JP2008244244A - 電気機械装置および電気・電子機器 - Google Patents

電気機械装置および電気・電子機器 Download PDF

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昌也 長田
Atsuto Yasui
淳人 安井
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Abstract

【課題】支持基板と封止基板とで接合層を介して気密封止された電気機械素子を、長期間にわたって安定して動作させることができるように、電気機械装置の信頼性の向上を図ることを可能とする。
【解決手段】電気機械素子11が形成された第2基板(支持基板)200と、電気機械素子11に電気的に接続されていて第2基板200に形成された引き出し電極124と、電気機械素子11を覆うとともに電気機械素子11との間隔dを保って第2基板200に接合層250を介して接合された第3基板(封止基板)300と、引き出し電極124に接続されていて第3基板300内を通るように形成された配線310とを備え、接合層250は、電気機械素子11と第3基板300との間隔dを規定するとともに、第2基板200と第3基板300同士を接合してその間を気密封止することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、封止構造を必要とする電気機械素子を備えた電気機械装置および電気・電子機器に関する。
近年、センサやスイッチなどの機能素子を、三次元可動構造体としてシリコン(Si)チップ上などに実現するマイクロ電気機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)デバイスが注目されている。MEMSデバイスは、半導体装置の形成技術を応用して作製するため、既存の機能部品よりはるかに小型化および高性能化を実現できるものである。また、その製造工程が通常の半導体装置であるCMOSデバイスなどの製造工程との共通化が図れることから、大規模集積回路(LSI)部品と個別部品であるMEMSデバイスとの集積化が可能であり、半導体素子上への実装寸法を小さくできる他、消費電力を下げることができるなどの効果が期待されている。
このようなMEMSデバイスを実現して使用するには、デバイス作製技術の他、作製したデバイスを封止してデバイス装置とするためのパッケージング技術が重要な要素となる。
MEMSデバイスは、微細な駆動体が電気信号に応じて機械的な動作を行うことにより機能することから、駆動部の動作空間を確保しつつ、安定した環境を維持できるように封止することが必要である。
一方、MEMSデバイスを用いたデバイス装置と同じように、内部に封止するデバイスの駆動部について、機械的な動作空間を有するとともに安定した環境を維持できる封止構造を必要とするデバイス装置として、薄膜バルク振動子(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)、水晶振動子などの圧電デバイス、および表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタ素子などの表面弾性波デバイスを用いたデバイス装置があげられる。
FBARや水晶振動子などのような圧電デバイスおよびSAWフィルタ素子などの表面弾性波デバイスは、音響波の共振現象を利用しているため、音響波が伝搬するデバイスの機能する面を直接封止材料で覆うことができず、デバイスの機能面とこれを封止する封止材料との間に空間を確保する必要がある。
これらのMEMSデバイスや、FBAR、水晶振動子の圧電デバイスや、SAWフィルタなどの表面弾性波を用いたデバイス装置は、これまで、例えば、セラミックパッケージへの実装などで、必要な動作空間を確保することが行われてきた。
例えば、図30に示すように、セラミックパッケージを用いた水晶振動子のパッケージに関する技術がある。金属プレート901とセラミックのハウジング903に予め形成された金スズ(Au−Sn)合金層902とを接合する。たとえば金属プレート901はコバール材にニッケルメッキが施されてあり、ハウジング903に形成されている金スズ合金層902の下部にはコバールリング(図示せず)が配されている。これら金属プレート501とコバールリングとを金スズ合金層902でシーム溶接やレーザー溶接により、ハウジング903内を封止する(例えば、特許文献1参照。)。このような工程は、非常に複雑で、かつ製造コストが高いという問題がある。
また、封止形態として、セラミックパッケージを用いない方法も提案されている。例えば、ウエアレベルで封止する方法である。一例として、陽極接合やガラスフリット接合、接着接合などである。例えば、微小電子機械機構を形成した半導体基板と、この微小電子機械機構を気密封止するための絶縁基板とを枠部材を介して接合する手法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
このうち陽極接合とガラスフリット接合は400℃以上の高温での接合が必要とされる。MEMSデバイスにおいては、熱に非常に弱いものがあり、このような接合方法は適さないものも多い。また、接着接合は、接着剤に含まれている水分や外部環境からの水分の浸透によって完全な気密封止が不可能である。さらに、これらの接合において、MEMSからの電気信号を取り出す必要がある。電気信号の取り出し方には、MEMSに対向するウエハに貫通孔をあけて、電気的導通をとりながら配線を引き出す方法と、対向するウエハからその対向ウエハに予め形成された配線を表面から横向きに取り出す方法がある。
そのうち、貫通孔を用いた配線の引出し方法では、気密封止性を保持するために、貫通孔を完全にふさぐ必要があり、技術的に非常に複雑であり、また封止信頼性にも問題がある。また横向きに配線を引き出す方法においては、構造自体は簡便に作製することができるが、その構造上、気密封止が困難である。
さらに、電気機械素子(例えば、MEMSデバイス)を形成した電気機械装置では、近年、電気機械素子の応答精度の向上要求、長時間駆動などが行なわれることから、電気機械素子の低消費電力化、電力応答性の向上が求められてきている。また、電気機械素子で消費される電力が供給不足になり、電気機械素子が正常に駆動しないため、応答時間の増加による駆動応答性能の減少や、電気特性の変化、電気機械素子領域の破壊などが起こるという問題点がある。
この問題点を解決するために、大容量のチップコンデンサを電気機械素子の近傍に実装する手法が取られているが、実装面積が大きくなるという問題点もあった(例えば、特許文献1参照。)。
また、外部より伝播してきた高周波ノイズが配線の導電体を伝わって電気機械素子内に入り込むことで、電気機械素子の電気特性の変化や電気機械素子領域の破壊などを起こすことがある。また、配線の導電体を伝播する信号に含まれる高調波ノイズが電子部品の外部に放出されやすいものとなってきていることから、電子部品の外部の近傍位置にノイズ発生源があると、絶縁基板に形成された配線の導電体を伝播する信号に電磁波ノイズが入り込み、電気機械素子に伝播されて誤動作させる、もしくは電子部品の外部の近傍位置に電磁波ノイズに対して影響を受け易い電子機器があると、電子部品より放出された高周波ノイズが電子機器に悪影響を及ぼすという問題点があった(例えば、特許文献1参照。)。
また、この問題を解決するために、電気機械素子の近傍にチップインダクタを実装する手法、プリント基板に導体パターンを用いてチップインダクタを作製する手法等が取られているが、その結果、実装面積が大きくなるという問題点があった。
特開2005−212016号公報
解決しようとする問題点は、微小電子機械機構を形成した半導体基板と、この微小電子機械機構を気密封止するための絶縁基板とを枠部材を介して接合する手法では、微小電子機械機構と絶縁基板との間隔の規定するものがないので、電気機械素子と絶縁基板との接触による信頼性の低下をきたしていた点である。
本発明は、半導体基板の主面に形成された電気機械素子(微小電子機械機構)を容易かつ確実に封止することができるとともに、電気機械素子と絶縁基板との接触を回避できるようにして、長期間にわたって安定して動作させることができるようにする。
請求項1に係る本発明は、電気機械素子が形成された支持基板と、前記電気機械素子に電気的に接続されていて前記支持基板に形成された引き出し電極と、前記電気機械素子を覆うとともに前記電気機械素子との間隔を保って前記支持基板に接合層を介して接合された封止基板と、前記引き出し電極に接続されていて前記封止基板内を通るように形成された配線とを備え、前記接合層は、前記電気機械素子と前記封止基板との前記間隔を規定するとともに、前記支持基板と前記封止基板同士を接合してその間を気密封止することを特徴とする。
請求項1に係る本発明では、電気機械素子を覆うとともに電気機械素子との間隔を保って支持基板に封止基板を接合する接合層は、電気機械素子と封止基板との間隔を規定するものであるから、電気機械素子が駆動したときに絶縁基板との接触を回避できるようになっている。よって、電気機械装置は、長期間にわたって安定して動作させることができるようになる。
請求項14に係る本発明は、機械的な動作空間を有する電気機械装置を搭載した電子機器において、前記電気機械装置は、前記機械的な動作を有する電気機械素子が形成された支持基板と、前記電気機械素子に電気的に接続されていて前記支持基板に形成された引き出し電極と、前記電気機械素子を覆うとともに前記電気機械素子との間隔を保って前記支持基板に接合層を介して接合された封止基板と、前記引き出し電極に接続されていて前記封止基板内を通るように形成された配線とを備え、前記接合層は、前記電気機械素子と前記封止基板との前記間隔を規定するとともに、前記支持基板と前記封止基板同士を接合してその間を気密封止することを特徴とする。
請求項14に係る本発明では、本発明の電機機械装置を備えたことから、電気機械素子が駆動されても電気機械素子が気密封止する封止基板に接触することがない電気機械装置の提供が可能となる。
請求項1に係る本発明によれば、支持基板と封止基板とで接合層を介して気密封止された電気機械素子を、長期間にわたって安定して動作させることができるようになるので、電気機械装置の信頼性の向上を図ることができるという利点がある。
請求項14に係る本発明によれば、本発明の電機機械装置を備えたため、電気機械素子が駆動されても電気機械素子が気密封止する封止基板に接触することがないので、電気機械装置を搭載した電気・電子機器の信頼性の向上を図ることができるという利点がある。
請求項1に係る本発明の電気機械装置の一実施の形態(第1実施例)を、図1の概略構成断面図および図2に示した図1における電気機械装置の背面図によって説明する。
図1および図2に示すように、第2基板(支持基板)200には第1基板100上に形成された電気機械素子11が備えられている。上記第1基板100は、例えばシリコン基板で形成され、上記第2基板200は、例えば絶縁基板からなり、セラミックス基板、ガラス基板等で形成されている。または、上記第2基板200には、シリコン基板上に絶縁層を形成した基板を用いることもできる。上記第2基板200には、上記電気機械素子11に電気的に接続されている引き出し電極124が形成されている。この引き出し電極124には、後に説明する配線310に接続する電極パッド(もしくはバンプ、以下電極パッドとして説明する)322が配置されている。
また、上記第2基板200には、上記電気機械素子11を覆うとともに上記電気機械素子11との間隔dを保って、接合層250を介して接合された第3基板(封止基板)300が形成されている。上記接合層250は、上記第2基板200と上記第3基板300の対抗する面に形成された金属膜251、252同士を接合させたものからなり、チップの最外周に配置されている。この接合層250は、上記電気機械素子11と上記第3基板300との上記間隔dを規定するとともに、上記第2基板200と上記第3基板300同士を接合してその間を気密封止している。これによって、上記電気機械素子11が第2基板200と第3基板300との間に気密封止される。上記間隔dは接合層250の厚さtにより規定されるので、接合層250の厚さを変えることで、上記電気機械素子11と上記第3基板300との間隔dを変えることができる。
このように第2基板200の周囲に金属膜251、252からなる接合層250を形成すると、第2基板200が例えばセラミックス基板で形成されている場合のように、シリコン基板からなる第1基板100との熱膨張差により第2基板200が反りを生じることがある。この反りは、電気機械素子11の振動子(図示せず)とそれぞれに対向した検出電極(図示せず)のギャップにバラつきを生じさせる懸念がある。この反りを防止するために、第2基板200の上記配線310の引き出し電極124とを接続する電極パッド322と接合層250との間にスリット240が形成されている。上記スリット240が形成されていることによって、金属膜251、252からなる接合層250で封止した際、熱膨張差によるひずみで第2基板200が反ったとしても、スリット240があるため、電気機械素子11への影響はなくなる。
上記引き出し電極124には、上記電極パッド322を介して上記第3基板300内を通るように形成された配線310の一端が接続され、その配線310の他端は、第3基板300の裏面(上記電気機械素子11とは反対側の面)に引き出され、電極パッド(もしくはバンプ、以下電極パッドとして説明する)312が形成されている。
さらに、上記第3基板300の上記電気機械素子11とは反対側の面には、溝314が形成されている。この溝314には、図示はしていないが、図示していない配線の端部が接続された電極パッド312の一部が形成されている。そして、上記溝314の内部には、上記電極パッド312に接続するように、上記電気機械素子11を駆動するための回路素子や受動素子等の素子21が配設されている。上記素子21の数は単数の場合もあり、また複数の場合もある。
次に、上記第1実施例の気密封止方法について説明する。
第3基板300を電気機械素子11を覆うような形状に加工する。第3基板300には、例えばセラミックス基板を用い、例えば50μm〜100μm厚のグリーンシートを積層して形成される。電気機械素子11が被覆される部分に凹部305を形成するように、くり貫いた加工をすれば、上記凹部305の形成は容易である。セラミック基板は、Siとの熱膨張係数を合わせた低温同時焼成セラミック(LTCC)が適当である。
上記第1実施例の電気機械装置1は、センサ信号を取り出すための配線がフレーム121の外側に取り出される構造を有している。すなわち、電気機械素子11自身は第2基板200と金属接合されているフレーム部121以外は、引き出し電極124を取り出す構造となっているため、取り出し穴が開いている。よって電気機械素子11自身での気密封止はできない。
第3基板300には、電気機械素子11と第3基板300との間隔dを制御する金属膜251を形成し、第2基板200のまわりを覆うように金属膜252で覆う。金属膜252は、Au−Snの共晶金属を用いる。Au−Snは約280℃で液状化し第2基板200の周りを隙間なく(気密性高く)埋めることができる。これにより、Au−Sn被覆により、電気機械素子11は第2基板200と第3基板300との間で完全に気密封止される。このようにすることで、金属膜251で間隔dを規定し、金属膜252で気密封止する。なお、金属膜251と金属膜252は逆にしてもよい。
上記説明においては、Au−Snを用いたが、Au単膜でも同様の効果が得られる。また、AuとTi、AuとCr、AuとNi、AuとCu、AuとPtとCr、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTiなどの積層膜でも同様である。さらにAg−Sn−Cuなどのはんだ材でも同様の効果がある。
また、上記第1実施例では、一つの電気機械素子11に対する封止形態を説明したが、本実施例では、ウエハ上に同様のパターンを複数個形成し、第3基板300もウエハで第2基板200に対して被せることができ、ウエハレベルの気密封止が可能である。もちろん、素子単体での封止ができることは言うまでもない。
すなわち、上記電気機械装置1は、ウエハレベルでMEMSデバイスまたは圧電デバイスまたは表面弾性波デバイス等の電気機械素子11を第1基板100に作製し、電気機械素子11の信号は、対向基板である第2基板200に対向する第3基板300に予め形成された配線310を通じて、第3基板300の表面から横方向もしくは表面から裏面に取り出す。そして電気機械素子11が形成されている第1基板100を覆うような構造を有する第3基板300を、その電気機械素子11が形成されている第2基板200に接合層250を介して封止する構造をとるものである。
このような構造を有することにより、特に、接合層250が上記電気機械素子11と上記第3基板300との上記間隔dを規定するとともに、上記第2基板200と上記第3基板300同士を接合してその間を気密封止している。また、第3基板300に形成された配線310によって、電気機械素子11が形成されている第1基板100と対向する第2基板200との配線取出しを簡便に行うことができる。また、予め、気密封止する前に電気機械素子11をウエハレベルで作りこむことができるので、良品チップの選定が容易にできる。
さらに、第3基板300に低温同時焼成基板(LTCC)基板を用いることにより、電気機械素子11を形成している第2基板200との熱膨張係数を同等レベルに合わせることができるため、第2基板200の反りを低減化することが可能となり、電気機械素子11の特性のばらつきの抑制ができる。
また、気密封止されていない電気機械素子11に対して、第3基板300を被せて、金属膜251、252で第2基板200と第3基板300の周りを接合することにより、Siやガラスに対して複雑な貫通孔配線を用いることなく、容易に気密封止素子を実現できる。よって、従来のセラミックパッケージを用いないため、セラミックパッケージで封止するよりも、パッケージコストを削減でき、かつ小型でかつ低背な電気機械装置1の形成が可能となる。
また、第1基板100と、第1基板100の表面に形成された電気機械素子11とその電気機械素子11に電気的に接続された各電極等が形成されている微小機械部品領域を、チップレベルないしは、ウエハレベルで形成する際、電気機械素子11が形成されている面、もしくは上記微小機械部品が形成されている上記第3基板300の面とは反対側の面に対して、該微小機械部品を動作させるための、少なくともひとつの回路素子もしくは受動素子等の素子21、もしくは上記素子21を複数個形成し、それらの素子21が、第3基板300内の配線310により、第3基板300内部を通して上記各電極等と接続することで、電気機械素子11の機密封止が可能となっている。すなわち、電気機械素子11を機密封止するとともに、一つの電気機械装置1に複数の回路素子、受動素子等の素子21を搭載することが可能になる。
さらに第3基板300を接合する前に、引き出し電極124がウエハレベルで形成されているため、ウエハテストによる良品選定が可能となり、素子選別が飛躍的に早く行うことができる。
次に、本発明の電気機械装置の一実施の形態(第2実施例)を、図3の概略構成断面図および図4に示した図3における電気機械装置2の背面図によって説明する。
図1および図2に示すように、第2基板(支持基板)200には第1基板100上に形成された電気機械素子11が備えられている。上記第1基板100は、例えばシリコン基板で形成され、上記第2基板200は、例えば絶縁基板からなり、セラミックス基板、ガラス基板等で形成されている。または、上記第2基板200には、シリコン基板上に絶縁層を形成した基板を用いることもできる。上記第2基板200には、上記電気機械素子11に電気的に接続されている引き出し電極124が形成されている。この引き出し電極124には、後に説明する配線310に接続する電極パッド(もしくはバンプ、以下電極パッドとして説明する)322が配置されている。
また、上記第2基板200には、上記電気機械素子11を覆うとともに上記電気機械素子11との間隔dを保って、接合層250を介して接合された第3基板(封止基板)300が形成されている。上記接合層250は、電気機械素子11と第3基板300との間隔を規定する間隔制御層260と、第2基板200と第3基板300同士を気密封止する封止接合層とからなり、上記間隔制御層260は、上記第2基板200と上記第3基板300の対抗する面に形成された金属膜261、262同士を接合させた固相接合層からなる。また上記封止接合層270は、上記第2基板200と上記第3基板300の対抗する面に形成されたはんだ層271、272同士を接合させたはんだ接合からなる。また固相接合ははんだ接合より低い温度で接合されている。
上記接合層250は、固相接合からなる間隔制御層260よりはんだ接合からなる封止接合層270のほうが外側に形成されている。このように、気密性の高いはんだ接合層が外側にあることで、機密性がより高められる。
上記接合層250の間隔制御層260は、上記電気機械素子11と上記第3基板300との上記間隔dを規定するとともに、上記接合層250の気密封止層270は、上記第2基板200と上記第3基板300同士を接合してその間を気密封止している。これによって、上記電気機械素子11が第2基板200と第3基板300との間に気密封止される。上記間隔dは接合層250の厚さtにより規定されるので、間隔制御層260の厚さを変えることで、上記電気機械素子11と上記第3基板300との間隔dを変えることができる。また、気密封止層270を間隔制御層260より軟らかいはんだ層で、かつ気密封止層270を間隔制御層260より厚く形成することで、第2基板200と第3基板300とに圧力をかけて接合する際に、間隔制御層260で間隔dを規定し、気密封止層270で気密封止が容易に行えるようになっている。
また、このように第2基板200の周囲に金属膜251、252からなる接合層250を形成すると、第2基板200が例えばセラミックス基板で形成されている場合のように、シリコン基板からなる第1基板100との熱膨張差により第2基板200が反りを生じることがある。この反りは、電気機械素子11の振動子(図示せず)とそれぞれに対向した検出電極(図示せず)のギャップにバラつきを生じさせる懸念がある。この反りを防止するために、第2基板200の上記配線310の引き出し電極124とを接続する電極パッド322と接合層250との間にスリット240が形成されている。上記スリット240が形成されていることによって、金属膜251、252からなる接合層250で封止した際、熱膨張差によるひずみで第2基板200が反ったとしても、スリット240があるため、電気機械素子11への影響はなくなる。
上記引き出し電極124には、上記電極パッド322を介して上記第3基板300内を通るように形成された配線310の一端が接続され、その配線310の他端は、第3基板300の裏面(上記電気機械素子11とは反対側の面)に引き出され、電極パッド(もしくはバンプ、以下電極パッドとして説明する)312が形成されている。
さらに、上記第3基板300の上記電気機械素子11とは反対側の面には、溝314が形成されている。この溝314には、図示していない配線の端部が接続された電極パッド312の一部が形成されている。そして、上記溝314の内部には、上記電極パッド312に接続するように、上記電気機械素子11を駆動するための回路そしや受動素子等の素子21が配設されている。上記素子21の数は単数の場合もあり、また複数の場合もある。
次に、上記第2実施例の気密封止方法について説明する。
第3基板300は電気機械素子11を覆うような形状に加工される。第3基板300には、例えばセラミックス基板を用い、例えば50μm〜100μm厚のグリーンシートを積層して形成される、電気機械素子11が被覆される部分に凹部305を形成するように、くり貫いた加工をすれば、上記凹部305の形成は容易である。セラミック基板は、Siとの熱膨張係数を合わせた低温同時焼成セラミック(LTCC)が適当である。
上記第1実施例の電気機械装置1は、センサ信号を取り出すための配線がフレーム121の外側に取り出される構造を有している。すなわち、電気機械素子11自身は第2基板200と金属接合されているフレーム部121以外は、引き出し電極124を取り出す構造となっているため、取り出し穴が開いている。よって電気機械素子11自身での気密封止はできない。
第3基板300と第2基板200の周囲には、電気機械素子11と第3基板300との間隔dを制御する金属膜261、262と、気密封止層270のはんだ層271、272を形成する。はんだ層271、272は、Au−Snの共晶金属を用いる。Au−Snは約280℃で液状化し基板200の周りを隙間なく埋めることができる。
上記説明においては、Au−Snを用いたが、Au単膜でも同様の効果が得られる。また、AuとTi、AuとCr、AuとNi、AuとCu、AuとPtとCr、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTiなどの積層膜でも同様である。さらにAg−Sn−Cuなどのはんだ材でも同様の効果がある。
金属膜261、262は、Au単膜を用いる。また、AuとTi、AuとCr、AuとNi、AuとCu、AuとPtとCr、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTiなどの積層膜でも同様である。また、Cu単膜、Al単膜、Cu、Alを表面とする積層膜も同様である。このように、金属膜261、262は、Au、またはAuを含む化合物、または少なくともAuを含む積層膜を用いることができる。また、金属膜261、262は、Cu、またはCuを含む化合物、または少なくともCuを含む積層膜を用いることができる。
上記Au−Snにより、第2基板200と第3基板300との間に電気機械素子11は完全に気密封止される。基板同士の接合は加圧しながら、はんだ層271、272が溶融する温度をかけて接合を行う。このとき同時に金属膜261、262同士も接合するように加熱・加圧処理を行う。また、金属膜261、262は低温・低荷重で接合するために、表面活性化処理を行った後、接合を行ってもよい。
上記金属膜261、262は表面活性化処理を行うことで、200℃以下で接合する。また、上記はんだ層271、272は溶融する200℃以上のリフロー処理で接合を行う。
また、上記第1実施例では、一つの電気機械素子11に対する封止形態を説明したが、本実施例では、ウエハ上に同様のパターンを複数個形成し、第3基板300もウエハで第2基板200に対して被せることができ、ウエハレベルの気密封止が可能である。もちろん、素子単体での封止ができることは言うまでもない。
すなわち、上記電気機械装置2は、ウエハレベルでMEMSデバイスまたは圧電デバイスまたは表面弾性波デバイス等の電気機械素子11を第1基板100に作製し、電気機械素子11の信号は、対向基板である第2基板200に対向する第3基板300に予め形成された配線310を通じて、第3基板300の表面から横方向もしくは表面から裏面に取り出す。そして電気機械素子11が形成されている第1基板100を覆うような構造を有する第3基板300を、その電気機械素子11が形成されている第2基板200に接合層250を介して封止する構造をとるものである。
このような構造を有することにより、特に、接合層250が金属膜261,262による間隔制御層260で上記電気機械素子11と上記第3基板300との上記間隔dを規定するとともに、半田層271、272の気密封止層で上記第2基板200と上記第3基板300同士を接合してその間の気密封止を保持することができる。また、第3基板300に形成された配線310によって、電気機械素子11が形成されている第1基板100と対向する第2基板200との配線取出しが簡便に行うことができる。また、予め、気密封止する前に電気機械素子11をウエハレベルで作りこむことができるので、良品チップの選定が容易にできる。
さらに、第3基板300に低温同時焼成基板(LTCC)基板を用いることにより、電気機械素子11を形成している第2基板200との熱膨張係数を同等レベルに合わせることができるため、第2基板200の反りを低減化することが可能となり、電気機械素子11の特性のばらつきの抑制ができる。
また、気密封止されていない電気機械素子11に対して、第3基板300を被せて、金属膜251、252で第2基板200と第3基板300の周りを接合することにより、Siやガラスに対して複雑な貫通孔配線を用いることなく、容易に気密封止素子を実現できる。よって、従来のセラミックパッケージを用いないため、セラミックパッケージで封止するよりも、パッケージコストを削減でき、かつ小型でかつ低背な電気機械装置1の形成が可能となる。
また、第1基板100と、第1基板100の表面に形成された電気機械素子11とその電気機械素子11に電気的に接続された各電極等が形成されている微小機械部品領域を、チップレベルないしは、ウエハレベルで形成する際、電気機械素子11が形成されている面、もしくは上記微小機械部品が形成されている上記第3基板300の面とは反対側の面に対して、該微小機械部品を動作させるための、少なくともひとつの回路素子もしくは受動素子等の素子21、もしくは上記素子21を複数個形成し、それらの素子21が、第3基板300内の配線310により、第3基板300内部を通して上記各電極等と接続することで、電気機械素子11の機密封止が可能となっている。すなわち、電気機械素子11を機密封止するとともに、一つの電気機械装置1に複数の回路素子、受動素子等の素子21を搭載することが可能になる。
さらに第3基板300を接合する前に、引き出し電極124がウエハレベルで形成されているため、ウエハテストによる良品選定が可能となり、素子選別が飛躍的に早く行うことができる。
また、有機基板への2次実装においても、リフロー温度で半田接合の気密封止層270が溶融しても、金属の固相接合の間隔制御層260が変化しないため、上記間隔dは一定に保たれる。また、間隔制御層260がはんだに対してダムのような構造となり、気密封止も保持することが可能となる。
次に、本発明の電気機械装置の一実施の形態(第3実施例)を、図5の概略構成断面図および図6に示した図5における電気機械装置3の背面図および図7に示した図5における電気機械装置3の第2基板の概略レイアウト図によって説明する。
図5〜図7に示すように、第3実施例の電気機械装置3は、前記第2実施例において、第2基板200に第3基板300の機能を持たせたものであり、シリコンからなる第1基板100に形成された電気機械素子11を気密封止するように、第1基板100のフレーム部121と第2基板200の最外周に接合層250を形成したものである。よって、前記第1、第2実施例のように、引き出し電極(図示せず)がフレーム部121の外側に引き出されないので、第1基板100とフレーム部121と接合層250と第2基板200とで、電気機械素子11を気密封止できる。したがって、この場合、第2基板200が封止基板となり、第1基板100が支持基板となっている。
また、第2基板200に前記第2実施例で説明した配線310、電極パッド312、322等が形成されている。また第2基板200の裏面側に溝305が形成され、その溝305内電極パッド322の一部を介して回路素子、受動素子等の素子21が接続、配置されている。また上記接合層250の構成は、前記第2実施例と同様である。
上記接合層250は、電気機械素子11と第2基板200との間隔を規定する間隔制御層260と、第1基板100のシリコン層からなるフレーム部121と第2基板200同士を気密封止する封止接合層270とからなり、上記間隔制御層260は、シリコン層からなるフレーム部121と第2基板200の対抗する面に形成された金属膜261、262同士を接合させた固相接合層からなる。また上記封止接合層270は、シリコン層からなるフレーム部121と第2基板200の対抗する面に形成されたはんだ層271、272同士を接合させたはんだ接合からなる。また固相接合ははんだ接合より低い温度で接合されている。
上記接合層250は、固相接合からなる間隔制御層260よりはんだ接合からなる封止接合層270のほうが外側に形成されている。このように、気密性の高いはんだ接合層が外側にあることで、機密性がより高められる。
上記接合層250の間隔制御層260は、上記電気機械素子11と上記第2基板200との上記間隔dを規定するとともに、上記接合層250の気密封止層270は、上記第2基板200と上記第2基板200同士を接合してその間を気密封止している。これによって、上記電気機械素子11が第1基板100と第2基板200との間に気密封止される。上記間隔dは接合層250の厚さtにより規定されるので、間隔制御層260の厚さを変えることで、上記電気機械素子11と上記第3基板300との間隔dを変えることができる。また、気密封止層270を間隔制御層260より軟らかいはんだ層で、かつ気密封止層270を間隔制御層260より厚く形成することで、第1基板100と第2基板200とに圧力をかけて接合する際に、間隔制御層260で間隔dを規定し、気密封止層270で気密封止が容易に行えるようになっている。
次に、本発明の電気機械装置の一実施の形態(第4実施例)を、図8の概略構成断面図によって説明する。
図8に示すように、第4実施例の電気機械装置4は、前記第2実施例において、第3基板300に形成した凹部305を、第3基板300の電気機械素子11に対向する面に形成したもので、第2実施例で説明した回路素子や受動素子等の素子21が上記凹部305に形成されているものである。そして、配線310に接続される電極パッド322の一部は凹部305内に形成されている。
このように形成することで、上記第2実施例で得られる効果とともに、素子21も気密封止できるので、素子の信頼性の確保が可能になるという利点がある。
次に、本発明の電気機械装置の一実施の形態(第5実施例)を、図9の概略構成断面図によって説明する。
図9に示すように、第5実施例の電気機械装置5は、前記第2実施例において、第3基板300に形成した凹部305を形成せず、第2実施例で説明した回路素子や受動素子等の素子21を第2基板200に形成したものである。そして、素子21に接続する配線(図示せず)は、第2基板200に形成される電気機械素子11の電極210と同一層で形成されている。なお、図示していないが、素子21と配線との接続は、バンプもしくは電極パッドを介して行う。
このように形成することで、素子21も気密封止できるので、素子の信頼性の確保が可能になるという利点がある。
次に、前記図1、図2等によって説明した電気機械素子11について、詳細を図10の平面レイアウト図、図11に示した図10中のA−A’線断面図、図12に示した図10中のB−B’線断面図、図13に示した図10中のC−C’線断面図、図14の第2基板の平面レイアウト図、図15の電極の要部レイアウト図によって説明する。図11〜図16では、電気機械素子の一例として、慣性センサである角速度センサの一例を示した。
図11〜図14に示すように、慣性センサ1は、第1振動子101−1と第2振動子101−2を並行に備えている。例えば、第1振動子101−1を駆動側振動子とし、第2振動子101−2を励振側振動子とする。この第1振動子101−1、第2振動子101−2はともに矩形の薄膜からなり、一例としてシリコンで形成されている。
上記第1振動子101−1と第2振動子101−2とは、互いに向かい合う側の角部が弾性支持体102−5、102−6とによって接続されている。この弾性支持体102−5、102−6は、各中央部でそれぞれが支持部103−5、103−6に支持固定されている。また、第1振動子101−1の第2振動子101−2とは反対側の角部分は、弾性支持体102−1、102−2の一端側によって支持されている。また弾性支持体102−1、102−2の他端側は、それぞれ支持部103−1、103−2に支持固定されている。また、第2振動子101−2の第1振動子101−1とは反対側の角部分は、弾性支持体102−3、102−4の一端側によって支持されている。また弾性支持体102−3、102−4の他端側は、それぞれ支持部103−3、103−4に支持固定されている。上記弾性支持体102−1〜6は、それぞれが例えば板バネで構成され、例えばシリコンからなる。上記支持部103−1〜6は、それぞれ第1基板100上に形成されている。したがって、第1振動子101−1および第2振動子101−2は弾性支持体102−1〜6によって支持されていて、第1基板100に対して完全に浮動状態に配置されている。
ここで、図15を参照して電極の要部を説明する。上記支持部103−1から弾性支持体102−1、第1振動子101−1、弾性支持体102−2を通り支持部103−2に至るもので、この第1振動子101−1を電磁駆動させるための電極108−1が絶縁膜107を介して配設されている。同様に、上記支持部103−3から弾性支持体102−3、第1振動子101−2、弾性支持体102−4を通り支持部103−4に至るもので、電磁駆動で振動子が動作したときに発生する誘導起電力を検出するためのモニタ電極となる電極108−2が絶縁膜107を介して配設されている。また、シリコンからなる支持部103−5(図1に示した103-6も含む)に直接接続させる電極108−3が、絶縁膜107を介して弾性支持体102−5、102−6および第1、第2振動子101−1、101−2上に形成されている。
また、前記図11〜図14に戻って、上記第1基板100上には、フレーム部121を介して第2基板(支持基板)200が形成されている。この第2基板200は、例えばガラス基板で形成されている。この第2基板200の上記第1基板100と対向する面の上記第1振動子101−1に対向する位置には、検出電極210−1が形成され、第2振動子101−2に対向する位置には、検出電極210−2が形成されている。よって、上記検出電極210−1は電極108−1に対向しており、検出電極210−2は電極108−2に対向して形成されている。
さらに、上記第2基板200には、上記支持部103−1、103−2上の電極108−1に接続するもので、電極108−1を外部に引き出すための引き出し電極124−1、124−2がコンタクト部125−1、125−2を介して形成され、上記支持部103−3、103−4上の電極108−2に接続するもので、電極108−2を外部に引き出すための引き出し電極124−3、124−4がコンタクト部125−3、125−4を介して形成されている。同様に、電極108−3を外部に引き出すための引き出し電極124−5、124−6がコンタクト部125−5、125−6を介して形成されている。
また、上記検出電極210−1および210−2に接続された引き出し電極211−1および211−2も同様、フレーム部121の外側に引き出される。その際、フレーム部121および第2基板200を接合させる。第1基板100と第2基板200とを接合させる際、重要なことは、第1振動子101−1、第2振動子101−2や弾性支持体102−1〜102−6が強い静電力で引き寄せられないことである。かつ、電気機械素子11と第2基板200を所望のギャップを持ってウエハ全面で接合される必要がある。陽極接合においては、Siとガラスが直接接合されるため、そのギャップ制御性は良好である。しかしながら、陽極接合時に印加される電圧により振動子や弾性支持体が強い静電引力で引き寄せられるため、第1振動子101−1、第2振動子101−2や弾性支持体102−1〜102−6が第2基板200側に貼りついて取れなくなる可能性がある。また弾性支持体や振動子の一部が張り付くことにより、本来中空で平行に保持されるべき電気機械素子(振動子および弾性支持体を含む)11が傾く懸念がある。
本実施例では、フレーム部121およびそのフレーム部121直上の第2基板200にそれぞれ金属膜151および金属膜152を形成し、接合させる際、ある一定荷重を印加させることで、第1振動子101−1、第2振動子101−2とそれぞれに対向した検出電極210−1および検出電極210−2との間隔(ギャップ)を制御し、かつ良好な接合性を得ることができる。金属膜151および金属膜152は、Au薄膜を用いる。Au薄膜の膜厚は、50nm〜1000nmであればどの膜厚でも良い。50nm以下の場合は、面内均一に成膜することが困難であり、接合強度にむらが出る。また1000nm以上は、成膜に時間がかかるため、材料コスト、タクト短縮化を考えた場合、不必要である。また、Auは単膜とは限らず、AuとTi、AuとCr、AuとNi、AuとCu、AuとPtとCr、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTiなどの積層膜を用いてもよい。またAuとSnの共晶金属などを用いてもよい。
また、第2基板200の上記振動子101−1,101−2が形成されている側とは反対側の面には磁石400が設けられている。なお、磁石400は、第1基板100の裏面側(振動子とは反対側の面)に形成することもできる。
以下に、上記電気機械素子11である慣性センサの動作原理を説明する。
駆動側の振動子(第1振動子101−1)上の電極108−1に対してある周期を持った電流が流れる。電流は周期性を持っているので、別の時点では、流れる方向が逆になることもある。電極に電流が流れると、第2基板200の上部に配された磁石400からの磁界により、ローレンツ力がX方向に発生する。
ローレンツ力Florentzは、電極に流れる電流をI、磁束密度をB、電極配線の長さをLとすると、Florentz=IBLなる式で表され、配線に直交する方向にその力が誘起される。このローレンツ力は印加される電流と同じ周期性をもって振動子に印加され、駆動側の第1振動子101−1は、弾性支持体102−1、102−2に接続されている支持部103−1、103−2を固定点とし、周期的に運動を繰り返す。
振動モード周波数を適切に選択することにより、もう一方の第2振動子101−2は弾性支持体102−3、102−4に接続されている支持部103−3、103−4を固定点とし、ある位相ずれを持ちながら運動を繰り返す。その際、外部からY軸まわりに角速度が与えられると、振動方向に直交した方向にコリオリ力が発生する。コリオリ力Florentzは、振動子の質量をm、駆動方向の振動速度をv、外部から印加される角速度をΩとすると、Florentz=2mvΩなる式で表される。
コリオリ力で発生した変位を大きく取るためには、質量m、駆動角振動数ωx、駆動変位xmを大きく取る必要がある。また電磁駆動の場合、静電駆動で必要な櫛歯電極を必要としないため、大きな変位を取ることが可能となる。
コリオリ力が発生すると振動子101がZ軸方向に振動する。その際、第1、第2振動子101−1,101−2の上部にそれぞれ検出電極210−1、210−2が配置されていることで電極間に容量の変化が現れる。ここで、電圧印加の周波数はコントロールされており、第1、第2振動子101−1,101−2は逆位相でX方向に駆動している。このため、Z方向に対しては、一方の振動子(例えば第1振動子101−1)は検出電極210−1に近づく方向に変位し、もう一方の振動子(例えば第2振動子101−2)は検出電極210−2に遠ざかる方向に振動子が変位する。その容量差分を検出することで、印加される角速度を算出する。すなわち、上記第1角速度センサ1は、X軸に駆動し、Y軸周りの角速度をZ軸方向の容量変化として検出する。なお、第1、第2振動子101−1,101−2は逆位相で振動するので、上記の逆の場合もある。
角速度が印加されたときにはそれぞれの検出電極210と振動子101間に発生する容量変化量が異なるが、加速度が印加された際には、理想的には発生する容量変化量は異ならないため、差分を取っても容量差が生じない。よって、加速度成分を除去できる構造となっている。
上記加速度成分を除去できることについて説明する。初期容量をCとして、検出電極210−1と第1振動子101−1との間に生じる容量をC1、検出電極210−2と第2振動子101−2との間に生じる容量をC2として、定常状態では、C1=C2=Cとなるので、容量差分C1−C2=0となり、容量差は生じていない。
次に、角速度が印加された場合には、C1>C、C2<C(もしくは駆動方向によってはC1<C、C2>C)となるので、容量差分|C1−C2|>0となり、容量差が生じる。
次に、加速度が印加された場合には、C1>C、C2>C(もしくは加速度の印加方向によってはC1<C、C2<C)となり、かつC1=C2であるので、容量差分|C1−C2|=0となり、容量差が生じない。したがって、加速度成分は除去されることになる。
また、容量変化を読み取る際、第2基板200側の検出電極210と振動子101間に搬送波(+Vsinωt、−Vsinωt)を乗せ、容量変化(C1−C2)により発生した電荷を増幅器により増幅することにより実際の信号を取り出す。搬送波(+Vsinωt、−Vsinωt)は搬送波同期検波により除去され、また駆動波に関しては、駆動同期検波によって、駆動信号そのもの、もしくは誘導起電圧などの駆動モニタ手段の周期成分で検波することにより、角速度に対応した直流信号を取り出す。
次に、電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を、図16〜図23の製造工程断面図によって説明する。図16〜図23では、前記図10のA−A’線にそって表記している。
図16(1)に示すように、振動子、弾性支持体等を形成するための第1基板100を用意する。この第1基板100は、シリコン層131とシリコン層133との間に酸化シリコン層132を挟み込んだSOI(Silicon on Insulator)基板を用いる。また、第1基板100の下面に、次ぎの工程でアライメントマークを形成する際のマスクとなるマスク層141を形成する。
まず、図16(2)に示すように、上記マスク層141をエッチングマスクに用いて、シリコン層131に、後に説明する第1、第2基板とのアライメントを行うためのアライメントマークおよびダイシングライン134を形成する。これは、後に説明する第1基板と第2基板との陽極接合時のアライメントおよび電気機械素子11を切り出す際のマークとなるものである。
次に、図16(3)に示すように、上部のシリコン層133を所望の膜厚となるよう基板全面にエッチングを施す。エッチング方法はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチでよく、または化学的、物理的ドライエッチでも良い。また、所望の膜厚が予めわかっているならば、そのようなSOI基板を用意しても良い。
次に、図17(4)に示すように、金属接合のフレーム形成のため、シリコン層133のエッチングを行い、凹部135を形成する。エッチング方法はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いたウエットエッチや化学的、物理的ドライエッチでも良い。このエッチングにおいて、振動子の膜厚および弾性支持体の膜厚が決定される。また後に述べる第2基板(検出基板)との間隔(ギャップ)を決める工程であり、そのエッチング深さでセンサ感度が決定する。本実施例においては、1μmのエッチングを行ったが、感度に合わせて0.2〜10μmの掘り込みを行っても良い。
次に、図17(5)に示すように、振動子を形成する領域上の一部および弾性支持体を形成する領域上に絶縁層107を形成する。絶縁層107は、次に形成する電極とシリコン層133との絶縁性を保持できるものであれば何でも良い酸化シリコン(SiO2)や窒化シリコン(SiN)など後で形成する。
次に、図17(6)に示すように、絶縁層107上にローレンツ印加のための配線108−1および誘導起電力検出のための配線108−2および電極108−3を形成する。上記各配線の形成は、例えば電子ビーム蒸着により行った。本実施例においては、リフトオフ法により配線を形成したが、配線のエッチングをウエットエッチングやドライエッチングによって行っても良い。また本実施例においては、配線材料として、金、白金、クロムの3層金属材料を用いたが、金、白金、チタンの3層金属材料、金、クロムや白金、クロムまたは、金、チタンや白金、チタンなどの2層金属材料や、チタンの代わりに、窒化チタンとチタンとの積層材料を用いても良い。また、クロムやチタンの代わりに銅を用いても良い。また形成方法はスパッタ法やCVD法を用いても良い。
次に図18(7)に示すように、フレーム部121上に接合を行うための金属膜151を形成する。金属薄膜151は電子ビーム蒸着により金(Au)を膜厚200nm、チタン(Ti)を膜厚50nmに形成した。上記金薄膜の膜厚は、50〜1000nmであればどの膜厚でも良い。本実施例においては、リフトオフ法により配線を形成したが、配線のエッチングをウエットエッチングやドライエッチングによって行っても良い。また本実施例においては、配線材料として、本実施例では、配線材料として、金(Au)とチタン(Ti)との積層膜を用いたが、AuとCr、AuとNi、AuとCuなどの二層金属材料、AuとPtとCr、AuとPtとTi、AuとNiとCr、AuとNiとTi、AuとCuとCr、AuとCuとTiなどの三層金属材料を用いてもよい。またAuとSnの共晶金属などを用いてもよい。また形成方法はスパッタ法やCVD法を用いても良い。また、今回はSi上に金属膜を直接形成したが、SiO2やSiNをフレーム部121上に形成した後、金属膜151を形成してもよい。
次に、図18(8)に示すように、エッチング技術として、例えば反応性イオンエッチングを用いてシリコン層133を加工して、振動子101、弾性支持体102、陽極接合のためのフレーム部121を形成する。
次に、図19(9)に示すように、ウエハ裏面を反応性イオンエッチングによってSi層131およびその上部の絶縁層132を除去加工する。その際、支持部103−1および103−bの下部SiO2122及びフレーム部となる上部Si121の下部SiO2122は一部残して、下部Si123と接続させる。ほかの部分は中空構造となる。これにより振動子部101−a、101−b及びバネ部102−a,102−a’,102−b,102−b’,102−c,102−c’が形成される。また、103−a、103−a’、103−b、103−b’は、下部SiO2122をとおして下部Si123に固定される。
最後に、図19(9)に示すように、不必要な部分、例えば振動子101や弾性支持体102(一部のみ図示)の下部の絶縁層132部をエッチングにより除去する。その際、支持部103(一部のみ図示)となるシリコン層133下部の絶縁層132およびフレーム部121となるシリコン層133の下部の絶縁層132は一部残して、シリコン層131と接続させる。ほかの部分は中空構造となる。これにより振動子101、弾性支持体102、支持部103等が形成される。
次に第2基板200側の作製方法を以下に説明する。
図20(1)に示すように、第2基板200の電極形成側に絶縁膜202を形成する。この絶縁膜202は、例えば酸化シリコンで形成する。この第2基板202に電極層204を電子ビーム蒸着により形成する。例えば膜厚50nmTi膜上に膜厚200nmのAu膜を形成した。上記に示したように、Au膜の膜厚は、50nm〜1000nmであれば良い。本実施例では、第2基板200にシリコン基板を用いたが、ガラス基板でも問題ない。その場合は、絶縁膜202は不要である。本実施例では、配線材料として、金(Au)とチタン(Ti)の積層膜を用いたが、金(Au)とクロム(Cr)、金(Au)とニッケル(Ni)、金(Au)と銅(Cu)などの二層金属材料、金(Au)と白金(Pt)とクロム(Cr)、金(Au)と白金(Pt)とチタン(Ti)、金(Au)とニッケル(Ni)とクロム(Cr)、金(Au)とニッケル(Ni)とチタン(Ti)、金(Au)と銅(Cu)とクロム(Cr)、金(Au)と銅(Cu)とチタン(Ti)などの三層金属材料を用いてもよい。また金(Au)とスズ(Sn)の共晶金属などを用いてもよい。また形成方法はスパッタ法やCVD法を用いても良いまた、接合層が形成される内側に、スリット240を形成しておく。
次に図20(2)に示すように、例えば電解めっき法により、コンタクト部125を金の支柱で形成する。この金の支柱は陽極接合後の第1基板100側のパッドとのコンタクトをとるために形成する。本実施例においては、金の支柱は直下に配置される配線パッド上およびシリコンに直接接続させる配線パッドに対してパッド毎に複数本形成する。これにより、陽極接合時に支柱がバネ状に屈曲し、適度なテンションをもって第1基板100側と接続することができる。スプリングコンタクトや、金バンプを用いる接続方法もあるが、本方法の場合、第2基板200に過度な応力をかけることも無く、また、作製方法もきわめて簡単である。本実施例においては無電解めっき法を用いたが電解めっき法でも形成できる。
次に、図20(3)に示すように、検出電極210−1、検出電極210−2、引き出し電極124等をエッチングによって形成する。
上記工程において、電極(駆動電極)108−1および電極(検出電極)108−2〔前記図19参照〕のガラス側への引き出しのコンタクト部125−1、125−2、およびシリコン層133〔前記図20参照〕に直接接続するコンタクト(図示せず)を形成し、さらにフレーム121〔前記図20参照〕に接続するための引き出し電極(図示せず)を形成する。
次に第1基板100と第2基板200との組立方法を説明する。
図21(1)に示すように、陽極接合法により第2基板200とフレーム121を接合させる。その際、ローレンツ力を発生させる電極108−1のパッド部(支持部103−1上に形成されている部分)および電磁駆動で振動子101が動作したときに発生する誘導起電力を検出する電極108−2のパッド部(支持部103−3上に形成されている)をコンタクト部125−1、コンタクト部125−3を接続させる。同様に、シリコン層133〔前記図19参照〕に直接接続するための電極108−3の電極パッド(図示せず)にコンタクト部(図示せず)を接続させる。
次に、図22(2)に示すように、凹部305が形成され、配線310等が形成された第3基板300を、凹部305内に電気機械素子11が接触せず、適切なる間隔dを保つようにして、第2基板200に被せる。その際、第2基板200と第3基板300とが気密封止されるように、接合層250であるAu−Sn膜を第2基板200の周りに形成しておく。Au−Sn被覆膜は1Pa〜1000Pa(好ましくは100Pa〜500Pa)の減圧雰囲気中で、280℃の基板温度により形成する。Au−Sn金属での被覆の際、電気機械素子11から取り出された信号配線である引き出し電極124に対して、素子外部に取り出すためのコンタクトを同時に行う。コンタクトは第3基板300に予め形成された、電極パッド(もしくはバンプ)322で接続する。引き出し電極124から取り出された信号は、第3基板300内の配線310を通って、電極パッド(もしくはバンプ)312から外部基板へと接続される。また、上記配線310の一部は、第3基板300の裏面側に形成された溝314内に引き出され、電極パッド(もしくはバンプ)312の一部を介して、回路素子、受動素子等の素子21が接続されている。これにより、電気機械素子11からの信号の取り出しを、電気機械素子11、引き出し電極124、配線310に接続される電極パッド(もしくはバンプ)312等を気密封止させながら、ひとつのチップとして形成することができる。
次に、図23(3)に示すように、第2基板200および第3基板300を、例えばダイシングにより切断し、個別チップを形成する。このようにして、一つの電気機械装置1が完成する。
また、本発明に用いる電気機械素子11は、図示はしないが、前記弾性支持体102−1〜102−4自体を駆動電極とし、その対向する各位置に対向電極を設け、各駆動電極と対向電極とのギャップ間に発生する静電引力を駆動力とすることで、振動子102−1、102−2の重心と静電引力の作用点が同一平面上にとした、慣性センサであってもよい。さらに、上記以外の構成の角速度センサにも本発明の封止構造を適用することができ、また、加速度センサ、圧力センサ、水晶振動子、FBAR、SAWフィルタなどについても同様の封止方法を用いることができる。
また、上記接合層250は、電気機械素子11と封止基板である第3基板300との間隔を規定するとともに、第2基板200と第3基板300同士を接合してその間を気密封止することができるものであれば、金属と金属の接合、ガラス材の接合、または有機物を含む接着剤を用いることもできる。
上記各実施例では、電気機械素子11に角速度センサの一つを例に挙げたが、加速度センサ、圧力センサ、水晶振動子、FBAR、SAWフィルタなどについても、本発明と同様の封止方法を用いることができる。
また、本発明の電気機械装置は、様々な電気・電子機器に適用することが可能である。例えば、慣性センサからなる電気機械装置1〜5は、以下のような電気・電子機器に適用することが可能である。
電気機械装置1〜5は、加速度を検出することができる。例えば、携帯型ハードディスク駆動装置(以下、ハードディスク駆動装置を略してHDDと記す)、ノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電子機器、携帯電話等の携帯端末装置、等に適用される。
上記電気機械装置1〜5は、姿勢制御、動作検知にも用いられるものである。例えば、ビデオカメラ、スチルカメラ、カメラの交換レンズ等の携帯型撮影機器、携帯電話等の携帯端末装置、ユーザ・インターフェース、ゲーム機、ゲームコントローラー、等に適用される。
上記電気機械装置1〜5は、振動制御にも用いられるものである。例えば、全自動洗濯機、自動車、振動制御装置、等に適用される。
上記電気機械装置1〜5は、動作検知にも用いられるものである。例えば、歩数計、防犯・防災装置、盗難防止装置、等に適用される。
上記電気機械装置1〜5は、衝撃(衝突)検知に用いられるものである。例えば、車両用エアバッグ装置、車両・船舶・航空機等の事故記録装置、HDD、等に適用され、また携帯型HDD、ノート型パーソナルコンピュータ、HDD内蔵携帯型音楽再生装置、HDD内蔵携帯型音楽録音再生装置、HDD搭載型ビデオカメラ等のHDDを搭載した携帯型電子機器、携帯電話等の携帯端末装置、等に適用される。
このように、本発明の電気機械装置1〜5は、あらゆる分野の電気・電子機器に適用することが可能である。以下、電気・電子機器の一実施の形態を以下に説明する。ここで説明するのは一例であって、上記した電気・電子機器に適用できる。なお、以下の説明において、電気機械装置1〜5は、代表して電気機械装置1を記載するが、その他の電気機械装置2〜5も同様に適用できる。
次に、本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第1実施例)を、図24によって説明する。図24では、ビデオカメラ装置の一例を示し、概略構成斜視図で示した。
図24に示すように、本適用例に係るビデオカメラ装置510は、本体511に、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ512、撮影時のスタート/ストップスイッチ513、表示部514、ファインダー515、撮影した画像を記録する記録装置(図示せず)、固体撮像装置等の撮像素子516等を含み、その撮像素子516が搭載される基板517には、角速度センサが搭載されていて、その角速度センサとして本発明に係る慣性センサ1を用いることによって作製される。
まず、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第2実施例)を、図25によって説明する。図25では、HDD装置の一例を示し、(1)図に概略構成斜視図を示し、(2)図に内部平面図を示した。
図25に示すように、本適用例に係るHDD装置530は、ベース部材531とベース部材531の内部に設置された装置を覆うカバー532を有し、上記ベース部材531の内部に設置されているベース基板533に、磁気ディスク534を駆動するモータ535、このモータに駆動される磁気ディスク534、支軸536に回動自在に設けたアクチュエータアーム537、その先端部にヘッドサスペンション538を介して形成された磁気ヘッド539等が設けられている。そして、ベース基板533上に慣性センサ1が設置されている。なお、慣性センサ1は、ベース部材531、カバー532等に設置することも可能である。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第3実施例)を、図26によって説明する。図26では、HDD装置を搭載したノート型パーソナルコンピュータの一例を示し、(1)図に表示部を開いた状態の概略構成斜視図を示し、(2)図に表示部を閉じた状態の概略構成斜視図を示した。
図26に示すように、本適用例に係るノート型パーソナルコンピュータ550は、本体551に、文字等を入力するとき操作されるキーボード552、画像を表示する表示部553、HDD装置554等を含み、そのHDD装置554は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置550を用いることにより作製されている。また、慣性センサ1はノート型パーソナルコンピュータ550の基板(図示せず)や本体551や表示部553を構成する筐体の内側の空いている領域に取付けてもよい。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第4実施例)を、図27によって説明する。図27では、HDD装置を搭載したゲーム機の一例を平面図に示した。
図27に示すように、本適用例に係るHDD装置を搭載したゲーム機570は、本体571に、画面等を操作する第1操作ボタン群572、第2操作ボタン群573、画像を表示する表示部574、HDD装置575等を含み、そのHDD装置574は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置550を用いることにより作製されている。また、慣性センサ1はゲーム機570の基板(図示せず)や本体571を構成する筐体の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第5実施例)を、図28によって説明する。図28では、HDD装置を搭載したビデオカメラ装置の一例を示し、概略構成斜視図で示した。
図28に示すように、本適用例に係るHDD装置を搭載したビデオカメラ装置590は、本体591に、前方を向いた側面に被写体撮影用のレンズ592、撮影時のスタート/ストップスイッチ593、表示部594、ファインダー595、撮影した画像を記録するHDD装置596等を含み、そのHDD装置596は、前記説明した本発明の慣性センサ1が搭載されたHDD装置550を用いることにより作製されている。また、慣性センサ1はビデオカメラ装置590の基板(図示せず)や本体591を構成する筐体の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
次に、本発明に係る電気・電子機器の一実施の形態(第6実施例)を、図29によって説明する。図29では、カメラ付き携帯端末装置、例えばカメラ付き携帯電話機の一例を示し、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた除隊での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
図29に示すように、本適用例に係る携帯端末装置、例えば携帯電話機610は、上側筐体611、下側筐体612、連結部(ここではヒンジ部)613、ディスプレイ614、サブディスプレイ615、ピクチャーライト1616、カメラ617、角速度センサ618等を含み、その加速度センサ618として本発明に係る慣性センサ1を用いることにより作製される。また、慣性センサ1は、携帯電話機610の上側筐体611の内部側の他の位置、下側筐体612の内部側の空いている領域に取付けてもよい。
上記各電気・電子機器によれば、本発明の電気機械装置1〜5を備えたことから、高出力、広ダイナミックレンジの慣性センサの提供が可能となるので、例えば、角速度や加速度を瞬時に検知できるため、発生した角速度や加速度による補正行動を電気・電子機器にとらせることができるという利点がある。
請求項1に係る本発明の電気機械装置の一実施の形態(第1実施例)を示した概略構成断面図である。 図1における電気機械装置1の背面図である。 本発明の電気機械装置の一実施の形態(第2実施例)を示した概略構成断面図である。 図3における電気機械装置2の背面図である。 本発明の電気機械装置の一実施の形態(第3実施例)を示した概略構成断面図である。 図5における電気機械装置3の背面図である。 図5における電気機械装置3の第2基板の概略レイアウト図である。 本発明の電気機械装置の一実施の形態(第4実施例)を示した概略構成断面図である。 本発明の電気機械装置の一実施の形態(第5実施例)を示した概略構成断面図である。 電気機械素子の詳細を示した平面レイアウト図である。 図10中のA−A’線断面図である。 図10中のB−B’線断面図である。 図10中のC−C’線断面図である。 第2基板の平面レイアウト図である。 電極の要部レイアウト図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 電気機械素子に慣性センサを用いた電気機械装置の製造方法を示した製造工程断面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第1実施例)を示したビデオカメラ装置の平面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第2実施例)を示したHDD装置の概略構成斜視図および内部平面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第3実施例)を示したノート型パーソナルコンピュータの概略構成斜視図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第4実施例)を示したゲーム機の概略構成斜視図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第5実施例)を示したビデオカメラ装置の平面図である。 本発明の電気・電子機器の一実施の形態(第6実施例)を示した携帯電話機を示した図面であり、(A)は開いた状態での正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた除隊での正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。 従来のパッケージ構造を示した概略構成斜視図である。
符号の説明
1…電気機械装置、11…電気機械素子、124…引き出し電極、200…第2基板(支持基板)、250…接合層、300…第3基板(封止基板)、310…配線

Claims (14)

  1. 電気機械素子が形成された支持基板と、
    前記電気機械素子に電気的に接続されていて前記支持基板に形成された引き出し電極と、
    前記電気機械素子を覆うとともに前記電気機械素子との間隔を保って前記支持基板に接合層を介して接合された封止基板と、
    前記引き出し電極に接続されていて前記封止基板内を通るように形成された配線とを備え、
    前記接合層は、
    前記電気機械素子と前記封止基板との前記間隔を規定するとともに、
    前記支持基板と前記封止基板同士を接合してその間を気密封止する
    ことを特徴とする電気機械装置。
  2. 前記接合層の厚さにより前記電気機械素子と前記封止基板との間隔を規定する
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  3. 前記接合層は、
    前記支持基板と前記封止基板の対抗する面に形成された金属膜同士を接合させたものからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  4. 前記接合層は、
    前記電気機械素子と前記封止基板との間隔を規定する間隔制御層と、
    前記支持基板と前記封止基板同士を気密封止する封止接合層とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  5. 前記接合層は、
    前記支持基板と前記封止基板の各対抗する面に形成された金属膜同士を接合させた固相接合層と、
    前記支持基板と前記封止基板の各対抗する面に形成されたはんだ同士を接合させたはんだ接合層とからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  6. 前記固相接合層の外側に前記はんだ接合層が形成されている
    ことを特徴とする請求項5記載の電気機械装置。
  7. 前記固相接合層は前記はんだ接合層より低い温度で接合されている
    ことを特徴とする請求項5記載の電気機械装置。
  8. 前記引き出し電極に接続されていて前記配線の端部に設けられた接続パッドを有し、
    前記接合層は前記接続パッドの外側に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  9. 前記配線に接続して前記封止基板に形成された素子を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  10. 前記素子は、前記封止基板の前記支持基板と対向する面とは反対側の面に形成された溝内に形成されている
    ことを特徴とする請求項9記載の電気機械装置。
  11. 前記素子は、前記封止基板の前記支持基板と対向する面に形成された溝内に形成されている
    ことを特徴とする請求項9記載の電気機械装置。
  12. 前記引き出し電極に接続していて前記支持基板に形成された素子を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  13. 前記配線は、少なくともその一部が前記封止基板の前記支持基板と対向する面とは反対側の面に引き出され、その引き出された配線の端部に電極パッドもしくはバンプが形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電気機械装置。
  14. 機械的な動作空間を有する電気機械装置を搭載した電子機器において、
    前記電気機械装置は、
    前記機械的な動作を有する電気機械素子が形成された支持基板と、
    前記電気機械素子に電気的に接続されていて前記支持基板に形成された引き出し電極と、
    前記電気機械素子を覆うとともに前記電気機械素子との間隔を保って前記支持基板に接合層を介して接合された封止基板と、
    前記引き出し電極に接続されていて前記封止基板内を通るように形成された配線とを備え、
    前記接合層は、
    前記電気機械素子と前記封止基板との前記間隔を規定するとともに、
    前記支持基板と前記封止基板同士を接合してその間を気密封止する
    ことを特徴とする電気・電子機器。
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