JP2013158188A - 電力伝送システム - Google Patents

電力伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP2013158188A
JP2013158188A JP2012018287A JP2012018287A JP2013158188A JP 2013158188 A JP2013158188 A JP 2013158188A JP 2012018287 A JP2012018287 A JP 2012018287A JP 2012018287 A JP2012018287 A JP 2012018287A JP 2013158188 A JP2013158188 A JP 2013158188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power transmission
power
voltage
frequency
antenna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012018287A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Yamakawa
博幸 山川
Yasuo Ito
泰雄 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP2012018287A priority Critical patent/JP2013158188A/ja
Publication of JP2013158188A publication Critical patent/JP2013158188A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】電力伝送を行う前段のテスト実施時に、予期しない異物が存在しこれが異常発熱するなどしてシステムトラブルが発生しない電力伝送システムを提供する。
【解決手段】電力伝送システムは、送電アンテナ140から受電アンテナ210に対して、電磁場を介して電気エネルギーを伝送する電力伝送システムであって、送電側整流部110と、送電側昇降圧部120と、インバータ部130と、前記送電アンテナ140と、受電側整流部220と、受電側昇降圧部230と、電池240と、からなり、前記送電側昇降圧部120は、前記通常送電モードでは前記送電側整流部110から出力される直流電圧を昇降圧することで必要となる所定の電圧値を出力し、前記送電準備モードでは前記送電側整流部110から出力される直流電圧を降圧することで前記商用電源より低い電圧値を出力するように制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気共鳴方式の磁気共鳴アンテナが用いられるワイヤレス電力伝送システムに関する。
近年、電源コードなどを用いることなく、ワイヤレスで電力(電気エネルギー)を伝送する技術の開発が盛んとなっている。ワイヤレスで電力を伝送する方式の中でも、特に注目されている技術として、磁気共鳴方式と呼ばれるものがある。この磁気共鳴方式は2007年にマサチューセッツ工科大学の研究グループが提案したものであり、これに関連する技術は、例えば、特許文献1(特表2009−501510号公報)に開示されている。
磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムは、送電側アンテナの共振周波数と、受電側アンテナの共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うものであり、電力伝送距離を数十cm〜数mとすることが可能であることが大きな特徴の一つである。
上記のような磁気共鳴方式のワイヤレス電力伝送システムにおいて、例えば、一方のアンテナが電気自動車のような移動体に搭載される場合には、電力伝送を行うために駐車スペースに停車するたびに、アンテナ間の配置が変化するので、最適な電力伝送効率を与える周波数がこれに伴い変化することとなる。そこで、電力伝送を行う前段に、周波数をスイープして、実際の充電の電力伝送時の最適周波数を決定する技術が提案されている。例えば、特許文献2(特開2010−68657号公報)に、所定周波数の交流電力を出力する交流電力出力手段と、第1共鳴コイル、及び該第1共鳴コイルと対向配置された第2共鳴コイルとを有し、前記交流電力出力手段より出力される交流電力を前記第1共鳴コイルに出力し、共鳴現象により非接触で前記交流電力を前記第2共鳴コイルに送信するワイヤレス電力送信装置において、前記第1共鳴コイルの共鳴周波数、及び前記第2共鳴コイルの共鳴周波数をそれぞれ測定し、前記交流電力出力手段より出力する交流電力の周波数を、前記各共鳴周波数の中間周波数に設定する周波数設定手段を備えることを特徴とするワイヤレス電力送信装置が開示されている。
特表2009−501510号公報 特開2010−68657号公報
実際の電力伝送を行う前段に、従来技術のように実際の電力伝送時の最適周波数を決定するための周波数のスイープテストを行ったり、或いは、送電アンテナ・受電アンテナ間における異物の存否判定のテストを行ったりする際、実際の電力伝送時に用いる送電電力を利用すると、予期しない異物が存在しこれが異常発熱するなどしてシステムトラブルが発生する可能性がある。しかしながら、従来技術では、電力伝送を行う前段における、上記のようなテスト実行時における対策がなされておらず、問題であった。
上記問題を解決するために、請求項1に係る発明は、送電アンテナから受電アンテナに対して、電磁場を介して電気エネルギーを伝送する電力伝送システムであって、商用電源を整流して直流電圧を出力する送電側整流部と、前記送電側整流部からの出力を所定の直流電圧に昇圧又は降圧して出力する送電側昇降圧部と、前記送電側昇降圧部から出力され
る直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換して出力するインバータ部と、前記インバータ部からの交流電圧が入力される前記送電アンテナと、前記受電アンテナからの出力を直流電圧に整流して出力する受電側整流部と、前記受電側整流部から出力される直流電圧を昇圧又は降圧して出力する受電側昇降圧部と、前記受電側昇降圧部からの出力が充電される電池と、からなり、実際の電力の送電を行う通常送電モードと、前記通常送電モードを実行する前段のテストに用いる送電準備モードと、を有し、前記送電側昇降圧部は、前記通常送電モードでは前記送電側整流部から出力される直流電圧を昇降圧することで必要となる所定の電圧値を出力し、前記送電準備モードでは前記送電側整流部から出力される直流電圧を降圧することで前記商用電源より低い電圧値を出力するように制御されることを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電力伝送システムにおいて、前記テストが、前記送電アンテナと前記受電アンテナとの間の異物存否の判定テストであることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の電力伝送システムにおいて、前記テストが、前記インバータ部における周波数のスイープテストであることを特徴とする。
本発明に係る電力伝送システムでは、通常送電モードを実行する前段のテストに用いる送電準備モードでは、送電側昇降圧部は、整流部から出力される直流電圧を降圧することで商用電源より低い電圧値を出力するように制御されるので、本発明に係る電力伝送システムによれば、電力伝送を行う前段のテスト実施時に、予期しない異物が存在しこれが異常発熱するなどしてシステムトラブルが発生するようなことがない。
本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムを車両に搭載した例を模式的に示す図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムのインバータ部を示す図である。 電池の充電プロファイルを示す図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける異物検出の様子を説明する図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける送電処理のフローチャートを示す図である。 送電準備モードのサブルーチンのフローチャートを示す図である。 異物検出の際、受電アンテナを電気的浮遊状態とするメリットを説明する図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける異物存否判定処理のフローチャートを示す図である。 異物検出のアルゴリズムを具体的に説明する図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける受電側システムの処理フローチャートを示す図である。 本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける電力伝送周波数決定処理のフローチャートを示す図である。 スイープによる最適周波数決定プロセスを模式的に説明する図である。 周波数と電力伝送効率との関係を示す図である。 第1極値周波数における電流と電界の様子を模式的に示す図である。 第2極値周波数における電流と電界の様子を模式的に示す図である。 2つの極値を与える極値周波数のうち磁気壁が生じる極値周波数(第1周波数)での特性を示す図である。 2つの極値を与える極値周波数のうち電気壁が生じる極値周波数(第2周波数)での特性を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の実施形態に係る電力伝送システムのブロック図であり、図2は本発明の実施形態に係る電力伝送システム100を車両に搭載した例を模式的に示す図である。本発明の電力伝送システム100は、例えば、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)などの車両搭載電池への充電のためのシステムに用いるのに好適である。このために、車両の底面部においては、受電を行うことを可能にする受電アンテナ210が配されてなる。
本実施形態に係る電力伝送システム100では、上記のような車両に対して電力を非接触で伝送するため、当該車両を停車させることが可能な停車スペースに設けられる。車両充電用のスペースである当該停車スペースには、本実施形態に係る電力伝送システム100の送電アンテナ140などが地中部に埋設されるような構成となっている。車両のユーザーは本実施形態に係る電力伝送システムが設けられている停車スペースに車両を停車させて、送電アンテナ140から車両に搭載されている受電アンテナ210に対して、電磁場を介し電気エネルギーを伝送する。
本実施形態に係る電力伝送システム100は、上記のような利用形態であることから、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の位置関係が停車スペースに車両を停車させるたびに変化し、最適な電力伝送効率を与える周波数についてもこれに伴い変化することとなる。そこで、車両停車後、すなわち、送電アンテナ140と受電アンテナ210と間の位置関係がフィックスした後、実際の充電の電力伝送を行う際には、最適周波数を決定するようにしている。また、停車スペースに車両停車後には、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間に異物が存するか否かに係る判定テストを実施するようにしている。
車両充電設備(送電側)において、送電側整流部110は商用電源からの交流電圧を一定の直流電圧に変換するコンバータであり、この送電側整流部110からの直流電圧は送電側昇降圧部120に入力され、送電側昇降圧部120で所望の電圧値に昇圧又は降圧される。この送電側昇降圧部120で出力される電圧値の設定は送電側制御部150から制御可能となっている。
インバータ部130は、送電側昇降圧部120から供給される直流電圧から所定の交流電圧を生成して、送電アンテナ140に入力する。図3は本発明の実施形態に係る電力伝送システムのインバータ部を示す図である。インバータ部130は、例えば図3に示すように、フルブリッジ方式で接続されたQA乃至QDからなる4つの電界効果トランジスタ(FET)によって構成されている。
本実施形態においては、直列接続されたスイッチング素子QAとスイッチング素子QBの間の接続部T1と、直列接続されたスイッチング素子QCとスイッチング素子QDとの間の接続部T2との間に送電アンテナ140が接続される構成となっており、スイッチング素子QAとスイッチング素子QDがオンのとき、スイッチング素子QBとスイッチング素子QCがオフとされ、スイッチング素子QBとスイッチング素子QCがオンのとき、スイッチング素子QAとスイッチング素子QDがオフとされることで、接続部T1と接続部T2との間に矩形波の交流電圧を発生させる。
上記のようなインバータ部130を構成するスイッチング素子QA乃至QDに対する駆動信号は送電側制御部150から入力されるようになっている。また、インバータ部130を駆動させるための周波数は送電側制御部150から制御することができるようになっている。
上記のようなインバータ部130からの出力は送電アンテナ140に供給される。この送電アンテナ140は、インダクタンス成分を有するコイルから構成されており、対向するようにして配置される車両搭載の受電アンテナ210と共鳴することで、送電アンテナ140から出力される電気エネルギーを受電アンテナ210に送ることができるようになっている。
なお、インバータ部130からの出力を、送電アンテナ140に入力する際には、いったん、不図示の整合器によってインピーダンスを整合させるようにしてもよい。整合器は所定の回路定数を有する受動素子から構成することができる。
本発明の実施形態に係る電力伝送システムでは、電力伝送システム100の送電側の送電アンテナ140から、受電側の受電アンテナ210へ効率的に電力を伝送する際、送電アンテナ140の共振周波数と、受電アンテナ210の共振周波数とを同一とすることで、送電側アンテナから受電側アンテナに対し、効率的にエネルギー伝達を行うようにしている。
インバータ部130に対して入力される電圧V1及び電流I1、インバータ部130から出力される電圧V2及び電流I2は送電側制御部150によって計測されるようになっている。これにより、送電側制御部150は、計測される電圧V1及び電流I1からインバータ部130に入力される入力電力(W1=V1×I1)、及び、計測される電圧V2及び電流I2からインバータ部130から出力される出力電力(W2=V2×I2)などを取得することができるようになっている。
また、送電側制御部150では、上記のような構成によりインバータ部130から出力される電圧V2の位相、電流I2の位相についても検出されるようになっている。
送電側制御部150は、CPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理部を有している。また、この送電側制御部150は、検出された電圧V2の位相、及び電流I2の位相の差を演算する。
送電側制御部150は、送電側昇降圧部120によって出力される直流電圧の電圧と、インバータ部130で出力される交流電圧の周波数を制御して、実際の充電の電力伝送を実行する。送電側制御部150は、このように実際の電力の送電を行う通常送電モードの他に、通常送電モードを実行する前段のテスト時に用いられる送電準備モードを実行するように構成される。これらの各モードの制御を行う際には、送電側制御部150に内蔵される制御プログラムが参照されることによって周波数、設定電圧値などが決定される。制御プログラムは、記憶手段に記憶され、送電側制御部150の演算部によって参照可能に構成されている。
また、通信部170は車両側の通信部270と無線通信を行い、車両との間でデータの送受を可能にする構成である。通信部170によって受信したデータは送電側制御部150に転送され処理されるようになっている。また、送電側制御部150は所定情報を、通信部170を介して車両側に送信することができるようになっている。
次に、車両側に設けられている電力伝送システム100の構成について説明する。車両の受電側のシステムにおいて、受電アンテナ210は、送電アンテナ140と共鳴することによって、送電アンテナ140から出力される電気エネルギーを受電するものである。
受電アンテナ210で受電された交流電力は、受電側整流部220において整流される。受電側整流部220からの出力は受電側昇降圧部230において、所定の電圧値に昇圧又は降圧されて、電池240に蓄電されるようになっている。受電側昇降圧部230は受電側制御部250からの指令に基づいて電池240の蓄電を制御する。
受電側昇降圧部230から電池240に対して入力される電圧V3及び電流I3は受電側制御部250によって計測されるようになっている。計測された電圧V3及び電流I3により、受電側制御部250は、受電側昇降圧部230を制御して、電池240の適切な充電プロファイルに沿うように電池240の充電を制御することができるように構成されている。受電側昇降圧部230には、電流センサおよび電圧センサが設けられており、出力電圧をフィードバック制御することにより、電池240を定電流充電モード、定電力充電モード、定電圧充電モードのいずれかの充電モードで充電させるかを選択することができるようになっている。
受電側制御部250はCPUとCPU上で動作するプログラムを保持するROMとCPUのワークエリアであるRAMなどからなる汎用の情報処理部を有しており、図示されている受電側制御部250と接続される各構成と協働するように動作する。
受電側制御部250には、電池240の充電プロファイルが記憶されると共に、受電側制御部250をこのプロファイルに沿って動作させるためのアルゴリズムが記憶されている。図4は電池240の充電プロファイル260を示す図である。この充電プロファイル260は電池240の充電プロファイルの一例を示すものであり、電池240を充電するためには、その他のプロファイルを用いるようにしてもよい。
また、図4では電池240の蓄電量がほとんどない状態からの充電プロファイルを示すものである。この充電プロファイルにおいては、まず一定の電力Pconstで電池240の
充電を行う定出力充電(CP制御)が行われる。次に、電池240の端部電圧がVfとなったら、一定の充電電圧を維持する定電圧充電(CV制御)が行われる。そして、定電圧充電時、電池240に流れこむ電流がIminとなったら、充電を終了する。
また、通信部270は車両充電設備側の通信部170と無線通信を行い、送電側システムとの間でデータの送受を可能にする構成である。通信部270によって受信したデータは受電側制御部250に転送され処理されるようになっている。また、受電側制御部250は所定情報を、通信部270を介して送電側に送信することができるようになっている。例えば、受電側制御部250は、定電力(CP)充電モード、或いは定電圧(CV)充電モードのどの充電モードで、電池240の充電を行っているかに係る情報を車両充電設備側のシステムに送信することができるようになっている。
また、通信部270は受電制御部250で検出される電池240の電圧V3・電流I3
係る情報を、送電側システムに送信することができるようになっている。また、車両側のシステムは、通信部270を利用し送電側システムの通信部170と通信することで、車両が送電側システムに接近していることなどを、送電側システムに対して報知することができるようになっている。
次に、以上のように構成される本発明の電力伝送システム100における異物検出の具体的な方法について説明する。図5は本発明の実施形態に係る電力伝送システム100に
おける異物検出の様子を説明する図である。
本発明における異物検出方法は、異物検出モードとして実行されるものであり、車両が充電スペースに駐車され、電力伝送モードにより実際の電力伝送が実行される前段としての、異物の検出に用いられることが想定されている。すなわち、図5(A)に示すように、車両が充電スペースにアクセスした後、図5(B)に示すように、車両が充電スペースに停車してから実行されるものである。
本発明に係る電力伝送システムにおいては、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の異物存否の判定テストや、最適な送電周波数を決定するためのインバータ部130における周波数のスイープテストを行う送電準備モードを備えている。
以下、図5に示されるように、車両が充電スペースに停車してから、実際の送電が行われる通常送電モードに至るまでの処理の流れについて説明する。
図6は本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける送電処理のフローチャートを示す図である。
図6において、ステップS100で処理が開始されると、ステップS101に進み、通信部170で、車両の接近情報が受信された否かが判定される。
実際の電力伝送時に用いる送電電力で各テストを行うと、送電アンテナ140・受電アンテナ210間に予期しない異物が存在しこれが異常発熱するなどしてシステムトラブルが発生する可能性がある。そこで、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の異物存否の判定テストや、最適な送電周波数を決定するためのインバータ部130における周波数のスイープテストを行う上では、ステップS102において、送電側昇降圧部120で送電側整流部110から出力される直流電圧を降圧し、商用電源より低い電圧値が送電側昇降圧部120から出力されるように設定する。
続いて、ステップS103で、送電準備モードが実行される。この送電準備モードにおいては、図7に示すように、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の異物存否の判定テストである異物存否判定処理(ステップS201)と、スイープテストが実行される電力伝送周波数決定処理(ステップS202)の2つのルーチンが実行される。
送電準備モードで各処理が実行された後には、実際の送電が行うために、ステップS104において、送電側昇降圧部120で送電側整流部110から出力される直流電圧を昇圧し、商用電源より高い電圧値が送電側昇降圧部120から出力されるように設定する。なお、本実施形態では、ステップS104で送電側昇降圧部120からは、商用電源より高い電圧値を出力するようにしたが、これに限らず、ステップS104では、送電側整流
部110から出力される直流電圧を昇降圧することで必要となる所定の電圧値に変換しこれを出力するようにすればよい。
続いて、ステップS105で、通常送電モードを実行し、送電側システムから受電側システムに電力を伝送し、電池240の充電が完了すると、ステップS106で、処理を終了する。
以上のように、本発明に係る電力伝送システムでは、通常送電モードを実行する前段のテストに用いる送電準備モードでは、送電側昇降圧部120は、送電側整流部110から出力される直流電圧を降圧することで商用電源より低い電圧値を出力するように制御されるので、本発明に係る電力伝送システムによれば、電力伝送を行う前段のテスト実施時に
、予期しない異物が存在しこれが異常発熱するなどしてシステムトラブルが発生するようなことがない。
以下、送電準備モード及び通常送電モードの実行例について説明する。
送電準備モードにおけるテストのうち、異物存否の判定テストは、受電アンテナ210と、この受電アンテナ210で受電した電力を電池240などの負荷に供給する回路群との間の電路に設けられたスイッチSWがOPENの状態で実施されることを大きな特徴の1つとしている。
受電アンテナ210と受電側整流器220との間にはスイッチSWが設けられており、このスイッチSWが受電制御部250からオンオフ制御が可能に構成されている。受電制御部250により、スイッチSWがOPEN状態となることにより、受電アンテナ210は電気的に浮いた状態となり、これにより、異物検出モード実行下で、より精度高く、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の異物を検出することが可能となる。
図8は異物検出の際、受電アンテナ210を電気的浮遊状態とするメリットを説明する図である。図8において、横軸はインバータ部130における駆動周波数を、また、縦軸はインバータ部130に対する入力される電圧V1及び電流I1に基づいて求められたインピーダンスZを示している。
図8の実線で囲まれる(A)は、受電アンテナ210が開放状態(浮遊状態)で送電アンテナ140と受電アンテナ210の間に異物が無い場合においてインピーダンスZが取り得る領域を示しており、図8の一点鎖線で囲まれる(B)は、受電アンテナ210が開放状態(浮遊状態)で送電アンテナ140と受電アンテナ210の間にある異物が有る場合においてインピーダンスZが取り得る領域を示しており、異物の材質や形状によってインピーダンスZが取り得る領域(B)は変化する。図8の点線で囲まれる(C)は、受電アンテナ210が負荷と接続された状態(SWがSHORT状態)で送電アンテナ140と受電アンテナ210の間に異物が無い場合においてインピーダンスZが取り得る領域を示しており、図8の二点鎖線で囲まれる(D)は、受電アンテナ210が負荷と接続された状態(SWがSHORT状態)で送電アンテナ140と受電アンテナ210の間にある異物が有る場合においてインピーダンスZが取り得る領域を示しており、異物の材質や形状によってインピーダンスZが取り得る領域(D)は変化する。
図8では、(C)と(D)の領域は、全ての周波数で互いに重畳するのに対して、(A)と(B)の領域は、例えば周波数がfdであるときには、重なり合うことがなく、明確
に別離している。すなわち、これは、受電アンテナ210が負荷と接続された状態(SWがSHORT状態)である場合より、受電アンテナ210が開放状態(浮遊状態)である場合の方が、送電アンテナ140と受電アンテナ210間における異物の存否検出を、より精度高く行い得ることを示している。
次に、以上のように構成される、本実施形態に係る電力伝送システムにおいて、電力伝送を行う際のシーケンスについて、図9に基づいて説明する。図9は本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける異物存否判定処理のフローチャートを示す図である。このフローチャートは、送電制御部150により実行されるものである。
図9において、ステップS300で処理が開始されると続いて、ステップS301に進み、インバータ部130における駆動周波数を、異物検出周波数に設定する。この異物検出周波数としては、例えば、先のfdを用いることができる。次のステップS302では
、インバータ部130の出力電圧を異物検出開始電圧Vsに設定する。この異物検出開始
電圧Vsとしては、送電、受電の2つのアンテナの配置関係にかかわらず、システムが故障しない、0V以上の最も安全な電圧値が利用される。
なお、異物検出周波数として用いるfdは、図9に示すものより、より高い周波数のも
のを利用する方が検出精度上有利であるはあるが、電波に関連する法規・規制を遵守する観点からも、システムの動作周波数の範囲のうち比較的高いものを利用するとよい。
図10は、図9のフローチャートに示すアルゴリズムを、実現象と対応させて説明する図である。図10において示されるVsが異物検出開始電圧である。
ステップS303では、インバータ部130に入力される検出電流値I1が所定値を超
えたか否かが判定される。ステップS303における判定がYESであるときにはステップS304に、また、判定がNOであるときにはステップS308に進む。
ステップS304では、インバータ部130に入力されている電圧値が、下限電圧未満であるか否かが判定される。この判定で用いられる下限電圧(図10参照)とは、受電アンテナ210が開放であり、異物が無い場合の下限の電圧である。
ステップS304の判定がNOであるときには、図8の(A)の領域内で、送電側システムが動作したことに相当するので、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間には、異物はないものと判定し、ステップS305に進み、インバータ部130の出力電圧を0とし、さらに、ステップS306で、通信部170を介して、異物検出終了をした旨、受電側システムに通知し、ステップS312で元のルーチンにリターンする。
一方、ステップS304における判定がYESである場合には、図8の(A)の領域を下限側で逸脱したことに相当するので異物があるものと判定し、ステップS310に進み、インバータ部130の出力電圧を0とし、さらにステップS311で不図示のインターフェイス手段により異常表示を行ったり、通信部170を介して受電側システムに異常を通知したりして、ステップS312で元のルーチンにリターンする。
また、ステップS303における判定がNOであるときに進むステップS308では、上限電圧を超えたか否かが判定される。この判定で用いられる上限電圧(図10参照)とは、受電アンテナ210が開放であり、異物が無い場合の上限の電圧である。この判定がNOであるときにはステップS309に進み、インバータ部130の出力電圧を所定刻み分(図10参照におけるΔV)上げることで漸増させ、さらにステップS303に戻る。
一方、ステップS308における判定がYESであるときには、図8の(A)の領域を上限側で逸脱したことに相当するので異物があるものと判定し、ステップS310に進み、インバータ部130の出力電圧を0とし、さらにステップS311で不図示のインターフェイス手段により異常表示を行ったり、通信部170を介して受電側システムに異常を通知したりして、ステップS312で元のルーチンにリターンする。
次に、以上のような送電側システムに対応する受電側システムにおける処理を説明する。図11は本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける受電側システムの処理フローチャートを示す図である。このフローチャートは、送電制御部150により実行されるものである。
図11において、ステップS400で処理が開始されると、続いてステップS401に進み、スイッチSWをOPEN(受電アンテナに何もつながない)にする。
続く、ステップS402では、送電側システムから通信部270を介して「異物検出終了」の通知があったか否かが判定される。この判定がNOである場合にはステップS402をループし、YESである場合にはステップS403に抜ける。
ステップS403では、スイッチSWをSHORT(受電アンテナに負荷を接続)にし、ステップS404で処理を終了する。
以上のような、本発明に係る電力伝送システムによれば、異物存否判定処理を有することで、異物の存在を認識することが可能となるので、電力伝送に伴い、異物が発熱したり、或いは、電力伝送効率が低下したりしてしまうことがない。また、本発明に係る電力伝送システムによれば、受電制御部250は、異物存否判定処理では、スイッチSWをオフとし受電アンテナ210をオープンとする制御を行うので、異物の存否の判定の精度が向上する。
次に、以上のように構成される本実施形態に係る電力伝送システム100の送電準備モードにおけるスイープテストが行われる電力伝送周波数決定処理について説明する。
これまで説明したように、電力伝送システム100による電力伝送では、まず、実際の送電の前段階において、電力伝送で用いられる電力で周波数スイープを行い、インバータ効率の極値を選定して、これに基づいて、実際の電力伝送でインバータ部130を駆動する周波数を決定する。本実施形態に係る電力伝送システム100による電力伝送では、まず、このように最適周波数を選定し、その後、選定された最適周波数によって実際に本番の電力伝送を行う。
図12は本発明の実施形態に係る電力伝送システムにおける電力伝送周波数決定処理のフローチャートを示す図である。このようなフローチャートは送電制御部150によって実行される。図12において、ステップS501で電力伝送周波数決定処理が開始されると、続く、ステップS502においては、インバータ部130の駆動周波数のスイープを開始する際の上限の値に設定する。
ステップS503では、第1電力で電力伝送を実行し、ステップS504でV1、I1、V2、I2を計測することで、入力電力(W1)、出力電力(W2)を計測する。ステップS505では、入力電力(W1)、出力電力(W2)に基づいて、インバータ部130の効率η(=W1/W2)を演算する。
ステップS506では、演算されたインバータ効率と、周波数とを対応させて送電側制御部150の記憶部(不図示)に記憶する。周波数を変更しつつ、インバータ効率を演算することで、送電側制御部150の記憶部(不図示)には、インバータ効率の周波数特性が蓄積されることとなる。
ステップS507では、今回算出されたインバータ効率が、前回算出されたインバータ効率より大きいか否かが判定される。ステップS507の判定がNOであれば、ステップS508に進む。一方、ステップS507の判定がYESであれば、周波数を所定分(Δf)下げて設定した上で、ステップS503に戻りループする。
ステップS507の判定がNOであるときに進むステップS508では、送電側制御部150の記憶部(不図示)に記憶されている前回のインバータ効率を与える周波数を、実際の電力伝送を行う際の最適な周波数として選定する。
ステップS510で元のルーチンにリターンする。
上記のようなステップS503乃至ステップS509のループにより、探索される最適周波数が具体的にどのようなものであるかを、図13を参照して説明する。図13はスイープによる最適周波数決定プロセスを模式的に説明する図である。
図13は本実施形態に係る電力伝送システム100で想定されている電力伝送効率の周波数特性の一例を示している。図12に示すアルゴリズムによれば、上限値の周波数から、Δfずつ周波数を下げながら、インバータ効率を求めるようにしている。そして、今回のループで算出されたインバータ効率が、前回のループで算出されたインバータ効率より小さくなったときには、前回のインバータ効率を与える周波数を、電力伝送を行う際の最適周波数として決定するものである。
図13に示す例では、上限値の周波数が与えるインバータ効率η1から順次、Δfずつ
周波数を下げながら、インバータ効率(η2、η3、η4・・・)を求めていく。η1からη6までの間には、ステップS507での判定はYESとなるので、ステップS503に戻
りループする。一方、インバータ効率η7が算出されると、η7>η6が成立しないので、
ステップS507での判定はNOとなり、ステップS508に進み、前回ループ時のインバータ効率η6を与える周波数を、電力伝送を行う際の最適周波数として決定する。
以上のように、本発明に係る電力伝送システムは、上限の周波数から所定分周波数を下げつつ、インバータ効率を演算すると共に、演算されたインバータ効率が、前回に演算されたインバータ効率よりも下がった場合には、前回のインバータ効率を与える周波数周波数を選定して電力伝送を行うものであり、このような本発明に係る電力伝送システムによれば、負荷が急激に低下した際に電圧が高圧になることがなく、安定して電力伝送を行うことが可能な第2極値周波数を、迅速に選定することができるので、電力伝送に要する時間を短縮することができるようになる。その詳細は後に説明する
ここで、電力伝送効率の周波数特性におけるパターンについて説明する。図14は本実施形態に係る電力伝送システムにおける周波数と電力伝送効率との関係を示す図である。
図14(A)は受電アンテナ210と送電アンテナ140とが最も適切に配置されているときの状態に対応する電力伝送効率の周波数特性を示している。図14(A)に示すように、2つの極値を与える周波数が2つある。周波数が低い方の極値周波数を第1極値周波数、周波数が高い方の極値周波数を第2極値周波数として定義する。
図14(A)から図14(B)、図14(C)、図14(D)と進むにつれて、受電アンテナ210と送電アンテナ140と間の位置のずれがより大きくなっているときの状態に対応する電力伝送効率の周波数特性を示している。
図14(C)、図14(D)に示すように、伝送効率の極値を与える周波数が1つであ
る場合には、ステップS208においては、この極値の周波数が選定されることとなる。一方、図14(A)、図14(B)に示すように極値を与える周波数として、第1極値周波数、第2極値周波数の2つがある場合については、本実施形態においては、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に電気壁が生じる極値周波数を選定するようにしている。
以下、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に生じる電気壁、及び磁気壁の概念について説明する。
図15は第1極値周波数における電流と電界の様子を模式的に示す図である。第1極値周波数においては、送電アンテナ140に流れる電流と、受電アンテナ210に流れる電
流とで位相が略等しくなり、磁界ベクトルが揃う位置が送電アンテナ140や受電アンテナ210の中央部付近となる。この状態を、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に対して磁界の向きが垂直となる磁気壁が生じているものとして考える。
また、図16は第2極値周波数における電流と電界の様子を模式的に示す図である。第2極値周波数においては、送電アンテナ140に流れる電流と、受電アンテナ210に流れる電流とで位相がほぼ逆となり、磁界ベクトルが揃う位置が送電アンテナ140や受電アンテナ210の対称面付近となる。この状態を、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に対して磁界の向きが水平となる電気壁が生じているものとして考える。
なお、以上のような電気壁や磁気壁などの概念に関しては、居村岳広、堀洋一「電磁界共振結合による伝送技術」IEEJ Journal,Vol.129,No.7,2009、或いは、居村岳広、岡部浩之、内田利之、堀洋一「等価回路から見た非接触電力伝送の磁界結合と電界結合に関する研究」IEEJ Trans.IA,Vol.130,No.1,2010などに記載されているものを本明細書においては準用している。
次に、本発明において、極値を与える周波数として、第1極値周波数、第2極値周波数の2つがある場合については、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に電気壁が生じる極値周波数を選定する理由について説明する。
図17は2つの極値を与える極値周波数のうち磁気壁が生じる極値周波数(第1周波数)での特性を示す図である。図17(A)は電池240(負荷)の負荷変化変動に伴う送電側の電圧(V1)、電流(I1)の変動の様子を示す図であり、図17(B)は電池240(負荷)の負荷変化変動に伴う受電側の電圧(V3)、電流(I3)の変動の様子を示す図である。図17に示すような特性によれば、受電側で電池240(負荷)の負荷増大と共に、電圧が増大する特性があることがわかる。
以上のような磁気壁が生じる周波数においては、電池240側からみて受電アンテナ210が定電流源として見えるものである。このような受電アンテナ210が定電流源のように動作する周波数で、電力伝送を行った場合に、仮に負荷側である電池240などの不具合により緊急停止が起きたとすると、受電アンテナ210の両端部の電圧が上昇してしまうこととなる。
一方、図18は2つの極値を与える極値周波数のうち電気壁が生じる極値周波数(第2周波数)での特性を示す図である。図18(A)は電池240(負荷)の負荷変化変動に伴う送電側の電圧(V1)、電流(I1)の変動の様子を示す図であり、図18(B)は電池240(負荷)の負荷変化変動に伴う受電側の電圧(V3)、電流(I3)の変動の様子を示す図である。図18に示すような特性によれば、受電側で電池240(負荷)の負荷増大と共に、電流が減少する特性があることがわかる。
以上のような電気壁が生じる周波数においては、電池240側からみて受電アンテナ210が定電圧源として見えるものである。このような受電アンテナ210が定電圧源のように動作する周波数で、電力伝送を行った場合に、仮に負荷側である電池240などの不具合により緊急停止が起きたとしても、受電アンテナ210の両端部の電圧が上昇することはない。したがって、本発明に係る電力伝送システムによれば、負荷が急激に低下した際に電圧が高圧になることがなく、安定して電力伝送を行うことが可能となるのである。
図17の特性においては、受電側の電池240(負荷)にとっては、充電回路が電流源として見えることとなり、図18の特性においては、受電側の電池240(負荷)にとっ
ては、充電回路が電圧源として見えることとなる。負荷が増大することに伴い、電流が減少する図18に示す特性の方が、電池240(負荷)にとっては好ましいので、本実施形態においては、第1極値周波数、第2極値周波数の2つがある場合については、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に電気壁が生じる極値周波数を選定するようにしている。
このような本発明に係る電力伝送システムによれば、伝送効率の極値を与える周波数が2つ存在することがある場合でも、電力伝送時の最適な周波数を迅速に決定することができ、効率的な電力伝送を短時間で行うことが可能となる。
また、2つの極値を与える周波数が2つある場合に、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に電気壁が生じる極値周波数を選定すると、電池240(負荷)にとって、充電回路が電圧源として見えるので、充電制御により電池240への出力が変動した際にインバータ部130の出力も伴って増減するために扱いやすい、というメリットがある。また、充電器230が緊急停止した際にも供給電力も自動的に最小化するため無駄な装置も必要ない。
これに対して、2つの極値を与える周波数が2つある場合に、送電アンテナ140と受電アンテナ210との間の対称面に磁気壁が生じる極値周波数を選定すると、充電器230が出力を小さくした際に伴って供給電圧を制御する必要がありそのための通信手段や検知手段が必要となり、コストがかかることとなる。
これまで説明したように、本実施形態に係る電力伝送システム100におけるスイープ動作としては、まず、インバータ部130の駆動周波数を上限の値に設定し、その上限の周波数から、順次周波数を所定分(Δf)下げつつスイープを行うようにしている。かりに、この逆のスイープ動作、すなわち、インバータ部130の駆動周波数を下限の値に設定し、その下限の周波数から、順次周波数を所定分(Δf)上げていくスイープ動作を行うとすると、第1極値周波数が第2極値周波数より低い周波数であるために、第1極値周波数が最適な周波数として選定されてしまう可能性がある。前述したとおり、第1極値周波数よりも第2極値周波数で実際の電力伝送を行った方がより好ましい。このために、本実施形態に係る電力伝送システム100では、上限の周波数から、順次周波数を所定分(Δf)下げつつスイープを行い、最適周波数として、確実に第2極値周波数が選択されるようにしている。
以上、本発明に係る電力伝送システムによれば、伝送効率の極値を与える周波数が2つ存在することがある場合でも、電力伝送時の最適な周波数を決定することができ、効率的な電力伝送を行うことが可能となる。また、このような本発明に係る電力伝送システムによれば、負荷が急激に低下した際に電圧が高圧になることがなく、安定して電力伝送を行うことが可能な第2極値周波数を、迅速に選定することができるので、電力伝送に要する時間を短縮することができるようになる。
以上、本発明に係る電力伝送システムでは、通常送電モードを実行する前段のテストに用いる送電準備モードでは、送電側昇降圧部は、整流部から出力される直流電圧を降圧することで商用電源より低い電圧値を出力するように制御されるので、本発明に係る電力伝送システムによれば、電力伝送を行う前段のテスト実施時に、予期しない異物が存在しこれが異常発熱するなどしてシステムトラブルが発生するようなことがない。
100・・・電力伝送システム
110・・・送電側整流部
120・・・送電側昇降圧部
130・・・インバータ部
140・・・送電アンテナ
150・・・送電側制御部
170・・・通信部
210・・・受電アンテナ
220・・・受電側整流部
230・・・受電側昇降圧部
240・・・電池
250・・・受電側制御部
270・・・通信部

Claims (3)

  1. 送電アンテナから受電アンテナに対して、電磁場を介して電気エネルギーを伝送する電力伝送システムであって、
    商用電源を整流して直流電圧を出力する送電側整流部と、
    前記送電側整流部からの出力を所定の直流電圧に昇圧又は降圧して出力する送電側昇降圧部と、
    前記送電側昇降圧部から出力される直流電圧を所定の周波数の交流電圧に変換して出力するインバータ部と、
    前記インバータ部からの交流電圧が入力される前記送電アンテナと、
    前記受電アンテナからの出力を直流電圧に整流して出力する受電側整流部と、
    前記受電側整流部から出力される直流電圧を昇圧又は降圧して出力する受電側昇降圧部と、
    前記受電側昇降圧部からの出力が充電される電池と、からなり、
    実際の電力の送電を行う通常送電モードと、
    前記通常送電モードを実行する前段のテストに用いる送電準備モードと、を有し、
    前記送電側昇降圧部は、前記通常送電モードでは前記送電側整流部から出力される直流電圧を昇降圧することで必要となる所定の電圧値を出力し、
    前記送電準備モードでは前記送電側整流部から出力される直流電圧を降圧することで前記商用電源より低い電圧値を出力するように制御されることを特徴とする電力伝送システム。
  2. 前記テストが、前記送電アンテナと前記受電アンテナとの間の異物存否の判定テストであることを特徴とする請求項1に記載の電力伝送システム。
  3. 前記テストが、前記インバータ部における周波数のスイープテストであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電力伝送システム。
JP2012018287A 2012-01-31 2012-01-31 電力伝送システム Pending JP2013158188A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012018287A JP2013158188A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 電力伝送システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012018287A JP2013158188A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 電力伝送システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013158188A true JP2013158188A (ja) 2013-08-15

Family

ID=49052865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012018287A Pending JP2013158188A (ja) 2012-01-31 2012-01-31 電力伝送システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013158188A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015102116A1 (ja) * 2014-01-06 2015-07-09 日東電工株式会社 無線電力伝送装置
JP2016086593A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 株式会社Ihi 給電装置及び給電方法
JP2017135843A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 非接触給電システム
JP2017135838A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 非接触給電システム
JP6342066B1 (ja) * 2017-02-08 2018-06-13 三菱電機エンジニアリング株式会社 送電側機器
JP2020036495A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 トヨタ自動車株式会社 送電装置および受電装置、ならびにその送電装置の制御方法
JP2020099146A (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 昭和飛行機工業株式会社 非接触給電装置の通信装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010035545A1 (ja) * 2008-09-26 2010-04-01 株式会社村田製作所 無接点充電システム
JP2010119246A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Toyota Motor Corp 給電システム
JP2010239816A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Fujitsu Ltd 無線電力供給方法及び無線電力供給システム
JP2011030422A (ja) * 2004-05-11 2011-02-10 Access Business Group Internatl Llc 誘導電力転送システムの制御

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011030422A (ja) * 2004-05-11 2011-02-10 Access Business Group Internatl Llc 誘導電力転送システムの制御
WO2010035545A1 (ja) * 2008-09-26 2010-04-01 株式会社村田製作所 無接点充電システム
JP2010119246A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Toyota Motor Corp 給電システム
JP2010239816A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Fujitsu Ltd 無線電力供給方法及び無線電力供給システム

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015102116A1 (ja) * 2014-01-06 2015-07-09 日東電工株式会社 無線電力伝送装置
JP2016086593A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 株式会社Ihi 給電装置及び給電方法
JP2017135843A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 非接触給電システム
JP2017135838A (ja) * 2016-01-27 2017-08-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 非接触給電システム
JP6342066B1 (ja) * 2017-02-08 2018-06-13 三菱電機エンジニアリング株式会社 送電側機器
WO2018146746A1 (ja) * 2017-02-08 2018-08-16 三菱電機エンジニアリング株式会社 送電側機器
CN110268597A (zh) * 2017-02-08 2019-09-20 三菱电机工程技术株式会社 输电侧设备
US10910885B2 (en) 2017-02-08 2021-02-02 Mitsubishi Electric Engineering Company, Limited Power transmission-side apparatus
JP2020036495A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 トヨタ自動車株式会社 送電装置および受電装置、ならびにその送電装置の制御方法
JP7067376B2 (ja) 2018-08-31 2022-05-16 トヨタ自動車株式会社 送電装置
JP2020099146A (ja) * 2018-12-19 2020-06-25 昭和飛行機工業株式会社 非接触給電装置の通信装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5988191B2 (ja) 電力伝送システム
US9270138B2 (en) Electric power transmission system
WO2013129451A1 (ja) 電力伝送システム
WO2013002319A1 (ja) 電力伝送システム
US9067497B2 (en) Power transmitting device and power transfer system
JP5991372B2 (ja) 送電装置、受電装置、車両、および非接触給電システム
US9963040B2 (en) Non-contact power supply system, and power transmission device and vehicle used therein
JP2013158188A (ja) 電力伝送システム
US20150224883A1 (en) Vehicle and contactless power supply system
WO2012132413A1 (ja) 電力伝送システム
US10008883B2 (en) Noise reducing power feed device, power reception device and power feed method
EP3163704A1 (en) Power transmission apparatus and contactless power transmission device
JP2012070463A (ja) 非接触給電装置
JP2013126307A (ja) 電力伝送システム
EP3026786B1 (en) Power-transfer system
US20160114688A1 (en) Power feed device and method for acquisition of frequency characteristics
JP2013132141A (ja) 電力伝送システム
JP2013212033A (ja) 電力伝送システム
JP2013212034A (ja) 電力伝送システム
JP2012210116A (ja) 電力伝送システム
JP2017169277A (ja) 無線電力伝送装置、送電装置および受電装置
WO2019176375A1 (ja) 送電装置、受電装置、無線給電システム
JPWO2020049853A1 (ja) 非接触給電システム
JP6183671B2 (ja) 非接触給電装置の制御方法及び非接触給電装置
JP2014197935A (ja) 電力伝送システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150130

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150909

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151023

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160309