JP2020128456A - 付加硬化型シリコーン樹脂組成物、該組成物の硬化物、及び光学素子 - Google Patents

付加硬化型シリコーン樹脂組成物、該組成物の硬化物、及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性に優れ、特に高いガスバリアを有し、かつ耐熱変色性に優れた硬化物を与える透明な付加硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。【解決手段】(A)アルケニル基、及びケイ素原子結合Fn(C6H5−n)基を有する直鎖状であるオルガノポリシロキサン、(B)アルケニル基、及びケイ素原子結合Fn(C6H5−n)基を有する分岐状であるオルガノポリシロキサン、(C)ケイ素原子結合水素原子を有する有機ケイ素化合物:前記(A)、前記(B)成分の合計脂肪族不飽和基と(C)成分のSiH基とのモル比が0.2≦SiH基/脂肪族不飽和基≦5.0となる量、(D)白金族金属系触媒、を含有するものである付加硬化型シリコーン樹脂組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、光学素子封止材料、特に白色LED(発光ダイオード)用封止材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与える付加硬化型シリコーン樹脂組成物、該組成物の硬化物、及び該組成物の硬化物で封止された光学素子に関する。
付加硬化型シリコーン組成物は、付加反応性炭素−炭素二重結合を含有するオルガノポリシロキサン及びケイ素に結合した水素原子を有する有機ケイ素化合物を含み、ヒドロシリル化反応によって硬化して硬化物を与える。このようにして得られた硬化物は耐熱性、耐寒性、電気絶縁性に優れ、また、透明であるため、LEDの封止材料などの各種光学用途に用いられている(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、一般的に付加硬化型シリコーン組成物からなる光学素子封止材料はガスバリア性が低いために、外部からの腐食性ガスの侵入により銀電極が変色してしまう欠点がある。その結果、LEDの輝度が低下してしまう場合がある。
そこで、多環式炭化水素骨格含有成分を含む付加硬化型シリコーン組成物を用いた光学素子封止材料が提案されている。このような組成物から得られる封止材料は高いガスバリア性を有するため、外部からの腐食性ガスの侵入を防ぎ、銀電極の変色を抑えることが可能である。しかしながら、このような組成物から得られる封止材料は、熱により変色しやすいという欠点があり、特に近年のLED素子のハイパワー化に伴い、高温時の耐変色性に優れた材料が望まれている(特許文献3、4)。
特開2004−186168号公報 特開2004−143361号公報 特開2008−069210号公報 特開2012−046604号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性に優れ、特に高いガスバリアを有し、かつ耐熱変色性に優れた硬化物を与える透明な付加硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。即ち、本発明は、光学素子封止用材料として有用なシリコーン樹脂硬化物を与える付加硬化型シリコーン樹脂組成物、該組成物の硬化物、及び該組成物の硬化物で封止された光学素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、
(A)一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する直鎖状であるオルガノポリシロキサン0〜100質量部(ただし、nは1以上の整数である。)、
(B)一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する分岐状であるオルガノポリシロキサン0〜100質量部(ただし、nは1以上の整数である。)、
(但し、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計は100質量部である。)
(C)一分子中にケイ素原子結合水素原子を2個以上有する有機ケイ素化合物:前記(A)、前記(B)成分の合計脂肪族不飽和基と(C)成分のSiH基とのモル比が0.2≦SiH基/脂肪族不飽和基≦5.0となる量、
(D)白金族金属系触媒:有効量、
を含有するものであることを特徴とする付加硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
このような本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れた硬化物を与えることができるため、信頼性の高い光学素子封止材料を提供することができる。
またこのとき、前記(C)成分が、さらに一分子中に1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する(ただし、nは1以上の整数)ものであることが好ましい。
このように、(C)成分にケイ素原子結合F(C5−n)基を導入すれば、さらなるガスバリア性と耐熱変色性の向上が可能となる。
また、前記付加硬化型シリコーン樹脂組成物が、光学素子封止用のものであることが好ましい。
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、光学素子封止用として特に好適に用いることができる。
また、前記付加硬化型シリコーン樹脂組成物が、発光ダイオード封止用のものであることが好ましい。
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、なかでも発光ダイオード封止用として特に好適に用いることができる。
また、本発明は、上記記載の付加硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物であることを特徴とするシリコーン樹脂硬化物を提供する。
このようなものであれば、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れたものとなる。
また、前記シリコーン樹脂硬化物は、硬化直後における、波長400nmの光透過率が、厚さ2mmのシート状態で85%以上であり、180℃環境下、100時間暴露後の波長400nmの光透過率が75%以上を有するものであることが好ましい。
このようなものであれば、光学素子に用いた際に、より確実に光の取り出し効率が高くなり、また、高温環境下でも光の取り出し効率が高くなるため、十分な明るさを容易に確保できる。
また、前記シリコーン樹脂硬化物は、1mm厚の硬化物において、水蒸気透過率が50cc/m・day以下のものであることが好ましい。
このようなものであれば、光学素子に用いた際に、より確実にガスバリア性を有し、外部からの腐食性ガスの侵入による銀電極の変色をより確実に抑えることができる。
また、本発明は、上記記載のシリコーン樹脂硬化物で封止されたものであることを特徴とする光学素子を提供する。
このような光学素子であれば、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れた硬化物を用いているため、信頼性に極めて優れたものとなる。
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れた硬化物を与えることができるため、信頼性の高い光学素子封止材料を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明する。
上述のように、ガスバリア性を付与するために多環式炭化水素骨格含有成分を含む付加硬化型シリコーン組成物を用いた光学素子封止材料が提案されているが、このような組成物から得られる封止材料は、熱により変色しやすいという欠点があり、近年のLED素子のハイパワー化に伴い、高温時の耐変色性に優れた材料が望まれていた。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は、
(A)一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する直鎖状であるオルガノポリシロキサン0〜100質量部(ただし、nは1以上の整数である。)、
(B)一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する分岐状であるオルガノポリシロキサン0〜100質量部(ただし、nは1以上の整数である。)、
(但し、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計は100質量部である。)
(C)一分子中にケイ素原子結合水素原子を2個以上有する有機ケイ素化合物:前記(A)、前記(B)成分の合計脂肪族不飽和基と(C)成分のSiH基とのモル比が0.2≦SiH基/脂肪族不飽和基≦5.0となる量、
(D)白金族金属系触媒:有効量、
を含有するものであることを特徴とする付加硬化型シリコーン樹脂組成物である。
このような本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れた硬化物を与えることができるため、信頼性の高い光学素子封止材料を提供することができる。
[付加硬化型シリコーン樹脂組成物]
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、下記(A)〜(D)成分を含むものである。
<(A)成分>
(A)成分は一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する直鎖状であるオルガノポリシロキサンである(ただし、nは1以上の整数である。)。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、直鎖状の化合物であればよく、シロキサン単位(SiO)が2個以上結合した直鎖状の化合物等があげられる。
(A)成分において、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、エチニル基等の炭素数2〜10、特に2〜6のアルケニル基が好ましく、なかでもビニル基が好ましい。
さらに、(A)成分はケイ素原子結合F(C5−n)基(ただし、nは1以上の整数である。)及びアルケニル基以外に炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基を含んでもよい。例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、クロロメチル基、クロロプロピル基、クロロシクロヘキシル基等のハロゲン化炭化水素基等が例示される。好ましくは、非置換の炭素数1〜6の一価炭化水素基であり、特に好ましいのはメチル基である。
(A)成分の粘度は、25℃において10〜1,000,000mPa・sであることが好ましい。この範囲の粘度のものを使用すれば、本発明の組成物を用いて封止する際の作業性が良好となり、材料の沸点も十分高くなるため高温環境下における重量減少が発生しにくくなる。好ましくは10〜50,000mPa・sのもの、更に好ましくは10〜5,000mPa・sのものである。
(A)成分は、一種単独でも、二種以上を併用してもよい。
また、(A)成分が有するケイ素原子結合F(C5−n)基のnは1以上5以下の整数であり、好ましくは1、2である。すなわち、F(C)もしくはF(C)が好ましい。
<(B)成分>
(B)成分は、硬化物の透明性を維持したまま、補強性を得るための成分であり、一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有し、分岐構造を有するオルガノポリシロキサンである(ただし、nは1以上の整数である。)。
(B)成分が有するアルケニル基としては、(A)成分で記載したものと同様のものが例示される。
(B)成分のオルガノポリシロキサンは、分岐構造を有するものである。(B)成分のオルガノポリシロキサンは、SiO4/2単位及び、またはRSiO3/2単位からなる分岐構造、またはメチルビニルシロキシ単位、ジメチルシロキシ単位等のR SiO2/2、ジメチルビニルシロキシ単位、トリメチルシロキシ単位等のR SiO1/2単位を含んでもよい。ここで、Rは炭素数1〜8の置換又は非置換の一価炭化水素基であり、(A)成分で記載したものと同様のものが含まれる。
また、このオルガノポリシロキサンは、単離の面から重量平均分子量が500〜100,000の範囲であるものが好適である。
(B)成分は、一種単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
また、(B)成分が有するケイ素原子結合F(C5−n)基のnは1以上5以下の整数であり、好ましくは1、2である。すなわち、F(C)もしくはF(C)が好ましい。
上記(A)は0〜80質量部、(B)成分は20〜100部質量部の範囲であることが好ましい。但し、(A)成分及び(B)成分の合計は100質量部である。この範囲内であれば、硬化物において十分な硬度・強度が得られ、光学素子を封止した際に信頼性に優れたものとなる。
<(C)成分>
(C)成分は、一分子あたり少なくとも2個のSiH基(ケイ素原子結合水素原子)を有する有機ケイ素化合物である限り、該有機ケイ素化合物の分子構造に特に制限はなく、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状構造(樹脂状)等の、従来製造されている各種の有機ケイ素化合物を使用することができる。
(C)成分の有機ケイ素化合物が直鎖状構造又は分岐鎖状構造を有する場合、これらのSiH基は、分子鎖末端及び分子鎖非末端部分のどちらか一方にのみ位置していても、その両方に位置していてもよい。
(C)成分の有機ケイ素化合物の一分子中のケイ素原子の数(重合度)は、好ましくは2〜1,000個、より好ましくは2〜200個、更により好ましくは2〜100個程度である。更に、(C)成分の有機ケイ素化合物は25℃で液状であることが好ましく、回転粘度計により測定された25℃における粘度は、好ましくは1〜1,000mPa・s、より好ましくは10〜100mPa・s程度である。
(C)成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、下記平均組成式(1)で示されるものを用いることができる。

SiO(4−a−b)/2 ・・・(1)

(式中、Rは、互いに同一又は異種の、脂肪族不飽和基以外の置換又は非置換の、ケイ素原子結合一価炭化水素基であり、a及びbは、0.7≦a≦2.1、0.001≦b≦1.0、かつ0.8≦a+b≦3.0、好ましくは1.0≦a≦2.0、0.01≦b≦1.0、かつ1.5≦a+b≦2.5を満足する正数である。)
脂肪族不飽和基以外の置換又は非置換の、ケイ素原子結合一価炭化水素基Rとしては、上記(A)、(B)成分で非置換又は置換の一価炭化水素基として具体的に例示したもののうち、炭素数1〜6のアルキル基又はハロアルキル基、及び炭素数6〜10のアリール基等の置換又は非置換の基が挙げられる。Rは、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、又はハロアルキル基である。
また、上記平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンシロキサンは、式:HSiO1/2で示されるシロキサン単位、式:RHSiOで示されるシロキサン単位及び/又は式:R HSiO1/2で示されるシロキサン単位を含むものであってもよい。上記オルガノハイドロジェンシロキサンは、SiH基を含まないモノオルガノシロキサン単位、ジオルガノシロキサン単位、トリオルガノシロキサン単位及び/又はSiO4/2単位を含んでいてもよい。上記式中のRは前記の通りである。
(C)成分が一分子あたり少なくとも2個のSiH基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである場合、その具体例としては、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジフェニルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、これらの各例示化合物において、メチル基の一部又は全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基で置換されたオルガノハイドロジェンポリシロキサン、式:R SiO1/2で示されるシロキサン単位と式:R HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:R HSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位とからなるオルガノシロキサン共重合体、式:RHSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位及び式:HSiO1/2で示されるシロキサン単位のどちらか一方又は両方とからなるオルガノシロキサン共重合体、及び、これらのオルガノポリシロキサンの2種以上からなる混合物が挙げられる。上記式中のRは、前記と同様の意味を有する。
(C)成分の配合量は、(A)、(B)成分中のアルケニル基に対する(C)成分中のSiH基のモル比が0.2≦SiH基/脂肪族不飽和基≦5.0、好ましくは0.5≦SiH基/脂肪族不飽和基≦2.0となる量である。
さらに、上述した(A)、(B)成分中のケイ素原子結合F(C5−n)で定義された置換基を(C)成分に導入することが、さらなるガスバリア性と耐熱変色性の向上が可能なことから好ましい。また、本発明に含まれるケイ素原子結合F(C5−n)基として、合成面から特に好ましいのは、F(C)もしくはF(C)である。
<(D)成分>
(D)成分は、(A)、(B)成分と(C)成分とのヒドロシリル化付加反応を促進する、白金族金属系触媒である。
(D)成分の白金族金属系触媒としては、(A)、(B)成分中のアルケニル基と(C)成分中のSiH基とのヒドロシリル化付加反応を促進するものであれば、いかなる触媒を使用してもよい。(D)成分は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。(D)成分としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の白金族金属や、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサン又はアセチレン化合物との配位化合物、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等の白金族金属化合物が挙げられるが、特に好ましくは白金化合物である。
(D)成分の配合量は、ヒドロシリル化触媒としての有効量でよく、好ましくは(A)、(B)及び(C)成分の合計質量に対して白金族金属元素の質量換算で0.1〜1000ppmの範囲であり、より好ましくは1〜500ppmの範囲である。
<その他の成分>
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物には、上記(A)〜(D)成分以外にも、その他の任意の成分を配合することができる。その具体例としては、以下のものが挙げられる。以下に挙げるその他の成分は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
≪(A)、(B)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物≫
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物には、(A)、(B)成分以外にも、(C)成分と付加反応する脂肪族不飽和基含有化合物を配合してもよい。(A)、(B)成分以外のこのような脂肪族不飽和基含有化合物としては、硬化物の形成に関与するものが好ましく、それ故、一分子あたり少なくとも2個の脂肪族不飽和基を有することが好ましい。(A)、(B)成分以外のこのようなポリオルガノシロキサンの分子構造としては、例えば環状構造が挙げられる。
(A)、(B)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物の具体例としては、ブタジエン、多官能性アルコールから誘導されたジアクリレート等のモノマー;ポリエチレン、ポリプロピレン又はスチレンと他のエチレン性不飽和化合物(例えば、アクリロニトリル又はブタジエン)とのコポリマー等のポリオレフィン;アクリル酸、メタクリル酸、又はマレイン酸のエステル等の官能性置換有機化合物から誘導されたオリゴマー又はポリマーが挙げられる。(A)、(B)成分以外の脂肪族不飽和基含有化合物は室温で液体であっても固体であってもよい。
≪付加反応制御剤≫
ポットライフをより長く確保するために、付加反応制御剤を本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物に配合することができる。付加反応制御剤は、上記(D)成分のヒドロシリル化触媒に対して硬化抑制効果を有する化合物であれば特に限定されず、従来から公知のものを用いることもできる。その具体例としては、トリフェニルホスフィン等のリン含有化合物;トリブチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール等の窒素含有化合物;硫黄含有化合物;アセチレンアルコール類(例えば、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール)等のアセチレン系化合物;アルケニル基を2個以上含む化合物;ハイドロパーオキシ化合物;マレイン酸誘導体等が挙げられる。
付加反応制御剤による硬化抑制効果の度合は、その付加反応制御剤の化学構造によって異なる。よって、使用する付加反応制御剤の各々について、その添加量を最適な量に調整することが好ましい。最適な量の付加反応制御剤を添加することにより、組成物は室温での長期貯蔵安定性及び付加硬化性により優れたものとなる。
≪上記以外のその他の成分≫
硬化物の着色、白濁、酸化劣化等の発生を抑えるために、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等の従来公知の酸化防止剤を本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物に配合することができる。また、光劣化に対する抵抗性を付与するために、ヒンダードアミン系安定剤等の光安定剤を本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物に配合することもできる。更に、強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物に配合してもよいし、必要に応じて、染料、顔料、難燃剤等を配合してもよい。
[硬化物]
本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、公知の硬化条件下で公知の硬化方法により硬化させることができる。具体的には、通常、室温〜200℃、好ましくは80〜160℃で加熱することにより、上記組成物を硬化させることができる。加熱時間は、5分〜5時間程度、特に5分〜3時間程度でよいが、LED封止用等精度が要求される場合は、硬化時間を長めにすることが好ましい。得られる硬化物の形態は特に制限されず、例えば、ゲル硬化物、エラストマー硬化物及び樹脂硬化物のいずれであってもよい。
このような本発明のシリコーン樹脂硬化物は、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れたものとなる。
また、本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化して得られる硬化物は、通常の付加硬化型シリコーン組成物の硬化物と同様に耐寒性、電気絶縁性にも優れる。
[光学素子封止材]
上述のように、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物として、例えば、エラストマー状、ゲル状、あるいは柔軟なゴム状から弾性を有する樹脂状まで得ることができる。
このような本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、特に、硬化物の光透過率が高く、光学素子を封止した場合に光取出し効率にも優れることから、光学用途、なかでも光学素子封止材、発光ダイオード封止材として最適である。
光学素子封止材料として機能する上では、硬化直後の硬化物の波長400nmの光透過率が、好ましくは85%以上(即ち、85〜100%)である。上記光透過率が85%以上であると、硬化物を照明器具などの発光装置の光学素子封止材料として用いた場合に、光の取り出し効率が高くなり、十分な明るさを容易に確保できる。上記光透過率は、硬化物の製造初期のみならず加熱試験(硬化物を180℃にて100時間放置することにより行われるもの)の後においても、75%以上を維持していることが好ましい。
上記のように、本発明の透明付加硬化型シリコーン樹脂組成物から得られるシリコーン樹脂硬化物は、波長400nmの光の透過率が85%以上であり、180℃、100時間後の光透過率が75%以上であることが好ましい。このようなものであれば、光学素子封止材料として十分な光透過率をより確実に得ることができ、また、高温環境下でも光の取り出し効率が高くなるため、十分な明るさを容易に確保できる。なお、本明細書においての光透過率は、分光光度計により測定された数値を意味する。
また、本発明のシリコーン樹脂硬化物は、1mm厚の硬化物の水蒸気透過率が、50cc/m・day以下であることが好ましく、特に20cc/m・day以下であることが好ましい。このようなものであれば、ガスバリア性を有し、外部からの腐食性ガスの侵入による銀電極の変色をより確実に抑えることができる。
[光学素子]
また本発明では、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等に、本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物を封止材として塗布し、塗布された封止材を公知の硬化条件下で公知の硬化方法により、具体的には上記した通りに硬化させることによって封止された光学素子を提供する。このような光学素子であれば、高い透明性とガスバリア性に加え、高温時の耐熱変色性が優れた硬化物を与えることができる付加硬化型シリコーン樹脂組成物を用いているため、信頼性に優れたものとなる。また、本発明の硬化物により封止された半導体装置であれば、信頼性が優れる半導体装置とすることができる。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
なお、硬度はJIS−K6249に準じてタイプA硬度及びタイプD硬度を測定した。
また、光透過率は、組成物を厚さ2mmのシート状に成形、硬化させたものについて、波長400nmの光に対する透過率を25℃において分光光度計により測定した。
また、ガスバリア性(水蒸気透過率)の評価は、外径100mmΦ、厚さ1mmの硬化物を作製し、システック・シリノイ社製水蒸気透過率装置(L80−5000型)を用い、40℃にて測定を行った。水蒸気透過率の数値が低い方が、ガスバリア性が高いと評価される。
また、耐熱変色性の評価は、厚さ2mmのシート状に成形、硬化させた硬化物を、180℃にて100時間放置して加熱試験を行った。上記光透過率で得られた初期の光透過率と加熱試験後の光透過率との差を取ることで、耐熱変色性を評価した。光透過率の差が小さいほど耐熱変色性が高いと評価される。
また、下記の例において、直鎖状であるオルガノポリシロキサン又は分岐構造を有するオルガノポリシロキサンの平均組成を示す記号は以下の通りの単位を示す。

vi :(CH=CH)(CHSiO1/2
:(CHSiO1/2
:H(CHSiO1/2
:(CHSiO2/2
:H(CH)SiO2/2
F1 :(CF)SiO2/2
F2 :(CSiO2/2
2Φ :(CSiO2/2
:SiO4/2
さらに、各直鎖状又は分岐構造を有するオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンにおける上記単位のモル数は、各成分中に含有されるビニル基又はSiH基の平均モル数を示すものである。
[合成例1]
(A−1)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートと温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、ジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシラン80.0g(0.28モル)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン63.9g(0.34モル)及びメタンスルホン酸1.8gを添加し、撹拌混合した。そこへ水11.0gを滴下し、70℃で5時間反応を行った。反応終了後、水洗により中和し、100℃/8mmHg条件下で低沸点成分を除去することで反応生成物を得た。反応生成物をNMR、GPC等により分析した結果、平均組成式はMVi F1 1.3であった。
[合成例2]
(A−2)成分の調製
合成例1のジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシランをジエトキシビス(3,5−ジフルオロフェニル)シラン:96.3g(0.28モル)に変更することで、平均組成式均組成式MVi F2 1.3の反応生成物を得た。
[合成例3]
(B−1)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートと温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、メチルポリシリケート20.0g(0.042モル)、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン7.4g(0.04モル)、ジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシラン42.0g(0.15モル)、イソプロピルアルコール10.0g及びメタンスルホン酸0.87g入れ、撹拌混合した。そこへ水8.7gを滴下し、5時間撹拌することで加水分解反応を行った。そこへ50%水酸化カリウム水溶液1.4gおよびキシレン80gを加え、昇温して低沸点成分を留去し、120℃で5時間縮合反応を行った。中和剤としてメタンスルホン酸0.4gを添加し、120℃で中和反応を行った。冷却後、濾過をすることでレジンを得た。反応生成物をNMR、GPC等により分析した結果、平均組成式はMVi 4.2F1 3.8であった。
[合成例4]
(B−2)成分の調製
合成例3のジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシランをジエトキシビス(3,5−ジフルオロフェニル)シラン:51.6g(0.15モル)に変更することで、平均組成式MVi 2.4.2F2 3.8であるオルガノポリシロキサンを合成した。
[合成例5]
(C−1)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートと温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、水20.2g、濃塩酸36.6g、1,3−ジハイドロジェンテトラメチルジシロキサン161.0g(1.2モル)を入れ、5〜15℃へ冷却した。そこへジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシラン280.0g(1.0モル)を滴下し、さらに常温で2時間撹拌、反応させた。反応物を水洗し中和した後、100℃/8mmHgにて低沸点成分を除去することで、反応生成物を得た。反応生成物はNMR、GPCにより分析した結果、平均組成式はM F1 1.0であった。
[合成例6]
(C−2)成分の調製
合成例5のジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシラン280.0g(1.0モル)をジエトキシビス(3,5−ジフルオロフェニル)シラン:344g(1.0モル)へ変更することにより、平均組成物M F2 1.0の反応生成物を得た。
[合成例7]
(C−4)成分の調製
撹拌装置、冷却管、滴下ロートと温度計を備えた500mlの4つ口フラスコに、M 38で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン128.2gと、ヘキサメチルジシロキサン72.5g(0.45モル)、ジ(4−フルオロフェニル)ジメトキシシラン280.0(1.0モル)を入れ、5〜15℃へ冷却した。そこへ硫酸24.0gを添加し、さらに水19.3gを滴下した後に室温で5時間撹拌した。反応生成物を水洗により中和し、100℃/10mmHgで低分子成分を除去することで反応生成物を得た。反応生成物はGPC、NMRより分析した結果、平均組成式M F1 であった。
[実施例1〜4、比較例1〜3]
以下に示される成分を、下記表1に示す配合量(単位:質量部)で配合し、実施例1〜4、比較例1〜3の各々の組成物を得た。

(A−1)成分 合成例1で得られた反応生成物、
(A−2)成分 合成例2で得られた反応生成物、
(A−3)成分 平均分子式MVi 2Φ 1.3で表されるオルガノポリシロキサン、
(A−4)成分 MVi 205で表されるオルガノポリシロキサン、
(A―5)成分 MVi 436で表されるオルガノポリシロキサン、
(B−1)成分 合成例3で得られた反応生成物、
(B−2)成分 合成例4で得られた反応生成物、
(B−3)成分 平均組成式MVi 4.22Φ 3.8で表されるオルガノポリシロキサン、
(B−4)成分 M7.4Vi 1.310で表されるオルガノポリシロキサン、
(C−1)成分 合成例5で得られた反応生成物、
(C−2)成分 合成例6で得られた反応生成物、
(C−3)成分 平均分子式M 2Φ 1.0で表されるオルガノポリシロキサン、
(C−4)成分 合成例7で得られた反応生成物、
(C−5)成分 平均分子式M で表されるオルガノポリシロキサン、
(C−6)成分 下記式(i)で表されるオルガノポリシロキサン、
Figure 2020128456
(D)成分 白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体トルエン溶液(白金原子を1質量%含有するもの)及び、
(E)成分 1−エチニル−1−シクロヘキサノール(付加反応制御剤)
[実施例1]
(B)成分として合成例3で得られた(B−1)成分を100質量部、(C)成分として合成例5で得られた(C−1)成分を27.0質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は1.0である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
[実施例2]
(A)成分として合成例1で得られた(A−1)成分を20質量部、(B)成分として合成例3で得られた(B−1)成分を80質量部、(C)成分として合成例5で得られた(C−1)成分を37.9質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は1.0である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
[実施例3]
(A)成分として合成例2で得られた(A−2)成分を20質量部、(B)成分として合成例4で得られた(B−2)成分を80質量部、(C)成分として合成例6で得られた(C−2)成分を27.3質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は0.74である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
[実施例4]
(A)成分として合成例1で得られた(A−1)成分を20質量部、(B)成分として合成例3で得られた(B−1)成分を80質量部、(C)成分として合成例7で得られた(C−4)成分を35.3質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は1.2である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
[比較例1]
平均組成式MVi 4.22Φ 3.8で表される(B−3)成分を100質量部、平均分子式M 2Φ 1.0で表される(C−3)成分を28.6質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は1.0である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
[比較例2]
平均分子式MVi 2Φ 1.3で表される(A−3)成分を20質量部、平均組成式MVi 4.22Φ 3.8で表される(B−3)成分を80質量部、平均分子式M 2Φ 1.0で表される(C−3)成分を38.9質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は1.0である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
[比較例3]
Vi 205で表される(A−4)成分を10質量部、MVi 436で表される(A―5)成分を50質量部、M7.4Vi 1.310で表される(B−4)成分を50質量部、平均分子式M で表される(C−5)成分を5.0質量部、上記式(i)で表される(C−6)成分を1.0質量部、均一に混合した(なお、上記組成物中のSiHと炭素−炭素二重結合とのモル比は1.3である。)。さらに、(D)成分を0.05質量部、(E)成分を0.02質量部加えて混合して組成物を得た。
Figure 2020128456
次に、各実施例および比較例で得られた組成物について、下記の手法に従って硬化物を作製し(それぞれH1〜H4、H5〜H7)、性能評価を実施した。硬化条件として、150℃で2時間加熱硬化を行った。得られた硬化物の特性を表2に示す。
Figure 2020128456
表2に示されるように、本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、該組成物の硬化物の透明性が高く、水蒸気バリア性に優れ、加熱試験後の光透過率も高いことが確認された。また、表2に示されるように、実施例1−4において、さまざまな硬さの硬化物が得られた。
一方、比較例1及び2では水蒸気バリア性に優れるものの、加熱試験後の光透過率が大きく低下し、信頼性に劣ることがわかる。また、比較例3では加熱試験後の光透過性は高いものの、水蒸気バリア性に劣っていた。
以上のことから、本発明の付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、一般的なフェニル基を有するシリコーン組成物と同等の水蒸気バリア性を有するにも関わらず、透明性が高く、加熱試験後の光透過率変化も少ない(耐熱変色性に優れた)硬化物を与えることが明らかとなった。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (8)

  1. (A)一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する直鎖状であるオルガノポリシロキサン0〜100質量部(ただし、nは1以上の整数である。)、
    (B)一分子中に少なくとも2つ以上のアルケニル基、及び1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する分岐状であるオルガノポリシロキサン0〜100質量部(ただし、nは1以上の整数である。)、
    (但し、前記(A)成分及び前記(B)成分の合計は100質量部である。)
    (C)一分子中にケイ素原子結合水素原子を2個以上有する有機ケイ素化合物:前記(A)、前記(B)成分の合計脂肪族不飽和基と(C)成分のSiH基とのモル比が0.2≦SiH基/脂肪族不飽和基≦5.0となる量、
    (D)白金族金属系触媒:有効量、
    を含有するものであることを特徴とする付加硬化型シリコーン樹脂組成物。
  2. 前記(C)成分が、さらに一分子中に1個以上のケイ素原子結合F(C5−n)基を有する(ただし、nは1以上の整数)ものであることを特徴とする請求項1に記載の付加硬化型シリコーン樹脂組成物。
  3. 前記付加硬化型シリコーン樹脂組成物が、光学素子封止用のものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコーン樹脂組成物。
  4. 前記付加硬化型シリコーン樹脂組成物が、発光ダイオード封止用のものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の付加硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物であることを特徴とするシリコーン樹脂硬化物。
  6. 前記シリコーン樹脂硬化物は、硬化直後における、波長400nmの光透過率が、厚さ2mmのシート状態で85%以上であり、180℃環境下、100時間暴露後の波長400nmの光透過率が75%以上を有するものであることを特徴とする請求項5に記載のシリコーン樹脂硬化物。
  7. 前記シリコーン樹脂硬化物は、1mm厚の硬化物において、水蒸気透過率が50cc/m・day以下のものであることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のシリコーン樹脂硬化物。
  8. 請求項5から請求項7のいずれか1項に記載のシリコーン樹脂硬化物で封止されたものであることを特徴とする光学素子。
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