JP5040196B2 - 角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ - Google Patents

角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ Download PDF

Info

Publication number
JP5040196B2
JP5040196B2 JP2006188922A JP2006188922A JP5040196B2 JP 5040196 B2 JP5040196 B2 JP 5040196B2 JP 2006188922 A JP2006188922 A JP 2006188922A JP 2006188922 A JP2006188922 A JP 2006188922A JP 5040196 B2 JP5040196 B2 JP 5040196B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
angular velocity
thin film
velocity sensor
base
piezoelectric thin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006188922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008014894A (ja
Inventor
潤 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2006188922A priority Critical patent/JP5040196B2/ja
Publication of JP2008014894A publication Critical patent/JP2008014894A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5040196B2 publication Critical patent/JP5040196B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Description

本発明は、音叉型圧電振動片からなる角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサに関する。
音叉型圧電振動片からなる角速度センサ素子は、カメラの手振れ防止装置やナビゲーションシステム等の様々な電子機器に搭載されている。
図10は、従来の角速度センサ素子1の斜視図である(例えば、特許文献1参照)。
この図の角速度センサ素子1は、互いに平行な一対の振動腕2,3と、この一対の振動腕2,3を支持する基部4とを有する所謂音叉型圧電振動片である。
一対の振動腕2,3は、そのうち一方の振動腕2の表面に駆動電圧を印加するための励振電極6が設けられている。これにより、一方の振動腕2は振動腕3と接近・離間する方向に振動し、他方の振動腕3も一方の振動腕2の振動を受けて、振動腕2と接近・離間する方向に振動するようになっている(以下、「駆動振動」という)。
このような駆動振動の状態で角速度センサ素子1が回転すると、コリオリ力の作用により、振動腕2と振動腕3とが、互いに接近・離間する方向と直行する方向に互いに逆相に振動する(以下、「ウォーク振動」という)。
そして、このウォーク振動により生じた電荷を、他方の振動腕3に設けられた複数の検出用電極5が検出して、回転角速度を測定するようになっている。
特開2005−241606号公報
ところが、このような音叉型圧電振動片からなる角速度センサ素子1を利用した角速度センサでは、他方の振動腕3には検出用電極5を設けているため、一方の振動腕2のように励振電極を設けることができず、このため、他方の振動腕3の励振効率は悪くならざるを得ない。
このため、検出用電極5から出力される電荷はとても小さく、回転角速度の測定の困難さを招いていた。また、検出用電極5から出力される電荷が小さいために、角速度センサは、回転角速度の測定に特殊な電荷電圧(Q−V)変換アンプなどを必要としていた。また、角速度センサ素子1を小型化すると励振効率はさらに悪くなるため、小型化の限界をきたしていた。
本発明は、回転角速度の測定を容易にし、小型化を図ることができる角速度センサ素子、及びこれを利用した角速度センサを提供することを目的とする。
上述の目的は、第1の発明によれば、一対の振動腕と、この一対の振動腕を支持する基部とを備えた音叉型圧電振動片からなり、コリオリ力を受けることで生ずる電荷を検出用電極により検出するようにした角速度センサ素子であって、前記一対の振動腕のそれぞれに励振電極が設けられており、前記基部の主面に圧電薄膜が設けられ、前記圧電薄膜に前記検出用電極が設けられている角速度センサ素子により達成される。
第1の発明の構成によれば、音叉型圧電振動片からなる角速度センサ素子は、その一対の振動腕のそれぞれに励振電極が設けられているため、一本の振動腕のみに励振電極が設けられた場合に比べて励振効率が向上する。したがって、この励振効率の向上に伴って、一対の振動腕は互いに接近・離間する方向に大きく振動するため、この振動状態で回転すると、振動腕はコリオリ力で厚み方向に大きく振動し、この振動は基部に伝達して、基部も厚み方向に振動することになる。
ここで、この厚み方向に振動する基部の主面には圧電薄膜が設けられているため、基部の厚み方向の振動によって圧電薄膜に十分な電荷が生じ、この電荷を検出用電極で取り出して、回転角速度を容易に測ることができる。
そして、このように、一対の振動腕双方の励振電極によって励振効率が向上すると共に、圧電薄膜によって検出効率も向上するため、角速度センサ素子を小型化することも容易となる。
かくして、本発明によれば、回転角速度の測定を容易にし、小型化を図ることができる角速度センサ素子を提供することができる。
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記圧電薄膜は、前記音叉型圧電振動片よりも電気機械結合係数が高いことを特徴とする。
第2の発明の構成によれば、圧電薄膜は、少なくとも音叉型圧電振動片よりも電気機械結合係数が高いため、音叉型圧電振動片の基部の厚み方向の振動によって圧電薄膜に生じる電荷の検出がより容易になる。
第3の発明は、第1または第2の発明の構成において、前記圧電薄膜は、前記基部の前記振動腕の付け根付近に配置されていることを特徴とする。
第3の発明の構成によれば、圧電薄膜は、基部の振動腕の付け根付近に配置されている。この点、基部の振動腕の付け根付近は、基部のうち最も振動腕の振動が衰退せず、振動が大きく伝達される箇所である。したがって、第1または第2の発明と同様の作用効果を発揮し、さらに、圧電薄膜に第1または第2の発明より大きな電荷が生じて、回転角速度の測定がより容易に行える。
第4の発明は、第3の発明の構成において、前記圧電薄膜は、前記一対の振動腕のそれぞれの付け根付近に配置されていることを特徴とする。
第4の発明の構成によれば、圧電薄膜は、一対の振動腕のそれぞれの付け根付近に配置されている。この点、互いに接近・離間するように振動している一対の振動腕は、回転角速度が加えられると、上面側と下面側に互い違いに振動する。このため、一方の振動腕の付け根付近の圧電薄膜が正の電荷の時は、他方の振動腕の付け根付近の圧電薄膜は負の電荷となる。したがって、圧電薄膜を基部に設けるための電極について、一方の振動腕の付け根付近の電極と、他方の振動腕の付け根付近の電極とを、基部上で容易に配線することができる。
また、上記目的は、第5の発明によれば、一対の振動腕、及びこの一対の振動腕を支持する基部を有し、コリオリ力を受けることで生ずる電荷を検出用電極により検出するようにした音叉型圧電振動片と、この音叉型圧電振動片の前記基部が接合される被接合体とを備えた角速度センサであって、前記一対の振動腕のそれぞれに励振電極が設けられており、前記基部と前記被接合体に挟まれるようにして、圧電薄膜が配置され、前記圧電薄膜に、前記検出用電極が設けられている角速度センサにより達成される。
第5の発明の構成によれば、角速度センサ素子は、一対の振動腕のそれぞれに励振電極が設けられているため、第1の発明と同様に、励振効率が向上し、回転角速度による振動腕の厚み方向の大きな振動が基部に十分に伝達される。また、基部の主面には圧電薄膜が設けられているため、第1の発明と同様に、圧電薄膜に十分な電荷が生じ、回転角速度を容易に測定できる。特に、第5の発明の圧電薄膜は基部と被接合体に挟まれているので、基部の厚み方向の振動により押圧されて高い電荷が発生し、回転角速度の測定がより容易となる。そして、このように、励振効率が向上すると共に、圧電薄膜によって検出効率も向上するため、角速度センサ素子を小型化することも容易となる。
かくして、本発明によれば、回転角速度の測定を容易にし、小型化を図ることができる角速度センサを提供することができる。
第6の発明は、第5の発明の構成において、前記圧電薄膜は、導電性部材を介在するようにして、前記基部と前記被接合体に挟まれていることを特徴とする。
第6の発明の構成によれば、圧電薄膜は、導電性部材を介在するようにして、基部と被接合体に挟まれている。したがって、基部と被接合体との間が離れていても、その間に導電性部材が介在して、圧電薄膜を押圧することができる。また、圧電薄膜が押圧されて生じた電荷は導電性部材を通じて取り出すことができる。
第7の発明は、第6の発明の構成において、前記圧電薄膜は、前記検出用電極を構成する第1および第2の電極の間に挟まれるようになっており、前記第1の電極または第2の電極のいずれか一方は、露出しないように絶縁膜で覆われていることを特徴とする。
第7の発明の構成によれば、圧電薄膜は、検出用電極を構成する第1および第2の電極の間に挟まれている。このため、例えば、第1の電極を基部に接続して圧電薄膜と基部とを電気的に接続したり、或いは、第2の電極に導電性部材を接続して、圧電薄膜と導電性部材とを電気的に接続したりできる。そして、この第1の電極または第2の電極のいずれか一方は、露出しないように絶縁膜で覆われているため、導電性部材を介して第1の電極と第2の電極とが短絡することを防止できる。
第8の発明は、第5ないし第7の発明のいずれかの構成において、前記圧電薄膜は、前記基部の前記振動腕の付け根付近に配置されていることを特徴とする。
第8の発明の構成によれば、圧電薄膜は、基部の振動腕の付け根付近に配置されているため、第2の発明と同様に、圧電薄膜に大きな電荷が生じて、回転角速度の測定がより容易に行なえる。
第9の発明は、第8の発明の構成において、前記圧電薄膜は、前記一対の振動腕のそれぞれの付け根付近に配置されていることを特徴とする。
第9の発明の構成によれば、圧電薄膜は、一対の振動腕のそれぞれの付け根付近に配置されているため、第4の発明と同様に、一方の振動腕の付け根付近の圧電薄膜が正の電荷の時は、他方の振動腕の付け根付近の圧電薄膜は負の電荷となる。したがって、圧電薄膜を基部に設けるための電極について、一方の振動腕の付け根付近の電極と、他方の振動腕の付け根付近の電極とを、基部上で容易に配線することができる。
図1ないし図5は、本発明の実施形態に係る角速度センサ10を示しており、図1はその概略平面図、図2は図1のA−A線概略切断断面図、図3は角速度センサ10に用いられる角速度センサ素子32の概略斜視図、図4は図3のB−B線切断端面図、図5は角速度センサ10を図3のC−C線の位置で切断した場合の概略端面図である。
なお、図3(a)は角速度センサ素子の上面側、図3(b)は角速度センサ素子の下面側を図示している。また、図1ないし図5の平行斜線で示す部分は理解の便宜のために図示したもので、断面を表すものではない。また、図1ないし図5では、図面が複雑になることを避けるため、後述する励振電極や引出し電極を全て図示していない。
これらの図において、角速度センサ10は、音叉型圧電振動片からなる角速度センサ素子32と、この角速度センサ素子32と電気的に接続された半導体チップ40と、角速度センサ素子32が接合される被接合体であって、角速度センサ素子32および半導体チップ40を収容するようにしたパッケージ30とを備えている。
この被接合体であるパッケージ30は、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される複数の基板を積層した後に、焼結して形成されている。すなわち、この実施形態のパッケージ30は、図2に示すように、下から第1の基板30a、第2の基板30b、第3の基板30cを重ねて形成されている。
第2及び第3の基板30b,30cは、その内側に所定の孔を形成することで、第1の基板30aに積層した場合に、パッケージ30の内側に所定の内部空間Sを形成するようにされている。この内部空間Sが角速度センサ素子32および半導体チップ40を収容する空間である。
具体的には、第3の基板30cの孔は、第2の基板30bの孔よりも大きく形成されており、これにより、第2の基板30bの上面が、内部空間Sに露出した面になり、パッケージ30内で上向きの段部22になっている。
この上向きの段部22には、図1および図2に示すように、半導体チップ40を介して実装端子部43,43と電気的に接続されたマウント電極42,42が設けられている。
マウント電極42,42は、図1における右端部付近であって、角速度センサ10の幅方向の両端に、例えば、金または金合金により形成され、このマウント電極42,42の上には、導電性接着剤46,46が塗布されている。
そして、導電性接着剤46,46に、角速度センサ素子32の基部51の幅方向両端にある引出し電極54,55が載置されて、導電性接着剤46,46が硬化することにより角速度センサ素子32とパッケージ30とが接合されている。
なお、導電性接着剤46には、エポキシ系またはポリイミド系、またはシリコーン系等の接着剤を用いることができるが、本実施形態では、エポキシ系の導電性接着剤等よりも柔軟性を有し、乾燥によって収縮して角速度センサ素子32に反りを生じさせることの少ないシリコーン系の導電性接着剤を使用している。
また、第1の基板30aの上面であって、第2の基板30bの所定の孔の内側には、半導体チップ40が載置されている。
また、第3の基板30cの上端面、すなわちパッケージ30の上方に開放された開放端面には、例えば、低融点ガラス等のロウ材44を介して、蓋体46が接合されることにより、内部空間Sが封止されている。
角速度センサ素子32は、一対の振動腕35,36と、この振動腕35,36と一体に形成され、一対の振動腕35,36を支持する基部51とを備えた音叉型圧電振動片をベースにつくられている。
この角速度センサ素子32は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電材料を利用することができ、X軸が電気軸、Y軸が機械軸、Z軸が光学軸となるように水晶の単結晶から所定の角度をもって切り出された基板を加工することにより形成されている。具体的には、角速度センサ素子32は、X軸、Y軸、Z軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度の範囲で回転して切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨して得られるものを用いている。
基部51は、一対の振動腕35,36を支持すると共に、角速度センサ素子32をマウント電極42,42に接合するための部分でもあり、図1ないし図3に示すように、幅方向両端の表裏面に引出電極54,55が形成され、この引出電極54,55とマウント電極42,42とが電気的機械的に接続されている。
そして、一対の振動腕35,36は、基部51から互いに平行に延びるように形成されており、図3に示すように、それぞれに励振電極33,34が設けられている。励振電極33,34は振動腕35,36に駆動電圧を印加するもので、これにより、いずれか一方の振動腕のみに励振電極を設ける場合に比べて、励振効率を高めている。
なお、励振電極33,34には、例えばクロムメッキによる下地層の上に金メッキを被覆した構成が適している。
さらに、一対の振動腕35,36は、表裏面のそれぞれに長手方向に沿って延びる長溝24,25が形成されており、図4に示すように、幅方向の縦断面が略H型となっている。そして、長溝24,25内には励振電極33,34が形成され、長溝24内の励振電極33と対向するようにして、振動腕35の側面に励振電極34が形成されており、長溝25内の励振電極34と対向するようにして、振動腕36の側面に励振電極33が形成されている。また、図3に示すように、励振電極33は基部51の引出電極54と接続され、励振電極34は、基部51の引出電極55と接続されて、励振電極33と励振電極34とは、互いに異極となっている。
これにより、各腕内の電界効率は高まって、振動腕35,36の励振効率はさらに高められ、励振電極33,34に駆動電圧を印加すると、振動腕35と振動腕36とは、図1の矢印Eで示すように、互いに接近・離間するようにして大きく振動することになる。
半導体チップ40は、図1及び図2に示すように、第1の基板30aの上面に設けられた電極パッド(図示せず)とフリップチップ接続されており、この図示しない電極パッドは、パッケージ30内を引き回されて、マウント電極42と接続されている。これにより、半導体チップ40は、導電性接着剤46を介して、図3に示す引出電極54,55および励振電極33,34と導通している。また、この図示しない電極パッドは、パッケージ30内を引き回されて、後述する検出用電極20とも導通している。
そして、半導体チップ40は、角速度センサ素子32へ駆動電圧を印加する駆動電圧印加回路と、後述する角速度センサ素子32の検出用電極20の出力を検出する検出回路とを備えている。
ここで、図1ないし図3、及び図5に示すように、基部51の主面に、少なくとも音叉型圧電振動片よりも電気機械結合係数が高い圧電薄膜60が設けられている。
この圧電薄膜60は、角速度センサ素子32に回転が加えられた場合に電荷を発生させる圧電体であって、同じ圧電体である水晶等からなる音叉型圧電振動片とは別に、基部51の主面に付加されている。
なお、圧電薄膜60は、音叉型圧電振動片を形成する後に、その基部51の裏面(パッケージに接続される側の面)に、例えばスパッタリング法で形成され、本実施形態の場合は、酸化亜鉛(ZnO)が用いられている。
また、圧電薄膜60は、基部51の一対の振動腕35,36のぞれぞれの付け根付近に配置されている。この付け根付近は、基部51のうち最も振動腕35,36の振動が大きく伝達される箇所である。
具体的には、図3(b)に示すように、少なくとも、基部51の引出電極54,55よりも一対の振動腕35,36よりであって、幅方向を2分する中心線CLよりも振動腕36側に一方の圧電薄膜60aを、中心線CLよりも振動腕35側に他方の圧電薄膜60bを、それぞれ配置するようにしている。
そして、圧電薄膜60aと圧電薄膜60bとは、中心線CLを中心に略対称になっており、両者の質量・形状・極性方向も略同様となっている。
また、圧電薄膜60には、検出用電極20が設けられている。検出用電極20は、圧電薄膜60で生じた電荷を取り出すための電極であって、一方の圧電薄膜60aと他方の圧電薄膜60bのそれぞれに設けられ、図2に示す半導体チップ40と電気的に接続されている。
具体的には、検出用電極20は、図2に示すように、一方の圧電薄膜60a側について述べれば、第1および第2の電極20a,20bからなっており、第1の電極20aと第2の電極20bとで圧電薄膜60aを挟むようにしている。また、他方の圧電薄膜60b側の検出用電極20も第1および第2の電極20c,20dを有し、図5に示すように、第1の電極20cと第2の電極20dとで他方の圧電薄膜60bを挟むようにしている。
なお、一方の圧電薄膜60a側と他方の圧電薄膜60b側とは、略同様の構成であるため、以下、特別な言及がない限り、一方の圧電薄膜60a側についてのみ説明する。
第1の電極20aは、例えば、Al、Pt、Au等の金属材料で形成され、図2に示すように、圧電薄膜60aの上面に設けられ、本実施形態の場合、圧電薄膜60aを基部51に接合するために基部51の表面に設けられている。
また、図3および図5に示すように、一方の圧電薄膜60a側の第1の電極20aと、他方の圧電薄膜60b側の第1の電極20cとは、基部51の表面上に一体に形成され、両者は電気的に接続された状態になっている。
第2の電極20bは、例えば、第1の電極20aと同じ金属材料で形成され、図2に示すように、圧電薄膜60aの下面に設けられて、圧電薄膜60aで生じた電荷を取り出せるようにしている。
そして、第2の電極20bとパッケージ30の上向きの段部22との間には導電性部材64が設けられている。これにより、圧電薄膜60aで生じた電荷を電気信号として第2の電極20bおよび導電性部材64を通じて、半導体チップ40に伝えることができる。
また、基部51と上向きの段部22との距離が離れていても、圧電薄膜60aは、導電性部材64が介在するようにして、基部51と被接合体であるパッケージ30に挟まれ、後述するように回転が加わると基部51に押圧されることになる。
なお、本実施形態の導電性部材64は、応力緩和や製造工程などを考慮して、角速度センサ素子32をパッケージ30にマウントする際の導電性接着剤46と同じシリコーン系の導電性接着剤を用いるようにしている。
また、図2に示すように、パッケージ30(上向きの段部22)には、半導体チップ40と導通し、マウント電極42と同様の材料で形成された電極パターン28が設けられており、この電極パターン28の上に導電性部材64が設けられている。
本発明の実施形態は以上のように構成されており、振動腕35,36のそれぞれに励振電極33,34が設けられているため励振効率が向上する。
このため、振動腕35,36は、駆動電圧を印加されると、互いに接近・離間する方向に大きく振動する。そして、この状態で、図2のY軸周りに回転が加わると、角速度センサ素子32の回転を受けた振動状態を表す図6に示すように、回転速度に比例したコリオリ力が振動腕35,36に対して互いに逆向きに働き、振動腕35,36は、その厚み方向に互いに違いに交差するように大きく屈曲振動(以下「ウォーク振動」という)する。そうすると、振動腕35,36の厚みの方向の振動は基部51に伝達し、基部51も、図3の中心線CLを中心に、一方の振動腕35側と、他方の振動腕36側とで、厚み方向に互いに違いに振動することになる。
ここで、この厚み方向に振動する基部51の主面には圧電薄膜60が設けられており、この圧電薄膜60は、少なくとも音叉型圧電振動片よりも電気機械結合係数が高いものを用いるようにしている。したがって、圧電薄膜60は、基部51の厚み方向の振動によって十分な電荷が生じ、この電荷を検出用電極20で取り出して、回転角速度を容易に測ることができる。
そして、このように、一対の振動腕35,36の夫々の励振電極33,34によって励振効率を向上させると共に、圧電薄膜60によって検出も容易となるため、角速度センサ素子32を小型化することが容易となる。
また、このような角速度センサ素子32では、圧電薄膜60に比べて音叉型圧電振動片を形成する水晶の体積がほとんどであるため、振動周波数は、ほとんどが水晶に依存することになり、安定度に優れている。
また、圧電薄膜60は、振動腕35,36のX方向の成分がほとんどキャンセルされる基部51に設けられているため、ウォーク振動を検出し易い。
さらに、圧電薄膜60は、基部51とパッケージ30に挟まれているため、基部51が厚み方向に振動すると、基部51とパッケージ30に挟まれて押圧される。したがって、圧電薄膜60には高い電荷が発生し、回転角速度を容易に測定できる。
しかも、圧電薄膜60は、一対の振動腕35,36のそれぞれの付け根付近に配置されているため、図5に示すように、一方の圧電薄膜60aが押圧された時は、他方の圧電薄膜60bは引っ張られた状態になり、また、一方の圧電薄膜60aが引っ張られた時は、他方の圧電薄膜60bは押圧された状態となる。したがって、いずれか一方の圧電薄膜が正の電荷の時は、他方の圧電薄膜は負の電荷となり、圧電薄膜60を基部51に設けるための電極20aと電極20cとを基部51上で配線すれば、回転角速度に比例した電荷を検出信号として半導体チップ40に出力することができる。すなわち、図5の電気信号の流れを表す点線のように、基部51の表面に設けられた電極20aと電極20cとを一体的に形成して、図5の左右それぞれの電極パターン28から検出した電荷を信号として半導体チップ40に出力すればよい。このため、図5の電極20aと電極20dとを接続するような困難な配線をしなくてもよく、配線パターンの形成が容易となる。
なお、本実施形態では、角速度センサ素子32の基部51側に圧電薄膜60と検出用電極20とからなる積層体を接続するようにしたが、圧電薄膜60は、基部51とパッケージ30に挟まれるようにして配置されていればよい。したがって、例えば、図7に示すように、圧電薄膜60と検出用電極20とからなる積層体をパッケージ30側に接続し、検出用電極20と基部51との間に、導電性部材64を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、角速度センサ素子32が接合される被接合体はパッケージ30であるが、これに限られず、被接合体は半導体チップ40或いはその他の部品等であっても勿論よい。
図8および図9は、本発明の上述した実施形態の変形例に係る角速度センサ12であって、図8は角速度センサ12に用いられる角速度センサ素子32の基部51付近の裏面の概略拡大平面図、図9は角速度センサ12を図8のD−D線の位置で切断した場合の概略切断断面図である。
これらの図において、上述した角速度センサ10の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
この角速度センサ12が図1ないし図7の角速度センサ10と異なるのは、圧電薄膜60および検出用電極20からなる積層体についてである。
なお、図8及び図9の角速度センサ素子32の中心線CLを中心にして左右それぞれの圧電薄膜60および検出用電極20からなる積層体は、同様の構成であるから、以下、図8及び図9の左側の積層体についてのみ説明する。
すなわち、角速度センサ12において、一方の圧電薄膜60aは、検出用電極20を構成する第1の電極20aおよび第2の電極20bに挟まれて積層体を構成するようになっている。
そして、第1の電極20aまたは第2の電極20bのいずれか一方は、露出しないように絶縁膜70で覆われている。
具体的には、図9の上から第1の電極20a、圧電薄膜60a、及び第2の電極20bの順に積層された積層体の側面全体に絶縁膜70が付着している。そして、本変形例の積層体は、第1の電極20aの上面が基部51に接合されるようになっているため、この積層体を導電性部材64でパッケージ30に接続する前に内部空間Sに露出するのは、第2の電極20bの下面のみとなっている。
なお、絶縁膜70は、例えば、シリコン酸化膜から形成されている。
本発明の実施形態の変形例に係る角速度センサ12は以上のように構成されており、圧電薄膜60aは第1および第2の電極20a,20bの間に挟まれているため、第1の電極20aと第2の電極20bとが圧電薄膜60a以外の導電材料で電気的に接続されてしまうと、電位差がなくなって信号が取り出せなくなってしまう。ところが、角速度センサ12は、第1の電極20aまたは第2の電極20bのいずれか一方が、露出しないように絶縁膜70で覆われているため、導電性部材64を介して第1の電極20aと第2の電極20bとが短絡することを有効に防止できる。
本発明は上述の実施形態に限定されない。実施形態や各変形例の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略し、図示しない他の構成と組み合わせることができる。
本発明の実施形態に係る角速度センサの概略平面図。 図1のA−A線概略切断断面図。 本発明の実施形態に係る角速度センサに用いられる角速度センサ素子の概略斜視図。 図3のB−B線切断端面図。 本発明の実施形態に係る角速度センサを図3のC−C線の位置で切断した場合の概略端面図。 本発明の角速度センサ素子の回転を受けた振動状態を表す図。 圧電薄膜と検出用電極とからなる積層体をパッケージ側に接続した図。 本発明の実施形態の変形例に係る角速度センサに用いられる角速度センサ素子の基部付近の裏面の概略拡大平面図。 本発明の実施形態の変形例に係る角速度センサを図8のD−D線の位置で切断した場合の概略切断断面図。 従来の角速度センサ素子の斜視図。
符号の説明
10,12・・・角速度センサ、20,20a,20b,20c,20d・・・検出用電極、32・・・角速度センサ素子、33,34・・・励振電極、35,36・・・振動腕、51・・・基部、60,60a,60b・・・圧電薄膜

Claims (6)

  1. 一対の振動腕と、前記一対の振動腕を支持する基部とを備えた音叉型圧電振動片を備え
    前記一対の振動腕のそれぞれに励振電極が設けられており、
    前記基部の主面に前記音叉型圧電振動片よりも電気機械結合係数が高い圧電薄膜が設けられており、
    前記圧電薄膜に検出用電極が設けられており、
    コリオリ力を受けることで生ずる電荷を前記検出用電極により検出する
    ことを特徴とする角速度センサ素子。
  2. 前記圧電薄膜は、前記基部の前記振動腕の付け根付近に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の角速度センサ素子。
  3. 前記圧電薄膜は、前記一対の振動腕のそれぞれの付け根付近に配置されていることを特徴とする請求項に記載の角速度センサ素子。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の角速度センサ素子と、
    前記基部が接合される被接合体とを備え
    前記基部と前記被接合体に挟まれるようにして、前記圧電薄膜が配置されている
    ことを特徴とする角速度センサ。
  5. 前記圧電薄膜は、導電性部材を介在するようにして、前記基部と前記被接合体に挟まれていることを特徴とする請求項に記載の角速度センサ。
  6. 前記圧電薄膜は、前記検出用電極を構成する第1および第2の電極の間に挟まれるようになっており、
    前記第1の電極または第2の電極のいずれか一方は、露出しないように絶縁膜で覆われている
    ことを特徴とする請求項に記載の角速度センサ。
JP2006188922A 2006-07-10 2006-07-10 角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ Expired - Fee Related JP5040196B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006188922A JP5040196B2 (ja) 2006-07-10 2006-07-10 角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006188922A JP5040196B2 (ja) 2006-07-10 2006-07-10 角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008014894A JP2008014894A (ja) 2008-01-24
JP5040196B2 true JP5040196B2 (ja) 2012-10-03

Family

ID=39072038

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006188922A Expired - Fee Related JP5040196B2 (ja) 2006-07-10 2006-07-10 角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5040196B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102132128A (zh) * 2008-09-02 2011-07-20 株式会社村田制作所 音叉振荡器和其制造方法以及角速度传感器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09166446A (ja) * 1995-12-14 1997-06-24 Murata Mfg Co Ltd 振動ジャイロ
JP2004235599A (ja) * 2002-05-31 2004-08-19 Matsushita Electric Ind Co Ltd 圧電素子、インクジェットヘッド、角速度センサ及びこれらの製造方法、並びにインクジェット式記録装置
JP3534251B2 (ja) * 2002-08-08 2004-06-07 和廣 岡田 角速度センサ
JP2005009935A (ja) * 2003-06-17 2005-01-13 Tdk Corp 圧電センサ
JP4356479B2 (ja) * 2004-03-01 2009-11-04 パナソニック株式会社 角速度センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008014894A (ja) 2008-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6078968B2 (ja) 振動片の製造方法
JP5896114B2 (ja) 物理量検出デバイス、物理量検出器、および電子機器
US9093638B2 (en) Vibrating element, sensor unit and electronic apparatus
US8919200B2 (en) Physical quantity detection device, physical quantity detector, and electronic device
US8539833B2 (en) Physical amount detecting device
JP6136349B2 (ja) 電子デバイス、電子機器及び移動体
JP2013050321A (ja) 物理量検出器及び電子機器
WO1998019134A1 (fr) Gyroscope a vibrations
US8065914B2 (en) Vibration gyro
JP5970690B2 (ja) センサー素子、センサーユニット、電子機器及びセンサーユニットの製造方法
JP6572892B2 (ja) ジャイロセンサおよび電子機器
JP2008244244A (ja) 電気機械装置および電気・電子機器
JP5030135B2 (ja) 圧電単結晶振動子および圧電振動ジャイロ
JP6488667B2 (ja) 表面弾性波デバイス
JP5040196B2 (ja) 角速度センサ素子及びこれを利用した角速度センサ
JP6210345B2 (ja) ジャイロセンサー素子、ジャイロセンサーユニット、電子機器及びジャイロセンサーユニットの製造方法
JP5434712B2 (ja) 圧電振動片および圧電デバイス
JP2013234873A (ja) 振動片およびその製造方法並びにジャイロセンサーおよび電子機器および移動体
JP2007327758A (ja) 圧電単結晶振動子および圧電振動ジャイロ
JP4333474B2 (ja) 圧電振動子
JP2012167941A (ja) センサーデバイス、モーションセンサー、電子機器
JP2008003017A (ja) 圧電単結晶振動子および圧電振動ジャイロ
JP2007093400A (ja) 屈曲振動型圧電振動片、音叉型圧電振動子、および角速度検出センサ
JP5561377B2 (ja) 音片型圧電振動子及び音叉型圧電振動子
JP5954531B2 (ja) 物理量検出デバイス、物理量検出器、および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090611

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110729

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110729

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110811

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110819

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120612

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120625

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150720

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees