JP5035923B2 - 多結晶シリコン洗浄方法 - Google Patents

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本発明は、CZ引上げ法による半導体用シリコン単結晶の製造や、太陽電池用多結晶シリコンの製造等に溶解原料として使用される多結晶シリコンの洗浄方法に関する。
CZ引上げ法による半導体用シリコン単結晶の製造や、太陽電池用多結晶シリコンの製造に溶解原料として使用される多結晶シリコンは、一般にシーメンス法により製造される。シーメンス法による多結晶シリコンの製造では、周知のとおり、多結晶シリコンからなる芯材が、シーメンス炉と呼ばれる還元反応炉内で通電加熱され、この状態で還元反応炉内にシラン系ガスと水素ガスの混合ガスからなる原料ガスが導入される。これにより、還元反応炉内の芯材が気相反応により成長し、棒状の多結晶シリコンが製造される。
シーメンス法により製造された棒状の多結晶シリコンは、所定長さのロッド(カットロッド)に切断したり、タングステンカーバイトなどの超硬工具でつくられたハンマーで適当な大きさの塊粒状に破砕した後、これらの表面を洗浄して溶解原料として出荷される。ここにおける表面洗浄処理の詳細は以下のとおりである。
シーメンス法で製造された多結晶シリコン棒は、炉からの取り出し作業などで表面がFeなどの金属類で汚染されており、製造されたままの多結晶シリコンを溶解原料に使用すると、溶解製品の純度低下を引き起こす。このため、カットロッドや塊粒といった溶解原料形態に加工された多結晶シリコンには、出荷前に表面洗浄が行われており、その洗浄処理には、特許文献1及び2に記載されているように、フッ酸と硝酸の混合液(フッ硝酸液)によるエッチング処理や、フッ硝酸液によるエッチング処理を含めた複合処理が一般に用いられている。
特開平05−154466号公報 特開平11−168076号公報
フッ硝酸液によるエッチング処理は、シリコン単結晶の洗浄処理にも使用されており、シリコンの表面を溶解することにより汚染部位を除去する。この方法によるとシリコン表面の汚染部位を確実に除去することができる。しかし、その確実な除去のためには数十μmに及ぶエッチング処理が必要とされており、これによるシリコンロス、フッ硝酸使用量の増大、エッチング廃液による環境負荷増大といった経済的負担が問題になっている。
これに加え、フッ硝酸によるエッチング処理ではNOxガスが発生する。NOxガス濃度には法的な規制が設けられており、このためにNaHS、NaClO2 、NaOHなどの処理液が必要になり、薬液コストが更に増加する。またNOx処理に使用した廃液中の窒素量にも法的な規制が設けられている。これらのためにNOxガスの発生を極力抑制することが求められている。
本発明の目的は、汚染原因を確実に除去しつつ、その除去に伴う経済的負担を可及的に軽減でき、合わせてNOxガスの発生を可及的に抑制できる多結晶シリコン洗浄方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者はシーメンス法で製造される多結晶シリコン棒の汚染メカニズムについて詳細な解析検討を行った。その結果、以下の事実が新たに判明した。
シーメンス法を実施する還元反応炉(シーメンス炉)内では、多結晶シリコン精製時に発生するポリマーと称されるシリコン−ハロゲン−水素の化合物のため、還元炉を開放するときは若干のハロゲン化物ガス雰囲気になっている。還元炉を開放すると、大気中の水分によりポリマーが加水分解され、多結晶シリコンの表面に酸化膜が形成される。一般的に還元炉は大気の雰囲気で取り扱われており、開放時に大気中の微量金属がこの酸化膜に取り込まれることにより、多結晶シリコンの表面が金属汚染される。
この汚染を防止するためには、例えばハロゲン化物を完全に除去できる設備を備えた還元反応炉をクリーンルーム内に設置することが有効である。しかし、原料ガスが一般に使用されるハロゲン化シランの場合、還元反応炉を開放すると若干量の腐食性ガスが発生する。このためクリーンルームには高度の腐食対策が必要となり、その設備維持に膨大な費用が必要となる。このためもあり、還元反応炉は大気雰囲気で取り扱われるのが一般的であり、その結果、多結晶シリコン棒表面の金属汚染は避けることができない現象になっている。そして、この多結晶シリコン棒表面の金属汚染対策としては、前述したとおり、フッ硝酸液によるエッチング処理が行われており、その経済的負担は大きな問題になっている。
図1(a)はシーメンス法で製造された多結晶シリコン棒の表層部を表している。前述したように、シーメンス法で製造された多結晶シリコン棒の表面汚染に関しては、シリコン棒1が汚染されているのではなく、シリコン棒1の表面に形成された酸化膜2が汚染されているのである。換言すれば、シーメンス法で製造されたシリコン棒1は本来清浄であり、その表面に金属汚染された酸化膜2が付着しているのである。
ここで注目すべきは、酸化膜2に関しては、ポリマーの付着状況に影響されるため、その厚みに大きなばらつきがあるということである。このような多結晶シリコンに対し、従来の洗浄方法であるフッ硝酸液によるエッチング処理を行うと、図1(b)に示すように、酸化膜2を含めた多結晶シリコン表面が均等にエッチングされるため、汚染された酸化膜2も除去されるが、シリコン棒1の表面も溶解除去され、シリコンロスなどが問題になる。
すなわち、ここでのエッチング処理に使用するフッ硝酸は、前述したとおり、シリコン単結晶の洗浄処理にも使用されており、酸化膜のみならずシリコンをも溶解する能力がある。このため、半導体向け溶解原料のように高い清浄度を要求される用途では、シリコン表面の汚染部位を確実に除去するために、酸化膜の最も厚い部分を完全に除去することが必要となり、その結果エッチング量は数十μmに及び、処理コストが増大すると共に、酸化膜が薄い部分ではシリコン棒を必要以上に溶解し、大きなシリコンロスが生じる。また、酸化膜の厚みとエッチング量の関係によっては酸化膜が残存する危険性もある。
以上が、本発明者が知見した多結晶シリコン棒の汚染メカニズムであり、従来対策であるエッチング処理の問題点である。
このような事実を踏まえ、本発明者は従来対策の問題点を解決する方法について鋭意検討した。その結果、図1(c)に示すように、シリコン棒1の表面に形成された酸化膜2のみを除去するのが合理的であるとの結論に達し、本発明に到達した。すなわち、シリコン棒1の表面に形成された酸化膜2のみを除去するならば、汚染源が効率的に除去される上に、その除去に要する負荷が軽減され、シリコンロスも生じないのである。
本発明の多結晶シリコン洗浄方法は、シーメンス法で製造された溶解原料用の多結晶シリコンに対して洗浄処理を行う多結晶シリコン洗浄方法おいて、還元反応炉を開放する前に炉内の多結晶シリコンの表面に清浄な酸化膜を形成し、しかる後に前記還元反応炉から取り出した多結晶シリコンに対してフッ酸液により洗浄処理を行うものである。
フッ酸溶液によれば、図1(c)に示すように、シリコン棒1の表面に形成された酸化膜2のみを除去することができ、NOx発生の問題も生じない。また、図1(d)に示すように、フッ酸溶液による洗浄処理後に、フッ酸と硝酸の混合液(フッ硝酸溶液)によりエッチング処理を行なうならば、シリコン表面が溶解除去され、軽度のエッチング処理を付加するだけで、酸化膜形成時に危惧されるシリコン表面の汚染まで解消でき、清浄度を半導体向けまで飛躍的に高めることができる。具体的には数μmのエッチング処理の付加で、フッ酸処理なしで数十μmのエッチング処理を行った場合と同等の清浄度を確保することができる。
フッ硝酸溶液がシリコン及び酸化膜を溶解除去するのに対し、フッ酸は酸化膜のみを溶解除去する。そのメカニズムは次のとおりである。フッ硝酸の場合は先ず硝酸でシリコンを酸化し、酸化したシリコンをフッ酸で溶解する。この二段階の反応でシリコンを溶解している。フッ酸のみでは、シリコンの酸化ができないため、表面の酸化膜のみ溶解して反応が停止する。
フッ酸溶液の濃度として10wt%以上が好ましい。この濃度が10wt%以上あればシリコン同士が重なった場所でも酸化膜を確実に除去することができる。この濃度の上限については効果が飽和しコストが増大することから35wt%以下が望ましい。
そして何よりも、本発明の多結晶シリコン洗浄方法は、シーメンス法で製造された多結晶シリコンを対象とし、還元反応炉を開放し還元反応炉から多結晶シリコンを取り出す前に、多結晶シリコン棒の表面に清浄な(汚染が少ない)酸化膜を形成することにより、酸化膜の清浄度を高める。そうすることにより、フッ酸による洗浄処理後のエッチング処理を行わずとも、フッ酸処理なしで数十μmのエッチング処理を行った場合と同等の半導体向け清浄度を確保でき、仮に半導体向け清浄度を確保できない場合でも極僅かのエッチング処理で半導体向け清浄度を確保できる。
清浄な(汚染が少ない)酸化膜を形成する方法(酸化膜の清浄度を高める方法)としては、具体的には還元反応炉を開放する前に水蒸気を含む清浄なガスを炉内に導入する方法がある。こうすれば、還元反応炉を開放する前に多結晶シリコン棒の表面に付着するポリマーが清浄なガス中の水蒸気と反応して、多結晶シリコン棒の表面に酸化膜が形成されるが、ガスの清浄度が高いために、形成される酸化膜の清浄度も向上する。その結果、フッ酸と硝酸の混合液によるエッチング処理なし(フッ酸による洗浄処理のみ)でも清浄度を半導体向けまで飛躍的に高めることができ、仮に半導体向け清浄度を確保できない場合でも極僅かのエッチング処理で半導体向け清浄度を確保できる。
ここで、水蒸気を含む清浄なガスとは、水蒸気を含み且つ大気より0.3μm以下の微粒子が少ないガスであり、具体的にはHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)を通した空気(空気中の水蒸気を含む)又は清浄な不活性ガス(Ar又は窒素等)に水蒸気を混合したガスなどである。
洗浄処理を行う段階は、多結晶シリコン棒を溶解原料用に切断加工した後や破砕加工した後のカットロッドや塊粒の段階が好ましい。これらの加工前に洗浄処理を行うと、加工による汚染が残る危険がある。加工を終えた溶解原料形態(カットロッドや塊粒等)の多結晶シリコンに洗浄処理を行うことにより、加工による汚染も合わせて除去される。
本発明の多結晶シリコン洗浄方法は、シーメンス法で製造された溶解原料用の多結晶シリコンに対して洗浄処理を行う多結晶シリコン洗浄方法おいて、還元反応炉を開放する前に炉内の多結晶シリコンの表面に清浄な酸化膜を形成し、しかる後に前記還元反応炉から取り出した多結晶シリコンに対してフッ酸により洗浄処理を行うことにより、シリコンを溶解せずにシリコン表面の汚染された酸化膜を除去できるのみならず、フッ酸による洗浄処理後にフッ酸と硝酸の混合液によるエッチング処理を行わずとも、多結晶シリコンの清浄度を飛躍的に高めることができる。その結果シリコンロス、フッ硝酸使用量、エッチング廃液による環境負荷を大幅に軽減できる。また、フッ酸と硝酸の混合液の使用に伴うNOxガス発生の問題を解決乃至は軽減できる。
(a)〜(d)は多結晶シリコン棒の表面性状を示す模式断面図であり、(a)は多結晶シリコン棒の表面に酸化膜が形成された状態、(b)はその表面をエッチング処理した状態、(c)はその表面をフッ酸により洗浄処理した状態、(d)はフッ酸による洗浄後に軽度のエッチング処理をした状態をそれぞれ示す。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の多結晶シリコン洗浄方法では、シーメンス法により製造された多結晶シリコン棒を冷却後に還元反応炉から取り出し、要求される溶解原料形態に加工する。具体的には所定長さのカットロッドに切断加工したり、所定の大きさの塊粒状に破砕加工する。製造された多結晶シリコン棒を還元反応炉から取り出す際、必要に応じて炉開放の前に炉内へ清浄な空気等を導入する。これにより、多結晶シリコンの表面に形成される酸化膜の清浄度が向上することは前述したとおりである。
還元反応炉から多結晶シリコン棒を取り出し、要求される溶解原料形態への加工が終わると、その加工を終えた溶解原料形態の多結晶シリコンをフッ酸溶液に所定量ずつ所定時間浸漬する。
使用するフッ酸溶液の濃度は、前述したとおり10wt%以上が好ましい。また浸漬時間は5〜10分間程度が好ましい。浸漬時間が短すぎるとシリコン表面の汚染された酸化膜を十分に除去できず、長すぎる場合は洗浄時間が必要以上に長くなり時間のロスが生じる。
フッ酸溶液は、シリコン表面の酸化膜を溶解除去できるが、シリコンを溶解する能力はない。このため、溶解原料形態に加工した多結晶シリコンをフッ酸溶液に浸漬することにより、シリコン表面の酸化膜のみを選択的に除去できる(図1(c)参照)。また、硝酸を使用しない非窒素系のフッ酸溶液は、フッ酸と硝酸の混合液であるフッ硝酸液(硝酸の比率が大きい)と比べて安価であり、使用後の廃液による環境負荷も格段に軽い。更にNOxガス発生の問題も生じない。
フッ酸溶液による洗浄処理が終わると、必要に応じて多結晶シリコンにフッ硝酸溶液による軽度のエッチング処理を行う。これにより、シリコン表面が僅かに溶解除去され(図1(d)参照)、多結晶シリコンの清浄度が更に向上する。ここにおけるエッチング処理は、フッ酸と硝酸の混合液であるフッ硝酸溶液を使用するものの、エッチング量が僅かであるため、経済的問題を始めとする諸問題を軽微に抑制できる。
フッ硝酸溶液によるエッチング処理は、必要とする清浄度に応じて適宜決定されるが、主汚染部位である酸化膜が事前に除去されているので軽度の処理で済む。
次に、本発明の実施例を示し、比較例と対比することにより本発明の効果を明らかにする。
還元反応炉内でシーメンス法により外径130mm×長さ約2000mmの多結晶シリコン棒を製造し、炉外へ取り出す際に、従来どおり還元反応炉を大気開放した。また、還元反応炉を開放する前にHEPAフィルタを通した空気を炉内に導入し、しかる後に還元反応炉を開放し、多結晶シリコン棒を取り出した。それぞれで製造した多結晶シリコン棒をタングステンカーバイトのハンマーで5〜40mm程度に破砕し、10kgを樹脂製のカゴに入れ、10wt%のフッ酸槽に5分間浸漬し洗浄した。
その後更に、一部の破砕多結晶シリコンについては、フッ硝酸溶液による清浄化エッチング処理をエッチング代を種々変えて実施した。具体的には、50wt%フッ酸と70wt%硝酸を1:50の体積比で混合したフッ硝酸の槽に破砕多結晶シリコンをエッチング代が種々変更されるように時間を変えて浸漬し、その後、純水により水洗した。
比較のために、フッ酸による洗浄処理を行わず、フッ硝酸溶液による清浄化エッチング処理のみを、エッチング代を種々変えて実施した。
処理後の破砕多結晶シリコンから、棒状シリコンの表皮部分(酸化膜を除去した部分)を含む1個あたり3〜5gのシリコンサンプルを5個で20gになるように採取した。そして、5個のシリコンサンプルに分析用フッ硝酸エッチングを行った。分析用フッ硝酸エッチングでは、5個のシリコンサンプルの各表面をフッ硝酸で同じ量(0.600±0.050g)だけ溶解し、溶解後のフッ硝酸溶液中の金属濃度を原子吸光法で分析することで、シリコンサンプル表層中の不純物濃度を測定し、洗浄処理後の破砕多結晶シリコンの表面品質を評価した。評価結果、特にFe濃度を表1に示す。評価基準としてはFe濃度<0.02ppbwを半導体向け溶解原料としての合格ラインとした。
表1中のエッチング代とは、清浄化を目的としたフッ硝酸エッチングでのエッチング量(エッチング厚み)であり、次の方法で測定した。サンプルとして板材を一緒にエッチングし、エッチング前後の厚みをマイクロメータで測定するか、エッチング前後の板材の重量変化を測定することでエッチング代を測定する。事前にこの方法でエッチング時間とエッチング代との関係を調べておけば、エッチング時間を調節することにより、サンプル板材を用いずともエッチング代を自在に調節することができる。
Figure 0005035923
表1から分かるように、還元反応炉をいきなり大気開放し、大気雰囲気中で酸化膜を形成した場合、フッ酸洗浄を行わなければ、多結晶シリコンの表面清浄度はFe濃度=1.8ppbwであり、合格ラインであるFe濃度<0.02ppbwの表面清浄度を確保するためには、20μmの清浄化エッチング処理が必要となる。これが従来例である。これに対し、フッ酸洗浄を行い、酸化膜を事前に除去すると、清浄化エッチング処理を行わなくても、表面清浄度はFe濃度=0.22ppbwであり、合格ラインであるFe濃度<0.02ppbwの表面清浄度を確保するためには、5μmの清浄化エッチング処理を行うだけで済む。これは比較例である。
これらに対し、還元反応炉を開放する前に清浄な空気を炉内に導入し、清浄な酸化膜を形成した本発明の実施例の場合は、フッ酸洗浄だけで、多結晶シリコンの表面清浄度はFe濃度=0.02ppbwに達し、合格ラインであるFe濃度<0.02ppbwの表面清浄度を確保するための清浄化エッチング処理は僅か2μmで済む。
前述した大気雰囲気中で酸化膜を形成し破砕後に樹脂カゴに入れた塊粒状の多結晶シリコン10kgを、50wt%フッ酸を純水で各種濃度に希釈して作製したフッ酸の槽に5分間浸漬し洗浄した。次に、50wt%フッ酸と70wt%硝酸を1:50の体積比で混合したフッ硝酸の槽に多結晶シリコンを浸漬し、5μmの表面清浄化エッチング処理を行った。処理後の多結晶シリコンの表面清浄度を実施例1と同じ方法で評価した。評価結果を表2に示す。
Figure 0005035923
表2から分かるように、フッ硝酸の濃度が高くなるほど処理後の多結晶シリコンの表面清浄度が上がり、濃度10wt%以上で効果が顕著である。
1 シリコン棒
2 酸化膜

Claims (5)

  1. シーメンス法で製造された溶解原料用の多結晶シリコンに対して洗浄処理を行う多結晶シリコン洗浄方法おいて、還元反応炉を開放する前に炉内の多結晶シリコンの表面に清浄な酸化膜を形成し、しかる後に前記還元反応炉から取り出した多結晶シリコンに対してフッ酸液により洗浄処理を行う多結晶シリコン洗浄方法。
  2. 請求項1に記載の多結晶シリコン洗浄方法において、還元反応炉を開放する前に水蒸気を含む清浄なガスを炉内に導入することにより、多結晶シリコンの表面に清浄な酸化膜を形成する多結晶シリコン洗浄方法。
  3. 請求項2に記載の多結晶シリコン洗浄方法において、水蒸気を含む清浄なガスは、水蒸気を含み且つ大気より0.3μm以下の微粒子が少ないガスである多結晶シリコン洗浄方法。
  4. 請求項3に記載の多結晶シリコン洗浄方法において、水蒸気を含み且つ大気より0.3μm以下の微粒子が少ないガスは、HEPAフィルタを通した空気、又は清浄な不活性ガスに水蒸気を混合したガスである多結晶シリコン洗浄方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の多結晶シリコン洗浄方法において、フッ酸液の濃度が10wt%以上である多結晶シリコン洗浄方法。
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