JP2014155375A - 無線電力伝送装置、無線電力伝送装置の供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法 - Google Patents

無線電力伝送装置、無線電力伝送装置の供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線電力伝送装置に設けられたコンデンサやコイルなどの容量値を自由に調整することにより、入力インピーダンスの値を設定し、供給する電力を制御することができる無線電力伝送装置、供給電力制御方法、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】給電コイル21及び給電共振器22を備えた給電モジュール2から、受電共振器32及び受電コイル31を備えた受電モジュール3に対して磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置1の供給電力制御方法として、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数が給電モジュール2及び受電モジュール3における共振周波数とはならない値で供給し、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する回路素子の各素子値をパラメータとして、パラメータをそれぞれ変えることにより、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを設定して供給する電力を調整する。
【選択図】図3

Description

本発明は、設計自由度を高めることができる、無線電力伝送装置、無線電力伝送装置の供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法に関する。
近年、ノート型PC、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、携帯ゲーム機、イヤホン型音楽プレイヤー、無線式ヘッドセット、補聴器、レコーダーなど人が携帯しながら使用できる携帯型の電子機器が急速に普及してきている。そして、これらの携帯型の電子機器の多くには充電池が搭載されており、定期的な充電が必要とされる。この電子機器の充電池への充電作業を簡易にするために、給電装置と電子機器に搭載された受電装置との間で無線による電力伝送を利用した給電技術(磁界を変化させて電力伝送を行う無線電力伝送技術)により、充電池を充電する機器が増えつつある。
例えば、無線電力伝送技術としては、コイル間の電磁誘導を利用して電力伝送を行う技術や(例えば、特許文献1参照)、給電装置及び受電装置が備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより電力伝送を行う技術が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
このような無線電力伝送技術を使用することにより安定的に充電池を充電するには、充電池に供給される電力(電流)を所定の範囲内の値で供給することが求められる。その理由としては、充電池に供給される電力(電流)が所定の範囲内の値より小さいと小電力(小電流)となり、充電池の特性により充電ができなくなってしまうこと、一方で、充電池に供給される電力(電流)が所定の範囲内の値より大きいと過電流となり、充電池や充電回路が発熱し充電池や充電回路の寿命を縮めてしまうおそれがあることが挙げられる。
上記要求に答えるために、無線電力伝送を行う給電装置及び受電装置における入力インピーダンスを制御することにより、充電池に供給される電力(電流)を所定の範囲内の値にコントロールすることが考えられる。
そして、無線電力伝送を行う給電装置及び受電装置における入力インピーダンスを制御するために、別個にインピーダンス整合器を受電装置等に設けることが考えられる。例えば、特許文献3に記載された非接触給電システムでは、上記インピーダンス整合器に相当する手段として自動整合器12、及び、自動整合器23(インピーダンス調整手段)を設けることにより、非接触給電システムにおける入力インピーダンスを制御している(特許文献3の図1参照)。
しかしながら、インピーダンス整合器を新たに設けることは、携帯性・コンパクト化・低コスト化が求められる携帯電子機器においては、部品点数が多くなってしまい不都合である。
そこで、無線電力伝送を行う給電装置及び受電装置に設けられた抵抗器やコンデンサやコイルなどの容量を調整することにより、入力インピーダンスを制御することが考えられる。
特許第4624768号公報 特開2010−239769号公報 特開2011−050140号公報 特開2012−182975号公報
もっとも、特許文献3の背景技術(段落[0008]〜[0010]参照)、特許文献4のワイヤレス電力伝送システムの明細書中にも記載されているように、給電装置に供給する電力の駆動周波数に、給電装置及び受電装置が備える共振器が有する共振周波数を一致させる(若しくは、駆動周波数を、給電装置及び受電装置が備える共振器が有する共振周波数に一致させる)ことにより、ワイヤレス給電における電力伝送効率を最大とすることができることが一般的に知られており(特許文献4の段落[0013]参照)、電力伝送効率の最大化を求めてこのような設定にするのが一般的である。そして、このような給電装置及び受電装置における共振器は、それぞれLC共振回路を含む構成にされているため、電力伝送効率を最大にするには、給電装置及び受電装置におけるLC共振回路はそれぞれの共振周波数が駆動周波数に一致するような値(コンデンサやコイルなどの容量:共振条件 ωL=1/ωC)に必然的に決定されてしまう(特許文献4の段落[0027]参照)。
このように、ワイヤレス給電における電力伝送効率を最大化するために、給電装置に供給する電力の駆動周波数を共振周波数と一致させることが一般的であるが、LC共振回路のコンデンサやコイルなどの容量が予め決まってしまい、LC共振回路のコンデンサやコイルなどの容量を、入力インピーダンスを制御するパラメータとして自由に変更できなくなってしまう。即ち、入力インピーダンスを制御するために、LC共振回路のコンデンサやコイルなどの容量を自由に設定できないことは、携帯性・コンパクト化・低コスト化が求められる携帯型の電子機器の設計に対する自由度が低いことを意味する。
そこで、本発明の目的は、無線電力伝送を行う給電装置及び受電装置に設けられたコンデンサやコイルなどの容量も含めてその値を自由に調整することにより、入力インピーダンスの値を設定し、もって、供給する電力(電流)を制御することができる無線電力伝送装置、供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための発明の一つは、給電コイル及び給電共振器の少なくとも1つを備えた給電モジュールから、受電共振器及び受電コイルの少なくとも1つを備えた受電モジュールに対して磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び前記受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを設定して供給する電力を調整することを特徴としている。
上記方法によれば、給電モジュールに供給する電力の駆動周波数を、給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給することにより、給電モジュール及び受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値を、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを変えるパラメータとして自由に変更することができる。そして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを設定して供給する電力を調整することができる。このように、入力インピーダンスZinを制御するために、給電モジュール及び受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして自由に設定できることになり、無線電力伝送装置の設計自由度を高めて、無線電力伝送装置自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、少なくとも給電コイル及び給電共振器を備えた給電モジュールから、少なくとも受電共振器及び受電コイルを備えた受電モジュールに対して共振現象によって電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、
前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、前記給電コイルを構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ、前記給電共振器を構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ、前記受電共振器を構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ、前記受電コイルを構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ、前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZ、前記給電コイルのコイルLと前記給電共振器のコイルLとの間の相互インダクタンスをM12、前記給電共振器のコイルLと前記受電共振器のコイルLとの間の相互インダクタンスをM23、前記受電共振器のコイルLと前記受電コイルのコイルLとの間の相互インダクタンスをM34、とし、
前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、下記関係式により導出される当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して供給する電力を調整することを特徴としている。
上記方法によれば、少なくとも給電コイル及び給電共振器を備えた給電モジュールから、少なくとも受電共振器及び受電コイルを備えた受電モジュールに対して共振現象によって電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法に関して、上記関係式を満たすようにパラメータをそれぞれ変えることにより、入力インピーダンスZinを制御して供給する電力を調整することができる。このように、入力インピーダンスZinを制御するために、給電モジュール及び受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして自由に設定できることになり、無線電力伝送装置の設計自由度を高めて、無線電力伝送装置自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、前記給電モジュールに供給する電力の前記駆動周波数に対する伝送特性の値が、前記共振周波数よりも低い駆動周波数帯域及び前記共振周波数よりも高い駆動周波数帯域にそれぞれピークを有するように設定することを特徴としている。
上記方法によって、給電モジュールに供給する電力の駆動周波数に対する伝送特性の値を、共振周波数よりも低い駆動周波数帯域及び共振周波数よりも高い駆動周波数帯域にそれぞれピークを有する(後述する双峰性の性質を有する)ように設定する。これにより、双峰性の性質を有した無線電力伝送装置は、給電モジュールに供給する電力の駆動周波数に対する伝送特性の値のピークが、共振周波数帯域において一つ現れるタイプ(後述する単峰性の性質を有する)に比べて、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができる。そして、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができるということは、給電モジュール及び受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、相互インダクタンスをパラメータとして、単峰性の性質を有する設定に比べて、幅広く設定することができるようになり、無線電力伝送装置の設計自由度をより高めて、無線電力伝送装置自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数は、前記共振周波数よりも低い駆動周波数帯域に現れる伝送特性のピーク値に対応する帯域であることを特徴としている。
上記方法によれば、伝送特性が双峰性の性質を有する場合でも、伝送特性が単峰性の性質を有する場合に駆動周波数を共振周波数に合わせたものには劣るものの、ある程度高い伝送特性を確保することができる。
また、給電モジュールの外周側に発生する磁界と受電モジュールの外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール及び受電モジュールの外周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール及び受電モジュールの外周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。これにより、形成した磁界空間に、磁界の影響を受けたくない回路等を格納することで、スペースの有効活用ができ、無線電力伝送装置自体の小型化を図ることが可能になる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数は、前記共振周波数よりも高い駆動周波数帯域に現れる伝送特性のピーク値に対応する帯域であることを特徴としている。
上記方法によれば、伝送特性が双峰性の性質を有する場合でも、伝送特性が単峰性の性質を有する場合に駆動周波数を共振周波数に合わせたものには劣るものの、ある程度高い伝送特性を確保することができる。
また、給電モジュールの内周側に発生する磁界と受電モジュールの内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール及び受電モジュールの内周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール及び受電モジュールの内周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。これにより、形成した磁界空間に、磁界の影響を受けたくない回路等を格納することで、スペースの有効活用ができ、無線電力伝送装置自体の小型化を図ることが可能になる。
また、上記課題を解決するための発明の一つとして、上記供給電力制御方法により調整されたことを特徴とする無線電力伝送装置であってもよい。
上記構成によれば、入力インピーダンスを制御するために、給電モジュール及び受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして自由に設定することができる。これにより、無線電力伝送装置の設計自由度を高めて、無線電力伝送装置自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、給電コイル及び給電共振器の少なくとも1つを備えた給電モジュールから、受電共振器及び受電コイルの少なくとも1つを備えた受電モジュールに対して供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、且つ、磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置の製造方法であって、前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して、当該無線電力伝送装置が供給可能な電力を調整する設計工程を含むことを特徴とする。
上記方法によれば、入力インピーダンスを制御するために、給電モジュール及び受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして自由に設定し、無線電力伝送装置の設計自由度を高めて、携帯性・コンパクト化・低コスト化に優れた無線電力伝送装置を製造することができる。
無線電力伝送を行う給電装置及び受電装置に設けられたコンデンサやコイルなどの容量も含めてその値を自由に調整することにより、入力インピーダンスの値を設定し、もって、供給する電力(電流)を制御することができる無線電力伝送装置、供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法を提供することができる。
無線電力伝送装置の概略説明図である。 適正電流範囲の説明図である。 無線電力伝送装置の等価回路の説明図である。 駆動周波数に対する伝送特性『S21』の関係を示した説明図である。 測定実験1に使用する無線電力伝送装置の概略説明図である。 測定実験1の比較例に係る伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合の入力インピーダンスZinの可変範囲の測定結果を示す表である。 測定実験1の実施例に係る伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の入力インピーダンスZinの可変範囲の測定結果を示す表である。 測定実験1において伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置の入力インピーダンスZin測定において、伝送特性『S21』を−2.2dBに設定した場合及び−2.8dBに設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲の測定結果を示す表である。 測定実験2に使用する無線電力伝送装置の等価回路の説明図である。 測定実験2の比較例に係る伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合の入力インピーダンスZinの可変範囲の測定結果を示す表である。 測定実験2の実施例に係る伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の入力インピーダンスZinの可変範囲の測定結果を示す表である。 測定実験2において伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置の入力インピーダンスZin測定において、伝送特性『S21』を−2.0dBに設定した場合及び−2.7dBに設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲の測定結果を示す表である。 無線電力伝送装置の製造方法を説明する説明図である。 無線電力伝送装置を含む無線式ヘッドセット及び充電器の設計方法を説明したフローチャートである。
以下に本発明に係る無線電力伝送装置、供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法の実施形態について説明する。
(実施形態)
まず、無線電力伝送装置の供給電力制御方法、及び、無線電力伝送装置の製造方法を説明する前に、供給電力制御方法又は製造方法によって設計・製造される無線電力伝送装置1について説明する。
(無線電力伝送装置1の構成)
無線電力伝送装置1は、図1に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を備える給電モジュール2と、受電コイル31及び受電共振器32を備える受電モジュール3とを備えている。そして、給電モジュール2の給電コイル21に、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を所定の値に設定した発振回路を備えた交流電源6を接続し、受電モジュール3の受電コイル31に、受電された交流電力を整流化する安定回路7及び過充電を防止する充電回路8を介して充電池9を接続している。
給電コイル21は、交流電源6から得られた電力を電磁誘導によって給電共振器22に供給する役割を果たす。この給電コイル21は、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。なお、コイルL部分は、銅線材(絶縁被膜付)を1回巻にして、コイル径を96mmφに設定している。また、給電コイル21を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとし、本実施形態では、給電コイル21を構成する抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。
受電コイル31は、給電共振器22から受電共振器32に磁界エネルギーとして伝送された電力を電磁誘導によって受電し、安定回路7及び充電回路8を介して充電池9に供給する役割を果たす。この受電コイル31は、給電コイル21同様に、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。なお、コイルL部分は、銅線材(絶縁被膜付)を1回巻にして、コイル径96mmφに設定している。また、受電コイル31を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとし、本実施形態では、受電コイル31を構成する抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。また、図3では、受電コイル31に接続された安定回路7、充電回路8及び充電池9の各負荷抵抗を合わせたものを便宜的に抵抗器Rlとしている(即ち、抵抗器Rlの値は、無線電力伝送装置1に接続される機器の負荷抵抗の総合値である)。そして、受電コイル31から給電される機器(本実施形態では、安定回路7、充電回路8及び充電池9)の合計の負荷インピーダンスをZとする。
給電共振器22は、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。また、受電共振器32は、図3に示すように、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路を構成している。そして、給電共振器22及び受電共振器32は、それぞれ共振回路となり、磁界共鳴状態を創出する役割を果たす。ここで、磁界共鳴状態(共振現象)とは、2つ以上のコイルが共振周波数において同調することをいう。また、給電共振器22を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとし、本実施形態では、給電共振器22を構成する、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。また、受電共振器32を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZとし、本実施形態では、受電共振器32を構成する、抵抗器R、コイルL、及び、コンデンサCを要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZとする。
また、給電共振器22及び受電共振器32における共振回路としてのRLC回路では、インダクタンスをL、コンデンサ容量をCとすると、(式1)によって定まるfが共振周波数となる。そして、本実施形態における給電コイル21、給電共振器22、受電コイル31、及び、受電共振器32の共振周波数は、12.8MHzとしている。
また、給電共振器22及び受電共振器32は、銅線材(絶縁被膜付)を4回巻にした、コイル径96mmφのソレノイド型のコイルを使用している。また、給電共振器22及び受電共振器32における共振周波数は一致させている。なお、給電共振器22及び受電共振器32は、コイルを使用した共振器であれば、スパイラル型やソレノイド型などのコイルであってもよい。
また、給電コイル21と給電共振器22との間の距離をd12とし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離をd23とし、受電共振器32と受電コイル31との間の距離をd34としている(図1参照)。
また、図3に示すように、給電コイル21のコイルLと給電共振器22のコイルLとの間の相互インダクタンスをM12、給電共振器22のコイルLと受電共振器32のコイルLとの間の相互インダクタンスをM23、受電共振器32のコイルLと受電コイル31のコイルLとの間の相互インダクタンスをM34としている。また、無線電力伝送装置1において、コイルLとコイルLとの間の結合係数をk12と表記し、コイルLとコイルLとの間の結合係数をk23と表記し、コイルLとコイルLとの間の結合係数をk34と表記する。
また、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34は、設計・製造段階等で変更可能なパラメータとして、後述する(式3)の関係式を満たすように設定されている(詳細は後述する)。
上記無線電力伝送装置1によれば、給電共振器22の共振周波数と受電共振器32の共振周波数とを一致させた場合、給電共振器22と受電共振器32との間に磁界共鳴状態を創出することができる。給電共振器22及び受電共振器32が共振した状態で磁界共鳴状態が創出されると、給電共振器22から受電共振器32に電力を磁界エネルギーとして伝送することができる。
(供給電力制御方法)
上記無線電力伝送装置1の構成を踏まえて、無線電力伝送装置1が供給する電力を調整する供給電力制御方法について説明する。
まず、上記構成による無線電力伝送装置1(安定回路7、充電回路8及び充電池9含む)の回路図を示すと図1の下図のようになる。これは、無線電力伝送装置1全体を一つの入力インピーダンスZinに置き換えて示したものである。これによると、無線電力伝送装置1から出力される電力を制御するには、交流電源6が一般的に使用される定電圧電源だとすると電圧Vinは一定に保持されるため、電流Iinの値を制御する必要があることがわかる。
そして、この電流Iinを電圧Vin及び入力インピーダンスZinを踏まえた関係式で表すと(式2)のように示せる。
ここで、本実施形態に係る無線電力伝送装置1から充電池9に電力を供給するに際して、電流Iinの値は、図2に示すように適正電流範囲内(Iin(MIN)〜Iin(MAX))にあることが求められる。電流Iinが適正電流範囲内の値で供給されることが求められる理由としては、充電池9に供給される電流がIin(MIN)の値より小さいと小電流となり、充電池9の特性により充電ができなくなってしまうこと、一方で、充電池9に供給される電流がIin(MAX)の値より大きいと過電流となり、安定回路7、充電回路8及び充電池9が発熱し、寿命を縮めてしまうおそれがあることが挙げられる。
上記理由から電流Iinの値を、適正電流範囲内(Iin(MIN)〜Iin(MAX))に制御するためには、図2に示すように、入力インピーダンスZinの値をZin(MIN)〜Zin(MAX)の範囲内に調整する必要がある。即ち、(式2)より、入力インピーダンスZinの値を大きくすれば、電流Iinの値を小さくすることができ、入力インピーダンスZinの値を小さくすれば、電流Iinの値を大きくすることができる。
そこで、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinをより詳細に表すために、無線電力伝送装置1の構成を等価回路によって表すと図3に示すようになる。そして、図3の等価回路より、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、(式3)のように表記することができる。
・・・(式3)
そして、本実施形態における無線電力伝送装置1の給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31におけるインピーダンスZ、Z、Z、Z4、は、それぞれ(式4)のように表記することができる。
・・・(式4)
次に、(式3)に(式4)を導入すると、(式5)のようになる。
・・・(式5)
そして、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34を設計・製造段階等で変更可能なパラメータとして、上記(式5)の関係式から導出される無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの値がZin(MIN)〜Zin(MAX)の範囲内に納まるように調整することができる。
もっとも、上記のような無線電力伝送装置では、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を、給電モジュール2が備える給電コイル21・給電共振器22及び受電モジュール3が備える受電コイル31・受電共振器32が有する共振周波数と一致させることにより、無線電力伝送における電力伝送効率を最大にすることができることが一般的に知られており、電力伝送効率の最大化を求めて駆動周波数を共振周波数に設定にするのが一般的である。ここで、電力伝送効率とは、給電モジュール2に供給される電力に対する、受電モジュール3が受電する電力の比率のことをいう。
そうすると、無線電力伝送装置1において、電力伝送効率を最大化するには、駆動周波数と、給電モジュール2及び受電モジュール3の各RLC回路のそれぞれが有する共振周波数とが一致するようなコンデンサやコイルなどの容量条件・共振条件(ωL=1/ωC)を満たすことが求められる。
具体的に、無線電力伝送装置1において、電力伝送効率を最大にするために共振条件(ωL=1/ωC)を満たした場合における無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを、(式5)に当てはめてみると、(ωL−1/ωC=0)、(ωL−1/ωC=0)、(ωL−1/ωC=0)、(ωL−1/ωC=0)となり、(式6)の関係式になる。
・・・(式6)
上記関係式(式6)によれば、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの値をZin(MIN)〜Zin(MAX)の範囲内に納まるように調整するために変更可能な主なパラメータは、給電コイル21のRLC回路のR、給電共振器22のRLC回路のR、受電共振器32のRLC回路のR、受電コイル31のRLC回路のRなどの抵抗値、及び、結合係数k12、k23、k34しかないことが分かる。
上記のように、無線電力伝送装置1における電力伝送効率を最大化するために、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を共振周波数に一致させた場合、給電モジュール2及び受電モジュール3の各RLC回路のコンデンサやコイルなどの容量が予め決まってしまい、主に各RLC回路の抵抗値でしか入力インピーダンスZinの値を制御できなくなってしまう。これは、RLC回路のコンデンサやコイルなどの容量を、入力インピーダンスZinを制御するパラメータとして自由に変更できず無線電力伝送装置1の設計的自由度が低くなってしまうことを意味している。
一方、本実施形態に係る無線電力伝送装置1では、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を、給電モジュール2が備える給電共振器22及び受電モジュール3が備える受電共振器32が有する共振周波数と一致させないことにより(ωL≠1/ωC)、入力インピーダンスZinを制御するためのパラメータとして、給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cなどの抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34を変更可能に使用することができる。
これにより、無線電力伝送装置1を構成する際に、適正電流範囲内(Iin(MIN)〜Iin(MAX))にIinの値を制御することを目的として、入力インピーダンスZinの値をZin(MIN)〜Zin(MAX)の範囲内に調整するために、パラメータとしての給電コイル21のR、L、C、給電共振器22のR、L、C、受電共振器32のR、L、C、受電コイル31のR、L、Cなどの抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量や、結合係数k12、k23、k34を相互にバランスをとって変えることができるので、無線電力伝送装置1の容積・形状・総重量に合わせて適切な配置が可能となり無線電力伝送装置1の設計的自由度を高めることができるようになる。即ち、無線電力伝送装置1において、電力伝送効率を最大化することが一般的な従来のものよりも、入力インピーダンスZinの値を調整するパラメータ要素が多くなり、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの値のきめ細やかな制御が可能となる。
上記より、パラメータとしての給電コイル21のR、L、C、給電共振器22のR、L、C、受電共振器32のR、L、C、受電コイル31のR、L、Cなどの抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34を相互にバランスをとって変えることにより、(式3)により導出される入力インピーダンスZinを制御して、無線電力伝送装置1が供給する電力を調整することが可能な供給電力制御方法を実現することができる。
したがって、上記方法によれば、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を、給電モジュール2(給電コイル21・給電共振器22)及び受電モジュール3(受電コイル31・受電共振器32)における共振周波数とはならない値で供給することにより、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する回路素子の各素子値(給電コイル21のR、L、C、給電共振器22のR、L、C、受電共振器32のR、L、C、受電コイル31のR、L、Cなどの抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34)を、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを変えるパラメータとして自由に変更することができる。そして、上記関係式を満たすようにパラメータをそれぞれ変えることにより、無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを制御して供給する電力を調整することができる。このように、入力インピーダンスZinを制御するために、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する回路素子の各素子値をパラメータとして自由に設定できることになり、無線電力伝送装置1の設計自由度を高めて、無線電力伝送装置1自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができる。
また、上記供給電力制御方法により調整された無線電力伝送装置1によれば、入力インピーダンスZinを制御するために、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する回路素子の各素子値(給電コイル21のR、L、C、給電共振器22のR、L、C、受電共振器32のR、L、C、受電コイル31のR、L、Cなどの抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k23、k34)をパラメータとして自由に設定することができる。これにより、無線電力伝送装置1の設計自由度を高めて、無線電力伝送装置1自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができる。
(伝送特性が単峰性及び双峰性を有する場合の入力インピーダンスZinの可変範囲)
次に、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合(後述)と、双峰性の性質を有する場合(後述)における入力インピーダンスZinの可変範囲について説明する。ここで、伝送特性『S21』とは、ネットワークアナライザ110(本実施形態では、アジレント・テクノロジー株式会社製のE5061Bを使用)に無線電力伝送装置1を接続して計測される信号を表しており、デシベル表示され、数値が大きいほど電力伝送効率が高いことを意味する。
無線電力伝送装置1に供給する電力の駆動周波数に対する無線電力伝送装置1の伝送特性『S21』は、給電モジュール2及び受電モジュール3の間の磁界による結びつき度合い(磁界結合)の強度により、単峰性の性質を有するものと双峰性の性質を有するものに分かれる。この単峰性とは、駆動周波数に対する伝送特性『S21』のピークが一つで、そのピークが共振周波数帯域(fo)において現れるものをいう(図4の破線51参照)。一方、双峰性とは、駆動周波数に対する伝送特性『S21』のピークが二つあり、その二つのピークが共振周波数よりも低い駆動周波数帯域(fL)と共振周波数よりも高い駆動周波数帯域(fH)において現れるものをいう(図4の実線52参照)。更に詳細に双峰性を定義すると、上記ネットワークアナライザ110に無線電力伝送装置を接続して計測される反射特性『S11』が二つのピークを有する状態をいう。従って、駆動周波数に対する伝送特性『S21』のピークが一見して一つに見えたとしても、計測されている反射特性『S11』が二つのピークを有する場合には、双峰性の性質を有するものとする。
上記単峰性の性質を有する無線電力伝送装置1においては、図4の破線51に示すように、駆動周波数が共振周波数fで伝送特性『S21』が最大化する(電力伝送効率が最大化する)。
一方、双峰性の性質を有する無線電力伝送装置1では、図4の実線52に示すように、伝送特性『S21』は、共振周波数foよりも低い駆動周波数帯域(fL)と共振周波数foよりも高い駆動周波数帯域(fH)において最大化する。
なお、一般的に、給電共振器と受電共振器との間の距離が同じであれば、双峰性における伝送特性『S21』の最大値(fL又はfHでの伝送特性『S21』の値)は、単峰性における伝送特性『S21』の最大値(fでの伝送特性『S21』の値)よりも低い値になる(図4のグラフ参照)。ゆえに、電力の伝送効率の最大化を目的にした一般的な無線電力伝送装置においては、無線電力伝送装置における伝送特性『S21』が単峰性の性質を有するように設計(設定)され、駆動周波数が共振周波数fで伝送特性『S21』が最大化するように使用されている。
具体的には、双峰性における低周波側のピーク付近の周波数fLに、給電モジュール2に供給する交流電力の駆動周波数を設定した場合(同相共振モード)、給電共振器22及び受電共振器32が同位相で共振状態となり、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが同じ向きになる。その結果、図4のグラフに示すように、電力伝送効率の最大化を目的にした一般的な無線電力伝送装置における伝送特性『S21』(破線51)には及ばないが、駆動周波数を給電モジュール2が備える給電共振器22及び受電モジュール3が備える受電共振器32が有する共振周波数と一致させない場合でも、伝送特性『S21』の値を比較的高い値にすることができる。ここで、給電モジュール2におけるコイル(給電共振器22)に流れる電流の向きと受電モジュール3におけるコイル(受電共振器32)に流れる電流の向きとが同じ向きとなる共振状態を同相共振モードと呼ぶことにする。
また、上記同相共振モードでは、給電共振器22の外周側に発生する磁界と受電共振器32の外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の外周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の外周側以外の磁界強度(例えば、給電共振器22及び受電共振器32の内周側の磁界強度)よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。そして、この磁界空間に磁界の影響を低減させたい安定回路7や充電回路8や充電池9などを収納した場合、安定回路7や充電回路8や充電池9などに対して、磁界に起因する渦電流の発生を低減・防止して、発熱による悪影響を抑制することが可能となる。
一方、双峰性における高周波側のピーク付近の周波数fHに、給電モジュール2に供給する交流電力の駆動周波数を設定した場合(逆相共振モード)、給電共振器22及び受電共振器32が逆位相で共振状態となり、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが逆向きになる。その結果、図4のグラフに示すように、電力伝送効率の最大化を目的にした一般的な無線電力伝送装置における伝送特性『S21』(破線51)には及ばないが、駆動周波数を給電モジュール2が備える給電共振器22及び受電モジュール3が備える受電共振器32が有する共振周波数と一致させない場合でも、伝送特性『S21』の値を比較的高い値にすることができる。ここで、給電モジュール2におけるコイル(給電共振器22)に流れる電流の向きと受電モジュール3におけるコイル(受電共振器32)に流れる電流の向きとが逆向きとなる共振状態を逆相共振モードと呼ぶことにする。
また、上記逆相共振モードでは、給電共振器22の内周側に発生する磁界と受電共振器32の内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の内周側以外の磁界強度(例えば、給電共振器22及び受電共振器32の外周側の磁界強度)よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。そして、この磁界空間に磁界の影響を低減させたい安定回路7や充電回路8や充電池9などを収納した場合、安定回路7や充電回路8や充電池9などに対して、磁界に起因する渦電流の発生を低減・防止して、発熱による悪影響を抑制することが可能となる。また、この逆相共振モードにより形成される磁界空間は、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に形成されるので、この空間に安定回路7や充電回路8や充電池9などの電子部品を組み込むことにより無線電力伝送装置1自体のコンパクト化・設計自由度の向上が実現される。
(測定実験1)
次に、上記概念及び関係を踏まえて、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合と双峰性の性質を有する場合における無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの可変範囲に関する測定実験1について説明する。
(単峰性の測定)
まず、比較対象として、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを測定した。具体的には、無線電力伝送装置1(図3参照)において、図5に示すように、給電コイル21にネットワークアナライザ110の出力端子111を接続し、受電コイル31には、ネットワークアナライザ110の入力端子112を接続して、給電モジュール2に所定の駆動周波数の電力を供給して、給電共振器22から受電共振器32に共振現象により電力を磁界エネルギーとして供給することによって伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定する。この際、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル31と受電共振器32との間の距離d34を変えて測定する。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる共振周波数に駆動周波数を合わせて測定している。
ここで、上記のように、無線電力伝送装置1の伝送特性『S21』は、給電モジュール2及び受電モジュール3の間の磁界による結びつき度合い(磁界結合)の強度を変えることにより、単峰性の性質を有するもの又は双峰性の性質を有するものにすることができる。本実施例では、この磁界結合を変化させるために、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を固定したうえで、給電モジュール2における給電コイル21と給電共振器22との距離d12、及び、受電モジュール3における受電コイル31と受電共振器32との距離d34の組み合わせを色々とを変えることにより行う。そして、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定した場合、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル31と受電共振器32との間の距離d34を4mm以下の値にすると伝送特性『S21』が単峰性の性質を有することになり、一方、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル31と受電共振器32との間の距離d34を4mmより大きい値にすると伝送特性『S21』が双峰性の性質を有することになる。
なお、給電モジュール2及び受電モジュール3の間の磁界による結びつき度合い(磁界結合)の強度を変える手段としては、その他に、給電モジュール2に供給する電力量を変化させることや、給電共振器22及び受電共振器32の各素子(コンデンサ、コイル)の容量やインダクタンスを変化させることや、給電モジュール2に供給する電力の周波数を変えることなどの方法が挙げられる。
単峰性の場合における測定結果を図6に示す。図6の測定結果から、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有し、且つ、伝送特性『S21』の値が−3dB以上の値を取りうる距離d12及び距離d34の距離の主な組み合わせを挙げると、比較例2〜6が該当する。そして、比較例2〜6における入力インピーダンスZinが取り得る範囲を見ると、66.6(比較例6)〜186.1Ω(比較例2)の範囲であることが分かる。即ち、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合に、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、66.6〜186.1Ωの範囲で調整することができることを意味している。なお、上記で伝送特性『S21』の値が−3dB以上の値であることを条件としているのは、−3dB未満であると、無線電力伝送装置の送電効率が著しく低下してしまうためである。故に、伝送特性『S21』の値を−3dBとしているのは設計事項であり、使用形態により変更可能な値である。
(双峰性の測定)
次に、本実施例として、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinを測定した。測定方法としては、上記単峰性の測定方法の場合と同じである。ただし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル31と受電共振器32との間の距離d34の組み合わせを色々と変えて測定した。ただし、双峰性の性質を有するように、距離d12及び距離d34は、4mmより大きい値を取るように変えている。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)に駆動周波数を合わせて、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)における伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定した。
双峰性の場合における測定結果を図7に示す。図7の測定結果から、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有し、且つ、伝送特性『S21』の値が−3dB以上の値を取りうる距離d12及び距離d34の距離の主な組み合わせを挙げると、実施例1〜4、6、7の低周波側の周波数fL(同相共振モード)、及び、実施例1、2、6、7の高周波側の周波数fH(逆相共振モード)が該当する。そして、実施例1〜4、6、7の低周波側の周波数fL(同相共振モード)、及び、実施例1、2、6、7の高周波側の周波数fH(逆相共振モード)における入力インピーダンスZinが取りうる範囲を見ると、12.98(実施例6のfH)〜149.81Ω(実施例7のfL)の範囲であることが分かる。即ち、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合に、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、12.98〜149.81Ωの範囲で調整することができることを意味している。
上記測定結果によれば、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、66.6〜186.1Ωの範囲(可変範囲)で調整することができる。一方、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合に、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、12.98〜149.81Ωの範囲(可変範囲)で調整することができる。これによれば、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置1は、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置1よりも、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができることが分かる。
(所定の伝送特性『S21』に設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲)
次に、上記無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性及び双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZin測定において、所定の伝送特性『S21』に設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲を測定する。なお、本比較例・実施例では、所定の伝送特性『S21』として、例示的に−2.2dBとした場合と、−2.8dBとした場合について測定した。
(所定の伝送特性『S21』を−2.2dBとした場合)
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.2dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図6に示すように、比較例3が挙げられ、双峰性では、図8(A)に示すように、実施例8〜12が挙げられる。
比較例3では、d12=1mm、d23=48mm、d34=1mmの場合に、S21が−2.25dBで160.9Ωを示した。そして、単峰性では、比較例3以外に、伝送特性『S21』がおよそ−2.2dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせはあるが、その場合、入力インピーダンスZinはおよそ同じ値を示した。即ち、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本比較例では、およそ−2.2dBに設定)の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、およそ160.9Ωにほぼ決まってしまうことが分かる。
一方、図8(A)に示すように、実施例8では、同相共振モード(fL)で、d12=5mm、d23=48mm、d34=18mmの場合に、S21が−2.08dBで129.79Ωを示した。また、実施例9では、同相共振モード(fL)で、d12=10mm、d23=48mm、d34=22mmの場合に、S21が−2.25dBで94.30Ωを示した。また、実施例10では、同相共振モード(fL)で、d12=25mm、d23=48mm、d34=25mmの場合に、S21が−2.46dBで33.30Ωを示した。また、実施例11では、同相共振モード(fL)で、d12=24mm、d23=48mm、d34=10mmの場合に、S21が−2.26dBで16.47Ωを示した。また、実施例12では、同相共振モード(fL)で、d12=20mm、d23=48mm、d34=5mmの場合に、S21が−2.20dBで15.51Ωを示した。このように、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本実施例では、およそ−2.2dBに設定)の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、15.51(実施例12)〜129.79Ω(実施例8)の範囲を取り得ることが分かる。
(所定の伝送特性『S21』を−2.8dBとした場合)
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.8dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図6に示すように、比較例2が挙げられ、双峰性では、図8(B)に示すように、実施例13〜17が挙げられる。
比較例2では、d12=1mm、d23=48mm、d34=0mmの場合に、S21が−2.74dBで186.1Ωを示した。そして、単峰性では、比較例2以外に、伝送特性『S21』がおよそ−2.8dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせはあるが、その場合、入力インピーダンスZinはおよそ同じ値を示した。即ち、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本比較例では、およそ−2.8dBに設定)の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、およそ186.1Ωにほぼ決まってしまうことが分かる。
一方、図8(B)に示すように、実施例13では、逆相共振モード(fH)で、d12=5mm、d23=48mm、d34=25mmの場合に、S21が−2.93dBで129.38Ωを示した。また、実施例14では、逆相共振モード(fH)で、d12=10mm、d23=48mm、d34=25mmの場合に、S21が−2.96dBで72.66Ωを示した。また、実施例15では、逆相共振モード(fH)で、d12=15mm、d23=48mm、d34=22mmの場合に、S21が−2.58dBで39.70Ωを示した。また、実施例16では、逆相共振モード(fH)で、d12=20mm、d23=48mm、d34=10mmの場合に、S21が−2.83dBで14.65Ωを示した。また、実施例17では、逆相共振モード(fH)で、d12=20mm、d23=48mm、d34=5mmの場合に、S21が−2.77dBで12.98Ωを示した。このように、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本実施例では、およそ−2.8dBに設定)の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、12.98(実施例17)〜129.38Ω(実施例13)の範囲を取り得ることが分かる。
上記測定結果によれば、伝送特性『S21』の値を所定の値に設定した場合、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置1は、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置1よりも、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができることが分かる。
(測定実験2)
上記測定実験1では、図3に示す回路構成の無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合と双峰性の性質を有する場合における無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinの可変範囲に関する測定実験1について説明したが、本測定実験2では、図9に示すように、無線電力伝送装置1に対してその回路構成を変えた無線電力伝送装置101を使用して測定する。具体的には、無線電力伝送装置101は、図9に示すように、無線電力伝送装置1における給電コイル21からコンデンサCを除いた給電コイル121、及び、無線電力伝送装置1の受電コイル31からコンデンサCを除いた受電コイル131を備え、その他は無線電力伝送装置1と同じ構成をしている。
(測定実験2)
無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合と双峰性の性質を有する場合における無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinの可変範囲に関する測定実験2について説明する。
(単峰性の測定)
まず、測定実験1同様に、比較対象として、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinを測定した。具体的には、無線電力伝送装置101(図9参照)において、給電コイル121にネットワークアナライザ110の出力端子111を接続し、受電コイル131には、ネットワークアナライザ110の入力端子112を接続して、給電モジュール2に所定の駆動周波数の電力を供給して、給電共振器22から受電共振器32に共振現象により電力を磁界エネルギーとして供給することによって伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定する。この際、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル121と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル131と受電共振器32との間の距離d34を変えて測定する。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる共振周波数に駆動周波数を合わせて測定している。
単峰性の場合における測定結果を図10に示す。図10の測定結果から、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有し、且つ、伝送特性『S21』の値が−3dB以上の値を取りうる距離d12及び距離d34の距離の主な組み合わせを挙げると、比較例2〜6が該当する。そして、比較例2〜6における入力インピーダンスZinが取りうる範囲を見ると、68.9(比較例6)〜180.7Ω(比較例2)の範囲であることが分かる。即ち、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合に、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、68.9〜180.7Ωの範囲で調整することができることを意味している。
(双峰性の測定)
次に、本実施例として、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinを測定した。測定方法としては、上記単峰性の測定方法の場合と同じである。ただし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を48mmに固定し、給電コイル121と給電共振器22との間の距離d12、及び、受電コイル131と受電共振器32との間の距離d34の組み合わせを色々と変えて測定した。ただし、双峰性の性質を有するように、距離d12及び距離d34は、4mmより大きい値を取るように変えている。また、伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinは、伝送特性『S21』の値がピーク(最大)となる、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)に駆動周波数を合わせて、低周波側の周波数fL(同相共振モード)及び高周波側の周波数fH(逆相共振モード)における伝送特性『S21』及び入力インピーダンスZinを測定した。
双峰性の場合における測定結果を図11に示す。図11の測定結果から、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有し、且つ、伝送特性『S21』の値が−3dB以上の値を取りうる距離d12及び距離d34の距離の主な組み合わせを挙げると、実施例1〜4、6〜8の低周波側の周波数fL(同相共振モード)、及び、実施例1、2、7、8の高周波側の周波数fH(逆相共振モード)が該当する。そして、実施例1〜4、6〜8の低周波側の周波数fL(同相共振モード)、及び、実施例1、2、7、8の高周波側の周波数fH(逆相共振モード)における入力インピーダンスZinが取りうる範囲を見ると、19.47(実施例7のfH)〜182.30Ω(実施例8のfL)の範囲であることが分かる。即ち、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合に、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、19.47〜182.30Ωの範囲で調整することができることを意味している。
上記測定結果によれば、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、68.9〜180.7Ωの範囲(可変範囲)で調整することができる。一方、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合に、伝送特性『S21』の値を−3dB以上の値にするならば、入力インピーダンスZinの値を、19.47〜182.30Ωの範囲(可変範囲)で調整することができる。これによれば、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置101は、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置101よりも、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができることが分かる。
(所定の伝送特性『S21』に設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲)
次に、上記無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が単峰性及び双峰性の性質を有する場合の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZin測定において、所定の伝送特性『S21』に設定した場合の入力インピーダンスZinの可変範囲を測定する。なお、本比較例・実施例では、所定の伝送特性『S21』として、例示的に−2.0dBとした場合と、−2.7dBとした場合について測定した。
(所定の伝送特性『S21』を−2.0dBとした場合)
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.0dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図10に示すように、比較例3が挙げられ、双峰性では、図12(A)に示すように、実施例9〜15が挙げられる。
比較例3では、d12=2mm、d23=48mm、d34=2mmの場合に、S21が−1.90dBで134.0Ωを示した。そして、単峰性では、比較例3以外に、伝送特性『S21』がおよそ−2.0dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせはあるが、その場合、入力インピーダンスZinはおよそ同じ値を示した。即ち、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本比較例では、およそ−2.0dBに設定)の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、およそ134.0Ωにほぼ決まってしまうことが分かる。
一方、図12(A)に示すように、実施例9では、同相共振モード(fL)で、d12=5mm、d23=48mm、d34=19mmの場合に、S21が−2.09dBで167.52Ωを示した。また、実施例10では、同相共振モード(fL)で、d12=10mm、d23=48mm、d34=20mmの場合に、S21が−2.01dBで107.95Ωを示した。また、実施例11では、同相共振モード(fL)で、d12=15mm、d23=48mm、d34=20mmの場合に、S21が−1.95dBで76.62Ωを示した。また、実施例12では、同相共振モード(fL)で、d12=20mm、d23=48mm、d34=20mmの場合に、S21が−2.11dBで55.59Ωを示した。また、実施例13では、同相共振モード(fL)で、d12=22mm、d23=48mm、d34=15mmの場合に、S21が−2.00dBで44.96Ωを示した。また、実施例14では、同相共振モード(fL)で、d12=22mm、d23=48mm、d34=10mmの場合に、S21が−2.00dBで40.05Ωを示した。また、実施例15では、同相共振モード(fL)で、d12=20mm、d23=48mm、d34=5mmの場合に、S21が−1.96dBで38.50Ωを示した。このように、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本実施例では、およそ−2.0dBに設定)の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinは、38.50(実施例15)〜167.52Ω(実施例9)の範囲を取り得ることが分かる。
(所定の伝送特性『S21』を−2.7dBとした場合)
まず、伝送特性『S21』が、およそ−2.7dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせを挙げると、単峰性では、図10に示すように、比較例2が挙げられ、双峰性では、図12(B)に示すように、実施例16〜20が挙げられる。
比較例2では、d12=0mm、d23=48mm、d34=2mmの場合に、S21が−2.70dBで180.7Ωを示した。そして、単峰性では、比較例2以外に、伝送特性『S21』がおよそ−2.7dBの値を示す距離d12及び距離d34の組み合わせはあるが、その場合、入力インピーダンスZinはおよそ同じ値を示した。即ち、無線電力伝送装置1が有する伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本比較例では、およそ−2.7dBに設定)の無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZinは、およそ180.7Ωにほぼ決まってしまうことが分かる。
一方、図12(B)に示すように、実施例16では、逆相共振モード(fH)で、d12=5mm、d23=48mm、d34=19mmの場合に、S21が−2.69dBで102.14Ωを示した。また、実施例17では、逆相共振モード(fH)で、d12=10mm、d23=48mm、d34=20mmの場合に、S21が−2.65dBで59.29Ωを示した。また、実施例18では、逆相共振モード(fH)で、d12=15mm、d23=48mm、d34=20mmの場合に、S21が−2.90dBで42.35Ωを示した。また、実施例19では、逆相共振モード(fH)で、d12=16mm、d23=48mm、d34=15mmの場合に、S21が−2.66dBで24.34Ωを示した。また、実施例20では、逆相共振モード(fH)で、d12=15mm、d23=48mm、d34=5mmの場合に、S21が−2.72dBで19.47Ωを示した。このように、無線電力伝送装置101が有する伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合、所定の伝送特性『S21』に設定した場合(本実施例では、およそ−2.7dBに設定)の無線電力伝送装置101の入力インピーダンスZinは、19.47(実施例20)〜102.14Ω(実施例16)の範囲を取り得ることが分かる。
上記測定結果によれば、伝送特性『S21』の値を所定の値に設定した場合、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置101は、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有するように設定した無線電力伝送装置101よりも、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができることが分かる。
上記測定実験1及び測定実験2より、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数に対する伝送特性の値を、共振周波数(f)よりも低い駆動周波数帯域(fL)及び共振周波数(f)よりも高い駆動周波数帯域(fH)にそれぞれピークを有する(双峰性)無線電力伝送装置は、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数に対する伝送特性『S21』の値のピークが、共振周波数帯域(f)において一つ現れる(単峰性)無線電力伝送装置に比べて、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができる。そして、入力インピーダンスZinの可変範囲を広くすることができるということは、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する複数の回路素子の各素子値、及び、相互インダクタンスをパラメータとして、単峰性の性質を有する設定に比べて、幅広く設定することができるようになり、無線電力伝送装置の設計自由度をより高めて、無線電力伝送装置自体の携帯性・コンパクト化・低コスト化を実現することができるようになる。
また、上記方法によれば、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を、共振周波数よりも低い駆動周波数帯域(fL)に現れる伝送特性『S21』のピーク値に対応する帯域に設定することにより、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合でも、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合に駆動周波数を共振周波数に合わせた場合には劣るものの、ある程度高い伝送特性『S21』を確保することができる。また、給電モジュール2の外周側に発生する磁界と受電モジュール3の外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール2及び受電モジュール3の外周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール2及び受電モジュール3の外周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。これにより、形成した磁界空間に、磁界の影響を受けたくない回路(安定回路7、充電回路8、充電池9など)等を格納することで、スペースの有効活用ができ、無線電力伝送装置1自体の小型化を図ることが可能になる。
また、上記方法によれば、給電モジュール2に供給する電力の駆動周波数を、共振周波数よりも高い駆動周波数帯域(fH)に現れる伝送特性『S21』のピーク値に対応する帯域に設定することにより、伝送特性『S21』が双峰性の性質を有する場合でも、伝送特性『S21』が単峰性の性質を有する場合に駆動周波数を共振周波数に合わせた場合には劣るものの、ある程度高い伝送特性『S21』を確保することができる。また、給電モジュール2の内周側に発生する磁界と受電モジュール3の内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電モジュール2及び受電モジュール3の内周側に、磁界による影響が低減されて、給電モジュール2及び受電モジュール3の内周側以外の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間を形成することができる。これにより、形成した磁界空間に、磁界の影響を受けたくない回路(安定回路7、充電回路8、充電池9など)等を格納することで、スペースの有効活用ができ、無線電力伝送装置1自体の小型化を図ることが可能になる。
(製造方法)
次に、無線電力伝送装置1を製造する一工程である、設計方法(設計工程)について、図13及び図14を参照して説明する。本説明では、無線電力伝送装置1を搭載する携帯機器としてイヤホンスピーカ部201aを備えた無線式ヘッドセット200、及び、充電器201を例にして説明する(図13参照)。
本設計方法で設計される無線電力伝送装置1は、図13に示す無線式ヘッドセット200及び充電器201に、それぞれ受電モジュール3(受電コイル31・受電共振器32)及び給電モジュール2(給電コイル21・給電共振器22)として搭載されている。また、図13では、説明の都合上、安定回路7、充電回路8及び充電池9を受電モジュール3の外に記載しているが、実際は、ソレノイド状の受電コイル31及び受電共振器32のコイル内周側に配置されている。即ち、無線式ヘッドセット200には、受電モジュール3、安定回路7、充電回路8及び充電池9が搭載されており、充電器201には、給電モジュール2が搭載されており、給電モジュール2の給電コイル21に交流電源6が接続された状態で使用される。
(設計方法)
まず、図14に示すように、充電池9の容量、及び、充電池9の充電に必要とされる充電電流から、受電モジュール3が受電する受電電力量が決まる(S1)。
次に、給電モジュール2と受電モジュール3との間の距離を決定する(S2)。これは、受電モジュール3を内蔵した無線式ヘッドセット200を、給電モジュール2を内蔵した充電器201に載置した際の給電モジュール2と受電モジュール3との間の距離であり、使用形態としては充電中の状態である。具体的には、給電モジュール2と受電モジュール3との間の距離は、無線式ヘッドセット200と充電器201の形状・構造を考慮して決定される。
また、無線式ヘッドセット200の大きさ・形状・構造を踏まえて、受電モジュール3における受電コイル31及び受電共振器32のコイル径が決定される(S3)。
また、充電器201の大きさ・形状・構造を踏まえて、給電モジュール2における給電コイル21及び給電共振器22のコイル径が決定される(S4)。
上記S2〜S4の手順を経ることにより、無線電力伝送装置1の給電共振器22(コイルL)と受電共振器32(コイルL)との間の結合係数をk23と、電力伝送効率が決まることになる。
上記S1で決定した受電モジュール3が受電する受電電力量、及び、S2〜S4の手順を経て決定された電力伝送効率より、給電モジュール2に給電する必要最低限の給電電力量が決定される(S5)。
そして、上記受電モジュール3が受電する受電電力量、電力伝送効率、及び、給電モジュール2に給電する必要最低限の給電電力量を踏まえて、無線電力伝送装置1における入力インピーダンスZinの設計値が決まる(S6)。
そして、S6で決定された入力インピーダンスZinの設計値を上述した(式3)に当てはめて、この(式3)を満たすように、回路素子としての給電コイル21のRLC回路のR、L、C、給電共振器22のRLC回路のR、L、C、受電共振器32のRLC回路のR、L、C、受電コイル31のRLC回路のR、L、Cにおける抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、及び、結合係数k12、k34をパラメータとして調整し決定する(S7)。
上記製造方法によれば、入力インピーダンスZinを制御するために、給電モジュール2及び受電モジュール3を構成する回路素子の各素子値をパラメータとして自由に設定し、無線電力伝送装置1の設計自由度を高めて、携帯性・コンパクト化・低コスト化に優れた無線電力伝送装置1を製造することができる。
(その他の実施形態)
上記製造方法の説明では、無線式ヘッドセット200を例示して説明したが、充電池を備えた機器であれば、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、イヤホン型音楽プレイヤー、補聴器、集音器などにも使用することができる。
また、上記説明では、給電モジュール2及び受電モジュール3が備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより電力伝送を行う無線電力伝送装置1を例示して説明したが、コイル間の電磁誘導を利用して電力伝送を行う無線電力伝送装置1においても適用可能である。
以上の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明したが、本発明は、以上の詳細な説明に記載する実施形態・実施例に限定されず、その他の実施形態・実施例にも適用することができ、その適用範囲は可能な限り広く解釈されるべきである。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされるべきである。また、本発明の目的及び本発明の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌することが望まれる。
1 無線電力伝送装置
2 給電モジュール
3 受電モジュール
6 交流電源
7 安定回路
8 充電回路
9 充電池
21 給電コイル
22 給電共振器
31 受電コイル
32 受電共振器
200 無線式ヘッドセット
201 充電器

Claims (7)

  1. 給電コイル及び給電共振器の少なくとも1つを備えた給電モジュールから、受電共振器及び受電コイルの少なくとも1つを備えた受電モジュールに対して磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、
    前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び前記受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、
    前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを設定して供給する電力を調整することを特徴とする無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
  2. 少なくとも給電コイル及び給電共振器を備えた給電モジュールから、少なくとも受電共振器及び受電コイルを備えた受電モジュールに対して共振現象によって電力を供給する無線電力伝送装置の供給電力制御方法であって、
    前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、
    前記給電コイルを構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ
    前記給電共振器を構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ
    前記受電共振器を構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ
    前記受電コイルを構成する、コイルLを含む各回路素子が有する合計のインピーダンスをZ
    前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZ
    前記給電コイルのコイルLと前記給電共振器のコイルLとの間の相互インダクタンスをM12
    前記給電共振器のコイルLと前記受電共振器のコイルLとの間の相互インダクタンスをM23
    前記受電共振器のコイルLと前記受電コイルのコイルLとの間の相互インダクタンスをM34
    とし、
    前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、
    当該パラメータをそれぞれ変えることにより、下記関係式により導出される当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して供給する電力を調整することを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
  3. 前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、前記給電モジュールに供給する電力の前記駆動周波数に対する伝送特性の値が、前記共振周波数よりも低い駆動周波数帯域及び前記共振周波数よりも高い駆動周波数帯域にそれぞれピークを有するように設定することを特徴とする請求項2に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
  4. 前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数は、前記共振周波数よりも低い駆動周波数帯域に現れる伝送特性のピーク値に対応する帯域であることを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
  5. 前記給電モジュールに供給する電力の駆動周波数は、前記共振周波数よりも高い駆動周波数帯域に現れる伝送特性のピーク値に対応する帯域であることを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送装置の供給電力制御方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の供給電力制御方法により調整されたことを特徴とする無線電力伝送装置。
  7. 給電コイル及び給電共振器の少なくとも1つを備えた給電モジュールから、受電共振器及び受電コイルの少なくとも1つを備えた受電モジュールに対して供給する電力の駆動周波数が、前記給電モジュール及び受電モジュールにおける共振周波数とはならない値で供給し、且つ、磁界を変化させて電力を供給する無線電力伝送装置の製造方法であって、
    前記給電モジュール及び前記受電モジュールを構成する複数の回路素子の各素子値をパラメータとして、当該パラメータをそれぞれ変えることにより、当該無線電力伝送装置の入力インピーダンスZinを制御して、当該無線電力伝送装置が供給可能な電力を調整する設計工程を含むことを特徴とする無線電力伝送装置の製造方法。
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