JP2014136469A - 乗下船兼用船内エレベータ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乾舷の高さが高い船舶であっても、岸壁の高さや潮の干満に関係なく、車椅子使用者などが円滑に乗下船可能で、かつ乗船者を船内の所定階に安全に移送可能な乗下船兼用船内エレベータ装置を提供する。
【解決手段】乗下船時には、舷側扉30を開いて船体12の外板13の舷側出入口18を開口し、その後、ケージ昇降手段によりケージ15を所定高さに昇降させ、ケージ用船外タラップ17を移動し、ケージ用船外タラップを岸壁19に掛け渡す際、舷側出入口の高さが船体内の隣接階に連続する高さであるため、仮に乾舷の高さが高い船舶でも、岸壁の高さや潮の干満に関係なく、ケージ用船外タラップを水平または緩やかな傾斜状態となる。その結果、車椅子使用者などを円滑に乗下船可能で、かつ船内昇降時、ケージ昇降手段によりケージを昇降することで、乗船者を船内の所定階まで安全に移送できる。
【選択図】図1
【解決手段】乗下船時には、舷側扉30を開いて船体12の外板13の舷側出入口18を開口し、その後、ケージ昇降手段によりケージ15を所定高さに昇降させ、ケージ用船外タラップ17を移動し、ケージ用船外タラップを岸壁19に掛け渡す際、舷側出入口の高さが船体内の隣接階に連続する高さであるため、仮に乾舷の高さが高い船舶でも、岸壁の高さや潮の干満に関係なく、ケージ用船外タラップを水平または緩やかな傾斜状態となる。その結果、車椅子使用者などを円滑に乗下船可能で、かつ船内昇降時、ケージ昇降手段によりケージを昇降することで、乗船者を船内の所定階まで安全に移送できる。
【選択図】図1
Description
この発明は乗下船兼用船内エレベータ装置、詳しくは車椅子使用者、高齢者および障害者などが、円滑に乗船または下船可能で、かつ乗船者を船内の所定階に安全に移送可能な乗下船兼用船内エレベータ装置に関する。
岸壁から船内に乗降する場合、岸壁から船体に架け渡されたタラップ(スロープ)を有する岸壁設置用の乗下船装置を使用することが一般的である。しかしながら、このような岸壁設置用の乗下船装置では、潮の干満とともにタラップの傾斜が大きくなり、健常者であれば多少の傾斜は問題にはならないが、車椅子使用者や高齢者、障害者等が円滑に乗降することは困難であった。近年、車椅子使用者、高齢者および障害者などが船舶を利用し易いように、船舶のバリアフリー化が社会的に要望されている。
また、干潮時などで水位が低下し、客船の甲板が岸壁より低くなった場合には、岸壁側に設けられた乗船装置を客船の甲板の高さに合わせることができなかった。
また、干潮時などで水位が低下し、客船の甲板が岸壁より低くなった場合には、岸壁側に設けられた乗船装置を客船の甲板の高さに合わせることができなかった。
そこで、これらの問題を解消するため、近年、車椅子でも客船に円滑に乗下船できる、例えば特許文献1の「船舶のバリアフリー昇降装置」が開発されている。
特許文献1の「船舶のバリアフリー昇降装置」は、小型客船の船体の舷側に露出する上部甲板通路と下部甲板通路とに連通して開口部を設け、開口部に離間して平行に立設された2本の支持柱部に片持ち支持された昇降床部を、昇降駆動部により2本の支持柱部に沿って昇降させ、かつこれを任意の位置で停止させる構造を有している。これにより、潮の干満による船体と岸壁との高低差の変化に容易に対応することができ、昇降床部に設けられた船外側スロープ部を船体と岸壁との間に架け渡した際に、船外側スロープ部を水平にまたは傾斜を緩やかにすることができ、車椅子使用者や高齢者、障害者などが円滑に乗下船することができる。
昇降装置を船体側に設けたため、停泊する岸壁にそれぞれ昇降装置を設置する必要がなく、設備コストを安価にすることができる。
特許文献1の「船舶のバリアフリー昇降装置」は、小型客船の船体の舷側に露出する上部甲板通路と下部甲板通路とに連通して開口部を設け、開口部に離間して平行に立設された2本の支持柱部に片持ち支持された昇降床部を、昇降駆動部により2本の支持柱部に沿って昇降させ、かつこれを任意の位置で停止させる構造を有している。これにより、潮の干満による船体と岸壁との高低差の変化に容易に対応することができ、昇降床部に設けられた船外側スロープ部を船体と岸壁との間に架け渡した際に、船外側スロープ部を水平にまたは傾斜を緩やかにすることができ、車椅子使用者や高齢者、障害者などが円滑に乗下船することができる。
昇降装置を船体側に設けたため、停泊する岸壁にそれぞれ昇降装置を設置する必要がなく、設備コストを安価にすることができる。
しかしながら、特許文献1の「船舶のバリアフリー昇降装置」にあっては、船体の舷側に露出する上部甲板通路と下部甲板通路とに連通した開口部に、直接、昇降装置が配備されていた。このようなエレベータ構造は、船体の乾舷の高さが低い小型客船用に限定される。すなわち、船体の乾舷が高い大型客船に配備した場合には、昇降床部の船外側スロープ部を、船体と岸壁との間に水平または緩やかな傾斜状態で架け渡すことができず、車椅子使用者や高齢者、障害者などが円滑に乗下船することができなかった。
そこで、この発明は、各港にバリアフリー乗下船タラップの設置が不要で、かつ1台の昇降装置に、バリアフリー乗下船タラップの機能と船内移動用のバリアフリーエレベータの機能とを併せ持たせることで、バリアフリー方式の船舶用昇降装置全体のコスト低減が図れ、また乾舷の高さが高い船舶であっても、着岸する岸壁の高さや潮の干満に関係なく、車椅子使用者や高齢者、障害者などが円滑に乗下船可能で、かつ乗船者を船内の所定階に安全に移送することができる乗下船兼用船内エレベータ装置を提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、船体の外板の近くに配置されて該船体内の複数階を連通する昇降路で、乗船者が乗降するケージを、ケージ昇降手段によって昇降させることで、乗船者を所定の階まで移送するとともに、前記昇降路に配置された移動式のケージ用船外タラップを、前記船体の外板のうち、前記昇降路と対向する部分に形成された舷側出入口を通して船外に突出させることにより、一時的に前記ケージ用船外タラップを岸壁に掛け渡す乗下船兼用船内エレベータ装置であって、前記舷側出入口は、前記船体の隣接した階に連続する高さを有し、前記船体の外板には、前記舷側出入口を開閉する舷側扉が設けられ、前記ケージには、該ケージの船内側の壁板に形成されて、乗船者が船内に出入りする船内側出入口と、前記ケージの舷側出入口側の壁板に形成されて、乗船者が前記ケージ用船外タラップを渡って乗下船する船外側出入口とが配設され、前記ケージ用船外タラップは、前記昇降路に前記ケージとは別体で配置されるとともに、前記ケージ用船外タラップは、前記昇降路の中でタラップ昇降手段により昇降可能に設けられた乗下船兼用船内エレベータ装置である。
請求項1に記載の発明によれば、乗下船時には、舷側扉を開いて船体の外板の舷側出入口を開口し、その後、ケージ昇降手段によってケージを所定高さに上昇または下降(以下、昇降という場合がある)させるとともに、ケージ用船外タラップを移動し、このケージ用船外タラップを岸壁に一時的に掛け渡す。このとき、舷側出入口の高さが、船体の隣接した階に連続する高さであるため、仮に大型フェリーのように乾舷の高さが高い船舶であっても、架け渡されたケージ用船外タラップの姿勢を、着岸した岸壁の高さや潮の干満に関係なく、水平状態または緩やかな傾斜状態とすることができる。
その結果、各港にバリアフリー乗下船タラップの設置が不要で、かつ1台の昇降装置に、バリアフリー乗下船タラップの機能と船内移動用のバリアフリーエレベータの機能とを併せ持たせることにより、バリアフリー方式の船舶用昇降装置全体のコスト低減が図れ、また車椅子使用者や高齢者、障害者などを、ケージ用船外タラップを介して円滑に乗下船させることができる。すなわち、一般的に干満差が大きい港には、旅客フェリーおよび大型の旅客船の乗客が岸壁から船内に乗下船するバリアフリー乗下船設備として、リフト付バリアフリー乗下船タラップなどの大がかりな乗下船設備が配備されていた。また、一般的な旅客フェリーおよび大型の旅客船には、船内に階間の移動用としてバリアフリーエレベータなどの昇降装置が設置されていた。これらの複数種類のバリフリー設備を設置すれば、コストがかかる。そこで、これらの問題を解消するため、本発明の乗下船兼用船内エレベータ装置を開発するに至った。これにより、各港には、バリアフリー乗下船タラップの設置が不要となり、コスト低減が可能となる。
その結果、各港にバリアフリー乗下船タラップの設置が不要で、かつ1台の昇降装置に、バリアフリー乗下船タラップの機能と船内移動用のバリアフリーエレベータの機能とを併せ持たせることにより、バリアフリー方式の船舶用昇降装置全体のコスト低減が図れ、また車椅子使用者や高齢者、障害者などを、ケージ用船外タラップを介して円滑に乗下船させることができる。すなわち、一般的に干満差が大きい港には、旅客フェリーおよび大型の旅客船の乗客が岸壁から船内に乗下船するバリアフリー乗下船設備として、リフト付バリアフリー乗下船タラップなどの大がかりな乗下船設備が配備されていた。また、一般的な旅客フェリーおよび大型の旅客船には、船内に階間の移動用としてバリアフリーエレベータなどの昇降装置が設置されていた。これらの複数種類のバリフリー設備を設置すれば、コストがかかる。そこで、これらの問題を解消するため、本発明の乗下船兼用船内エレベータ装置を開発するに至った。これにより、各港には、バリアフリー乗下船タラップの設置が不要となり、コスト低減が可能となる。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、ケージ用船外タラップを岸壁に架け渡したまま、ケージ昇降手段によりケージを、ケージ用船外タラップと船内の所定階との間で昇降させる。このように、ケージとケージ用船外タラップとを別々に昇降可能な構造を採用したため、これらを一体に設けた場合の問題点である、乗下船時、ケージを乗下船可能な高さ位置(乗下船の高さ位置)から昇降するたびに、ケージ用船外タラップを船体側に移動させる必要がない。
さらに、乗船者の船内での各階への移動時には、ケージ昇降手段によってケージを所定階まで昇降させることで、乗船者をケージの船内側出入口を通して、船内の所定階に安全に移送することができる。
さらに、乗船者の船内での各階への移動時には、ケージ昇降手段によってケージを所定階まで昇降させることで、乗船者をケージの船内側出入口を通して、船内の所定階に安全に移送することができる。
乗下船兼用船内エレベータ装置が利用される船舶としては、例えばフェリーの他、各種の大型客船、各種の大型貨物船などを採用することができる。対象となる船舶の乾舷の高さは、例えば2m以上である。
昇降路は、周側壁によって船体内の各階の内部空間と区画されたケージの昇降空間である。
昇降路が配置される「船体の外板の近く」とは、平面視した状態で外板から昇降路までの最短距離が1m以内、好ましくは数cm程度の接近した状態である。
ここでいう「船体内の複数階を連通する昇降路」とは、船体の内部空間を上下方向に複数に区画した各階の一部を連通して(連続して、繋ぎ合わせて)形成され、かつケージの昇降用の通路となるものである。
ここでいう乗船者とは、例えば船舶の乗組員、乗客などをいう。
ケージの形状、大きさなどは任意である。また、ケージとしては、例えばケージへの乗り降りの方向が異なる貫通2方向型のものである。すなわち、ケージには、ケージの船内側の壁板に形成されて、乗船者が船内に出入りする船内側出入口と、ケージの舷側出入口側の壁板に形成されて、乗船者がケージ用船外タラップを渡って乗下船する船外側出入口とが、ケージの異なる側壁に別々に設けられている。
昇降路は、周側壁によって船体内の各階の内部空間と区画されたケージの昇降空間である。
昇降路が配置される「船体の外板の近く」とは、平面視した状態で外板から昇降路までの最短距離が1m以内、好ましくは数cm程度の接近した状態である。
ここでいう「船体内の複数階を連通する昇降路」とは、船体の内部空間を上下方向に複数に区画した各階の一部を連通して(連続して、繋ぎ合わせて)形成され、かつケージの昇降用の通路となるものである。
ここでいう乗船者とは、例えば船舶の乗組員、乗客などをいう。
ケージの形状、大きさなどは任意である。また、ケージとしては、例えばケージへの乗り降りの方向が異なる貫通2方向型のものである。すなわち、ケージには、ケージの船内側の壁板に形成されて、乗船者が船内に出入りする船内側出入口と、ケージの舷側出入口側の壁板に形成されて、乗船者がケージ用船外タラップを渡って乗下船する船外側出入口とが、ケージの異なる側壁に別々に設けられている。
ケージ昇降手段としては、例えば、チェーン(ロープ)昇降式エレベータに搭載されるウインチ、油圧式エレベータに搭載される油圧シリンダの他、電動ラックピニオン方式の昇降装置などを採用することができる。バリアフリーエレベータでもよい。
「移動式のケージ用船外タラップ」とは、所定方向へ直線移動(スライド)、回転移動(回動)をするなどして、使用姿勢(ケージ用船外タラップが船体と岸壁とに架け渡された状態)と、収納姿勢(ケージ用船外タラップが船体に納められた状態)をとるケージ用船外タラップをいう。
「ケージとは別体」とは、移動式のケージ用船外タラップがケージとは分離して昇降路に配置されているものの、使用時(乗下船時)にはケージと岸壁との間に架け渡され、かつ収納時にはケージとは別体として船体(昇降路)に納められるように構成されていることをいう。
「移動式のケージ用船外タラップ」とは、所定方向へ直線移動(スライド)、回転移動(回動)をするなどして、使用姿勢(ケージ用船外タラップが船体と岸壁とに架け渡された状態)と、収納姿勢(ケージ用船外タラップが船体に納められた状態)をとるケージ用船外タラップをいう。
「ケージとは別体」とは、移動式のケージ用船外タラップがケージとは分離して昇降路に配置されているものの、使用時(乗下船時)にはケージと岸壁との間に架け渡され、かつ収納時にはケージとは別体として船体(昇降路)に納められるように構成されていることをいう。
舷側出入口の船体の外板における形成位置は、外板の昇降路と対向する部分であれば任意である。
ここでいう「船体の隣接した階に連続する高さ」とは、例えば、隣接する船体内の2つの階(例えば客室階)にわたる高さをいう。その他、隣接する船体内の3つ以上の階にわたる高さでもよい。外板に舷側出入口を形成することで、昇降路と船外とは連通状態となる。そのため、舷側出入口から昇降路に侵入した海水を排水するため、昇降路の底部に排水ポンプを配備してもよい。
舷側扉としては、例えば、ヒンジを有する開き戸式の扉、溝やレールに案内されて直線的に移動する引き戸式の扉、開き戸と引き戸との長所を組み合わせたグライドスライドドア、折り畳み式の折り戸式の扉、引き戸の操作性を有する開き戸である引き込み戸式の扉などを採用することができる。また、舷側扉は、高さ方向のみ、幅方向のみ、高さ方向および幅方向に複数に分割されたものでもよい。
ここでいう「船体の隣接した階に連続する高さ」とは、例えば、隣接する船体内の2つの階(例えば客室階)にわたる高さをいう。その他、隣接する船体内の3つ以上の階にわたる高さでもよい。外板に舷側出入口を形成することで、昇降路と船外とは連通状態となる。そのため、舷側出入口から昇降路に侵入した海水を排水するため、昇降路の底部に排水ポンプを配備してもよい。
舷側扉としては、例えば、ヒンジを有する開き戸式の扉、溝やレールに案内されて直線的に移動する引き戸式の扉、開き戸と引き戸との長所を組み合わせたグライドスライドドア、折り畳み式の折り戸式の扉、引き戸の操作性を有する開き戸である引き込み戸式の扉などを採用することができる。また、舷側扉は、高さ方向のみ、幅方向のみ、高さ方向および幅方向に複数に分割されたものでもよい。
タラップ台昇降手段は、着岸する岸壁の高さや潮の干満に応じてケージ用船外タラップの高さ位置を変更できるように、手動または自動で、ケージ用船外タラップを上下移動(昇降)可能なものである。
自動式のタラップ台昇降手段としては、例えば、回転モータによりピニオンを回転させるラックピニオン構造の昇降装置を採用することができる。その他、ボールねじをモータ回転させ、このボールねじ上で、ケージ用船外タラップが固定されたナットを直線的に移動させるねじ送り式の昇降装置、油圧シリンダ式の昇降装置、電動ウインチ式の昇降装置などを採用することができる。
自動式のタラップ台昇降手段としては、例えば、回転モータによりピニオンを回転させるラックピニオン構造の昇降装置を採用することができる。その他、ボールねじをモータ回転させ、このボールねじ上で、ケージ用船外タラップが固定されたナットを直線的に移動させるねじ送り式の昇降装置、油圧シリンダ式の昇降装置、電動ウインチ式の昇降装置などを採用することができる。
なお、ケージの直下に予備用のケージ用船外タラップの収納空間を配置し、かつケージにタラップ出し入れ手段を設け、このタラップ出し入れ手段を作動して、収納空間からケージ用船外タラップを引き出して岸壁に掛け渡すように構成してもよい。その場合、ケージ用船外タラップの手摺は、折り畳み自在とした方が好ましい。
ケージの直下のタラップ収納位置とは、ケージの底板の裏面近くの空間部分をいう。
ここでいうケージ用船外タラップの出し入れ方向とは、例えば略水平方向である。
タラップ出し入れ手段としては、例えば、油圧シリンダ、電動シリンダなどの各種アクチュエータを採用することができる。
ケージの直下のタラップ収納位置とは、ケージの底板の裏面近くの空間部分をいう。
ここでいうケージ用船外タラップの出し入れ方向とは、例えば略水平方向である。
タラップ出し入れ手段としては、例えば、油圧シリンダ、電動シリンダなどの各種アクチュエータを採用することができる。
請求項2に記載の発明は、前記タラップ昇降手段は、前記昇降路のうち、前記ケージと前記外板との間のタラップ昇降空間を昇降するタラップ昇降台と、該タラップ昇降台の昇降駆動部とを有し、前記ケージ用船外タラップは、前記タラップ昇降台に、水平軸を中心にして起伏自在に設けられた請求項1に記載の乗下船兼用船内エレベータ装置である。
請求項2に記載の発明によれば、乗下船時、タラップ昇降台をタラップ昇降空間でタラップ台昇降手段により所定高さまで昇降後、ケージ昇降手段によってケージをタラップ昇降台の高さと同一の高さとなる位置まで昇降させる。次に、タラップ昇降台からケージ用船外タラップを移動し、ケージ用船外タラップを岸壁に一時的に掛け渡す。これにより、タラップ昇降台と岸壁との間に架け渡されたケージ用船外タラップを介して、車椅子使用者や高齢者、障害者などを円滑に乗下船させることができる。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、タラップ昇降台と岸壁との間におけるケージ用船外タラップの架け渡し状態を維持したまま、ケージ昇降手段によりケージを船内の所定階まで昇降させる。このように、ケージとケージ用船外タラップとを別々に昇降可能な構造を採用したため、乗下船時、ケージを乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップを船体側に移動させる必要がない。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、タラップ昇降台と岸壁との間におけるケージ用船外タラップの架け渡し状態を維持したまま、ケージ昇降手段によりケージを船内の所定階まで昇降させる。このように、ケージとケージ用船外タラップとを別々に昇降可能な構造を採用したため、乗下船時、ケージを乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップを船体側に移動させる必要がない。
タラップ昇降台とは、ケージとは別体で昇降路に昇降可能に配置され、かつケージ用船外タラップの設置専用の昇降体である。ケージ用船外タラップは、タラップ昇降台に起伏自在に設けてもよい。その場合、タラップ昇降台には、起立状態で納められた(折り畳まれた)ケージ用船外タラップをタラップ昇降台に掛止する各種の掛止部材(例えば、掛止ロープ、掛止フックなど)を設けた方が、ケージ用船外タラップの安全性が高まる。
請求項1に記載の発明によれば、乗下船時には、舷側扉を開いて船体の外板の舷側出入口を開口し、その後、岸壁の高さに応じて、ケージ用船外タラップを上下方向に移動してこれを岸壁に一時的に掛け渡すとともに、ケージ昇降手段によりケージをケージ用船外タラップの高さまで上昇または下降させる。このとき、船体の外板の舷側出入口が、船体の隣接した階に連続する高さを有しているため、仮に大型フェリーのように乾舷の高さが高い船舶であっても、着岸した岸壁の高さや潮の干満に関係なく、常時、ケージ用船外タラップの姿勢を水平状態または緩やかな傾斜状態とすることができる。その結果、各港にバリアフリー乗下船タラップの設置が不要で、かつ1台の昇降装置に、バリアフリー乗下船タラップの機能と船内移動用のバリアフリーエレベータの機能とを併せ持たせることにより、バリアフリー方式の船舶用昇降装置全体のコスト低減が図れ、また車椅子使用者や高齢者、障害者などを、ケージ用船外タラップを介して円滑に乗下船させることができる。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、ケージ用船外タラップを岸壁に架け渡したまま、ケージ昇降手段によりケージを、ケージ用船外タラップと船内の所定階との間で昇降させる。このように、ケージとケージ用船外タラップとを別々に昇降可能な構造を採用したため、これらを一体に設けた場合の問題点である、乗下船時、ケージを乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップを船体側に移動させる必要がない。
さらに、乗船者の船内での各階への移動時には、ケージ昇降手段によってケージを昇降させることで、乗船者をケージの船内側出入口を通して、船内の所定階まで安全に移送することができる。
さらに、乗船者の船内での各階への移動時には、ケージ昇降手段によってケージを昇降させることで、乗船者をケージの船内側出入口を通して、船内の所定階まで安全に移送することができる。
特に、請求項2に記載の発明によれば、乗下船時、タラップ昇降台をタラップ昇降空間でタラップ台昇降手段により所定高さまで昇降後、ケージ昇降手段によりケージをタラップ昇降台の高さと同一高さまで昇降させる。次に、タラップ昇降台からケージ用船外タラップを移動し、ケージ用船外タラップを岸壁に一時的に掛け渡す。これにより、タラップ昇降台と岸壁との間に架け渡されたケージ用船外タラップを介して、車椅子使用者や高齢者、障害者などを円滑に乗下船することができる。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、タラップ昇降台と岸壁との間におけるケージ用船外タラップの架け渡し状態を維持したまま、ケージ昇降手段によりケージを船内の所定階まで昇降させる。このように、ケージとケージ用船外タラップとを別々に昇降可能な構造を採用したため、乗下船時、ケージを乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップを船体側に移動させる必要がない。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、タラップ昇降台と岸壁との間におけるケージ用船外タラップの架け渡し状態を維持したまま、ケージ昇降手段によりケージを船内の所定階まで昇降させる。このように、ケージとケージ用船外タラップとを別々に昇降可能な構造を採用したため、乗下船時、ケージを乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップを船体側に移動させる必要がない。
以下、この発明の実施例を具体的に説明する。ここでは、フェリーに配備された乗下船兼用船内エレベータ装置を例にとる。ただし、これには限定されない。また、ここでは、説明の都合上、X1方向を船首方向、X2方向を船尾方向、Y1方向を左舷方向、Y2方向を右舷方向、Z1方向を下方向、Z方向を上方向とする。
図1および図2において、10はこの発明の実施例1に係る乗下船兼用船内エレベータ装置(以下、エレベータ装置)で、このエレベータ装置10は、フェリー(船舶)11の船体12内の複数階を連通する昇降路14において、乗船者が乗降するケージ15をケージ昇降装置(ケージ昇降手段)16によって昇降させることで乗船者を所定の階まで移送するとともに、昇降路14に配置された移動式のケージ用船外タラップ17を、船体12の外板13のうち、昇降路14と対向する部分に形成された舷側出入口18を通して船外に突出させることで、ケージ用船外タラップ17を岸壁19に一時的に掛け渡すものである。
以下、これらの構成体を具体的に説明する。
図1〜図6に示すように、エレベータ装置10は、カウンターウエイト39を有するチェーン昇降方式のもので、ケージ昇降装置16の一部を構成するスプロケット70をケージ用モータ71により回転して左右2対のチェーンCを上下方向に移動させることで、ケージ15を、船体12のY2側(右舷側)の外板13の近くに配置された昇降路14の中で昇降させる。
昇降路14は、フェリー11の船体12のY2側の内部空間に配置され、かつ車両格納階21から客室のA階(A甲板)22およびB階(B甲板)23を連通した角筒形状の囲壁24により区画されている。囲壁24は、4枚の壁板(X1側の壁板25、X2側の壁板26、Y1側の壁板27およびY2側の壁板28)によって、各階のフロア空間から分離されている。X2側の壁板26の各階部分には、船内用自動ドア29が配設されている。
図1〜図6に示すように、エレベータ装置10は、カウンターウエイト39を有するチェーン昇降方式のもので、ケージ昇降装置16の一部を構成するスプロケット70をケージ用モータ71により回転して左右2対のチェーンCを上下方向に移動させることで、ケージ15を、船体12のY2側(右舷側)の外板13の近くに配置された昇降路14の中で昇降させる。
昇降路14は、フェリー11の船体12のY2側の内部空間に配置され、かつ車両格納階21から客室のA階(A甲板)22およびB階(B甲板)23を連通した角筒形状の囲壁24により区画されている。囲壁24は、4枚の壁板(X1側の壁板25、X2側の壁板26、Y1側の壁板27およびY2側の壁板28)によって、各階のフロア空間から分離されている。X2側の壁板26の各階部分には、船内用自動ドア29が配設されている。
カウンターウエイト39は、昇降路14のX1側で、Y1−Y2方向に離間して配置された2本の平行なガイドレール38に沿って昇降することで、ケージ15の昇降を円滑にする。2本のガイドレール38は、1枚のウェブ38aと2枚のフランジ38bとをH型に接合したH型鋼からなり、昇降路14の底側の壁板14aから垂直に立設されている。カウンターウエイト39のY1側およびY2側の各端面の上下部から突出する2対のブラケット40には、両ガイドレール38の一部を構成するX1側およびX2側の各フランジ38bのレール内側部分の内面に沿って転動する一対のガイドローラ41と、両ガイドレール38の一部を構成するウェブ38aのレール内側面に押し当てられる1個の別のガイドローラ41Aとがそれぞれ軸支されている。
図1および図3に示すように、舷側出入口18は、Y2側の壁板(外板13)28の車両格納階21から客室のB階23の一部を連通して形成されている。船体12の外板13には、舷側出入口18を開閉する舷側扉30が設けられている。舷側扉30は、外板13の舷側出入口18の形成部分の上下端部に配設されたX1−X2方向に長いスライドレール31に沿ってスライド自在に設けられている。また、舷側扉30の開閉駆動部として、ロッドの先端がX2方向に向いた2本の油圧シリンダ32が、外板13の舷側出入口18の形成部分よりX1側に、Z1−Z2方向に離間して配設されている。各油圧シリンダ32のロッドを突出させることで、上下のスライドレール31に沿って舷側扉30がX2方向へスライドし、舷側出入口18を閉じる。また、各油圧シリンダ32のロッドを引き込ませることで、各スライドレール31に沿って舷側扉30がX1方向へスライドして舷側出入口18を開く。
図1および図4に示すように、ケージ15は縦長な矩形ボックスである。ケージ15には、そのX2側の壁板(船内側の壁板)33に形成されて、各階の船内用自動ドア29を通って乗船者が船内に出入りする船内側出入口34と、ケージ15のY2側の壁板(舷側出入口18側の壁板)35に形成されて、乗船者がケージ用船外タラップ17を渡って乗下船する船外側出入口36とが配設されている。船内側出入口34および船外側出入口36には、それぞれケージ用自動ドア34A,36Aが配設されている。
図5および図6に示すように、ケージ15のX1方向の側板20には、そのX1側の面のY1−Y2側の端部に、Z1−Z2方向に延びるI型鋼からなる一対の補強用縦枠72がそれぞれ固定されている。両補強用縦枠72の長さ方向の中間部間には、鋼材からなる補強用横枠73が横架されている。補強用横枠73のY1−Y2側の両端部には、左右2対のチェーンCの端部を左右で一対ずつ固定するための2個の固定ブラケット74が配設されている。
また、両補強用縦枠72の上下端部には、I型鋼からなる平面視してL字形の一対の支持鋼材75のうち、Y1−Y2方向に延びる元枠部の端面がそれぞれ固定されている。両支持鋼材75のX1―X2方向に延びる先枠部の先端部分には、Z1−Z2方向に長い矩形状の支持ブラケット76がそれぞれ固定されている。2対の支持ブラケット76には、両ガイドレール38の一部を構成するX1側およびX2側の各フランジ38bのレール外側部分の内面に沿って転動する一対のガイドローラ77と、両ガイドレール38の一部を構成するウェブ38aのレール外側面に押し当てられる1個の別のガイドローラ77Aとがそれぞれ軸支されている。
また、両補強用縦枠72の上下端部には、I型鋼からなる平面視してL字形の一対の支持鋼材75のうち、Y1−Y2方向に延びる元枠部の端面がそれぞれ固定されている。両支持鋼材75のX1―X2方向に延びる先枠部の先端部分には、Z1−Z2方向に長い矩形状の支持ブラケット76がそれぞれ固定されている。2対の支持ブラケット76には、両ガイドレール38の一部を構成するX1側およびX2側の各フランジ38bのレール外側部分の内面に沿って転動する一対のガイドローラ77と、両ガイドレール38の一部を構成するウェブ38aのレール外側面に押し当てられる1個の別のガイドローラ77Aとがそれぞれ軸支されている。
次に、図1、図5および図7を参照して、ケージ用船外タラップ17を具体的に説明する。
ケージ用船外タラップ17は、ケージ15とは別体で、タラップ昇降手段43により昇降可能に昇降路14に設けられている。
タラップ昇降手段43は、昇降路14のうち、ケージ15と外板13との間のタラップ昇降空間(昇降路14のY2側の端部)14Aを昇降するタラップ昇降台44と、タラップ昇降台44の昇降用のガイドレールとなり、かつタラップ昇降空間14AのX1−X2方向の端部に離間配置された一対の角柱型のラック支柱45と、タラップ昇降台44の昇降モータ(昇降駆動部)46とを有している。
ケージ用船外タラップ17は、ケージ15とは別体で、タラップ昇降手段43により昇降可能に昇降路14に設けられている。
タラップ昇降手段43は、昇降路14のうち、ケージ15と外板13との間のタラップ昇降空間(昇降路14のY2側の端部)14Aを昇降するタラップ昇降台44と、タラップ昇降台44の昇降用のガイドレールとなり、かつタラップ昇降空間14AのX1−X2方向の端部に離間配置された一対の角柱型のラック支柱45と、タラップ昇降台44の昇降モータ(昇降駆動部)46とを有している。
タラップ昇降台44は、Y2方向から視て4本の枠体からなる矩形状の枠台で、かつそのX1側の枠体47の下部とX2側の枠体48の下部との間には、一対の軸受49を介して、X1−X2方向に延び、かつ両端部がタラップ昇降台44から外方に突出した駆動シャフト50が横架されている。駆動シャフト50の両端部には、一対の昇降ピニオン51がそれぞれ固定されている。各昇降ピニオン51は、対応するラック支柱45のY1側の面に、その長さ方向のほぼ全長にわたって配設されたラック52に噛合する。タラップ昇降台44のZ1側の枠体53のX2側の端部には、減速用のギヤボックス45Aを介して、駆動シャフト50を所定方向に回転させる前記昇降モータ46が取り付けられている。昇降モータ46の出力軸を回転させることで、駆動シャフト50を介して一対の昇降ピニオン51が同一方向に回転する。これにより、ケージ用船外タラップ17付きのタラップ昇降台44が上昇または下降する。
また、タラップ昇降台44のX1側の枠体47およびX2側の枠体48には、それぞれの駆動シャフト50の軸支部分より高い位置に、X1−X2方向に延びる1本の細長い回動軸(水平軸)56が、一対の軸受を介して横架されている。回動軸56には、平面視して矩形状の鉄板からなるケージ用船外タラップ17の元部が固定されている。また、回動軸56のX2側の端部には、回動軸56を回動させることで、ケージ用船外タラップ17を起伏操作する短尺な操作リンク57の元部が固定されている。ケージ用船外タラップ17の下面を基準とした操作リンク57の傾斜角度は45°である。また、操作リンク57の先端部には、ケージ用船外タラップ17を起伏操作する電動シリンダ58の下向きのロッド58aの先端部が軸支されている。電動シリンダ58のロッド58aを突出させることで、図7中の実線に示すように操作リンク57およびケージ用船外タラップ17が伏せ姿勢となり、電動シリンダ58のロッド58aを引きこませることで、操作リンク57およびケージ用船外タラップ17が起立姿勢となる(図示せず)。
ケージ用船外タラップ17の先端には、一対のヒンジ59を介して、Y1−Y2方向の長さが短いスロープ60が、垂直面内で回動自在に支持されている。また、ケージ用船外タラップ17のX1−X2側の両端部には、折り畳み自在な一対の門型の手摺61が配設されている。両手摺61は、平行に離間した一対の支柱リンク62と、連結ピンを介して各支柱リンク62の先端間に横架された手摺リンク63とからそれぞれ構成されている。また、各手摺61のY1側の支柱リンク62と、タラップ昇降台44とは、2本のリンクが連結ピンを介して回動自在に連結された図示しない屈曲リンク構造体により連結されている。これにより、ケージ用船外タラップ17が伏せ姿勢の際に屈曲リンク機構体が延びて、各手摺61のY1側の支柱リンク62の回動を所定角度で規制することで各手摺61を立ち上げる。また、ケージ用船外タラップ17が立ち上げ姿勢の際には、屈曲リンク機構体が連結ピンを中心にして折り畳まれ、各手摺61も折り畳まれる。
図6において、符号80は、両ガイドレール38の上端部間に横架され、かつケージ昇降装置16が設置される取り付け板である。このように、ケージ昇降装置16を昇降路14に収納したことで、従来のように昇降路より上方の船内空間にケージ昇降装置を設置する必要がなく、エレベータ装置のコンパクト化が図れる。図5および図7において、符号64は、タラップ昇降台44のZ1−Z2方向の両端部にそれぞれ配置され、タラップ昇降台44が一対のラック支柱45に沿って昇降する際の複数のガイドローラである。符号65は、ケージ用船外タラップ17の先端部に配設された一対のキャスタである。
図6において、符号80は、両ガイドレール38の上端部間に横架され、かつケージ昇降装置16が設置される取り付け板である。このように、ケージ昇降装置16を昇降路14に収納したことで、従来のように昇降路より上方の船内空間にケージ昇降装置を設置する必要がなく、エレベータ装置のコンパクト化が図れる。図5および図7において、符号64は、タラップ昇降台44のZ1−Z2方向の両端部にそれぞれ配置され、タラップ昇降台44が一対のラック支柱45に沿って昇降する際の複数のガイドローラである。符号65は、ケージ用船外タラップ17の先端部に配設された一対のキャスタである。
次に、図1〜図7を参照して、この発明の実施例1に係るエレベータ装置10の作用を説明する。
図1に示すように、フェリー11が岸壁着岸した後の乗船者の乗下船時には、上下一対の油圧シリンダ32のロッドを引き込ませる。これにより、各スライドレール31に沿って舷側扉30をX1方向へスライドさせ、舷側出入口18が開く。このとき、舷側出入口18の所定高さ位置と岸壁19の上縁とが対峙する。その後、昇降モータ46により駆動シャフト50を回転させて一対の昇降ピニオン51を同一方向に回転させ、ケージ用船外タラップ17付きのタラップ昇降台44を、タラップ昇降台44の下端部が、岸壁19の上縁と同一高さになるまで昇降(垂直方向へ移動)させる。
図1に示すように、フェリー11が岸壁着岸した後の乗船者の乗下船時には、上下一対の油圧シリンダ32のロッドを引き込ませる。これにより、各スライドレール31に沿って舷側扉30をX1方向へスライドさせ、舷側出入口18が開く。このとき、舷側出入口18の所定高さ位置と岸壁19の上縁とが対峙する。その後、昇降モータ46により駆動シャフト50を回転させて一対の昇降ピニオン51を同一方向に回転させ、ケージ用船外タラップ17付きのタラップ昇降台44を、タラップ昇降台44の下端部が、岸壁19の上縁と同一高さになるまで昇降(垂直方向へ移動)させる。
その後、図6に示すように、ケージ昇降装置16において、スプロケット70をケージ用モータ71により回転し、チェーンCを上下方向に移動させることで、ケージ15を、ケージ15の床板の上面がケージ用船外タラップ17の上面と同一高さになるまで昇降させる。
次に、電動シリンダ58のロッド58aを突出させることで、図7中の実線に示すように、操作リンク57およびケージ用船外タラップ17が伏せ姿勢となり、ケージ用船外タラップ17の先端部が、スロープ60を介して岸壁19に一時的に架け渡される。このとき、屈曲リンク構造体を介して、ケージ用船外タラップ17のX1−X2側の両端部に一対の手摺61が起立する。その後、船外側出入口36側のケージ用自動ドア36Aを開き、ケージ用船外タラップ17および船外側出入口36を介して、ケージ15と岸壁19との間で、車椅子使用者や高齢者、障害者などを乗下船させる。なお、ケージ用船外タラップ17の岸壁19への架け渡しは、タラップ昇降台44を、このタラップ昇降台44の下端部が、岸壁19の上縁と同一高さになるまで昇降させた直後に行ってもよい。
次に、電動シリンダ58のロッド58aを突出させることで、図7中の実線に示すように、操作リンク57およびケージ用船外タラップ17が伏せ姿勢となり、ケージ用船外タラップ17の先端部が、スロープ60を介して岸壁19に一時的に架け渡される。このとき、屈曲リンク構造体を介して、ケージ用船外タラップ17のX1−X2側の両端部に一対の手摺61が起立する。その後、船外側出入口36側のケージ用自動ドア36Aを開き、ケージ用船外タラップ17および船外側出入口36を介して、ケージ15と岸壁19との間で、車椅子使用者や高齢者、障害者などを乗下船させる。なお、ケージ用船外タラップ17の岸壁19への架け渡しは、タラップ昇降台44を、このタラップ昇降台44の下端部が、岸壁19の上縁と同一高さになるまで昇降させた直後に行ってもよい。
その後、ケージ15の乗船者を船内の所定階へ移動させる。すなわち、乗船者の船内移動時には、船外側出入口36のケージ用自動ドア36Aを閉じ、ケージ昇降装置16を作動して、乗船者が希望する階までケージ15を昇降させる。次に、船内側出入口34のケージ用自動ドア34Aおよびケージ15の船内用自動ドア29をそれぞれ開くことで、乗船者がケージ15から所望の客室階に降りる。これにより、乗船者をケージ15の船内側出入口34を通して、船内の所定階に安全に移送することができる。
このように、舷側出入口18の高さ(全体の高さ)が、船体12の隣接した階に連続する高さであるため、乾舷の高さが高いフェリー11であっても、架け渡されたケージ用船外タラップ17の姿勢を、着岸した岸壁19の高さや潮の干満に関係なく、水平状態または緩やかな傾斜状態とすることができる。その結果、各港にバリアフリー乗下船タラップの設置が不要となり、かつ1台のエレベータ装置10に、バリアフリー乗下船タラップの機能と船内移動用のバリアフリーエレベータの機能とを併せ持たせることで、バリアフリー方式の船舶用昇降装置全体のコスト低減が図れ、また車椅子使用者や高齢者、障害者などを、ケージ用船外タラップ17を介して円滑に乗下船させることができる。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、タラップ昇降台44と岸壁19との間でのケージ用船外タラップ17の架け渡し状態を維持したまま、ケージ昇降装置16によりケージ15を船内の所定階との間で昇降させる。このように、ケージ15とケージ用船外タラップ17とを別々に昇降可能な構造を採用したため、乗下船時、ケージ15を乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップ17を船体12側に移動させる必要がない。
また、乗船者を連続して乗下船する際には、タラップ昇降台44と岸壁19との間でのケージ用船外タラップ17の架け渡し状態を維持したまま、ケージ昇降装置16によりケージ15を船内の所定階との間で昇降させる。このように、ケージ15とケージ用船外タラップ17とを別々に昇降可能な構造を採用したため、乗下船時、ケージ15を乗下船可能な高さ位置から昇降するたびに、ケージ用船外タラップ17を船体12側に移動させる必要がない。
この発明は、フェリーを含む大型客船に対するバリアフリー方式の船舶用昇降技術として有用である。
10 乗下船兼用船内エレベータ装置、
11 フェリー(船舶)、
12 船体、
13 外板、
14 昇降路、
14A タラップ昇降空間、
15 ケージ、
16 ケージ昇降装置(ケージ昇降手段)、
17 ケージ用船外タラップ、
18 舷側出入口、
19 岸壁、
30 舷側扉、
33 X2側の壁板(船内側の壁板)、
34 船内側出入口、
36 船外側出入口、
43 タラップ昇降手段、
44 タラップ昇降台、
46 昇降モータ(昇降駆動部)、
56 回動軸。
11 フェリー(船舶)、
12 船体、
13 外板、
14 昇降路、
14A タラップ昇降空間、
15 ケージ、
16 ケージ昇降装置(ケージ昇降手段)、
17 ケージ用船外タラップ、
18 舷側出入口、
19 岸壁、
30 舷側扉、
33 X2側の壁板(船内側の壁板)、
34 船内側出入口、
36 船外側出入口、
43 タラップ昇降手段、
44 タラップ昇降台、
46 昇降モータ(昇降駆動部)、
56 回動軸。
Claims (2)
- 船体の外板の近くに配置されて該船体内の複数階を連通する昇降路で、乗船者が乗降するケージを、ケージ昇降手段によって昇降させることで、乗船者を所定の階まで移送するとともに、前記昇降路に配置された移動式のケージ用船外タラップを、前記船体の外板のうち、前記昇降路と対向する部分に形成された舷側出入口を通して船外に突出させることにより、一時的に前記ケージ用船外タラップを岸壁に掛け渡す乗下船兼用船内エレベータ装置であって、
前記舷側出入口は、前記船体の隣接した階に連続する高さを有し、
前記船体の外板には、前記舷側出入口を開閉する舷側扉が設けられ、
前記ケージには、該ケージの船内側の壁板に形成されて、乗船者が船内に出入りする船内側出入口と、前記ケージの舷側出入口側の壁板に形成されて、乗船者が前記ケージ用船外タラップを渡って乗下船する船外側出入口とが配設され、
前記ケージ用船外タラップは、前記昇降路に前記ケージとは別体で配置されるとともに、前記ケージ用船外タラップは、前記昇降路の中でタラップ昇降手段により昇降可能に設けられた乗下船兼用船内エレベータ装置。 - 前記タラップ昇降手段は、前記昇降路のうち、前記ケージと前記外板との間のタラップ昇降空間を昇降するタラップ昇降台と、該タラップ昇降台の昇降駆動部とを有し、
前記ケージ用船外タラップは、前記タラップ昇降台に、水平軸を中心にして起伏自在に設けられた請求項1に記載の乗下船兼用船内エレベータ装置。
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- 2013-01-16 JP JP2013005145A patent/JP2014136469A/ja active Pending
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