JP2014162687A - 亜鉛還元法で得られた多結晶シリコンの精製方法 - Google Patents

亜鉛還元法で得られた多結晶シリコンの精製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】亜鉛還元法によって得られた多結晶シリコンから、粒状石英ガラス、ホウ素系不純物、亜鉛等の金属不純物などの各種不純物を有効に低減または除去し得る、多結晶シリコンの精製方法を提供すること。
【解決手段】本発明の多結晶シリコンの精製方法は、亜鉛還元法により製造された、針状又は樹枝状の多結晶シリコンを塩酸で洗浄する工程(A)、工程(A)で洗浄された多結晶シリコンを水で洗浄する工程(B)、工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを乾燥する工程(C)、工程(C)で乾燥された多結晶シリコンを、フッ化水素酸で洗浄する工程(D)、工程(D)で洗浄された多結晶シリコンを水で洗浄する工程(E)、および工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを乾燥する工程(F)を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛還元法で得られた多結晶シリコンの精製方法に関し、詳細には、亜鉛還元法で得られた多結晶シリコンに含まれる不純物を低減して、たとえば、半導体または太陽電池に好適に使用可能な純度まで精製できる多結晶シリコンの精製方法に関する。
太陽電池用シリコンウエーハは、シーメンス法または亜鉛還元法等により得られたシリコンインゴットのほか、半導体用単結晶シリコンを引き上げた後のルツボ残さや、単結晶シリコンインゴットの切削屑などのスクラップ品などを溶融して不純物を除去した後、冷却して結晶化させることにより得られるシリコンインゴットから製造される。
特許文献1〜2には、上部から下方に向かって挿入された石英ガラス製のシリコン塩化物ガス供給ノズル、還元剤ガス供給ノズルおよび排気ガス抜き出しパイプを備え、外周面に加熱手段を備えた縦型反応器を用いて、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部に高純度多結晶シリコンを管状に凝集成長させる製造方法が開示されている。このような方法で得られる多結晶シリコンは、多結晶シリコンが管状に凝集した形状をしているので容易に解砕することができ、高純度の針状もしくは樹枝状の多結晶シリコンを得ることができる。この多結晶シリコンは、半導体用の単結晶インゴットや多結晶シリコンインゴットの原料として用いられる。
特許文献1〜2の方法において、管状に凝集した多結晶シリコンは、成長に従い自重または機械的ショックによりノズル先端から剥がれ落ちることになる。その際、ノズルを構成する石英ガラスとシリコンとの間の結合力が強いため、ノズル先端の一部分(すなわち、石英ガラス)が混入した状態で、多結晶シリコンが回収され、解砕される場合がある。この場合、解砕された多結晶シリコン中の微量の粒状石英ガラスを取り除く必要がある。
また、特許文献1〜2の方法で得られた多結晶シリコンの表面には、亜鉛還元法に特有の原料に起因する不純物として、亜鉛等の金属不純物やホウ素塩化物が付着している。そのため、この多結晶シリコンの表面に付着している亜鉛等の金属不純物を塩酸等で処理して除去する工程(塩酸洗浄工程)を実施し、その後、多結晶シリコンに付着している塩酸等を水洗により除去する必要がある。
また、多結晶シリコン表面のシリコン酸化膜等を除去するために、フッ化水素酸で洗浄する工程を含む精製方法が知られている。たとえば、特許文献3には、チョクラルスキー法(以下「CZ法」ともいう。)によるシリコン単結晶引き上げの前工程として、多結晶シリコンをフッ化水素、過酸化水素および水の混合溶液で処理することにより、多結晶シリコン表面の酸化物や不純物を除去する精製方法が開示されている。
特許文献4には、フッ化水素酸洗浄液を使用する洗浄方法では、半導体用途に使用し得る高純度品が得られないとの知見とともに、そのような高純度品を調製できる、フッ化水素酸と硝酸とを同時に用いる洗浄方法が開示されている。
近年、多結晶シリコンには極めて高い純度が要求されており、それに伴って、より高い純度の多結晶シリコンに精製できる精製方法が求められている。
特開2007−145663号公報 特開2007−223822号公報 特開平5−4811号公報 特開平6−144822号公報
本発明は、亜鉛還元法によって得られた多結晶シリコンから、各種不純物(粒状石英ガラス、ホウ素系不純物、亜鉛等の金属不純物など)を有効に低減または除去し得る、多結晶シリコンの精製方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、亜鉛還元法によって得られた針状や樹枝状の多結晶シリコンの精製方法について鋭意検討したところ、以下のような知見を得た。
(i)多結晶シリコンを塩酸で洗浄する塩酸洗浄工程で、その表面から亜鉛等の金属不純物などを除去した後、フッ化水素酸洗浄工程の前に実施される水洗工程において、亜鉛還元法由来の針状や樹枝状の多結晶シリコン粒子を水で洗浄した後、目幅0.5mmの洗浄籠とともに水から引き上げて1分間静置しても、シリコン粒子間に担持された水を容易に除去することはできず、多結晶シリコンの含水率はほぼ20重量%程度である。亜鉛還元法由来の針状や樹枝状の多結晶シリコン粒子の水切れの悪さは特異的であり、洗浄槽から引き上げて静置した洗浄籠を単に逆さにした程度では、籠の中の水分を担持したシリコン粒子群は容易に落下しない。その理由として、針状や樹枝状の多結晶シリコン粒子表面が強い親水性を持つことと、そして針状や樹枝状の多結晶シリコン粒子群の単位重量当たりの表面積の総和が非常に大きく、多結晶シリコン粒子間に大きな表面張力が作用しているものと考えられる。
(ii)水分が十分に除去されていない多結晶シリコンを、フッ化水素酸洗浄工程に供すると、フッ化水素酸洗浄液中のフッ化水素濃度が低下し、結果として、フッ化水素による十分な洗浄効果が得られない。
このような知見から、上記水洗工程の後に、多結晶シリコンの表面に付着している水が低減または除去されるまで、多結晶シリコンを乾燥する乾燥工程を実施した後、フッ化水素酸洗浄工程を実施することが、各種不純物を除去する観点から、最も有効であることが分かった。また、このような乾燥工程を実施した後に、フッ化水素酸洗浄工程を実施すると、その理由は不明ながら、他の不純物とともにホウ素系不純物も除去または有効に低減できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、例えば、以下の構成を有する。
[1]亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを解砕して得られる針状または樹枝状の多結晶シリコンの精製方法であって、
該多結晶シリコンを塩酸洗浄液(a)で洗浄する塩酸洗浄工程(A)、
塩酸洗浄工程(A)で洗浄された多結晶シリコンを水(b)で洗浄する水洗工程(B)、
水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコンの表面に付着している水(b)が低減または除去されるまで乾燥する乾燥工程(C)、
乾燥工程(C)で乾燥された多結晶シリコンを、フッ化水素を45重量%以上の濃度で含有するフッ化水素酸洗浄液(d)で洗浄するフッ化水素酸洗浄工程(D)、
フッ化水素酸洗浄工程(D)で洗浄された多結晶シリコンを水(e)で洗浄する水洗工程(E)、および
水洗工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを乾燥する乾燥工程(F)
を含むことを特徴とする多結晶シリコンの精製方法。
[2]塩酸洗浄工程(A)が、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で塩酸洗浄液(a)に浸漬して揺動し、次いで揺動を停止した状態で0分〜1時間浸漬した後、洗浄槽から取り出す工程であって、
洗浄槽中の塩酸洗浄液(a)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部であり、
塩酸洗浄液(a)が、塩化水素(HCl)を0.01〜35重量%の濃度で含有する塩酸である、項[1]に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[3]水洗工程(B)が、塩酸洗浄工程(A)で洗浄された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(b)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンから分離する操作を、洗浄籠が取り出された洗浄槽中の水(b)のpHが中性になるまで繰り返して、多結晶シリコンを洗浄する工程であって、
前記洗浄槽中の水(b)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部である、項[1]または[2]に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[4]乾燥工程(C)が、水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコン中の表面付着水の割合が5重量%以下になるまで乾燥する工程である、項[1]〜[3]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[5]乾燥工程(C)が、水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコン中の表面付着水の割合が1重量%以下になるまで乾燥する工程である、項[4]に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[6]フッ化水素酸洗浄工程(D)が、乾燥工程(C)で乾燥された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で液温20〜30℃のフッ化水素酸洗浄液(d)に10〜48時間浸漬した後、洗浄槽から取り出す工程である、項[1]〜[5]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[7]水洗工程(E)が、フッ化水素酸洗浄工程(D)で洗浄された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(e)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンから分離する操作を、洗浄籠が取り出された洗浄槽中の水(e)のpHが中性になるまで繰り返して、多結晶シリコンを洗浄する工程であって、
前記洗浄槽中の水(e)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部である、項[1]〜[6]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[8]乾燥工程(F)が、水洗工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを、乾燥工程(C)に準じて乾燥する工程である、項[1]〜[7]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[9]塩酸洗浄工程(A)の前に、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを水(a’)で洗浄する水洗工程(A’)をさらに含む、項[1]〜[8]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[10]水洗工程(A’)が、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(a’)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンから分離する操作を4〜7回繰り返して、多結晶シリコンを洗浄する工程であって、
前記洗浄槽中の水(a’)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部である、項[9]に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[11]フッ化水素酸洗浄工程(D)よりも前に、多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラスを除去する石英ガラス除去工程(X)を含む、項[1]〜[10]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[12]乾燥工程(C)の後であって、フッ化水素酸洗浄工程(D)の前に、多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラスを除去する石英ガラス除去工程(X)を有する、項[11]に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[13]水洗工程(A’)の前に、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラスを除去する石英ガラス除去工程(X)を有する、項[11]に記載の多結晶シリコンの精製方法。
[14]フッ化水素酸洗浄液(d)が、フッ化水素を50重量%以上の濃度で含むフッ化水素酸である、項[1]〜[13]のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
本発明の多結晶シリコンの精製によれば、亜鉛還元法によって得られた多結晶シリコンから、粒状石英ガラスや、亜鉛などの金属不純物とともに、ホウ素系不純物をも有効に低減または除去して、たとえば、半導体または太陽電池などに好適に使用できる程度の純度まで精製することができる。
図1(1)は、実施例1の精製操作の各工程を示すフローチャートである。図1(2)は、比較例1の精製操作の各工程を示すフローチャートである。
本発明に係る多結晶シリコンの精製方法は、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを精製する方法であって、後述する工程(A)〜(F)を実施することを特徴とし、さらに必要に応じて、後述する工程(A’)および工程(X)等の任意工程を実施してもよい。
本発明の多結晶シリコンの精製方法に使用される多結晶シリコンは、特に限定されないが、特許文献1〜2に記載の亜鉛還元法等により製造される針状および/または樹枝状の多結晶シリコンが好ましい。特許文献1〜2の製造方法では、上部から下方に向かって挿入された石英製のシリコン塩化物ガス供給ノズル、還元剤ガス供給ノズルおよび排気ガス抜き出しパイプを備え、外周面に加熱手段を備えた石英製の縦型反応器を用いて、前記シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端部にて、管状に凝集成長した高純度多結晶シリコン(管状多結晶シリコン凝集体)が得られる。この管状多結晶シリコン凝集体は、通常、直径約数cm〜十数cm、長さ数十cmから数m、重量数kgを有している。このような管状多結晶シリコン凝集体を解砕して、目開き10mmの篩に供して、この篩を通過する多結晶シリコンを得て、得られた粒度10mm以下の多結晶シリコン(通常、針状または樹枝状の形状を有する)を、本発明の多結晶シリコンの精製方法に使用してもよい。なお、本明細書では、「目開きαの篩」に供して、該篩上に残る粒子を「粒度α以上の粒子」と称し、「目開きβの篩」に供して、該篩を通過する粒子を「粒度β以下の粒子」と称し、「目開きαの篩」に供した場合には、該篩上に残り、かつ「目開きβの篩」に供した場合には、該篩を通過する粒子を「粒度範囲α〜βの粒子」と称する。
また、例えば、特許文献1〜2の亜鉛還元法により製造された多結晶シリコン(管状多結晶シリコン凝集体)は、設備、製法、原料ガスおよび反応ガスに由来する不純物を含み得る。例えば、設備に由来する一般的な金属不純物に加えて、特異的には、多結晶シリコンが成長の起点とする石英ガラス製のシリコン塩化物供給ノズルの破片、原料のシリコン塩化物に含まれるホウ素系不純物、原料の金属亜鉛、反応ガスに含まれる塩化亜鉛などを含む。
1.塩酸洗浄工程(A)
塩酸洗浄工程(A)(以下「工程(A)」ともいう。)は、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを、塩酸洗浄液(a)で洗浄する工程であり、多結晶シリコンの表面に付着した亜鉛等の金属不純物を除去するための工程である。なお、工程(A)は、当然のことながら多結晶シリコンの表面に付着した亜鉛の除去を期待するものでもある。
工程(A)において、多結晶シリコンを塩酸洗浄液(a)で洗浄する態様については特に限定されないが、上記不純物をより有効に低減または除去できるという観点から、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、塩酸洗浄液(a)が注入された洗浄槽に浸漬して、この洗浄籠を数分程度(たとえば、0.5〜20分間、好ましくは0.5〜10分間)揺動し、次いで揺動を停止した状態で、たとえば0分〜1時間、好ましくは3〜20分間浸漬した後、前記洗浄籠を洗浄槽から取り出すことが望ましい。
前記洗浄槽中の塩酸洗浄液(a)の量は、多結晶シリコン100重量部に対して、好ましくは200〜300重量部、より好ましくは250〜300重量部である。ここで、上記不純物をより有効に低減または除去できるという観点から、塩酸洗浄液(a)は、塩化水素(HCl)を、塩酸洗浄液(a)100重量%に対して、好ましくは0.01〜35重量%、より好ましくは0.5〜30重量%の濃度で含有する塩酸(塩化水素水溶液)であることが好ましい。
工程(A)で使用される洗浄籠の目開きは、好ましくは粒径範囲0.3〜1.0mmであり、石英ガラスの粒子を除去することによる各工程における取り扱い易さを考慮すると、より好ましくは0.5mmである。また、洗浄籠を用いた上記操作は、篩を用いた湿式濾過に相当する。ただし、工程(A)における上記操作は、篩の目開きに相当する粒度よりも小さい石英ガラス粒子を完全に除去するためのものではなく、このような石英ガラス粒子の一部を除去するに過ぎない。そこで、このような石英ガラス粒子の除去は、上記操作のみならず、他の除去操作(例えば、所望の目開きを有する篩を用いて乾式篩い分けをする操作)を実施することが好ましい場合もある。
前記洗浄籠を洗浄槽から取り出すにあたっては、取り出した洗浄籠を静置し、洗浄液を多結晶シリコンからある程度分離することが好ましい。
2.水洗工程(B)
水洗工程(B)(以下「工程(B)」ともいう。)は、前記工程(A)で洗浄された多結晶シリコンを、水(b)で洗浄する工程である。
工程(A)で使用された塩酸洗浄液(a)を確実に除去するという観点から、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を洗浄槽中で水(b)に浸漬し、この洗浄籠を揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンからある程度分離する操作を、洗浄籠が取り出された洗浄槽中の水(b)のpHが中性(具体的には6.8〜7.0)になるまで、繰り返すことが好ましい。なお、洗浄籠を、洗浄槽中で水(b)に浸漬するにあたっては、水(b)が注入された洗浄槽に、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を入れてもよいし、水(b)を、洗浄槽内でセット(設置)された洗浄籠中の多結晶シリコンに注ぎ掛けてもよい。
前記洗浄槽中の水(b)の量(洗浄操作1回あたりの量)は、塩酸洗浄液(a)の除去を考慮すると、多結晶シリコン100重量部に対して、好ましくは200〜300重量部、より好ましくは250〜300重量部である。
水(b)は、半導体や太陽電池製造の分野で使用される品質の超純水であって、JIS K0552に基づく電気抵抗率(比抵抗、MΩ・cm)が、好ましくは1〜18.3MΩ・cm、より好ましくは15.0〜18.3MΩ・cmであるものを指す。
工程(B)において、洗浄籠を使用する場合、揺動の程度、洗浄槽からの洗浄籠の取り出し方、洗浄籠の見開きに関する規定、乾式篩い分けをする操作などの任意操作は、工程(A)の場合と同様である。
3.乾燥工程(C)
乾燥工程(C)(以下「工程(C)」ともいう。)は、前記工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、この多結晶シリコンの表面に付着している水(b)が低減または除去されるまで、乾燥する工程である。工程(C)を実施することで、次工程である工程(D)において、粒状石英ガラスや多結晶シリコン表面の酸化膜を、効果的に除去することが可能になる。
工程(C)では、工程(D)における粒状石英ガラスや多結晶シリコン表面の酸化膜の除去特性を考慮すると、前記工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコンの表面に付着している水の量(含水率)が、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下になるまで、乾燥することが好ましい。なお、水に濡れた状態での多結晶シリコンは黒色であるが、この乾燥により金属光沢を有する灰色を呈するようになる。
乾燥手段は特に限定されないが、熱風循環式のクリーンオーブンやクリーン減圧乾燥機等を用いることが好ましい。熱風循環式のクリーンオーブンを用いる場合、乾燥条件は、好ましくは80〜130℃で1〜48時間、より好ましくは5〜16時間である。必要に応じて遠心分離機等の他の水切り手段を併せて用いることもできる。
4.フッ化水素酸洗浄工程(D)
フッ化水素酸洗浄工程(D)(以下「工程(D)」ともいう。)は、前記工程(C)で乾燥された多結晶シリコンを、フッ化水素(HF)を45重量%以上の濃度で含有するフッ化水素酸洗浄液(d)で洗浄する工程であって、多結晶シリコン中に混在する粒状石英ガラスや多結晶シリコン表面の酸化膜を除去するための工程である。
前記工程(C)で乾燥された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で、液温が好ましくは10〜35℃、より好ましくは20〜30℃であるフッ化水素酸洗浄液(d)に、好ましくは10〜48時間、より好ましくは15〜24時間浸漬した後、洗浄籠を洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンからある程度分離することが好ましい。なお、さらに好ましい浸漬条件としては、フッ化水素酸洗浄液(d)の液温が23〜30℃であり、かつ浸漬時間が14〜18時間である。また、洗浄籠を、洗浄槽中でフッ化水素酸洗浄液(d)に浸漬するにあたっては、フッ化水素酸洗浄液(d)が注入された洗浄槽に、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を入れてもよいし、フッ化水素酸洗浄液(d)を、洗浄槽内でセット(設置)された洗浄籠中の多結晶シリコンに注ぎ掛けてもよい。
前記洗浄槽中のフッ化水素酸洗浄液(d)の量は、多結晶シリコン100重量部に対して、好ましくは60〜150重量部、より好ましくは100〜150重量部である。
上記のように、フッ化水素酸洗浄液(d)に多結晶シリコンを浸漬するだけで洗浄効果が得られるため、一度に大量の多結晶シリコンを処理することが可能であるが、さらに洗浄効果を高めるために、浸漬中または浸漬の初期の段階で攪拌してもよい。このとき、多結晶シリコンの微粉化を避けるために、攪拌は緩やかに実施することが好ましい。
工程(D)によって、粒状石英ガラスや多結晶シリコン表面の酸化膜を除去できる。また、粒状石英ガラスや多結晶シリコン表面の酸化膜を確実に除去するという観点から、フッ化水素酸洗浄液(d)は、フッ化水素を50重量%以上の濃度で含むフッ化水素酸であることが好ましい。
なお、本工程において、洗浄籠を使用する場合、揺動の程度、洗浄槽からの洗浄籠の取り出し方、洗浄籠の見開きに関する規定、乾式篩い分けをする操作などの任意操作は、工程(A)の場合と同様である。
5.水洗工程(E)
水洗工程(E)(以下「工程(E)」ともいう。)は、前記工程(D)で洗浄された多結晶シリコンを、水(e)で洗浄する工程であって、フッ化水素酸を除去することができる。工程(E)で使用される水(e)は、上述した超純水である。
本工程の洗浄性を向上させるために、工程(E)では、前記工程(D)で洗浄された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(e)に浸漬し、洗浄籠を揺動した後、洗浄籠を洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンからある程度分離する操作を、洗浄籠が取り出された洗浄槽中の水(e)のpHが中性になるまで繰り返して、多結晶シリコンを洗浄することが好ましい。なお、洗浄籠を洗浄槽中で水(e)に浸漬するにあたっては、水(e)が注入された洗浄槽に、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を入れてもよいし、水(e)を、洗浄槽内でセット(設置)された洗浄籠中の多結晶シリコンに注ぎ掛けてもよい。
前記洗浄槽中の水(e)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して、好ましくは200〜300重量部、より好ましくは250〜300重量部である。
6.乾燥工程(F)
乾燥工程(F)(以下「工程(F)」ともいう。)は、前記工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを乾燥する工程である。工程(F)では、多結晶シリコンの乾燥の程度は、所望の程度であってもよい。工程(F)は、多結晶シリコンの乾燥の程度が任意であることを除いては、乾燥工程(C)と同様にして実施できる。
7.任意工程
本発明の多結晶シリコンの精製方法は、前記工程(A)〜(F)の他に、目的に応じて任意工程を実施してもよい。任意工程としては、例えば、下記水洗工程(A’)および石英ガラス除去工程(X)が挙げられる。
7−1.水洗工程(A’)
水洗工程(A’)(以下「工程(A’)」ともいう。)は、前記工程(A)を実施する前に、水(a’)で前記多結晶シリコンを洗浄する工程である。工程(A’)にて使用される水(a’)は純水や前記超純水である。ここで、純水とは、JIS K0552に基づく電気抵抗率(比抵抗、MΩ・cm)が、0.1〜1MΩ・cmであるものを指す。
工程(A’)は、水(a’)に関する規定を除いては、水洗工程(B)と同様にして実施することができる。例えば、工程(A’)の洗浄性を向上させるために、工程(A’)が、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(a’)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンからある程度分離する操作を4〜7回繰り返して、多結晶シリコンを洗浄することが好ましい。なお、洗浄籠を、洗浄槽中で水(a’)に浸漬するにあたっては、水(a’)が注入された洗浄槽に、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を入れてもよいし、水(a’)を、洗浄槽内でセット(設置)された洗浄籠中の多結晶シリコンに注ぎ掛けてもよい。
前記洗浄槽中の水(a’)の量は、多結晶シリコン100重量部に対して、好ましくは200〜300重量部、より好ましくは250〜300重量部である。
7−2.石英ガラス除去工程(X)
本発明の精製対象となる多結晶シリコン(管状多結晶シリコン凝集体)は、上述のように、粒状石英ガラスが混在している。本発明の精製方法において、石英ガラスの除去乃至低減に関する負荷を減らすためには、多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラス(たとえば、粒度1mm以上の粒状石英ガラス)を除去する石英ガラス除去工程(X)(以下「工程(X)」ともいう。)を実施することが好ましい。
工程(X)では、粒状石英ガラスを除去できる限り、その除去手段は特に限定されるものではないが、たとえば、目視や色彩選別機が挙げられる。色彩選別機を用いて工程(X)を実施すると、粒度1mm以上の粒状石英ガラス等の石英ガラスを効果的に除くことができる。なお、色彩選別機は、穀類などから異物を除くために汎用されている。
また、工程(X)は、多結晶シリコンが水に濡れて流動性が失われてしまうことを考慮すると、純水洗浄工程(A’)の前に実施することが好ましい。さらに、工程(D)の前に乾燥工程である工程(C)が実施されること(すなわち、工程(C)により多結晶シリコンが乾燥して流動性が向上すること)を考慮すると、工程(X)は、工程(C)を実施した後で、かつ工程(D)を実施する前において実施してもよい。
以下に示す実施例を用いて、本発明をより具体的に説明するが、この実施例は本発明を制限するものではない。
[実施例1]
亜鉛還元法で得られた管状多結晶シリコン凝集体を解砕して、粒度10mm以下の多結晶シリコンを調製した。調製された多結晶シリコンを、プラスチックのトレー上に広げて、目視で粒径1mm以上の粒状石英ガラスを除去した(石英ガラス除去工程(X))。
石英ガラスが除去された多結晶シリコン500gを目開き0.5mmの洗浄籠に入れて洗浄槽にセットし、洗浄槽に純水1リットルを加え、洗浄籠を1分間揺動した後、洗浄籠を引き上げた(水洗工程(A’))。洗浄籠を通過した微粉状多結晶シリコンを含む、洗浄槽に残った液(廃液)を廃棄して、上記工程(A’)を5回繰り返した。洗浄槽および洗浄籠には、それぞれ内径20cmおよび19cmの半円球の形状を有するポリプロピレン製の容器を用いた。
工程(A’)で洗浄された多結晶シリコンを洗浄籠(目開き0.5mm)に仕込み、洗浄籠を洗浄槽にセットし、洗浄槽に塩酸(HCl濃度:2重量%)1リットルを加え、洗浄籠を1分間揺動し、次いで、揺動せずに9分間静置(浸漬)した後、洗浄槽から洗浄籠を引き上げた(塩酸洗浄工程(A))。洗浄槽に残った塩酸については廃棄した。廃棄された塩酸中には、洗浄籠を通過した微量の多結晶シリコンが観察された。
工程(A)で洗浄された多結晶シリコンを洗浄籠(目開き0.5mm)に仕込み、洗浄籠を洗浄槽にセットし、超純水1Lを多結晶シリコンに散水しながら洗浄槽に注いだ後、洗浄籠を1分間揺動した。次いで、洗浄籠を引き上げ、洗浄槽中の微量の微粉状多結晶シリコンを含む残留水を廃棄した。この一連の操作を残留水が中性になるまで実施した(水洗工程(B))。なお、洗浄槽から引き上げて1分間放置した後の多結晶シリコンの含水率は22重量%であった。
水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、熱風循環式のクリーンオーブンを用いて、100℃で10時間乾燥した(乾燥工程(C))。なお、乾燥終了時には、多結晶シリコンの表面が金属光沢を有する灰色を呈するようになっていた。乾燥後の多結晶シリコンの含水率は0.9重量%であった。
乾燥工程(C)で乾燥された多結晶シリコンを洗浄籠(目開き0.5mm)に仕込み、かかる洗浄籠を洗浄槽にセットした。次いで、洗浄槽にフッ化水素酸(HF濃度:50重量%)500gをゆっくり加え、フッ化水素酸の液温を25℃に維持しながら、洗浄籠を16時間浸漬した後、洗浄槽から引き上げた(フッ化水素酸洗浄工程(D))。なお、回収されたフッ化水素酸は、溶解成分の他微細多結晶シリコンをわずかに含んでいた。
工程(D)で洗浄された多結晶シリコンを、洗浄籠(目開き0.5mm)に仕込み、洗浄籠を洗浄槽にセットし、超純水1Lを多結晶シリコンに散水しながら洗浄槽に注いだ後、1分間揺動した。次いで、洗浄籠を引き上げ、洗浄槽中の微量の微粉状多結晶シリコンを含む残留水を廃棄した。この一連の操作を、残留水が中性になるまで6回繰り返して実施した(水洗工程(E))。
工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを、熱風循環式のクリーンオーブンを用いて100℃で10時間乾燥した(乾燥工程(F))。
以上の各工程の手順を図1(1)に示す。また、上記工程(A’)〜(F)の一連の精製操作を1セットとして多結晶シリコン約500gを洗浄し、この洗浄操作を30セット行い、約12kgの乾燥多結晶シリコンを得た。これを用いて、CZ法により直径約4インチの単結晶シリコンのインゴットを育成して、得られたインゴットを切り出してシリコンウエーハ1を得た。得られたシリコンウエーハ1の各種物性を、後述する「物性評価」に記載の評価基準に基づいて、評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
図1(2)に示されるように、実施例1の工程(C)を行わずに、実施例1の工程(A’)、工程(A)、工程(B)、工程(D)、工程(E)および工程(F)を順次実施する一連の精製操作を1セットとして多結晶シリコン約500gを洗浄し、この洗浄操作を30セット行い、約12kgの乾燥多結晶シリコンを得た。得られた乾燥多結晶シリコンを用いて、CZ法により直径約4インチの単結晶シリコンのインゴットを育成して、得られたインゴットを切り出してシリコンウエーハ2を得た。得られたシリコンウエーハ2の各種物性を、後述する「物性評価」に記載の基準に基づいて、評価した。評価結果を表1に示す。
<物性評価>
CZ法によって引き上げられたシリコン棒からシリコンウエーハを切りだしてシリコン純度を調べるとともに、その原料シリコンの溶融過程を目視観察することによって、本発明の洗浄効果を確認した。
具体的には、後述するように、前記原料シリコンの石英坩堝中での溶融過程において、溶融シリコン表面上の浮遊物の有無を目視で観測した。前記浮遊物は石英成分を多く含む不純物であって、浮遊物が多く見られるほど、前記シリコン棒は前記不純物を原因とする結晶欠陥(転移)によって多結晶構造になりやすい。すなわち、前記浮遊物が無いか又は少なければ、前記シリコン棒の結晶構造が単結晶となる確率が高まる傾向にある。このように、前記浮遊物の有無は洗浄効果の目安の一つとなる。
また、シリコン純度を表わす指標として、前記シリコンウエーハの比抵抗、ライフタイムおよびホウ素原子濃度を、後述する方法で測定した。比抵抗およびライフタイムの数値が高いほど、ならびに、ホウ素原子濃度が低いほど、シリコン純度が高いこと、および、洗浄効果が高かったことを示す。
(1)溶融時浮遊物の有無
実施例1および比較例1で得られた乾燥多結晶シリコンを、石英坩堝に仕込み、1500℃に加熱して溶融し、各多結晶シリコンの溶融物の表面を目視で観察し、浮遊物(溶融時浮遊物)の有無を調べた。
(2)比抵抗の測定
JIS H0602-1995「シリコン単結晶およびシリコンウエーハの4探針法による抵抗率測定方法」に基づき、(株)共和理研製測定器「K-705RS」を用いて測定した。シリコンウエーハの厚みは2mmであり、シリコンウエーハ表面を、#600研磨面処理およびサーマルドナー処理した。
(3)ライフタイムの測定
JEIDA-53-1997「シリコンウエーハの反射マイクロ波光導電減衰法による再結合ライフタイム測定方法」に基づき、SEMILAB社製測定器「WT-2000」を用いて測定した。測定したシリコンウエーハの厚みは2mmであり、シリコンウエーハ表面を、エッチングによって鏡面に仕上げるとともに、ヨウ素エタノール溶液でパッシベーション処理を施した。
(4)ホウ素原子濃度
実施例1および比較例1で得られたシリコンウエーハを、低温FT−IR分析(ブルカーオプティクス社製IR分析装置:「CryoSAS」)に供して、SEMI MF1630-0704に基づき、ホウ素原子の濃度(原子数/cm3)を測定した。
Figure 2014162687
表1に示す通り、比較例1では、溶融シリコン表面に直径数ミリの浮遊物が多数見られたのに対し、実施例1では見られなかった。さらに、実施例1の比抵抗(Ω・cm)およびライフタイム(μ秒)は、比較例1のそれらよりも1桁近く高い値を示し、さらに実施例1のホウ素原子濃度は、比較例1のそれよりも1桁近く低い値であった。
以上より、本発明の精製方法が、特に亜鉛還元応で得られた針状および樹枝状の多結晶粒子を精製する方法として、優れていることが分かる。

Claims (14)

  1. 亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを解砕して得られる針状または樹枝状の多結晶シリコンの精製方法であって、
    該多結晶シリコンを塩酸洗浄液(a)で洗浄する塩酸洗浄工程(A)、
    塩酸洗浄工程(A)で洗浄された多結晶シリコンを水(b)で洗浄する水洗工程(B)、
    水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコンの表面に付着している水(b)が低減または除去されるまで乾燥する乾燥工程(C)、
    乾燥工程(C)で乾燥された多結晶シリコンを、フッ化水素を45重量%以上の濃度で含有するフッ化水素酸洗浄液(d)で洗浄するフッ化水素酸洗浄工程(D)、
    フッ化水素酸洗浄工程(D)で洗浄された多結晶シリコンを水(e)で洗浄する水洗工程(E)、および
    水洗工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを乾燥する乾燥工程(F)
    を含むことを特徴とする多結晶シリコンの精製方法。
  2. 塩酸洗浄工程(A)が、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で塩酸洗浄液(a)に浸漬して揺動し、次いで揺動を停止した状態で0分〜1時間浸漬した後、洗浄槽から取り出す工程であって、
    洗浄槽中の塩酸洗浄液(a)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部であり、
    塩酸洗浄液(a)が、塩化水素(HCl)を0.01〜35重量%の濃度で含有する塩酸である、請求項1に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  3. 水洗工程(B)が、塩酸洗浄工程(A)で洗浄された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(b)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンから分離する操作を、洗浄籠が取り出された洗浄槽中の水(b)のpHが中性になるまで繰り返して、多結晶シリコンを洗浄する工程であって、
    前記洗浄槽中の水(b)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部である、請求項1または2に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  4. 乾燥工程(C)が、水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコン中の表面付着水の割合が5重量%以下になるまで乾燥する工程である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  5. 乾燥工程(C)が、水洗工程(B)で洗浄された多結晶シリコンを、該多結晶シリコン中の表面付着水の割合が1重量%以下になるまで乾燥する工程である、請求項4に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  6. フッ化水素酸洗浄工程(D)が、乾燥工程(C)で乾燥された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で液温20〜30℃のフッ化水素酸洗浄液(d)に10〜48時間浸漬した後、洗浄槽から取り出す工程である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  7. 水洗工程(E)が、フッ化水素酸洗浄工程(D)で洗浄された多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(e)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンから分離する操作を、洗浄籠が取り出された洗浄槽中の水(e)のpHが中性になるまで繰り返して、多結晶シリコンを洗浄する工程であって、
    前記洗浄槽中の水(e)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  8. 乾燥工程(F)が、水洗工程(E)で洗浄された多結晶シリコンを、乾燥工程(C)に準じて乾燥する工程である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  9. 塩酸洗浄工程(A)の前に、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコンを水(a’)で洗浄する水洗工程(A’)をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  10. 水洗工程(A’)が、多結晶シリコンが仕込まれた洗浄籠を、洗浄槽中で水(a’)に浸漬して揺動した後、洗浄槽から取り出して洗浄液を多結晶シリコンから分離する操作を4〜7回繰り返して、多結晶シリコンを洗浄する工程であって、
    前記洗浄槽中の水(a’)の量が、多結晶シリコン100重量部に対して200〜300重量部である、請求項9に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  11. フッ化水素酸洗浄工程(D)よりも前に、多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラスを除去する石英ガラス除去工程(X)を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  12. 乾燥工程(C)の後であって、フッ化水素酸洗浄工程(D)の前に、多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラスを除去する石英ガラス除去工程(X)を有する、請求項11に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  13. 水洗工程(A’)の前に、亜鉛還元法により製造された多結晶シリコン中に含まれる粒状石英ガラスを除去する石英ガラス除去工程(X)を有する、請求項11に記載の多結晶シリコンの精製方法。
  14. フッ化水素酸洗浄液(d)が、フッ化水素を50重量%以上の濃度で含むフッ化水素酸である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの精製方法。
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