JP2014156675A - 化粧板原紙及び化粧板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の課題は、酸化チタン以外の白色無機填料を灰分として13質量%以上含有し、更に、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の1種以上を乾燥付着量として0.5〜3.0g/m2外添により付与してなるインクジェット印刷用化粧板原紙によって達成される。
【選択図】なし
Description
従って、化粧板原紙はサイズ剤を使用した内添サイズや表面サイズはされていない。無サイズの特殊紙である。
即ち、本発明は、
(1)無サイズの化粧板原紙において、酸化チタン以外の白色無機填料を灰分として13質量%以上含有し、且つ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の1種以上を乾燥付着量として0.5〜3.0g/m2外添により付与してなるインクジェット印刷用化粧板原紙。
(2)1項の白色無機填料がタルク、カオリン、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であるインクジェット印刷用化粧板原紙。
(3)1項または2項のインクジェット印刷用化粧板原紙にインクジェット印刷を施して表面化粧材とし、酸化チタンを含有する化粧板白原紙または/及び白コア紙により隠蔽性を付与する層構成のメラミン化粧板。
本発明において、インクジェット印刷用化粧板原紙の物性、原材料は従来の印刷用化粧板原紙を基本とするものである。印刷用化粧板原紙の坪量は60g/m2以上110g/m2以下の範囲が一般的であり、王研式平滑度は30秒以上200秒以下の範囲、王研式透気度は米坪と平滑度によるが15秒以上30秒以下の範囲が一般的である。本発明のインクジェット印刷用化粧板原紙もこの範囲が好ましい。
本実施例および比較例の評価は、以下の方法により行った。
なお、印刷用化粧板原紙として、KJ特殊紙製の80g/m2品の印刷用白原紙である製品品番KSH−801Pを用いた。使用したKSH−801Pの坪量は80g/m2、平滑度は120秒、透気度は25秒、灰分は32%(ほぼ酸化チタンに相当する)であった。
熱硬化性樹脂含浸性は、熱硬化性樹脂としてメラミンホルムアルデヒド樹脂の55質量%水溶液を用い、20℃に調整した後、紙の表面から浸み込ませ、紙の裏面までメラミンホルムアルデヒド樹脂が均一に浸み込むまで目視で観察し、かかった時間をストップウオッチで測定した。数値が低い方がメラミンホルムアルデヒド樹脂の含浸性に優れている。未塗工のKSH−801Pの含浸性を考慮し(25秒)、本発明において、100秒以下、より好ましくは50秒以下を良好とした。
<シャープ性評価>
インクジェットプリンターにPX−V630(セイコーエプソン製)を用い、純正水性顔料インクを使用して印刷した。シャープ性はドット径をマイクロスコープ:VHX−500(キーエンス製)で観察することにより行った。ドット径が小さい方がシャープな画像となる。本発明において、ドット径60μm以下をシャープ性に優れるとした。
上記(2)で印刷した印刷物を下記の方法で化粧板に成型し、化粧板の色相をマクベク分光光度計:CE―3100(サカタインクス製)で測色した。本発明において、a値が20以上を化粧板としたときの印刷の仕上がりに優れるとした。
メラミンホルムアルデヒド樹脂100部と、硬化剤0.2部、浸透剤1部を水に溶かした55質量%溶液の含浸液に印刷物をディッピング含浸して、含浸率100質量%〜130質量%のメラミンホルムアルデヒド樹脂含浸紙を得た。
次に、メラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙:メラミン含浸オーバーレイ紙(太田産業製)の上にフェノールホルムアルデヒド樹脂が含浸されたコア紙:太田コア(太田産業製)を4枚重ね、白バリアとしてメラミン樹脂を含浸した化粧板原紙(KSH−801P)を1枚重ね、更にその上にメラミンホルムアルデヒド樹脂を含浸した上記印刷物を積層し、更にメラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙を積層した後、加熱加圧プレス機で、熱圧して化粧板を得た。
広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)100重量部をダブルディスクリファイナーで叩解し、400mlCSFとした。これにタルク50重量部、及び無機凝結剤、湿潤紙力剤:ポリアクリルアミドエピクロロヒドリンを加え、アルミン酸ナトリウムでpHを8.3に調整した。これを手漉きシートマシンで手漉きして、紙を得た。
タルク35重量部と、含浸液を塩化マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液(pH=7.6)とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た。
タルクの代わりに炭酸カルシウム50重量部と、含浸液を酢酸カルシウム(和光純薬)の2%水溶液(pH=7.1)以外とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た。
タルク20重量部と、含浸液を硫酸マグネシウムの2%水溶液(pH=7.3)とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た。
市販の非塗工タイプのインクジェット用紙(エプソン製、両面上質普通紙、インクジェット専用)を比較例1とした。
オーバーレイ紙:米坪23g/m2(KJ特殊紙製)を比較例2とした。
針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)10質量部と広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)90質量部をダブルディスクリファイナーで叩解し、470mlCSFとした。これに炭酸カルシウム10質量部、及び両性でんぷん0.8質量部、硫酸アルミニム0.6質量部、内添用サイズ剤AS−263(荒川化学製)、湿潤紙力剤:ポリアクリルアミドエピクロロヒドリンを加え、これを調成種として手漉きシートマシンで手漉きして紙を得た。
印刷用白原紙KSH−801Pを比較例4の化粧板原紙とした。
比較例2はインクジェットプリンターで紙詰まりを起こし搬送性が悪かったので、比較例1の紙を台紙として、比較例2のオーバーレイ紙をセロハンテープで端を貼りつけ、補強して印刷した。またメラミン化粧板にした後の発色性が不十分であることがわかる。
比較例3は熱硬化性樹脂含浸性が劣ることがわかる。
即ち、本発明は、
(1)無サイズの化粧板原紙において、酸化チタン以外の白色無機填料を水溶性金属塩の外添前の状態で灰分として13質量%以上含有し、しかる後に塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の1種以上を乾燥付着量として0.5〜3.0g/m2外添により付与してなるインクジェット印刷用化粧板原紙。
(2)1項の白色無機填料がタルク、焼成カオリン、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であるインクジェット印刷用化粧板原紙。
(3)1項または2項のインクジェット印刷用化粧板原紙にインクジェット印刷を施して表面化粧材とし、酸化チタンを含有する化粧板白原紙または/及び白コア紙により隠蔽性を付与する層構成の高圧メラミン化粧板。
本発明において、インクジェット印刷用化粧板原紙の物性、原材料は従来の印刷用化粧板原紙を基本とするものである。印刷用化粧板原紙の坪量は60g/m2以上110g/m2以下の範囲が一般的であり、王研式平滑度は50秒以上200秒以下の範囲、王研式透気度は米坪と平滑度によるが15秒以上30秒以下の範囲が一般的である。本発明のインクジェット印刷用化粧板原紙もこの範囲が好ましい。
従って、化粧板原紙はサイズ剤を使用した内添サイズや表面サイズはされていない。無サイズ処理の特殊紙である。
即ち、本発明は、
(1)熱硬化性樹脂化粧板に用いられるサイズ処理はしない化粧板原紙であって、酸化チタン以外の白色無機填料を灰分として13質量%以上含有し、更に、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の1種以上を、少なくとも印刷面に外添し、水溶性金属塩の乾燥付着量として0.5〜3.0g/m 2 付与してなるインクジェット印刷用化粧板原紙。
(2)1項の白色無機填料がタルク、焼成カオリン、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であるインクジェット印刷用化粧板原紙。
(3)1項または2項のインクジェット印刷用化粧板原紙にインクジェット印刷を施して化粧層の表面化粧材とし、該化粧層の表面化粧材の裏面に酸化チタンを含有する化粧板白原紙または/及びコア層のコア紙として白コア紙を用いることにより隠蔽性を付与する層構成の高圧メラミン化粧板。
本発明において、インクジェット印刷用化粧板原紙の物性、原材料は従来の印刷用化粧板原紙を基本とするものである。印刷用化粧板原紙の坪量は60g/m2以上110g/m2以下の範囲が一般的であり、王研式平滑度は50秒以上200秒以下の範囲、王研式透気度は米坪と平滑度によるが15秒以上30秒以下の範囲が一般的である。本発明のインクジェット印刷用化粧板原紙もこの範囲が好ましい。
本実施例および比較例の評価は、以下の方法により行った。
なお、印刷用化粧板原紙として、KJ特殊紙製の80g/m2品の印刷用白原紙である製品品番KSH−801Pを用いた。使用したKSH−801Pの坪量は80g/m2、平滑度は120秒、透気度は25秒、灰分は32質量%(ほぼ酸化チタンに相当する)であった。
熱硬化性樹脂含浸性は、熱硬化性樹脂としてメラミンホルムアルデヒド樹脂の55質量%水溶液を用い、20℃に調整した後、紙の表面から浸み込ませ、紙の裏面までメラミンホルムアルデヒド樹脂が均一に浸み込むまで目視で観察し、かかった時間をストップウオッチで測定した。数値が低い方がメラミンホルムアルデヒド樹脂の含浸性に優れている。未塗工のKSH−801Pの含浸性を考慮し(25秒)、本発明において、100秒以下、より好ましくは50秒以下を良好とした。
<シャープ性評価>
インクジェットプリンターにPX−V630(セイコーエプソン製)を用い、純正水性顔料インクを使用して印刷した。シャープ性はドット径をマイクロスコープ:VHX−500(キーエンス製)で観察することにより行った。ドット径が小さい方がシャープな画像となる。本発明において、ドット径60μm以下をシャープ性に優れるとした。
上記(2)で印刷した印刷物を下記の方法で化粧板に成型し、化粧板の色相をマクベク分光光度計:CE―3100(サカタインクス製)で測色した。本発明において、a値が20以上を化粧板としたときの印刷の仕上がりに優れるとした。
メラミンホルムアルデヒド樹脂100質量部と、硬化剤0.2質量部、浸透剤1質量部を水に溶かした55質量%溶液の含浸液に印刷物をディッピング含浸して、印刷物基準で含浸率100質量%〜130質量%のメラミンホルムアルデヒド樹脂含浸紙を得た。
次に、メラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙:商品名メラミン含浸オーバーレイ紙(太田産業製)の上にフェノールホルムアルデヒド樹脂が含浸された茶コア紙:商品名太田コア(太田産業製)を4枚重ね、白バリアとしてメラミン樹脂を含浸した化粧板原紙(KSH−801P)を1枚重ね、更にその上にメラミンホルムアルデヒド樹脂を含浸した上記印刷物を積層し、更にメラミンホルムアルデヒド樹脂が含浸されたオーバーレイ紙を積層した後、加熱加圧プレス機で、熱圧して高圧メラミン化粧板を得た。
広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)100質量部をダブルディスクリファイナーで叩解し、400mlCSFとした。これにタルク50質量部、及び無機凝結剤、湿潤紙力剤:ポリアクリルアミドエピクロロヒドリンを加え、アルミン酸ナトリウムでpHを8.3に調整した。これを手漉きシートマシンで手漉きして、紙を得た。
タルク35質量部と、含浸液を塩化マグネシウム(和光純薬製)の4質量%水溶液(pH=7.6)とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た。
タルクの代わりに焼成カオリン50質量部と、含浸液を硫酸マグネシウム(和光純薬)の
6質量%水溶液(pH=7.6)とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た
タルクの代わりに炭酸カルシウム50質量部と、含浸液を酢酸カルシウム(和光純薬)の2質量%水溶液(pH=7.1)とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た。
タルク20質量部と、含浸液を硫酸マグネシウムの2質量%水溶液(pH=7.3)とした以外は実施例1と同じ方法で紙を得た。
市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙(エプソン製、両面上質普通紙、インクジェット専用)を比較例1とした。
オーバーレイ紙:米坪23g/m2(KJ特殊紙製)を比較例2とした。
針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)10質量部と広葉樹晒しクラフトパルプ(LBKP)90質量部をダブルディスクリファイナーで叩解し、470mlCSFとした。これに炭酸カルシウム10質量部、及び両性でんぷん0.8質量部、硫酸アルミニム0.6質量部、内添用サイズ剤AS−263(荒川化学製)、湿潤紙力剤:ポリアクリルアミドエピクロロヒドリンを加え、これを調成種として手漉きシートマシンで手漉きして紙を得た。
印刷用白原紙KSH−801Pを比較例4の化粧板原紙とした。
比較例2はインクジェットプリンターで紙詰まりを起こし搬送性が悪かったので、比較例1の紙を台紙として、比較例2のオーバーレイ紙をセロハンテープで端を貼りつけ、補強して印刷した。またメラミン化粧板にした後の発色性が不十分であることがわかる。
比較例3は熱硬化性樹脂含浸性が劣ることがわかる。
Claims (3)
- 無サイズの化粧板原紙において、酸化チタン以外の白色無機填料を灰分として13質量%以上含有し、且つ、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の1種以上を乾燥付着量として0.5〜3.0g/m2外添により付与してなるインクジェット印刷用化粧板原紙。
- 請求項1の白色無機填料がタルク、カオリン、炭酸カルシウムからなる群から選ばれる1種以上であるインクジェット印刷用化粧板原紙。
- 請求項1または請求項2のインクジェット印刷用化粧板原紙にインクジェット印刷を施して表面化粧材とし、酸化チタンを含有する化粧板白原紙または/及び白コア紙により隠蔽性を付与する層構成のメラミン化粧板。
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