JP2014159345A - カーボンナノチューブ分散媒、およびカーボンナノチューブ分散液 - Google Patents

カーボンナノチューブ分散媒、およびカーボンナノチューブ分散液 Download PDF

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Abstract

【課題】カチオン性ポリマを1種のみとして調製に手間がかからず、かつカチオン性ポリマ等の量を少なくしてコスト安価に調製できる上、CNT(カーボンナノチューブ)の分散性に優れた液状のCNT分散媒、および前記CNT分散媒を用いたCNT分散液を提供する。
【解決手段】CNT分散媒は、分子量10万〜30万のジアリルアミン系カチオン性ポリマ、前記カチオン性ポリマ100質量部あたり、30〜45質量部のノニオン性界面活性剤、および5〜12質量部のアニオン性界面活性剤を含む水溶液からなる。CNT分散液は、前記CNT分散倍にCNTを分散させた。
【選択図】なし

Description

本発明は、カーボンナノチューブを均一に分散させてカーボンナノチューブ分散液を構成するための、液状のカーボンナノチューブ分散媒、およびそれを用いたカーボンナノチューブ分散液に関するものである。
電気伝導度の高いカーボンナノチューブ(以下「CNT」と略記する場合がある。)は、半導体用トレーや自動車用燃料チューブの添加剤等として使用され、また将来的には、モバイル機器等のタッチパネル用の透明導電膜や印刷回路基板、リチウム二次電池用の導電ペースト等への応用が期待されている。
しかしCNTは凝集力が高いため、例えば樹脂等のマトリクス中に均一に分散させるのが難しく、均一に分散させないと所期の電気伝導度が得られないという問題がある。
そのため前記CNTを、例えば各種の界面活性剤や高分子ラッピング剤等を含む分散媒中に均一に分散させた分散液の状態としてから、マトリクスと混合することが検討されている。
特に近時、環境への負荷をできるだけ軽減すること等を考慮して、分散媒としては、有機溶剤でなく水を主体とする水系のものを用いることが求められるようになってきている。
しかし、水系の分散媒中にCNTを均一に分散させるのは難しく、前記CNTの凝集塊が残りやすいという問題がある。
そこで、かかる問題を解消するため、特許文献1においては、分子量が1万〜5万のジアリルアミン系カチオン性ポリマ、分子量が10万〜30万のジアリルアミン系カチオン性ポリマ、ノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤を含む水溶液をCNT分散用の分散媒(以下「CNT分散媒」と略記する場合がある。)として使用して、所定量のCNTを分散させて分散液(以下「CNT分散液」と記載する場合がある。)を調製することが提案されている。
また特許文献1には、前記2種のジアリルアミン系カチオン性ポリマ(以下「カチオン性ポリマ」と略記する場合がある。)の合計100質量部あたり、ノニオン性界面活性剤を50〜200質量部、アニオン性界面活性剤を10〜50質量部の割合で配合するのが好ましいことが記載されている。
特開2010−241668号公報
ところが、特許文献1に記載されたCNT分散媒では、カチオン性ポリマを2種併用しなければならないことから調製に手間がかかる上、製造コストが高くつくという問題がある。
また特許文献1の実施例では、カチオン性ポリマ100質量部あたり、ノニオン性界面活性剤の配合割合が58.8質量部、アニオン性界面活性剤の配合割合が17.6質量部、水の配合割合が2765質量部、CNTの配合割合が60質量部の1点のみで効果を検証している。
しかし発明者の検討によると、その他の配合割合、特にCNTをマトリクス中に高濃度で分散させるために水が少なく、かつCNTが多い系では、たとえ2種の界面活性剤の配合割合が前記好適範囲内であってもCNTの分散性が低下して、CNT分散液中にCNTの凝集塊が残りやすいことも判った。
さらに特許文献1の構成では、前記実施例のように、凝集塊が残るのを防いで、CNTを均一に分散させるために、前記カチオン性ポリマ等を、CNTに対して相対的に多めに配合しなければならず、このことも製造コストが高くつく原因の一つとなっていた。
本発明の目的は、カチオン性ポリマを1種のみとして調製に手間がかからず、かつカチオン性ポリマ等の量を少なくしてコスト安価に調製できる上、CNTの分散性に優れた液状のCNT分散媒、および前記CNT分散媒を用いたCNT分散液を提供することにある。
本発明は、下記式(1):
Figure 2014159345
〔式中、R、Rは同一または異なって水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。Aはアニオンを示す。〕
で表される繰り返し単位を有する、分子量10万以上、30万以下のジアリルアミン系カチオン性ポリマ、前記カチオン性ポリマ100質量部あたり、30質量部以上、45質量部以下のノニオン性界面活性剤、および5質量部以上、12質量部以下のアニオン性界面活性剤を含む水溶液からなることを特徴とするCNT分散媒である。
本発明によれば、前記カチオン性ポリマを1種のみ単独で使用するとともに、ノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤を前記の割合で配合することにより、特許文献1に記載の従来のものに比べて調製に手間がかからず、かつコスト安価に調製できる上、CNTの分散性に優れた液状のCNT分散媒を得ることができる。
そのメカニズムとしては、下記のことが推測される。
すなわち、前記各成分を含む液状のCNT分散媒中では、カチオン性ポリマとアニオン性界面活性剤のイオンとの塩が生成される。
ここにCNTを配合し、常法どおり超音波分散させると、液中でノニオン性界面活性剤と超音波の作用によってCNTがミセル化し、このミセル化したCNT間に、前記カチオン性ポリマとアニオン性界面活性剤のイオンとの塩が入り込む。
そうすると、前記塩は分子量が大きく嵩高いため、CNTが再凝集するのを防ぐ効果に優れており、結果的にCNTの分散性が向上する。
かかる効果をより一層向上することを考慮すると、前記カチオン性ポリマとしては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの単独重合物が好ましい。またノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートが好ましく、アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
本発明は、前記本発明のCNT分散媒中にCNTを分散させてなることを特徴とするCNT分散液である。
本発明によれば、CNTの凝集塊が残りにくいため、前記CNTを、例えばマトリクス中に、凝集や分布の偏り等を生じることなく均一に分散させることができるCNT分散液を得ることができる。
本発明によれば、カチオン性ポリマを1種のみとして調製に手間がかからず、かつカチオン性ポリマ等の量を少なくしてコスト安価に調製できる上、CNTの分散性に優れた液状のCNT分散媒、および前記CNT分散媒を用いたCNT分散液を提供することができる。
〈CNT分散媒〉
本発明のCNT分散媒は、下記式(1):
Figure 2014159345
〔式中、R、Rは同一または異なって水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。Aはアニオンを示す。〕
で表される繰り返し単位を有する、分子量10万以上、30万以下のカチオン性ポリマ、前記カチオン性ポリマ100質量部あたり、30質量部以上、45質量部以下のノニオン性界面活性剤、および5質量部以上、12質量部以下のアニオン性界面活性剤を含む水溶液からなることを特徴とするものである。
(カチオン性ポリマ)
カチオン性ポリマとしては、前記式(1)を満足し、なおかつ分子量が10万以上、30万以下の、水溶性を有する種々のカチオン性ポリマがいずれも使用可能である。
カチオン性ポリマの分子量が前記範囲に限定されるのは、分子量が10万未満のカチオン性ポリマ、または分子量が30万を超えるカチオン性ポリマを単独で、あるいは2種以上組み合わせて、さらには分子量が10万以上、30万以下であるカチオン性ポリマと組み合わせて使用しても、先に説明したメカニズムによってCNTの分散性に優れたCNT分散媒を得ることができないためである。
これに対し、分子量が10万以上、30万以下の範囲内である前記式(1)のカチオン性ポリマを1種単独で、所定量のノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤と併用することで、前記のメカニズムにより、選択的にCNTの分散性に優れたCNT分散媒を得ることができる。
なお、かかる効果をより一層向上することを考慮すると、カチオン性ポリマの分子量は、前記範囲内でも15万以上、特に18万以上であるのが好ましく、25万以下、特に22万以下であるのが好ましい。
前記カチオン性ポリマとしては、例えばジアリルアミンクロライド、メチルジアリルアミンクロライド、メチルジアリルアミンアミドサルフェート、メチルジアリルアミンアセテート、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジアリルメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート等の1種または2種以上の重合物が挙げられる。
中でも、CNTの分散性を向上する効果に優れたジアリルジメチルアンモニウムクロライド(以下「DADMAC」と略記する場合がある。)の単独重合物が好ましい。
本発明では、前記のように式(1)で表され、なおかつ分子量が10万以上、30万以下の範囲内のカチオン性ポリマを1種単独で使用することと、かかるカチオン性ポリマを所定量のノ二オン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤と併用して、CNTの分散性を向上でき、前記カチオン性ポリマの量を少なくできることとが相まって、CNT分散媒、ならびにCNT分散液を、調製に手間をかけることなくコスト安価に調製することができる。
(ノニオン性界面活性剤)
ノニオン性界面活性剤としては、水溶性を有し、かつ両親媒性でCNTとの間でミセルを形成しうる種々のノニオン性界面活性剤がいずれも使用可能である。
かかるノニオン性界面活性剤としては、例えばソルビタンエステル系界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンエステル系界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系界面活性剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル系界面活性剤等が挙げられる。
中でも、前記のようにCNTとミセルを形成して当該CNTの分散性を向上する効果に優れた、炭素数12〜18の飽和、または不飽和脂肪酸を含むポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートが好ましい。
前記ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートとしては、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。
なおノニオン性界面活性剤は、2種以上を併用してもよい。しかしCNT分散媒、ならびにCNT分散液を、調製に手間をかけることなくコスト安価に調製することを考慮すると、前記ノニオン性界面活性剤としては、いずれか1種を単独で使用するのが好ましい。
前記ノニオン性界面活性剤の配合割合は、カチオン性ポリマ100質量部あたり30質量部以上、45質量部以下である必要がある。
配合割合が前記範囲未満、または前記範囲を超える場合には、このいずれにおいても、CNTの分散性に優れたCNT分散媒を得ることができないためである。
これに対し、ノニオン性界面活性剤の配合割合が前記範囲内であれば、前記カチオン性ポリマ、および所定量のアニオン性界面活性剤と併用することにより、選択的に、CNTの分散性に優れたCNT分散媒を得ることができる。
(アニオン性界面活性剤)
アニオン性界面活性剤としては、水溶性を有する種々のアニオン性界面活性剤がいずれも使用可能である。
かかるアニオン性界面活性剤としては、例えば炭素数10〜18程度の長鎖または直鎖アルキル硫酸ナトリウム、長鎖または直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
中でも、カチオン性ポリマと効率よく、しかもできるだけ嵩高い塩を形成してCNTの分散性を向上する効果に優れたラウリル硫酸ナトリウム、またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
なおアニオン性界面活性剤は、2種以上を併用してもよい。しかしCNT分散媒、ならびにCNT分散液を、調製に手間をかけることなくコスト安価に調製することを考慮すると、やはり前記アニオン性界面活性剤としては、いずれか1種を単独で使用するのが好ましい。
前記アニオン性界面活性剤の配合割合は、カチオン性ポリマ100質量部あたり5質量部以上、12質量部以下である必要がある。
配合割合が前記範囲未満、または前記範囲を超える場合には、このいずれにおいても、CNTの分散性に優れたCNT分散媒を得ることができないためである。
これに対し、アニオン性界面活性剤の配合割合が前記範囲内であれば、前記カチオン性ポリマ、および所定量のノニオン性界面活性剤と併用することにより、選択的に、CNTの分散性に優れたCNT分散媒を得ることができる。
(水)
前述した超音波分散では、分散設備、超音波照射の強度や時間等の分散条件や、あるいは水の量によって、CNTの分散状況が左右されることが知られている。したがってCNTを良好に分散させるための水の量は、厳密には、前記分散条件等に応じて異なるが、通常は、カチオン性ポリマ100質量部あたり70質量部程度のCNTを、CNT分散媒中に凝集塊が残らないように均一に分散させるためには、およそ18000質量部以上の水を配合すればよい。
水に前記各成分を配合し、例えば超音波洗浄機等を用いて超音波を照射する等して均一に溶解させることで、本発明のCNT分散媒を調製することができる。
なお前記カチオン性ポリマ、ノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤としては、それぞれ有効成分を水に溶解した水溶液として供給されるものがあり、かかる水溶液を使用する場合、各成分の配合割合は、水溶液中の有効成分の量とし、水溶液を構成する水は、前記水の量に含めることとする。
〈CNT分散液〉
(CNT)
前記CNT分散媒に配合し、分散させてCNT分散液を得るためのCNTとしては、例えばアーク放電法、CVD法、レーザー・アブレーション法等の各種製造方法によって製造され、炭素原子が六角網目状に配列されたグラフェンシートを筒状に巻いた構造を有する単層の、または前記筒を2層以上重ねた多層の構造を有し、その直径が500nm未満、特に5nm以上、50nm以下程度である種々のカーボンナノチューブが挙げられる。
CNTの配合割合は、任意に設定できる。ただしCNTを、凝集塊が残らないようにCNT分散媒中に均一に分散させることを考慮すると、前述した水18000質量部あたりCNT70質量部以下の範囲で、CNTを配合するのが好ましい。
ただし、前記範囲内でもCNTが少なすぎる場合には、マトリクス中にCNTが所定の濃度で分散された製品を製造するのが難しくなったり、製造できたとしても多量のCNT分散液が必要になって、前記製品のコストアップにつながったりするおそれがある。そのためCNTの配合割合は、前記水18000質量部あたり55質量部以上であるのが好ましい。
(CNT分散液の調製)
CNT分散媒にCNTを分散させてCNT分散液を調製するためには、従来同様に超音波分散させるのが好ましい。具体的には、前記CNT分散媒に所定量のCNTを配合し、例えば超音波ホモジナイザ等を用いて、所定の超音波照射の強度、および時間で超音波分散させればよい。
これにより、前述したカチオン性ポリマ、ノニオン性界面活性剤、およびアニオン性界面活性剤の作用により、凝集塊を残すことなしに、CNTを均一に分散させてCNT分散液を調製することができる。
〈実施例1〉
カチオン性ポリマとしては、分子量が20万であるDADMACの単独重合物〔センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA1000L、有効成分濃度43質量%の水溶液〕を用いた。
またノニオン性界面活性剤Iとしては、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート〔日油(株)製のノニオン(登録商標)ST−221〕を用いた。
さらにアニオン性界面活性剤Iとしては、ラウリル硫酸ナトリウム〔花王(株)製のエマール(登録商標)10PT〕を用いた。
前記各成分を計量し、蒸留水を加えたビーカーを、超音波洗浄機中で50℃の水浴に浸して超音波を5分間照射することで、前記各成分を蒸留水に溶解させてCNT分散媒を調製した。各成分の配合割合は下記のとおり。
Figure 2014159345
表中、カチオン性ポリマの質量部は、前記ユニセンスFPA1000L中の有効成分量、水の質量部は、蒸留水に、前記ユニセンスFPA1000L中の水分量を加えた水の総量を示す。以下、水溶液を使用する成分は同様とする。
〈比較例1〉
カチオン性ポリマとして、分子量が5万であるDADMACの単独重合物〔センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA100L、有効成分濃度27質量%の水溶液〕と、分子量が20万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA1000L、有効成分濃度43質量%の水溶液〕とを、有効成分の質量比が80:20、計100質量部となるように併用するとともに、前記カチオン性ポリマ100質量部に対するノニオン性界面活性剤Iの量を87質量部、アニオン性界面活性剤Iの量を23質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散媒を調製した。このものは、特許文献1に記載のCNT分散媒を再現したものに相当する。
〈比較例2〉
カチオン性ポリマとして、分子量が5万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA100L、有効成分濃度27質量%の水溶液〕を、前記有効成分量が100質量部となるように配合したこと以外は比較例1と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈比較例3〉
カチオン性ポリマとして、分子量が20万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA1000L、有効成分濃度43質量%の水溶液〕を、前記有効成分量が100質量部となるように配合したこと以外は比較例1と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈比較例4〉
カチオン性ポリマとして、分子量が50万であるDADMACの単独重合物〔センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA1002L、有効成分濃度18質量%の水溶液〕を、前記有効成分量が100質量部となるように配合したこと以外は比較例1と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈分散性評価〉
(CNT分散液の調製)
前記各実施例、比較例で調製したビーカー中のCNT分散媒に、当該CNT分散媒中のカチオン性ポリマの有効成分量100質量部あたり70質量部のCNT〔ナノシル(Nanocyl)社製の多層CNT、直径9.5nm、長さ1.5μm〕を配合し、超音波ホモジナイザ〔エマーソン(Emerson)社製のブランソン デジタル ソニファイア(Branson Digital Sonifiers)〕を用いて超音波を照射して分散させた。照射条件は、強度:100W、時間:20分間とした。
(分散状態の評価)
超音波照射が終了したビーカーを、内容物(CNT分散液)が前記ビーカーの壁面に付くように傾けた後、水平台の上に置いた。
そして前記壁面を流下するCNT分散液を観察して、CNTの凝集塊の有無を評価した。すなわち凝集塊が残っていない場合、CNT分散液は、ビーカーの壁面をスムースに流下して行くが、凝集塊が残っている場合はその部分で流下が妨げられて、流れに乱れが観察される。
結果を表2に示す。
Figure 2014159345
表1の比較例1の結果より、特許文献1に記載の、分子量の異なる2種のカチオン性ポリマを併用し、かつ実施例1とはノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤の配合割合が異なる系では、上記のように特許文献1の実施例よりCNTの量を多く、水の量を少なくすると、分散性が低下して、CNT分散液中に、前記CNTの凝集塊が残ることが判った。
また比較例2〜4の結果より、カチオン性ポリマを、前記比較例1の2種の併用から、単純に分子量の異なる1種のみに変更しても分散性は改善されず、CNT分散液中にCNTの凝集塊が残るのを防止できないことが判った。
これに対し実施例1の結果より、カチオン性ポリマとして、分子量が10万以上、30万以下の範囲内であるものを単独で用いるとともに、当該カチオン性ポリマ100質量部に対して、前記表1に示した割合でノニオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤を配合することにより、前記CNTの量を多く、水の量を少なくした状態でも分散性を向上して、CNT分散液中にCNTの凝集塊が残るのを防止できることが判った。
〈実施例2、3、比較例5、6〉
カチオン性ポリマ100質量部に対するアニオン性界面活性剤Iの量を4質量部(比較例5)、6質量部(実施例2)、11.5質量部(実施例3)、および15質量部(比較例6)としたこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散媒を調製し、前記分散性評価を実施した。結果を、実施例1の結果と併せて表3に示す。
Figure 2014159345
表3の実施例1〜3、比較例5,6の結果より、前記実施例1の系において、CNT分散液中にCNTの凝集塊が残るのを防止するためには、アニオン性界面活性剤の配合割合を、カチオン性ポリマ100質量部あたり5質量部以上、12質量部以下とする必要があることが判った。
〈実施例4、比較例7、8〉
カチオン性ポリマ100質量部に対するノニオン性界面活性剤Iの量を25質量部(比較例7)、30質量部(実施例4)、および50質量部(比較例8)としたこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散媒を調製し、前記分散性評価を実施した。結果を、実施例1の結果と併せて表4に示す。
Figure 2014159345
表4の実施例1、4、比較例7、8の結果より、前記実施例1の系において、CNT分散液中にCNTの凝集塊が残るのを防止するためには、ノニオン性界面活性剤の配合割合を、カチオン性ポリマ100質量部あたり30質量部以上、45質量部以下とする必要があることが判った。
〈実施例5〉
アニオン性界面活性剤Iに代えて、アニオン性界面活性剤IIとして、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム〔花王(株)製のネオペレックス(登録商標)G−15、有効成分濃度15質量%の水溶液〕を、前記有効成分量が9.5質量部となるように配合したこと以外は実施例1と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈実施例6〉
ノニオン性界面活性剤Iに代えて、ノニオン性界面滑性剤IIとして、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート〔日油(株)製のノニオン(登録商標)OT−221〕40質量部を配合したこと以外は実施例5と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈実施例7〉
ノニオン性界面活性剤Iに代えて、ノニオン性界面滑性剤IIIとして、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート〔日油(株)製のノニオン(登録商標)LT−221〕40質量部を配合したこと以外は実施例5と同様にしてCNT分散媒を調製した。
前記実施例5〜7で調製したCNT分散媒について、前記分散性評価を実施した。結果を、実施例1の結果と併せて表5に示す。
Figure 2014159345
表5の実施例1、5の結果より、アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを、いずれも好適に使用できることが判った。
また実施例1、6、7の結果より、ノニオン性界面活性剤としては、各種のポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートを、いずれも好適に使用できることが判った。
〈比較例9〉
カチオン性ポリマとして、分子量が5万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA100L、有効成分濃度27質量%の水溶液〕と、分子量が20万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA1000L、有効成分濃度43質量%の水溶液〕とを、有効成分の質量比が70:30、計100質量部となるように併用したこと以外は実施例5と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈比較例10〉
カチオン性ポリマとして、分子量が5万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA100L、有効成分濃度27質量%の水溶液〕を、前記有効成分量が100質量部となるように配合したこと以外は実施例5と同様にしてCNT分散媒を調製した。
〈比較例11〉
カチオン性ポリマとして、分子量が50万であるDADMACの単独重合物〔前出の、センカ(株)製の商品名ユニセンスFPA1002L、有効成分濃度18質量%の水溶液〕を、前記有効成分量が100質量部となるように配合したこと以外は実施例5と同様にしてCNT分散媒を調製した。
前記比較例9〜11で調製したCNT分散媒について、前記分散性評価を実施した。結果を、実施例5の結果と併せて表6に示す。
Figure 2014159345
表6の実施例5、比較例9〜11の結果より、前記実施例1の系においては、カチオン性ポリマとして、分子量が10万以上、30万以下であるものを単独で使用する必要があることが判った。

Claims (5)

  1. 下記式(1):
    Figure 2014159345
    〔式中、R、Rは同一または異なって水素原子、メチル基、またはエチル基を示す。Aはアニオンを示す。〕
    で表される繰り返し単位を有する、分子量10万以上、30万以下のジアリルアミン系カチオン性ポリマ、前記ジアリルアミン系カチオン性ポリマ100質量部あたり、30質量部以上、45質量部以下のノニオン性界面活性剤、および5質量部以上、12質量部以下のアニオン性界面活性剤を含む水溶液からなることを特徴とするカーボンナノチューブ分散媒。
  2. 前記ジアリルアミン系カチオン性ポリマは、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドの単独重合物である請求項1に記載のカーボンナノチューブ分散媒。
  3. 前記ノニオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキレートである請求項1または2に記載のカーボンナノチューブ分散媒。
  4. 前記アニオン性界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、またはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散媒。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカーボンナノチューブ分散媒中にカーボンナノチューブを分散させてなることを特徴とするカーボンナノチューブ分散液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019188558A1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-03 日産化学株式会社 エネルギー貯蔵デバイス用電極及びエネルギー貯蔵デバイス

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