JP2020122061A - 硬化性シリコーン樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高透明性及び高屈折率を有し、特に高強度で硫黄ガス遮断性に優れた硬化物を与える付加硬化型シリコーン樹脂組成物及びその硬化物を提供する。【解決手段】(A)ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子鎖末端に有する特定の化合物100質量部、(B)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有する有機ケイ素化合物5〜200質量部、及び(C)有効量のヒドロシリル化反応触媒を含む硬化性シリコーン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光学デバイス・光学部品用材料、電子デバイス・電子部品用絶縁材料、コーティング材料等として有用な硬化物を与える硬化性シリコーン樹脂組成物およびその硬化物に関する。
付加硬化性シリコーン樹脂組成物は、アルケニル基等の脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサンを含み、ヒドロシリル化反応によって硬化して硬化物を与える。このようにして得られる硬化物は、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ、また、透明であるため、各種の光学用途に用いられている。
光学用途に使用するシリコーン樹脂には、高い透明性、高屈折率および高強度が要求され、これらを達成するために主骨格にジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体またはポリメチルフェニルシロキサンを使用する方法が一般に行われている。
しかしながら、硬化物を高強度にするためには、分岐状のオルガノポリシロキサンと直鎖状のオルガノポリシロキサンを組み合わせた組成物にしなければならないが、このような組成物で透明性、屈折率、弾性等を十分に満足する硬化物を与えるものは得られていない。
また、硬化物の硫黄ガス遮断性を上げるためには、側鎖にフェニル基を導入する方法が用いられるが、硫黄ガス遮断性はなお充分ではない(特許文献1〜9)。
特開2005−307015号公報 特開2004−143361号公報 特開2004−186168号公報 特開2004−292807号公報 特開2004−359756号公報 特開2005−076003号公報 特開2005−105217号公報 特開2010−132795号公報 特開2014−205823号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、高透明性および高屈折率を有し、特に高強度で硫黄ガス遮断性に優れた硬化物を与え、光学素子封止材として有用な付加硬化型シリコーン樹脂組成物およびその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意努力を行った結果、末端にジフェニルビニルシリル基を含有し、主鎖にジフェニルシルエチレンおよびメチルフェニルシロキサン骨格を含有する化合物を含む硬化性シリコーン樹脂組成物が、上記特性を有する硬化物を与えることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、
1. (A)下記一般式(1)で表され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子鎖末端に有する化合物:100質量部、
Figure 2020122061
(式中、nは0以上の整数である。)
(B)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有する有機ケイ素化合物:5〜200質量部、および
(C)ヒドロシリル化反応触媒:有効量
を含む硬化性シリコーン樹脂組成物、
2. (A)成分の屈折率が1.56以上である1記載の組成物、
3. (B)成分の屈折率が1.45以上である1または2記載の組成物、
4. (B)成分が、下記式(2)で表される基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物である1〜3のいずれかに記載の組成物、
Figure 2020122061
(式中、破線は結合手を示す。)
5. (B)成分が、下記式で表される化合物から選ばれる4記載の組成物、
Figure 2020122061
(式中、kは1〜10の整数であり、mは1〜10の整数である。)
6. 光学デバイス・光学部品用材料として用いられる1〜5のいずれかに記載の組成物、
7. 1〜6のいずれかに記載の組成物を硬化させてなる硬化物、
8. 透明である7記載の硬化物
を提供する。
本発明の硬化性シリコーン樹脂組成物は、熱衝撃等のストレスに強く、また、高屈折率のため光源からの光取り出し性に優れ、更に、耐熱性、透明性、硫黄ガス遮断性に優れた硬化物を与えることができる。従って、発光ダイオード素子の保護、封止、接着、波長変更もしくは波長調整、レンズ等のレンズ材料、光学デバイス・光学部品用封止材、ディスプレイ材料等の光学用材料等の用途に好適に使用できる。また、電子デバイス・電子部品用絶縁材料、更にはコーティング材料等としても使用できる。
実施例および比較例で用いたLEDランプを示す縦断面図である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。なお、本明細書において、屈折率は、(株)アタゴ製デジタル屈折率計RX−9000αにて測定したナトリウムのD線(波長589.3nm)を用いた25℃における値であり、粘度は回転粘度計により測定した値であり、ppmは質量基準である。
[(A)成分]
(A)成分は、下記一般式(1)で表される、末端にジフェニルビニルシリル基を含有し、主鎖にジフェニルシルエチレンおよびメチルフェニルシロキサン骨格を有する化合物である。
Figure 2020122061
(式中、nは0以上の整数である。)
(A)成分は1種単独でも、構造や重合度の異なる2種以上を組み合わせても使用することができる。
上記一般式(1)中のnは0以上の整数であるが、0〜30の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることが更に好ましく、特に1〜5の整数であることが好ましい。
(A)成分の屈折率は1.56以上であることが好ましく、より好ましくは1.56〜1.59であり、特に好ましくは1.57〜1.59である。(A)成分の屈折率が低すぎると、光学デバイス等を保護、封止等したときに光源からの光取り出し効率が低下する場合がある。
(A)成分の好適な具体例を以下に示すが、(A)成分はこれらに限定されるものではない。
Figure 2020122061
(A)成分は、例えば、常法に従い、(A)成分中の単位に対応する化合物どうしをヒドロシリル化反応させることにより得ることができる。
ヒドロシリル化反応の具体例としては、下記反応式で表されるものが挙げられる。
Figure 2020122061
(式中、例えばn=0のときはa=2,b=1である。また、n=1のときはa=3,b=2である。)
[(B)成分]
(B)成分の有機ケイ素化合物は、本発明組成物の架橋剤であり、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を少なくとも3個有する。(B)成分としては、例えば、SiH基を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、SiH基を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンシラン等が挙げられる。(B)成分は1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。
(B)成分のケイ素原子に結合する有機基としては、例えば、脂肪族不飽和結合を有しない同一または異種の非置換もしくは置換の炭素原子数が好ましくは1〜12、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の一価炭化水素基が挙げられる。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられ、特にメチル基、フェニル基が好ましい。
(B)成分に包含されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状が挙げられる。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンにおいて、SiH基は分子鎖末端にのみ位置していても(即ち、M単位中にのみ存在していても)、分子鎖側鎖にのみ位置していても(即ち、D単位中、T単位中またはこれらの両方にのみ存在していても)、分子鎖末端と分子鎖側鎖の両方に位置していてもよい。上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を少なくとも3個、好ましくは3〜300個、より好ましくは3〜100個程度有するものであり、また、ケイ素原子を好ましくは3〜300個、より好ましくは3〜150個程度有することが望ましい。
(B)成分の25℃における粘度は、得られる組成物の取扱作業性が良好であり、また、得られる硬化物の物理的特性が良好であることから、0.1〜1,000mPa・sの範囲内であることが好ましく、特に5〜500mPa・sの範囲内であることが好ましい。
(B)成分の屈折率は1.45以上であることが好ましく、より好ましくは1.45〜1.65である。(B)成分の屈折率が1.45以上であると、光源からの光取り出し性の点で有利である。(B)成分の屈折率が1.45以上であるためには、ケイ素原子に結合した有機基は、炭素原子数3以上のものを含むことが好ましく、特にフェニル基を含むことが好ましい。この場合、ケイ素原子に結合した水素原子以外の置換基の10モル%以上、特に10〜100モル%がフェニル基であることが好ましい。
(B)成分に包含されるSiH基を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)フェニルシラン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン;これらの化合物のメチル基の一部または全部がエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基等のアリール基で置換されたもの;式:R3SiO0.5で示されるシロキサン単位と式:R2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなる共重合体、式:R2HSiO0.5で示されるシロキサン単位と式:SiO2で示されるシロキサン単位とからなる共重合体、式:RHSiOで示されるシロキサン単位と式:RSiO1.5で示されるシロキサン単位および式:HSiO1.5で示されるシロキサン単位のいずれか一方または両方とからなる共重合体;上記化合物の二種以上からなる混合物等が挙げられる。上記式中のRは、脂肪族不飽和結合を有しない非置換の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基であり、Rとしては、例えば、(B)成分のケイ素原子に結合する有機基として上記で具体例を挙げたアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。他にも、下記式(2)で表される基を持つオルガノハイドロジェンシロキサンを用いることで、本発明の効果を更に強めることができる。
Figure 2020122061
(式中、破線は結合手を示す。)
(B)成分の具体的な構造を一般式として以下に例示する。
Figure 2020122061
(式中、kは1〜10の整数であり、mは1〜10の整数である。)
(B)成分に包含されるSiH基を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンシランの具体例としては、以下に示すシランが挙げられる。
Figure 2020122061
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して5〜200質量部であり、好ましくは10〜100質量部である。また、全組成物中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対する(B)成分中のSiH基の量が好ましくは0.3〜4.0モル、より好ましくは0.6〜3.0モルの範囲内となる量である。この範囲内となる量であると、得られる組成物は十分に硬化しやすく、得られる硬化物は耐熱性が優れたものとなりやすい。
[(C)成分]
(C)成分のヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分のアルケニル基含有化合物と(B)成分のSiH基含有有機ケイ素化合物との付加反応(ヒドロシリル化反応)を促進させる作用を有する限り、特に限定されない。(C)成分としては、例えば、従来から公知のヒドロシリル化反応触媒を使用することができる。(C)成分の具体例としては、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィン類、ビニルシロキサンまたはアセチレン系化合物との配位化合物(錯体)、白金−ビニルシロキサン錯体等の白金系化合物;テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系化合物;クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系化合物などが挙げられるが、特に白金系化合物が好ましい。
(C)成分の添加量はヒドロシリル化反応触媒としての有効量でよいが、希望する硬化速度に応じて適宜増減することができる。(C)成分の添加量は、(A)成分と(B)成分との合計に対して、白金、パラジウム、ロジウム等の触媒金属元素に換算して、通常、0.1〜1,000ppm、好ましくは1〜500ppmの範囲内である。なお、この配合量が0.1〜1,000ppmの範囲内であれば、配合量に応じて硬化速度を上昇させることができ、経済的にも好ましい。
[その他の成分]
本発明の組成物には、上記(A)〜(C)成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を配合してもよい。
例えば、得られる組成物の粘度、得られる硬化物の硬度等を調整するために、非反応性の直鎖状もしくは環状ジオルガノポリシロキサン等をその他の成分として配合してもよい。
また、必要なポットライフを確保するために、1−エチニルシクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等の反応制御剤をその他の成分として配合することができる。
更に、その他の成分として、透明性に影響を与えない範囲で、硬化物の強度を向上させるためにヒュームドシリカ等の無機質充填剤を配合してもよいし、必要に応じて、シランカップリング剤等の接着性向上剤、染料、顔料、難燃剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン系の酸化防止剤等を加えてもよい。
本発明組成物の硬化条件は、その量等により異なり、特に制限されないが、通常、60〜180℃で、5〜180分の条件とすることが好ましい。本発明の組成物は用途に応じて所定の基材に塗布した後、上記条件で加熱することにより硬化させることができる。
本発明の硬化物は、ASTM D 2240に準じて測定した硬度(Shore D)が60以上であることが好ましく、より好ましくは65〜90である。
透明性は、厚さ(光路長)2mmの硬化成形物について、日立分光光度計U−3310により測定した波長400nmでの光透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上である。
硫黄ガス遮断性は、本発明の組成物にて封止したパッケージについて初期の全光束を測定した後、これを100mLガラス瓶に0.2gの硫黄粉末と一緒に入れて密閉する。その状態で90℃×1日間劣化させ、再び全光束を測定したときに、光束変化率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは85%以上である。
酸素透過性は、厚さ1mmの硬化成形物について、PARMEATION ANALYZER 8001(illinois instruments製)により測定した酸素透過性が250cc/m3・24h以下であることが好ましく、より好ましくは200cc/m3・24h以下であり、更に好ましくは100cc/m3・24h以下である。
水蒸気透過性は、厚さ1mmの硬化成形物について、LYSSY L80−5000(SYSTECH illinois製)により測定した水蒸気透過性が8g/m3・24h以下であることが好ましく、より好ましくは6g/m3・24h以下である。
[用途]
本発明の硬化性シリコーン組成物は、光学デバイス・光学部品用材料、電子デバイス・電子部品用絶縁材料、コーティング材料等として有用である。光学デバイスとしては、例えば、LED、半導体レーザー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、CCD等の光学素子が挙げられる。光学部品としては、例えば、レンズ等が挙げられる。本発明の硬化性シリコーン組成物により、例えば、上記光学素子の保護、封止、接着等を行うことができ、また、上記光学部品を製造することができる。電子デバイス・電子部品としては、例えば、上記光学素子以外の、ダイオード、トランジスタ、IC、CPU、メモリー等の半導体素子等が挙げられる。コーティング用途としては、透明性が求められる用途等に好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
(A)下記式(3)で表されるメチルフェニルシロキサン系化合物(屈折率1.59):100質量部、
Figure 2020122061
(B)下記式(4)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(屈折率1.53):45質量部、
Figure 2020122061
および
1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部
を均一に混合して混合物を得た後、この混合物に
(C)白金−ビニルシロキサン錯体:(A)成分と(B)成分との合計に対して白金換算で10ppm
を添加し、更に均一に混合して組成物を得た。
この組成物を、ガラス板で組んだ型の中に4cm×4cm×2mm厚になるように流し込み、150℃で2時間加熱して硬化成形物を得た。
更に上記組成物をガラス板で組んだ型の中に4cm×4cm×1mm厚みになるように封入し、150℃で2時間硬化させることで硬化成形物を得た。
また、上記組成物の硬化物によりLEDチップが封止されたLEDランプを得た。このLEDランプの縦断面図を図1に示す。図1に示すLEDランプ1は、断面凹形状を有するポリフタルアミド製パッケージ2と、その内部に封止されたLEDチップ3(商品名SMD5050(I−CHIUN PRECISION INDUSTRY CO.,製、樹脂部PPA(ポリフタルアミド))とを具備する。パッケージの凹部4は底面部5および側面部6とからなり、底面部5の中央部にはLEDチップ3が配置されている。更に、底面部5には、LEDチップ3から離間して、底面部5および側面部6の双方に接するように銀電極7が形成されており、LEDチップ3と各銀電極7との間には金線8が接続されている。凹部4を上記組成物で満たし、該組成物を150℃で2時間加熱して硬化させて透明硬化物9を形成させることにより、凹部4が透明硬化物9で封止されたLEDランプ1を得た。
[実施例2]
実施例1において、(A)成分として、上記式(3)で表されるメチルフェニルシロキサン系化合物:100質量部の代わりに、下記式(5)で表されるメチルフェニルシロキサン系化合物(屈折率1.59):100質量部
Figure 2020122061
を用い、(B)成分の配合量を45質量部から31質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、1mmおよび2mm厚みの硬化成形物とLEDチップが硬化物で封止されたLEDランプとを得た。
[実施例3]
実施例2において使用した(A)成分を100質量部使用し、(B)成分として式(4)の化合物の代わりに下記式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(屈折率1.58):34質量部
Figure 2020122061
を均一に混合した以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、硬化成形物とLEDチップが硬化物で封止されたLEDランプとを得た。
[比較例1]
実施例1において、(A)成分として上記式(3)で表されるメチルフェニルシロキサン系化合物:100質量部の代わりに下記式(7)で表されるジフェニルシロキサン系化合物(屈折率1.57):100質量部
Figure 2020122061
を用い、(B)成分の配合量を45質量部から35質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、硬化成形物とLEDチップが硬化物で封止されたLEDランプとを得た。
[比較例2]
実施例1において、(A)成分として、上記式(3)で表されるメチルフェニルシロキサン系化合物:100質量部の代わりに、ケイ素原子に結合した有機基がメチル基、フェニル基およびビニル基からなり、ケイ素原子に結合した全有機基中、フェニル基の量が30モル%、ビニル基の量が0.02モル%であり、粘度が4,000mPa・s、屈折率が1.51のフェニルビニルメチルポリシロキサン:30質量部、ケイ素原子に結合した有機基がメチル基、フェニル基およびビニル基からなり、ケイ素原子に結合した全有機基中、フェニル基の量が30モル%、ビニル基の量が0.06モル%であり、粘度が700mPa・s、屈折率が1.51のフェニルビニルメチルポリシロキサン:30質量部、および
Figure 2020122061
のレジン:40質量部を用い、(B)成分の配合量を45質量部から20質量部に変更し、1−エチニルシクロヘキサノール:0.03質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、硬化成形物とLEDチップが硬化物で封止されたLEDランプとを得た。
[比較例3]
実施例1の組成物の代わりにフェニルシリコーンレジン系硬化性組成物(商品名:KER−2667、フェニル基含有量:約50モル%、信越化学工業(株)製)を用い、加熱時間を2時間から8時間に変更した以外は、実施例1と同様にして硬化成形物とLEDチップが硬化物で封止されたLEDランプとを得た。
[性能評価手法]
上記実施例および比較例で得られた硬化物およびLEDランプについて、下記手法に従い性能を評価した。
<硬度>
実施例および比較例にて作製した厚さ2mmの硬化成形物について、 ASTM D 2240に準じて硬化物の硬度(Shore D)を測定した。測定結果を表1に示す。
<透明性>
実施例および比較例にて作製した厚さ2mmの硬化成形物について、硬化物(光路長2.0mm)の25℃における400nmの波長の光透過率を測定した(装置名:日立分光光度計U−3310)。測定結果を表1に示す。
<硫黄ガス遮断性>
実施例および比較例にて作製したLEDランプの初期の全光束を測定した。次いで、100mLガラス瓶に0.2g硫黄粉末と各実施例および比較例にて作製したLEDランプを入れ、密閉した。密閉後90℃の乾燥器に入れ、24時間放置した。放置後LEDランプに通電して発光させて再び全光束を測定した。初期の全光束を100とした場合の24時間放置後に取り出したLEDランプの変化率を確認した(装置名:全光束測定システムHM−9100(大塚電子(株)製))。測定結果を表1に示す。
<酸素ガス透過性>
実施例および比較例にて作製した厚さ1mmの硬化成形物の酸素透過率を測定した(装置名:PARMEATION ANALYZER 8001、illinois instruments製)。測定結果を表1に示す。
<水蒸気透過性>
実施例および比較例にて作製した厚さ1mmの硬化成形物の水蒸気透過率を測定した(装置名:LYSSY L80−5000、SYSTECH illinois製)。測定結果を表1に示す。
Figure 2020122061
[評価]
末端にジフェニルビニルシリル基を含有し、主鎖にジフェニルシルエチレンおよびメチルフェニルシロキサン骨格を含有する化合物を使用することで、透明性、硫黄ガス遮断性に優れた硬化物を与える硬化性シリコーン樹脂組成物を開発することができた。
1 LEDランプ
2 パッケージ
3 LEDチップ
4 凹部
5 内側底面部
6 内側側面部
7 銀電極
8 金線
9 透明硬化物

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1)で表され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を分子鎖末端に有する化合物:100質量部、
    Figure 2020122061
    (式中、nは0以上の整数である。)
    (B)ケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも3個有する有機ケイ素化合物:5〜200質量部、および
    (C)ヒドロシリル化反応触媒:有効量
    を含む硬化性シリコーン樹脂組成物。
  2. (A)成分の屈折率が1.56以上である請求項1記載の組成物。
  3. (B)成分の屈折率が1.45以上である請求項1または2記載の組成物。
  4. (B)成分が、下記式(2)で表される基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン化合物である請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
    Figure 2020122061
    (式中、破線は結合手を示す。)
  5. (B)成分が、下記式で表される化合物から選ばれる請求項4記載の組成物。
    Figure 2020122061
    (式中、kは1〜10の整数であり、mは1〜10の整数である。)
  6. 光学デバイス・光学部品用材料として用いられる請求項1〜5のいずれか1項記載の組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物を硬化させてなる硬化物。
  8. 透明である請求項7記載の硬化物。
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