JP2014162798A - 硬化性オルガノポリシロキサン組成物、光学素子用封止材および光学素子 - Google Patents

硬化性オルガノポリシロキサン組成物、光学素子用封止材および光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物、光学素子用封止材および光学素子を提供する。
【解決手段】硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、(A)下記平均組成式(1):R SiO(4−a)/2(1)(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の少なくとも1個がアダマンチル基含有基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン、(B)下記平均組成式(2):R SiO(4−b−c)/2(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる光学素子用封止材および該組成物の硬化物により封止された光学素子に関する。
付加硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、アルケニル基等の脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサンおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサンを含み、ヒドロシリル化反応によって硬化して硬化物を与える。このようにして得られる硬化物は、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れ、また、透明であるため、LEDの封止材などの各種光学用途に用いられている(特許文献1、2)。
しかしながら、該組成物からなる光学素子用封止材は、オルガノポリシロキサンの特性としてガスバリア性が低いために、外部からの腐食性ガスの浸入により銀電極が変色してしまう欠点がある。その結果、LEDの輝度が低下してしまう場合がある。
そこで、多環式炭化水素骨格含有成分を含む硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を用いた光学素子用封止材が提案されている。このような組成物から得られる封止材は高いガスバリア性を有するため、外部からの腐食性ガスの浸入を防ぎ、銀電極の変色を抑えることが可能である。しかしながら、熱により変色しやすいという欠点があるため、特にハイパワーのLEDには使用できないといった問題が存在している(特許文献3、4)。
また、主骨格にフェニル基を導入したポリオルガノシロキサン組成物を用いた光学素子用封止材が提案されている。このような組成物から得られる封止材は、上記特許文献3、4に記載の多環式炭化水素骨格含有封止材に比べて耐熱変色性に優れるものの、外部からの腐食性ガスによる銀電極の腐食を抑制するという点に関しては充分満足するものではない(特許文献5)。
特開2004−186168号公報 特開2004−143361号公報 特開2008−069210号公報 特開2012−046604号公報 特開2010−132795号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物、該組成物からなる光学素子用封止材およびこの硬化物により封止され、信頼性に優れる光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、
(A)下記平均組成式(1):
SiO(4−a)/2 (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の少なくとも1個がアダマンチル基含有基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン、
(B)下記平均組成式(2):
SiO(4−b−c)/2 (2)
(式中、Rは脂肪族不飽和基以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数である。)
で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
を含むものであることを特徴とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物を提供する。
このような、主成分である(A)成分にアダマンチル基含有基が導入された本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物となる。
また、前記式(1)において、アダマンチル基含有基が下記式(3)で表されるアダマンチルメチル基であることが好ましい。
Figure 2014162798
(式中、*部はケイ素との結合部位を示す。)
このような(A)成分含有の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であれば、さらに高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物となるため好ましい。
さらに、前記(B)成分が、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有するものであることが好ましい。
このような(B)成分含有の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であれば、さらに高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物となるため好ましい。
また、前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、更に、
(D)下記平均組成式(4):
SiO(4−d)/2 (4)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、dは1≦d≦3を満たす正数である。)
で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサンを含むものであることが好ましい。
このような(D)成分含有の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であれば、本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物に適度な硬さや強度を付与し易くなるため好ましい。
前記(D)成分が、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有するものであることが好ましい。
このような(D)成分含有の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であれば、さらに高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物となるため好ましい。
また、本発明では、前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなるものであることを特徴とする光学素子用封止材を提供する。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与えることができるため、光学素子用封止材として有用である。
また、本発明では、前記光学素子用封止材の硬化物で封止されたものであることを特徴とする光学素子を提供する。
前記光学素子用封止材の硬化物で封止された光学素子は、信頼性に優れるものとなる。
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物であれば、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与えることができるため、光学素子用封止材として好適に使用することができる。
本発明の実施例における硫化試験用テストパッケージの概略図の一例である。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
上記のように、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を同時に有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物が求められていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、主成分にアダマンチル基含有基を導入することにより、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
[(A)成分]
(A)成分は、下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである。
SiO(4−a)/2 (1)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の少なくとも1個がアダマンチル基含有基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上記平均組成式(1)で表され、ケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を1分子中に少なくとも2個有するものである。該脂肪族不飽和基は、上記平均組成式(1)中のRとしての脂肪族不飽和基に由来するものである。これらの脂肪族不飽和基は、付加反応開始前には本発明の組成物を未硬化の状態に安定に維持することができ、かつ、付加反応開始後には該組成物を容易に硬化させることができるものである限り特に限定されず、例えば、エチレン性不飽和基、およびアセチレン性不飽和基が挙げられる。前記脂肪族不飽和基は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、「エチレン性不飽和基」とは、炭素−炭素二重結合を含み、更に酸素原子、窒素原子等のヘテロ原子を含むまたは含まない有機基をいい、その具体例としては、ビニル基、アリル基、5−ヘキセニル基、プロペニル基、ブテニル基等の炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10のアルケニル基;1,3−ブタジエニル基等の炭素原子数4〜10のアルカジエニル基;アクリロイルオキシ基(−O(O)CCH=CH)、メタクリロイルオキシ基(−O(O)CC(CH)=CH)等の、前記アルケニル基とカルボニルオキシ基との組み合わせ;アクリルアミド基(−NH(O)CCH=CH)等の、前記アルケニル基とカルボニルアミノ基との組み合わせが挙げられる。
また、「アセチレン性不飽和基」とは、炭素−炭素三重結合を含み、更に酸素、窒素等のヘテロ原子を含むまたは含まない有機基をいい、その具体例としては、エチニル基、プロパルギル基等の炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10のアルキニル基;エチニルカルボニルオキシ基(−O(O)CC≡CH)等の、前記アルキニル基とカルボニルオキシ基との組み合わせが挙げられる。
中でも、(A)成分の原料を得るときの生産性およびコストならびに(A)成分の反応性等の観点から、前記脂肪族不飽和基としては、前記アルケニル基が好ましく、ビニル基、アリル基および5−ヘキセニル基等の炭素数2〜8のアルケニル基がより好ましく、特にビニル基が好ましい。
(A)成分中の脂肪族不飽和基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(1)において、Rで示される非置換又は置換の1価炭化水素基)中、0.1〜40モル%であり、特に0.2〜20モル%であることが好ましい。
また、(A)成分は、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合したアダマンチル基含有基を有する。該アダマンチル基含有基としては、例えば、アダマンチル基やアダマンチル基の水素原子の1部または全部がアルキル基(例えば、メチル基、エチル基)、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基)、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)、エポキシ基含有基(例えば、エポキシ基、グリシジル基、グリシドキシ基)、ヒドロキシル基含有基(例えば、ヒドロキシル基、ヒドロキシメチル基)、カルボニル基含有基(例えば、カルボニル基、カルボキシル基)等で置換されたアダマンチル基含有基などが挙げられる。
中でも、下記式(3)で表されるアダマンチルメチル基を有していることが好ましい。
Figure 2014162798
(式中、*部はケイ素との結合部位を示す。)
(A)成分中のアダマンチル基含有基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(1)において、Rで示される非置換又は置換の1価炭化水素基)中、少なくとも5モル%であることが好ましい。ケイ素原子に結合した1価の有機基中、アダマンチル基含有基が5モル%以上であれば、ガスバリア性が低下せず銀電極が変色するおそれがないため、少なくとも5モル%、特に20モル%以上がアダマンチル基含有基であることが好ましい。その上限は特に規定されるものではないが、ケイ素原子に結合した1価の有機基中、80モル%以下、特には70モル%以下であることが好ましい。
(A)成分中のRとしての、脂肪族不飽和基及びアダマンチル基含有基以外のケイ素原子に結合する非置換又は置換の1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などの、通常、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6程度の、非置換又はハロゲン置換の1価炭化水素基が挙げられる。中でも、炭素原子数1〜6のアルキル基、アリール基が好ましく、特にメチル基、フェニル基がより好ましい。
また、aは1〜3を満たす正数であり、aが1より小さい場合、(A)成分中の炭化水素基の含有量が少なくなるため、ガスバリア性などに劣る場合がある。またaが3より大きい場合、シロキサンの含有量が少なくなるため、耐候性や耐熱性に劣る組成物となる恐れがある。本成分の分子構造は、鎖状又は分岐状であり、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。
このオルガノポリシロキサンが直鎖状の場合、回転粘度計により測定した粘度は、作業性の面から25℃において、100〜20,000mPa・s、特に500〜10,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。このような粘度であれば、粘度が低すぎて流動しやすくなることに起因する成形バリなどが発生するおそれがなく、粘度が高すぎることに起因する必要成分混合時に混入した空気の泡が抜け難くなるおそれがない。なお、分岐状の場合は液体又は固体となり、液体の場合は25℃における粘度が1,000〜5,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。固体状のものを使用する場合は、これを可溶な直鎖状のオルガノポリシロキサンと併用し、25℃における粘度が100〜20,000mPa・sとなるようにすることが好ましい。
[(B)成分]
(B)成分は、下記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、(A)成分とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤として作用する。
SiO(4−b−c)/2 (2)
(式中、Rは脂肪族不飽和基以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数である。)
bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数であり、1.0≦b≦2.0、0.01≦c≦1.0、かつ1.5≦b+c≦2.5を満足する正数であることが好ましい。bが0.7より小さい場合、(B)成分中の炭化水素基の含有量が少なくなるため、ガスバリア性などに劣る場合がある。またbが2.1より大きい場合、シロキサンの含有量が少なくなるため、耐候性や耐熱性に劣る組成物となる恐れがある。cが0.001より小さい場合、架橋密度が低くなるため低硬度の硬化物となる場合があり、逆にcが1.0より大きい場合、架橋密度が高くなりすぎて可撓性や耐クラック性が低下する場合がある。b+cが0.8より小さい場合、(B)成分中の炭化水素基およびSiHの含有量が少なくなるため、硬度やガスバリア性などに劣る場合がある。またb+cが3.0より大きい場合、シロキサンの含有量が少なくなるため、耐候性や耐熱性に劣る組成物となる恐れがある。
上記式(2)中のRの1価炭化水素基としては、例えば、(A)成分における平均組成式(1)中のRとしての、脂肪族不飽和基及びアダマンチル基含有基以外の非置換または置換の1価炭化水素基として具体的に例示した炭素原子数1〜6のアルキル基若しくはハロアルキル基、および炭素原子数6〜10のアリール基が挙げられ、好ましくはメチル基またはフェニル基である。また、該1価炭化水素基の置換基としてエポキシ基含有基、あるいはアルコキシ基を有する場合、本発明の組成物の硬化物に接着性を付与することができる。
また、(B)成分は、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合したアリール基を有することが好ましい。
該アリール基としては、フェニル基、ベンジル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、またはフラニル基等のヘテロ原子(O,S,N)を含む芳香族基を挙げることができ、更に該アリール基はハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子)等の置換基を有してもよい。該アリール基は好ましくは非置換の炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であり、特に好ましくはフェニル基である。
(B)成分中のアリール基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(2)において、Rで示される脂肪族不飽和基以外の非置換又は置換の1価炭化水素基)中、少なくとも5モル%であることが好ましい。ケイ素原子に結合した1価の有機基中、アリール基を5モル%以上含有すると、硬化した被覆保護材の耐熱性や低温特性がより優れたものとなり、熱衝撃試験による信頼性もより優れたものとなる。そのため、少なくとも5モル%、特に20モル%以上がアリール基であることが好ましい。その上限は特に規定されるものではないが、80モル%以下、特には60モル%以下であることが好ましい。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等の、従来製造されている各種のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中に少なくとも2個(通常、2〜300個程度)のSiH基を有することが望ましい。前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンが直鎖状構造又は分岐鎖状構造を有する場合、これらのSiH基は、分子鎖末端及び分子鎖非末端部分のどちらか一方にのみ位置していても、その両方に位置していてもよい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの1分子中のケイ素原子の数(重合度)は、好ましくは2〜1,000個、より好ましくは2〜200個、更に好ましくは2〜100個程度である。更に、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは25℃で液状であることが好ましく、回転粘度計により測定した25℃における粘度は、好ましくは1〜1,000mPa・s、より好ましくは10〜100mPa・s程度である。
上記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、式:RHSiOで示されるオルガノハイドロジェンシロキサン単位を少なくとも4個含む環状化合物、式:R SiO(HRSiO)SiR で示される化合物、式:HR SiO(HRSiO)SiR Hで示される化合物、式:HR SiO(R SiO)SiR Hで示される化合物、式:HR SiO(HRSiO)(R SiO)SiR Hで示される化合物等が挙げられる。上記式中、Rは前記のとおりであり、e及びfは少なくとも1である。
あるいは、上記平均組成式(2)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位と、式:RHSiOで示されるシロキサン単位及び/又は式:R HSiO0.5で示されるシロキサン単位とを含むものであってもよい。更に、該オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を含まないモノオルガノシロキサン単位、ジオルガノシロキサン単位、トリオルガノシロキサン単位及び/又はSiO4/2単位を含んでいてもよい。上記式中のRは前記のとおりである。
(B)成分であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、これらの各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やエポキシ基含有基置換アルキル基で置換されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、式:R SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiOで示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiOで示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:RHSiOで示されるシロキサン単位と式:RSiO1.5で示されるシロキサン単位及び式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位のどちらか一方又は両方とからなるオルガノシロキサン共重合体、及び、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。上記式中のRは、前記と同様の意味を有する。
(B)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分の配合量は、(C)成分のヒドロシリル化触媒の存在下に本発明の組成物を硬化させるに十分な量であり、通常、(A)成分中の脂肪族不飽和基に対する(B)成分中のSiH基のモル比が0.2〜5であることが好ましく、より好ましくは0.4〜2となる量である。このようなモル比であれば硬化不足となることがなく、硬度、耐熱性、耐クラック性などの封止材料としての特性を満足できるものである。
[(C)成分]
(C)成分は、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒である。
(C)成分の白金族金属系ヒドロシリル化触媒としては、(A)成分中のケイ素原子結合脂肪族不飽和基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。(C)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
(C)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(C)成分の配合量は、ヒドロシリル化触媒としての有効量でよく、好ましくは(A)成分と(B)成分の合計質量に対して白金族金属元素の質量換算で0.1〜1,000ppmの範囲であり、より好ましくは1〜500ppmの範囲である。
上記(A)〜(C)成分を含むものである本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、高いガスバリア性と高い耐熱変色性を有する硬化物を与える硬化性オルガノポリシロキサン組成物となる。
本発明の組成物には、更に下記(D)成分を配合することが好ましい。
[(D)成分]
(D)成分は、下記平均組成式(4)で表される1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサンである。
SiO(4−d)/2 (4)
(式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、dは1≦d≦3を満たす正数である。)
(D)成分中の脂肪族不飽和基としては、例えば、(A)成分の式(1)中のRとして具体的に例示した脂肪族不飽和基が挙げられ、特にビニル基であることが好ましい。
(D)成分中の脂肪族不飽和基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(4)において、Rで示される非置換又は置換の1価炭化水素基)中、0.1〜40モル%であり、特に0.2〜20モル%であることが好ましい。
また、(D)成分は、分子中に少なくとも1個のケイ素原子に結合したアリール基を有することが好ましい。
該アリール基としては、例えば、(B)成分における式(2)中のRとしての、脂肪族不飽和基以外の非置換または置換の1価炭化水素基として具体的に例示した炭素原子数6〜10の芳香族炭化水素基が挙げられ、特に好ましくはフェニル基である。
(D)成分中のアリール基の含有量は、ケイ素原子に結合した1価の有機基(即ち、上記平均組成式(4)において、Rで示される非置換もしくは置換の1価炭化水素基)中、少なくとも5モル%であることが好ましい。ケイ素原子に結合した1価の有機基中、アリール基が5モル%以上である場合、硬化した被覆保護材の耐熱性や低温特性が良好で、熱衝撃試験による信頼性の低下を招く恐れがないため、少なくとも5モル%、特に30モル%以上がアリール基であることが好ましい。その上限は特に規定されるものではないが、ケイ素原子に結合した1価の有機基中、80モル%以下、特には70モル%以下であることが好ましい。
(D)成分中のRとしての、脂肪族不飽和基およびアリール基以外のケイ素原子に結合する非置換または置換の1価炭化水素基としては、例えば、(A)成分における平均組成式(1)中のRとしての、脂肪族不飽和基及びアダマンチル基含有基以外の非置換または置換の1価炭化水素基として具体的に例示した炭素原子数1〜6のアルキル基若しくはハロアルキル基が挙げられ、特に好ましくはメチル基である。
また、上記平均組成式(4)において、dは1≦d≦3を満たす正数であり、本成分の分子構造は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。
この(D)成分が直鎖状の場合の回転粘度計により測定した粘度は、作業性の面から25℃において、100〜20,000mPa・s、特に500〜10,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。このような粘度であれば、粘度が低すぎて流動しやすくなることに起因する成形バリなどが発生するおそれがなく、粘度が高すぎることに起因する必要成分混合時に混入した空気の泡が抜け難くなるおそれがない。なお、分岐状の場合は液体または固体となり、液体の場合は25℃における粘度が1,000〜5,000mPa・s程度の範囲であることが好ましい。固体状のものを使用する場合は、これを可溶な直鎖状のオルガのポリシロキサンと併用し、25℃における粘度が100〜20,000mPa・sとなるようにすることが好ましい。
(D)成分を配合することにより組成物の硬化物に適度な硬さや強度を付与し易くなる。(D)成分の配合量は、(A)成分と(D)成分の配合割合(質量比)が、100〜30:70となる量が好ましく、より好ましくは90:10〜35:65、特に好ましくは80:20〜40:60である。このような配合量であれば、(D)成分の配合効果が十分に得られ、適度な硬度も得ることができるため好都合である。
[その他の成分]
本発明の組成物には、前記(A)〜(D)成分以外にも、目的に応じて、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
・(A)および(D)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物
本発明の組成物には、(A)および(D)成分以外にも、封止材料の基材との接着性を向上させる目的で、(B)成分と付加反応する脂肪族不飽和基含有化合物を配合してもよい。(A)成分以外のこのような脂肪族不飽和基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも1個の脂肪族不飽和基を有する(A)および(D)成分以外のオルガノポリシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。具体例としては、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、N−アリル−N’,N”−ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
また、上記オルガノポリシロキサン以外の脂肪族不飽和基含有有機化合物を配合することが可能である。該脂肪族不飽和基含有化合物の具体例としては、ブタジエン、多官能性アルコールから誘導されたジアクリレートなどのモノマー;ポリエチレン、ポリプロピレン又はスチレンと他のエチレン性不飽和化合物(例えば、アクリロニトリル又はブタジエン)とのコポリマーなどのポリオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸のエステル等の官能性置換有機化合物から誘導されたオリゴマー又はポリマーが挙げられる。(A)および(D)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物は、室温で液体であっても固体であってもよい。
上記(A)および(D)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物の含有量は、(A)、(B)、および(D)成分の合計100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。0.1質量部以上であれば、接着性の向上に対する効果が得られ、10質量部以下であれば硬化物の耐熱性の低下といった問題が発生するおそれがない。
・付加反応制御剤
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることができる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ドデシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。
付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましいが、通常、(A)、(B)、および(D)成分の合計100質量部に対して0.0001〜5質量部程度である。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
・その他の任意成分
硬化物の着色、白濁、酸化劣化等の発生を抑えるために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の従来公知の酸化防止剤を本発明組成物に配合することができる。また、光劣化に対する抵抗性を付与するために、ヒンダードアミン系安定剤等の光安定剤を本発明組成物に配合することもできる。更に、本発明組成物から得られる硬化物の強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を本発明組成物に配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を本発明組成物に配合してもよい。
[硬化物]
本発明の硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、公知の硬化条件下で公知の硬化方法により硬化させることができる。具体的には、通常、80〜200℃、好ましくは100〜160℃で加熱することにより、該組成物を硬化させることができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度、特に1分〜3時間程度でよいが、LED封止用等の信頼性が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。得られる硬化物の形態は特に制限されず、例えば、ゲル硬化物、エラストマー硬化物及び樹脂硬化物のいずれであってもよい。該硬化物は、外部からの腐食性ガスの浸入を抑制し、かつ、高い耐熱変色性を有する硬化物となる。
[光学素子用封止材・光学素子]
本発明組成物の硬化物は、上記のようにガスバリア性と耐熱変色性に優れ、通常の硬化性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物と同様に耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れ、更に耐吸湿リフロー性にも優れる。本発明の組成物からなる封止材によって封止される光学素子としては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等が挙げられる。このような光学素子は、該光学素子に本発明の組成物からなる封止材を塗布し、塗布された封止材を公知の硬化条件下で公知の硬化方法により、具体的には上記したとおりに硬化させることによって封止することができる。
以下、調製例、実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明する。なお、下記の実施例は、本発明を何ら制限するものではない。
なお、下記の例で、粘度は回転粘度計を用いて23℃で測定した値である。屈折率はATAGO製デジタル屈折計RX−5000を用いて589nmの屈折率を25℃で測定し、硬度はJIS−K6249に準じて測定した。
また、下記の例において、シリコーンオイルまたはシリコーンレジンの平均組成を示す記号は以下の通りの単位を示す。
M:(CHSiO1/2
:(CHHSiO1/2
Vi:(CH=CH)(CHSiO1/2
ΦVi:(CH=CH)(C)(CH)SiO1/2
D:(CHSiO2/2
:(CH)HSiO2/2
Vi:(CH=CH)(CH)SiO2/2
Φ:(CSiO2/2
ΦMe:(C)(CH)SiO2/2
Φ:(C)SiO3/2
Adm
Figure 2014162798
[調製例1]白金触媒の調製
六塩化白金酸と1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンとの反応生成物を、白金含量が1.0質量%となるように、粘度0.7Pa・s、平均組成式:MVi 19Φ のシリコーンオイルで希釈して、本実施例および比較例で使用する白金触媒(触媒A)を調製した。
[調製例2] 平均組成式:MVi Adm のシリコーンレジンの合成
1Lのフラスコに、水292gおよびキシレン170gを入れ、そこへ下記式(5)で表されるトリクロロシラン170.2g、クロロジメチルビニルシラン24.1g、キシレン39gの混合溶液を内温が60℃を超えないように滴下し、その後60℃〜65℃で2時間撹拌を続けた。室温に冷却した後、水相を分離した。有機相を芒硝(NaSO・10HO)水で洗浄し、その後水酸化カリウム0.4gを加え、130℃〜140℃で12時間攪拌を続けた。50℃〜60℃に冷却した後、クロロトリメチルシラン2.0g、酢酸カリウム1.8gを加え、50℃〜60℃で2時間攪拌を続けた。室温に冷却した後にろ過し、無色透明の平均組成式:MVi Adm のシリコーンレジンのキシレン溶液を得た(不揮発分約40質量%)。
Figure 2014162798
[調製例3] 平均組成式:MVi Φ Adm のシリコーンレジンの合成
1Lのフラスコに、水390gおよびキシレン194gを入れ、そこへ前記式(5)で表されるトリクロロシラン110.1g、クロロジメチルビニルシラン31.2g、トリクロロフェニルシラン82.2g、キシレン40gの混合溶液を内温が60℃を超えないように滴下し、その後60℃〜65℃で2時間撹拌を続けた。室温に冷却した後、水相を分離した。有機相を芒硝水で洗浄し、その後水酸化カリウム0.44gを加え、130℃〜140℃で12時間攪拌を続けた。50℃〜60℃に冷却した後、クロロトリメチルシラン2.2g、酢酸カリウム1.9gを加え、50℃〜60℃で2時間攪拌を続けた。室温に冷却した後にろ過し、無色透明の平均組成式:MVi Φ Adm シリコーンレジンのキシレン溶液を得た(不揮発分約40質量%)。
[調製例4] 平均組成式:MVi Φ 5.6Adm 0.4のシリコーンレジンの合成
1Lのフラスコに、水370gおよびキシレン150gを入れ、そこへ前記式(5)で表されるトリクロロシラン14.2g、クロロジメチルビニルシラン30.1g、トリクロロフェニルシラン148g、キシレン35gの混合溶液を内温が60℃を超えないように滴下し、その後60℃〜65℃で2時間撹拌を続けた。室温に冷却した後、水相を分離した。有機相を芒硝水で洗浄し、その後水酸化カリウム0.33gを加え、130℃〜140℃で12時間攪拌を続けた。50℃〜60℃に冷却した後、クロロトリメチルシラン1.7g、酢酸カリウム1.5gを加え、50℃〜60℃で2時間攪拌を続けた。室温に冷却した後にろ過し、無色透明の平均組成式:MVi Φ 5.6Adm 0.4シリコーンレジンのキシレン溶液を得た(不揮発分約40質量%)。
[実施例1]
平均組成式:MΦ 8.6Vi 6.53.4のシリコーンオイル32.6部、平均組成式:MVi Adm のシリコーンレジン54.2部、および平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン24.8部を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06部および触媒A0.1部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(A)の硬度はShoreDで62であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表1に示す。
[実施例2]
平均組成式:MΦ 8.6Vi 6.53.4のシリコーンオイル32.6部、平均組成式:MVi Adm のシリコーンレジン54.2部、および平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン28.6部を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06部および触媒A0.1部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(B)の硬度はShoreDで72であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表1に示す。
[実施例3]
平均組成式:MΦ 8.6Vi 6.53.4のシリコーンオイル32.6部、平均組成式:MVi Φ Adm のシリコーンレジン54.2部、および平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン27.6部を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06部および触媒A0.1部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(C)の硬度はShoreDで68であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表1に示す。
[実施例4]
平均組成式:MΦ 8.6Vi 6.53.4のシリコーンオイル32.6部、平均組成式:MVi Φ Adm のシリコーンレジン54.2部、および平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン27部を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06部および触媒A0.1部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(D)の硬度はShoreDで76であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表1に示す。
[比較例1]
平均組成式:MΦ 8.6Vi 6.53.4のシリコーンオイル24.7部、平均組成式:MVi Φ のシリコーンレジン54.2部、および平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン23.6部を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06部および触媒A0.1部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(E)の硬度はShoreDで41であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表2に示す。
[比較例2]
平均組成式:MΦ 8.6Vi 6.53.4のシリコーンオイル32.6部、平均組成式:MVi Φ のシリコーンレジン54.2部、および平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン28.8部を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06部および触媒A0.1部と混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(F)の硬度はShoreDで71であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表2に示す。
[比較例3]
平均組成式:MΦvi Φ 3.6のシリコーンオイル55.1g、平均組成式:DVi Φ のシリコーンレジン45g、平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン28.6gの混合物を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.2gおよび触媒A0.3gと混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(G)の硬度はShoreDで50であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表2に示す。
[比較例4]
平均組成式:MΦvi Φ ΦMe のシリコーンオイル26g、平均組成式:MVi Φ のシリコーンレジン52g、平均組成式:M Φ のオルガノハイドロジェンポリシロキサン19gの混合物を、制御剤としての3−メチル−1−ドデシン−3−オール0.06gおよび触媒A0.1gと混合してオルガノポリシロキサン組成物を得た。この組成物を100℃で2時間、更に150℃で4時間加熱して硬化させたところ、得られたエラストマー(H)の硬度はTypeAで70であった。更に耐熱変色性および硫化試験の結果を表2に示す。
評価方法
硫化試験用テストパッケージ
硫化試験用のテストパッケージとして、LEDチップを搭載していない図1に示すような簡易パッケージ10を使用した。ここで、1が筐体、2、3がリード電極、4が封止樹脂(実施例および比較例で得られたオルガノポリシロキサン組成物の硬化物)であり、封止樹脂4で銀面5を封止した。前記オルガノポリシロキサン組成物の硬化条件は100℃で2時間、更に150℃で4時間である。
硫化試験の試験方法
作製したテストパッケージ10を、硫黄粉末0.2gを入れた100gガラス瓶の中に高さが同一になるように設置し、密閉後70℃の環境下に置きテストパッケージ10の銀面5の変色を確認した。結果を表1、2に示す。なお表中には、銀面5が変色した時間を記載した。
耐熱変色性用テストピース
耐熱変色性用テストピースとして、2mm厚の硬化物(実施例および比較例で得られたオルガノポリシロキサン組成物の硬化物)を作製した。前記オルガノポリシロキサン組成物の硬化条件は100℃で2時間、更に150℃で4時間である。
耐熱変色性の試験方法
作製した2mm厚の硬化物について分光光度計を用いて、初期および180℃の恒温槽に48時間入れた後の400nmの光透過率を測定した。結果を表1、2に示す。
Figure 2014162798
Figure 2014162798
アダマンチル基含有基を有する実施例は、ガスバリア性、耐熱変色性ともに良かった。一方、比較例は、耐熱変色性は悪くないものの、ガスバリア性が悪かった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…筐体、 2、3…リード電極、 4…封止樹脂、 5…銀面、
10…硫化試験用テストパッケージ。

Claims (7)

  1. (A)下記平均組成式(1):
    SiO(4−a)/2 (1)
    (式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、R中の少なくとも1個がアダマンチル基含有基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、aは1≦a≦3を満たす正数である。)
    で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサン、
    (B)下記平均組成式(2):
    SiO(4−b−c)/2 (2)
    (式中、Rは脂肪族不飽和基以外の互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基、又はアルコキシ基であり、bおよびcは、0.7≦b≦2.1、0.001≦c≦1.0、かつ0.8≦b+c≦3.0を満足する正数である。)
    で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
    を含むものであることを特徴とする硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  2. 前記式(1)において、アダマンチル基含有基が下記式(3)で表されるアダマンチルメチル基であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
    Figure 2014162798
    (式中、*部はケイ素との結合部位を示す。)
  3. 前記(B)成分が、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有するものであることを特徴とする請求項1項又は請求項2に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  4. 前記硬化性オルガノポリシロキサン組成物が、更に、
    (D)下記平均組成式(4):
    SiO(4−d)/2 (4)
    (式中、Rは互いに同一又は異種の非置換もしくは置換の1価炭化水素基であり、全Rの0.1〜40モル%が脂肪族不飽和基であり、dは1≦d≦3を満たす正数である。)
    で表される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を有するオルガノポリシロキサンを含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  5. 前記(D)成分が、1分子中に少なくとも1個のケイ素原子結合アリール基を有するものであることを特徴とする請求項4項に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性オルガノポリシロキサン組成物からなるものであることを特徴とする光学素子用封止材。
  7. 請求項6に記載の光学素子用封止材の硬化物で封止されたものであることを特徴とする光学素子。
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