JP2014173207A - 塗工ライナー、その塗工ライナーを用いた段ボールシート及び塗工ライナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、白紙面感に優れ、インキ発色性に優れた塗工ライナー、その塗工ライナーを用いた段ボールシート及び塗工ライナーの製造方法を提供することを主な目的とする。
【解決手段】最外となる表層を含む2層以上の紙層を有するライナー原紙の前記表層上に塗工層を備えた塗工ライナーであって、前記塗工層が少なくとも第1塗工層及び前記第1塗工層上に形成された第2塗工層からなる多層構造を有し、前記第1塗工層がカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で形成されてなり、前記第1塗工層が顔料として酸化チタンを含有することを特徴とする塗工ライナー。
【選択図】なし
【解決手段】最外となる表層を含む2層以上の紙層を有するライナー原紙の前記表層上に塗工層を備えた塗工ライナーであって、前記塗工層が少なくとも第1塗工層及び前記第1塗工層上に形成された第2塗工層からなる多層構造を有し、前記第1塗工層がカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で形成されてなり、前記第1塗工層が顔料として酸化チタンを含有することを特徴とする塗工ライナー。
【選択図】なし
Description
本発明は、塗工ライナー、その塗工ライナーを用いた段ボールシート及び塗工ライナーの製造方法に関する。特に、インキ発色性に優れた美粧段ボール用のライナーに関するものである。
一般に、ライナーは2〜9層程度の多層抄きされた厚紙で、晒パルプを主原料とする原料が表層(ライナーの表面となる最外層)に使用されている白ライナーと、未晒パルプ(未晒パルプの色調は茶系色)を主原料とする原料が表層に使用されている未晒ライナー(以下、茶ライナーともいう)とに大別される。白ライナーの表層は、通常、バージンパルプや、脱墨処理あるいは漂白処理等が施された白色度が高い古紙パルプが用いられている。また、表層のみの対策はコストがかかることから、表下層(表層の直下の層)にもある程度白色度のあるパルプを用いて、中層の色を隠蔽する作用を持たせることもある。ライナーの表層以外の層には脱墨処理あるいは漂白処理等が施されていない古紙パルプが用いられている。
ライナーは、中芯原紙と組み合わせて段ボールシートに加工され、各種包装箱等に使用されるが、近年、段ボール箱の機能が、商品を保管・輸送などの流通過程で受ける物理的な力から守るだけでなく、カラー印刷を施した段ボ−ル箱は、人の目を引く効果が高く、更に、内容物を忠実に表するために、内容物の優良性を強く訴えることが出来る優れた面がある。近年、量販店を中心に、店頭に段ボ−ル箱に製品を詰めたまま販売するということがよく見受けられるようになって来ており、この点からも印刷面が美麗で鮮やかな美粧ライナーが求められている。
優れた白紙外観や印刷外観を有した美粧ライナーを得る方法として、ライナー表面の白色度と色相を所定の範囲に調整すること(特許文献1、2参照)が提案されている。しかしながら、これら特許文献1、2に記載されるライナーでは、ライナー表層の白色度を従来のライナーよりも高くすることで、インキ発色性が向上しているだけで、十分な印刷外観、美粧性が得られないといった問題がある。
印刷外観を高めるため、ライナー表面に顔料と接着剤を主成分とした塗被層を設けることで、平滑性を規定した塗工ライナー(特許文献3)、白色度と色相を規定したダル調の美粧ライナー(特許文献4)、白紙光沢と表面粗さを規定した塗工ライナー(特許文献5)、白色度とL*、a*、b*を規定し、焼成カオリンを含有した塗工層を塗工したマット調の塗工ライナー(特許文献6)が提案されている。
これらの塗工ライナーは、何れも未塗工ライナーよりもインキ発色性は向上するが、ライナー原紙表面のボコツキに由来する白紙面感ムラ起因のインキ発色ムラが発生し、美粧性が損なわれるといった問題がある。また、特許文献6は白紙光沢が低く、印刷光沢が低いため、十分な美粧性が得られない。
また、近年、段ボール業界においても環境意識の高まりから薄くて、軽い段ボールの要求があり、ライナーの軽量化が図られている。
本発明は、白紙面感に優れ、インキ発色性に優れた塗工ライナー、その塗工ライナーを用いた段ボールシート及び塗工ライナーの製造方法を提供することを主な目的とする。
本発明者等は、上記従来技術に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、塗工層が多層構造を有しており、第1層が顔料として酸化チタンを含有し、特定の塗工方式で塗工層を形成することにより、上記問題点を解決するに至った。即ち、本発明は、下記の塗工ライナーに係る。
項1:最外となる表層を含む2層以上の紙層を有するライナー原紙の少なくとも前記表層上に塗工層を備えた塗工ライナーであって、前記塗工層が少なくとも第1塗工層及び前記第1塗工層上に形成された第2塗工層からなる多層構造を有し、前記第1塗工層がカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で形成されてなり、前記第1塗工層が顔料として酸化チタンを含有することを特徴とする塗工ライナー。
項2:前記ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が4.40×10−3以下である、項1に記載の塗工ライナー。
項3:前記ライナー原紙の表層がパルプとして針葉樹晒クラフトパルプを含有し、前記塗工ライナーの塗工層側の白色度が70%以上であり、且つ平滑度が50秒以上である、項1または2に記載の塗工ライナー。
項4:前記ライナー原紙の表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が1.24×10−2以下である、項1に記載の塗工ライナー。
項5:前記ライナー原紙の表層がパルプとして針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、前記塗工ライナーの塗工層側の白色度が50%以上であり、且つ平滑度が20秒以上である、項1または4に記載の塗工ライナー。
項6:前記第2塗工層がブレード塗工方式、カーテン塗工方式及びエアナイフ塗工方式のいずれかの方式で形成されてなる、項1〜5のいずれか1項に記載の塗工ライナー。
項7:項1〜6のいずれか1項に記載の塗工ライナーを用いた段ボールシート。
項8:最外となる表層を含む2層以上の紙層を有するライナー原紙の少なくとも前記表層上に塗工層を備えた塗工ライナーの製造方法であって、前記表層上に顔料として酸化チタンを含有する表層用塗液を用いてカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で第1塗工層を形成する工程、前記第1塗工層上に第2塗工層用塗液を用いてブレード塗工方式、カーテン塗工方式及びエアナイフ塗工方式のいずれかの方式で第2塗工層を形成する工程を有し、前記ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が4.40×10−3以下であり、前記表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の前記標準偏差が1.24×10−2以下である塗工ライナーの製造方法。
本発明の塗工ライナーは、白紙面感に優れ、インキ発色性に優れる。また、軽量で薄く強度に優れる。
本発明におけるライナー原紙は、紙層が少なくとも最外となる表層を含む2層以上の多層構造を有している。2層以上である場合、表層は段ボールシートの表面を形成し、裏層は段ボールシートの中芯と接着される裏面を形成する。表層と裏層との間に形成される中層、表層と中層との間に形成される表下層を備えていてもよい。
また、ライナー原紙は、表層を構成するパルプの色調が白色系の晒パルプと白色度が高い古紙パルプとを主原料とする白ライナーであってもよく、色調が茶色系の未晒パルプと古紙パルプとを主原料とする茶ライナーであってもよい。
表層を構成するパルプとしては、強度を向上させる観点から、針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBKPともいう)及び針葉樹未晒クラフトパルプ(以下、NUKPともいう)から選ばれる少なくとも1種が好ましい。晒パルプを主原料とする場合には、NBKPの含有割合は、表層のパルプ中5〜100質量%程度が好ましく、5〜90質量%程度がより好ましい。未晒パルプを主原料とする場合には、NUKPの含有割合は、表層のパルプ中5〜100質量%程度が好ましく、5〜90質量%程度がより好ましい。晒パルプの含有割合を増やすことにより、ライナー原紙の白色度を向上することができる。
パルプの叩解度(CSF)は、特に限定されないが、250〜500ml程度が好ましい。叩解度を250ml以上とすることにより、強度を向上することができる。一方、500ml以下とすることにより、平滑性を向上させ、印刷適性を高めることができる。
その他のパルプ種としては、例えば、製本、印刷工場等より発生する印刷用塗工紙の裁落を収集した古紙(以下、ケント古紙ともいう)、雑誌古紙、チラシ古紙、新聞古紙、オフィス古紙、情報用紙古紙、段ボール古紙、板紙古紙、紙器古紙等の古紙を脱墨して得られたパルプおよび/または広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKPともいう)等が挙げられる。これらの含有割合としては、晒パルプ、未晒パルプを主原料とする場合ともに、強度の観点から表層のパルプ中0〜95質量%が好ましく、10〜95質量%程度がより好ましい。
表層以外の裏層、中層及び表下層等を構成するパルプとしては、特に限定されず、例えば木材パルプである未晒、晒の化学パルプ、機械パルプ、非木材パルプ、およびケント古紙、雑誌古紙、チラシ古紙、新聞古紙、オフィス古紙、情報用紙古紙、段ボール古紙、板紙古紙、紙器古紙等の古紙を脱墨して得られたパルプ、マニラ麻等のパルプから選ばれる一種又は二種以上を適宜配合して使用される。2層の場合は裏層に、3層以上の場合は中層に、コストダウン及び省資源を目的として脱墨されない古紙パルプが一般に使用されるが、ライナーのグレードにより使用するパルプについて適宜選択して用いることが望ましい。例えば、強度が求められる場合には、未晒クラフトパルプまたは段ボール古紙を使用することが好ましい。また、表下層は、ライナー表層に接する層であるため表面の白色度に影響を及ぼしやすいことから、晒クラフトパルプもしくは脱墨パルプを使用することが好ましい。
内添薬品も必要に応じて使用でき、例えば、硫酸バンド、ロジン等のサイズ剤、ポリアミド、澱粉等の紙力増強剤、濾水歩留まり向上剤、ポリアミドポリアミンエピクロヒドリン等の耐水化剤、染料等が使用される。特に、第1紙層には、塗液の染み込みを抑える観点から、サイズ剤を添加することが好ましい。
本発明におけるライナー原紙は、2層以上のパルプを主原料とする紙層を抄き合わせて多層構造とするものであるが、公知の多層抄き抄紙機、例えば長網フォーマー、円網フォーマーを組み合わせた抄紙機によって製造することができる。抄き合わされる際の各層間に澱粉等の接着剤を噴霧または塗布することにより、各層間の強度を強めることも可能である。
本発明における塗工ライナーは、ライナー原紙の表層上に塗工層を備えている。かかる塗工層は、顔料と接着剤を含有する塗液を塗布及び乾燥することにより形成することができる。また、塗工層は、少なくとも表層上に形成された第1塗工層及び第1塗工層上に形成された第2塗工層からなる多層構造を有している。別言すると、1種の塗液を用いて2以上の塗工層を形成してもよく、また2種以上の塗液を層ごとに使い分けて2以上の塗工層を形成してもよい。
塗工層の層数は、2層以上であれば特に限定されないが、上限は4層程度とすればよく、特に好ましい層数は2層である。各層を形成する塗液の組成は、異なっていることが好ましい。これにより、各塗液の粘度を調節して塗工適性を向上することができる。また、例えばライナー原紙に近い塗工層により隠蔽性を高めて白色度を向上し、最外となる塗工層により印刷適性を向上するなど、機能を分離することでコストを上げることなく品質を向上することができる。
本発明における第1塗工層は、顔料として酸化チタンを含有している。これにより、隠蔽の効果が優れ、白色度が高く、優れた白紙面感を有する塗工ライナーを得ることができる。酸化チタンの含有割合は、第1塗工層中の顔料の全固形量のうち、3〜30質量%程度が好ましく、5〜20質量%程度がより好ましく、8〜15質量%程度が更に好ましい。3質量%以上とすることにより、隠蔽性を向上させ、白色度を高めることができる。酸化チタンを含有させることで隠蔽性は向上するが、含有割合を増やすと印刷光沢が下がる傾向があり、30質量%を超えて含有させても隠蔽性向上効果が少なくなり、コスト、塗工性の観点から30質量%以下とすることが好ましい。
本発明は、第1塗工層中に特定の顔料を含有させるものであるが、本発明の所望の効果を損なわない限りにおいて、その他の顔料も使用できる。具体的には、製紙分野で通常使用されている顔料、例えば焼成カオリン、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム、二酸化チタン、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、硫酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、白色度を向上する観点から、炭酸カルシウムを使用することが好ましい。また、原紙の被覆性を向上させる観点からカオリンを使用するのも好ましい。含有割合としては特に限定されないが、第1塗工層中の顔料の全固形量のうち、炭酸カルシウムを20〜80質量%程度、カオリンを10〜50質量%程度の割合で使用することが好ましい。
本発明における第2塗工層は、平滑性と印刷仕上がりを高める観点から、顔料として炭酸カルシウムとカオリンとを組合せて使用することが好ましい。含有量としては特に限定されないが、第2塗工層中の顔料の全固形量のうち、軽質炭酸カルシウムを10〜50質量%程度、重質炭酸カルシウムを10〜50質量%程度、カオリンを10〜60質量%程度の割合で使用することが好ましい。なお、プラスチックピグメント等の有機顔料はインキ吸収性が劣るので好ましくない。
本発明における塗液中の接着剤としては、特に限定するものではなく、一般の塗被紙製造分野で使用されている公知の接着剤が適宜使用される。例えば、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、スチレン−メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス等の共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルの重合体または共重合体ラテックス等のアクリル系重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル重合体ラテックス等のビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの各種重合体ラテックスをカルボキシル基等の官能基含有単量体で変性した重合体または共重合体ラテックス等の水分散性接着剤、ポリビニルアルコール、オレフィン−無水マレイン酸樹脂等の合成樹脂系接着剤、酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリン等の澱粉類が挙げられる。これら水分散性および/または水溶性接着剤から1種または2種以上を適宜選択して使用できる。接着剤の含有量は、顔料100質量部に対して、8〜50質量部程度が好ましく、より好ましくは10〜40質量部程度である。接着剤の含有量を8質量部以上とすることにより、塗工層の強度を高めることができる。一方、50質量部以下とすることにより、塗工層中における顔料の比率を大きくして、インキ乾燥性、平滑性を向上することができる。
塗工層を形成する塗液中には、保水剤を含有させることが好ましい。これにより、塗液の粘度等の物性を調整でき、塗工適性を向上させることができる。保水剤としては、製紙分野で一般にCMCと呼ばれているカルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、ヒドロキシエチルセルロース、合成保水剤と呼ばれている多価カルボン剤アクリル系共重合体やメタクリル酸とアクリル酸エステルの共重合体等が挙げられる。
インキ発色性向上、印刷均一性の仕上がりに関しての効果を阻害しない範囲において、塗液中に防滑剤、染料等の添加剤を含有させることもできる。
本発明における各塗工層の塗工量としては、3〜30g/m2程度が好ましく、5〜20g/m2程度がより好ましく、5〜15g/m2程度が更に好ましい。塗工量をこの範囲とすることにより、経済性にすぐれ、かつ印刷適性に優れたライナーを得ることができる。また、過剰な塗工量によって起きるウェット面の塗工ムラや乾燥後の塗膜の折り曲げ割れ等の欠陥を生じる恐れがない。塗工時の塗液の固形分濃度は、10〜75重量%の範囲で選ぶことができるが、好適な塗工量を得るため、また塗工方式に応じて、適宜調整することが好ましい。
本発明では、第1塗工層をカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で形成することにより、優れた白紙面感を得ることができる。
第2塗工層の塗工方式は、特に限定されないが、平滑性を向上する観点からブレード塗工方式が好ましい。これにより、印刷適性を向上することができる。印刷方式は特に限定されないが、オフセット印刷やフレキソ印刷は、本発明の効果を遺憾なく発揮することができる態様であり、好ましく用いられる。特に水性フレキソインキに対して優れた発色性と印刷均一性を発揮することができる。また、白色濃淡ムラのないより一層優れた白紙面感を得る観点からは、カーテン塗工方式もしくはエアナイフ塗工方式で形成するのが好ましい。
坪量が100〜160g/m2程度の従来、強度不足から段ボールシートとして使用され難かった紙厚の薄いライナー原紙を用いる場合、強度を向上させる目的で白紙面感に劣る未晒クラフトパルプまたは段ボール古紙を使用することから、本発明の効果を遺憾なく発揮できるため好ましい。これにより、坪量が120〜230g/m2程度、好ましくは120〜180g/m2程度の軽量で薄く強度に優れた塗工ライナーを得ることができる。
本発明におけるカーテン塗工方式とは、塗液を流下して自由落下させ支持体に非接触で塗布する方法であり、スライドカーテン法、カップルカーテン法、ツインカーテン法等の公知のものを採用することができ、特に制限されるものではない。また、ブレード塗工方式とは、ベベルタイプやベントタイプに代表されるブレードを使用した塗布法に限らず、ロッドブレード法やビルブレード法等も含む。
本発明における塗工方式では、第1塗工層を塗布及び乾燥して形成した後、第1塗工層上に第2塗工層用塗液を塗布及び乾燥して第2塗工層を形成してもよいし、例えばカーテン塗工方式を用いることにより、第1塗工層用塗液と第2塗工層用塗液を積層した後、塗布し、その後、乾燥させて第1塗工層及び第2塗工層を形成してもよい。また、第1塗工層用塗液を塗布した後、乾燥させることなく第1塗工層用塗液が湿潤状態のうちに第1塗工層塗布面上に第2塗工層用塗液を塗布し、その後、乾燥させて塗工層を形成してもよい。
本発明では、塗工ライナーの評価方法において、塗工層側表面の輝度の標準偏差で白紙面感の評価を行うことにより、官能評価によるバラツキ等の不安定要因を排除して、短時間で白紙面感に優れた塗工ライナーを判別することができる。本発明における輝度の標準偏差は、塗工ライナーの塗工層側表面を、例えばイメージスキャナ等で走査することにより、紙面の白色濃淡の状態を輝度画像として取得し、例えば、得られた画像領域に対して0.1mm2/画素の取得画像を単位とした任意の画素数毎の輝度を求め、その画像領域における全輝度の標準偏差として求められる。画素数は大きくなると数値差が小さくなって判別することが難しくなる傾向にあることから、2〜80画素毎の平均輝度標準偏差を求めることが好ましく、2〜40画素数がさらに好ましく、2〜20画素数が特に好ましい。
ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が4.40×10−3以下であることが好ましい。より好ましくは、4.20×10−3以下である。更に好ましくは、4.00×10−3以下である。一方、ライナー原紙の表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が1.24×10−2以下であることが好ましい。これにより、白紙面感に優れ、フレキソ印刷インキ、特に水性フレキソインキに対して優れた発色性と印刷均一性を発揮することができる。
本発明における塗工ライナーは、塗工面や印刷適性をさらに向上させるために、弾性ロールにコットンロールを用いたスーパーカレンダーや弾性ロールに合成樹脂ロールを用いたソフトニップ等のカレンダー装置により平滑化処理を行うことができる。ソフトニップカレンダーは、合成樹脂ロール表面の耐熱温度をコットンロールに比べて高く設定することが可能なため、高温での処理が可能であり、同一の平滑性を目標とした場合、スーパーカレンダーに比べて処理線圧を低く設定できるので好ましい態様である。
本発明では、ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上のいわゆる白ライナーの場合には、塗工ライナーの塗工層側の王研式平滑度が50秒以上であるのが好ましく、100秒以上であるのがより好ましく、200秒以上とするのがさらに好ましい。この場合、塗工ライナーとしては、塗工層側の白色度が70%以上であることが好ましく、75%以上であることがより好ましい。一方、原紙ライナーの表層側の白色度が10〜60%未満のいわゆる茶ライナーの場合には、塗工ライナーの塗工層側の王研式平滑度が20秒以上であるのが好ましく、50秒以上とするのがより好ましい。この場合、塗工ライナーとしては、塗工層側の白色度が50%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。白色度と平滑度を高くすることで、印刷の鮮明さが増し、インキ発色性が向上し、美粧性に優れる塗工ライナー及び段ボールシートを得ることができる。
本発明における塗工ライナー上に印刷する際のフレキソインキとしては、特に制限はなく、アルコール型、コソルベント型、水性型、およびUV硬化型等があげられるが、これらのフレキソインキの中でも水性型が安全性、作業性及び経済性の面でも優れており、本発明の効果が最も顕著に表れる実施態様である。
また、使用されるフレキソ印刷機は、印刷ユニットの並び方により、スタック型、ライン型、セントラルインプレッション型の3タイプに分けられるが、いずれのタイプも使用できる。
上記の本発明により得られた塗工ライナーは、少なくとも一方の最外面に備えた段ボール用ライナーとして用いることができ、本発明の段ボールシートが提供される。段ボールシートとしては、中芯の片面にのみライナーが貼合された片面段ボールシート、中芯の両面にライナーが貼合された両面段ボールシート、中芯/ライナーの積層体が複数段設けられた複数段の段ボールシートがあるが、本発明はいずれの段ボールシートにも適用可能である。
ライナーと共に段ボールシートを構成する波状部材の中芯としては特に制限はなく、一般の段ボールシートに使用されているものが使用できる。原料パルプとしては、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドパルプ(CGP)、段ボール古紙パルプ、雑誌古紙パルプ、未晒クラフトパルプ、クラフトパルプ、合成繊維等が使用でき、中でも、資源保護の観点から、段ボール古紙パルプや雑誌古紙パルプ等の古紙パルプを多く用いることが好ましい。中芯は積層紙であっても良く、さらには層間に合成樹脂接着剤層を有する積層紙であっても良い。
本発明における段ボールシートは、従来公知の段ボールの製造方法をそのまま適用でき、例えば、中芯とライナーとを、接着性物質を介して貼合するコルゲーター処理を経て製造することができる。接着性物質としては、澱粉糊や合成樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエンーアクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリル酸エステル系共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体等)等が挙げられる。
具体的には、(1)中芯又はライナーの表面に、押出ラミネートや合成樹脂エマルジョンの塗布等により接着剤層を形成してから、これらを重ね合わせ、加圧及び加熱して接着する方法、(2)中芯/ライナー間に合成樹脂フィルムを介在させ、これを加圧及び加熱して接着する方法、(3)中芯/ライナー間に合成樹脂のエマルジョンや溶液等の接着剤を介在させ、これを加圧及び加熱して接着する方法等が挙げられる。なお、(2)の方法においては、あらかじめ成形された合成樹脂フィルムを繰り出し、中芯/ライナー間に供給することもできるし、合成樹脂フィルムを溶融押出成形しながら、中芯/ライナー間に供給することもできる。
上記コルゲーター処理を1回実施することで、片面段ボールシートが製造され、複数回繰り返し実施することで、両面段ボールシートや複数段の段ボールシートが製造される。両面段ボールシートは、例えば、中芯とライナーとを加熱加圧ロールで貼合し片面段ボールシートとするシングルフェーサ(SF)と、SFで得られた片面段ボールシートの中芯側に更にライナーを重ね、加圧しながら熱盤上を走行させ貼合するダブルフェーサ(DF)とを有するコルゲーターを用いて製造することができる。加熱加圧条件は特に制限はないが、例えば、SFの加熱温度150〜200℃、線圧20〜40kN/m、加圧時間0.01〜0.20秒、DFの加熱温度150〜200℃、線圧0.1〜1.0kN/m、加圧時間2〜7秒等が好ましい。
本発明を実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。なお、特に断わらない限り、「部」及び「%」はそれぞれ「質量部」及び「質量%」を示す。
実施例1
(白ライナー原紙の作製)
表層にNBKP30%、ケント古紙70%を配合し、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)350mlに調整したパルプを米坪26g/m2、表下層に板紙古紙100%を配合し、CSF300mlに調整したパルプを米坪28g/m2、中層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪36g/m2、裏層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪30g/m2として、4層に抄き合わせた米坪120g/m2、表層側の白色度70.5%の白ライナー原紙を得た。表層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、荒川化学工業社製)1.0部、硫酸バンド4.0部、紙力剤1(商品名:PT−1001、荒川化学工業社製)0.05部、紙力剤2(商品名:OM−3、荒川化学工業社製)2.3部を添加した。表下層にはパルプ100質量部に対して、硫酸バンド0.9部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.05部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)2.0部を添加した。中層にはパルプ100質量部に対して、硫酸バンド0.90部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.15部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)3.5部を添加した。裏層には硫酸バンド0.9部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.15部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)0.4部を添加した。
(白ライナー原紙の作製)
表層にNBKP30%、ケント古紙70%を配合し、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)350mlに調整したパルプを米坪26g/m2、表下層に板紙古紙100%を配合し、CSF300mlに調整したパルプを米坪28g/m2、中層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪36g/m2、裏層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪30g/m2として、4層に抄き合わせた米坪120g/m2、表層側の白色度70.5%の白ライナー原紙を得た。表層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、荒川化学工業社製)1.0部、硫酸バンド4.0部、紙力剤1(商品名:PT−1001、荒川化学工業社製)0.05部、紙力剤2(商品名:OM−3、荒川化学工業社製)2.3部を添加した。表下層にはパルプ100質量部に対して、硫酸バンド0.9部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.05部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)2.0部を添加した。中層にはパルプ100質量部に対して、硫酸バンド0.90部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.15部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)3.5部を添加した。裏層には硫酸バンド0.9部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.15部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)0.4部を添加した。
(第1塗工層用塗液の調製)
顔料として、1級カオリン(商品名:UW−90、BASF社製)30部、微粒重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)60部、酸化チタン(商品名:タイペークPFC503、デュポン社製)10部からなる顔料スラリー、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースY、王子コンスターチ社製)4部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:BA025、旭化成ケミカルズ社製)10.5部(いずれも固形分換算)からなる組成物を混合し、さらに助剤として消泡剤および染料を加えて固形分濃度60%の第1塗工層用塗液を得た。
顔料として、1級カオリン(商品名:UW−90、BASF社製)30部、微粒重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、備北粉化工業社製)60部、酸化チタン(商品名:タイペークPFC503、デュポン社製)10部からなる顔料スラリー、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースY、王子コンスターチ社製)4部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:BA025、旭化成ケミカルズ社製)10.5部(いずれも固形分換算)からなる組成物を混合し、さらに助剤として消泡剤および染料を加えて固形分濃度60%の第1塗工層用塗液を得た。
(第2塗工層用塗液の調製)
顔料として、微粒カオリン(商品名:カオファイン、THIELE KAOLIN社製)25部、微粒重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)45部、微粒紡錘軽質炭酸カルシウム(商品名:TP221GS、奥多摩工業社製)30部からなる顔料スラリー、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースY、前出)2.5部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:PB1430、日本エイアンドエル社製)11.5部(いずれも固形分換算)からなる組成物を混合し、さらに助剤として消泡剤および染料を加えて固形分濃度62%の第2塗工層用塗液を得た。
顔料として、微粒カオリン(商品名:カオファイン、THIELE KAOLIN社製)25部、微粒重質炭酸カルシウム(商品名:ハイドロカーブ90、前出)45部、微粒紡錘軽質炭酸カルシウム(商品名:TP221GS、奥多摩工業社製)30部からなる顔料スラリー、接着剤として酸化澱粉(商品名:エースY、前出)2.5部、スチレン−ブタジエン共重合ラテックス(商品名:PB1430、日本エイアンドエル社製)11.5部(いずれも固形分換算)からなる組成物を混合し、さらに助剤として消泡剤および染料を加えて固形分濃度62%の第2塗工層用塗液を得た。
(塗工ライナーの作製)
各塗液を固形分濃度で45%に希釈した後に、第1塗工層用塗液を上記の白ライナー原紙の表層上にエアナイフコーターを用いたエアナイフ塗工方式により、乾燥重量が10g/m2(固形分)となるように塗布及び乾燥し、第1塗工層を形成した。ブレードコーターを用いたブレード塗工方式により、第1塗工層上に第2塗工層用塗液を乾燥重量が10g/m2(固形分)となるように塗布及び乾燥し、第2塗工層を形成した。その後、2nipのカレンダー処理を施して、米坪140g/m2の塗工ライナーを得た。
各塗液を固形分濃度で45%に希釈した後に、第1塗工層用塗液を上記の白ライナー原紙の表層上にエアナイフコーターを用いたエアナイフ塗工方式により、乾燥重量が10g/m2(固形分)となるように塗布及び乾燥し、第1塗工層を形成した。ブレードコーターを用いたブレード塗工方式により、第1塗工層上に第2塗工層用塗液を乾燥重量が10g/m2(固形分)となるように塗布及び乾燥し、第2塗工層を形成した。その後、2nipのカレンダー処理を施して、米坪140g/m2の塗工ライナーを得た。
実施例2
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて67部とし、酸化チタンの量を10部に代えて3部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて67部とし、酸化チタンの量を10部に代えて3部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例3
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて65部とし、酸化チタンの量を10部に代えて5部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて65部とし、酸化チタンの量を10部に代えて5部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例4
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて50部とし、酸化チタンの量を10部に代えて20部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて50部とし、酸化チタンの量を10部に代えて20部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例5
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて40部とし、酸化チタンの量を10部に代えて30部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて40部とし、酸化チタンの量を10部に代えて30部とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例6
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布した以外は実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布した以外は実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例7
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層用塗液をブレードコーターを用いたブレード塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布した以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層用塗液をブレードコーターを用いたブレード塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布した以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例8
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層用塗液をブレードコーターを用いたブレード塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第1塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて5g/m2(固形分)とし、第2塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて5g/m2(固形分)とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層用塗液をブレードコーターを用いたブレード塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第1塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて5g/m2(固形分)とし、第2塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて5g/m2(固形分)とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例9
実施例1の塗工ライナーの作製において、2nipのカレンダー処理を施さなかった以外は、実施例1と同様に塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、2nipのカレンダー処理を施さなかった以外は、実施例1と同様に塗工ライナーを得た。
実施例10
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層用塗液をブレードコーターを用いたブレード塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第1塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて15g/m2(固形分)とし、第2塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて15g/m2(固形分)とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層用塗液をブレードコーターを用いたブレード塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第1塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて15g/m2(固形分)とし、第2塗工層用塗液の乾燥重量を10g/m2に代えて15g/m2(固形分)とした以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
比較例1
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて70部とし、酸化チタンを用いなかった以外は、実施例1と同様に塗工ライナーを得た。
実施例1の第1塗工層用塗液の調製において、微粒重質炭酸カルシウムの量を60部に代えて70部とし、酸化チタンを用いなかった以外は、実施例1と同様に塗工ライナーを得た。
比較例2
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、ブレードコーターを用いたブレード塗工方式により塗布した以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、ブレードコーターを用いたブレード塗工方式により塗布した以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
比較例3
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、ロッドコーターを用いたロッド塗工方式により塗布した以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、ロッドコーターを用いたロッド塗工方式により塗布した以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
比較例4
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1の塗工ライナーの作製において、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えて、カーテンコーターを用いたカーテン塗布方式により塗布し、第2塗工層を設けなかった以外は、実施例1と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例11〜20
実施例1〜10の塗工ライナーの作製において、白ライナー原紙に代えて、それぞれ下記の茶ライナー原紙を用いた以外は、実施例1〜10と同様にして塗工ライナーを得た。
実施例1〜10の塗工ライナーの作製において、白ライナー原紙に代えて、それぞれ下記の茶ライナー原紙を用いた以外は、実施例1〜10と同様にして塗工ライナーを得た。
(茶ライナー原紙の作製)
表層にNUKP20%、段ボール古紙80%を配合し、CSF270mlに調整したパルプを米坪40g/m2、表下層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪25g/m2、中層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪20g/m2、裏層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪35g/m2として、4層に抄き合わせた米坪120g/m2、表層側の白色度17.1%の茶ライナー原紙を得た。表層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、前出)0.4部、硫酸バンド5.5部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.12部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)2.8部を添加した。表下層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、前出)0.3部、硫酸バンド2.0部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.35部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)5.0部を添加した。中層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパインSPN−815、前出)0.2部、硫酸バンド1.5部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.35部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)5.0部を添加した。裏層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、前出)0.5部、硫酸バンド3.0部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.35部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)5.0部を添加した。
表層にNUKP20%、段ボール古紙80%を配合し、CSF270mlに調整したパルプを米坪40g/m2、表下層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪25g/m2、中層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪20g/m2、裏層に段ボール古紙100%を配合し、CSF350mlに調整したパルプを米坪35g/m2として、4層に抄き合わせた米坪120g/m2、表層側の白色度17.1%の茶ライナー原紙を得た。表層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、前出)0.4部、硫酸バンド5.5部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.12部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)2.8部を添加した。表下層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、前出)0.3部、硫酸バンド2.0部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.35部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)5.0部を添加した。中層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパインSPN−815、前出)0.2部、硫酸バンド1.5部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.35部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)5.0部を添加した。裏層にはパルプ100質量部に対して、サイズ剤(商品名:サイズパイン836、前出)0.5部、硫酸バンド3.0部、紙力剤1(商品名:PT−1001、前出)0.35部、紙力剤2(商品名:OM−3、前出)5.0部を添加した。
比較例5
比較例1の塗工ライナーの作製において、白ライナー原紙に代えて上記の茶ライナー原紙を用いて、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗工方式により塗布した以外は、比較例1と同様にして塗工ライナーを得た。
比較例1の塗工ライナーの作製において、白ライナー原紙に代えて上記の茶ライナー原紙を用いて、第1塗工層用塗液をエアナイフ塗工方式に代えてカーテンコーターを用いたカーテン塗工方式により塗布した以外は、比較例1と同様にして塗工ライナーを得た。
比較例6〜8
比較例2〜4の塗工ライナーの作製において、白ライナー原紙に代えて、それぞれ上記の茶ライナー原紙を用いた以外は、比較例2〜4と同様にして塗工ライナーを得た。
比較例2〜4の塗工ライナーの作製において、白ライナー原紙に代えて、それぞれ上記の茶ライナー原紙を用いた以外は、比較例2〜4と同様にして塗工ライナーを得た。
かくして得られた塗工ライナーについて、以下の評価を行った。その結果は、表1と表2に示す通りであった。
(輝度の標準偏差)
塗工ライナーの塗工層側表面(大きさ:15×15cm)をデジタルスキャナ(ES−10000G、EPSON社製)を用いて、解像度:300dpiで画像を取り込み、画像解析プログラムを用いて1.5mm2毎に輝度を求め、取り込んだ画像全体の全輝度の標準偏差を算出した。白紙面感に優れる塗工ライナーとしては、ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、標準偏差は4.40×10−3以下であることが好ましく、4.20×10−3以下であることがより好ましい。一方、ライナー原紙の表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、標準偏差は1.24×10−2以下であることが好ましい。
塗工ライナーの塗工層側表面(大きさ:15×15cm)をデジタルスキャナ(ES−10000G、EPSON社製)を用いて、解像度:300dpiで画像を取り込み、画像解析プログラムを用いて1.5mm2毎に輝度を求め、取り込んだ画像全体の全輝度の標準偏差を算出した。白紙面感に優れる塗工ライナーとしては、ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、標準偏差は4.40×10−3以下であることが好ましく、4.20×10−3以下であることがより好ましい。一方、ライナー原紙の表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、標準偏差は1.24×10−2以下であることが好ましい。
(白色度)
塗工層側の白色度をJIS P 8148:2001に準じて、分光白色度測定計(SC−10WT,スガ試験機社製)を用いて測定した。
塗工層側の白色度をJIS P 8148:2001に準じて、分光白色度測定計(SC−10WT,スガ試験機社製)を用いて測定した。
(平滑度)
塗工層側の平滑度としてJIS P 8155:2010に準じて、王研式平滑度試験機(旭精工社製)を用いて王研式平滑度を測定した。
塗工層側の平滑度としてJIS P 8155:2010に準じて、王研式平滑度試験機(旭精工社製)を用いて王研式平滑度を測定した。
(印刷光沢)
塗工層側にRI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:Values−G墨Sタイプ、大日本インキ化学工業社製)を0.7cc使用して印刷を行い、印刷面を乾燥させた後、60°光沢度計(TC−108DPA、東京電色技術センター社製)で60°光沢を測定した。
塗工層側にRI印刷機(明製作所製)で、印刷インキ(商品名:Values−G墨Sタイプ、大日本インキ化学工業社製)を0.7cc使用して印刷を行い、印刷面を乾燥させた後、60°光沢度計(TC−108DPA、東京電色技術センター社製)で60°光沢を測定した。
(インキ発色性)
塗工層側にラボフレキソ印刷機(自製)を用いて600線/インチに彫刻したアニロックスロールで、水性フレキソ藍インキ(商品名:アクワコンテNEOコンク39藍W、東洋インキ社製)を使用して印刷を行い、インキ発色ムラを目視により、下記の基準で評価した。
◎:インキ発色ムラがなく、印刷仕上がりが非常に良好。
○:インキ発色ムラがほとんどなく、印刷仕上がりは良好。
△:インキ発色ムラがあり、印刷仕上がりが若干悪い。
×:インキ発色ムラが劣り、印刷仕上がりが悪い。
塗工層側にラボフレキソ印刷機(自製)を用いて600線/インチに彫刻したアニロックスロールで、水性フレキソ藍インキ(商品名:アクワコンテNEOコンク39藍W、東洋インキ社製)を使用して印刷を行い、インキ発色ムラを目視により、下記の基準で評価した。
◎:インキ発色ムラがなく、印刷仕上がりが非常に良好。
○:インキ発色ムラがほとんどなく、印刷仕上がりは良好。
△:インキ発色ムラがあり、印刷仕上がりが若干悪い。
×:インキ発色ムラが劣り、印刷仕上がりが悪い。
Claims (8)
- 最外となる表層を含む2層以上の紙層を有するライナー原紙の少なくとも前記表層上に塗工層を備えた塗工ライナーであって、前記塗工層が少なくとも第1塗工層及び前記第1塗工層上に形成された第2塗工層からなる多層構造を有し、前記第1塗工層がカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で形成されてなり、前記第1塗工層が顔料として酸化チタンを含有することを特徴とする塗工ライナー。
- 前記ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が4.40×10−3以下である、請求項1に記載の塗工ライナー。
- 前記ライナー原紙の表層がパルプとして針葉樹晒クラフトパルプを含有し、前記塗工ライナーの塗工層側の白色度が70%以上であり、且つ平滑度が50秒以上である、請求項1または2に記載の塗工ライナー。
- 前記ライナー原紙の表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が1.24×10−2以下である、請求項1に記載の塗工ライナー。
- 前記ライナー原紙の表層がパルプとして針葉樹未晒クラフトパルプを含有し、前記塗工ライナーの塗工層側の白色度が50%以上であり、且つ平滑度が20秒以上である、請求項1または4に記載の塗工ライナー。
- 前記第2塗工層がブレード塗工方式、カーテン塗工方式及びエアナイフ塗工方式のいずれかの方式で形成されてなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塗工ライナー。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の塗工ライナーを用いた段ボールシート。
- 最外となる表層を含む2層以上の紙層を有するライナー原紙の少なくとも前記表層上に塗工層を備えた塗工ライナーの製造方法であって、前記表層上に顔料として酸化チタンを含有する表層用塗液を用いてカーテン塗工方式またはエアナイフ塗工方式で第1塗工層を形成する工程、前記第1塗工層上に第2塗工層用塗液を用いてブレード塗工方式、カーテン塗工方式及びエアナイフ塗工方式のいずれかの方式で第2塗工層を形成する工程を有し、前記ライナー原紙の表層側の白色度が60%以上である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の標準偏差が4.40×10−3以下であり、前記表層側の白色度が10%以上60%未満である場合には、前記塗工ライナーの塗工層側の輝度の前記標準偏差が1.24×10−2以下である塗工ライナーの製造方法。
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JP2013047461A Pending JP2014173207A (ja) | 2013-03-11 | 2013-03-11 | 塗工ライナー、その塗工ライナーを用いた段ボールシート及び塗工ライナーの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2014173207A (ja) |
-
2013
- 2013-03-11 JP JP2013047461A patent/JP2014173207A/ja active Pending
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