JP2014161555A - バリアフリー乗下船設備 - Google Patents

バリアフリー乗下船設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2014161555A
JP2014161555A JP2013036045A JP2013036045A JP2014161555A JP 2014161555 A JP2014161555 A JP 2014161555A JP 2013036045 A JP2013036045 A JP 2013036045A JP 2013036045 A JP2013036045 A JP 2013036045A JP 2014161555 A JP2014161555 A JP 2014161555A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boarding
lifting
shrimp
positioning
barrier
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013036045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6095410B2 (ja
Inventor
Kazutoshi Aoyanagi
和寿 青柳
Kikuo Sato
喜久雄 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIMONOSEKI RYOJU ENGINEERING KK
Original Assignee
SHIMONOSEKI RYOJU ENGINEERING KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIMONOSEKI RYOJU ENGINEERING KK filed Critical SHIMONOSEKI RYOJU ENGINEERING KK
Priority to JP2013036045A priority Critical patent/JP6095410B2/ja
Publication of JP2014161555A publication Critical patent/JP2014161555A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6095410B2 publication Critical patent/JP6095410B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Types And Forms Of Lifts (AREA)

Abstract

【課題】設備移動時のバリアフリー乗下船設備の移動容易性と、車椅子乗下船時の昇降装置の安定性とを両立できるバリアフリー乗下船設備を提供する。
【解決手段】乗下船装置と昇降装置とをそれぞれ別体で移動可能に設け、かつ乗下船時のみ、乗下船装置と昇降装置とを連結一体化させるように構成したため、バリアフリー乗下船設備の移動時に作業者が押し曳きする単体物の重量が軽減される。その結果、バリアフリー乗下船設備の人力による移動が容易となるとともに、仮に昇降装置を乗下船装置から分離状態で昇降運転した際に懸念される昇降ケージの揺れおよび昇降装置の転倒などの不測の事態が解消され、車椅子乗下船時の昇降装置の安定性が図れる。
【選択図】図1

Description

この発明はバリアフリー乗下船設備、詳しくはフェリーなどの船舶が停泊する岸壁に設置され、健常者だけでなく車椅子を利用した乗下船も可能なバリアフリー乗下船設備に関する。
岸壁に設置され、かつ船舶の動揺、潮の干満により昇降変位する船舶の乗降甲板に対応してスロープを昇降可能で、車椅子の利用者も乗下船可能なバリアフリー乗下船設備として、例えば特許文献1の「車椅子用乗船装置」に記載されたものが知られている。従来のバリアフリー乗下船設備は、架台上部のプラットホームを介して乗下船する階段式タラップに、ウインチ昇降式の車椅子用の昇降ケージを設け、この昇降ケージに、停泊中の船舶甲板に掛け渡すスライド床(スロープ)を出退自在に設け、昇降ケージに設けた位置センサが検出した船舶の乗降位置の検出信号に基づき、自動停止装置からの指令によって昇降用ウインチを制御し、昇降ケージを停止するものである。
特許第2723444号公報
ところで、バリアフリー乗下船設備は、岸壁を走行可能な構成とした方が望ましい。これは、乗下船時に、バリアフリー乗下船設備を船舶に近づけてプラットホームからスロープを船舶の乗降甲板に掛け渡し、設備保管時に、船舶の離着岸および係船作業の邪魔にならないように、岸壁のタラップ保管場までバリアフリー乗下船設備を退避するためである。この場合、バリアフリー乗下船設備の移動方式は、台車を利用した手押し式の方が、自動走行式に比べて駆動モータおよび減速機などの動力伝達系統が不要となり、経済的である。ただし、手押し式の設備の場合には、作業者がバリアフリー乗下船設備を押し曳きする際の作業者の労力を軽減するため、設備全体を軽量化した方が望ましい。
しかしながら、バリアフリー乗下船設備は、昇降装置を乗下船装置に連結した分だけ、乗下船装置のみの場合より重量が嵩む。そのため、バリアフリー乗下船設備を移動させる作業員の労力が大きくなっていた。
そこでこれを解消するため、乗下船装置と昇降装置とを分離したバリアフリー乗下船設備とし、乗下船時に、乗下船装置と昇降装置とを別体のまま近接配置することが考えられる。しかしながら、このように昇降装置を乗下船装置と分離状態で使用すれば、車椅子乗下船時に、昇降ケージが揺れたり、最悪の場合、昇降装置が転倒するといった不測の事態が発生するおそれがある。
そこで、発明者は鋭意研究の結果、乗下船装置と昇降装置とをそれぞれ別体で移動可能に設け、かつ乗下船時のみ、双方を連結一体化させることに想到した。この構成にすれば、設備移動時のバリアフリー乗下船設備の移動容易性(移動操作力の軽減)と、車椅子乗下船時の昇降装置の安定性とを両立させることができることを知見し、この発明を完成させた。
この発明は、設備移動時のバリアフリー乗下船設備の移動容易性と、車椅子乗下船時の昇降装置の安定性とを両立させることができるバリアフリー乗下船設備を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、岸壁に配置され、かつ一時的に船舶との間にスロープを架け渡す乗下船装置と、該乗下船装置に位置決め連結手段によって着脱自在に連結され、かつ車椅子の利用者を乗下船させる際に利用される昇降装置とを備えたバリアフリー乗下船設備であって、前記乗下船装置は、前記岸壁に配置され、かつ上部にプラットホームが配設された第1架台と、前記プラットホームに上部が連結された階段と、前記第1架台の下部に設けられた第1台車と、前記プラットホームに片持ち状態で元部が支持され、かつ先部が前記船舶の乗降甲板に掛けられる前記スロープとを有し、前記昇降装置は、前記岸壁に配置され、かつ一側面に前記車椅子の下降時乗降口が形成されるとともに、開口側を該車椅子の下降時乗降口側に向けた平面視してコの字形の第2架台と、該第2架台の下部に設けられ、かつ開口側を前記車椅子の下降時乗降口側に向けた平面視してコの字形の第2台車と、前記第2架台の内側空間に昇降可能に配置され、かつ前記車椅子が搭乗する前記昇降ケージと、前記第2架台に設けられ、かつ前記第2架台および前記第2台車の各内側空間を通って、前記昇降ケージを前記岸壁の地面と前記プラットホームとの間で昇降させるケージ昇降手段とを有し、前記位置決め連結手段は、前記昇降装置を、前記乗下船装置に形成された昇降装置連結領域に位置決めする位置決め嵌合構造体と、位置決めされた前記昇降装置を前記乗下船装置に連結する連結構造体とを有したバリアフリー乗下船設備である。
請求項1に記載の発明によれば、船舶の着岸後、乗下船設備を船舶に近づけてプラットホームからスロープを船舶の乗降甲板に掛け渡し、次に、岸壁のタラップ保管場に保管された乗下船装置と昇降装置とを、対応する第1台車および第2台車を利用して、作業者がそれぞれ個別に押し曳きしながら、岸壁の船舶付近まで移動させる。次いで、位置決め連結手段の位置決め嵌合構造体により、昇降装置を乗下船装置の昇降装置連結領域に位置決めし、その後、連結構造体を介して、位置決めされた昇降装置を乗下船装置に連結することで、車椅子の利用者は昇降装置を使用し、乗下船を行う。具体的には、ケージ昇降手段により昇降ケージを、第2架台および第2台車の内部空間を通って下降し、その底板を岸壁に接地する。次に、第2架台の下降時乗降口を通して、車椅子が昇降ケージに乗り降りする。このとき、第2台車を平面視してコの字形として、昇降ケージの底板が、直接、岸壁に接地するようにしたため、岸壁と昇降ケージの底板の上面との間でほとんど段差が発生しない。そのため、岸壁で車椅子が昇降ケージに乗降する際、車椅子の利用者は一人でも支障なく昇降ケージに乗降することができる。
このように、乗下船装置と昇降装置とをそれぞれ別体で移動可能に設け、かつ乗下船時のみ、双方を連結一体化させるように構成したため、バリアフリー乗下船設備の移動時に作業者が押し曳きする単体物の重量が軽減する。その結果、バリアフリー乗下船設備の人力による移動が容易となるとともに、仮に昇降装置を乗下船装置から分離状態で昇降運転した際に懸念される昇降ケージの揺れおよび昇降装置の転倒などの不測の事態が解消され、車椅子乗下船時の昇降装置の安定性が図れる。
なお、船舶着岸後の乗下船時、健常者は、階段、プラットホーム、スロープを順次通って岸壁から船舶に乗り込むとともに、この通行順序を反対にして船舶から岸壁に下船する。もちろん、昇降装置を利用して健常者が乗下船してもよい。
ここでいうバリアフリー乗下船設備とは、健常者が利用する階段式タラップである乗下船装置と、車椅子の利用者が利用するエレベータおよび昇降リフタなどの昇降装置との両方を兼ね備えたもので、本発明では乗下船装置に着脱可能な構成としている。
バリアフリー乗下船設備が利用される船舶としては、例えばフェリーの他、各種の客船、各種の貨物船などを採用することができる。
第1架台および第2架台は、対応する第1台車および第2台車に搭載された移動式のものである。
第1台車および第2台車は、対応する架台が搭載されるベース板の裏面に複数のキャスタが配設された手押し式のものである。ただし、これらの台車は、必要によりモータを駆動源とした自走式台車としてもよい。
スロープは、健常者および車椅子が通行する平坦な通路面を有した片持ち方式の渡り廊下である。スロープは、その長さ方向に伸縮可能な構成としても、第1架台に設けた俯仰手段により、水平な俯仰軸を中心として俯仰可能に構成してもよい。これにより、潮の干満により昇降変位する船舶の乗降甲板に対応してスロープを昇降させることができる。
プラットホームは、スロープが設置された第1架台の上階まで健常者が昇り降りする階段と、車椅子の利用者が昇降する昇降装置が付設された踊り場としての機能を果たす。
昇降装置は、乗下船装置に着脱自在に連結され、かつ車椅子が搭乗する昇降ケージを、岸壁の接地面とプラットホームとの間でケージ昇降手段により昇降させる装置である。
ここでいう「岸壁の接地面とプラットホームとの間で昇降ケージを昇降させる」とは、昇降ケージの下面が岸壁の接地面に接地する最下位置とし、かつ昇降ケージの上面がプラットホームの上面と同一高さとなる最上位置として、ケージ昇降手段により昇降ケージを昇降させることをいう。
ケージ昇降手段としては、例えば、ウォームジャッキ方式の昇降装置、チェーン駆動式の昇降装置などを採用することができる。
位置決め連結手段は、位置決め嵌合構造体により昇降装置を乗下船装置の昇降装置連結領域に位置決めした後、位置決めされた昇降装置を連結構造体によって乗下船装置に連結するものである。車椅子のプラットホームへの乗降が可能であれば、乗下船装置における昇降装置連結領域の形成位置は任意である。昇降装置と乗下船装置とは着脱自在に連結されているが、両者を連結したまま移動および使用することも可能である。
位置決め嵌合構造体は、一方が乗下船装置に設けられ、かつ他方が昇降装置に設けられた対配置される雄(凸)側の嵌合部材と、雌(凹)側の嵌合部材とを着脱自在に嵌合することで、昇降装置を乗下船装置の昇降装置連結領域に位置決めする部材である。例えばV字キャッチャ、L字キャッチャ、円錐キャッチャなどを採用することができる。
連結構造体は、位置決めされた昇降装置と乗下船装置とを着脱可能に連結する部材である。例えば、連結構造体としてエビ金具(あおりファスナ)、ヒンジボルト、蝶ナットなどを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記位置決め嵌合構造体は、前記乗下船装置の昇降装置との連結側の面に、水平方向に離間して配設され、かつ先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる形状の一対の位置決め用外側嵌合部材と、前記昇降装置の乗下船装置との連結側の面に、水平方向に離間して配設され、かつ先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなり、かつ対応する前記位置決め用外側嵌合部材に着脱自在に嵌合する形状の一対の位置決め用内側嵌合部材とを有し、前記連結構造体は、前記乗下船装置の昇降装置との連結側の下部と、前記昇降装置の乗下船装置との連結側の下部との間に配設され、かつそれぞれが幅方向を水平に向けたエビ金と該エビ金の受け金とからなる一対の下側エビ金具と、前記乗下船装置の昇降装置との連結側のうち、前記一対の下側エビ金具の設置位置より上方の部分と、前記昇降装置の乗下船装置との連結側のうち、前記一対の下側エビ金具の設置位置より上方の部分との間に配置され、かつ少なくとも一方が幅方向を垂直に向けたエビ金と該エビ金の受け金とからなる一対の上側エビ金具とを有した請求項1に記載のバリアフリー乗下船設備である。
請求項2に記載の発明によれば、昇降装置の位置決め時(装置位置決め時)、岸壁の船舶付近に配置された乗下船装置の昇降装置連結領域に、一対の位置決め用内側嵌合部材と一対の位置決め用外側嵌合部材を介して、昇降装置を位置決めする。すなわち、一対の位置決め用外側嵌合部材のうち、先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる先広がりの傾斜面と、対応する位置決め用内側嵌合部材のうち、先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなる先細りの傾斜面とを位置決めのガイドとして、昇降装置を乗下船装置の昇降装置連結領域に位置決めする。
位置決め後、昇降装置を乗下船装置に連結する際(装置連結時)には、一対の上側エビ金具と一対の下側エビ金具とを利用し、第1架台のうちの第2架台との連結側と、第2架台のうちの第1架台との連結側とを連結する。エビ金具を位置決め連結手段に採用することで、昇降装置を乗下船装置に簡単かつ堅固に連結することができる。具体的には、各上側エビ金具と各下側エビ金具において、昇降装置および乗下船装置の一方に連結されたエビ金を、昇降装置および乗下船装置の他方に連結された受け金に堅固に掛止する。
また、一対の上側エビ金具のうちの少なくとも一方を、垂直方向からの力に対しての剛性が高まるように、幅方向を垂直に向けたエビ金と受け金とから構成したエビ金具としている。これにより、乗下船装置と昇降装置との連結部分に対する上方からの重量負荷が最大となる昇降ケージのプラットホーム到達時、その重量負荷は主に一対の上側エビ金具が受けることとなる。このとき、上述したように少なくとも一方の上側エビ金具が、幅方向を垂直に向けたエビ金と受け金とから構成されているため、例えば、一対の上側エビ金具の両方を、幅方向を水平に向けたエビ金と受け金とから構成した場合に比べて、上方からの重量負荷に伴うエビ金具の変形を防止することができる。
一対の位置決め用外側嵌合部材は、先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる形状であれば、その外観形状は任意である。
ここでいう「先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる形状」とは、例えば、ラッパ形状などを採用することができる。
一対の位置決め用内側嵌合部材は、先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなる形状であれば、その外観形状は任意である。
ここでいう「先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなる形状」とは、例えば、つぼみ形状、矢じり形状などを採用することができる。
エビ金具の一部の本体部分を構成するエビ金は、乗下船装置の昇降装置との連結側および昇降装置の乗下船装置との連結側のうちの一方に取り付けられるレバーに、スプリング付きの連結片を連結した外観が、エビに似た多関節の板状金具である。エビ金はこのように多関節の板状金具であるため、厚さ方向から作用する外力に対しての剛性は小さく、変形し易い。一方、板状のエビ金は、その幅方向から作用する外力に対しての剛性は大きく、変形しにくい。
受け金は、乗下船装置の昇降装置との連結側および昇降装置の乗下船装置との連結側のうちの他方に固定されたフック状の金具である。
一対の上側エビ金具は、一方のみを幅方向を垂直に向けたエビ金とエビ金の受け金とからなるエビ金具としてもよい。また、その両方を、幅方向を垂直に向けたエビ金とエビ金の受け金とからなるエビ金具としてもよい。ただし、乗下船装置と昇降装置との連結部分の上部に作用する上昇配置された昇降ケージからの荷重をしっかりと支持するためには、両方(後者)とした方が望ましい。
請求項1に記載の発明によれば、岸壁のタラップ保管場で保管中の乗下船装置と昇降装置とを、対応する第1台車および第2台車を利用して、作業者がそれぞれ押し曳きしながら、岸壁の船舶付近まで移動させる。その後、位置決め連結手段の位置決め嵌合構造体により、昇降装置を乗下船装置の昇降装置連結領域に位置決めし、次に、この位置決めされた昇降装置を、連結構造体を介して乗下船装置に連結した後、車椅子の利用者が搭乗した昇降ケージをケージ昇降手段により昇降することで、車椅子の利用者の昇降装置を使用したバリアフリーの乗下船を行うことができる。このとき、第2台車を平面視してコの字形として、昇降ケージの底板が、直接、岸壁に接地するようにしたため、岸壁と昇降ケージの底板の上面との間でほとんど段差が発生しない。そのため、岸壁で車椅子が昇降ケージに乗降する際、車椅子の利用者は一人でも支障なく昇降ケージに乗降することができる。
このように、乗下船装置と昇降装置とをそれぞれ別体で移動可能に設け、かつ乗下船時のみ、双方を連結一体化させるように構成したため、バリアフリー乗下船設備の移動時に作業者が押し曳きする単体物の重量が軽減される。その結果、バリアフリー乗下船設備の人力による移動が容易になるとともに、仮に昇降装置を乗下船装置から分離状態で昇降運転した際に懸念される昇降ケージの揺れおよび昇降装置の転倒などの不測の事態が解消され、車椅子乗下船時の昇降装置の安定性が図れる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、昇降装置と乗下船装置との連結時、岸壁の船舶付近に配置された乗下船装置の昇降装置連結領域に、一対の位置決め用内側嵌合部材と一対の位置決め用外側嵌合部材を介して、昇降装置を位置決めする。すなわち、一対の位置決め用外側嵌合部材のうち、先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる先広がりの傾斜面と、対応する位置決め用内側嵌合部材のうち、先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなる先細りの傾斜面とを位置決め用のガイド面として、両装置を位置決めする。
位置決め後の昇降装置と乗下船装置との連結時には、一対の上側エビ金具と一対の下側エビ金具とを利用し、乗下船装置の昇降装置との連結側と、乗下船装置の乗下船装置との連結側とを連結する。
また、一対の上側エビ金具のうちの少なくとも一方は、垂直方向からの力に対しての剛性が高まるように、幅方向を垂直に向けたエビ金と受け金とからなるエビ金具としている。そのため、例えば、乗下船装置の昇降装置との連結部分に対しての上方からの重量負荷が最大となる昇降ケージのプラットホーム到達時、その重量負荷は、主に一対の上側エビ金具が受けることになるものの、上述したように少なくとも一方の上側エビ金具が、幅方向を垂直に向けたエビ金と受け金とから構成されているため、両方の上側エビ金具を、幅方向を水平に向けたエビ金と受け金とした場合に比べて、この重量負荷による上側エビ金具の変形を小さくすることができる。
この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の平面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する乗下船装置の側面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する昇降装置の昇降ケージの下降状態での拡大側面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する昇降装置の昇降ケージの下降状態での拡大正面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する昇降装置の昇降ケージの下降状態での拡大平面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する昇降装置の昇降ケージの上昇状態での拡大側面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の第1架台と第2架台との連結状態を示す拡大正面図である。 図7におけるS8−S8断面図である。 図7におけるS9−S9断面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する一方の上側エビ金具の使用状態を示す拡大平面図である。 この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備の一部を構成する一方の上側エビ金具の使用状態を示す拡大側面図である。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、フェリーに配備されたバリアフリー乗下船設備を例にとる。ただし、これに限定されない。また、ここでは、説明の都合上、X1方向をバリアフリー乗下船設備の前方向(乗下船時の船舶方向)、X2方向をバリアフリー乗下船設備の後方向、Y1方向をバリアフリー乗下船設備の左方向、Y2方向をバリアフリー乗下船設備の右方向、Z1方向をバリアフリー乗下船設備の下方向、Z2方向をバリアフリー乗下船設備の上方向とする。
図1および図2において、10はこの発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備(以下、乗下船設備)で、この乗下船設備10は、岸壁11に配置され、かつ一時的にフェリー(船舶)12との間にスロープ13を架け渡す乗下船装置 (タラップ) 14と、乗下船装置14に連結され、かつ車椅子の利用者を乗下船させる際に利用される昇降装置15と、乗下船装置14に昇降装置15を位置決めして着脱自在に連結する位置決め連結手段16(図1および図7)とを備えている。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
まず、図1および図2を参照して、乗下船装置14を説明する。乗下船装置14の本体である第1架台17は、X1−X2方向に長い平面視して矩形状の第1台車18の長さ方向の中間部に立設されている。第1台車18は、矩形状のベース板19の四隅の下面に、ブラケット20を介して、4つのキャスタ21が配設されたものである。第1架台17は、平面視して略正方形に配置された4本の支柱22と、各支柱22の上端間に横架された屋根23a付きのプラットホーム23とを有している。プラットホーム23のX1−X2側の各面は開放され、そのうち、プラットホーム23のX2側の端部には、長さ方向がX1−X2方向で、かつ手摺24および屋根25が付いた短尺な階段26が設けられている。なお、第1架台17のY1側が、昇降装置15が連結される昇降装置連結領域Aとなる。
プラットホーム23のX1側の端部には、X1−X2方向に長くかつ手摺27および屋根28が付いたアーケード状のスロープ13が、長さ方向がY1−Y2方向の俯仰軸29を中心にして、油圧式の俯仰シリンダ30により俯仰自在に連結されている。スロープ13のX1側の端部には、長さ方向がY1−Y2方向の回動軸を有するヒンジ31を介して短幅なわたり板32が軸支されている。俯仰シリンダ30は、その元部が第1台車18のX1側の端部に軸支され、そのロッド30aの先端部がスロープ13の元部の下面にブラケット33を介して軸支されている(図2)。俯仰シリンダ30のロッド30aを突出させることで、俯仰軸29を中心にしてスロープ13が上方回動し、そのロッド30aを引き込ませることで、俯仰軸29を中心にしてスロープ13が下方回動する。これにより、潮の干満により昇降変位するフェリー12の乗降甲板に対応してスロープ13を昇降させることができる。第1台車18のX1側の端部上には、俯仰シリンダ30の図示しない油圧ユニットおよび油圧制御部が設けられている。
次に、図3〜図6を参照して、昇降装置15を具体的に説明する。
図3〜図6を参照して、昇降装置15の本体である第2架台34は、岸壁11からの車椅子の下降時乗降口側がY1側に配置された架台である。第2架台34は、開口側を車椅子の下降時乗降口側に向けた平面視してコの字形の第2台車35に立設されている。第2台車35は、平面視してコの字形のベース板36の四隅の下面に、連結ブラケット37を介して、4つのキャスタ38が配設されたものである。第2架台34は、X1−Y2側の端部とX2−Y2側の端部とに配置された一対の支柱39と、一対の支柱39の上端間に横架され、かつ平面視して開口側がY1側を向いたコの字状上部枠40とを有している。コの字状上部枠40の上縁の高さは、プラットホーム23の高さと一致している。
第2架台34のX1側の端部のY1−Y2方向の両端部には、下端部が第2台車35を通過し、かつ上端部が第2架台34の高さと略同一長さ分だけコの字状上部枠40より上方へ突出した一対のガイドレール44が、長さ方向をZ1−Z2方向に向けて平行に立設されている。両ガイドレール44は溝形鋼で、これらの上端部は、Y1−Y2方向に細長い連結枠45により連結されている。また、両ガイドレール44のコの字状上部枠40より上方に突出した部分の長さ方向の中間部の間には、Y1−Y2方向に長い昇降モータ固定枠46が横架されている。昇降モータ固定枠46の長さ方向の中間部には、昇降モータ47付きのウォーム減速機48が固定されている。ウォーム減速機48には、ウォームジャッキのZ1−Z2方向に延びるねじ49の上端部が螺合されている。また、昇降モータ47の出力軸はY1方向に延び、ウォーム付きの先端部が、ウォーム減速機48の内部空間に配置されている。また、昇降モータ固定枠46の長さ方向の中間部の下部には、動力伝達部材を介して、ウォーム減速機48の出力軸に連結されたねじ49の上部を軸支する軸受ナット50が固定されている。
図3〜図5に示すように、第2架台34および第2台車35の連通する内部空間には、昇降ケージ41の底板51が配置されている。底板51は平面視して略長方形の板材で、底板51のX1側の端部には、底板51を片持ち状態で支持するための、Y1−Y2方向に長い矩形状の直立した吊下板52の下端部が一体連結されている。したがって、吊下板52が連結された底板51は、側面視してL字形の屈曲板となる。吊下板52の四隅のX1側の面(裏面)には、ブラケット53を介して、一対のガイドレール44のウェブおよびフランジの面上をそれぞれ転動する2個1対、合計4対のガイドローラ54が配設されている。また、吊下板52には、そのY1−Y2方向の中間部の下部のX1側の面に、ブラケット55を介して、ねじ49に螺合したトラベリングナット56が固定されている。トラベリングナット56を採用したことで、昇降ケージ41の昇降停止時、ウォームギヤの自己制動力が作用する。そのため、別途、ブレーキ装置を設けなくても、昇降ケージ41の自重下降を防止できる。
昇降ケージ41はアーチ状の屋根57を有する。この屋根57は、底板51のX2−Y1側の隅部とX2−Y2側の隅部とに立設された長尺支柱58と、吊下板52のY1−Y2側の両端部に立設された短尺支柱59とにより支持されている。昇降ケージ41のY1側の面には、車椅子が着岸した際、外扉60が開かれる外側出入口61が形成されている。また、昇降ケージ41のY2側の面には、車椅子がプラットホーム23に到達した際、内扉62が開かれる内側出入口63が形成されている。外扉60は、3つのヒンジ64を介して、Y1側の長尺支柱58に取り付けられ、内扉62は、2つのヒンジ64を介して、Y2側の長尺支柱58に取り付けられている。さらに、底板51のY1側の辺部には、底板51の厚さ分の段差を解消する短尺スロープ65が、長さ方向をX1−X2方向に向けた回動軸を中心にして、起伏自在に連結されている。短尺スロープ65は、底板51が接地する昇降ケージ41の下降時に伏せられる一方、底板51がプラットホーム23の上面と高さが一致する昇降ケージ41の上昇時に起立する。また、昇降ケージ41のX2側の面の下部には、両長尺支柱58の下部間に側柵が固定されている。この側柵の高さ方向の中間部と、これと対峙する吊下板52の高さ方向の中間とには、それぞれの対向面に、車椅子用の上下2段式の手摺66が横架されている。
車椅子昇降時、昇降モータ47の出力軸を回転させることで、ウォーム減速機48内のウォームギヤが減速回転し、ねじ49が所定方向に所定の回転速度で回転する。これにより、ねじ49が所定方向に回転し、吊下板52に固定されたトラベリングナット56を介して、昇降ケージ41が底板51とともに低速度で上昇または下降する。ケージ昇降手段42は、上述した昇降モータ47、ウォーム減速機48、ねじ49、軸受ナット50、トラベリングナット56を有するスクリュージャッキと、一対のガイドレール44および4対のガイドローラ54とから主に構成されている。
次に、図7〜図11を参照して、位置決め連結手段16を具体的に説明する。
位置決め連結手段16は、昇降装置15を、乗下船装置14に形成された昇降装置連結領域Aに位置決めする位置決め嵌合構造体70と、位置決めされた昇降装置15を乗下船装置14に連結する連結構造体71とを備えている。
このうち、位置決め嵌合構造体70は、乗下船装置14の昇降装置15との連結側の面に、X1−X2方向に離間して配設され、かつ先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる形状の一対の位置決め用外側嵌合部材72と、昇降装置15の乗下船装置14との連結側の面に、X1−X2方向に離間して配設され、かつ先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなり、かつ対応する位置決め用外側嵌合部材72に着脱自在に嵌合する形状の一対の位置決め用内側嵌合部材73とを有している。
一対の位置決め用外側嵌合部材72は、第1台車18の長さ方向の中間部のうち、昇降装置連結領域AのX1−X2方向の両端部に配設され、かつY1側(先端)に向かうほど徐々に先細り化した平面視して略正三角形の厚肉な金属板材からなる。また、一対の位置決め用内側嵌合部材73は、第2台車35の第1台車18との連結側の面のうち、X1−X2方向の両端部(一対の位置決め用外側嵌合部材72との対向位置)に配設され、かつY2側(先端)に向かうほど徐々に先細り化した、平面視して略正三角形の厚肉な金属材からなる。すなわち、一対の位置決め用外側嵌合部材72と一対の位置決め用内側嵌合部材73とは、同一形状の高さが低い三角柱体で、位置決め嵌合時には、各位置決め用外側嵌合部材72の内傾斜面と、各位置決め用内側嵌合部材73の外傾斜面とが面接触状態で嵌合する。
また、連結構造体71は、乗下船装置14の昇降装置15との連結側の下部と、昇降装置15の乗下船装置14との連結側の下部との間に配設され、かつそれぞれが幅方向を水平に向けたエビ金74と受け金75とからなる一対の下側エビ金具76と、乗下船装置14の昇降装置15との連結側と、昇降装置15の乗下船装置14との連結側のうち、一対の下側エビ金具76の設置位置より上方の部分との間に配置され、かつ一方が幅方向を垂直に向けたエビ金74と受け金75とからなる一対の上側エビ金具77とを有したものである(図10および図11)。
このうち、一対の下側エビ金具76の具体的な配設位置は、図7および図9に示すように、一対の受け金75が、第1台車18の昇降装置連結領域Aの近傍のうち、Y1−Y2側の両端部に配置されたブラケット78の上面である。また、X2側の下側エビ金具76のエビ金74の設置位置は、第2台車35のX2−Y2側の隅部にX2方向に向かって突設されたブラケット79の上面で、X1側の下側エビ金具76のエビ金具74の配置位置は、第2台車35のX1−Y2側に配置された連結ブラケット37のY2側部分80の上面である。各エビ金74は、一般的な構造のものである。すなわち、Y1−Y2方向に長い本体枠81を有し、この本体枠81のY1−Y2方向に離間した一対の回動ピン82により連結された連結操作用のレバー83の元部に、スプリング84付きの連結片(連結リング)85が固定された多関節金具である(図10および図11)。その外観がエビに似ているため、エビ金と呼ばれる。各受け金75は、細長い矩形状のベース板86の上面に、フック87の元部が一体形成された金具である。上側エビ金具77の構造も、下側エビ金具76の構造と同一である。
また、一対の上側エビ金具77の具体的な配設位置は、図7、図8、図10および図11に示すように、X1側の上側エビ金具77の受け金75が、第1架台17のプラットホーム23のX1−Y1側の隅部の直下に固定されたブラケット88のX1側の面である。また、X1側の上側エビ金具77の幅方向を垂直方向に向けたエビ金74の設置位置は、第2架台34のX1−Y2側に配置された支柱89の上端部のX1側の面である。一方、X2側の上側エビ金具77の受け金75の設置位置は、第1架台17のプラットホーム23のX2−Y1側の隅部に固定されたブラケット90の上面である。また、X2側の上側エビ金具77の幅方向を水平方向に向けたエビ金74の設置位置は、第2架台34のX2−Y2側に配置された支柱39の上面である。
これらの下側エビ金具76と上側エビ金具77とは、第1架台17の第2架台34との連結側の面を平面視した状態で、位置決め構造体70を中心として、位置決め構造体70の両側方にそれぞれ上下一対ずつ配置される。このように構成すれば、例えば、何らかの理由で昇降装置15に外力が作用した場合、その外力の大半は、各下側エビ金具76と各上側エビ金具77のうち、その外力の作用部位に最も近いエビ金具76,77で受けることができる。これにより、例えば位置決め構造体70を構成する一対の位置決め用外側嵌合部材72の内側空間に各エビ金具76,77を配置した場合に比べて、外力による昇降装置15と乗下船装置14との連結部分の損傷が小さくなる。しかも、この外力の作用による位置決め構造体70の損傷を防止することができる。
図1および図2において、符号100は、プラットホーム23の昇降装置15側の車椅子乗降口と階段26側の健常者乗降口とを開閉する開閉扉である。図3〜図6において、符号101は、第2台車35に搭載されて昇降装置15の電気系統を制御する制御盤、符号102は、第2架台34に設けられ、昇降装置15の昇降操作ボタンなどが配設された制御ボックスである。
次に、図1〜図11を参照して、この発明の実施例1に係るバリアフリー乗下船設備10の使用方法を説明する。
フェリー12の岸壁11への着岸後、岸壁11のタラップ保管場で保管中の乗下船装置14と昇降装置15とを、対応する第1台車18および第2台車35を利用して、作業者がそれぞれ押し曳きしながら、岸壁11のフェリー12付近まで移動させる。その後、スロープ13の先端をフェリー12の乗降甲板に掛止することで、フェリー12と乗下船装置14との間にスロープ13が架け渡される。
次に、位置決め嵌合構造体70を利用して、昇降装置15を乗下船装置14の昇降装置連結領域Aに位置決めし、この位置決めされた昇降装置15を、連結構造体71を介して乗下船装置14に連結する。具体的には、一対の位置決め用外側嵌合部材72と一対の位置決め用内側嵌合部材73とを、位置決め用外側嵌合部材72の、先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる先広がりとなる内傾斜面と、これに対応する位置決め用内側嵌合部材73の、先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなる先細りの外傾斜面とを位置決め用のガイド面として嵌合することにより、昇降装置15と乗下船装置14とが位置決めされる。
位置決め後、連結構造体71の一対の上側エビ金具77と一対の下側エビ金具76とを介して、昇降装置15を乗下船装置14に連結する。具体的には、各エビ金74を対応する受け金75に掛止することにより、乗下船装置14の昇降装置15との連結側が、昇降装置15の乗下船装置14との連結側に固定される。
このとき、X1側の上側エビ金具77のエビ金74は、幅方向を垂直に向けている。そのため、例えば、乗下船装置14の昇降装置15との連結部分に対しての上方からの重量負荷が最大となる昇降ケージ41のプラットホーム到達時、その重量負荷は主に一対の上側エビ金具77が受けるものの、上述したようにX1側の上側エビ金具77が、幅方向を垂直に向けたエビ金74を有した構成とされているため、両方の上側エビ金具77を、そのエビ金74が幅方向を水平に向けているものとした場合に比べて、この重量負荷による上側エビ金具77の変形が小さくなる。
このように、昇降装置15を乗下船装置14に連結後、フェリー12に乗船する者は、階段26を上ってプラットホーム23に昇り、スロープ13を通ってフェリー12の乗降甲板に乗り込む(図1および図2)。一方、車椅子に乗った身体障害者などは、介助人の介助を受けてまたは自力で、昇降装置15の岸壁11に着地した昇降ケージ41に乗り込み、ケージ昇降手段42によりプラットホーム23に上昇し、同様にスロープ13を渡ってフェリー12に乗り込む。これらの乗船手順は、フェリー12から岸壁11に降りようとする乗船者の下船手順では逆となる。このように、車椅子の利用者が昇降装置15を利用して、バリアフリーの乗下船を行うことができる。
また、第2台車35が、平面視して開口側を第2架台34の下降時乗降口側に向けたコの字形状であるため、岸壁11での昇降ケージ41への車椅子乗降時、地面と昇降ケージ41との間に第2台車35の高さ分の段差が発生することなく、昇降ケージ41の底板51を岸壁11に接地し、第2架台34の下降時乗降口を通して、円滑に車椅子を昇降ケージ41に乗降させることができる。
さらに、乗下船装置14と昇降装置15とをそれぞれ別体で移動可能に設け、かつ乗下船時のみ、双方を連結一体化させるように構成したため、乗下船設備10の移動時に作業者が押し曳きする単体物の重量が軽減される。その結果、乗下船設備10の人力による移動が容易となるとともに、仮に昇降装置15を乗下船装置14から分離状態で昇降運転した際に懸念される昇降ケージ41の揺れおよび昇降装置15の転倒などの不測の事態が解消され、車椅子乗下船時の昇降装置15の安定性が図れる。
なお、岸壁11の地面が若干傾いたり、凹凸面であった場合の対策として、昇降装置15に外扉60の開閉制御装置(図示せず)を設け、ケージ着地時の車椅子のケージ乗降の安全性を高めるようにしてもよい(図5)。ここでいう開閉制御装置とは、外扉60の電動ロック手段110を昇降ケージ41に設け、底板51の下降時乗降口側のX1−X2側の両端部に一対の着地センサ111を配設するとともに、昇降モータ47に過負荷センサ112を設け、マイクロコンピュータを内蔵する制御盤101に、外扉開閉制御回路を設けたものである。ケージ着地時、水平昇降する底板51の着地を昇降モータ47の過負荷センサ112が検知し、底板51が停止する。このとき、両着地センサ111から制御盤のCPUに着地信号が送信されれば、CPUは底板51が岸壁の地面に平行に着地したと推定し、CPUは電子ロック手段110に外扉60のロック解除指令を発信する。これにより、車椅子の利用者は、安全に下降時乗降口を通って昇降ケージ41に昇降することができる。
このとき、例えば岸壁11のケージ接地部分に若干の傾斜や凹凸が存在し、底板51のY2側の部分が地面から浮いた状態であっても、上述したように昇降ケージ41にはウォームギヤの自己制動力が作用するため、水平状態を保った底板51の接地時点での高さ位置は維持される。すなわち、底板51は、その下降時乗降口側の辺部(端部)が少なくとも接地していれば、車椅子の昇降ケージ41への乗降を安全に行うことができる。
ところが、一方の接地センサ111または両方の接地センサ111が、底板51の接地状態を検知しなかった場合には、底板51のY1側の端部の一部または全部の領域で、底板51と接地面とのあいだに隙間が存在する。このときには車椅子の底板51への安全な乗降が確保されない。そこで、この開閉制御装置では、制御盤のCPUからの指令に基づき、昇降装置15に設けた警報器から警報を発し、使用者に注意を促すことで、より安全性を高めるように構成している。
この発明は、岸壁でのバリアフリー乗下船設備の手動での移動が容易で、かつ車椅子乗下船に昇降装置の安定昇降が可能な技術として有用である。
10 バリアフリー乗下船設備、
11 岸壁、
12 フェリー(船舶)、
13 スロープ、
14 乗下船装置、
15 昇降装置、
16 位置決め連結手段、
17 第1架台、
18 第1台車、
23 プラットホーム、
26 階段、
34 第2架台、
35 第2台車、
41 昇降ケージ、
42 ケージ昇降手段、
70 位置決め嵌合構造体、
71 連結構造体、
72 位置決め用外側嵌合部材、
73 位置決め用内側嵌合部材、
74 エビ金、
75 受け金、
76 下側エビ金具、
77 上側エビ金具、
A 昇降装置連結領域。

Claims (2)

  1. 岸壁に配置され、かつ一時的に船舶との間にスロープを架け渡す乗下船装置と、該乗下船装置に位置決め連結手段によって着脱自在に連結され、かつ車椅子の利用者を乗下船させる際に利用される昇降装置とを備えたバリアフリー乗下船設備であって、
    前記乗下船装置は、
    前記岸壁に配置され、かつ上部にプラットホームが配設された第1架台と、
    前記プラットホームに上部が連結された階段と、
    前記第1架台の下部に設けられた第1台車と、
    前記プラットホームに片持ち状態で元部が支持され、かつ先部が前記船舶の乗降甲板に掛けられる前記スロープとを有し、
    前記昇降装置は、
    前記岸壁に配置され、かつ一側面に前記車椅子の下降時乗降口が形成されるとともに、開口側を該車椅子の下降時乗降口側に向けた平面視してコの字形の第2架台と、
    該第2架台の下部に設けられ、かつ開口側を前記車椅子の下降時乗降口側に向けた平面視してコの字形の第2台車と、
    前記第2架台の内側空間に昇降可能に配置され、かつ前記車椅子が搭乗する前記昇降ケージと、
    前記第2架台に設けられ、かつ前記第2架台および前記第2台車の各内側空間を通って、前記昇降ケージを前記岸壁の地面と前記プラットホームとの間で昇降させるケージ昇降手段とを有し、
    前記位置決め連結手段は、前記昇降装置を、前記乗下船装置に形成された昇降装置連結領域に位置決めする位置決め嵌合構造体と、位置決めされた前記昇降装置を前記乗下船装置に連結する連結構造体とを有したバリアフリー乗下船設備。
  2. 前記位置決め嵌合構造体は、
    前記乗下船装置の昇降装置との連結側の面に、水平方向に離間して配設され、かつ先端に向かうほど徐々にその離間幅が長くなる形状の一対の位置決め用外側嵌合部材と、
    前記昇降装置の乗下船装置との連結側の面に、水平方向に離間して配設され、かつ先端に向かうほど徐々にその離間幅が短くなり、かつ対応する前記位置決め用外側嵌合部材に着脱自在に嵌合する形状の一対の位置決め用内側嵌合部材とを有し、
    前記連結構造体は、
    前記乗下船装置の昇降装置との連結側の下部と、前記昇降装置の乗下船装置との連結側の下部との間に配設され、かつそれぞれが幅方向を水平に向けたエビ金と該エビ金の受け金とからなる一対の下側エビ金具と、
    前記乗下船装置の昇降装置との連結側のうち、前記一対の下側エビ金具の設置位置より上方の部分と、前記昇降装置の乗下船装置との連結側のうち、前記一対の下側エビ金具の設置位置より上方の部分との間に配置され、かつ少なくとも一方が幅方向を垂直に向けたエビ金と該エビ金の受け金とからなる一対の上側エビ金具とを有した請求項1に記載のバリアフリー乗下船設備。
JP2013036045A 2013-02-26 2013-02-26 バリアフリー乗下船設備 Active JP6095410B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013036045A JP6095410B2 (ja) 2013-02-26 2013-02-26 バリアフリー乗下船設備

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013036045A JP6095410B2 (ja) 2013-02-26 2013-02-26 バリアフリー乗下船設備

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014161555A true JP2014161555A (ja) 2014-09-08
JP6095410B2 JP6095410B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=51612768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013036045A Active JP6095410B2 (ja) 2013-02-26 2013-02-26 バリアフリー乗下船設備

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6095410B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017120013A (ja) * 2016-07-26 2017-07-06 川崎重工業株式会社 船舶旅客搭乗設備
CN112141273A (zh) * 2020-10-09 2020-12-29 上海凌耀船舶工程有限公司 一种可折叠登乘装置以及控制方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6029797U (ja) * 1983-08-05 1985-02-28 三菱重工業株式会社 セミサブマ−ジ型重量物運搬船
JP3092589B2 (ja) * 1998-05-07 2000-09-25 日本電気株式会社 ハンドオフ制御方式
JP3179697B2 (ja) * 1996-02-14 2001-06-25 レーザーテック株式会社 フォトマスクの欠陥検出装置
JP2002167054A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 連絡通路装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6029797U (ja) * 1983-08-05 1985-02-28 三菱重工業株式会社 セミサブマ−ジ型重量物運搬船
JP3179697B2 (ja) * 1996-02-14 2001-06-25 レーザーテック株式会社 フォトマスクの欠陥検出装置
JP3092589B2 (ja) * 1998-05-07 2000-09-25 日本電気株式会社 ハンドオフ制御方式
JP2002167054A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 連絡通路装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017120013A (ja) * 2016-07-26 2017-07-06 川崎重工業株式会社 船舶旅客搭乗設備
CN112141273A (zh) * 2020-10-09 2020-12-29 上海凌耀船舶工程有限公司 一种可折叠登乘装置以及控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6095410B2 (ja) 2017-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9382099B2 (en) Motorized height access device for tower cranes
US10399822B2 (en) Hydraulic elevating platform having no guide rails and elevating method
KR101632385B1 (ko) 케이블 방풍부재를 구비한 대형 선박 및 해양 플랜트 건조용 초대형 엘리베이터
US11548762B2 (en) Elevator car, elevator and method
EP3587332B1 (en) A lift for telescopic passenger stairs for boarding passengers in wheelchairs on a plane
JP2014088678A (ja) 乗下船用タラップ装置
JP5268480B2 (ja) エレベータ式駐車装置
KR100936020B1 (ko) 저상식 휠체어 리프트
US7128186B2 (en) Airport bridge people lift
JP6095410B2 (ja) バリアフリー乗下船設備
JP3196311U (ja) 階段昇降機
JP2005349993A (ja) タラップ車
JP2014136469A (ja) 乗下船兼用船内エレベータ装置
JP4742363B2 (ja) バス昇降床装置
KR101556911B1 (ko) 대형 선박 및 해양 플랜트 건조용 초대형 엘리베이터
JP6916825B2 (ja) 乗下船装置
JP2723444B2 (ja) 車椅子用乗船装置
KR20220061325A (ko) 계단 겸용 휠체어리프트의 편하중에 의한 과부하 감지시스템 및 그 작동방법
CN205525032U (zh) 一种角度自调型电动扶梯
JP2007030677A (ja) 乗降用車両
CN109678027A (zh) 一种防坠落安全电梯
RU122083U1 (ru) Мобильный подъемник инвалида, находящегося в ручной коляске, для посадки (высадки) в вагон пассажирского или пригородного поезда
JP2001031347A (ja) 階段昇降装置
JP3740140B2 (ja) 船舶のバリアフリー昇降装置
CN117822535A (zh) 一种船舶通过高水头船闸的应急安全疏散装置及方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6095410

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250