JP2015146722A - 無線電力伝送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】給電モジュールの近辺に金属異物が配置された際に、給電モジュールに発生する過剰な熱を抑制する。【解決手段】給電モジュールが有する給電共振器及び受電モジュールが有する受電共振器における、電力の電源周波数に対する伝送特性の値が二つのピーク帯域を有するように設定し、電源周波数を、伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した際における、給電共振器と受電共振器とが対向配置された状態における無線電力伝送装置の伝送時入力インピーダンス、給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態における無線電力伝送装置の金属異物配置時入力インピーダンス、及び、給電モジュールの待機時入力インピーダンスの関係が、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たす無線電力伝送装置にする。【選択図】図3
Description
本発明は、給電モジュールと受電モジュールとの間で共振現象を起こすことによって電力を供給する無線電力伝送装置に関する。
近年、ノート型PC、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、携帯ゲーム機、イヤホン型音楽プレイヤー、無線式ヘッドセット、補聴器、レコーダーなど人が携帯しながら使用できる携帯型の電子機器が急速に普及してきている。そして、これらの携帯型の電子機器の多くには二次電池が搭載されており、定期的な充電が必要とされる。この電子機器の二次電池への充電作業を簡易にするために、給電モジュールと電子機器に搭載された受電モジュールとの間で無線による電力伝送を利用した給電技術(磁界を変化させて電力伝送を行う無線電力伝送技術)により、二次電池を充電する機器が増えつつある。
無線電力伝送技術としては、コイル間の電磁誘導を利用して電力伝送を行う技術や(例えば、特許文献1参照)、給電装置(給電モジュール)及び受電装置(受電モジュール)が備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより電力伝送を行う技術が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
このような無線電力伝送技術を用いて給電装置及び受電装置を設計する際には、無線電力伝送するときの電力損失を小さくするために、給電装置に供給される電力に対する受電装置が受電する電力の比率である電力伝送効率を高めることが求められる。
そして、特許文献3の背景技術(段落[0008]〜[0010]参照)、特許文献4のワイヤレス電力伝送システムの明細書中にも記載されているように、給電装置に供給する電力の電源周波数(駆動周波数)に、給電装置及び受電装置が備える共振器が有する共振周波数を一致させる(若しくは、電源周波数(駆動周波数)を、給電装置及び受電装置が備える共振器が有する共振周波数に一致させる)ことにより、ワイヤレス給電における電力伝送効率を最大とすることができることが一般的に知られており(特許文献4の段落[0013]参照)、電力伝送効率の最大化を求めてこのような設定にするのが一般的である。
ところで、給電モジュール及び受電モジュールが備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより無線電力伝送をするときには、受電モジュールを給電モジュールに近づけて、給電モジュールから受電モジュールに対して給電できる距離(給電可能領域)になるように配置して使用する必要がある。このような使用過程において、給電モジュールの近辺に金属の異物が置かれたりすると、金属の異物が磁場の影響を受け、渦電流が引き起こされてしまう。このように渦電流が引き起こされると金属の異物や給電モジュールに過剰な熱が生じてしまう場合があり不都合である。
特に、電力伝送効率の最大化を求めて、給電装置に供給する電力の電源周波数(駆動周波数)に、給電装置及び受電装置が備える共振器が有する共振周波数を一致させた場合、給電モジュールの近辺に金属異物がある状態における金属異物を含めた給電モジュールの入力インピーダンスが、給電モジュールの近くに金属異物がない待機状態における給電モジュールの入力インピーダンスに比べて、低くなる(図12〜図15参照)。このように、金属異物を含めた給電モジュールの入力インピーダンスZinが低くなると、一定電圧の下で流れる電流値は高くなり(式:I=V/Zin 参照)、給電モジュールにおける消費電力が上がるとともに、給電モジュールに発生する熱が過剰なものになってしまうおそれがある。
そこで、本発明の目的は、給電モジュールの近辺に金属異物がある状態における金属異物を含めた給電モジュールの入力インピーダンスが高くなるように設定することにより、給電モジュールに発生する過剰な熱を抑制することができる無線電力伝送装置を提供することにある。
上記課題を解決するための発明の一つは、給電モジュールが有する給電共振器及び受電モジュールが有する受電共振器における、電力の電源周波数に対する伝送特性の値が二つのピーク帯域を有するように設定され、給電モジュールと受電モジュールとの間で共振現象を起こすことによって電力を供給する無線電力伝送装置であって、
前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定し、
前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した際における、前記給電共振器と前記受電共振器とが対向配置された状態における無線電力伝送装置の伝送時入力インピーダンス、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態における無線電力伝送装置の金属異物配置時入力インピーダンス、及び、前記給電モジュールの待機時入力インピーダンスの関係が、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすことを特徴としている。
前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定し、
前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した際における、前記給電共振器と前記受電共振器とが対向配置された状態における無線電力伝送装置の伝送時入力インピーダンス、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態における無線電力伝送装置の金属異物配置時入力インピーダンス、及び、前記給電モジュールの待機時入力インピーダンスの関係が、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすことを特徴としている。
上記構成によれば、給電モジュールに供給する電力の電源周波数を、伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定し、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすように無線電力伝送装置を設計することにより、給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された場合であっても、金属異物配置時入力インピーダンスが、待機時入力インピーダンス及び伝送時入力インピーダンスよりも高くなるため、給電モジュールにおける電流値が低くなり、発熱や渦電流を抑制することができる。
また、上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置に関して、前記給電モジュールは、少なくとも給電コイル及び前記給電共振器を有し、
前記受電モジュールは、少なくとも前記受電共振器及び受電コイルを有し、
前記給電コイルは、抵抗R1、コイルL1及びコンデンサC1を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ1とし、
前記給電共振器は、抵抗R2、コイルL2及びコンデンサC2を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ2とし、
前記受電共振器は、抵抗R3、コイルL3及びコンデンサC3を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ3とし、
前記受電コイルは、抵抗R4、コイルL4及びコンデンサC4を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ4とし、
前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZLとし、
前記給電コイルのコイルL1と前記給電共振器のコイルL2との間の相互インダクタンスをM12、
前記給電共振器のコイルL2と前記受電共振器のコイルL3との間の相互インダクタンスをM23、
前記受電共振器のコイルL3と前記受電コイルのコイルL4との間の相互インダクタンスをM34、
前記給電共振器のコイルL2と前記金属異物のコイルLmとの間の相互インダクタンスをM2mとし、
前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとし、前記金属異物を、抵抗Rm、及び、コイルLmを要素とするRL回路に見立て、
前記金属異物配置時入力インピーダンス、前記待機時入力インピーダンス、及び、前記伝送時入力インピーダンスが下記設計式で示されることを特徴としている。
前記受電モジュールは、少なくとも前記受電共振器及び受電コイルを有し、
前記給電コイルは、抵抗R1、コイルL1及びコンデンサC1を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ1とし、
前記給電共振器は、抵抗R2、コイルL2及びコンデンサC2を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ2とし、
前記受電共振器は、抵抗R3、コイルL3及びコンデンサC3を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ3とし、
前記受電コイルは、抵抗R4、コイルL4及びコンデンサC4を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ4とし、
前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZLとし、
前記給電コイルのコイルL1と前記給電共振器のコイルL2との間の相互インダクタンスをM12、
前記給電共振器のコイルL2と前記受電共振器のコイルL3との間の相互インダクタンスをM23、
前記受電共振器のコイルL3と前記受電コイルのコイルL4との間の相互インダクタンスをM34、
前記給電共振器のコイルL2と前記金属異物のコイルLmとの間の相互インダクタンスをM2mとし、
前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとし、前記金属異物を、抵抗Rm、及び、コイルLmを要素とするRL回路に見立て、
前記金属異物配置時入力インピーダンス、前記待機時入力インピーダンス、及び、前記伝送時入力インピーダンスが下記設計式で示されることを特徴としている。
上記構成によれば、上記関係式を満たす回路構成にすることにより、給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された場合であっても、金属異物配置時入力インピーダンスが、待機時入力インピーダンス及び伝送時入力インピーダンスよりも高くなるため、給電モジュールにおける電流値が低くなり、発熱や渦電流を抑制することができる。
上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置において、入力インピーダンスを検出する検出器と、
前記検出器が検出した入力インピーダンスが、前記待機時入力インピーダンスよりも大きい値を示した場合、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断する制御部と、を備えたことを特徴としている。
前記検出器が検出した入力インピーダンスが、前記待機時入力インピーダンスよりも大きい値を示した場合、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断する制御部と、を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、検出器が検出した入力インピーダンスが、待機時入力インピーダンスよりも大きい値を示した場合、給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断することができ、安全な電力供給を実現することができる。
上記課題を解決するための発明の一つは、前記制御部が、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、前記給電モジュールに対する電力供給を停止することを特徴としている。
上記構成によれば、制御部が、給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、給電モジュールに対する電力供給が停止されることによって、金属異物が給電共振器の近辺に配置された状態での電力供給による不具合(発熱・渦電流)の発生を未然に防止することができる。
上記課題を解決するための発明の一つは、上記無線電力伝送装置において、外部に報知する報知装置を備え、
前記制御部が、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、前記報知装置によって前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあることを報知することを特徴としている。
前記制御部が、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、前記報知装置によって前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあることを報知することを特徴としている。
上記構成によれば、制御部が、給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、報知装置によって外部に、給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあることを報知することができる。
上記課題を解決するための発明の一つは、給電モジュールが有する給電共振器及び受電モジュールが有する受電共振器における、電力の電源周波数に対する伝送特性の値が二つのピーク帯域を有し、
前記電源周波数が前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定された際における、前記給電モジュールと前記受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている時の伝送時入力インピーダンス、及び、無線電力供給が行われていない時の非伝送時入力インピーダンスの関係が、非伝送時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たす無線電力伝送装置であって、
前記給電モジュールに対する電力供給のON/OFFの切り替えが可能な発振出力器と
前記発振出力器から前記給電モジュールに入力される電流値を検出する電流検出器と、
前記電流検出器で検出した第1電流値と、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間で無線電力供給が行われている時に前記給電モジュールに入力される電流値と前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間で無線電力供給が行われていない時に前記給電モジュールに入力される電流値との間に設定された閾値と、を比較し、前記電流検出器で検出した第1電流値が前記閾値以上であると判断した場合、その後、再度、前記電流検出器で検出した第2電流値と、前記閾値とを比較し、前記第2電流値が前記閾値より小さいと判断した場合に、前記発振出力器における前記給電モジュールに対する電力供給をOFFにするOFF制御信号を前記発振出力器に出力する比較回路と、
を備えたことを特徴とする無線電力伝送装置である。
前記電源周波数が前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定された際における、前記給電モジュールと前記受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている時の伝送時入力インピーダンス、及び、無線電力供給が行われていない時の非伝送時入力インピーダンスの関係が、非伝送時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たす無線電力伝送装置であって、
前記給電モジュールに対する電力供給のON/OFFの切り替えが可能な発振出力器と
前記発振出力器から前記給電モジュールに入力される電流値を検出する電流検出器と、
前記電流検出器で検出した第1電流値と、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間で無線電力供給が行われている時に前記給電モジュールに入力される電流値と前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間で無線電力供給が行われていない時に前記給電モジュールに入力される電流値との間に設定された閾値と、を比較し、前記電流検出器で検出した第1電流値が前記閾値以上であると判断した場合、その後、再度、前記電流検出器で検出した第2電流値と、前記閾値とを比較し、前記第2電流値が前記閾値より小さいと判断した場合に、前記発振出力器における前記給電モジュールに対する電力供給をOFFにするOFF制御信号を前記発振出力器に出力する比較回路と、
を備えたことを特徴とする無線電力伝送装置である。
上記構成によれば、非伝送時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすことにより、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている時の入力電流値を、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われていない時の入力電流値よりも高くすることができる。そして、無線電力供給が行われている時の入力電流値と無線電力供給が行われていない時の入力電流値との間に閾値を設ける。
そして、電流検出器が検出した、発振出力器から給電モジュールに入力される第1電流値が、閾値以上の場合、その後、再度、電流検出器で検出した第2電流値と、閾値とを比較し、第2電流値が閾値より小さいと判断した場合には、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている状態から、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われていない状態に移行したと判断し、発振出力器によって給電モジュールに対する電力供給をOFF(遮断)にすることにより、消費電力を抑制することができる。
そして、電流検出器が検出した、発振出力器から給電モジュールに入力される第1電流値が、閾値以上の場合、その後、再度、電流検出器で検出した第2電流値と、閾値とを比較し、第2電流値が閾値より小さいと判断した場合には、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている状態から、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われていない状態に移行したと判断し、発振出力器によって給電モジュールに対する電力供給をOFF(遮断)にすることにより、消費電力を抑制することができる。
上記課題を解決するための発明の一つは、前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した際における、前記給電共振器と前記受電共振器とが対向配置された状態における無線電力伝送装置の伝送時入力インピーダンス、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態における無線電力伝送装置の金属異物配置時入力インピーダンス、及び、前記給電モジュールの待機時入力インピーダンスの関係が、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすことを特徴とする上記に記載の無線電力伝送装置である。
上記構成によれば、金属異物配置時入力インピーダンス > 待機時入力インピーダンス > 伝送時入力インピーダンスの条件を満たすように無線電力伝送装置を設計することにより、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている時の伝送時入力電流値 > 給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュールが電力伝送に対して待機状態にある時の待機時入力電流値 > 給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された時の金属異物配置時入力電流値、の関係を満たすことができる。そして、伝送時入力電流値と待機時入力電流値との間に閾値を設けている。
この場合、給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された時の金属異物配置時入力電流値は、閾値よりも小さい値が検出されることから、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュールが電力伝送に対して待機状態にある場合と同様に扱われる。
これにより、無線電力伝送装置において、無線電力給電が行われている状態から給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された状態に移行した際は、給電モジュールに対する電力供給をOFF(遮断)にすることにより、金属異物が給電共振器の近辺に配置された状態での電力供給による不具合(発熱・渦電流)の発生を未然に防止することができる。
この場合、給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された時の金属異物配置時入力電流値は、閾値よりも小さい値が検出されることから、給電モジュールと受電モジュールとの間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュールが電力伝送に対して待機状態にある場合と同様に扱われる。
これにより、無線電力伝送装置において、無線電力給電が行われている状態から給電モジュールが有する給電共振器の近辺に、金属異物が配置された状態に移行した際は、給電モジュールに対する電力供給をOFF(遮断)にすることにより、金属異物が給電共振器の近辺に配置された状態での電力供給による不具合(発熱・渦電流)の発生を未然に防止することができる。
給電モジュールの近辺に金属異物がある状態における金属異物を含めた給電モジュールの入力インピーダンスが高くなるように設定することにより、給電モジュールに発生する過剰な熱を抑制することができる無線電力伝送装置を提供することができる。
以下に本発明である無線電力伝送に用いる無線電力伝送装置1について説明する。
(実施形態)
本実施形態では、図1及び図2に示すように、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1を形成する(詳細は後述)、給電共振器22を備えた給電モジュール2及び受電共振器32を備えた受電モジュール3を主な構成要素とする無線電力伝送装置1を、給電モジュール2を搭載した充電器101、及び、受電モジュール3を搭載した無線式ヘッドセット102を例に説明する。なお、図1は、充電時における充電器101及び無線式ヘッドセット102の状態を示している。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1を形成する(詳細は後述)、給電共振器22を備えた給電モジュール2及び受電共振器32を備えた受電モジュール3を主な構成要素とする無線電力伝送装置1を、給電モジュール2を搭載した充電器101、及び、受電モジュール3を搭載した無線式ヘッドセット102を例に説明する。なお、図1は、充電時における充電器101及び無線式ヘッドセット102の状態を示している。
(充電器101及び無線式ヘッドセット102の構成)
充電器101は、図1及び図2に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を有した給電モジュール2を備えている。また、無線式ヘッドセット102は、イヤホンスピーカ部102a、受電コイル31及び受電共振器32を有した受電モジュール3を備えている。そして、給電モジュール2の給電コイル21には、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を所定の値に設定した、発振回路を備えた交流電源6が接続されている。また、受電モジュール3の受電コイル31には、受電された交流電力を整流化する安定回路7及び過充電を防止する充電回路8を介して二次電池9が接続されている。そして、安定回路7、充電回路8及び二次電池9は、受電共振器32の内周側に位置するように配置されている(なお、図面では、説明の都合上、安定回路7、充電回路8及び二次電池9を受電共振器32の外に図示している場合もある)。詳細は後述するが、これら安定回路7、充電回路8及び二次電池9が配置された、受電共振器32の内周側には、充電時に、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1が形成される。なお、本実施形態における安定回路7、充電回路8、及び、二次電池9は、図1及び図2に示すように、最終的な電力の給電先となる被給電機器10であり、被給電機器10は、受電モジュール3に接続された電力の給電先の機器全体の総称である。
充電器101は、図1及び図2に示すように、給電コイル21及び給電共振器22を有した給電モジュール2を備えている。また、無線式ヘッドセット102は、イヤホンスピーカ部102a、受電コイル31及び受電共振器32を有した受電モジュール3を備えている。そして、給電モジュール2の給電コイル21には、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を所定の値に設定した、発振回路を備えた交流電源6が接続されている。また、受電モジュール3の受電コイル31には、受電された交流電力を整流化する安定回路7及び過充電を防止する充電回路8を介して二次電池9が接続されている。そして、安定回路7、充電回路8及び二次電池9は、受電共振器32の内周側に位置するように配置されている(なお、図面では、説明の都合上、安定回路7、充電回路8及び二次電池9を受電共振器32の外に図示している場合もある)。詳細は後述するが、これら安定回路7、充電回路8及び二次電池9が配置された、受電共振器32の内周側には、充電時に、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1が形成される。なお、本実施形態における安定回路7、充電回路8、及び、二次電池9は、図1及び図2に示すように、最終的な電力の給電先となる被給電機器10であり、被給電機器10は、受電モジュール3に接続された電力の給電先の機器全体の総称である。
また、図示しないが、充電器101には、無線式ヘッドセット102を収納するための、無線式ヘッドセット102の形状に即した収納溝が設けられており、この充電器101の収納溝に無線式ヘッドセット102を収納することにより、充電器101が備える給電モジュール2と無線式ヘッドセット102が備える受電モジュール3とが対向配置されるように無線式ヘッドセット102を位置決めすることができるようになっている。
給電コイル21は、交流電源6から得られた電力を電磁誘導によって給電共振器22に供給する役割を果たす。この給電コイル21は、図3に示すように、抵抗器R1、コイルL1、及び、コンデンサC1を要素とするRLC回路を構成している。なお、コイルL1部分には、ソレノイドコイルを使用している。また、給電コイル21を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZ1としており、本実施形態では、給電コイル21を構成する抵抗器R1、コイルL1、及び、コンデンサC1を要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZ1とする。また、給電コイル21に流れる電流をI1する。なお、本実施形態では、給電コイル21にRLC回路を例に挙げて説明しているが、RL回路の構成としてもよい。
受電コイル31は、給電共振器22から受電共振器32に磁界エネルギーとして伝送された電力を電磁誘導によって受電し、安定回路7及び充電回路8を介して二次電池9に供給する役割を果たす。この受電コイル31は、給電コイル21同様に、図3に示すように、抵抗器R4、コイルL4、及び、コンデンサC4を要素とするRLC回路を構成している。なお、コイルL4部分には、ソレノイドコイルを使用している。また、受電コイル31を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZ4としており、本実施形態では、受電コイル31を構成する抵抗器R4、コイルL4、及び、コンデンサC4を要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZ4とする。また、受電コイル31に接続された被給電機器10(安定回路7、充電回路8及び二次電池9)の合計のインピーダンスをZLとする。また、受電コイル31に流れる電流をI4する。なお、図3に示すように、受電コイル31に接続された被給電機器10(安定回路7、充電回路8及び二次電池9)の各負荷インピーダンスを合わせたものを便宜的に抵抗器RL(ZLに相当)としている。また、本実施形態では、受電コイル31にRLC回路を例に挙げて説明しているが、RL回路の構成としてもよい。
給電共振器22は、図3に示すように、抵抗器R2、コイルL2、及び、コンデンサC2を要素とするRLC回路を構成している。また、受電共振器32は、図3に示すように、抵抗器R3、コイルL3、及び、コンデンサC3を要素とするRLC回路を構成している。そして、給電共振器22及び受電共振器32は、それぞれ共振回路となり、磁界共鳴状態を創出する役割を果たす。ここで、磁界共鳴状態(共振現象)とは、2つ以上のコイルが共振周波数帯域において共振することをいう。また、給電共振器22を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZ2とし、本実施形態では、給電共振器22を構成する、抵抗器R2、コイルL2、及び、コンデンサC2を要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZ2とする。また、受電共振器32を構成する回路素子が有する合計のインピーダンスをZ3とし、本実施形態では、受電共振器32を構成する、抵抗器R3、コイルL3、及び、コンデンサC3を要素とするRLC回路(回路素子)が有する合計のインピーダンスをZ3とする。また、給電共振器22に流れる電流をI2とし、受電共振器32に流れる電流をI3とする。
また、給電共振器22、及び、受電共振器32における共振回路としてのRLC回路では、インダクタンスをL、コンデンサ容量をCとすると、(式1)によって定まるfoが共振周波数となる。
・・・(式1)
また、給電共振器22及び受電共振器32には、ソレノイドコイルを使用している。また、給電共振器22及び受電共振器32における共振周波数は一致させている。なお、給電共振器22及び受電共振器32は、コイルを使用した共振器であれば、スパイラル型やソレノイド型などのコイルであってもよい。
また、給電コイル21と給電共振器22との間の距離をd12とし、給電共振器22と受電共振器32との間の距離をd23とし、受電共振器32と受電コイル31との間の距離をd34としている(図5参照)。
また、図3に示すように、給電コイル21のコイルL1と給電共振器22のコイルL2との間の相互インダクタンスをM12、給電共振器22のコイルL2と受電共振器32のコイルL3との間の相互インダクタンスをM23、受電共振器32のコイルL3と受電コイル31のコイルL4との間の相互インダクタンスをM34としている。また、給電モジュール2及び受電モジュール3において、コイルL1とコイルL2との間の結合係数をk12と表記し、コイルL2とコイルL3との間の結合係数をk23と表記し、コイルL3とコイルL4との間の結合係数をk34と表記する。
上記無線電力伝送装置1(給電モジュール2及び受電モジュール3)によれば、給電共振器22と受電共振器32との間に磁界共鳴状態(共振現象)を創出することができる。給電共振器22及び受電共振器32が共振した状態で磁界共鳴状態が創出されると、給電共振器22から受電共振器32に電力を磁界エネルギーとして伝送することが可能となり、給電モジュール2を備えた充電器101から、受電モジュール3を備えた無線式ヘッドセット102に電力が無線伝送され、無線式ヘッドセット102内に設けられた二次電池9が充電される。
(磁界空間の形成)
本実施形態の無線電力伝送装置1では、給電モジュール2及び受電モジュール3の内部・周辺に発生する磁界の強度を抑制するために、磁界強度を弱めた磁界空間G1又は磁界空間G2を形成する。具体的には、図1〜図5に示すように、給電モジュール2の給電共振器22から受電モジュール3の受電共振器32に共振現象を利用した電力供給をする際に、給電共振器22及び受電共振器32の近辺に、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1又は磁界空間G2を形成する。
本実施形態の無線電力伝送装置1では、給電モジュール2及び受電モジュール3の内部・周辺に発生する磁界の強度を抑制するために、磁界強度を弱めた磁界空間G1又は磁界空間G2を形成する。具体的には、図1〜図5に示すように、給電モジュール2の給電共振器22から受電モジュール3の受電共振器32に共振現象を利用した電力供給をする際に、給電共振器22及び受電共振器32の近辺に、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1又は磁界空間G2を形成する。
磁界空間G1・G2を形成するためには、給電共振器22及び受電共振器32における、電源周波数に対する伝送特性『S21』を示すグラフが、二つのピーク帯域を有するように設定し、給電モジュールに供給する電力の電源周波数を、二つのピーク帯域の何れかに対応する電源周波数に設定することにより実現する。本実施形態では、図1〜図5に示すように、給電共振器22と受電共振器32との間に磁界空間G1を形成するために、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する電源周波数に設定する。なお、給電共振器22及び受電共振器32の外側に、磁界空間G2を形成したい場合は(図5参照)、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち低周波側に形成されるピーク帯域に対応する電源周波数に設定する。
ここで、伝送特性『S21』とは、無線電力伝送装置1(給電モジュール2及び受電モジュール3)をネットワークアナライザ110(例えば、アジレント・テクノロジー株式会社製のE5061Bなど、図5参照)に接続して計測される信号を表しており、デシベル表示され、数値が大きいほど電力伝送効率が高いことを意味する。また、電力伝送効率とは、ネットワークアナライザ110に無線電力伝送装置1を接続した状態で、出力端子111から給電モジュール2に供給される電力に対する入力端子112に出力される電力の比率のことをいう。
具体的には、図5に示すように、ネットワークアナライザ110を使用して、給電共振器22及び受電共振器32における、電源周波数に対する伝送特性『S21』を、給電共振器22に供給する交流電力の電源周波数を変えながら解析する。この際、図4のグラフに示すように、横軸を出力端子111から出力される交流電力の電源周波数とし、縦軸を伝送特性『S21』として解析する。ここで、給電共振器22及び受電共振器32における伝送特性『S21』を測定するにあたり、給電コイル21と給電共振器22との間の結合が強いと、給電共振器22と受電共振器32との間の結合状態に影響を与えてしまい、給電共振器22及び受電共振器32における伝送特性『S21』の正確な測定ができないため、給電コイル21と給電共振器22との間の距離d12は、給電共振器22が十分に励振でき、給電共振器22による磁界を生成させ、かつ、給電コイル21と給電共振器22とができるだけ結合しない距離に保持する必要がある。また、同様の理由で受電共振器32と受電コイル31との間の距離d34も、受電共振器32が十分に励振でき、受電共振器32による磁界を生成させ、かつ、受電共振器32と受電コイル31とができるだけ結合しない距離に保持する必要がある。そして、解析された給電共振器22及び受電共振器32における伝送特性『S21』の解析波形が、図4に示すように、低周波数側に形成されるピーク帯域(f(Low P))と高周波数側に形成されるピーク帯域(f(High P))との二つのピーク帯域を有するように設定される(実線150参照)。
なお、上記のように給電共振器22及び受電共振器32における伝送特性『S21』の解析波形が、低周波側と高周波側とにピークが分離して二つのピーク帯域を有するには、給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23を調整したり、給電共振器22のRLC回路のR2、L2、C2、受電共振器32のRLC回路のR3、L3、C3における抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、結合係数k23などの給電共振器22及び受電共振器32を構成する変更可能なパラメータを調整したりすることにより実現される。
そして、給電共振器22及び受電共振器32における伝送特性『S21』の解析波形が、二つのピーク帯域を有する場合に、高周波数側に形成されるピーク帯域(f(High P))に、供給する交流電力の電源周波数を設定した場合、給電共振器22及び受電共振器32が逆位相で共振状態となり、図6に示すように、給電共振器22に流れる電流の向き(22A)と受電共振器32に流れる電流の向き(32A)とが逆向きになる。その結果、図6の磁界ベクトル図に示すように、給電共振器22の内周側に発生する磁界と受電共振器32の内周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の内周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の内周側以外の磁界強度(例えば、給電共振器22及び受電共振器32の外周側の磁界強度)よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1を形成することができる。ここで、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが逆向きとなる共振状態を逆相共振モードと呼ぶことにする。
一方、給電共振器22及び受電共振器32における伝送特性『S21』の解析波形が、二つのピーク帯域を有する場合に、低周波数側に形成されるピーク帯域(f(Low P))に、供給する交流電力の電源周波数を設定した場合、給電共振器22及び受電共振器32が同位相で共振状態となり、図7に示すように、給電共振器22に流れる電流の向き(22A)と受電共振器32に流れる電流の向き(32A)とが同じ向きになる。その結果、図7の磁界ベクトル図に示すように、給電共振器22の外周側に発生する磁界と受電共振器32の外周側に発生する磁界とが打ち消し合うことにより、給電共振器22及び受電共振器32の外周側に、磁界による影響が低減されて、給電共振器22及び受電共振器32の外周側以外の磁界強度(例えば、給電共振器22及び受電共振器32の内周側の磁界強度)よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G2を形成することができる。ここで、給電共振器22に流れる電流の向きと受電共振器32に流れる電流の向きとが同じ向きとなる共振状態を同相共振モードと呼ぶことにする。
なお、無線電力伝送装置1に関して、給電コイル21と給電共振器22を含む給電モジュール2、及び、受電共振器32と受電コイル31とを含む受電モジュール3における、電源周波数に対する伝送特性『S21』を示すグラフが、図8に示すように単峰性の性質を有するように設定するのが一般的である。単峰性とは、電源周波数に対する伝送特性『S21』のピークが一つで、そのピークが共振周波数帯域(fo)において現れるものをいう(図8の実線151参照)。
単峰性の性質を有するように設定すると、給電モジュール2及び受電モジュール3の伝送特性『S21』は、図8の破線151に示すように、電源周波数が共振周波数f0の帯域で最大化する(電力伝送効率が最大化する)。このため、無線伝送技術における電力伝送効率を最大化するために、給電モジュール2及び受電モジュール3の伝送特性『S21』が単峰性の性質を有するように設定し、電源周波数を共振周波数f0に設定して使用されるのが一般的である。
(無線電力伝送装置における金属異物に対する問題)
上記では、無線電力伝送装置1の構成、及び、磁界空間G1・G2について説明した。上記のように、無線により電力を送電する場合、その使用過程で、給電モジュール2と受電モジュール3の間、若しくは、給電モジュール2の周辺に、金属異物(例えば、硬貨、釘、クリップ、鍵など)が置かれたりすると、金属異物が磁場の影響を受け、渦電流が引き起こされてしまう。このように渦電流が引き起こされると金属異物や給電モジュール2に過剰な熱が生じてしまう場合がある。
上記では、無線電力伝送装置1の構成、及び、磁界空間G1・G2について説明した。上記のように、無線により電力を送電する場合、その使用過程で、給電モジュール2と受電モジュール3の間、若しくは、給電モジュール2の周辺に、金属異物(例えば、硬貨、釘、クリップ、鍵など)が置かれたりすると、金属異物が磁場の影響を受け、渦電流が引き起こされてしまう。このように渦電流が引き起こされると金属異物や給電モジュール2に過剰な熱が生じてしまう場合がある。
本発明では、給電モジュール2の近辺に金属異物がある状態における金属異物を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)(異常状態: Abnormality、金属異物配置時入力インピーダンスに相当)が、正常に充電されているときの無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZin(T)(正常充電状態:Transmission、伝送時入力インピーダンスに相当)、及び、給電モジュール2が電力伝送に対して待機しているときの給電モジュール2の入力インピーダンスZin(W)(待機状態:Waiting、待機時入力インピーダンスに相当)よりも高い値を示すようにすれば、一定電圧の下で流れる電流値は低くなり、給電モジュールにおける消費電力が下がるとともに、金属異物を含めた給電モジュール2に発生する過剰な熱を抑制することができることに着目した。
なお、入力インピーダンスZin(W)(待機状態:Waiting、待機時入力インピーダンス)、及び、入力インピーダンスZin(A)(異常状態: Abnormality、金属異物配置時入力インピーダンス)は、広義では、無線電力供給が行われていない時の非伝送時入力インピーダンスのことである。
そこで、無線電力伝送装置1を使用して、様々な条件の下、給電モジュール2の近辺に金属異物がある状態における金属異物を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)、正常に充電されているときの無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZin(T)、及び、給電モジュール2が電力伝送に対して待機しているときの給電モジュール2の入力インピーダンスZin(W)を測定し、それらの関係性を考察する。
(測定実験)
測定実験1〜4で使用する無線電力伝送装置1では、給電コイル21は、抵抗器R1、コイルL1、コンデンサC1を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL1部分は、線径0.14mmの銅線材を使用し、コイル径を11mmφに設定している。また、給電共振器22は、抵抗器R2、コイルL2、及び、コンデンサC2を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL2部分は、線径0.2mmの銅線材を使用し、コイル径11mmφのソレノイド型のコイルを使用している。また、受電共振器32は、抵抗器R3、コイルL3、及び、コンデンサC3を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL3部分は、線径0.1mmの銅線材を使用し、コイル径8mmφのソレノイド型のコイルを使用している。また、受電コイル31は、抵抗器R4、コイルL4、コンデンサC4を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL4部分は、線径0.1mmの銅線材を使用し、コイル径を8mmφに設定している。また、給電コイル21及び給電共振器22の内周側に、形成される磁界空間G1の磁界強度をより小さくするため、厚み300μmの円筒状の磁性材を配置している。同様に、受電共振器32及び受電コイル31の内周側にも、厚み300μmの円筒状の磁性材を配置している。そして、測定実験1〜4で使用する無線電力伝送装置1におけるR1、R2、R3、R4の値をそれぞれ、1.5Ω、2.6Ω、2.1Ω、0.6Ωに設定した。また、L1、L2、L3、L4の値をそれぞれ、13μH、18μH、7μH、2.5μHに設定した。また、C1、C2、C3、C4の値をそれぞれ、2nF、1.4nF、3.6nF、10nFに設定した。また、給電共振器22及び受電共振器32における共振周波数は1MHzである。また、結合係数k12は、0.32、結合係数k23は、0.15、結合係数k34は、0.93である。
測定実験1〜4で使用する無線電力伝送装置1では、給電コイル21は、抵抗器R1、コイルL1、コンデンサC1を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL1部分は、線径0.14mmの銅線材を使用し、コイル径を11mmφに設定している。また、給電共振器22は、抵抗器R2、コイルL2、及び、コンデンサC2を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL2部分は、線径0.2mmの銅線材を使用し、コイル径11mmφのソレノイド型のコイルを使用している。また、受電共振器32は、抵抗器R3、コイルL3、及び、コンデンサC3を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL3部分は、線径0.1mmの銅線材を使用し、コイル径8mmφのソレノイド型のコイルを使用している。また、受電コイル31は、抵抗器R4、コイルL4、コンデンサC4を要素とするRLC回路を構成しており、コイルL4部分は、線径0.1mmの銅線材を使用し、コイル径を8mmφに設定している。また、給電コイル21及び給電共振器22の内周側に、形成される磁界空間G1の磁界強度をより小さくするため、厚み300μmの円筒状の磁性材を配置している。同様に、受電共振器32及び受電コイル31の内周側にも、厚み300μmの円筒状の磁性材を配置している。そして、測定実験1〜4で使用する無線電力伝送装置1におけるR1、R2、R3、R4の値をそれぞれ、1.5Ω、2.6Ω、2.1Ω、0.6Ωに設定した。また、L1、L2、L3、L4の値をそれぞれ、13μH、18μH、7μH、2.5μHに設定した。また、C1、C2、C3、C4の値をそれぞれ、2nF、1.4nF、3.6nF、10nFに設定した。また、給電共振器22及び受電共振器32における共振周波数は1MHzである。また、結合係数k12は、0.32、結合係数k23は、0.15、結合係数k34は、0.93である。
測定実験1〜4では、図9に示すように、正常に無線伝送されているときの無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZin(T)、図10に示すように、給電モジュール2が無線電力伝送に対して待機しているときの給電モジュール2の入力インピーダンスZin(W)、及び、図11に示すように、給電モジュール2の近辺に金属異物がある状態における金属異物を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)を、インピーダンスアナライザ(本実施形態では、アジレント・テクノロジー株式会社製のE5061Bを使用)によって測定している。また、測定実験1〜4では、金属異物の種類(アルミ、銅、鉄、空気電池(ニッケル・アルミ製))を変えて測定している。なお、測定実験1〜4では、安定回路7、充電回路8、及び、二次電池9に代えて、100Ωの抵抗器(RL)を使用している。また、金属異物を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)を測定する際には、図11に示す、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定している。
(測定実験1)
測定実験1では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径12mmφ、厚み0.5mmの円柱形状のアルミ片A、及び、直径9mmφ、厚み0.5mmの円柱形状のアルミ片Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図12に示す。
測定実験1では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径12mmφ、厚み0.5mmの円柱形状のアルミ片A、及び、直径9mmφ、厚み0.5mmの円柱形状のアルミ片Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図12に示す。
図12の測定結果(アルミ片A、d23=3mm)を見ると、電源周波数を共振周波数f0に設定した場合には、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも低いため、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、大きな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも大きくなってしまうことが分かる。
これに対して、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合(例えば、図12のf(A))、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高いため、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、小さな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも小さくなることが分かる。
上記測定結果によれば、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合、給電モジュール2の近辺に金属異物60(アルミ片A)がある状態における金属異物60を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)の値は、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)よりも高い値を示す場合がある。そして、その場合、待機状態に比べて、一定電圧の下で流れる電流値は低くなり、給電モジュールにおける消費電力が下がるとともに、金属異物を含めた給電モジュール2に発生する過剰な熱を抑制することができることが分かる。
上記のように、電源周波数を共振周波数f0に設定した場合には、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも低くなり、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、一定電圧の下、待機状態に比べて、大きな電流が流れることになる。しかし、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合には、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高くなる場合があり、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、一定電圧の下、待機状態に比べて、小さな電流が流れることになる。これは、図12に示すように、給電モジュール2の近辺にアルミ片Aが配置された場合、電源周波数に対する入力インピーダンスZin(A)のピーク値は、入力インピーダンスZin(W)におけるピーク値に比べて、高周波側にずれることによるものと推察できる。
また、上記傾向は、図12に示すように、金属異物60にアルミ片Bを使用した場合でも、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23を2mmにした場合でも同様であった。
(測定実験2)
測定実験2では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径12mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の銅片A、及び、直径9mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の銅片Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図13に示す。
測定実験2では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径12mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の銅片A、及び、直径9mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の銅片Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図13に示す。
図13の測定結果(銅片A、d23=3mm)を見ると、電源周波数を共振周波数f0に設定した場合には、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(A)(銅片A)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(銅片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも低いため、給電モジュール2の近辺に銅片Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、大きな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺に銅片Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも大きくなってしまうことが分かる。
これに対して、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合(例えば、図13のf(A))、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(A)(銅片A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(銅片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高いため、給電モジュール2の近辺に銅片Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、小さな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺に銅片Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも小さくなることが分かる。
また、上記傾向は、図13に示すように、金属異物60に銅片Bを使用した場合でも、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23を2mmにした場合でも同様であった。上記測定実験2の結果も、測定実験1と同様の傾向であった。
(測定実験3)
測定実験3では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径12mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の鉄片A、及び、直径9mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の鉄片Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図14に示す。
測定実験3では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径12mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の鉄片A、及び、直径9mmφ、厚み0.5mmの円柱形状の鉄片Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図14に示す。
図14の測定結果(鉄片A、d23=3mm)を見ると、電源周波数を共振周波数f0に設定した場合には、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(A)(鉄片A)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(鉄片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも低いため、給電モジュール2の近辺に鉄片Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、大きな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺に鉄片Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも大きくなってしまうことが分かる。
これに対して、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合(例えば、図14のf(A))、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(A)(鉄片A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(鉄片A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高いため、給電モジュール2の近辺に鉄片Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、小さな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺に鉄片Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも小さくなることが分かる。
また、上記傾向は、図14に示すように、金属異物60に鉄片Bを使用した場合でも、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23を2mmにした場合でも同様であった。上記測定実験3の結果も、測定実験1と同様の傾向であった。
(測定実験4)
測定実験4では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径11.6mmφ、厚み5.4mmの円柱形状の空気電池A、及び、直径7.9mmφ、厚み5.4mmの円柱形状の空気電池Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図15に示す。
測定実験4では、入力インピーダンスZin(T)、及び、入力インピーダンスZin(W)、並びに、金属異物60を、直径11.6mmφ、厚み5.4mmの円柱形状の空気電池A、及び、直径7.9mmφ、厚み5.4mmの円柱形状の空気電池Bにした場合の入力インピーダンスZin(A)を、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定した。その測定結果を図15に示す。
図15の測定結果(空気電池A、d23=3mm)を見ると、電源周波数を共振周波数f0に設定した場合には、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(A)(空気電池A)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(空気電池A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも低いため、給電モジュール2の近辺に空気電池Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、大きな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺に空気電池Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも大きくなってしまうことが分かる。
これに対して、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合(例えば、図15のf(A))、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(A)(空気電池A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。これによれば、正常充電状態では、入力インピーダンスZinの値が最も低いため、一定電圧の下、無線電力伝送装置1に流れる電流値も高くなり、効率良く電力伝送されていることが分かる。一方、入力インピーダンスZin(A)(空気電池A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高いため、給電モジュール2の近辺に空気電池Aが配置された場合、待機状態に比べて、一定電圧の下、小さな電流が流れることになる。即ち、給電モジュール2の近辺に空気電池Aが配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態よりも小さくなることが分かる。
また、上記傾向は、図15に示すように、金属異物60に空気電池Bを使用した場合でも、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23を2mmにした場合でも同様であった。上記測定実験4の結果も、測定実験1と同様の傾向であった。
(各入力インピーダンスZin(A)、Zin(W)、Zin(T)の設計式)
上記測定実験1〜4から、図12〜図15に示されたように、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、電源周波数に対する入力インピーダンスZin(A)のピーク値は、入力インピーダンスZin(W)におけるピーク値に比べて、高周波側にずれることが分かった。このため、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合には、入力インピーダンスZin(A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高くなる場合があり、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、一定電圧の下、待機状態に比べて、小さな電流が流れることになる。
上記測定実験1〜4から、図12〜図15に示されたように、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、電源周波数に対する入力インピーダンスZin(A)のピーク値は、入力インピーダンスZin(W)におけるピーク値に比べて、高周波側にずれることが分かった。このため、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合には、入力インピーダンスZin(A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高くなる場合があり、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、一定電圧の下、待機状態に比べて、小さな電流が流れることになる。
上記特性を踏まえて、本発明では、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した際に、設定した電源周波数に対する各入力インピーダンスZinの関係が、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)の条件を満たすように設計される。
具体的には、正常充電状態における入力インピーダンスZin(T)を求めるために、被給電機器10を含む無線電力伝送装置1の構成を等価回路によって表すと図9に示すようになる。そして、図9の等価回路より、入力インピーダンスZin(T)は、(式2)のように表記することができる。
・・・(式2)
そして、本実施形態における無線電力伝送装置1の給電コイル21、給電共振器22、受電共振器32、及び、受電コイル31におけるインピーダンスZ1、Z2、Z3、Z4、ZLは、それぞれ(式3)のように表記することができる。
・・・(式3)
次に、(式2)に(式3)を導入すると、(式4)のようになる。
・・・(式4)
また、待機状態における入力インピーダンスZin(W)を求めるために、給電モジュール2の構成を等価回路によって表すと図10に示すようになる。そして、図10の等価回路より、入力インピーダンスZin(W)は、(式5)のように表記することができる。
・・・(式5)
また、給電モジュール2の近辺に金属異物60がある状態における金属異物60を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)を求めるために、金属異物60を含めた給電モジュール2の構成を等価回路によって表すと図11に示すようになる。ここで、金属異物60は、抵抗Rm、及び、コイルLmを要素とするRL回路に見立てている(給電共振器22のコイルL2と金属異物60のコイルLmとの間の相互インダクタンスをM2m、コイルL2とコイルLmとの間の結合係数をk2mとする)。そして、図11の等価回路より、入力インピーダンスZin(A)は、(式6)のように表記することができる。
・・・(式6)
上記より、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した際に、設定した電源周波数に対する各入力インピーダンスZinの関係が、上記等価回路によって示された関係式(式4)〜(式6)に基づいて、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)の条件を満たすように設計される。
なお、上記等価回路によって示された関係式(式4)〜(式6)に基づいて、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)の条件を満たすように設計するために、給電コイル21のRLC回路のR1、L1、C1、給電共振器22のRLC回路のR2、L2、C2、受電共振器32のRLC回路のR3、L3、C3、受電コイル31のRLC回路のR4、L4、C4における抵抗値、インダクタンス、コンデンサ容量、相互インダクタンス、及び、結合係数k12、k23、k34などが、設計・製造段階等で変更可能なパラメータとして用いられる。
(測定実験5)
上記では、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合には、入力インピーダンスZin(A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高くなる場合があることを説明した。ここで、本発明では、上述したように、給電モジュール2の給電共振器22から受電モジュール3の受電共振器32に共振現象を利用した電力供給をする際に、給電共振器22及び受電共振器32の近辺に、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1又は磁界空間G2を形成可能としている。そして、磁界空間G1・G2を形成するためには、給電共振器22及び受電共振器32における、電源周波数に対する伝送特性『S21』を示すグラフが、二つのピーク帯域を有するように設定し、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を、二つのピーク帯域の何れかに対応する電源周波数に設定することにより実現する。本実施形態では、図1〜図5に示すように、給電共振器22と受電共振器32との間に磁界空間G1を形成するために、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する電源周波数に設定している。
上記では、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定した場合には、入力インピーダンスZin(A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高くなる場合があることを説明した。ここで、本発明では、上述したように、給電モジュール2の給電共振器22から受電モジュール3の受電共振器32に共振現象を利用した電力供給をする際に、給電共振器22及び受電共振器32の近辺に、周辺の磁界強度よりも小さな磁界強度を有する磁界空間G1又は磁界空間G2を形成可能としている。そして、磁界空間G1・G2を形成するためには、給電共振器22及び受電共振器32における、電源周波数に対する伝送特性『S21』を示すグラフが、二つのピーク帯域を有するように設定し、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を、二つのピーク帯域の何れかに対応する電源周波数に設定することにより実現する。本実施形態では、図1〜図5に示すように、給電共振器22と受電共振器32との間に磁界空間G1を形成するために、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する電源周波数に設定している。
このように、磁界空間G1を形成するために、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域(f(High P))に対応する電源周波数した場合、測定実験1〜4の測定結果を示す図12〜図15に示すように、入力インピーダンスZin(A)の値は、入力インピーダンスZin(W)よりも高くなっていることが分かる。
測定実験5では、実際に、磁界空間G1を形成するために、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域(f(High P))に対応する電源周波数に設定したときの、正常充電状態における無線電力伝送装置1の入力インピーダンスZin(T)、待機状態における給電モジュール2の入力インピーダンスZin(W)、及び、給電モジュール2の近くに金属異物60が配置された場合の金属異物60を含めた給電モジュール2の入力インピーダンスZin(A)を測定する。
具体的には、測定実験1〜4で使用した無線電力伝送装置1を使用し、受電コイル31に接続する被給電機器10として、安定回路7、充電回路8、及び、二次電池9を接続する。また、印加する電圧は5V、電源周波数を、1030kHz(f(High P))に設定し、二次電池9の充電電流12.5mAにしている。また、使用する金属異物60は、測定実験1〜4と同様に、アルミ、銅、鉄、空気電池(ニッケル・アルミ製)を使用している。また、正常充電状態における給電共振器22と受電共振器32との間の距離d23は、3mmで測定している。また、金属異物を含めた給電モジュール2の電流値を測定する際には、図11に示す、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23が、3mmの場合、及び、2mmの場合について測定している。その結果を図16に示す。
図16に示すように、電源周波数を1030kHz(f(High P))に設定し、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23を3mmに設定した場合、入力インピーダンスZin(W)は84.1Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)は117.3Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片B)は、96.8Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(銅片A)は121.0Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(銅片B)は96.8Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(鉄片A)は92.2Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(鉄片B)は88.0Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(空気電池A)は94.4Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(空気電池B)は86.0Ωであり、入力インピーダンスZin(T)は69.1Ωであった。
また、電源周波数を1030kHz(f(High P))に設定し、給電共振器22と金属異物60との間の距離d23を3mmに設定した場合、入力インピーダンスZin(W)は84.1Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片A)は168.3Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(アルミ片B)は、110.6Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(銅片A)は162.6Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(銅片B)は110.6Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(鉄片A)は101.9Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(鉄片B)は90.0Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(空気電池A)は101.9Ωであり、入力インピーダンスZin(A)(空気電池B)は88.0Ωであり、入力インピーダンスZin(T)は58.6Ωであった。
上記のように、金属異物60を、アルミ、銅、鉄、空気電池のいずれにした場合でも、測定される各入力インピーダンスの関係は、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)であることが分かる。
上記より、磁界空間G1を形成するために、電源周波数を、二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域(f(High P))に対応する周波数帯域に設定し、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)の関係性を満たした場合、正常充電状態における無線電力伝送装置1に流れる電流値 > 待機状態における給電モジュール2に流れる電流値 > 給電モジュール2の近くに金属異物60が配置された場合の金属異物60を含めた給電モジュール2に流れる電流値の関係になる。これにより、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する熱が、待機状態・正常充電状態よりも小さくなることが分かる。
(効果)
上記構成によれば、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を、伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域(f(High P))に対応する周波数帯域に設定し、金属異物配置時の入力インピーダンスZin(A)>待機状態時の入力インピーダンスZin(W)>正常充電時の入力インピーダンスZin(T)の条件を満たすように無線電力伝送装置1を設計することにより、給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された場合であっても、入力インピーダンスZin(A)が、入力インピーダンスZin(W)及び入力インピーダンスZin(T)よりも高くなるため、待機状態に比べて、金属異物60を含めた給電モジュール2における電流値が低くなり、発熱や渦電流を抑制することができる。
上記構成によれば、給電モジュール2に供給する電力の電源周波数を、伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域(f(High P))に対応する周波数帯域に設定し、金属異物配置時の入力インピーダンスZin(A)>待機状態時の入力インピーダンスZin(W)>正常充電時の入力インピーダンスZin(T)の条件を満たすように無線電力伝送装置1を設計することにより、給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された場合であっても、入力インピーダンスZin(A)が、入力インピーダンスZin(W)及び入力インピーダンスZin(T)よりも高くなるため、待機状態に比べて、金属異物60を含めた給電モジュール2における電流値が低くなり、発熱や渦電流を抑制することができる。
また、無線電力伝送装置1を、上記関係式(式4)〜(式6)を満たす回路構成にすることにより、給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された場合であっても、入力インピーダンスZin(A)が、入力インピーダンスZin(W)及び入力インピーダンスZin(T)よりも高くなるため、待機状態に比べて、給電モジュール2における電流値が低くなり、発熱や渦電流を抑制することができる。
(その他の実施形態1)
上記実施形態の説明では、特に制御機器(制御部)などを設けずに、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定し、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、待機状態の入力インピーダンスZin(W)に比べて、入力インピーダンスZin(A)の値が高くなることで、一定電圧の下で流れる電流値を低くして、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する過剰な熱を抑制する構成としている。
上記実施形態の説明では、特に制御機器(制御部)などを設けずに、電源周波数を共振周波数f0よりも高周波側に設定し、給電モジュール2の近辺に金属異物60が配置された場合、待機状態の入力インピーダンスZin(W)に比べて、入力インピーダンスZin(A)の値が高くなることで、一定電圧の下で流れる電流値を低くして、金属異物60を含めた給電モジュール2に発生する過剰な熱を抑制する構成としている。
しかし、これに限らず、無線電力伝送装置1は、更に、入力インピーダンスを検出する検出器と、検出器が検出した入力インピーダンスが、入力インピーダンスZin(W)よりも大きい値を示した場合、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断する制御部とを設けた構成にしてもよい。
具体的には、充電器101から無線式ヘッドセット102が備える二次電池9に対しての充電が行われず、待機状態にあるときの入力インピーダンスZin(W)の範囲を予め測定しておき(例えば、制御部が備える記憶装置に、待機状態にあるときの入力インピーダンスZin(W)の範囲を記憶させ、参照可能にしておく)、この範囲の入力インピーダンスZinが検出器によって検出された場合には、充電に対して待機状態であると判断する。一方、検出器が検出した入力インピーダンスZinが、待機状態にあるときの入力インピーダンスZin(W)の範囲よりも大きい値を示す場合は、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断する。
また、制御部は、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断した場合、給電モジュール2に対する電力供給を停止するように制御してもよい。
更に、無線電力伝送装置1は、外部に報知する報知装置(アラーム、ランプ、ディスプレイ等)を備え、制御部は、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断した場合、報知装置によって給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあることを報知するようにしてもよい。例えば、報知装置が、アラーム装置であれば、警告音によって異常を報知し、LEDランプであれば、警告色を点灯、点滅させることにより異常を報知し、ディスプレイであれば、警告メッセージをディスプレイに表示することにより異常を報知する。
上記構成によれば、検出器が検出した入力インピーダンスが、入力インピーダンスZin(W)よりも大きい値を示した場合、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断することができ、安全な電力供給を実現することができる。
また、制御部が、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断した場合、給電モジュール2に対する電力供給が停止されることによって、金属異物60が給電共振器22の近辺に配置された状態での電力供給による不具合(発熱・渦電流)の発生を未然に防止することができる。
また、制御部が、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあると判断した場合、報知装置によって外部に、給電共振器22の近辺に金属異物60が配置された状態にあることを報知することができる。
(その他の実施形態2)
また、上述した無線電力伝送装置1では、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)の関係性を満たした場合、正常充電状態における無線電力伝送装置1に流れる電流値 > 待機状態における給電モジュール2に流れる電流値 > 給電モジュール2の近くに金属異物60が配置された場合の金属異物60を含めた給電モジュール2に流れる電流値の関係になることを説明した。そこで、本発明では、更に、この電流値の関係を利用して、給電モジュール2に対する電力供給の開始・遮断を制御(電力供給ON/OFF制御)することが可能な構成を提供する。
また、上述した無線電力伝送装置1では、入力インピーダンスZin(A)>入力インピーダンスZin(W)>入力インピーダンスZin(T)の関係性を満たした場合、正常充電状態における無線電力伝送装置1に流れる電流値 > 待機状態における給電モジュール2に流れる電流値 > 給電モジュール2の近くに金属異物60が配置された場合の金属異物60を含めた給電モジュール2に流れる電流値の関係になることを説明した。そこで、本発明では、更に、この電流値の関係を利用して、給電モジュール2に対する電力供給の開始・遮断を制御(電力供給ON/OFF制御)することが可能な構成を提供する。
具体的には、図17に示すように、無線電力伝送装置1において、給電モジュール2の給電コイル21とAC/DC電源20との間に電源回路5を接続した構成にする。そして、電源回路5は、発振出力器11、電流検出器12、及び、比較回路13を含む構成としている。
発振出力器11は、電力の電源周波数を所定の値に設定する発振器(インバータ回路など)や、外部からの制御信号(後述するON制御信号、OFF制御信号)によって給電モジュール2に対する電力供給のON/OFFの切り替えが可能なスイッチング回路などにより構成されている。
電流検出器12は、発振出力器11から給電モジュール2に出力される電流値を検出可能な電流計である。なお、本実施形態では、電圧を測定することで電流値を測定している。
比較回路13は、電流検出器12で検出した第1電流値と予め設定した閾値とを比較し、第1電流値が閾値以上であると判断した場合、所定時間経過後、再度、電流検出器12で検出した第2電流値と閾値とを比較し、第2電流値が閾値より小さいと判断した場合に、給電モジュール2に対する電力供給をOFFにするOFF制御信号を発振出力器11に出力する比較器である。
ここで、閾値は、給電モジュール2から受電モジュール3に対して無線電力供給が行われている時に給電モジュール2に入力される電流値と、給電モジュール2から受電モジュール3に対して無線電力供給が行われていない時に給電モジュール2に入力される電流値との間に設けられる。
具体的には、上述したように、金属異物配置時の入力インピーダンスZin(A)>待機状態時の入力インピーダンスZin(W)>正常充電状態時の入力インピーダンスZin(T)の条件を満たしているので、給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われている時(正常充電状態)の電流値(伝送時入力電流値)>待機状態にある時の電流値(待機時入力電流値)>給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物が配置された時(異常状態)の電流値(金属異物配置時入力電流値)の関係を満たしている。そこで、本実施形態では、伝送時入力電流値と待機時入力電流値との間に閾値を設けている。なお、左記条件を満たす範囲ならば自由に閾値を設定することができる。
(電力供給ON/OFF制御フロー)
次に、電源回路5が実行する電力供給ON/OFF制御を、図18のフローチャートにより説明する。
次に、電源回路5が実行する電力供給ON/OFF制御を、図18のフローチャートにより説明する。
まず、電流検出器12による最初の電流値(第1電流値)の検出を行う(S11)。そして、比較回路13は、検出した第1電流値が、前述した閾値(予め設定する)以上か否かを判断する(S12)。
そして、検出した第1電流値が、閾値以上でない場合(S12:NO)、S11に移行する。一方、検出した第1電流値が、閾値以上である場合(S12:YES)、所定時間経過後、再度、電流検出器12による電流値(第2電流値)の検出を行う(S13)。
そして、比較回路13は、検出した第2電流値が、前述した閾値より小さいか否かを判断する(S14)。そして、検出した第2電流値が、閾値より小さくない場合(S14:NO)、即ち、第1電流値及び第2電流値がともに、閾値以上である場合、給電モジュール2に対する電力供給をONにするON制御信号を発振出力器11に出力する(S15)。その結果、発振出力器11は、給電モジュール2に対する電力供給を行う(スイッチング回路ON)。
一方、検出した第2電流値が、閾値より小さい場合(S14:YES)、即ち、閾値以上であった電流値(第1電流値)から、所定時間を経て、閾値より小さい電流値(第2電流値)に低下した場合、給電モジュール2に対する電力供給をOFFにするOFF制御信号を発振出力器11に出力する(S16)。その結果、発振出力器11は、給電モジュール2に対する電力供給を遮断する(スイッチング回路OFF)。
上記の過程を繰り返すことにより電力供給ON/OFF制御が行われる。
上記無線電力伝送装置1によれば、電流値の変化を検出することにより、無線電力給電が正常に行われている状態(正常充電状態)から、待機状態、又は、給電共振器22の近辺に金属異物が配置された状態に移行したか否かを判断し、正常充電状態から、待機状態、又は、給電共振器22の近辺に金属異物が配置された状態に移行した場合には、発振出力器11が、給電モジュール2に対する電力供給を遮断する構成にしている。これにより、消費電力を抑制することができる。
また、上記構成によれば、金属異物配置時入力インピーダンスZin(A) > 待機時入力インピーダンスZin(W) > 伝送時入力インピーダンスZin(T)の条件を満たすように無線電力伝送装置1を設計することにより、給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われている時の伝送時入力電流値 > 給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュール2が電力伝送に対して待機状態にある時の待機時入力電流値 > 給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された時の金属異物配置時入力電流値、の関係を満たすことができる。そして、伝送時入力電流値と待機時入力電流値との間に閾値を設けている。
この場合、給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された時の金属異物配置時入力電流値は、閾値よりも小さい値が検出されることから、給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュール2が電力伝送に対して待機状態にある場合と同様に扱われる。
これにより、無線電力伝送装置1において、無線電力給電が行われている状態から給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された状態に移行した際は、給電モジュール2に対する電力供給をOFF(遮断)にすることにより、金属異物60が給電共振器22の近辺に配置された状態での電力供給による不具合(発熱・渦電流)の発生を未然に防止することができる。
この場合、給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された時の金属異物配置時入力電流値は、閾値よりも小さい値が検出されることから、給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュール2が電力伝送に対して待機状態にある場合と同様に扱われる。
これにより、無線電力伝送装置1において、無線電力給電が行われている状態から給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された状態に移行した際は、給電モジュール2に対する電力供給をOFF(遮断)にすることにより、金属異物60が給電共振器22の近辺に配置された状態での電力供給による不具合(発熱・渦電流)の発生を未然に防止することができる。
なお、上記では、給電モジュール2に対する電力供給の開始・遮断を制御することが可能な電源回路5に関して、電源周波数を、伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した無線電力伝送装置1に基づいて、説明したが、電源周波数を、伝送特性の二つのピーク帯域のうち低周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した場合にも適用可能である。
この場合、無線電力伝送装置1において、金属異物配置時入力インピーダンスZin(A) < 待機時入力インピーダンスZin(W) < 伝送時入力インピーダンスZin(T)の関係性を持つと、給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われている時の伝送時入力電流値 < 給電モジュール2と受電モジュール3との間で無線電力供給が行われておらず、給電モジュール2が電力伝送に対して待機状態にある時の待機時入力電流値 < 給電モジュール2が有する給電共振器22の近辺に、金属異物60が配置された時の金属異物配置時入力電流値、の関係を持つことになるため、伝送時入力電流値と待機時入力電流値との間に閾値を設けることになる。また、比較回路13は、電流検出器12で検出した第1電流値と予め設定した閾値とを比較し、第1電流値が閾値以下であると判断した場合、所定時間経過後、再度、電流検出器12で検出した第2電流値と閾値とを比較し、第2電流値が閾値より大きいと判断した場合に、給電モジュール2に対する電力供給をOFFにするOFF制御信号を発振出力器11に出力するように設定する。
(その他の実施形態3)
また、上記製造方法の説明では、無線式ヘッドセット102を例示して説明したが、二次電池を備えた機器であれば、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、イヤホン型音楽プレイヤー、補聴器、集音器などにも使用することができる。
また、上記製造方法の説明では、無線式ヘッドセット102を例示して説明したが、二次電池を備えた機器であれば、タブレット型PC、デジタルカメラ、携帯電話、イヤホン型音楽プレイヤー、補聴器、集音器などにも使用することができる。
また、上記説明では、給電モジュール2及び受電モジュール3が備える共振器(コイル)間の共振現象(磁界共鳴状態)を利用して磁場を結合させることにより電力伝送を行う無線電力伝送装置1を例示して説明したが、給電装置及び受電装置が備えるコイル間の共振及び電磁誘導を利用して電力伝送を行う無線電力伝送装置においても適用可能である。
また、上記説明では、無線電力伝送装置1を携帯型の電子機器に搭載した場合を想定して説明したが、用途はこれら小型なものに限らず、必要電力量に合わせて仕様を変更することにより、例えば、比較的大型な電気自動車(EV)における無線充電システムや、より小型な医療用の無線式胃カメラなどにも搭載することができる。
以上の詳細な説明では、本発明をより容易に理解できるように、特徴的部分を中心に説明したが、本発明は、以上の詳細な説明に記載する実施形態・実施例に限定されず、その他の実施形態・実施例にも適用することができ、その適用範囲は可能な限り広く解釈されるべきである。また、本明細書において用いた用語及び語法は、本発明を的確に説明するために用いたものであり、本発明の解釈を制限するために用いたものではない。また、当業者であれば、本明細書に記載された発明の概念から、本発明の概念に含まれる他の構成、システム、方法等を推考することは容易であると思われる。従って、請求の範囲の記載は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で均等な構成を含むものであるとみなされるべきである。また、本発明の目的及び本発明の効果を充分に理解するために、すでに開示されている文献等を充分に参酌することが望まれる。
1 無線電力伝送装置
2 給電モジュール
3 受電モジュール
5 電源回路
6 交流電源
7 安定回路
8 充電回路
9 二次電池
10 被給電機器
11 発振出力器
12 電流検出器
13 比較回路
20 AC/DC電源
21 給電コイル
22 給電共振器
31 受電コイル
32 受電共振器
60 金属異物
102 無線式ヘッドセット
101 充電器
2 給電モジュール
3 受電モジュール
5 電源回路
6 交流電源
7 安定回路
8 充電回路
9 二次電池
10 被給電機器
11 発振出力器
12 電流検出器
13 比較回路
20 AC/DC電源
21 給電コイル
22 給電共振器
31 受電コイル
32 受電共振器
60 金属異物
102 無線式ヘッドセット
101 充電器
Claims (7)
- 給電モジュールが有する給電共振器及び受電モジュールが有する受電共振器における、電力の電源周波数に対する伝送特性の値が二つのピーク帯域を有するように設定され、給電モジュールと受電モジュールとの間で共振現象を起こすことによって電力を供給する無線電力伝送装置であって、
前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定し、
前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した際における、前記給電共振器と前記受電共振器とが対向配置された状態における無線電力伝送装置の伝送時入力インピーダンス、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態における無線電力伝送装置の金属異物配置時入力インピーダンス、及び、前記給電モジュールの待機時入力インピーダンスの関係が、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすことを特徴とする無線電力伝送装置。 - 前記給電モジュールは、少なくとも給電コイル及び前記給電共振器を有し、
前記受電モジュールは、少なくとも前記受電共振器及び受電コイルを有し、
前記給電コイルは、抵抗R1、コイルL1及びコンデンサC1を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ1とし、
前記給電共振器は、抵抗R2、コイルL2及びコンデンサC2を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ2とし、
前記受電共振器は、抵抗R3、コイルL3及びコンデンサC3を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ3とし、
前記受電コイルは、抵抗R4、コイルL4及びコンデンサC4を要素とするRLC回路を備え、その合計のインピーダンスをZ4とし、
前記受電コイルから給電される機器の合計の負荷インピーダンスをZLとし、
前記給電コイルのコイルL1と前記給電共振器のコイルL2との間の相互インダクタンスをM12、
前記給電共振器のコイルL2と前記受電共振器のコイルL3との間の相互インダクタンスをM23、
前記受電共振器のコイルL3と前記受電コイルのコイルL4との間の相互インダクタンスをM34、
前記給電共振器のコイルL2と前記金属異物のコイルLmとの間の相互インダクタンスをM2mとし、
前記給電コイル、前記給電共振器、前記受電共振器、及び、前記受電コイルを構成する複数の回路素子の各素子値、及び、前記相互インダクタンスをパラメータとし、前記金属異物を、抵抗Rm、及び、コイルLmを要素とするRL回路に見立て、
前記金属異物配置時入力インピーダンス、前記待機時入力インピーダンス、及び、前記伝送時入力インピーダンスが下記設計式で示されることを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送装置。
- 入力インピーダンスを検出する検出器と、
前記検出器が検出した入力インピーダンスが、前記待機時入力インピーダンスよりも大きい値を示した場合、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断する制御部と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の無線電力伝送装置。 - 前記制御部は、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、前記給電モジュールに対する電力供給を停止することを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送装置。
- 外部に報知する報知装置を備え、
前記制御部は、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあると判断した場合、前記報知装置によって前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態にあることを報知することを特徴とする請求項3に記載の無線電力伝送装置。 - 給電モジュールが有する給電共振器及び受電モジュールが有する受電共振器における、電力の電源周波数に対する伝送特性の値が二つのピーク帯域を有し、
前記電源周波数が前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定された際における、前記給電モジュールと前記受電モジュールとの間で無線電力供給が行われている時の伝送時入力インピーダンス、及び、無線電力供給が行われていない時の非伝送時入力インピーダンスの関係が、非伝送時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たす無線電力伝送装置であって、
前記給電モジュールに対する電力供給のON/OFFの切り替えが可能な発振出力器と
前記発振出力器から前記給電モジュールに入力される電流値を検出する電流検出器と、
前記電流検出器で検出した第1電流値と、前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間で無線電力供給が行われている時に前記給電モジュールに入力される電流値と前記給電モジュール及び前記受電モジュールの間で無線電力供給が行われていない時に前記給電モジュールに入力される電流値との間に設定された閾値と、を比較し、前記電流検出器で検出した第1電流値が前記閾値以上であると判断した場合、その後、再度、前記電流検出器で検出した第2電流値と、前記閾値とを比較し、前記第2電流値が前記閾値より小さいと判断した場合に、前記発振出力器における前記給電モジュールに対する電力供給をOFFにするOFF制御信号を前記発振出力器に出力する比較回路と、
を備えたことを特徴とする無線電力伝送装置。 - 前記電源周波数を、前記伝送特性の二つのピーク帯域のうち高周波側に形成されるピーク帯域に対応する周波数帯域に設定した際における、前記給電共振器と前記受電共振器とが対向配置された状態における無線電力伝送装置の伝送時入力インピーダンス、前記給電共振器の近辺に金属異物が配置された状態における無線電力伝送装置の金属異物配置時入力インピーダンス、及び、前記給電モジュールの待機時入力インピーダンスの関係が、金属異物配置時入力インピーダンス>待機時入力インピーダンス>伝送時入力インピーダンスの条件を満たすことを特徴とする請求項6に記載の無線電力伝送装置。
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