JP6863877B2 - 付加硬化型シリコーン組成物、硬化物、及び光学装置 - Google Patents
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Description
(B)2つ以上の環状オルガノハイドロジェンシロキサンが、2〜4価の有機基によって連結した化合物
及び、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
を含む付加硬化型シリコーン組成物を提供する。
(B)2つ以上の環状オルガノハイドロジェンシロキサンが、2〜4価の有機基によって連結した化合物
及び、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
を含む付加硬化型シリコーン組成物である。
本発明の付加硬化型シリコーン組成物は、下記の(A)、(B)、及び(C)成分を含有するものである。以下、各成分について詳細に説明する。
(A)成分は、側鎖にフェニル基を持つシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端にケイ素原子に結合したビニル基を含有するトリオルガノシロキシ基で封鎖された直鎖状のジオルガノポリシロキサンであり、式(1)で表される。
上記ジフェニルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位の配列はランダムであってもブロックであってもよい。
本発明の(B)成分は、2つ以上の環状オルガノハイドロジェンシロキサンが、2〜4価の有機基によって連結した化合物である。
(C)成分の白金族金属を含むヒドロシリル化触媒は、(A)成分中のケイ素原子に結合したビニル基と(B)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであればいかなる触媒を使用してもよい。(C)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
本発明の組成物には、前記(A)〜(C)成分以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
本発明の組成物には、(A)成分以外にも、(B)成分と付加反応する脂肪族不飽和基含有化合物を配合してもよい。(A)成分以外のこのような脂肪族不飽和基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、1分子あたり少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有する(A)成分以外のポリオルガノシロキサンが挙げられる。その分子構造は、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等、いずれでもよい。
また、本発明の組成物には、(B)成分以外の、1分子当たり少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有し、かつ脂肪族不飽和基を有さない有機ケイ素化合物を併用しても良い。
ポットライフを確保するために、付加反応制御剤を本発明の組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(C)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィンなどのリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾールなどの窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体などが挙げられる。この反応抑制剤の含有量は限定されないが、(A)成分100質量部に対して0.0001〜5質量部の範囲内であることが好ましい。付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましい。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び加熱硬化性に優れたものとなる。
また、本組成物には、その接着性を向上させるための接着付与剤を含有していても良い。この接着付与剤としては、ケイ素原子に結合したアルコキシ基を一分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上有する有機ケイ素化合物であることが好ましい。このアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基であることが好ましい。また、この有機ケイ素化合物のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては、R1等として例示した、前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アリール基、前記アラルキル基、前記ハロゲン化アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ基含有一価有機基;3−メタクリロキシプロピル基等のアクリル基含有一価有機基;水素原子が例示される。具体的にはエポキシ基含有シランカップリング剤、(メタ)アクリル基含有シランカップリング剤等のシランカップリング剤やその部分加水分解縮合物(シランカップリング剤のオリゴマー)等が例示される。
また、本組成物には、その他任意の成分として、一層の強度を向上させるためにヒュームドシリカ、シリカ、ガラス、アルミナ、酸化亜鉛等の無機質充填剤を配合してもよい。また、必要に応じて、ポリメタクリレート樹脂等の有機樹脂微粉末;耐熱剤、染料、顔料、難燃性付与剤、溶剤等を配合してもよい。
本発明のシリコーン組成物は、公知の硬化条件下で公知の硬化方法により硬化させることができる。具体的には、好ましくは80〜200℃、より好ましくは100〜160℃で加熱することにより、該組成物を硬化させることができる。加熱時間は、0.5分〜5時間程度、特に1分〜3時間程度でよいが、LED封止用等精度が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。得られる硬化物の形態は特に制限されず、例えば、ゲル硬化物、エラストマー硬化物及び樹脂硬化物のいずれであってもよい。該硬化物は、無色透明かつ高屈折率(屈折率1.52以上、特に1.53〜1.65)であることが好ましい。
本発明の組成物から成る封止材によって封止される光学装置としては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等が挙げられる。このような光学装置は、該光学装置に本発明の組成物から成る封止材を塗布し、塗布された封止剤を公知の硬化条件下で公知の硬化方法により、具体的には上記したとおりに硬化させることによって封止することができる。こうして信頼性の高い、本発明の付加硬化型シリコーン組成物の硬化物で封止された光学装置とすることができる。
光学装置1は、銀メッキ基板2が形成されたパッケージ3上に、光学素子4がダイボンドされており、この光学素子4は、ボンディングワイヤ5によりワイヤボンディングされている。
そして、上述した本発明の付加硬化型シリコーン組成物の硬化物6により、光学素子4が封止されている。
光学素子4の封止は、上述した本発明の付加硬化型シリコーン組成物6を塗布し、加熱により付加硬化型シリコーン組成物6を硬化させることにより行われる。またその他公知の硬化条件下で公知の硬化方法により硬化させてももちろん良い。
表1及び表2に示す配合量で下記の各成分を混合し、付加硬化型シリコーン組成物を調製した。なお、表1及び表2における各成分の数値は質量部を表す。
粘度:12,000(mPa・s),水素ガス発生量:130(ml/g),屈折率:1.514
D:反応制御剤としてのエチニルシクロヘキサノール
E:接着性付与剤としての下記構造式で表される化合物
付加硬化型シリコーン組成物を150℃の熱風循環式オーブンで3時間加熱することにより硬化物を作製した。この硬化物の硬さを、デュロメータD硬度計を使用して測定した。
付加硬化型シリコーン組成物を150℃の熱風循環式オーブンで3時間加熱することにより硬化して作製した硬化物について、ATAGO製デジタル屈折計RX−5000を用いて、25℃における589nmの屈折率を測定した。
付加硬化型シリコーン組成物を150℃の熱風循環式オーブンで3時間加熱することにより硬化して作製した硬化物(光路長2.0mm)の25℃における400nmの波長の光透過率を測定した。
図1のように作製して150℃×4時間の加熱で硬化したパッケージを、{−40℃(30分)、100℃(30分)}を1サイクルとする熱衝撃試験機の中に入れ、100サイクル経過後、パッケージを拡大顕微鏡で観察し、硬化物のクラックがある場合を×、クラックがない場合を○とした。
上記[硬化物の光透過率]で得られた結果を100とし、この硬化物を150℃の熱風循環式オーブンで500時間加熱後の光透過率を評価した。
5…ボンディングワイヤ、 6…付加硬化型シリコーン組成物(の硬化物)。
Claims (4)
- (A)下記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン化合物、
(B)2つ以上の環状オルガノハイドロジェンシロキサンが、2〜4価の有機基によって連結した化合物
及び、
(C)白金族金属を含むヒドロシリル化触媒
を含むことを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物であって、
前記(B)成分が、テトラメチルシクロテトラシロキサン及びペンタメチルシクロペンタシロキサンの少なくとも一方と、下記式(2)〜(8)で表される化合物から選ばれる1種以上の化合物との付加反応生成物であることを特徴とする付加硬化型シリコーン組成物。
- 前記式(1)において、R1がメチル基又はフェニル基であることを特徴とする請求項1に記載の付加硬化型シリコーン組成物。
- 請求項1又は請求項2に記載の付加硬化型シリコーン組成物を硬化したものであることを特徴とする硬化物。
- 請求項3に記載の硬化物で封止されたものであることを特徴とする光学装置。
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