JP2014156462A - 内部オレフィンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールを原料とし、下記工程(1)〜(3)を行う内部オレフィンの製造方法。
工程(1):固体触媒の存在下、炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの脱水反応を行う工程
工程(2):脱水反応で得られた水分含有オレフィンの水分含有量を0.001質量%以上7質量%以下に調整する工程
工程(3):固体触媒の存在下、水分含有量が0.001質量%以上7質量%以下に調整された水分含有オレフィンを内部異性化させる工程
【選択図】なし
Description
また、水の存在下で、かつ、触媒として結晶性メタロシリケートを用いて内部オレフィンを得る方法が記載されている(特許文献2)。
また、内部オレフィンの原料となるα−オレフィンの製造方法としては、第一級脂肪族アルコールの脱水反応により、α−オレフィンを得る方法がある(特許文献3、及び特許文献4)。
特許文献1では、エチレン等を重合することにより得たα−オレフィンを用いて、内部オレフィンを製造する方法が開示されているが、直鎖内部オレフィン収率が高いとは言えず、また、内部オレフィンの二重結合位置移動度に関しては検討されていない。
特許文献2には、α−オレフィンに対して大過剰の水の存在下、結晶性メタロシリケートを触媒として、内部オレフィンを製造する方法が開示されているが、直鎖内部オレフィン収率が高いとはいえず、また、内部オレフィンの二重結合位置移動度に関しては記載されていない。
特許文献3には、第一級脂肪族アルコールの脱水反応によるα−オレフィンの製造方法が開示されているが、内部オレフィンを製造する技術については、具体的な検討がなされていない。また、特許文献4にも、第一級脂肪族アルコールの脱水反応によるオレフィン類の製造方法が開示されているが、水を系外に除去しながら脱水反応を行う場合において異性化反応を効率的に行う方法については検討されていない。
なお、特許文献1においては、アルコールの脱水反応に由来する水分含有量が多い原料を使用することは想定していないため、異性化反応における水分量については詳細な検討がなされていない。
また、特許文献2において開示されている方法は、アルコールの脱水反応に由来する水分量よりも水分量が多い条件で反応を行う方法であり、アルコールの脱水反応の直後に行う異性化工程に応用する方法としては現実的ではない。また、異性化反応における水分量の影響については具体的な開示がなされていない。
[1]炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールを原料とし、下記工程(1)〜(3)を行う内部オレフィンの製造方法。
工程(1):固体触媒の存在下、炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの脱水反応を行う工程
工程(2):脱水反応で得られた水分含有オレフィンの水分含有量を0.001質量%以上7質量%以下に調整する工程
工程(3):固体触媒の存在下、水分含有量が0.001質量%以上7質量%以下に調整された水分含有オレフィンを内部異性化させる工程
[2]前記製造方法により製造された内部オレフィンをスルホン化することによりスルホン化生成物を得る工程と、前記スルホン化生成物を中和した後、中和物を加水分解処理する工程とを含む、内部オレフィンスルホン酸塩の製造方法。
従来、オレフィンの内部異性化反応における反応速度の低下は、原料オレフィンに含まれる水分が触媒を失活させることに起因すると考えられていた。
しかしながら、これまでの考え方ではあり得ない量の水分が反応系内に存在していたとしても触媒が失活することはなく、むしろ、その水分が副反応を生じさせる触媒表面の活性点に吸着することにより、副反応が生じにくくなっていると考えられる。その結果、内部異性化の反応速度が向上し、且つ副反応も抑制されていると考えられる。
工程(1)においては、固体触媒の存在下、炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの脱水反応を行う。
<原料>
工程(1)においては、原料として炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールを用いる。
前記第一級脂肪族アルコールは、石油由来のアルコール、及び天然原料由来のアルコールのいずれでもよい。
天然由来の第一級脂肪族アルコールとしては、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、なたね油、牛脂、豚脂、トール油、及び魚油等を原料としたものが挙げられる。
前記第一級脂肪族アルコールの炭素数は、工程(2)において水を簡便に分離する観点から、8以上であり、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、原料の入手容易性の観点から、24以下であり、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である。
前記天然由来の第一級脂肪族アルコールとしては、例えば、n−オクタノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−テトラデカノール、n−ヘキサデカノール、n−オクタデカノール、n−エイコサノール、n−ドコサノール、n−テトラコサノール等が挙げられる。
工程(1)は、固体触媒の存在下で反応を行う。
固体触媒としては、脱水反応の反応速度を高める観点から、固体酸触媒が好ましい。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、並びに内部オレフィンの収率を向上させる観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であり、平均二重結合移動度を高める観点から、好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは94%以下である。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、内部オレフィンの収率を向上させる観点、並びに平均二重結合移動度を高める観点から、好ましくは70%以上100%以下、より好ましくは80%以上100%以下、更に好ましくは90%以上100%以下である。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、並びに内部オレフィンの収率を向上させる観点から、更に好ましくは92%以上100%以下である。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、平均二重結合移動度を高める観点から、更に好ましくは90%以上99%以下、更に好ましくは90%以上98%以下、更に好ましくは90%以上95%以下、更に好ましくは90%以上94%以下である。
本明細書において弱酸量の割合とは、アンモニア昇温脱離法(NH3−TPD)により測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である。
NH3−TPDとは、固体触媒にアンモニアを吸着させた後、一定の昇温速度に制御して連続的に昇温させて、脱離するアンモニア量及び脱離温度を測定する方法である。固体触媒の酸点のうち弱い酸点に吸着しているアンモニアは低温で脱離し、強い酸点に吸着しているアンモニアは高温で脱離することから、触媒の酸量や酸強度を測定することができる。アンモニア昇温脱離法による測定は、例えば触媒分析装置「全自動昇温脱離装置TPD−1At」(日本ベル株式会社製)を用いて行うことができる。
前記弱酸量は、ZSM−5型ゼオライト「JRC−Z5−25H」(エクソンモービルカタリスト社製)のhighピーク(観測される2種のピークのうち、高温側のピーク)を0.99mmol/gとして、これに対する相対的な量として測定する。ピークの検出は、質量スペクトルにおけるアンモニアのm/e=17のフラグメントでアンモニアを定量することにより行う。
前処理 :ヘリウム中200℃まで20分で昇温、1時間保持
NH3吸着処理 :50℃、2.7kPaで10分間NH3を吸着
真空処理 :50℃、4時間処理。真空度2.7kPa
TPD測定 :ヘリウムガスを50ml/minで流通、昇温速度5℃/minで600℃まで昇温
弱酸量の割合(%)=弱酸量(mmol/g)/全酸量(mmol/g)×100
工程(1)に用いる具体的な固体酸触媒としては、γ−アルミナやリン酸アルミニウムが好ましい。
工程(1)における反応温度は、反応速度を向上させる観点から、好ましくは140℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは240℃以上であり、更に好ましくは270℃以上である。
また、工程(1)における反応温度は、副反応を抑制する観点から、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、更に好ましくは290℃以下である。
工程(1)における反応容器内の圧力は、反応速度の観点から、絶対圧力で0.14MPa以下であることが好ましい。
簡便な設備で反応を行う観点から、容器内の圧力は、絶対圧力で好ましくは0.03MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上、更に好ましくは0.1MPa以上であり、同様な観点から、好ましくは0.14MPa以下である。
工程(1)における反応容器内の圧力は絶対圧力で、好ましくは0.03MPa以上0.14MPa以下、より好ましくは0.05MPa以上0.14MPa以下、更に好ましくは大気圧である。
工程(1)における反応は、アルコールの脱水反応であることから、副生した水が反応容器に滞留すると反応速度が低下するおそれがある。したがって、反応速度を向上させる観点から、反応容器内に不活性ガスを導入することが好ましい。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、及びヘリウム等が挙げられ、入手容易性の観点から、窒素が好ましい。
不活性ガスの導入量は、反応速度を向上させる観点から、原料の第一級脂肪族アルコール1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.2モル以上である。また、不活性ガスの導入量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは10モル以下、より好ましくは1モル以下である。
工程(1)における反応形態は、例えば、固体触媒を充填した反応容器に原料を供給して反応を行う固定床反応、又は固体触媒を原料に懸濁させて反応を行う懸濁床反応が挙げられる。生産効率の観点から、工程(1)における反応形態は固定床反応が好ましい。同様の観点から、固定床反応において固体触媒を充填する反応容器は管型反応器であることが好ましい。
懸濁床反応における反応時間は、脱水反応を効率よく行う観点から、好ましくは0.1時間以上20時間以下、より好ましくは0.5時間以上10時間以下、更に好ましくは1時間以上5時間以下である。
工程(2)は、炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの脱水反応で得られる水分含有オレフィンの水分含有量を、0.001質量%以上7質量%以下に調整する工程である。
工程(2)終了時の水分含有オレフィンの水分含有量は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、内部オレフィンの収率を向上させる観点、並びに平均二重結合移動度を高める観点から、0.001質量%以上であり、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.008質量%以上であり、二量体化オレフィンの生成を抑制する観点、内部オレフィンの収率を向上させる観点、及び平均二重結合移動度を高める観点から、7質量%以下であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.07質量%以下、更に好ましくは0.05質量%以下であり、更に好ましくは0.02質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下である。
工程(2)終了時の水分含有オレフィンの第一級脂肪族アルコールの含有量は、工程(3)での反応速度を向上させる観点から、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.01質量%以下である。
水分含有オレフィン中の水分は、カールフィッシャー試験法(JIS K 2275に準拠)で測定することができる。
工程(2)における水分含有オレフィンの水分含有量を低下させる方法としては、工程(1)において反応容器内の圧力を低下させる方法、不活性ガスの流量を大きくする方法、及び反応容器内の圧力を低下させると共に不活性ガスの流量を大きくする方法、工程(1)において生成した水を水分含有オレフィンから分離する方法を挙げることができる。 工程(2)における水分含有オレフィンの水分含有量を低下させる方法としては、設備負荷の観点から、工程(1)において生成した水を水分含有オレフィンから分離する方法が好ましい。
工程(1)において生成した水を水分含有オレフィンから分離する方法としては、水分含有オレフィンを水層と油層とに分層した後、水層を油層から分離する方法、及び工程(1)で得られた水分含有オレフィンを、蒸気圧差を利用して気相と液相とに分相した後、水層を気相として油層から分離する方法で行うことができる。
これらの中では、工程(2)を簡便な設備で実施する観点から、水分含有オレフィンを水層と油層とに分層した後、水層を油層から分離する方法、及び工程(1)で得られた水分含有オレフィンを、蒸気圧差を利用して気相と液相とに分相した後、水層を気相として油層から分離する方法が好ましく、中でも、水分含有オレフィンを水層と油層とに分層した後、水層を油層から分離する方法が好ましい。
静置分離で行う場合の水分含有オレフィンの静置時間は、水層と油層とを確実に分離する観点から、好ましくは1分間以上、より好ましくは10分間以上であり、更に好ましくは1時間以上、更に好ましくは3時間以上である。
また、静置時間は、生産効率を向上させる観点から好ましくは10時間以下、より好ましくは5時間以下である。
また、静置分離で行う場合、水分含有オレフィンの静置時の温度は、油層の水分含有量を低減する観点から、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下である。また、生産効率を向上させる観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃以上である。
本発明においては、工程(1)で得られた水分含有オレフィンから水を分離する前、又は分離した後、工程(1)で得られた水分含有オレフィンに水を添加して水分含有量を調整することができる。
なお、工程(1)を、管型反応器を用いた固定床反応で行う場合、生成した水、反応生成物及び未反応原料が混合された状態で反応容器中を流通するため生成水のみを抜き出すことは難しい。したがって、工程(1)を、管型反応器を用いた固定床反応で行う場合は工程(1)を行った後、工程(2)を行う必要がある。
工程(3)では、固体触媒の存在下、水分含有量が0.001質量%以上7質量%以下に調整された水分含有オレフィンを内部異性化させる。
<触媒>
工程(3)において用いる固体触媒は、異性化反応の反応速度を向上させる観点から、酸触媒が好ましい。
固体触媒の弱酸量の割合は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、並びに内部オレフィンの収率を向上させる観点から、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であり、平均二重結合移動度を高める観点から、好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは94%以下である。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、内部オレフィンの収率を向上させる観点、並びに平均二重結合移動度を高める観点から、好ましくは70%以上100%以下、より好ましくは80%以上100%以下、更に好ましくは90%以上100%以下である。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、並びに内部オレフィンの収率を向上させる観点から、更に好ましくは92%以上100%以下、更に好ましくは95%以上100%以下である。
固体酸触媒の弱酸量の割合は、平均二重結合移動度を高める観点から、更に好ましくは90%以上99%以下、更に好ましくは90%以上98%以下、更に好ましくは90%以上95%以下、更に好ましくは90%以上94%以下である。
固体酸触媒における弱酸量は、副反応を抑制する観点から、好ましくは0.01mmol/g以上、より好ましくは0.05mmol/g以上、更に好ましくは0.1mmol/g以上である。
工程(3)に用いることができる固体酸触媒としては、γ−アルミナやリン酸アルミニウム等が好ましい。
なお、工程(3)に用いる固体触媒は、製造コストを抑える観点から、工程(1)で使用したものと同一の固体触媒を用いることが好ましい。
工程(3)における反応温度は、平均二重結合移動度を高める観点及び二量体化オレフィンの生成を抑制する観点から、好ましくは140℃以上、より好ましくは180℃以上、更に好ましくは200℃以上、更に好ましくは230℃以上、更に好ましくは240℃以上であり、更に好ましくは270℃以上である。
工程(3)における反応温度は、分岐オレフィン及び二量体化オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィン収率の観点並びに内部オレフィンの収率の観点から、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、更に好ましくは290℃以下、更に好ましくは280℃以下、更に好ましくは250℃以下である。
工程(3)における反応温度は、二量体化オレフィン及び分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、内部オレフィンの収率を向上させる観点、並びに平均二重結合移動度を高める観点から、好ましくは140℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上300℃以下、更に好ましくは200℃以上300℃以下、更に好ましくは230℃以上290℃以下である。
工程(3)における反応温度は、分岐オレフィンの生成を抑制する観点、直鎖オレフィンの収率を向上させる観点、及び内部オレフィンの収率を向上する観点から、更に好ましくは230℃以上280℃以下、更に好ましくは230℃以上250℃以下である。
工程(3)における反応温度は、二量体化オレフィンの生成を抑制する観点及び平均二重結合移動度を高める観点から更に好ましくは240℃以上290℃以下、更に好ましくは270℃以上290℃以下である。
工程(3)における反応容器内の圧力に特に制限はなく、簡便な設備で反応を行う観点から、工程(3)における圧力は、絶対圧力で好ましくは0.03MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上、更に好ましくは0.1MPa以上であり、好ましくは1MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下、更に好ましくは0.2MPa以下であり、具体的に好ましくは大気圧である。
工程(3)では、反応容器に不活性ガスを導入することができる。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等が挙げられ、入手容易性の観点から、窒素が好ましい。
不活性ガスの導入量は、反応速度を向上させる観点から、原料のオレフィン1モルに対して、好ましくは0.1モル以上、より好ましくは0.2モル以上である。また、不活性ガスの導入量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは10モル以下、より好ましくは1モル以下である。
工程(3)における反応形態は、例えば、固定床反応、及び懸濁床反応が挙げられる。工程(3)においては、生産効率の観点から、固定床反応が好ましい。同様の観点から、固定床反応において固体触媒を充填する反応容器は管型反応器であることが好ましい。
工程(3)及び工程(1)のいずれも固定床反応で行う場合には、それぞれを別の反応容器で反応を行ってもよく、同一の反応容器で反応を行ってもよい。
前述のとおり、工程(1)を固定床反応により行う場合は、工程(2)を工程(1)とは独立して行う必要がある。したがって、工程(3)と工程(1)とを同一の反応容器で行う場合は、工程(1)で得られた水分含有オレフィンに対して工程(2)を行った後、工程(1)の反応容器に水分含有オレフィンを供給し、工程(3)を行う。
懸濁床反応における反応時間は、反応効率の観点から、好ましくは0.1時間以上20時間以下、より好ましくは0.5時間以上10時間以下、更に好ましくは1時間以上5時間以下である。
工程(3)における直鎖オレフィンの収率は、工程(1)で供給した原料の第一級脂肪族アルコールのモル数に対して、好ましくは90モル%以上、より好ましくは93モル%以上、より好ましくは94モル%以上であり、好ましくは100%以下である。
工程(3)における分岐単量体オレフィンの収率は、工程(1)で供給した原料の第一級脂肪族アルコールのモル数に対して、好ましくは5モル%以下、より好ましくは4モル%以下である。
工程(3)における2量化オレフィンの収率は、工程(1)で供給した原料の第一級脂肪族アルコールのモル数に対して、好ましくは2モル%以下、より好ましくは1.5モル%以下である。
工程(3)により得られるオレフィン中のα−オレフィンの分率は、好ましくは2.0モル%以下、より好ましくは1.5モル%以下、更に好ましくは1.0モル%以下である。
本発明においては、上記のようにして得られた水分含有内部オレフィンから、単量体の内部オレフィン類のみを蒸留等により分離することにより、高純度の内部オレフィン類を得ることができる。
本発明の内部オレフィンスルホン酸塩の製造方法は、前記本発明の製造方法により得られたオレフィンをスルホン化することによりスルホン化生成物を得る工程と、前記スルホン化生成物を中和した後、中和物を加水分解処理する工程とを含む、内部オレフィンスルホン酸塩の製造方法である。
前記スルホン化反応における反応温度は、好ましくは0℃以上80℃以下である。
中和に用いることができるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、2−アミノエタノール水溶液等が挙げられる。
加水分解反応は、水の存在下90℃以上200℃以下で30分以上3時間以下反応させることにより行うことができる。
前記スルホン化反応及び中和反応は、連続して行うことができる。前記中和反応の終了後は、抽出、洗浄等により精製することができる。
<1>炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールを原料とし、下記工程(1)〜(3)を行う内部オレフィンの製造方法。
工程(1):固体触媒の存在下、炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの脱水反応を行う工程
工程(2):脱水反応で得られた水分含有オレフィンの水分含有量を0.001質量%以上7質量%以下に調整する工程
工程(3):固体触媒の存在下、水分含有量が0.001質量%以上7質量%以下に調整された水分含有オレフィンを内部異性化させる工程
<2>炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの炭素数が8以上であり、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、更に好ましくは14以上、更に好ましくは16以上であり、24以下であり、好ましくは22以下、より好ましくは18以下である、<1>に記載の内部オレフィンの製造方法。
<5>工程(2)における水分を分離する方法が、好ましくは工程(1)で得られた水分含有オレフィンの水層を油層から分離する方法、工程(1)で得られた水分含有オレフィンを減圧条件下で水分を蒸発させる方法、及び工程(1)で得られた水分含有オレフィンを、蒸気圧差を利用して気相と液相とに分相した後、水層を気相として油層から分離する方法であり、より好ましくは工程(1)で得られた水分含有オレフィンの水層を油層から分離する方法、又は工程(1)で得られた水分含有オレフィンを、蒸気圧差を利用して気相と液相とに分相した後、水層を気相として油層から分離する方法であり、より好ましくは工程(1)で得られた水分含有オレフィンの水層を油層から分離する方法である、<1>〜<4>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<7>静置分離における水分含有オレフィンの静置時の温度が、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下であり、好ましくは0℃以上、より好ましくは20℃以上である、<6>に記載の内部オレフィンの製造方法。
<9>工程(1)を固定床反応で行う、<1>〜<8>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<11>工程(1)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であり、好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは95%以下である、<1>〜<10>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<13>工程(1)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が更に好ましくは92%以上100%以下である、<1>〜<10>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<14>工程(1)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が更に好ましくは90%以上99%以下、更に好ましくは90%以上98%以下、更に好ましくは90%以上95%以下、更に好ましくは90%以上94%以下である、<1>〜<10>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<15>工程(3)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上、更に好ましくは92%以上であり、好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下、更に好ましくは95%以下、更に好ましくは94%以下である、<1>〜<14>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<16>工程(3)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が好ましくは70%以上100%以下、より好ましくは80%以上100%以下、更に好ましくは90%以上100%以下である、<1>〜<14>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<17>工程(3)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が更に好ましくは92%以上100%以下、更に好ましくは95%以上100%以下である、<1>〜<14>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<18>工程(3)における固体触媒が固体酸触媒であって、NH3−TPDにより測定された全酸量のうち、脱離温度300℃以下におけるアンモニア脱離量から算出された酸量である弱酸量が更に好ましくは90%以上99%以下、更に好ましくは90%以上98%以下、更に好ましくは90%以上95%以下、更に好ましくは90%以上94%以下である、<1>〜<14>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<19>工程(1)の反応温度が好ましくは140℃以上、より好ましくは200℃以上、更に好ましくは240℃以上であり、更に好ましくは270℃以上であり、好ましくは350℃以下、より好ましくは300℃以下、更に好ましくは290℃以下である、<1>〜<18>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<21>工程(3)の反応温度が、好ましくは140℃以上350℃以下、より好ましくは180℃以上300℃以下、更に好ましくは200℃以上300℃以下、更に好ましくは230℃以上290℃以下である、<1>〜<19>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<22>工程(3)の反応温度が、好ましくは230℃以上280℃以下、より好ましくは230℃以上250℃以下である、<1>〜<19>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<23>工程(3)の反応温度が、好ましくは240℃以上290℃以下、より好ましくは270℃以上290℃以下である、<1>〜<19>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<24>工程(1)の反応圧力が、好ましくは0.03MPa以上、より好ましくは0.05MPa以上、更に好ましくは0.1MPa以上であり、好ましくは0.14MPa以下であり、より好ましくは0.03MPa以上0.14MPa以下、より好ましくは大気圧である、<1>〜<23>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<26>工程(1)のWHSVが、好ましくは0.1/hr以上、より好ましくは0.15/hr以上、更に好ましくは0.2/hr以上であり、好ましくは6/hr以下、より好ましくは4/hr以下、更に好ましくは2/hr以下、更に好ましくは1/hr以下である、<9>〜<25>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
<29>工程(3)で得られる内部オレフィンの平均二重結合移動度が、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上である、<1>〜<28>のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
下記実施例及び比較例で得られた試料のオレフィンの定量は以下のように行った。
(アルコール転化率、オレフィン収率および水の定量)
試料をヘキサンにより希釈した後、ガスクロマトグラフ分析装置「HP6890」(HEWLETT PACKARD社製、カラム:Ultra ALLOY-1キャピラリーカラム30.0m×250μm(フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器:水素炎イオン検出器(FID))を用い、インジェクション温度:300℃、ディテクター温度:350℃、He流量:4.6mL/分の条件で分析することにより原料のアルコール及び生成したオレフィンを定量した。
アルコール転化率、生成物の収率、工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量、工程(3)における二量体化オレフィンの生成量、及びα−オレフィンの分率は、以下の式により算出した。
試料中の水分含有量については、カールフィッシャー水分分析装置「タイトランド852」(メトロームジャパン株式会社製)を用いて測定した。
試料1質量部にジメチルジスルフィド25質量部、ヨウ素1質量部を加え常温で1時間混合し、30質量%チオ硫酸ナトリウム水溶液25質量部を加えて、無色透明になるまで激しく振り混ぜた。その後、エタノール25質量部、ヘキサン21質量部の順に加え混合した。静置して分層後、得られたヘキサン層を、ガスクロマトグラフ分析装置「HP6890」(HEWLETT PACKARD社製、カラム:Ultra ALLOY-1キャピラリーカラム30.0m×250μm(フロンティア・ラボ株式会社製)、検出器:水素炎イオン検出器(FID))を用い、インジェクション温度:300℃、ディテクター温度:350℃、He流量:4.6mL/分の条件で分析することによりオレフィン二重結合位置を定量した。
工程(1)
内径35mm、長さ500mmの反応管を鉛直方向に設置した。反応管に、触媒としてγ-アルミナ触媒「NeobeadGB13」(水沢化学化学工業株式会社製、弱酸量:0.28mmol/g、弱酸量の割合:92.5%、)を(335g)充填した。
触媒層の温度を280℃とし、第一級脂肪族アルコールとしてステアリルアルコール「カルコール8098」(花王株式会社製、20℃での密度0.83g/cm3)を毎時0.15L(LHSV=0.30/hr、WHSV=0.37/hr)、及び窒素を標準状態の体積換算で毎時3.2L(窒素の導入量=ステアリルアルコール1モルに対して0.3モル)を反応容器の上部より大気圧で72時間供給した。反応管出口液を80℃に冷却して水分含有オレフィンを回収した。アルコール転化率は100モル%、直鎖単量体オレフィンの収率は98.5モル%、分岐単量体オレフィンの収率は0.33モル%、二量体化オレフィンの収率は1.22モル%であった。1−オクタデセンの収率は4.9モル%、平均二重結合移動度は2.1であった。
工程(1)で得られた水分含有オレフィンの静置時の温度を40℃とし、静置時間を4時間として油層及び水層に分層させた。得られた油層は工程(3)の原料として用い、水層は廃棄した。油層の水分含有量は0.0044質量%であった。
内径35mm、長さ500mmの反応管を鉛直方向に設置し、反応管に工程(1)で用いた触媒と同一種類で同一ロットのγ-アルミナを0.5L(335g)充填した。
触媒層の温度を280℃とし、工程(2)で得られた油層を毎時0.75L(LHSV=1.50/hr)、及び窒素を標準状態の体積換算で毎時3.2Lを反応容器の上部より大気圧で14時間供給した。反応管出口液を40℃に冷却して回収した。
直鎖単量体オレフィン収率は94.2モル%であった。工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量は4.17モル%、二量体化オレフィンの生成量は0.11モル%であった。1−オクタデセンの収率は1.63モル%、平均二重結合移動度は4.1であった。結果を表1に示す。
実施例1の工程(2)における静置時の温度を80℃としたこと以外は、実施例1と同じ条件で、同じ操作を行った。工程(2)で得られた油層の水分含有量は0.0090質量%であり、工程(3)で得られた直鎖単量体オレフィン収率は94.9モル%であった。工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量は3.58モル%であり、工程(3)における二量体化オレフィンの生成は確認されなかった。1−オクタデセンの収率は0.88モル%、平均二重結合移動度は4.3であった。結果を表1に示す。
実施例1の工程(2)で得られた油層に脱イオン水を添加し、水分含有量を0.1481質量%に調節した油分を用いて工程(3)を行ったこと以外は、実施例1と同じ条件で、同じ操作を行った。
工程(3)で得られた直鎖単量体オレフィン収率は96.1モル%であった。工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量は1.97モル%であった。1−オクタデセンの収率は2.00モル%、平均二重結合移動度は3.7であった。結果を表1に示す。
実施例1の工程(1)で第1級脂肪族アルコールとしてパルミチルアルコール(花王株式会社性、カルコール6098)を用い、工程(2)で得られた油層に脱イオン水を添加し、水分含有量を0.0570質量%に調節した油分を用いて工程(3)を行ったこと以外は、実施例1と同じ条件で、同じ操作を行った。
工程(1)で得られた水分含有オレフィンのアルコール転化率は100モル%、直鎖単量体オレフィンの収率は98.8モル%、分岐単量体オレフィンの収率は0.25モル%、二量体化オレフィンの収率は0.93モル%であった。1−ヘキサデセンの収率は3.41モル%、平均二重結合移動度は2.2であった。
工程(3)で得られた直鎖単量体オレフィン収率は96.0モル%であった。工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量は2.47モル%であり、工程(3)における二量体化オレフィンの生成量は0.35モル%であった。1−ヘキサデセンの収率は0.70モル%、平均二重結合移動度は4.4であった。結果を表1に示す。
実施例1の工程(1)で第1級脂肪族アルコールとして、パルミチルアルコールとステアリルアルコールを質量比が80:20となるように混合したアルコールを用い、工程(2)で得られた油層に脱イオン水を添加し、水分含有量を0.0570質量%に調節した油分を用いて工程(3)を行ったこと以外は、実施例1と同じ条件で、同じ操作を行った。
工程(1)で得られた水分含有オレフィンのアルコール転化率は100モル%、直鎖単量体オレフィンの収率は98.7モル%、分岐単量体オレフィンの収率は0.27モル%、二量体化オレフィンの収率は0.94モル%であった。1−オレフィンの収率は3.54モル%、平均二重結合移動度は1.97であった。
工程(3)で得られた直鎖単量体オレフィン収率は95.6モル%であった。工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量は2.85モル%であり、工程(3)における二量体化オレフィンの生成量は0.31モル%であった。1−オレフィンの収率は0.80モル%、平均二重結合移動度は4.3であった。結果を表1に示す。
(触媒製造例1)
エチルホスホン酸9.9gと、85%オルトリン酸27.7g、硝酸アルミニウム(9水和物)112.5gを水1000gに溶解させた。室温にて、この混合溶液にアンモニア水溶液を滴下し、pHを5まで上昇させたところ、ゲル状の白色沈殿が生成した。沈殿をろ過し、水洗後、110℃で15時間乾燥し、60メッシュ以下に粉砕した。粉砕した触媒100質量部に対し、10質量部のアルミナゾルを添加し、直径が2.5mmとなるように押出成形を行った。これを250℃で3時間焼成して、固体酸触媒の成形触媒(以下、触媒1という)を得た。得られた触媒の弱酸量は1mmol/g、弱酸量の割合は96%であった。
(反応)
実施例1の工程(3)で、反応管に触媒として触媒調製例1で得られた触媒を0.5L(270g)充填し、触媒層の温度を240℃として、工程(2)で得られた油層に脱イオン水を添加し、水分含有量を0.0570質量%に調節した油分を用いて工程(3)を行ったこと以外は、実施例1と同じ条件で、同じ操作を行った。
工程(3)で得られた直鎖単量体オレフィン収率は95.8モル%であった。工程(3)における分岐単量体オレフィンの生成量は2.47モル%であり、工程(3)における二量体化オレフィンの生成量は0.24モル%であった。1−オクタデセンの収率は0.24モル%、平均二重結合移動度は3.1であった。結果を表1に示す。
実施例1の工程(2)で得られた油層に脱イオン水を添加し、水分含有量を7.1質量%に調節した油水懸濁液を、毎時0.42L、及び窒素を標準状態の体積換算で毎時1.8Lを供給し、工程(3)を行ったこと以外は、実施例1と同じ条件で、同じ操作を行った。
工程(3)で得られた直鎖単量体オレフィン収率は98.4モル%であった。工程(3)で分岐単量体オレフィンおよび二量体化オレフィンの生成は確認されなかった。1−オクタデセンの収率は2.53モル%、平均二重結合移動度は2.9であった。結果を表1に示す。
(内部オレフィンスルホン酸ナトリウムの製造)
反応装置として、外部にジャケットを有する薄膜式スルホン化反応器を使用した。この反応器に実施例7の工程(3)で得られた内部オレフィンを入れ、三酸化硫黄ガス(SO3)を流通させることによりスルホン化反応を行った。なお、反応中は、反応器外部のジャケットに20℃の冷却水を通液した。スルホン化反応の際の三酸化硫黄ガスと内部オレフィンとのモル比(SO3/内部オレフィン)は1.01に設定した。
理論酸価に対し1.5モル倍量の水酸化ナトリウムを用いて調製したアルカリ水溶液に対して、前記スルホン化反応で得られたスルホン化物を添加し、攪拌しながら30℃、1時間中和した。中和物をオートクレーブ中で160℃、1時間加熱することにより加水分解を行い、内部オレフィンスルホン酸ナトリウム粗生成物を得た。得られた内部オレフィンスルホン酸ナトリウム粗生成物中のオレフィンスルホン酸ナトリウム濃度は35質量%であった。なお、オレフィンスルホン酸ナトリウム濃度は塩化ベンゼトニウム溶液を使用した電位差滴定法により求めた(合成洗剤試験法JIS K3362)。
Claims (20)
- 炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールを原料とし、下記工程(1)〜(3)を行う内部オレフィンの製造方法。
工程(1):固体触媒の存在下、炭素数8以上24以下の第一級脂肪族アルコールの脱水反応を行う工程
工程(2):脱水反応で得られた水分含有オレフィンの水分含有量を0.001質量%以上7質量%以下に調整する工程
工程(3):固体触媒の存在下、水分含有量が0.001質量%以上7質量%以下に調整された水分含有オレフィンを内部異性化させる工程 - 工程(3)で得られる内部オレフィンの平均二重結合移動度が2以上である、請求項1に記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(2)における水分含有量の調整が、水分含有オレフィンから水を分離することにより行われる、請求項1又は2に記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)を固定床反応で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)を固定床反応で行う、請求項1〜4のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)における反応温度が140℃以上350℃以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)における反応温度が140℃以上350℃以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)の固体触媒が固体酸触媒である、請求項1〜7のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)の固体触媒が固体酸触媒である、請求項1〜8のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)の固体触媒の弱酸量が70%以上である、請求項8に記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)の固体酸触媒の弱酸量が70%以上である、請求項9に記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)の固体酸触媒がアルミニウム、鉄、及びガリウムから選ばれる1種以上の元素を含む、請求項10に記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)の固体酸触媒がアルミニウム、鉄、及びガリウムから選ばれる1種以上の元素を含む、請求項11に記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)で用いる固体触媒が、工程(1)で用いる固体触媒と同一である、請求項1〜13のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 固体触媒を充填する反応容器が管型反応器である、請求項4〜14のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)でのLHSVが0.1/hr以上5/hr以下である請求項4〜15のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)でのLHSVが0.5/hr以上25/hr以下である請求項5〜16のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(1)において反応容器内に不活性ガスを導入する請求項1〜17のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 工程(3)において、反応容器内に不活性ガスを導入する請求項1〜18のいずれかに記載の内部オレフィンの製造方法。
- 請求項1〜19のいずれかに記載の製造方法により製造された内部オレフィンをスルホン化することによりスルホン化生成物を得る工程と、前記スルホン化生成物を中和した後、中和物を加水分解処理する工程とを含む、内部オレフィンスルホン酸塩の製造方法。
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