JP2015096660A - 化粧板原紙及び化粧板 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット印刷によって印刷を施す化粧板原紙であって、インク受理層を設けない非塗工紙タイプに関するものであり、インクジェット印刷適性に優れ、熱硬化性樹脂含浸性にも優れた化粧板原紙を提供することである。尚、化粧板原紙はサイズ剤によるサイズ処理はしない特殊紙である。【解決手段】本発明の課題は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の少なくとも1種を外添により少なくともワイヤー面に付与して成るワイヤー面を印刷面とするインクジェット印刷用化粧板原紙によって達成される。【選択図】なし
Description
本発明は、メラミン化粧板、ポリエステル化粧板、ダップ化粧板等の熱硬化性樹脂化粧板の表面化粧材として使用される化粧板原紙に関するものである。より詳しくは、インクジェット印刷によって印刷する化粧板原紙に関するものである。
化粧板原紙には成型した際に下地を隠蔽するために、色相に応じて酸化チタン等の填料、顔料、染料が抄き込まれている。この点で化粧板の最表層に使用されるオーバーレイ原紙とは識別される。オーバーレイ原紙は成型した際に透明性に優れている必要がある。
化粧板原紙はその色相という観点からは白原紙と色原紙とに大別される。化粧板原紙の隠蔽力は一般的には酸化チタンを抄き込むことで付与されるが、色相によっても隠蔽力を付与することができる。例えば黒色原紙には酸化チタンは抄き込まれておらず、黒顔料又は黒染料を抄き込むことで隠蔽力を持たせている。本発明における隠蔽力とは化粧板とした際に下地を隠蔽する特性を言う。
また、印刷という観点では、印刷が施される印刷用とそのまま使用する単色用とにも大別される。印刷用途の場合は、抄紙機に設置されたオンマシンカレンダーにて脱水工程におけるワイヤーと接していない表面側(反ワイヤー面側)にカレンダー処理が施されている。印刷用途の表面の平滑度(王研式)は一般的には50〜200秒であり、印刷は表面側に施される。
何れにしても最終的には熱硬化性樹脂が含浸された状態で他の部材とともに積層して熱圧成型され化粧板に加工される。従って、化粧板原紙には熱硬化性樹脂の含浸適性が要求される。熱硬化性樹脂の含浸適性が悪いと、含浸工程の生産性を落とすことになる。尚、化粧板原紙は樹脂を多量に含浸するため、サイズ剤を用いたサイズ処理は施さない無サイズ処理の特殊紙である。
化粧板原紙への木目柄、抽象柄等の印刷は化粧板に意匠性を持たせるために施される。印刷方法としてはグラビア印刷が主流である。グラビア印刷は少量生産には向かない等の理由により、化粧板原紙にインクジェット印刷で印刷することも行われている。しかしながら、グラビア印刷用として設計された化粧板原紙を、インクジェット印刷用に転用してもインクジェット印刷の印刷仕上がりは充分満足のできるものではない。
化粧板原紙のインクジェット印刷適性を改善するために、例えば、特許文献1では化粧板原紙にインク受理層を塗工により設けることが提案されている。インク受理層を設けるには、抄紙した後、別途、塗工工程が必要となる。特許文献1の実施例では、化粧板原紙の平滑面側に非晶質シリカを含有するインク受理層を設けている。尚、特許文献1では熱硬化性樹脂の含浸適性については言及していない。
化粧板原紙以外の用途では、インク受理層を設けた所謂塗工紙タイプのインクジェット記録用紙だけでなく、インク受理層を設けない非塗工紙タイプのインクジェット記録用紙も検討されてきている。インク受理層を設けない方が原材料コスト的には安価である。例えば、特許文献2、特許文献3等が挙げられる。
特許文献2の請求項1は「支持体にジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物と1価又は2価の水溶性金属塩を塗工又は含浸させたことを特徴とする水溶性多色記録用インクジェット記録用紙」である。実施例3ではPVAも配合した含浸液をサイズプレス含浸している。
特許文献3は新聞印刷用インクジェット記録用紙に関するものである。特許文献3では水溶性多価金属塩を塗工により付与している。塗工液には澱粉、PVA等の水溶性高分子バインダーを使用してもよいとしている。
尚、特許文献2、特許文献3のインクジェット記録用紙は、内添サイズ処理されている。また、化粧板原紙に要求されるような隠蔽力はない。
化粧板原紙においてもより安価でインクジェット印刷適性に優れたインクジェット印刷用化粧板原紙が求められている。
本発明の課題は、インクジェット印刷によって印刷する化粧板原紙であって、非塗工紙タイプに関するものであり、インクジェット印刷適性に優れ、熱硬化性樹脂含浸性にも優れた化粧板原紙、更にはその化粧板原紙を用いて成る化粧板を提供することである。
本発明は、熱硬化性樹脂化粧板の表面化粧材に用いられる隠蔽力を有する化粧板原紙であって、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の少なくとも1種を外添により少なくともワイヤー面(裏面)に付与してなるワイヤー面を印刷面とするインクジェット印刷用化粧板原紙を要旨とするものである。
水溶性金属塩の外添は抄紙機での工程で外添する方法、又は、化粧板原紙を抄紙した後、別工程で外添する方法の何れでも構わない。
本発明は白原紙、色原紙の何れにも適用できる。また、平滑度の低い単色用にも適用できる。本発明は化粧板原紙の反ワイヤー面(表面)よりもワイヤー面(裏面)の方がインクジェット印刷適性に優れることを見出したものである。
本発明により、インクジェット印刷適性に優れ、熱硬化性樹脂含浸性にも優れた非塗工紙タイプのインクジェット印刷用化粧板原紙が提供される。
以下、順を追って本発明を説明する。
本発明において、インクジェット印刷用化粧板原紙の原材料、物性は従来の化粧板原紙を基本とするものであり、特に限定されるものではない。化粧板原紙の坪量は50g/m2以上110g/m2以下の範囲が一般的である。透気度(王研式)は含浸性の点では低い方が好ましく、米坪、灰分等にもよるが一般的には30秒を超えないように設計される。
本発明において、インクジェット印刷用化粧板原紙の原材料、物性は従来の化粧板原紙を基本とするものであり、特に限定されるものではない。化粧板原紙の坪量は50g/m2以上110g/m2以下の範囲が一般的である。透気度(王研式)は含浸性の点では低い方が好ましく、米坪、灰分等にもよるが一般的には30秒を超えないように設計される。
化粧板原紙は、公知の通り、LBKP、NBKP等のパルプ(パルプの濾水度は400〜600mlCSFが好ましい)、色相に応じて酸化チタン等の填料、顔料、染料と、湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、アルミン酸ナトリウム、歩留向上剤等の製紙用の各種添加剤を含有する紙料を長網抄紙機等で抄造することによって得られる。尚、化粧板原紙は内添サイズや表面サイズのサイズ処理は施さない特殊紙である。
化粧板原紙の灰分は黒色原紙のような特殊なものを除くと一般的に20〜40%である。白原紙の場合は、灰分は概ね酸化チタンの含有量に相当する。抄紙機の脱水工程での脱水によりワイヤー上で酸化チタンが紙料から抜けるため、ワイヤー面の方が反ワイヤー面に比べて酸化チタンの分布量が少なくなっている。また、顔料等も抜けるため色原紙においてはワイヤー面の方が反ワイヤー面に比べて色相が薄くなる。これらのことより化粧板原紙のワイヤー面と反ワイヤー面は識別できる
化粧板原紙においては要求される隠蔽力に応じて酸化チタン等の填料、顔料、染料を調整しているため、反ワイヤー面の酸化チタン分布量等を下げるには、坪量を上げる方法も取れなくはないが、坪量を上げると含浸する熱硬化性樹脂の量が多くなるため、コスト的には好ましくない。
化粧板原紙は、カレンダーによる平滑処理により平滑度を上げた設計にもできる。反ワイヤー面側(表面側)に平滑処理を施すと、それに応じてワイヤー面側(裏面側)の平滑度(王研式)も高くなる。一般的な印刷用途の化粧板原紙の反ワイヤー面平滑度は50〜200秒であり、対応するワイヤー面平滑度は坪量、灰分にもよるが20〜100秒である。尚、平滑度(王研式)は以下は単に平滑度と略記する。
カレンダーによる平滑処理は水溶性金属塩を抄紙機の工程で外添する場合は、外添後になる。一般的な印刷用化粧板原紙を用いて抄紙工程とは別工程で、別途外添する場合は外添前になる。尚、抄紙機とは別工程で別途外添する場合は、抄紙機ではカレンダーによる平滑処理はせずに、外添した後に、ワイヤー面側にカレンダーによる平滑処理を施すこともできる。ワイヤー面への平滑処理は透気度(王研式)30秒以下が目安になる。
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムの少なくとも1種からなる水溶性金属塩を化粧板原紙に付与する方法は公知の外添方法が適用でき特に限定されない。抄造とは別工程で外添する方法としては、エアーナイフコーター、バーコーター、ロールコーター等の塗工だけでなく、ディピング含浸も適用できる。抄造の際に外添する方法としては、プレスパートでのスプレー塗工、サイズプレスによる含浸等が挙げられる。
本発明で用いる塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸カルシウムは水への溶解性が高い水溶性金属塩である。また、これら4種類の水溶性金属塩の水溶液は中性である。一般に水溶液の中性とはpHで6.0以上8.0以下を指すものである。中性のため化粧板の成型性(成型仕上がり)には影響を与えにくい。
本発明はワイヤー面を印刷面とするため、少なくともワイヤー面に水溶性金属塩を担持させる必要がある。ワイヤー面に塗工する場合に比べて、サイズプレスにより含浸する場合、反ワイヤー面からスプレー塗工する場合には付与量を多くすることになる。本発明において、水溶性金属塩の化粧板原紙への付与量は、乾燥付着量(固形分)で0.5g/m2以上3.0g/m2以下の範囲が好ましい。
水溶性金属塩の付与量が少なすぎると、十分な発色性が得られない傾向にある。水溶性金属塩の付与量が多すぎると、熱硬化性樹脂含浸性を悪化させる傾向にある。
澱粉、PVA等の水溶性高分子バインダーは熱硬化性樹脂含浸性を悪化させる場合があるため、本発明においては水溶性金属塩の塗工液または含浸液には配合しない方が好ましい。
以上のようにして得られる本発明のインクジェット印刷用化粧板原紙には、ワイヤー面側にインクジェット印刷により印刷を施す。インクジェットの印刷方法については特に限定するものではない。インクについても特に限定するものではなく、例えば顔料インクとしては溶剤系顔料インクまたは水性顔料インクのいずれであってもよい。
インクジェット印刷用化粧板原紙のワイヤー面にインクジェット印刷が施された印刷物は、表面化粧材として公知の方法で熱硬化性樹脂化粧板に加工できる。得られる化粧板としては特に限定するものではなく、高圧メラミン化粧板、低圧メラミン化粧板、ポリエステル化粧板、ダップ化粧板の表面化粧材として用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、部及び%は質量部及び質量%を示す。
<ベースとなる化粧板原紙>
本実施例では、インクジェット印刷用化粧板原紙のベースとなる化粧板原紙として、KJ特殊紙製の80g/m2品の印刷用白原紙である製品品番KSH−801Pを用いた。使用したKSH−801Pの坪量は80g/m2、反ワイヤー面(表面)の平滑度は120秒、透気度は25秒、灰分は32%であった。ワイヤー面(裏面)の平滑度は58秒であった。尚、KSH−801Pは長網、多塔ドライヤー、オンマシンカレンダーを有する長網抄紙機にて抄造されている。
<ベースとなる化粧板原紙>
本実施例では、インクジェット印刷用化粧板原紙のベースとなる化粧板原紙として、KJ特殊紙製の80g/m2品の印刷用白原紙である製品品番KSH−801Pを用いた。使用したKSH−801Pの坪量は80g/m2、反ワイヤー面(表面)の平滑度は120秒、透気度は25秒、灰分は32%であった。ワイヤー面(裏面)の平滑度は58秒であった。尚、KSH−801Pは長網、多塔ドライヤー、オンマシンカレンダーを有する長網抄紙機にて抄造されている。
ベースとなる化粧板原紙への水溶性金属塩の含浸は次のようにして行った。
<水溶性金属塩の含浸>
ベースとなる化粧板原紙をA4サイズにカットし、水溶性金属塩の水溶液を入れたバットに10秒間浸漬して含浸した後、絞り機に通した。乾燥はシリンダードライヤーに通して乾燥した。
<水溶性金属塩の含浸>
ベースとなる化粧板原紙をA4サイズにカットし、水溶性金属塩の水溶液を入れたバットに10秒間浸漬して含浸した後、絞り機に通した。乾燥はシリンダードライヤーに通して乾燥した。
本実施例および比較例の評価は、以下の方法により行った。
(1)熱硬化性樹脂含浸性
熱硬化性樹脂含浸性は、熱硬化性樹脂として高圧メラミン化粧板用のメラミン樹脂の55%水溶液を用い、20℃に調整した後、紙の印刷面から浸み込ませ、紙の反印刷面までメラミン樹脂が均一に浸み込むまで目視で観察し、かかった時間をストップウオッチで測定した。数値が低い方がメラミン樹脂の含浸性に優れている。未処理のKSH−801Pの含浸性を考慮し(比較例3、4)、本発明においては100秒以下、より好ましくは50秒以下を良好とした。
熱硬化性樹脂含浸性は、熱硬化性樹脂として高圧メラミン化粧板用のメラミン樹脂の55%水溶液を用い、20℃に調整した後、紙の印刷面から浸み込ませ、紙の反印刷面までメラミン樹脂が均一に浸み込むまで目視で観察し、かかった時間をストップウオッチで測定した。数値が低い方がメラミン樹脂の含浸性に優れている。未処理のKSH−801Pの含浸性を考慮し(比較例3、4)、本発明においては100秒以下、より好ましくは50秒以下を良好とした。
(2)インクジェット印刷適性
<シャープ性評価>
インクジェットプリンターにPX−105(セイコーエプソン製)を用い、純正水性顔料インクを使用して桃色ベタ印刷した。この印刷物を用い、後記の方法で化粧板を作成した。シャープ性はこの化粧板のドット径をマイクロスコープ:VHX−500(キーエンス製)で観察することにより行った。ドット径が小さい方がシャープな画像となる。本発明においては比較例1、2を考慮し、ドット径60μm以下をシャープ性に優れるとした。
<シャープ性評価>
インクジェットプリンターにPX−105(セイコーエプソン製)を用い、純正水性顔料インクを使用して桃色ベタ印刷した。この印刷物を用い、後記の方法で化粧板を作成した。シャープ性はこの化粧板のドット径をマイクロスコープ:VHX−500(キーエンス製)で観察することにより行った。ドット径が小さい方がシャープな画像となる。本発明においては比較例1、2を考慮し、ドット径60μm以下をシャープ性に優れるとした。
<発色性評価>
インクジェットプリンターにPX−105(セイコーエプソン製)を用い、純正水性顔料インクを使用して黒色ベタ、青色ベタ、赤色ベタ、黄色ベタ印刷をした。この印刷物を用い、後記の方法で化粧板を作成した。この化粧板の色相をマクベク分光光度計:CE―3100(サカタインクス製)で測色した。
黒:L値:数値が低い方が黒色が濃く、発色に優れるとした。
青:b値:数値が低い方が青色が濃く、発色に優れるとした。
赤:a値:数値が高い方が赤色が濃く、発色に優れるとした。
黄:b値:数値が高い方が黄色が濃く、発色に優れるとした。
インクジェットプリンターにPX−105(セイコーエプソン製)を用い、純正水性顔料インクを使用して黒色ベタ、青色ベタ、赤色ベタ、黄色ベタ印刷をした。この印刷物を用い、後記の方法で化粧板を作成した。この化粧板の色相をマクベク分光光度計:CE―3100(サカタインクス製)で測色した。
黒:L値:数値が低い方が黒色が濃く、発色に優れるとした。
青:b値:数値が低い方が青色が濃く、発色に優れるとした。
赤:a値:数値が高い方が赤色が濃く、発色に優れるとした。
黄:b値:数値が高い方が黄色が濃く、発色に優れるとした。
<高圧メラミン化粧板の作製>
高圧メラミン化粧板用のメラミン樹脂100部と、硬化剤0.2部、浸透剤1部を水に溶かした55%溶液の含浸液に印刷物を手含浸して、印刷物基準で含浸率100〜130%のメラミン樹脂含浸紙を得た。
次に、メラミン樹脂が含浸されたオーバーレイ紙:メラミン含浸オーバーレイ紙(太田産業製)の上にフェノール樹脂が含浸されたコア紙:太田コア(太田産業製)を4枚重ね、更にその上にメラミン樹脂を含浸した上記印刷物を重ね、更にメラミン樹脂が含浸されたオーバーレイ紙を重ねた後、加熱加圧プレス機で、熱圧して化粧板を得た。
高圧メラミン化粧板用のメラミン樹脂100部と、硬化剤0.2部、浸透剤1部を水に溶かした55%溶液の含浸液に印刷物を手含浸して、印刷物基準で含浸率100〜130%のメラミン樹脂含浸紙を得た。
次に、メラミン樹脂が含浸されたオーバーレイ紙:メラミン含浸オーバーレイ紙(太田産業製)の上にフェノール樹脂が含浸されたコア紙:太田コア(太田産業製)を4枚重ね、更にその上にメラミン樹脂を含浸した上記印刷物を重ね、更にメラミン樹脂が含浸されたオーバーレイ紙を重ねた後、加熱加圧プレス機で、熱圧して化粧板を得た。
[実施例1]
塩化カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.7)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.0g/m2、ワイヤー面の平滑度は29秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
塩化カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.7)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.0g/m2、ワイヤー面の平滑度は29秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[実施例2]
塩化マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.6)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.6g/m2、ワイヤー面の平滑度は24秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
塩化マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.6)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.6g/m2、ワイヤー面の平滑度は24秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[実施例3]
硫酸マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.5)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.1g/m2、ワイヤー面の平滑度は29秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
硫酸マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.5)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.1g/m2、ワイヤー面の平滑度は29秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[実施例4]
酢酸カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.1)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は1.9g/m2、ワイヤー面の平滑度は31秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
酢酸カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.1)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は1.9g/m2、ワイヤー面の平滑度は31秒だった。次いで、ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[参考例1]
塩化カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.7)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.0g/m2、反ワイヤー面の平滑度は65秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
塩化カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.7)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.0g/m2、反ワイヤー面の平滑度は65秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[参考例2]
塩化マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.6)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.6g/m2、反ワイヤー面の平滑度は58秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
塩化マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.6)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.6g/m2、反ワイヤー面の平滑度は58秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[参考例3]
硫酸マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.5)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.1g/m2、反ワイヤー面の平滑度は65秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
硫酸マグネシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.5)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は2.1g/m2、反ワイヤー面の平滑度は65秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[参考例4]
酢酸カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.1)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は1.9g/m2、反ワイヤー面の平滑度は61秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
酢酸カルシウム(和光純薬製)の4%水溶液を調整した。この水溶液(pH=7.1)を含浸液として、印刷用白原紙KSH−801Pに含浸した。乾燥付着量は1.9g/m2、反ワイヤー面の平滑度は61秒だった。次いで、反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[比較例1]
市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙(セイコーエプソン製、両面上質普通紙、インクジェット専用)の片方の面をA面とし、A面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙(セイコーエプソン製、両面上質普通紙、インクジェット専用)の片方の面をA面とし、A面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[比較例2]
比較例1で用いた市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙(セイコーエプソン製、両面上質普通紙、インクジェット専用)のもう一方の面をB面とし、B面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
比較例1で用いた市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙(セイコーエプソン製、両面上質普通紙、インクジェット専用)のもう一方の面をB面とし、B面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[比較例3]
印刷用白原紙KSH−801Pの非ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
印刷用白原紙KSH−801Pの非ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
[比較例4]
印刷用白原紙KSH−801Pのワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
印刷用白原紙KSH−801Pのワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
表1に実施例1〜4の評価結果を示す。化粧板の成型仕上がりは良好であった。
表2に参考例1〜4の評価結果を示す。化粧板の成型仕上がりは良好であった。
表3に比較例1〜4の評価結果を示す。
表1〜3の結果より、
(1)比較例1、2の市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙は熱硬化性樹脂含浸性に劣ることが判る。また、実施例1〜4、参考例1〜4に比べてシャープ性に劣ることが判る。
(2)実施例1〜4、参考例1〜4は比較例3、4の未処理の化粧板原紙に比べて、インクジェット印刷適性が改善されており、熱硬化性樹脂含浸適性も優れていることが判る。
(3)実施例1〜4は参考例1〜4に比べて発色性に優れていることが判る。即ち、反ワイヤー面よりもワイヤー面にインクジェット印刷した方が好ましいことが判る。
(1)比較例1、2の市販の非塗工紙タイプのインクジェット用紙は熱硬化性樹脂含浸性に劣ることが判る。また、実施例1〜4、参考例1〜4に比べてシャープ性に劣ることが判る。
(2)実施例1〜4、参考例1〜4は比較例3、4の未処理の化粧板原紙に比べて、インクジェット印刷適性が改善されており、熱硬化性樹脂含浸適性も優れていることが判る。
(3)実施例1〜4は参考例1〜4に比べて発色性に優れていることが判る。即ち、反ワイヤー面よりもワイヤー面にインクジェット印刷した方が好ましいことが判る。
本発明のインクジェット印刷用化粧板原紙は、インクジェット印刷適性に優れ且つメラミン樹脂含浸性にも優れているため、インクジェット印刷物を表面化粧材として用いる高圧メラミン化粧板での利用が期待できる。また、高圧メラミン化粧板だけでなく、低圧メラミン化粧板、ポリエステル化粧板、ダップ化粧板への展開が期待できる。
化粧板原紙には成型した際に下地を隠蔽するために、酸化チタンが抄き込まれている。この点で化粧板の最表層に使用されるオーバーレイ原紙とは識別される。オーバーレイ原紙は成型した際に透明性に優れている必要がある。
化粧板原紙は、LBKP、NBKP等のパルプ(パルプの濾水度は400〜600mlCSFが好ましい)、色相に応じて酸化チタン、顔料、染料等と、湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、アルミン酸ナトリウム、歩留向上剤等の製紙用の各種添加剤を含有する紙料を長網抄紙機等で抄造することによって得られる。尚、化粧板原紙は内添サイズや表面サイズのサイズ処理は施さない特殊紙である。
化粧板原紙においては要求される隠蔽力に応じて酸化チタン量を調整しているため、反ワイヤー面の酸化チタン分布量を下げるには、坪量を上げる方法も取れなくはないが、坪量を上げると含浸する熱硬化性樹脂の量が多くなるため、コスト的には好ましくない。
[比較例3]
印刷用白原紙KSH−801Pの反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
印刷用白原紙KSH−801Pの反ワイヤー面を印刷面としてインクジェットプリンターで印刷した。
本発明は、熱硬化性樹脂化粧板の表面化粧材に用いられる、隠蔽力を有しサイズ処理はしない化粧板原紙であって、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の少なくとも1種を外添により少なくともワイヤー面(裏面)に付与してなるワイヤー面を印刷面とするインクジェット印刷用化粧板原紙を要旨とするものである。
Claims (3)
- 熱硬化性樹脂化粧板の表面化粧材に用いられる隠蔽力を有する化粧板原紙であって、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム及び酢酸カルシウムの群からなる中性の水溶性金属塩の少なくとも1種を外添により少なくともワイヤー面に付与してなるワイヤー面を印刷面とするインクジェット印刷用化粧板原紙。
- 前記水溶性金属塩の乾燥付着量が0.5〜3.0g/m2である請求項1記載のインクジェット印刷用化粧板原紙。
- 請求項1のインクジェット印刷用化粧板原紙にインクジェット印刷が施された印刷物を表面化粧材として用いた熱硬化性樹脂化粧板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013236520A JP2015096660A (ja) | 2013-11-15 | 2013-11-15 | 化粧板原紙及び化粧板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013236520A JP2015096660A (ja) | 2013-11-15 | 2013-11-15 | 化粧板原紙及び化粧板 |
Publications (1)
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JP2015096660A true JP2015096660A (ja) | 2015-05-21 |
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ID=53374067
Family Applications (1)
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JP (1) | JP2015096660A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10947404B2 (en) | 2016-07-21 | 2021-03-16 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Ink fixative solution |
-
2013
- 2013-11-15 JP JP2013236520A patent/JP2015096660A/ja active Pending
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US10947404B2 (en) | 2016-07-21 | 2021-03-16 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | Ink fixative solution |
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