ガラス基板上に、微少なスペーサーを介してフィルムが配置され、ガラス基板及びフィルムの向かい合う面の各々にITO(酸化インジウムスズ;Indium Tin Oxide)等の透明導電膜が形成された構造からなるが、経時変化や衝撃に弱く誤作動が多い等の点で、静電容量方式の需要が増えつつあり、開発が進められている。静電容量方式には表面型と投影型との2つの種類があり、後者は小型化が容易なため、スマートフォンやタブレット型の携帯端末等に多く採用されている。これらの静電容量方式のタッチパネル式表示装置は一般に、基板上に、ITO等の透明導電膜、透明導電膜を保護するための保護膜や絶縁膜レジスト、及び、配線等を組み立てることで構成されたタッチパネルが、液晶や有機EL(エレクトロルミネッセンス)等の素子上に配置された構造からなる。
また液晶表示装置や固体撮像素子等の主要部材の1つに、カラーフィルタがある。カラーフィルタは一般に、基板(基材とも称す)、画素及び樹脂ブラックマトリクス(BM)に加え、画素及び樹脂ブラックマトリクスを被覆・保護し、かつそれらの凹凸を平坦化するために設けられる保護膜等から構成される。
これらの各種表示装置等に含まれる保護膜や絶縁膜等の構成部材には、通常、基板等との密着性や高い表面硬度を安定して発揮できること等が求められている。また、各種表示装置の製造過程等では溶剤に晒されることが多い点から、耐溶剤性に優れることも求められている。
ところで、各種表示装置等に用いられる基板(基材)としては、従来、透明性等の観点からガラス基板が用いられてきた。だが、スマートフォンやタブレット型の携帯端末等の普及が進み、これらの軽量化が求められている現状から、基板がプラスチック基板へシフトしていくものと予想される。プラスチック基板は、軽量化を図れるだけでなく、割れにくくフレキシブルで曲面にすることが可能なため、利便性の観点からも好適である。
従来の硬化性樹脂組成物としては、例えば、アルカリ水溶液可溶性樹脂、重合性多官能化合物、光重合開始剤、絶縁粒子及び溶剤を含む透明絶縁保護膜形成用ネガ型感光性樹脂組成物が開示され(特許文献1参照)、ガラス基板への適用が意図されている。また、芳香環を分子内に有するビニルモノマーを必須構成単位とする(共)重合体、分子内にカルボキシル基を含まない多官能(メタ)アクリレートモノマー(B)及び光ラジカル重合開始剤を必須成分として含有するアルカリ現像可能なタッチパネルの保護膜形成用感光性樹脂組成物が開示され(特許文献2参照)、基板としては透明ガラス基板の開示しかない。更に、カルボキシル基を有しない特定式量のエチレン性不飽和モノマー及びカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを含むエチレン性不飽和モノマーをラジカル重合してなる共重合体中のカルボキシル基に対し、エポキシ基含有エチレン性不飽和モノマーのエポキシ基を特定量反応させてなる感光性樹脂を含有する感光性組成物が開示されている(特許文献3参照)。
特開2012−53180号公報 特開2012−48185号公報 特開2011−33951号公報
上述したように、各種表示装置における保護膜や絶縁膜等に代表される硬化性樹脂組成物の硬化物には、基板等との密着性や耐溶剤性、及び、高い表面硬度を安定して発揮できること等が求められている。そして近年では、軽量化等の観点から、プラスチック基板に特に好適に適用できる硬化性樹脂組成物が要望されている。なお、ガラス基板とプラスチック基板とでは、一般にプラスチック基板の方が耐熱性に劣るため、プラスチック基板を用いた系ではガラス基板を用いた系よりも低温で硬化を行う必要がある。それゆえ、ガラス基板に適した硬化性樹脂組成物をそのままプラスチック基板に適用した場合には、充分に硬化しないことがあり、また硬化したとしても硬化物の表面硬度や密着性が充分なレベルに達しないことがある。そこで、プラスチック基板を用いる系で通常設定されるような低温で硬化した場合でも、充分に硬化し、かつ基板等との密着性や高い表面硬度を安定して発揮できるようにするための技術が求められている。
しかしながら、これらのニーズに充分に対応できる硬化性樹脂組成物は未だ開発されていないのが現状である。例えば、特許文献1や2には、基板としてガラス基板の開示しかなく、プラスチック基板に好適に適用できる硬化性樹脂組成物を得るための工夫の余地があった。中でも特に、特許文献2の樹脂組成物では、プラスチック基板との密着性が充分ではなく、また、硬化物の表面硬度の点でも課題があった。また、特許文献3の樹脂組成物では、硬化物の表面硬度が充分なものとはならないため、この点で改善の余地があった。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、特にプラスチック基板用に適しており、当該基板との密着性や耐溶剤性とともに、高い表面硬度等を安定して発現できる硬化物を与え得るプラスチック基板用硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、このようなプラスチック基板用硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜、並びに、該硬化膜を有する表示装置用部材及び表示装置を提供することも目的とする。
本発明者等は、プラスチック基板に用いられる硬化性樹脂組成物について種々検討したところ、無機微粒子、光重合開始剤、多官能(メタ)アクリレート化合物及び特定のアルカリ可溶性樹脂を含む組成物とすると、感光性や平滑性、表面硬度、基板との密着性等に優れる硬化物を与えることができることを見いだした。具体的には、アルカリ可溶性樹脂として、側鎖に特定量の二重結合が導入された重合体を用いると、低温で硬化した場合でも充分に硬化でき、当該基板との密着性に優れ、かつ表面硬度が著しく向上された硬化物が得られることを見いだした。この硬化物は充分な密着性を有するため、耐溶剤性にも優れたものとなる。それゆえ、このような硬化性樹脂組成物は、プラスチック基板に特に適したものとなることを見いだした。また、このような硬化性樹脂組成物が、タッチパネル式表示装置やカラーフィルタ等に使用される保護膜又は絶縁膜形成用の樹脂組成物として特に好適であり、これから形成される硬化膜、表示装置用部材及び表示装置が、近年の高性能化・小型化・軽量化の要望に充分に対応できるものとなることを見いだした。また、鉛筆硬度や耐溶剤試験後の質量減少率が特定範囲にあるレジスト硬化膜についても同様に、近年の高性能化・小型化・軽量化の要望に充分に対応できることを見いだし、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
なお、本発明者等は、アルカリ可溶性樹脂として側鎖に特定量の二重結合が導入された重合体を用いる代わりに、多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量を増やすことで組成物全体としての二重結合量を増やすことも検討したが、この場合には、充分な表面硬度や密着性、耐溶剤性は得られないことを見いだしている。例えば、(比較的)低分子の多官能(メタ)アクリレート化合物よりも、高分子のアルカリ可溶性樹脂に二重結合を多く導入した方が、露光により効率よく高分子量化するため、耐溶剤性や密着性に優れた硬化膜が得られやすいと考えられる。
すなわち本発明は、プラスチック基板に用いられる硬化性樹脂組成物であって、該硬化性樹脂組成物は、無機微粒子、光重合開始剤、多官能(メタ)アクリレート化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含み、該アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に1.3〜5mmol/gの二重結合が導入された重合体であるプラスチック基板用硬化性樹脂組成物である。
本発明はまた、上記プラスチック基板用硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜でもある。
本発明はまた、プラスチック基板上に形成された硬化膜であって、該硬化膜は、レジスト硬化膜であり、該硬化膜は、JIS−K5600−5−4(1999年)に準じた試験(但し、荷重を500gとする)での鉛筆硬度がHB以上であって、かつ下記耐溶剤性試験での質量減少率が20質量%以下である硬化膜でもある。
(耐溶剤性試験)
5cm角のプラスチック基板上に形成された硬化膜をN−メチル−2−ピロリドン25gに常温(20℃)で3時間浸漬した後、硬化膜を取り出し、常温でアセトン25gに10秒浸漬して置換する。その後、終夜(12時間、常温放置)で風乾した後、120℃で60分間乾燥させる。この乾燥後の硬化膜の質量をBとし、N−メチル−2−ピロリドン浸漬前の硬化膜の質量をAとして、硬化膜の質量減少率(質量%)を下記式により求める。
硬化膜の質量減少率=|(A−B)/A|×100
なお、上記試験では、プラスチック基板に付いた硬化膜を採取して行ってもよい。また、硬化膜が付いたプラスチック基板を浸漬する際は、下記点に留意する。
・プラスチック基板が5cm角より小さい場合は、適宜、溶剤の量を調整して試験を行う(例えば、後述する実施例2の硬化膜を標準として、その質量減少率に一致する溶剤量に調整する)。
・プラスチック基板が溶剤によって減量する場合は、耐溶剤性試験前後のプラスチック基板の質量を確認し硬化膜の質量減少分から差し引くことで、硬化膜の実質減少率を算出する。
本発明は更に、プラスチック基板と、上記硬化膜とを有する表示装置用部材でもある。
本発明はそして、プラスチック基板と、上記硬化膜とを有する表示装置でもある。
以下に本発明を詳述する。なお、以下に記載される本発明の個々の好ましい形態を2又は3以上組み合わせた形態も本発明の好ましい形態である。
本発明のプラスチック基板用硬化性樹脂組成物(以下、単に「硬化性樹脂組成物」とも称す)は、無機微粒子と、光重合開始剤と、多官能(メタ)アクリレート化合物と、アルカリ可溶性樹脂とを含むが、これら含有成分は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。また、必要に応じて、更に、他の成分を1種又は2種以上含んでいてもよい。
本明細書中、「硬化性樹脂組成物の固形分総量」とは、無機微粒子と、多官能(メタ)アクリレート化合物と、更に他の重合性単量体を含む場合は当該他の重合性単量体と、アルカリ可溶性樹脂と、更にカップリング剤を含む場合は当該カップリング剤と、の合計量を意味する。
<無機微粒子>
上記無機微粒子は、金属や金属化合物(ここでいう金属には、ケイ素等のいわゆる半金属も含む)等の無機化合物から構成される微粒子であればよいが、金属又は金属化合物を構成する金属としては、例えば、カルシウム、バリウム、チタン、ケイ素、アルミニウム等の1種又は2種以上が好適である。中でも、炭酸カルシウムや硫酸バリウム等の金属塩;酸化チタン、酸化ケイ素(シリカ等)、酸化アルミニウム等の金属酸化物;がより好ましく、金属酸化物が更に好ましい。中でも特に、シリカが好適である。すなわち上記無機微粒子は、シリカ微粒子であることが好適である。なお、ケイ素原子に加え、更に他の金属原子を含む複合金属酸化物であってもよい。
上記無機微粒子の平均粒子径は、例えば、1〜500nmであることが好適である。この範囲内にあることで、無機微粒子の分散性及び分散安定性が充分なものとなり、分散性により優れるうえ、経時変化がより抑制された硬化物を与えることが可能になる。より好ましくは1〜300nm、更に好ましくは1〜200nm、特に好ましくは1〜100nmである。
平均粒子径は、例えばレーザー回折式粒度分布測定機を用いて測定することができる。
上記無機微粒子は、乾燥された粉末状のものを用いてもよいし、有機溶媒に分散された分散体形状(例えば、コロイダルシリカ等)のものを用いてもよいが、上記硬化性樹脂組成物の分散安定性の観点からは、有機溶媒に分散された分散体形状のものを用いることが好適である。すなわち、上記無機微粒子は、有機溶媒分散体として上記硬化性樹脂組成物中に含まれることが好ましい。
上記分散体の形成に使用される有機溶媒(分散媒)としては、例えば、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒等の他、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、キシレン、トルエン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒及び/又はエーテル系溶媒を用いることが好ましい。より好ましくはケトン系溶媒及び/又はエステル系溶媒を用いることであり、これにより、変色や着色、クラック等の外観の経時変化がなく分散性を維持でき、かつ充分な表面硬度及び密着性を有する硬化物を得ることができる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルアセテート等が好適である。
上記エーテル系溶媒としては、例えば、mアルキレングリコールnアルキルエーテル(m及びnは、同一又は異なって、モノ、ジ、トリ、テトラ等に代表される1以上の倍数接頭辞である)のアセチル化物等が好適である。mアルキレングリコールnアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられるが、mアルキレングリコールnアルキルエーテルそのもののように末端に水酸基を有するエーテル類(すなわちエーテル結合を有するアルコール類)は、その末端水酸基に起因してアルコール系溶媒としての性能を有するため、エーテル系溶媒ではなくアルコール系溶媒に該当するものとする。
上記アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ブタノール等の他、上記のmアルキレングリコールnアルキルエーテルのように、末端に水酸基を有するエーテル類(エーテル結合を有するアルコール類)も挙げられる。
上記無機微粒子として有機溶媒に分散してなる分散体を用いる場合、該有機溶媒(分散媒)の使用量は、無機微粒子を充分に分散できる量とすることが好適である。すなわち、硬化性樹脂組成物中の無機微粒子の含有割合が上述の好適な範囲内となり、かつ充分に無機微粒子が分散してなる状態になるように、該有機溶媒の使用量を調節することが好ましい。例えば、無機微粒子100質量部に対し、分散媒としての該有機溶媒の総量が50質量部以上であることが好適である。より好ましくは70質量部以上、更に好ましくは100質量部以上である。また、溶媒量が必要以上に多すぎると、簡便に硬化処理を行うことができなくなるおそれがあるため、600質量部以下であることが好適である。より好ましくは550質量部以下、更に好ましくは500質量部以下である。
上記有機溶媒分散体は、無機微粒子を、上述した有機溶媒に充分に分散することにより得ることができるが、市販品を使用することもできる。市販品としては例えば、MEK−ST、MEK−ST−L、MEK−ST−ZL、MEK−ST−UP、MEK−AC−2101、MEK−AC−4101、MEK−EC−2104、MEK−AC−2202、MEK−AC−5101等のメチルエチルケトンを分散媒とするオルガノシリカゾル;MIBK−ST、MIBK−SD、MIBK−SD−L等のメチルイソブチルケトンを分散媒とするオルガノシリカゾル;EAC−ST等の酢酸エチルを分散媒とするオルガノシリカゾル;NBAC−ST等の酢酸ブチルを分散媒とするオルガノシリカゾル;メタノールシリカゾル、MA−ST−M等のメタノールを分散媒とするオルガノシリカゾル;IPA−ST、IPA−ST−L等のイソプロパノールを分散媒とするオルガノシリカゾル;EG−ST等のエチレングリコールを分散媒とするオルガノシリカゾル;XBA−ST等のキシレン/n−ブタノールを分散媒とするオルガノシリカゾル;NPC−ST−30、PGM−ST等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルを分散媒とするオルガノシリカゾル;DMAC−ST等のジメチルアセトアミドを分散媒とするオルガノシリカゾル;TOL−ST等のトルエンを分散媒とするオルガノシリカゾル;PMA−ST等のプロピレングリコールモノメチルアセテートを分散媒とするオルガノシリカゾル;等が挙げられる(いずれも日産化学社製)。
上記硬化性樹脂組成物において、無機微粒子の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%中、5質量%以上であることが好適である。これにより、硬化物の表面硬度がより充分なものとなる。より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。また、現像性や分散安定性等の観点から、70質量%以下であることが好適である。より好ましくは60質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、特に好ましくは50質量%以下である。
なお、本発明では、多官能(メタ)アクリレート化合物(好ましくは3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物)を含むため、通常では硬化収縮が大きくなると予想される。このような場合、無機微粒子の含有量を多くして硬化収縮の低減を図ることが考えられるが、本発明では、硬化性樹脂組成物を上述した構成にすることで、無機微粒子の含有量を上述の好適な範囲ほど低くしても硬化収縮が緩和され、高硬度かつ高平滑性を示す硬化膜を得ることができる。そのため、無機微粒子を多量に含む場合に想定される現像性の低下を充分に回避することができる。
<アルカリ可溶性樹脂>
上記アルカリ可溶性樹脂は、アルカリ可溶性を示すものであり、かつ側鎖に1.3〜5mmol/gの二重結合が導入された重合体である。この側鎖への二重結合導入量(側鎖二重結合量とも称す)が当該範囲内にある重合体を硬化性樹脂組成物の必須成分として用いることで、プラスチック基板を用いる系で通常設定されるような低温で硬化した場合でも充分に硬化でき、当該基板との密着性に優れ、かつ表面硬度がより一層向上された硬化物が得られることになる。特に、側鎖への二重結合導入量が1.3mmol/g以上であると、当該硬化性樹脂組成物をプラスチック基板に塗布して硬化させた場合に、プラスチック基板との密着性が充分なものとなり、溶剤に晒された際にも充分な密着性を発現できる、すなわち耐溶剤性に優れたものとなり、また、硬化物の表面硬度も充分なレベルに達することができる。好ましくは1.5mmol/g以上、より好ましくは1.9mmol/g以上、更に好ましくは2mmol/g以上である。また、より良好な保存安定性や感度等の観点から、4.5mmol/g以下であることが好ましく、より好ましくは4.3mmol/g以下である。
上記側鎖二重結合量は、下記式のとおり、当該重合体の二重結合モル数(mmol)を、当該重合体の固形分質量(g)で除することにより、算出することができる。
重合体の側鎖二重結合量(mmol/g)=重合体中の二重結合モル数(mmol)/重合体の固形分質量(g)
なお、ここでいう重合体の固形分質量とは、後述するベースポリマー成分の質量と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合基を有する化合物の質量とを合計したものである。また、重合体の二重結合モル数は、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合基を有する化合物のモル数である。
上記アルカリ可溶性樹脂は、重量平均分子量が2000〜250000であることが好適である。分子量がこの範囲にあることで、より良好な現像性を発揮することが可能になる。耐溶剤性をより一層向上させる観点から、より好ましくは3000以上、更に好ましくは5000以上、特に好ましくは7000以上である。また、現像性等の観点から、より好ましくは100000以下、更に好ましくは50000以下、特に好ましくは30000以下である。
なお、上記アルカリ可溶性樹が高分子量である場合には、酸価が高い方が現像されやすくなる。
重量平均分子量は、例えば、ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液として、HLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法により求めることができる。
上記アルカリ可溶性樹脂はまた、分子内に酸基を有する重合体(「酸基含有重合体」とも称す)であることが好適である。酸基としては、例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水物基、リン酸基、スルホン酸基等、アルカリ水と中和反応する官能基が挙げられ、これらの1種のみを有していてもよいし、2種以上有していてもよい。中でも、カルボキシル基、カルボン酸無水物基が好ましく、カルボキシル基がより好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂が酸基含有重合体である場合、その酸価(AV)としては特に限定されないが、例えば、20mgKOH/g以上、300mgKOH/g未満であることが好適である。これにより、より充分なアルカリ可溶性が発現され、現像性により優れる硬化物を得ることが可能になる。酸価の下限値としてより好ましくは30mgKOH/g以上、更に好ましくは40mgKOH/g以上である。また、250mgKOH/g以下がより好ましく、更に好ましくは200mgKOH/g以下である。
重合体の酸価は、例えば、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−555」)により、重合体溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分とから、固形分あたりの酸価を計算することで求めることができる。また、重合体溶液の固形分は、次のようにして求めることができる。
重合体溶液をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させる。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定する。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度を算出する。
上記アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、酸基及び重合性二重結合を有する単量体を含む単量体成分を重合することにより得られる重合体(ベースポリマーとも称す)に、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の1種又は2種以上を反応させて得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体とも称す)であることが好適である。
なお、使用される各単量体は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
上記アルカリ可溶性樹脂として特に好ましくは、主鎖に環構造を有する重合体である。アルカリ可溶性樹脂として主鎖に環構造を有する重合体を用いると、耐熱性や表面硬度、密着性により優れ、また、例えばポストベイク(post−bake:熱処理)後の経時変化がより抑制されて各種物性をより一層安定して発現できる硬化物を得ることができる。このように上記アルカリ可溶性樹脂が主鎖に環構造を有する重合体である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
したがって、上記ベースポリマーを形成する単量体成分は、酸基及び重合性二重結合を有する単量体とともに、重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体を1種又は2種以上含むことが好適である。重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体としては、例えば、分子内に二重結合含有環構造を有する単量体や、環化重合して環構造を主鎖に有する重合体を形成し得る単量体等が挙げられる。
上記酸基及び重合性二重結合を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸、ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和多価カルボン酸類;コハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)等の不飽和基とカルボキシル基との間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物類;ライトエステルP−1M(共栄社化学製)等のリン酸基含有不飽和化合物;等が挙げられる。これらの中でも、汎用性、入手性等の観点から、カルボン酸系単量体(不飽和モノカルボン酸類、不飽和多価カルボン酸類、不飽和酸無水物類)を用いることが好適である。より好ましくは、反応性、アルカリ可溶性等の点で、不飽和モノカルボン酸類を用いることが好ましく、更に好ましくは(メタ)アクリル酸(すなわちアクリル酸及び/又はメタクリル酸)であり、このうち特に好ましくはメタクリル酸である。
上記酸基及び重合性二重結合を有する単量体の含有割合は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。これにより、アルカリに対する溶解性がより充分となり、例えば、現像性が必要とされる用途に更に有用な硬化性樹脂組成物となる。より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上、特に好ましくは20質量%以上である。また、例えばポストベイク後においても硬化物の優れた外観や密着性等をより維持できる点で、95質量%以下であることが好ましい。より好ましくは90質量%以下である。
上記単量体成分は、上述した酸基及び重合性二重結合を有する単量体に加えて、その他のラジカル重合性単量体(以下、「他の単量体」とも称す)を含むものであってもよい。
上記他の単量体としては、上述したように、重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体として、分子内に二重結合含有環構造を有する単量体や、環化重合して環構造を主鎖に有する重合体を形成し得る単量体等の1種又は2種以上が好適である。このような単量体としては、N置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好適である。このように上記アルカリ可溶性樹脂が、N置換マレイミド系単量体単位、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体単位、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート系単量体単位を有する重合体である形態は、本発明の好適な形態の1つである。
上記他の単量体としてはまた、その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体や芳香族ビニル系単量体等の1種又は2種以上も好適に使用される。
なお、特に、N置換マレイミド系単量体単位、及び/又は、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体単位を含む樹脂は、耐熱性や無機微粒子分散性、硬度等がより向上された硬化膜を与えることが可能になる。
上述の単量体単位を含む樹脂とは、例えば、単量体の重合反応や架橋反応によって当該単量体由来の構成単位を含む樹脂を意味する。
上記単量体成分において、N置換マレイミド系単量体としては、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−イソプロビルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ナフチルマレイミド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、着色の少なさや無機微粒子分散性に優れる点で、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ベンジルマレイミドが好ましく、特にN−ベンジルマレイミドが好適である。
上記N−ベンジルマレイミドとしては、例えば、ベンジルマレイミド;p−メチルベンジルマレイミド、p−ブチルベンジルマレイミド等のアルキル置換ベンジルマレイミド;p−ヒドロキシベンジルマレイミド等のフェノール性水酸基置換ベンジルマレイミド;o−クロロベンジルマレイミド、o−ジクロロベンジルマレイミド、p−ジクロロベンジルマレイミド等のハロゲン置換ベンジルマレイミド等が挙げられる。
上記ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体としては、着色の少なさや分散性、工業的入手の容易さ等の観点から、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等を用いることが好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートとしては、例えば、α−アリルオキシメチルアクリル酸、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸i−プロピル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−ブチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−アミル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ネオペンテル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−ヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−ヘプチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸n−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸s−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸t−オクチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸2−エチルヘキシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸カプリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノニル、α−アリルオキシメチルアクリル酸デシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ウンデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ラウリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸トリデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ミリスチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ペンタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セチル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ヘプタデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ステアリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸ノナデシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸エイコシル、α−アリルオキシメチルアクリル酸セリル、α−アリルオキシメチルアクリル酸メリシル等の鎖状飽和炭化水素基含有α−(アリルオキシメチル)アクリレートが好ましい。中でも、α−アリルオキシメチルアクリル酸メチル(「α−(アリルオキシメチル)メチルアクリレート」とも称す)が特に好適である。
上記α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートは、例えば、国際公開第2010/114077号パンフレットに開示されている製造方法により製造することができる。
上記N置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、1質量%以上であることが好ましく、また、40質量%以下であることが好ましい。この範囲にあると、耐熱性や無機微粒子分散性、表面硬度等がより向上された硬化膜を得ることが可能になる。なお、これらの単量体成分に由来する主鎖環構造の含有量が増加すると、密着性が向上する傾向にある。また、N置換マレイミド系単量体の添加量をより増加させると、硬度の点でより優れる硬化物が得られ、また、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体を用いることにより、耐熱着色性の点でより優れる硬化物が得られる。なお、N置換マレイミド系単量体の含有割合が多すぎると、現像速度がより適切なものとはならないことがある。上記N置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの含有割合としてより好ましくは2〜40質量%、更に好ましくは3〜35質量%である。
上記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体とは、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート以外の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を意味し、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸s−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシメチルアクリル酸エチル等の他、1,4−ジオキサスピロ[4,5]デク−2−イルメタアクリル酸、(メタ)アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルアクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの化合物の市販品としては、例えばMMDOL30、MEDOL30、MIBDOL30、CHDOL30、MEDOL10、MIBDOL10、MIBDOL10、CHDOL10、ビスコート150、ビスコート160(以上、大阪有機化学工業社製)、ACMO(興人社製)、A−LEN−10(新中村化学社製)等が挙げられる。中でも、耐熱性が優れる点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレートが好ましい。より好ましくは、耐熱性、密着性、現像性が優れる点で、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び/又は、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレートを用いることである。
なお、上記ベースポリマーを得るために使用される単量体成分が、更に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、及び、アルコキシ化フェニルフェノール(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種の(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記芳香族ビニル系単量体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。中でも、樹脂の耐熱着色性や耐熱分解性の点で、スチレン、ビニルトルエンが好適である。
上記その他の(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び/又は芳香族ビニル系単量体の含有割合(2種以上用いる場合はその合計の割合)は、例えば、上記ベースポリマー成分100質量%に対し、1〜80質量%であることが好適である。この範囲にあると、耐熱着色性、無機微粒子分散性、アルカリ可溶性により優れる硬化物を得ることができる。より好ましくは5〜75質量%、更に好ましくは10〜70質量%である。
上記他の単量体としてはまた、例えば、下記の化合物等の1種又は2種以上を用いることもでき、その含有割合は、上記ベースポリマー成分100質量%中、20質量%以下とすることが好適である。
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム等の重合体分子鎖の片末端に(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の共役ジエン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルモルフォリン、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物類;(メタ)アクリル酸イソシアナトエチル、アリルイソシアネート等の不飽和イソシアネート類等。
上記単量体成分を重合する方法としては、バルク重合、溶液重合、乳化重合等の通常用いられる手法を用いることができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよい。中でも、溶液重合が、工業的に有利で、分子量等の構造調整も容易であるため好適である。また、上記単量体成分の重合機構は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位重合等の機構に基づいた重合方法を用いることができるが、ラジカル重合機構に基づく重合方法が、工業的にも有利であるため好ましい。
上記重合反応における重合開始方法は、熱や電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー源から重合開始に必要なエネルギーを単量体成分に供給すればよく、更に重合開始剤を併用すれば、重合開始に必要なエネルギーを大きく下げることができ、また、反応制御が容易となるため好適である。
また上記単量体成分を重合して得られる重合体の分子量は、重合開始剤の量や種類、重合温度、連鎖移動剤の種類や量の調整等により制御することができる。
上記単量体成分を溶液重合法により重合する場合、重合に使用する溶媒としては、重合反応に不活性なものであれば特に限定されるものではなく、重合機構、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件に応じて適宜設定すればよいが、後に硬化性樹脂組成物とした際に、希釈剤等として溶剤を用いる場合には、該溶剤を含む溶媒を、単量体成分の溶液重合に用いることが、効率的で好ましい。
上記溶媒としては、例えば、下記の化合物等が好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等。
これらの溶媒の中でも、得られる重合体の溶解性、塗膜を形成する際の表面平滑性、人体及び環境への影響の少なさ、工業的入手のし易さから、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、乳酸エチルを用いることがより好適である。
上記溶媒の使用量としては、上記ベースポリマー成分100質量部に対し、50〜1000質量部であることが好適である。より好ましくは、100〜500質量部である。
上記単量体成分をラジカル重合機構により重合する場合には、熱によりラジカルを発生する重合開始剤を使用することが、工業的に有利で好ましい。このような重合開始剤としては、熱エネルギーを供給することによりラジカルを発生するものであれば特に限定されるものではなく、重合温度や溶媒、重合させる単量体の種類等の重合条件に応じて、適宜選択すればよい。また、重合開始剤とともに、遷移金属塩やアミン類等の還元剤を併用してもよい。
上記重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、過酸化水素、過硫酸塩等の通常重合開始剤として使用される過酸化物やアゾ化合物等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記重合開始剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記ベースポリマー成分100質量部に対して、0.1〜20質量部とすることが好適である。より好ましくは0.5〜15質量部である。
上記重合ではまた、必要に応じて、通常使用される連鎖移動剤を使用してもよい。好ましくは、重合開始剤と連鎖移動剤とを併用することである。なお、重合時に連鎖移動剤を使用すると、分子量分布の増大やゲル化を抑制できる傾向にある。
上記連鎖移動剤としては、例えば、メルカプト酢酸、3−メルカプトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸類;メルカプト酢酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル、3−メルカプトプロピオン酸n−オクチル、3−メルカプトプロピオン酸メトキシブチル、3−メルカプトプロピオン酸ステアリル、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)等のメルカプトカルボン酸エステル類;エチルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、1,2−ジメルカプトエタン等のアルキルメルカプタン類;2−メルカプトエタノール、4−メルカプト−1−ブタノール等のメルカプトアルコール類;ベンゼンチオール、m−トルエンチオール、p−トルエンチオール、2−ナフタレンチオール等の芳香族メルカプタン類;トリス〔(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル〕イソシアヌレート等のメルカプトイソシアヌレート類;2−ヒドロキシエチルジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド等のジスルフィド類;ベンジルジエチルジチオカルバメート等のジチオカルバメート類;α−メチルスチレンダイマー等の単量体ダイマー類;四臭化炭素等のハロゲン化アルキル類等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、入手性、架橋防止能、重合速度低下の度合いが小さい等の点で、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類、アルキルメルカプタン類、メルカプトアルコール類、芳香族メルカプタン類、メルカプトイソシアヌレート類等のメルカプト基を有する化合物を用いることが好適である。より好ましくは、アルキルメルカプタン類、メルカプトカルボン酸類、メルカプトカルボン酸エステル類であり、更に好ましくは、n−ドデシルメルカプタン、メルカプトプロピオン酸である。
上記連鎖移動剤の使用量は、使用する単量体の種類や量、重合温度、重合濃度等の重合条件、目標とする重合体の分子量等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、重量平均分子量が数千〜数万の重合体を得るには、上記ベースポリマー成分100質量部に対し、0.1〜20質量部とすることが好適である。より好ましくは0.5〜15質量部である。
上記重合の条件に関し、重合温度としては、使用する単量体の種類や量、重合開始剤の種類や量等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、50〜150℃が好ましく、70〜120℃がより好ましい。また、重合時間も同様に適宜設定することができるが、例えば、1〜5時間が好ましく、2〜4時間がより好ましい。
上記アルカリ可溶性樹脂は、このように上記単量体成分を重合して得られる重合体(ベースポリマー)に、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物を1種又は2種以上反応させて得られる重合体(側鎖二重結合含有重合体)であることが好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物において、重合性二重結合としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる、当該化合物として、これらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、反応性の点で、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、酸基と結合し得る官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基等が挙げられ、当該化合物として、これらの1種又は2種以上を有するものが好適である。中でも、変成処理反応の速さ、耐熱性、分散性の点から、エポキシ基(グリシジル基を含む)が好ましい。
上記酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸β−エチルグリシジル、ビニルベンジルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、ビニルシクロヘキセンオキシド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、エポキシ基及び(メタ)アクリロイル基を有する化合物(単量体)を用いることが好適である。
上記側鎖二重結合含有重合体を得る方法としては、例えば、上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させる際に、該ベースポリマー成分の酸基(好ましくはカルボキシル基)の量を、該酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物の量より過剰にする方法;上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させた後に、更に多塩基酸無水物基を有する化合物を反応させる方法;等が挙げられる。
上記ベースポリマー成分(好ましくはカルボキシル基を有する重合体)と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させる工程は、良好な反応速度を確保し、かつゲル化を防ぐために、50〜160℃の温度範囲で行うことが好ましい。より好ましくは70〜140℃、更に好ましくは90〜130℃である。また、反応速度を向上するために、触媒として、通常使用されるエステル化又はエステル交換用の塩基性触媒や酸性触媒を用いることができる。中でも、副反応が少なくなるため、塩基性触媒を用いることが好ましい。
上記塩基性触媒としては、例えば、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等の3級アミン;テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、n−ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩;テトラメチル尿素等の尿素化合物;テトラメチルグアニジン等のアルキルグアニジン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド化合物;トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等の3級ホスフィン;テトラフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムブロマイド等の4級ホスホニウム塩;等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、反応性、取扱い性やハロゲンフリー等の点で、ジメチルベンジルアミン、トリエチルアミン、テトラメチル尿素、トリフェニルホスフィンが好ましい。
上記触媒の使用量は、上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合基を有する化合物との合計量100質量部に対し、0.01〜5.0質量部とすることが好ましい。より好ましくは0.1〜3.0質量部である。
上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物とを反応させる工程はまた、ゲル化を防ぐために、重合禁止剤を添加し、分子状酸素含有ガスの存在下で行うことが好ましい。分子状酸素含有ガスとしては、通常、窒素等の不活性ガスで希釈された空気又は酸素ガスが用いられ、反応容器内に吹き込まれる。
上記重合禁止剤としては、通常使用されるラジカル重合性単量体用の重合禁止剤を用いることができ、例えば、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、トリメチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メトキシフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系禁止剤、有機酸銅塩やフェノチアジン等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。中でも、低着色、重合防止能力等の点でフェノール系禁止剤が好ましく、入手性、経済性から、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、メトキノン、6−t−ブチル−2,4−キシレノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノールがより好ましい。
上記重合禁止剤の使用量としては、充分な重合防止効果の確保、及び、硬化性樹脂組成物としたときの硬化性等の観点から、上記ベースポリマー成分と、酸基と結合し得る官能基及び重合性二重結合を有する化合物との合計量100質量部に対し、0.001〜1.0質量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.5質量部である。
上記多塩基酸無水物基を有する化合物としては、例えば、無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
上記硬化性樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましく、また、70質量%以下であることが好適である。このような範囲にあることで、本発明の効果をより顕著に奏することが可能となる。より好ましくは10〜65質量%、更に好ましくは10〜50質量%、特に好ましくは10〜40質量%である。
<多官能(メタ)アクリレート化合物>
上記多官能(メタ)アクリレート化合物とは、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物である。このような化合物を含むことで、硬化性樹脂組成物が感光性及び硬化性に優れたものとなり、極めて高硬度の硬化膜を得ることが可能になる。上記多官能(メタ)アクリレート化合物の官能数として好ましくは3以上であり、より好ましくは4以上、更に好ましくは5以上である。また、硬化収縮をより抑制する観点から、官能数が10以下が好ましく、より好ましくは8以下であり、更に好ましくは6以下である。
なお、(メタ)アクリロイル基とは、メタクリロイル基及び/又はアクリロイル基を意味するが、反応性により優れる観点からアクリロイル基が好ましい。すなわち、上記多官能(メタ)アクリレート化合物は、アクリロイル基を2個以上有する多官能アクリレート化合物であることが特に好適である。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物の分子量としては特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である。より好ましくは1000以下である。また、100以上のものが好適である。
上記2官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物としては特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFアルキレンオキシドジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン付加ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物;等。
本発明では特に、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物を用いることが特に好適である。このように上記多官能(メタ)アクリレート化合物が、3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、現像性や製版性により優れる観点から、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、5質量%以上であることが好ましい。また、60質量%以下であることが好適である。より好ましくは8〜60質量%、更に好ましくは10〜60質量%である。
<光重合開始剤>
上記光重合開始剤として好ましくは、ラジカル重合性の光重合開始剤である。ラジカル重合性の光重合開始剤とは、電磁波や電子線等の活性エネルギー線の照射により重合開始ラジカルを発生させるものであり、通常使用されるものを1種又は2種以上使用することができる。また、必要に応じて、光増感剤や光ラジカル重合促進剤等を1種又は2種以上併用してもよい。光重合開始剤とともに、光増感剤及び/又は光ラジカル重合促進剤を使用することにより、感度や硬化性がより向上される。
上記光重合開始剤として具体的には、例えば、下記の化合物等が挙げられる。
2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−〔(4−メチルフェニル)メチル〕−1−〔4−(4−モルホリニル)フェニル〕−1−ブタノン等のアルキルフェノン系化合物;
ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン系化合物;
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシカルボキニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等のハロメチル化トリアジン系化合物;
2−トリクロロメチル−5−(2’−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−〔β−(2’−ベンゾフリル)ビニル〕−1,3,4−オキサジアゾール、4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−フリル−1,3,4−オキサジアゾール等のハロメチル化オキサジアゾール系化合物;
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等のビイミダゾール系化合物;
1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン,1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−,1−(O−アセチルオキシム)等のオキシムエステル系化合物;
ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン系化合物;
p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等の安息香酸エステル系化合物;
9−フェニルアクリジン等のアクリジン系化合物;
2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE651」、BASF社製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(「DAROCUR MBF」、BASF社製)等のベンジルケタール系化合物;
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「IRGACURE184」、BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(「DAROCUR1173」、BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(「IRGACURE2959」、BASF社製)、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE127」、BASF社製)、[1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン+ベンゾフェノン](「IRGACURE500」、BASF社製)等のハイドロケトン系化合物;
2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(「LUCIRIN TPO」、BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(「IRGACURE819」、BASF社製)等のホスフィンオキシド系化合物;
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(「IRGACURE907」、BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(「IRGACURE369」、BASF社製)、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(「IRGACURE379」、BASF社製)等のアミノケトン系化合物;
ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム(「IRGACURE784」、BASF社製)等のチタノセン系化合物;
1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)] (「IRGACURE OXE01」、BASF社製)等のオキシムエステル系化合物;等。
上記の光重合開始剤の中でも、アミノケトン系化合物(アミノケトン系重合開始剤とも称す)を少なくとも用いることが特に好適である。これにより、表面硬度及び現像性がより優れたものとなる。また、ハイドロケトン系化合物(ハイドロケトン系重合開始剤とも称す)や、ベンジルケタール系化合物(ベンジルケタール系重合開始剤とも称す)を用いることも好適である。
上記光重合開始剤と併用してもよい光増感剤や光ラジカル重合促進剤としては、例えば、キサンテン色素、クマリン色素、3−ケトクマリン系化合物、ピロメテン色素等の色素系化合物;4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等のジアルキルアミノベンゼン系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のメルカプタン系水素供与体等が挙げられる。
上記光重合開始剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、1質量部以上であることが好適である。これにより、密着性により優れた硬化物を得ることができ、例えばポストベイク後においても剥がれがより充分に抑制される。より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。また、光重合開始剤の分解物が与える影響や経済性等とのバランスを考慮すると、35質量部以下であることが好ましい。より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは25質量部以下である。
本発明ではまた、上述したように重合開始剤としてアミノケトン系重合開始剤を少なくとも用いることが好適であるが、この場合、重合開始剤の総量(すなわちアミノケトン系重合開始剤及び他の重合開始剤の合計量)100質量%に対し、アミノケトン系重合開始剤が20質量%以上であることが好適である。より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、特に好ましくは55質量%以上である。
また上記光増感剤及び光ラジカル重合促進剤の含有量(総量)としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性、分解物が与える影響及び経済性のバランスの観点から、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.001〜20質量部であることが好ましい。より好ましくは0.01〜15質量部、更に好ましくは0.05〜10質量部である。
<他の成分>
−カップリング剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、更に、カップリング剤を含むことが好適である。カップリング剤は、無機物の酸化表面と加水分解反応や縮合反応をすることによって結合するという性質を有するものであるが、これにより、例えばITO等が蒸着された基板等への密着性がより充分に発揮されることになる。
上記カップリング剤としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、イソシアナート等の反応性基を有するカップリング剤が好適である。中でも、反応性基としてビニル基、(メタ)アクリロイル基及び/又はエポキシ基を有するものが好ましい。より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。また、中心金属として、例えば、ケイ素、ジルコニア、チタン及び/又はアルミニウム等を含むものが好適であり、中でも、ケイ素を中心金属として有するものが好ましく、より好ましくはシランカップリング剤である。シランカップリング剤を用いることにより、硬化物の分散性、密着性及び表面硬度をより充分なものとすることができる。シランカップリング剤の中でも、(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤が特に好ましく、これにより、現像性や密着性が更に一層向上されることになる。
なお、ケイ素以外の金属を中心金属として有するカップリング剤としては、例えば、ジルコアルミネート系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、上述した反応性基の1種又は2種以上と、アルコキシシラン基(−Si(OR3−n(R;ORは、加水分解性基を表し、Rは炭化水素基であることが好適である。Rは、炭化水素基を表す。nは、0、1又は2である。)とを有する化合物であることが好適である。中でも、ビニル基、(メタ)アクリロイル基及び/又はエポキシ基を有するシランカップリング剤を用いることが好適であり、これにより、変色や着色、クラック等の外観の経時変化がなく分散性をより充分に維持でき、かつより充分な表面硬度及び密着性を有する硬化物を得ることが可能になる。
上記ビニル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリロイル基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記エポキシ基を有するシランカップリング剤として具体的には、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記アミノ基を有するシランカップリング剤としては、例えば、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記メルカプト基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記イソシアナート基を有するシランカップリング剤としては、例えば、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記硬化性樹脂組成物において、カップリング剤の含有量は、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%中、3質量%以上であることが適当である。3質量%以上であることで、より一層充分な密着性及び表面硬度を安定して発現することができる。好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。また、硬化性樹脂組成物の保存安定性等の観点から、30質量%以下であることが好適である。より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下である。
−溶剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、溶剤を含むことが好適である。溶剤は、希釈剤等として好ましく使用される。すなわち具体的には、粘度を下げ取扱い性を向上する;乾燥により塗膜を形成する;無機微粒子の分散媒とする;等のために好適に使用されるものであり、硬化性樹脂組成物中の各含有成分を溶解又は分散することができる、低粘度の有機溶媒又は水である。
上記溶剤としては、通常使用するものを使用することができ、目的、用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されないが、例えば、下記の化合物等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類;テトラヒドロフラン,ジオキサン等の環状エーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3−メトキシブタノール等のグリコールモノエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールモノエーテルのエステル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル等のアルキルエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;水;等。
上記溶剤の使用量としては、目的、用途に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物の総量100質量%中に、10〜90質量%含まれるようにすることが好ましい。より好ましくは20〜80質量%である。
−他の重合性単量体−
上記硬化性樹脂組成物はまた、上記多官能(メタ)アクリレート化合物以外の重合性単量体(他の重合性単量体とも称す)を更に含んでもよい。他の重合性単量体として好ましくはラジカル重合性単量体であるが、ラジカル重合性単量体とは、フリーラジカル、電磁波(赤外線、紫外線、X線等)、電子線等の活性エネルギー線の照射等により重合するラジカル重合性不飽和基を有する低分子化合物である。
上記ラジカル重合性単量体としては、分子内にラジカル重合性不飽和基を1つ有する単官能性のラジカル重合性化合物と、2個以上有する多官能性のラジカル重合性化合物(ただし、上記多官能(メタ)アクリレート化合物に該当するものを除く)とに分類することができ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。中でも、硬化性の観点から、多官能性のラジカル重合性化合物が好ましい。より好ましくは、反応性、経済性、入手性等の点から、多官能(メタ)アクリレート類、多官能ウレタン(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類等の、(メタ)アクリロイル基を有する多官能性単量体である。
また上記ラジカル重合性単量体の分子量は特に限定されないが、取り扱いの観点から、例えば、2000以下が好適である。
上記単官能性のラジカル重合性化合物としては、特に限定されず、例えば、上述した(メタ)アクリル酸エステル系単量体;(メタ)アクリルアミド類;不飽和モノカルボン酸類;不飽和基とカルボキシル基の間が鎖延長されている不飽和モノカルボン酸類;芳香族ビニル系単量体;N置換マレイミド系単量体;共役ジエン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類;N−ビニル化合物類;不飽和イソシアネート類等が挙げられる。
上記多官能性のラジカル重合性化合物としても特に限定されず、例えば、上述した不飽和多価カルボン酸類や不飽和酸無水物類の他、下記の化合物等が挙げられる。
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル等の多官能ビニルエーテル類;
(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−メチル−2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ビニロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸5−ビニロキシペンチル、(メタ)アクリル酸6−ビニロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸4−ビニロキシメチルシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸p−ビニロキシメチルフェニルメチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エチル等のビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、プロピレングリコールジアリルエーテル、ブチレングリコールジアリルエーテル、ヘキサンジオールジアリルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキシドジアリルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキシドジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタアリルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジトリメチロールプロパンテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、エチレンオキシド付加ジペンタエリスリトールヘキサアリルエーテル等の多官能アリルエーテル類;
(メタ)アクリル酸アリル等のアリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキレンオキシド付加トリ(メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の多官能(メタ)アクリロイル基含有イソシアヌレート類;トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリル基含有イソシアヌレート類;
トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の多官能イソシアネートと、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類との反応で得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート類;ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル類;等。
上記他の重合性単量体の含有割合は、上述した多官能(メタ)アクリレート化合物に由来する効果を充分に発揮させるため、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量%に対し、10質量%以下であることが好適である。より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であり、特に好ましくは0質量%、すなわち実質的に上記多官能(メタ)アクリレート化合物以外の重合性単量体を含まないことが特に好適である。
−重合禁止剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、硬化反応をより適切に制御する観点から、1種又は2種以上の重合禁止剤を含んでもよい。重合禁止剤としては、例えば、通常、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS)、酸化防止剤(老化防止剤も含む)等として使用されている化合物を用いることができる。具体的には例えば、下記の化合物等が挙げられる。
チヌビン400、チヌビン405(2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと、(2−エチルヘキシル)グリシド酸エステルとの反応生成物)、チヌビン460(2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3−5−トリアジン)、チヌビン477(水分散したヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線吸収剤)、チヌビン479(いずれもBASF社製)、アデカスタブLA−46(いずれもADEKA社製)等のヒドロキシフェニルトリアジン(HPT)系紫外線吸収剤;
チヌビンPS(2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール)、チヌビン99−2、チヌビン384−2、チヌビン900(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール)、チヌビン928(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)、チヌビン1130(いずれもBASF社製)、アデカスタブLA−29、アデカスタブLA−31、アデカスタブLA−32、アデカスタブLA−36(いずれもADEKA社製)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;
チヌビン111FDL、チヌビン123、チヌビン144(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ブチルマロネート)、チヌビン292(ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートとメチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケートとの混合物)、チヌビン5100(いずれもBASF社製)、アデカスタブLA−52、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−63P、アデカスタブLA−68、アデカスタブLA−72、アデカスタブLA−77、アデカスタブLA−81、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87、アデカスタブLA−402XP、アデカスタブLA−502XP(いずれもADEKA社製)等の光安定剤(HALS);
アンテージW−300(4,4’−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール))、アンテージW−400(2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール))、アンテージW−500(2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))、アンテージクリスタル(4,4’−チオ−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール))、アンテージBHT(2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール)、アンテージDAH(2,5−ジ−tert−アミルヒドロキノン)、アンテージDBH(2,5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン)、アンテージSP(スチレネイティッドフェノール)、アンテージ2LX(フェノール誘導体)、アンテージ3LX(フェノール誘導体)、アンテージW−200(いずれも川口化学工業社製)、アデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330(いずれもADEKA社製)等のフェノール系酸化防止剤;
アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−8C、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ2112RG、アデカスタブ1178、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010、アデカスタブTPP(いずれもADEKA社製)等のホスファイト系酸化防止剤;
アデカスタブAO−412S、アデカスタブAO−503(いずれもADEKA社製)等のチオエーテル系酸化防止剤;
アンテージ3C(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)、アンテージ6C(N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)、アンテージSTDP−N(フェノチアジン誘導体)、アンテージLDA(ジフェニルアミン誘導体)、アンテージOD(ジフェニルアミン誘導体)、アンテージDDA(ジフェニルアミン誘導体)、アンテージRD(重合された2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、アンテージAW(6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)、アンテージF、アンテージD、アンテージDP、アンテージODPP(いずれも川口化学工業社製)等のアミン系酸化防止剤;等。
上記の重合禁止剤の中でも、フェノール系酸化防止剤を少なくとも用いることが好適である。すなわち上記硬化性樹脂組成物は、更に、フェノール系酸化防止剤を含むことも好ましい。これにより、より一層優れた透明性、硬度及び現像性を、安定的に発揮できる硬化物を得ることが可能になる。
上記重合禁止剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.001質量部以上であることが好ましい。より好ましくは0.01質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上である。また、5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは3質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。
なお、本発明では、上述したように重合禁止剤としてフェノール系酸化防止剤を使用することが特に好適であるが、この場合、重合禁止剤の総量(すなわちフェノール系酸化防止剤及び他の重合禁止剤の合計量)100質量%に対し、フェノール系酸化防止剤が50質量%以上であることが好適である。より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上である。特に好ましくは100質量%、すなわち重合禁止剤として、実質的にフェノール系酸化防止剤のみを使用することである。
−フッ素系添加剤−
上記硬化性樹脂組成物はまた、硬化性をより一層向上させる観点から、1種又は2種以上のフッ素系添加剤(フッ素添加剤とも称す)を含んでもよい。フッ素系添加剤としては、構造中にフッ素原子を有する化合物であり、例えば、通常、フッ素系界面活性剤又はフッ素系表面改質剤等として使用されている化合物を用いることができる。
上記フッ素系添加剤は、硬化性樹脂組成物中で成分分離しないことが好ましい観点から、各種有機溶媒(例えば、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等)への溶解性が高いものがより好ましく使用される。具体的には、例えば、HLB値(親水性親油性バランス)が、0〜16の範囲にあるものが好適である。HLB値としてより好ましくは1〜13である。
なお、HLB値は、例えば、グリフィン法、デイビス法で求められる。
上記フッ素系添加剤は更に、フッ素系添加剤の総量100質量%中に、フッ素を0.01〜80質量%含むものが好適である。
なお、フッ素含有量は、例えば、イオンクロマトグラフ法にて定量できる。
上記フッ素系添加剤としてはまた、ノニオン性やアニオン性のもの等が存在するが、樹脂との分散性等の観点から、ノニオン性のものが好適である。
上記フッ素系添加剤として具体的には、例えば、パーフルオロブタンスルホン酸塩(メガファックF−114)、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩(メガファックF−410)、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物(メガファックF−444、EXP・TF−2066)、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル(メガファックEXP・TF−2148)、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型アミン中和物(メガファックEXP・TF−2149)、含フッ素基・親水性基含有オリゴマー(メガファックF−430、EXP・TF−1540)、含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(メガファックF−552、F−554、F−558、F−561、R−41)、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー(メガファックF−477、F−553、F−555、F−556、F−557、F−559、F−562、R−40、EXP・TF−1760)、含フッ素基・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー(メガファックRS−72−K、RS−75、RS−76−E、RS−76−NS、RS−77)等が挙げられる(いずれもDIC社製)。中でも、親油性基を含む化合物(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、含フッ素基・親水性基・親油性基・UV反応性基含有オリゴマー)が好適である。
上記フッ素系添加剤の含有量は、目的、用途等に応じて適宜設定すればよく、特に限定されないが、本発明の硬化性樹脂組成物の固形分総量100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記硬化性樹脂組成物は更に、それが適用される各用途の要求特性に応じて、例えば、色材(着色剤とも称す);分散剤;耐熱向上剤;レベリング剤;アルミニウム系、チタン系等の他のカップリング剤;現像助剤;フィラー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリビニルフェノール等の熱硬化性樹脂;多官能チオール化合物等の硬化助剤;可塑剤;紫外線吸収剤;酸化防止剤;艶消し剤;消泡剤;帯電防止剤;スリップ剤;表面改質剤;揺変化剤;揺変助剤;キノンジアジド化合物;多価フェノール化合物;カチオン重合性化合物;酸発生剤;等の1種又は2種以上を、更に含んでいてもよい。
<硬化性樹脂組成物の製造方法>
上記硬化性樹脂組成物は、上述した含有成分を、各種の混合機や分散機を用いて混合分散することによって調製することができる。中でも、まず無機微粒子を有機溶媒(分散媒)に分散させて無機微粒子の有機溶媒分散体を得た後、該分散体を、アルカリ可溶性樹脂、多官能(メタ)アクリレート化合物及び必要に応じて含有される他の成分と混合することにより、硬化性樹脂組成物を得ることが好適である。このようにして得られる硬化性樹脂組成物であることにより、上述した本発明の効果がより充分に発揮される。このように、無機微粒子を有機溶媒に分散させて無機微粒子の有機溶媒分散体を得る工程(「分散工程」とも称す)と、該分散体を、アルカリ可溶性樹脂等の他の含有成分と混合する工程(「混合工程」とも称す)とを含む、上記硬化性樹脂組成物の製造方法もまた、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記分散工程及び混合工程は、特に限定されず、通常の手法により行えばよい。また、通常行われる他の工程を更に含むものであってもよい。
〔硬化膜〕
次に、本発明の硬化性樹脂組成物を用いて形成される硬化膜について説明する。
本発明の硬化性樹脂組成物は、活性エネルギー光線を照射(露光)することにより、硬化膜を形成することができる。具体的には、例えば、基板(基材)上に上記硬化性樹脂組成物を塗布して乾燥させ、その塗布面に活性エネルギー光線を照射(露光)することにより、硬化膜を形成することが好ましい。このように上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜もまた、本発明の1つである。また、上記硬化性樹脂組成物は、レジスト材料として好適に用いられることから、上記硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜がレジスト硬化膜である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
上記硬化性樹脂組成物を塗布する基板としては、プラスチック基板が特に好適である。プラスチック基板として具体的には、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスルホン、環状オレフィンの開環重合体やその水素添加物等の熱可塑性樹脂からなるシート又はフィルム;エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂からなるシート又はフィルム;等が挙げられる。また、上記基板には、必要に応じてコロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤等による薬品処理等を行ってもよいし、上記基板の両面又は片面に、ガスバリヤー層や保護膜等の無機成分又は有機成分の塗布膜を形成してもよい。また、上記硬化膜を表示装置用部材として用いる場合には、上記プラスチック基板にはITO等の電極を形成することが好適である。なお、本発明の硬化膜は、プラスチック基板だけでなく、ITO膜等の電極との密着性にも優れるものである。
上記硬化性樹脂組成物を基板に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、スピン塗布、スリット塗布、ロール塗布、流延塗布等が挙げられ、いずれの方法も好ましく用いることができる。
上記基板に塗布した後の塗膜の乾燥は、例えば、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いて行うことができる。乾燥条件は、含まれる溶媒成分の沸点、硬化成分の種類、膜厚、乾燥機の性能等に応じて適宜選択されるが、通常、50〜150℃の温度で、10秒〜300秒間行うことが好適である。
上記活性エネルギー光線の光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプ等のランプ光源、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザー等のレーザー光源等が使用される。また、露光機の方式としては、プロキシミティー方式、ミラープロジェクション方式、ステッパー方式が挙げられるが、プロキシミティー方式が好ましく用いられる。
なお、活性エネルギー光線の照射工程では、用途によっては、所定のマスクパターンを介して活性エネルギー光線を照射することとしてもよい。この場合、露光部が硬化し、硬化部が現像液に対して不溶化又は難溶化されることになる。
また必要に応じて、上記活性エネルギー光線の照射工程後に、現像液によって現像処理し、未露光部を除去しパターンを形成する工程(現像工程とも称す)を行ってもよい。これによって、パターン化された硬化膜を得ることができる。
上記現像工程における現像処理は、通常、10〜50℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法で行うことができる。なお、現像液としてアルカリ性水溶液を用いる場合には、現像後、水で洗浄することが好ましい。
上記現像液は、本発明の硬化性樹脂組成物を溶解するものであれば特に限定されないが、通常、有機溶媒やアルカリ性水溶液が用いられ、これらの混合物を用いてもよい。
上記現像液として好適な有機溶媒としては、例えば、エーテル系溶媒やアルコール系溶媒等が挙げられる。具体的には、例えば、ジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリエチレングリコールジアルキルエーテル類、アルキルフェニルエーテル類、アラルキルフェニルエーテル類、ジ芳香族エーテル類、イソプロパノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
上記アルカリ性水溶液には、アルカリ剤の他、必要に応じ、界面活性剤、有機溶媒、緩衝剤、染料、顔料等を含有させることができる。この場合の有機溶媒としては、上述した現像液として好適な有機溶媒等が挙げられる。
上記アルカリ剤としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム、第二リン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機のアルカリ剤;トリメチルアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン類が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタン酸アルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤;アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
更に必要に応じて、後硬化工程(ポストベイク又は後処理工程とも称す)を行ってもよい。後処理工程とは、例えば、高圧水銀灯等の光源を使用して、例えば0.5〜5J/cmの光量で露光する工程の他、後加熱する工程(熱処理工程とも称す)等が挙げられる。このような後処理を行うことにより、パターン化された硬化膜の硬度及び密着性を更に強固なものとすることが可能になる。
上述した後処理工程の中でも好ましくは、後者の熱処理工程であり、その際の温度は、プラスチック基板の耐熱性を考慮すると、150℃以下とすることが好適である。このように本願では、ガラス基板を用いた場合に通常設定される温度よりも低温で熱処理することが好ましいが、上記硬化性樹脂組成物を用いることにより、このような低温で硬化した場合でも充分に硬化でき、プラスチック基板との密着性や耐溶剤性に特に優れ、高い表面硬度を有する硬化膜を得ることができる。このように上記硬化膜が150℃以下で熱処理されてなる形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。
なお、上記熱処理の温度としてより好ましくは130℃以下である。また、60℃以上であることが好ましく、より好ましくは80℃以上、更に好ましくは100℃以上である。また、熱処理時間は特に限定されないが、例えば、10秒〜120分間であることが好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜(硬化膜(1)とも称す)は、上述のような構成からなることで、特にプラスチック基板用に適しており、当該基板(及びITO等の電極)との密着性や耐溶剤性とともに、高い表面硬度等を安定して発現できるという作用効果を有するが、下記の構成の硬化膜(硬化膜(2)とも称す)もまた同様に、プラスチック基板(及びITO等の電極)との密着性や耐溶剤性とともに、高い表面硬度を安定して発現できるという作用効果を奏することが可能なものである。
すなわち、プラスチック基板上に形成された硬化膜であって、該硬化膜は、レジスト硬化膜であり、該硬化膜は、JIS−K5600−5−4(1999年)に準じた試験(但し、荷重を500gとする)での鉛筆硬度がHB以上であって、かつ上述した耐溶剤性試験での質量減少率が20質量%以下である硬化膜もまた、本発明の1つである。
上記硬化膜(2)の鉛筆硬度は、HB以上であることが適当であるが、このような高硬度を示すことにより、例えば、タッチパネル式表示装置等の各種表示装置の保護膜又は絶縁膜等としてより好適なものとなる。上記鉛筆硬度としては、H以上であることが好適である。
硬化膜の鉛筆硬度は、JIS−K5600−5−4(1999年)に準じた試験(但し、荷重は、旧JIS版のJIS−K5400(1990年)の500gとする)を行い、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆を、鉛筆硬度の値とする。
上記硬化膜(2)の上記耐溶剤性試験での質量減少率は、20質量%以下であることが適当である。このように溶剤に浸漬した後の質量減少率が小さいことにより、各種表示装置の製造過程で溶剤に晒された場合でも、形状変化をより一層抑制することができるため、各種表示装置の保護膜又は絶縁膜等としてより好適なものとなる。また、上記質量減少率が小さい(耐溶剤性が高い)ことは、プラスチック基板との密着性が優れることにも起因する。上記質量減少率として好ましくは19質量%以下、より好ましくは11質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、特に好ましくは8質量%以下である。
上記硬化膜(2)は、上述した本発明の硬化性樹脂組成物により形成されるものであることが好ましい。すなわち、上記硬化膜(2)は、無機微粒子、光重合開始剤、多官能(メタ)アクリレート化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含み、かつアルカリ可溶性樹脂が、側鎖に1.3〜5mmol/gの二重結合が導入された重合体であるプラスチック基板用硬化性樹脂組成物により形成される硬化膜であることが好適である。この硬化性樹脂組成物の好ましい形態は、上述したとおりである。また、上記プラスチック基板についても上述したとおりである。
〔硬化膜の用途等〕
本発明の硬化膜(上記硬化膜(1)及び(2))は、上述したように、特にプラスチック基板用に適しており、当該基板との密着性や耐溶剤性とともに、高い表面硬度等を安定して発現できるものである。更に、透明性にも優れるものである。したがって、このような硬化膜(硬化物)は、例えば、液晶表示装置や固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等の各種表示装置の構成部材の他、インキ、印刷版、プリント配線板、半導体素子、フォトレジスト等、各種の光学部材や電機・電子機器等のうち、プラスチック基板を用いる用途に好ましく使用される。中でも、プラスチック基板を含む各種表示装置に用いることが好ましく、液晶表示装置や固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタや、タッチパネル式表示装置におけるタッチパネルに用いることがより好ましい。これにより、近年の高性能化・小型化・軽量化の要望に充分に対応できる程度に各種表示装置の表示品位や撮像品位の信頼性を充分に高めることができる。特に、タッチパネル式表示装置におけるタッチパネルに用いること、すなわちタッチパネルの構成部材(例えば、絶縁膜レジスト等)として用いることが好適である。このように上記硬化膜がタッチパネル用である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。また、上記硬化膜が保護膜又は絶縁膜である形態もまた、本発明の好適な形態の1つである。更に、プラスチック基板と、上記硬化膜とを有する表示装置用部材及び表示装置は、本発明に含まれる。
本発明の表示装置用部材及び表示装置は、プラスチック基板と、上記硬化膜とを有する限り、他の構成部材等を1種又は2種以上有するものであってもよい。また、プラスチック基板は1枚又は2枚以上であってもよい。プラスチック基板については上述したとおりである。上記硬化膜は、安定してプラスチック基板等に対する密着性に優れ、かつ高硬度であるうえ、高平滑性を示し、しかも高い透過率を有するものである。したがって、透明部材として特に好適であり、また、各種表示装置における保護膜や絶縁膜として非常に有用である。表示装置としては特に限定されないが、例えば、液晶表示装置、固体撮像素子、タッチパネル式表示装置等が好適である。タッチパネル式表示装置としては、特に、静電容量方式のものが好ましい。
なお、上記表示装置用部材は、上記硬化膜から構成されるフィルム状の単層又は多層の部材であってもよいし、該単層又は多層の部材に更に他の層が組み合わされた部材であってもよいし、また、上記硬化膜を構成中に含む部材(例えば、カラーフィルタ等)であってもよい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、上述のような構成であるので、特にプラスチック基板用に適しており、当該基板との密着性や耐溶剤性とともに、高い表面硬度等を安定して発現できる硬化物(硬化膜)を与えることができるものである。したがって、このような特性を発揮できる硬化膜と、プラスチック基板とを有する表示装置用部材及び表示装置は、硬化膜に起因する各種物性を損なうことなく充分に発揮でき、かつ軽量性や利便性を充分に発揮できるため、光学分野や電機・電子分野で非常に有用なものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を、それぞれ意味するものとする。
以下の合成例や調製例等において、各種物性等は以下のようにして測定した。
〔樹脂溶液(アルカリ可溶性樹脂)の物性〕
<重量平均分子量>
ポリスチレンを標準物質とし、テトラヒドロフランを溶離液としてHLC−8220GPC(東ソー社製)、カラム TSKgel SuperHZM−M(東ソー社製)によるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)法にて重量平均分子量を測定した。
<固形分濃度>
重合体溶液をアルミカップに約0.3g量り取り、アセトン約1gを加えて溶解させた後、常温で自然乾燥させた。そして、熱風乾燥機(エスペック社製、商品名「PHH−101」)を用い、140℃で3時間乾燥した後、デシケータ内で放冷し、質量を測定した。その質量減少量から、重合体溶液の固形分濃度(NV、質量%)を計算した。
<酸価>
樹脂溶液1.5gを精秤し、アセトン90g/水10g混合溶媒に溶解し、0.1規定のKOH水溶液を滴定液として用いて、自動滴定装置(平沼産業社製、商品名「COM−555」)により、樹脂溶液の酸価を測定し、溶液の酸価と溶液の固形分から固形分1g当たりの酸価を求めた。
〔樹脂溶液の合成〕
まず樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、樹脂溶液A〜N及び比較用樹脂溶液a〜gの合成を行った。
合成例C(樹脂溶液Cの合成)
反応槽としての冷却管付きセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)140部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)327部を仕込み、窒素雰囲気下にて90℃に昇温した後、滴下系1としてベンジルマレイミド(BzMI)30部、アクリル酸(AA)87部、1モルエトキシ化フェニルフェノールアクリレート(商品名A−LEN−10;新中村化学社製)83部、PGME36部、PGMEA84部、パーブチルO(商品名、日本油脂社製)4部、滴下系2としてn−ドデシルメルカプタン(n−DM)3部、PGME17部、PGMEA40部をそれぞれ3時間かけて連続的に供給した。その後30分90℃を保持した後、開始剤PBOを1部添加した。更に30分90℃を保持した後、温度を115℃まで昇温し、1.5時間重合を継続した。
次いで、この反応液にメタクリル酸グリシジル(GMA)138部、触媒としてトリエチルアミン(TEA)1.0部、重合禁止剤としてアンテージW−400(商品名、川口化学工業社製)0.5部を追加し、窒素、酸素混合ガス(酸素濃度7%)をバブリングしながら110℃1時間、115℃8時間反応を継続することで二重結合量2.87mmol/gの樹脂溶液Cを得た。
得られた樹脂溶液Cについて、各種物性(重量平均分子量、固形分濃度及び固形分当たりの酸価)を測定した。結果を表1に示す。
なお、表1中の樹脂溶液を構成するモノマー組成(単量体の配合割合)に関し、ベースポリマーを構成する各モノマー(BzMI、AMA、MD、A−LEN−10、BzMA及びAA)の数値は、これらの総量を100質量%としたときの各々の配合割合(質量%)を記載した。また、付加モノマー(GMA)配合量の数値は、ベースポリマー成分(ベースポリマーを形成するモノマー)の総量を100質量%としたときの、付加させたGMAの配合量(質量%)として記載している。例えば、合成例C(樹脂溶液C)では、BzMI:30部、AA:87部、及び、A−LEN−10:83部からなる合計200部のベースポリマー成分に対し、GMAを138部付加させたことから、当該GMAの配合割合を「69(質量%)」{=(138部/200部)×100}と規定した。
合成例A、B、D〜N、a〜g(樹脂溶液A、B、D〜N、a〜gの合成)
合成例Cにおいて、表1及び2に各々示す配合割合となる量で当該表に各々示す単量体を用いたこと以外は、合成例Cと同様にして、樹脂溶液A、B、D〜N、a〜gを各々得た。
得られた各樹脂溶液について、各種物性(重量平均分子量、固形分濃度、固形分当たりの酸価及び二重結合量)を測定した。結果を表1及び2に示す。
Figure 2014162814
Figure 2014162814
表1及び2における略称は以下の通りである。
BzMI:ベンジルマレイミド
AMA:α−(アリルオキシメチル)メチルアクリレート(AMA)
MD:ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート
A−LEN−10:1モルエトキシ化フェニルフェノールアクリレートの商品名(新中村化学社製)
BzMA:ベンジルメタクリレート
AA:アクリル酸
GMA:メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)
Mw:最終的に得られた重合体の重量平均分子量
AV:酸価
NV:固形分濃度
〔樹脂組成物(レジスト組成物)の調製〕
実施例1
固形分換算で、樹脂溶液Aを25部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)20部、NBAC−ST(商品名、日産化学工業社製)45部、カップリング剤としてKBM503(商品名、信越シリコーン社製)10部、光重合開始剤としてイルガキュア907(チバガイギ社製)9部、アンテージW−400を0.5部、更に希釈溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;PGMEA)を固形分濃度25%となるように加え、攪拌することで樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物について、下記評価方法に従って塗膜の物性を評価した。結果を表3に示す。
〔塗膜物性(PET基板に対する物性評価)〕
得られた樹脂組成物をPET基板にスピンコート法により塗布し、加熱処理(90℃3分間)した後、2.0kWの超高圧水銀ランプを装着したUVアライナ(TOPCON社製、商品名「TME−150RNS」)によって60mJ/cm(365nm照度換算)の露光量で露光を行い、加熱処理(120℃30分間)を行った。
この得られた塗布膜を用いて、物性評価(耐溶剤性試験、鉛筆硬度試験)を行った。また、耐溶剤性を下記のように評価した点数(5点満点)と、鉛筆硬度を下記のように評価した点数(5点満点)との和を、総合評価とした。
<耐溶剤性試験>
5cm角のプラスチック基板上に形成された硬化膜を用い、上述した耐溶剤性試験を行った。そして、上記式により算出された硬化膜の質量減少率を、下記基準で評価した(5点満点)。また、下記評価点数が5、4を「〇」、3を「△」、2、1、0を「×」として3段階評価も行った。
5:質量減少率が5%以下。
4:質量減少率が5%を超えて10%以下。
3:質量減少率が10%を超えて20%以下。
2:質量減少率が20%を超えて30%以下。
1:質量減少率が30%を超えて40%以下。
0:質量減少率が40%を超える。
また、上記耐溶剤性試験中、硬化膜を取り出しアセトンで置換(アセトン25gに10秒浸漬)した後であって、かつ終夜で風乾する前の時点で、硬化膜の状態を目視にて確認した。膜荒れがなく良好であったものを「良好」と評価し、膜荒れがみられたものを「不良」と評価した。
<鉛筆硬度試験>
JIS−K5600−5−4(1999年)に準じて試験を行ったが、すべて荷重は旧JIS版のJIS−K5400(1990年)の500gで行い、傷跡を生じなかった最も硬い鉛筆を鉛筆硬度の値として、下記基準で評価した(5点満点)。
5:鉛筆硬度がH以上。
4:鉛筆硬度がF。
3:鉛筆硬度がHB。
2:鉛筆硬度がB。
1:鉛筆硬度が2B。
0:鉛筆硬度が3B以下。
実施例2〜17、比較例1〜8
実施例1において、表3及び4に各々示す原材料を当該表に各々示す量で用いたこと以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物2〜17及び比較用樹脂組成物1〜8を各々得た。
得られた各樹脂組成物について、実施例1と同様にして塗膜の物性を評価した。結果を表3及び4に示す。
Figure 2014162814
Figure 2014162814
表3及び4における略称は以下の通りである。なお、表3及び4中、樹脂組成物を構成する各原材料の配合量は、固形分量である。また、表3及び4では、各樹脂組成物の調製に希釈溶媒(PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を用いたことを省略している。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名、共栄社化学社製)
NBAC−ST:酢酸ブチル分散シリカゾル(商品名、日産化学工業社製)
PMA−ST:プロピレングリコールモノメチルアセテート分散シリカゾル(商品名、日産化学工業社製)
KBM503:2−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名、信越シリコーン社製)
IRGACURE907:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン(商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
アンテージW−400:フェノール系酸化防止剤(商品名、川口化学工業社製)
F−554:含フッ素基・親油性基含有オリゴマー(ノニオン性、商品名「メガファックF−554」、DIC社製)
表3及び4の結果より、下記のことが確認された。
まず実施例1〜6及び比較例1〜2は、アルカリ可溶性樹脂(樹脂溶液)以外の条件は全て同じにした樹脂組成物を用いた例であるが、実施例1〜6と比較例1〜2との比較により、樹脂溶液の側鎖二重結合量が1.3mmol/g以上、特に1.5mmol/g以上であると、耐溶剤性及び鉛筆硬度が著しく向上されることが分かった。中でも2mmol/g以上である樹脂溶液を用いた実施例3〜6では、総合評価が9以上となるため、耐溶剤性及び鉛筆硬度に著しく優れた硬化物が得られることが分かった。
実施例3、7、8及び9は、いずれも側鎖二重結合量が同じ値となる樹脂溶液を用い、かつ樹脂溶液以外の含有成分は全て同じにした樹脂組成物を用いた例であるが、このうち実施例3、7及び8で用いた樹脂溶液は、主鎖に環構造を有する重合体を含むのに対し、実施例9で用いた樹脂溶液は、主鎖に環構造を有する重合体を含まない点で、両者は相違する。この場合、実施例3、7及び8では、実施例9に比べ、硬化物の鉛筆硬度がより優れた結果となった。したがって、主鎖に環構造を有することにより特に硬化物の表面硬度がより向上することが確認された。
なお、実施例1〜8及び10〜17で用いた樹脂溶液A〜Nでは、重合体の主鎖骨格に環構造を導入し得る単量体として、BzMI、AMA又はMDを使用しているが、その他にも、上述した単量体(特に好ましくは、N置換マレイミド系単量体、ジアルキル−2,2’−(オキシジメチレン)ジアクリレート系単量体、及び/又は、α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレート)を用いれば、ほぼ同様により一層優れた効果を発現できる。
実施例5と比較例8とは、樹脂組成物に含まれる二重結合量の総量、すなわちアルカリ可溶性樹脂中の側鎖二重結合量と多官能(メタ)アクリレート化合物の二重結合量との合計量がほぼ同等になるように、各種組成を設定した例である。具体的には、実施例5ではアルカリ可溶性樹脂の側鎖二重結合量を比較例8よりも多く設定することで、樹脂組成物に含まれる二重結合量の総量を2.78mmol/gとする一方で、比較例8では多官能(メタ)アクリレート化合物の含有量を実施例5よりも多く設定することで、樹脂組成物に含まれる二重結合量の総量を2.84mmol/gとすることにより、樹脂組成物に含まれる二重結合量の総量としては、ほぼ同等にしている。この場合、実施例5と比較例8との効果の差異は、実施例5と比較例1〜2との効果の差異とほぼ同じであった。したがって、本発明による効果(特に耐溶剤性及び表面硬度の向上効果)を奏するためには、樹脂組成物に含まれる二重結合量の総量ではなく、アルカリ可溶性樹脂の側鎖二重結合量が重要であり、この側鎖二重結合量を特定範囲に設定することで、耐溶剤性や表面硬度に極めて優れた硬化膜が得られることが分かった。
実施例12〜14及び比較例5〜7は、それぞれ実施例3及び比較例1からアルカリ可溶性樹脂の酸価を変化させた例であるが、これらの結果より、本願発明の効果(特に耐溶剤性及び表面硬度の向上効果)は、アルカリ可溶性樹脂の酸価よりも、アルカリ可溶性樹脂中の側鎖二重結合量に大きく影響されることが分かった。
また上述した表には示していないが、実施例1〜17の塗膜物性試験(耐溶剤性、鉛筆硬度)により得た各塗布膜について、その外観を目視で確認したところ、いずれも無色透明であった。そして、塗布膜が形成されたプラスチック基板を折り曲げても、ひび割れ、剥がれが生じることはなく、可とう性を有する膜であった。

Claims (9)

  1. プラスチック基板に用いられる硬化性樹脂組成物であって、
    該硬化性樹脂組成物は、無機微粒子、光重合開始剤、多官能(メタ)アクリレート化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含み、
    該アルカリ可溶性樹脂は、側鎖に1.3〜5mmol/gの二重結合が導入された重合体であることを特徴とするプラスチック基板用硬化性樹脂組成物。
  2. 前記重合体は、主鎖に環構造を有することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック基板用硬化性樹脂組成物。
  3. 前記硬化性樹脂組成物は、更に、カップリング剤を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック基板用硬化性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプラスチック基板用硬化性樹脂組成物により形成されることを特徴とする硬化膜。
  5. プラスチック基板上に形成された硬化膜であって、
    該硬化膜は、レジスト硬化膜であり、
    該硬化膜は、JIS−K5600−5−4(1999年)に準じた試験(但し、荷重を500gとする)での鉛筆硬度がHB以上であって、かつ下記耐溶剤性試験での質量減少率が20質量%以下であることを特徴とする硬化膜。
    (耐溶剤性試験)
    5cm角のプラスチック基板上に形成された硬化膜をN−メチル−2−ピロリドン25gに常温(20℃)で3時間浸漬した後、硬化膜を取り出し、常温でアセトン25gに10秒浸漬して置換する。その後、終夜(12時間、常温放置)で風乾した後、120℃で60分間乾燥させる。この乾燥後の硬化膜の質量をBとし、N−メチル−2−ピロリドン浸漬前の硬化膜の質量をAとして、硬化膜の質量減少率(質量%)を下記式により求める。
    硬化膜の質量減少率=|(A−B)/A|×100
  6. 前記硬化膜は、150℃以下で熱処理されてなることを特徴とする請求項4又は5に記載の硬化膜。
  7. 前記硬化膜は、タッチパネル用であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の硬化膜。
  8. プラスチック基板と、請求項4〜7のいずれかに記載の硬化膜とを有することを特徴とする表示装置用部材。
  9. プラスチック基板と、請求項4〜7のいずれかに記載の硬化膜とを有することを特徴とする表示装置。
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