JP2014155375A - 無線電力伝送装置、無線電力伝送装置の供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】給電コイル21及び給電共振器22を備えた給電モジュール2から、受電共振器32及び受電コイル31を備えた受電モジュール3に対して磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置1の供給電力制御方法として、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数が給電モジュール2及び受電モジュール3における共振周波数とはならない値で供給し、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する回路素子の各素子値をパラメータとして、パラメータをそれぞれ変えることにより、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを設定して供給する電力を調整する。
【選択図】図3
Description
前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、前記給電コイルを構成する、コイルL1を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ1、前記給電共振器を構成する、コイルL2を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ2、前記受電共振器を構成する、コイルL3を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ3、前記受電コイルを構成する、コイルL4を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ4、前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZl、前記給電コイルのコイルL1と前記給電共振器のコイルL2との間の相互インダクタンスをM12、前記給電共振器のコイルL2と前記受電共振器のコイルL3との間の相互インダクタンスをM23、前記受電共振器のコイルL3と前記受電コイルのコイルL4との間の相互インダクタンスをM34、とし、
前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、下記関係式により導出される当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して供給する電力を調整することを特徴としている。
また、給電モジュールの外周側に発生する磁界と受電モジュールの外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール及び受電モジュールの外周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール及び受電モジュールの外周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。これにより、形成した磁界空間に、磁界の影響を受けたくない回路等を格納することで、スペースの有効活用ができ、無線電力伝送装置自体の小型化を図ることが可能になる。
また、給電モジュールの内周側に発生する磁界と受電モジュールの内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール及び受電モジュールの内周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール及び受電モジュールの内周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。これにより、形成した磁界空間に、磁界の影響を受けたくない回路等を格納することで、スペースの有効活用ができ、無線電力伝送装置自体の小型化を図ることが可能になる。
まず、無線電力伝送装置の供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法を説明する前に、供給電力制御方法又は製造方法によって設計・製造される無線電力伝送装置1について説明する。
無線電力伝送装置1は、図1に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を備える給電モジュール2と、受電コイル31及び受電共振器32を備える受電モジュール3とを備えている。そして、給電モジュール2の給電コイル21に、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を所定の値に設定した発振回路を備えた交流電源6を接続し、受電モジュール3の受電コイル31に、受電された交流電力を整流化する安定回路7及び過充電を防止する充電回路8を介して充電池9を接続している。
上記無線電力伝送装置1の構成を踏まえて、無線電力伝送装置1が供給する電力を調整する供給電力制御方法について説明する。
・・・(式3)
・・・(式4)
・・・(式5)
・・・(式6)
次に、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合(後述)と、双峰性の性質を有する場合(後述)における入力インピーダンスZinの可変範囲について説明する。ここで、伝送特性『S21』とは、ネットワークアナライザ110(本実施形態では、アジレント・テクノロジー株式会社製のE5061Bを使用)に無線電力伝送装置1を接続して計測される信号を表しており、デシベル表示され、数値が大きいほど電力伝送効率が高いことを意味する。
次に、上記概念及び関係を踏まえて、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合と双峰性の性質を有する場合における無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの可変範囲に関する測定実験1について説明する。
まず、比較対象として、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを測定した。具体的には、無線電力伝送装置1(図3参照)において、図5に示すように、給電コイル21にネットワークアナライザ110の出力端子111を接続し、受電コイル31には、ネットワークアナライザ110の入力端子112を接続して、給電モジュール2に所定の駆動周波数の電力を供給して、給電共振器22から受電共振器32に共振現象により電力を磁界エネルギーとして供給することによって伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定する。この際、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル31と受電共振器32との間の距離d34を変えて測定する。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる共振周波数に駆動周波数を合わせて測定している。
次に、本実施例として、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを測定した。測定方法としては、上記単峰性の測定方法の場合と同じである。ただし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル31と受電共振器32との間の距離d34の組み合わせを色々と変えて測定した。ただし、双峰性の性質を有するように、距離d12及び距離d34は、4mmより大きい値を取るように変えている。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)に駆動周波数を合わせて、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)における伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定した。
次に、上記無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性及び双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZin測定において、所定の伝送特性『S21』に設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲を測定する。なお、本比較例・実施例では、所定の伝送特性『S21』として、例示的に−2.2dBとした場合と、−2.8dBとした場合について測定した。
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.2dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図6に示すように、比較例3が挙げられ、双峰性では、図8(A)に示すように、実施例8〜12が挙げられる。
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.8dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図6に示すように、比較例2が挙げられ、双峰性では、図8(B)に示すように、実施例13〜17が挙げられる。
上記測定実験1では、図3に示す回路構成の無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合と双峰性の性質を有する場合における無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの可変範囲に関する測定実験1について説明したが、本測定実験2では、図9に示すように、無線電力伝送装置1に対してその回路構成を変えた無線電力伝送装置101を使用して測定する。具体的には、無線電力伝送装置101は、図9に示すように、無線電力伝送装置1における給電コイル21からコンデンサC1を除いた給電コイル121、及び、無線電力伝送装置1の受電コイル31からコンデンサC4を除いた受電コイル131を備え、その他は無線電力伝送装置1と同じ構成をしている。
無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合と双峰性の性質を有する場合における無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinの可変範囲に関する測定実験2について説明する。
まず、測定実験1同様に、比較対象として、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinを測定した。具体的には、無線電力伝送装置101(図9参照)において、給電コイル121にネットワークアナライザ110の出力端子111を接続し、受電コイル131には、ネットワークアナライザ110の入力端子112を接続して、給電モジュール2に所定の駆動周波数の電力を供給して、給電共振器22から受電共振器32に共振現象により電力を磁界エネルギーとして供給することによって伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定する。この際、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル121と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル131と受電共振器32との間の距離d34を変えて測定する。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる共振周波数に駆動周波数を合わせて測定している。
次に、本実施例として、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinを測定した。測定方法としては、上記単峰性の測定方法の場合と同じである。ただし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル121と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル131と受電共振器32との間の距離d34の組み合わせを色々と変えて測定した。ただし、双峰性の性質を有するように、距離d12及び距離d34は、4mmより大きい値を取るように変えている。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)に駆動周波数を合わせて、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)における伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定した。
次に、上記無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性及び双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZin測定において、所定の伝送特性『S21』に設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲を測定する。なお、本比較例・実施例では、所定の伝送特性『S21』として、例示的に−2.0dBとした場合と、−2.7dBとした場合について測定した。
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.0dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図10に示すように、比較例3が挙げられ、双峰性では、図12(A)に示すように、実施例9〜15が挙げられる。
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.7dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図10に示すように、比較例2が挙げられ、双峰性では、図12(B)に示すように、実施例16〜20が挙げられる。
次に、無線電力伝送装置1を製造する一工程である、設計方法(設計工程)について、図13及び図14を参照して説明する。本説明では、無線電力伝送装置1を搭載する携帯機器としてイヤホンスピーカ部201aを備えた無線式ヘッドセット200、及び、充電器201を例にして説明する(図13参照)。
まず、図14に示すように、充電池9の容量、及び、充電池9の充電に必要とされる充電電流から、受電モジュール3が受電する受電電力量が決まる(S1)。
上記製造方法の説明では、無線式ヘッドセット200を例示して説明したが、充電池を備えた機器であれば、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、イヤホン型音楽プレイヤー、補聴器、集音器などにも使用することができる。
2 給電モジュール
3 受電モジュール
6 交流電源
7 安定回路
8 充電回路
9 充電池
21 給電コイル
22 給電共振器
31 受電コイル
32 受電共振器
200 無線式ヘッドセット
201 充電器
Claims (7)
- 給電コイル及び給電共振器の少なくとも1つを備えた給電モジュールから、受電共振器及び受電コイルの少なくとも1つを備えた受電モジュールに対して磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、
前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び前記受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、
前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを設定して供給する電力を調整することを特徴とする無線電力伝送装置の供給電力制御方法。 - 少なくとも給電コイル及び給電共振器を備えた給電モジュールから、少なくとも受電共振器及び受電コイルを備えた受電モジュールに対して共振現象によって電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、
前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、
前記給電コイルを構成する、コイルL1を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ1、
前記給電共振器を構成する、コイルL2を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ2、
前記受電共振器を構成する、コイルL3を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ3、
前記受電コイルを構成する、コイルL4を含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ4、
前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZl、
前記給電コイルのコイルL1と前記給電共振器のコイルL2との間の相互インダクタンスをM12、
前記給電共振器のコイルL2と前記受電共振器のコイルL3との間の相互インダクタンスをM23、
前記受電共振器のコイルL3と前記受電コイルのコイルL4との間の相互インダクタンスをM34、
とし、
前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、
当該パラメータをそれぞれ変えることにより、下記関係式により導出される当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して供給する電力を調整することを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
- 前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、前記給電モジュールに供給する電力の前記駆動周波数に対する伝送特性の値が、前記共振周波数よりも低い駆動周波数帯域及び前記共振周波数よりも高い駆動周波数帯域にそれぞれピークを有するように設定することを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
- 前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数は、前記共振周波数よりも低い駆動周波数帯域に現れる伝送特性のピーク値に対応する帯域であることを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
- 前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数は、前記共振周波数よりも高い駆動周波数帯域に現れる伝送特性のピーク値に対応する帯域であることを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の供給電力制御方法により調整されたことを特徴とする無線電力伝送装置。
- 給電コイル及び給電共振器の少なくとも1つを備えた給電モジュールから、受電共振器及び受電コイルの少なくとも1つを備えた受電モジュールに対して供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、且つ、磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置の製造方法であって、
前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して、当該無線電力伝送装置が供給可能な電力を調整する設計工程を含むことを特徴とする無線電力伝送装置の製造方法。
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