JP2014157063A - 複合センサ素子 - Google Patents

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隆男 野口
Takeshi Wada
健 和田
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Abstract

【課題】小型化を実現しつつ、感度の高い複合センサ素子を提供すること。
【解決手段】複合センサ素子2は、加速度を検出する第1の検出素子4と、角速度または加速度を検出する第2の検出素子5を有し、第1の検出素子4は、固定部6と、加速度検出部7と、固定部6と加速度検出部7とを連結するように延在する少なくとも2つの支持腕8と、を有し、少なくとも2つの支持腕8の延在する方向の長さは、第2の検出素子5を平面視したときの最外形寸法よりも大きく、固定部6と加速度検出部7と少なくとも2つの支持腕8によって囲まれる領域内に第2の検出素子5が配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、物体の角速度や加速度などの複数の物理量を検出するための複合センサ素子に関する。
加速度センサや角速度センサなどの物理量センサが広く実用化されている。加速度センサは、ゲーム機、入力デバイス、携帯情報端末などの電子機器から、自動車用のカーナビゲーションシステムやエアバッグシステムなどの車両用制御機器に用いられている。また、角速度センサは、デジタルカメラなどの電子機器から、カーナビゲーションシステムや車体制御システムなどの車載機器などがその代表的な用途である。
これらの物理量センサの代表的な方式として、固定電極と可動電極の間の静電容量の変化を検出する静電容量式や、圧電体を用いた振動ジャイロが知られている。加速度センサとしては、櫛歯状電極を用いた静電検出方式の加速度センサや、並行平板電極を用いた静電検出方式の加速度センサが提案されている。
このような物理量センサにおいては、複数の機能を一つのセンサに集積化することにより、小型化と多機能化を図った複合センサの要求が高まってきている。例えば、特許文献1では、加速度センサと角速度センサを内装パッケージ内に配置した複合センサが提案されている。この複合センサは、一つのパッケージの中に加速度検出用のセンサ素子と角速度検出用のセンサ素子が並べて配置されており、これらのセンサ素子からの信号に基づいて加速度と角速度の2つの力学量の検出を実現している。しかしながら、特許文献1に開示された複合センサは、2つの素子をパッケージ内部に搭載するため、大きなパッケージが必要となり、複合センサの小型化には限界があった。また、2つの素子を精度良くパッケージ内部に搭載する必要があるため、複合センサ自体の組立作業が逆に複雑で難しくなるという課題があった。
このような問題を解決するため、特許文献2では、加速度検出用と角速度検出用の素子を1つの素子に一体化した複合センサが示されている。
国際公開2006/132277号公報 特開2008−107084号公報
しかしながら、特許文献2に開示される複合センサは、加速度センサの対向部と接続部で屈曲アームを囲い、コ形状の錘部で駆動アームを囲む構造のため、加速度の入力に対する加速度検出部の変位が小さく、加速度センサの検出感度が不十分という課題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、小型化を実現しつつ、感度の高い複合センサ素子を提供することを目的とする。
本発明に係る複合センサ素子は、加速度を検出する第1の検出素子と、角速度または加速度を検出する第2の検出素子を有する複合センサ素子であって、第1の検出素子は、固定部と、加速度検出部と、固定部と加速度検出部とを連結するように延在する少なくとも2つの支持腕と、を有し、少なくとも2つの支持腕の延在する方向の長さは、第2の検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きく、固定部と加速度検出部と少なくとも2つの支持腕によって囲まれる領域内に第2の検出素子が配置される。
本発明によれば、固定部と加速度検出部と少なくとも2つの支持腕によって囲まれる領域内に第2の検出素子が配置されている。このため、複合センサ素子の小型化を実現することができる。また、第1の検出素子の少なくとも2つの支持腕の延在する方向の長さを第2の検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きくすることで、固定部と加速度検出部との間の距離が長く構成でき、外部からの加速度に対して加速度検出部の変位を大きくできる。この変位を検出することにより、従来に較べ加速度に対して高い検出感度を持つ複合センサ素子を得ることができる。
また、本発明に係る複合センサ素子において、第1の検出素子と第2の検出素子は、互いに間隔を空けて絶縁性基板に固定され、電気的かつ物理的に分離されていると好ましい。この場合、振動や歪の影響をお互いに低減することができ、ノイズなどの出力変動の少ない複合センサ素子を実現できる。
また、本発明に係る複合センサ素子において、第1の検出素子は静電容量の変化を利用して加速度を検出し、第2の検出素子は圧電効果を利用して角速度を検出すると好ましい。このように、加速度の検出に静電容量の変化を利用し、角速度の検出に圧電効果を利用することで、加速度及び角速度をより一層高い検出感度で検出することができる。さらに、加速度の検出に静電容量の変化を利用すると、複合センサ素子を省電力化することができる。
本発明によれば、小型で感度の高い複合センサ素子を得ることができる。
本発明の実施形態の複合センサを示す斜視図である。 本発明の複合センサ素子の実施形態を示す平面図である。 図2のA−A線における実施形態の複合センサ素子の断面図である。 感度測定結果である。
本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。またさらには、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の実施形態の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る複合センサ1を示す斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係る複合センサ素子2を示す平面図である。図3は、図2のA−A線における複合センサ素子2の断面図である。なお、図1では蓋、電子回路素子、ワイヤー配線、接続端子は省略されている。
複合センサ1は、複合センサ素子2と、複合センサ素子2の機能を発現するために必要な電子回路素子とともにケース3に搭載される。ケース3、電子回路素子、および複合センサ素子2は、ワイヤーなどの電気的接続を取るための手段で接続されており、ケース3の外部と電気的接続ができるように構成されている。この複合センサ1により、搭載した物体の加速度と角速度を計測し、それらの情報を電気信号として出力することができる。
ここで、複合センサ1に搭載される複合センサ素子2は、図2に示すように、加速度を検出する第1の検出素子4と、角速度または加速度を検出する第2の検出素子5から構成される。複合センサ素子2を構成する第1の検出素子4と第2の検出素子5は、単一の基板から形成されるか、異なる基板または部材から形成されたのち、複合センサ素子2として一体化されるようにして作製することが可能である。いずれの場合においても、第1の検出素子4と第2の検出素子5は互いに間隔を空けて分離されていると好ましく、間隔を空けて分離された上で、別の支持基板や部材に固定されていると好ましい。本実施形態では、第1の検出素子4と第2の検出素子5は、図3に示されるように、第1の基板15から形成され、第1の検出素子4と第2の検出素子5を互いに間隔を空けて分離するために、第2の検出素子5全体を取り囲むように連続した貫通溝が形成されている。この第1の基板15には、表面が対向するように第2の基板16が接合されている。一方、第1の基板15の第2の基板16が接合されている面と反対側の面には、必要に応じて第3の基板23が接合される。本実施形態では、第1の基板15と第2の基板16および第3の基板23は、接合部10で接合されている。
第1の基板15にはシリコン(Si)などの半導体基板のほか、ガラス基板、セラミック基板などが用いられるが、深掘り加工の容易なシリコン基板を用いると好ましい。一方、第1の基板15に対向して接合される第2の基板16および第3の基板23には、ガラス基板、シリコン基板、低温同時焼成セラミック(LTCC)基板などの絶縁性基板が用いられる。こうすることにより、接合強度の高い陽極接合や高温接合が可能になり、信頼性の高い長期使用の可能なセンサが作製できる。また、接合部10は、第1の基板15と同質の材料から構成されていることが好ましく、特にシリコン基板から構成されていると好ましい。なお、本実施形態では、接合部10は、シリコン基板の1層から構成されているが、シリコン基板に後述する第1の電極膜17、圧電体膜18、第2の電極膜19、可動電極9が順に積層された5層から構成されていても良い。
複合センサ1を構成する第1の検出素子4と第2の検出素子5を同一のシリコン基板から形成する場合には、第1の検出素子4と第2の検出素子5を互いに間隔を空けて分離して形成するために、シリコン深堀り加工に広く用いられているdeep−RIE(Reactive Ion Etching)法などのドライエッチング法や、水酸化カリウム(KOH)水溶液などの薬品を用いた異方性エッチング法などのウェットエッチング法が用いられる。deep−RIE法は、エッチングガスによるシリコンのエッチングと側面への保護膜の形成を交互に行いながら、シリコンの深堀り加工の側壁がほぼ垂直になるように深い溝を形成する方法で、この方法により狭くて深い溝をシリコン基板上に効率よく形成することができる。本実施形態の第1の検出素子4と第2の検出素子5とを分離する貫通溝を形成するためには、このdeep−RIE法を用いると好ましい。
第1の検出素子4は、加速度を検出するための素子である。第1の検出素子4は、第2の検出素子5との間に間隔を空けて絶縁性基板である第2の基板16および第3の基板23に固定されており、第2の検出素子5と電気的かつ物理的に分離されている。この第1の検出素子4は、図2に示されるように、固定部6と、加速度検出部7と、固定部6と加速度検出部7を連結するように延在する少なくとも2つの支持腕8から構成される。固定部6は、第2の基板16および第3の基板23に接合されており、これによって第1の検出素子4が第2の基板16および第3の基板23に固定されるように構成されている。なお、本実施形態では、第2の検出素子4の固定部6が第2の基板16および第3の基板23の双方に固定される構造となっているが、第2の基板16および第3の基板23のいずれか一方に固定される構造であっても良い。加速度検出部7は、外部からの加速度によって固定部6に対して変位可能となるように構成されている。少なくとも2つの支持腕8は、固定部6と加速度検出部7を連結するように延在し、その延在する方向の長さが第2の検出素子5を平面視したときの最外形寸法よりも大きくなるように構成されている。これら固定部6と加速度検出部7とそれらを連結する少なくとも2つの支持腕8によって略矩形の領域が形成される。
また、図3に示されるように、第1の検出素子4の加速度検出部7の一方の表面に可動電極9が形成され、空隙Gを隔てて、第2の基板16の可動電極9の対向面に固定電極22が形成されている。この可動電極9と固定電極22と空隙Gにより静電容量が形成される。外部からの加速度の入力によって加速度検出部7が変位すると、可動電極9と固定電極22が相対的に変位する。その結果、可動電極9と固定電極22の間の静電容量が変化し、その静電容量の変化を電気回路によって検出することにより、加速度の検出が可能になる。なお、本実施形態において、第1の検出素子4による加速度の検出方式として、静電容量の変化を利用する方式が用いられているがこれに限られない。例えば、圧電体に発生する電荷または電圧の変化を利用する方式(圧電効果を利用する方式)、ピエゾ抵抗体の電気抵抗の変化を利用する方式などの種々の方式が利用できる。なお、複合センサ素子の省電力化という観点から、加速度の検出に静電容量の変化を利用する方式を用いると好ましい。
加速度検出部7は、図2の左右方向すなわち、X軸方向から加速度が入力されたときには左右方向に変位し、その変位を検出することで加速度の測定ができる。加速度検出部7は、X軸方向以外の加速度の検出にも利用することが可能で、例えば、Z軸方向の加速度に対してはZ軸方向に変位するように構成し、その変位を検出することでZ軸方向の加速度の検出ができる。さらに、複数の軸方向に対して変位可能に設定することで、複数の方向の加速度を検出できるようになる。例えば、X軸方向とZ軸方向に変位可能な構成とし、それぞれの方向への変位を検出するための検出手段を設けることにより、X軸とZ軸の2軸の加速度を検出することができる。
可動電極9は、金属や酸化物導電体などの導電性薄膜からなることが好ましい。具体的には、白金(Pt)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、クロム(Cr)、チタン(Ti)などの金属のほか、酸化ニッケル(NiO)、ルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)などの酸化物導電体からなる導電性薄膜を利用することが可能である。また、第1の検出素子4を構成する第1の基板15に導電性のシリコン基板を用いることにより導電性薄膜を用いずに電極を形成することが可能である。例えば、可動電極9側のシリコンを可動電極9となる部分を残してエッチングすることにより、シリコンを電極とした可動電極9が形成可能である。
さらに、可動電極9は、図2に示すように、矩形などにパターン化された複数の領域が、直列または並列に配列されたものが好ましい。こうすることにより、横方向、すなわちX方向の変位に対する容量の変化量を大きくできるため、高感度で低ノイズのセンサが作製できる。
第2の検出素子5は、角速度または加速度を検出するための素子である。第2の検出素子5は、第1の検出素子4との間に間隔を空けて絶縁性基板である第2の基板16に固定されており、第1の検出素子4と電気的かつ物理的に分離されている。また、第2の検出素子5は、第1の検出素子4の固定部6と加速度検出部7とそれらを連結する少なくとも2つの支持腕8によって囲まれる領域内に配置される。本実施形態における第2の検出素子5は、図2に示されるように、音叉型の形状をした角速度検出素子であって、角速度を検出することができる。この第2の検出素子5は、シリコンからなる第1の基板15により形成された一対の振動腕13と、それを固定する固定部12から構成されている。第2の検出素子5の固定部12は、第2の基板16に接合されており、これによって第2の検出素子5が第2の基板16に固定されるように構成されている。なお、本実施形態では、第2の検出素子5の固定部12は、第2の基板16にのみ固定される構造となっているが、第2の基板16および第3の基板23の双方に固定される構造であっても良い。また、第2の検出素子5の固定部12は、第2の基板16に形成されている貫通配線20を介して、端子21に接続されている。さらに、第2の検出素子5が基板の面内方向への駆動振動および基板の厚み方向への検出振動が可能なように、第2の基板16の第2の検出素子5の一対の振動腕13と対向する箇所に溝24が形成されている。角速度検出素子としては、駆動腕と検出腕の異なるH型の角速度検出素子をはじめとして、様々な形状の角速度検出素子を適用することが可能である。
第2の検出素子5は、図3に示すように、シリコンからなる第1の基板15上に第1の電極膜17、圧電体膜18と、第2の電極膜19が順に積層され、駆動電極14が形成されている。圧電体膜18は、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト型複合酸化物である。ここで、Aとして、カルシウム(Ca)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、鉛(Pb)、カリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、ランタン(La)及びカドミウム(Cd)から選ばれた少なくとも1種を含むと好ましく、Bとして、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)及びニオブ(Nb)から選ばれた少なくとも1種を含むと好ましい。具体的には、圧電体膜18の材質として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、マグネシウムニオブ酸鉛−PZT系(PMN−PZT)、ニッケルニオブ酸鉛−PZT系(PNN−PZT)、マグネシウムニオブ酸鉛−PT系(PMN−PT)、又はニッケルニオブ酸鉛−PT系(PNN−PT)などが好適である。第1の電極膜17および第2の電極膜19の材質としては、圧電体膜18の結晶配向制御等に適した導電性材質であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、白金(Pt)などが好適である。その他、金(Au)、銅(Cu)、チタン(Ti)等が挙げられ、またそれらを組み合わせて積層しても良い。
この第1の電極膜17と第2の電極膜19の間に電圧を印加することにより、左右方向すなわちX軸方向に振動腕13を振動させることができる。具体的には、振動腕13のそれぞれの表面上に、長手方向すなわちY軸方向に平行になるように各2本の第2の電極膜19を加工して配置し、それら2本の第2の電極膜19に位相が逆になるように交流電圧を印加することにより、一対の振動腕13は左右方向に振動するようになる。
このとき、外部から振動腕13の長手方向、すなわち、Y軸方向の回転軸の周りに回転運動が加わると、振動腕13には駆動振動の方向、すなわち、X軸方向と、回転軸の方向、すなわち、Y軸方向の両者に直交する方向にコリオリ力が生じ、厚み方向、すなわち、Z軸方向に振動が発生する。このコリオリ力による厚み方向の振動を検出できるように振動腕13上に検出電極(図示しない)を形成することにより、角速度が検出できる。検出電極としては、振動腕13上に第1の電極膜、圧電体膜、および第2の電極膜(図示しない)を順に積層した構成で配置した電極を用いることにより、振動腕13の変位を圧電体膜に発生する電圧または電荷の変化として電気的に検出することが可能となる。但し、本実施形態では、角速度の検出方式として、圧電体膜に発生する電荷または電圧の変化を利用する方式(圧電効果を利用する方式)を用いているが、これに限られない。例えば、振動腕13上に可動電極(図示しない)を形成し、その可動電極と対向した位置に空隙をおいて固定電極(図示しない)を形成することで、可動電極と固定電極の間の静電容量の変化によって振動腕13の厚み方向の変位を検出する方式や、ピエゾ抵抗体の電気抵抗の変化を利用する方式などの種々の方式が利用できる。なお、本実施形態では、第1の検出素子4は静電容量の変化を利用して加速度を検出し、第2の検出素子5は圧電効果を利用して角速度を検出している。このように加速度の検出に静電容量の変化を利用し、角速度の検出に圧電効果を利用することで、加速度及び角速度をより一層高い検出感度で検出することができる。
ここで、第2の検出素子5は、角速度検出素子のほか、加速度検出素子とすることが可能である。第2の検出素子5を加速度検出素子とする場合には、検出しようとする加速度の方向、すなわち検出軸を第1の検出素子4と第2の検出素子5と素子で異なるようにすることで、複数の加速度検出軸を持つ複合センサ素子2が構成できる。この場合、外側に形成された第1の検出素子4は感度を高くするのに有効なため、二つの検出軸の感度を変えることが容易に行える。例えば、第1の検出素子4によってX軸方向の微弱な加速度を検出し、第2の検出素子5によってZ軸方向の大きな加速度を検出するように構成可能である。さらに、第1の検出素子4と第2の検出素子5の検出軸を同じとした加速度センサを構成すれば、一つの軸に対して微弱な加速度と大きな加速度の2種類の測定レンジを設定することが可能となり、衝撃などの強い加速度から傾斜角などの弱い加速度まで検出可能な、広い検出範囲の一軸加速度検出素子の複合センサ素子2が実現できる。なお、この場合であっても、第1の検出素子4の少なくとも2つの支持腕8の延在する方向の長さは、第2の検出素子5を平面視したときの最外形寸法よりも大きく、第1の検出素子4の固定部6と加速度検出部7と少なくとも2つの支持腕8によって囲まれる領域内に第2の検出素子5が配置される。
以上のように、本実施形態に係る複合センサ素子2は、固定部6と加速度検出部7と少なくとも2つの支持腕8によって囲まれる領域内に第2の検出素子5が配置されている。このため、複合センサ素子2の小型化を実現することができる。また、第1の検出素子4の少なくとも2つの支持腕8の延在する方向の長さを第2の検出素子5を平面視したときの最外形寸法よりも大きくすることで、固定部6と加速度検出部7との間の距離を長く構成でき、外部からの加速度に対して加速度検出部7の変位を大きくできる。この変位を検出することにより、従来に較べ加速度に対して高い検出感度を持つ複合センサ素子2を得ることができる。
また、本実施形態に係る複合センサ素子2は、第1の検出素子4と第2の検出素子5が互いに間隔を空けて絶縁性基板に固定され、電気的かつ物理的に分離されている。このため、振動や歪の影響をお互いに低減することができ、ノイズなどの出力変動の少ない複合センサ素子2を実現できる。
続いて、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
まず、第1の基板であるシリコン基板の一方の主面上に厚さ200nmのPt膜を第1の電極膜として形成し、その上にPZTからなる圧電体膜を2μmの厚さで形成した。いずれの膜もエピタキシャル膜であり、Ptは(100)配向のエピタキシャル膜、PZTは(001)配向のエピタキシャル膜であった。このPZT膜上に第2の電極膜として多結晶Pt膜を200nmの厚さで形成した。
次に、第1の基板に対し、第1の電極膜、圧電体膜、第2の電極膜のパターンニング加工を行った。角速度検出素子は、第1の電極膜、圧電体膜、第2の電極膜をパターンニング加工して、駆動電極部と検出電極部を形成した。一方、加速度検出素子は、第2の電極膜と圧電体膜を除去し、その下の第1の電極膜を加工して静電検出のための可動電極を形成した。
パターンニング加工した第1の基板を、第2の基板であるガラス基板に接合し、deep−RIE法により各検出素子の外形加工をした。このとき、第1の基板上の加速度検出素子と角速度検出素子の間に、角速度検出素子全体を取り囲むように連続した貫通溝を形成し、加速度検出素子と角速度検出素子が互いに間隔を空けてガラス基板に固定され、電気的かつ物理的に分離している状態とした。ここで、もう一枚の第3の基板であるガラス基板を、第1の基板の第2の基板であるガラス基板が接合されている面とは反対側の面に貼り合わせることで、各検出素子を封止した。そして、ダイシングにより、基板を切削し、物理量センサを素子ごとに切り出し、複合センサ素子を作製した。
作製した複合センサ素子は、加速度検出素子の固定部と、加速度検出部と、固定部と加速度検出部を連結する2つの支持腕によって囲まれる領域内に角速度検出素子が配置されるようにした。また、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さは、内側に配置されている角速度検出素子の全長より長くなるようにした。すなわち、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さを、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きくなるようにした。このとき、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さは、内側に配置されている角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の1.1倍に設定した。加速度検出素子の固定部は、第2の基板であるガラス基板に接合することで固定し、加速度検出素子の加速度検出部と支持腕は、基板の主面と平行な方向、または垂直な方向に可動できるよう、第2の基板であるガラス基板および第3の基板であるガラス基板から離間して形成した。一方、角速度検出素子は、その固定部によって第2の基板であるガラス基板に固定した。
続いて、角速度検出素子ならびに加速度検出素子の各電極は、第2の基板であるガラス基板に貫通配線を形成し、それらに接続されることで第2基板であるガラス基板の外側の主面に形成した端子に電気的に接続した。そして、作製した複合センサ素子を、電子回路素子とともに容器に搭載し、ワイヤーボンドにより電気的な接続をとった後、金属からなる蓋により封止することで、角速度と加速度の検出機能を持つ実施例1の複合センサを得た。
(実施例2)
加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さを、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の1.3倍に設定した以外、実施例1の複合センサと同様にして、実施例2の複合センサを得た。
(実施例3)
実施例3として、第1および第2の検出素子がともに加速度検出素子である複合センサを作製した。まず、第1の基板として導電性のシリコン基板を用意し、このシリコン基板をdeep−RIE法によって加工することにより、第1の検出素子である加速度検出素子と第2の検出素子である加速度検出素子を形成した。このとき、実施例1と同様に、第1の基板上の第1の検出素子である加速度検出素子と第2の検出素子である加速度検出素子の間に、第2の検出素子である加速度検出素子全体を取り囲むように連続した貫通溝を形成した。第2の検出素子である加速度検出素子は、第1の検出素子である加速度検出素子の固定部と加速度検出部と2つの支持腕によって囲まれる領域内に配置されており、第1の検出素子である加速度検出素子の2つの支持腕の延在する方向の長さは、第2の検出素子である加速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きくなるよう形成した。このとき、第1の検出素子である加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さは、内側に配置されている第2の検出素子である加速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の1.2倍に設定した。
次に、第1の基板は、その両面を、第2の基板であるガラス基板と第3の基板であるガラス基板にそれぞれ接合され、封止された。こうすることにより、第1の検出素子である加速度検出素子と第2の検出素子である加速度検出素子が互いに間隔を空けてガラス基板に固定され、電気的かつ物理的に分離されている状態とした。そして、ダイシングにより、基板を切削し、物理量センサを素子ごとに切り出し、複合センサ素子を作製した。
第1の検出素子である加速度検出素子は、加速度検出部が基板主面に対して垂直な方向に変位可能となるよう、固定部にて第2の基板であるガラス基板に固定されており、加速度検出部と支持腕の周囲には第2の基板であるガラス基板および第3の基板であるガラス基板から離間するよう空隙を形成した。第2の基板であるガラス基板のうち加速度検出部と対向する部分には金属膜を形成し、導電性のシリコンからなる加速度検出部と第2の基板であるガラス基板に形成された金属膜の間でキャパシタを構成した。第1の基板および第2の基板であるガラス基板に形成された金属膜との電気的接続を取るために、第2の基板であるガラス基板に貫通配線と端子を形成し、それらを接続した。一方、第2の検出素子である加速度検出素子は、基板の主面に対して面内方向に変位可能な可動電極部を形成し、その可動電極部に対向する領域に固定電極を形成し、この可動電極部と固定電極との間でキャパシタを構成した。可動電極部と固定電極は、それぞれ第2の基板であるガラス基板に形成された貫通配線に接続し、第2の基板であるガラス基板の外側に形成された端子に接続した。
そして、作製した複合センサ素子を電子回路素子とともに容器に搭載し、ワイヤーボンドにより電気的な接続をとった後、金属からなる蓋により封止することで、面内方向と面に垂直な方向の2つの方向の加速度の検出が可能な実施例3の複合センサを得た。
(比較例1)
比較例1の複合センサとして、加速度検出素子における2つの支持腕の延在する方向の長さが、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも小さい複合センサ素子からなる複合センサを作製した。ここで、支持腕の延在する方向の長さを小さくするため、固定部側の支持腕の一部を固定部と同様に第2の基板であるガラス基板に接合することで固定した。このとき、支持腕の延在する方向の長さは、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の0.9倍に設定した。このように、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが小さいこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の複合センサを得た。
(比較例2)
比較例1と同様にして、加速度検出素子における2つの支持腕の延在する方向の長さが、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも小さいセンサ素子からなる複合センサを作製した。比較例2では、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さは、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の0.7倍になるように設定した。このように、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが小さいこと以外は、実施例1と同様にして比較例2の複合センサを得た。
(比較例3)
比較例1と同様にして、加速度検出素子における2つの支持腕の延在する方向の長さが、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも小さいセンサ素子からなる複合センサを作製した。比較例3では、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さは、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の0.5倍になるように設定した。このように、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが小さいこと以外は、実施例1と同様にして比較例3の複合センサを得た。
(比較例4)
比較例1と同様にして、加速度検出素子における2つの支持腕の延在する方向の長さが、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも小さいセンサ素子からなる複合センサを作製した。比較例4では、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さは、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の0.3倍になるように設定した。このように、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが小さいこと以外は、実施例1と同様にして比較例4の複合センサを得た。
(評価)
こうして作製した実施例1〜3、ならびに、比較例1〜4の複合センサについて、感度を測定した。測定結果を図4に示す。図4に示すように、第1の検出素子(加速度検出素子)の支持腕の延在する方向の長さを第2の検出素子(角速度検出素子又は加速度検出素子)を平面視したときの最外形寸法で割った値が大きくなるにしたがって、検出感度が増加する傾向が得られた。すなわち、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが、角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法の0.3倍に設定した比較例4の複合センサでは、出力が小さすぎるためノイズに埋もれて観測することができなかった。これに対して、加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが角速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きくした実施例1、2の複合センサでは、大きな検出感度で安定して測定できることが確認された。また、第1の検出素子である加速度検出素子の支持腕の延在する方向の長さが第2の検出素子である加速度検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きくした実施例3の複合センサも、大きな検出感度で安定して測定できることが確認された。なお、この測定では第1の検出素子の支持腕の延在する方向の長さを第2の検出素子を平面視したときの最外形寸法の1.0倍に設定した複合センサで得られた感度を1として規格化した。
1…複合センサ、2…複合センサ素子、3…ケース、4…第1の検出素子、5…第2の検出素子、6…第1の検出素子の固定部、7…加速度検出部、8…支持腕、9…可動電極、10…接合部、12…第2の検出素子の固定部、13…振動腕、14…駆動電極、15…第1の基板、16…第2の基板、17…第1の電極膜、18…圧電体膜、19…第2の電極膜、20…貫通配線、21…端子、22…固定電極、23…第3の基板、24…溝。

Claims (3)

  1. 加速度を検出する第1の検出素子と、角速度または加速度を検出する第2の検出素子を有する複合センサ素子であって、前記第1の検出素子は、固定部と、加速度検出部と、前記固定部と前記加速度検出部とを連結するように延在する少なくとも2つの支持腕と、を有し、前記少なくとも2つの支持腕の延在する方向の長さは、前記第2の検出素子を平面視したときの最外形寸法よりも大きく、前記固定部と前記加速度検出部と前記少なくとも2つの支持腕によって囲まれる領域内に前記第2の検出素子が配置される複合センサ素子。
  2. 前記第1の検出素子と前記第2の検出素子は、互いに間隔を空けて絶縁性基板に固定され、電気的かつ物理的に分離されている請求項1に記載の複合センサ素子。
  3. 前記第1の検出素子は静電容量の変化を利用して加速度を検出し、前記第2の検出素子は圧電効果を利用して角速度を検出する請求項1または2に記載の複合センサ素子。
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