JP2017169277A - 無線電力伝送装置、送電装置および受電装置 - Google Patents

無線電力伝送装置、送電装置および受電装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の系統で並列に無線電力伝送を行う場合に、無線電力伝送装置を安全に保護する。【解決手段】本発明の一態様としての無線電力伝送装置は、複数の送電器と、複数の送電コイル部と、複数の受電コイル部と、複数の受電器と、制御器を備える。複数の送電器は、交流電力を生成する。複数の送電コイル部は、複数の送電器で生成された交流電力に応じた磁界を生成する。複数の受電コイル部は、複数の送電コイル部で生成される磁界と結合することにより、交流電力を受電する。複数の受電器は、複数の受電コイル部で受電された交流電力を変換し、変換された電力を出力する。制御器は、前記複数の送電器のうち一部の送電器を停止させる場合に、前記一部の送電器以外の残りの送電器に対応する前記受電器の起動と、前記一部の送電器に対応する前記受電器の全部または一部の起動とを、前記一部の送電器を停止させた後も維持するように制御する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、無線電力伝送装置、送電装置および受電装置に関する。
送電側のコイルから受電側のコイルへ、高周波エネルギーを無線で伝送する無線電力伝送装置が知られている。送電側から受電側へ無線でエネルギーを供給できるため、利便性が向上し、有線の場合に問題となる接触不良がなくなる利点がある。また、人の往来のある通路付近で用いる場合には、ケーブルで人がつまずくことがなくなるため、安全性も向上する。
無線電力伝送装置の構成例として、高周波エネルギーを供給する送電器を送電側に配置し、受電側に充電器を配置する。送電器が供給する高周波エネルギーを送電コイルから受電側のコイルに伝送し、充電器は、受電コイルで受電した高周波エネルギーを直流に変換等して、蓄電池に供給する。このような無線電力伝送装置において、充電停止の時に、送電器より先に充電器を停止させた場合、送電器への反射電力で送電器が損傷したり、充電器の入力電圧が急上昇することにより充電器が損傷したりする。そこで、充電器よりも先に、送電器を停止させることで、装置を安全に保護する制御方法が提案されている。
無線電力伝送装置の他の構成例として、送電側に送電器および送電コイルの組を複数配置し、受電側にも受電コイルと充電器の組を複数配置して、複数系統で並列に送電側から受電側に無線電力伝送を行うものがある。この無線電力伝送装置では、送電の途中に、要求充電電力が小さくなった場合に、一部の系統を用いて、無線電力伝送を行うことで、送電電力を小さくすることもできる。この際、使用しない系統の送電器および充電器の制御(停止等)をどのように行えば、充電器の損傷を抑えて、装置を安全に保護できるかは、従来技術では提案されていない。前述した制御方法は、1系統の場合の無線電力伝送装置に適用可能な方法であり、複数系統の場合には適用できない。
特許登録第4478729号
本発明の実施形態は、複数系統で並列に無線電力伝送を行う場合に無線電力伝送装置を安全に保護することを可能にした無線電力伝送装置、送電装置および受電装置を提供する。
本発明の一態様としての無線電力伝送装置は、複数の送電器と、複数の送電コイル部と、複数の受電コイル部と、複数の受電器と、制御器とを備える。
前記複数の送電器は、交流電力を生成する。
前記複数の送電コイル部は、前記複数の送電器で生成された前記交流電力に応じた磁界を生成する。
前記複数の受電コイル部は、前記複数の送電コイル部にそれぞれ対応し、前記複数の送電コイル部で生成される磁界と結合することにより、前記交流電力を受電する。
前記複数の受電器は、前記複数の受電コイル部で受電された前記交流電力を変換し、変換された電力を出力する。
前記制御器は、前記複数の送電器と前記複数の受電器とを制御する。前記制御器は、前記複数の送電器のうち一部の送電器を停止させる場合に、前記一部の送電器以外の残りの送電器に対応する前記受電器の起動と、前記一部の送電器に対応する前記受電器の全部または一部の起動を、前記一部の送電器を停止させた後も維持するように制御する。
本実施形態に関わる無線電力伝送装置のブロック図。 送電器の構成例を示す図。 送電コイル部および受電コイル部の詳細な構成例を示す図。 送電コイル部と受電コイル部の配置例を示す図。 受電器の構成例を示す図。 送電器と受電器に対する制御の一例を説明する図。 送電器と受電器に対する制御の他の例を説明する図。 第2の実施形態に係る動作のフローチャートを示す図。 第2の実施形態に係る無線電力伝送装置のブロック図。 第3の実施形態に係る無線電力伝送装置のブロック図。 各実施形態を鉄道に適用する例を説明する図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に関わる無線電力伝送装置のブロック図である。この無線電力伝送装置は、無線で電力を送電する送電装置と、当該電力を受電する受電装置とを具備する。送電装置は、商用電源等の交流電源100に接続されている。
送電装置は、送電器101、102(送電器1、2)と、送電コイル部103、104(送電コイル部1、2)と、送電制御器110とを備える。この送電装置は、交流電源100から出力される交流電圧に基づき、送電器101、102で交流電流(交流電力)を生成して送電コイル部103、104に供給する。送電コイル部103、104でこの交流電流に応じた磁界が発生し、この磁界を、対向配置された受電装置の複数の受電コイル部105、106に結合させることで、無線で電力を伝送する。送電制御器110は、送電器1および送電器2を制御(起動、停止、交流電流の周波数および振幅等の調整)する制御器である。送電制御器110は、任意の回路によって構成できる。回路は、CPU等のプロセッサ、FPGA、ASICなど、その形態を問わない。
受電装置は、受電コイル部105、106(受電コイル部1、2)と、受電器107、108(受電器1、2)と、受電制御器111と、負荷装置109とを備える。この例では、負荷装置109が受電装置の構成要素であるが、負荷装置109が受電装置に外部接続されてもよい。複数の受電コイル部105、106で受けた磁界に応じた交流電流が発生し、この交流電流を、受電器107、108に供給する。受電器107、108で交流電流を直流に変換等して、負荷装置109に出力する。負荷装置109は、受電器107、108から供給される電力を消費する抵抗機器または当該電力を充電するバッテリーである。バッテリーの場合、受電器は、充電器に相当する。受電制御器111は、受電器1、2を制御(起動、停止、昇降圧調整等)する制御器である。受電制御器111は、任意の回路によって構成できる。回路は、CPU等のプロセッサ、FPGA、ASICなど、その形態を問わない。
送電器1(101)、送電コイル部1(103)、受電コイル部1(105)および受電器1(107)は、1つの系統を形成する。送電器2(102)、送電コイル部2(104)、受電コイル部2(106)および受電器2(108)は、別の1つの系統を形成する。系統ごとに送電が行われる。図1の無線電力伝送装置は2つの系統を備えて、2並列で無線電力伝送を行うことができる。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
送電器101、102は、それぞれケーブル等の電線を介して、交流電源100に接続されている。交流電源100の例として、商用電源がある。商用電源は、例えば、周波数50Hzまたは60Hzであって、単相100Vや3相200Vの交流電圧を出力する装置である。交流電源100は、任意の電源で構わない。送電器101、102は、交流電源100が出力する交流電圧に基づき、交流電力(交流電流)として、高周波電力(または高周波電流)を生成および出力する。高周波電力(高周波電流)は、例えば周波数20kHzまたは1MHzなどの高周波の電力(電流)である。この周波数が、無線電力伝送の周波数となる。
送電器101、102はそれぞれ別個の交流電源から交流電圧を供給されてもよいし、共通の同じ交流電源から交流電圧を供給されてもよい。図1の交流電源100は、これらのいずれの形態も含む。本実施形態では、送電器が生成する交流電流は、高周波電流であるが、交流電流である限り、高周波電流と呼ばれるものでなくてもかまわない。各送電器から出力される高周波電流の周波数は同一または略同一である。ただし、これらの周波数が互いに異なってもかまわない。
各送電器の動作の起動(オン)・停止(オフ)、また各送電器が生成する高周波電流の振幅および位相は、送電制御器110により制御される。送電制御器110は無線通信回路を備え、この回路を用いて、受電制御器111と無線通信可能である。これにより受電制御器111および送電制御器110間で、制御情報を共有できる。無線通信の方式は、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)など、一般的な無線通信規格でもよいし、独自の無線通信規格でもよい。
送電器1、2のそれぞれは、例えばコンバータとインバータから構成されることができる。この場合における送電器(送電器1、2の任意の一方)の構成例を図2に示す。送電器1、2のいずれも、図2に示す構成の回路を有する。コンバータ131の入力は交流電源100に接続され、出力は、インバータ132に接続される。インバータ132の出力は、送電コイル部(103または104)に接続される。コンバータ131によって、商用電源の交流電力を直流電力に変換する。そして、インバータ132によって、当該直流電力を、任意の周波数の高周波電力に変換する。変換後の高周波電力が送電コイル部(103、104)に供給される。
送電コイル部103、104は、それぞれケーブル等の電線を介して、送電器101、102に接続されている。送電コイル部103、104は、それぞれ少なくとも1つのコイルを含む。送電コイル部は、共振子と呼ばれることもある。コイル部は、コイルそのものものでもよいし、コイル以外の要素を含んでもよい。
例えば、図3(A)に示すように、コイル292の一端側に容量282を直列に接続してもよい。容量282を、図3(A)とは反対側、すなわち、コイル292の他端側に直列接続してもよい。図2(B)に示すように、コイル292の両側に容量282a、282bを接続してもよいし、図2(C)に示すように、複数のコイル292a、292bを直列に接続し、さらに容量282aを直列に接続してもよい。また、コイル292、292a、292bは、磁性体コアに巻き付けてもよい。ここで説明した以外の構成でもよい。コイル形状としては、スパイラル巻、ソレノイド巻など、磁界結合が可能な任意の巻き方でよい。
送電コイル部103、104は、送電器101、102から出力される高周波電流を受け、磁界を発生させる。送電コイル部103、104は、受電側の受電コイル部105、106と空間を介して磁気的に結合する。これにより、高周波エネルギーを受電装置へ伝達させる。
受電コイル部105、106は、送電コイル部103、104と磁気結合し、送電コイル部103、104から高周波エネルギーを受ける。
送電コイル部103、104および受電コイル部105、106は、空間を介して磁気結合可能であれば、任意の配置でよい。
図4(A)および図4(B)に、送電コイル部と、受電コイル部との配置例を示す。ここでは、送電コイル部および受電コイル部をそれぞれ2つ配置した例を示している。送電コイル部および受電コイル部として、磁性体コアにコイルを巻き付けたものを用いている。図4(A)のように、送電コイル部の開口面を、受電コイル部の開口面と対向させるように配置してもよい。または、図4(B)のように、送電コイル部の側面と、受電コイル部の側面が互いに対向するように配置してもよい。図4(C)には、平面状に巻いた2つのコイル(スパイラルコイル)を送電側および受電側にそれぞれ配置し、開口面が対向するようにこれらのコイルを配置している。図4(A)から図4(C)のいずれの場合も、図示の破線で示すように、送受電コイル部間で磁界結合することにより、無線で電力が伝送される。
受電器107、108は、それぞれケーブル等の電線を介して、受電コイル部105、106に接続されている。受電器107、108は、受電コイル部105、106から高周波電流(高周波電力)を受ける。受電器107、108は、高周波電力を、負荷装置109で利用可能な形態の電力(直流電力等)へ変換し、変換後の負荷装置109へ電力を伝達させる。
図5は、受電器の構成例を示す。受電器107、108は、いずれも図5の構成を有する。受電器は、整流回路171と、昇降圧回路(DC−DCコンバータ)172とを備える。整流回路171は、受電コイル部で発生した高周波電流を入力とし、高周波電流を直流電流に変換する。これにより整流回路171からは一定の直流電圧が出力される。昇降圧回路172は、整流回路171から出力される一定の直流電圧を入力として、負荷装置109で利用可能な電圧(当該一定の直流電圧よりも高い、あるいは、同一、あるいは、低い電圧)を出力する。昇降圧回路172の後段には、負荷装置109が接続される。なお、ここでは、受電コイル部からの出力電力を変換する例として、受電コイル部からの出力を直流に変換し、かつこの直流の電圧を昇圧または降圧する場合を示したが、これに限定されない。例えば昇降圧回路を省き、直流に変換された電力を負荷装置に供給してもよい。または、整流回路を省き、受電コイル部から出力される交流電力を昇圧または降圧して負荷装置に出力してもよい。なお、整流回路171は外部からの電源供給なしに動作する回路でもよいし、外部からの電源供給を用いて動作する回路でもよい。
負荷装置109は、受電器107、108から入力される電力を消費または蓄積する装置である。電力を蓄積する装置の例として、バッテリーである。バッテリーは、受電器107、108から出力されるエネルギーを充電する。一方、電力を消費する装置の例として、モータ等がある。ここでは負荷装置109は受電器107、108に共通に1つ設けられているが、受電器ごとに負荷装置が配置されてもよい。
受電制御器111は、受電器107、108の動作の起動(オン)および停止(オフ)を制御する。また、受電制御器111は、受電コイル部の電流振幅等、パラメータを制御してもよい。一例として、昇降圧回路172の電圧の変換比を変えることで、受電コイル部の電流振幅を制御できる。また、受電制御器111は無線通信回路を備え、この回路を用いて、送電制御器110と無線通信可能である。これにより受電制御器111および送電制御器110で、制御情報を共有できる。無線通信の方式は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)など、一般的な無線通信規格でもよいし、独自の無線通信規格でもよい。
本実施形態では、送電器、送電コイル部、受電コイル部および受電器部を具備する系統が複数、並列化されており、動作させる系統を増減することで、伝送できる電力を増大または減少することが可能である。並列伝送可能にすることで、1系統のみでの電力伝送に比べて種々の利点がある。
例えば1系統の場合に、負荷装置で要求される電力が大きくなり、送電する電力を増大させる場合を考える。並列化しない場合には、各構成要素(送電器、送電コイル、受電コイル、受電器)に要求される最大電力(最大電力耐性)が増大する。したがって、各構成要素が大型化し、また、高コスト化になる。また、各構成要素間を接続するケーブルが太くかつ重くなる。またこれによりケーブルを曲げにくくなる。よって、各構成要素の配置に制限が出る。一方、負荷装置で要求される電力が小さくなり、送電する電力を小さくする場合には、各構成要素には、小さな電力で動作することが要求される。したがって、各構成要素には、広い電力範囲での動作が必要となり、この点でも、大型化および高コスト化してしまう。
一方、複数系統で並列伝送する場合には、1系統あたりの最大電力の値を小さくできるため、各構成要素の小型化または低コスト化またはこれらの両方が可能となる。また、構成要素間を接続するケーブルも細く、軽くできる。また、この場合、ケーブルを曲げやすいため、各構成要素の配置自由度が向上する。また、負荷装置で要求される電力が小さくなった場合には、動作させる送電器数(系統数)を減らせばよい。よって、各構成要素に必要な電力範囲を狭くできる。
電力範囲について、具体例を示す。1系統構成の場合で、最大20kW、最小5kWを伝送する必要がある場合を考える。この場合、最大電力と最小電力の比は4倍である。一方、複数系統構成の場合、例えば2並列構成の場合、1系統あたり、最大10kW、最小5kWの電力範囲で足りる。最大20kWが必要な場合は、2つの系統でそれぞれ10kWを伝送すればよい。最小5kWを伝送する必要がある場合は、1つの系統で5kWを伝送し、もう一つを動作停止すればよい。よって、複数系統の場合、最大電力と最小電力の比は2倍である。このように、並列化によって、最大電力と最小電力の比(すなわち電力範囲)を狭くできる。
上記に説明したように、交流電源(商用電源等)から供給されるエネルギーが、送電器で高周波エネルギーに変換されて、送電コイル部と受電コイル部間の磁気結合を介して無線伝送される。受電器で、当該高周波エネルギーが直流エネルギーへ変換されて、負荷装置へ伝達される。
以下、本実施形態により、受電装置における各受電器が損傷(故障等)から安全に保護されることを示す。
受電器が損傷する場合として、受電器が動作(起動)していない状態で、受電器に接続されている受電コイル部で高周波エネルギーを受ける場合が考えられる。このとき、受電器の入力電圧が急上昇し、受電器が損傷する場合がある。特に、複数系統で並列伝送を行う無線電力伝送システムでは、負荷装置の要求電力に応じて、動作させる送電器数を変える。このため、受電器を安全に保護するための方法が必要になる。
図6は、図1の無線電力伝送装置の動作例の説明図である。図6(A)〜図6(E)の横軸は時間を表す。図6(A)の縦軸は、負荷装置により要求される電力(ここでは負荷装置はバッテリーとし、当該要求される電力は充電電力に対応する)を表す。図6(B)は送電器1の起動(ON)と停止(OFF)を表し、図6(C)は送電器2の起動(ON)と停止(OFF)を表し、図6(D)は受電器1の起動(ON)と停止(OFF)を表し、図6(E)は受電器2の起動(ON)と停止(OFF)を表す。
時刻T1で充電電力P1の送電が開始され、負荷装置への充電が開始される。具体的には、時刻T1で受電器1、2をオンにするとともに、2つの送電器1および送電器2をオンする。これにより2並列での無線電力伝送が行われる。このような制御は、送電制御器110と受電制御器111間で制御情報を送受信し、送電制御器110および受電制御器111が、当該制御情報に基づき、送電器1、2および受電器1、2を制御することで可能である。
なお、この例では、各系統での送電の周波数および振幅は共に同じであるとする。したがって、送電器1の系統からP1/2の電力が送電され、送電器2の系統からP1/2の電力が送電される。受電器1、2は、送電側からそれぞれ受電したP1/2の電力を負荷装置109に供給する。これにより、負荷装置109は充電電力P1で充電される。
次に、時刻T2で、負荷装置の要求電力がP1の2分の1であるP2に減少する。このため、送電電力をP1からP2に減少させ、充電電力P2で負荷装置を充電する。この場合には、オンにする送電器1つで十分であるため、送電器1、2の一部は動作(オン)を維持させ、残りを停止(オフ)すればよい。本例では、送電器1の動作(オン)を維持させ、送電器2を停止(オフ)する。しかしながら、受電器1と受電器2は、両者ともに動作(オン)を維持する。
受電器1と受電器2の両方とも動作(オン)を維持する理由を説明する。受電器2に接続されている受電コイル部2は、停止状態の送電器2に接続されている送電コイル部2に対向して配置されるため、送電コイル部2から高周波電力を受けない。しかし、受電コイル部2と、送電器1に接続されている送電コイル部1との間に不要結合が存在(0より大きい結合が存在)するため、送電コイル部1から当該不要結合の大きさに応じた高周波電力を受ける。この不要結合に起因する高周波電力が受電器2に入力されるため、受電器2を停止すると、受電器2の入力電圧が急上昇し、受電器2が損傷を受ける。
本実施形態では、このような不要結合に起因して他の系統から高周波電力が受電器に入力されて、当該受電器が損傷を受けることを防止する。具体的に、動作している(停止させない)送電器と同じ系統に属する受電器のみならず、停止する送電器と同じ系統に属する受電器も動作させる(起動を維持する)。すなわち、受電器1、2を2つとも動作させておく。これにより、ある系統の送電器を停止した場合に、当該系統に属する受電器に、他の系統との不要結合に起因する高周波電力が入力されても、受電器が損傷することを防止できる。このように、並列無線電力伝送において送電電力を減少させる場合においても、受電器が破損することを阻止できる。したがって、本実施形態によれば、不要結合の大きさを気にしないで、送電コイル部と受電コイル部を配置でき、設置の自由度を向上させることができる。
この後、充電を時刻T3で終了させる(充電電力を0とする)ときは、時刻T3で送電器1を停止させ、時間ΔA(一定の時間または任意の時間)後の時刻T4で、受電器1と受電器2を停止させる。ここでは受電器1と受電器2の停止を同時に行っているが、受電器1、2を順番に停止させてもよい。これにより、送電をすべて停止する(充電を終了する)際に、各受電器が故障することを防止できる。
なお、送電の開始の判断、充電電力の変更判断、送電終了の判断は、送電制御器または受電制御器で行う。送電の開始と終了の場合、開始時刻および終了時刻が、送電制御器または受電制御器またはこれらの両方に事前に通知されており、送電制御器または受電制御器が、当該開始時刻および終了時刻に、送電が開始および終了するように、それぞれ制御を行ってもよい。あるいは、開始の指示および終了の指示が、送電制御器または受電制御器またはこれらの両方に通知され、当該指示を取得したタイミングで、送電が開始および終了するよう制御してもよい。また、充電電力の変更(増加または減少)の場合、送電制御器または受電制御器またはこれらの両方が、当該変更の指示を受信したタイミングで、充電電力を変更するよう制御してもよい。当該指示は、負荷装置から有線または無線で受信してもよい。また、予め変更の時刻が送電制御器または受電制御器またはこれらの両方に指定されており、当該指定された時刻に充電電力を変更するよう制御してもよい。送電制御器および受電制御器の一方は、把握している内容の制御情報を他方に通知することで、制御情報を共有してもよい。
図7は、図1の無線電力伝送装置の他の動作例の説明図である。図6と異なる点は、時刻T1での充電開始時より時間ΔB前に、受電器1、2を動作させる。送電器1、2より先に受電器1、2を動作させることで、送電開始時においても受電器1、2を損傷から保護できる。
図6および図7の例では、送電の途中で充電電力を減少させる場合の制御の例を示したが、充電電力を増加させる場合は、図7の充電開始時の動作例に倣えばよい。すなわち、追加で起動する系統について、先に受電器をオンにし、その後で送電器をオンにすればよい。
本実施形態では、系統数が2の場合を示したが、3以上の場合も同様にして実施できる。
以上、本実施形態によれば、負荷装置での要求電力(充電電力等)が減少して複数の送電器のうちの一部を停止させる場合にも、当該停止させる送電器と同じ系統に属する受電器の動作を維持する(当該受電器をオンにしたままにする)ことで、当該受電器を損傷から保護できる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数の送電器のうちの一部の送電器を停止させる場合に、当該停止させる送電器と同じ系統に属する受電器は無条件にオンを維持した(すなわち一部の送電器の停止に拘わらず、すべての受電器をオンにした)。本実施形態では、そのような受電器については、当該受電器に接続される受電コイル部と、他の系統(送電器が動作状態の系統)の送電コイル部との間の結合係数に応じて、オンを維持するか、オフにするかを制御する。
具体的に、動作している送電器に接続されている送電コイル部と、動作をオフにする送電器と同じ系統に属する受電コイル部との結合係数が、あらかじめ設定した閾値よりも大きい、あるいは、等しい場合は、受電コイル部に接続されている受電器の動作(オン)を維持する。また、当該結合係数が、あらかじめ設定した閾値よりも小さい受電コイル部に接続されている受電器の動作は停止させる(オフにする)。このことにより、すべての受電器を動作させる第1の実施形態に比べて、動作させる受電器の数を減らせるので、低消費電力化の効果を得られる。
第1の実施形態の説明で用いた図1に基づき、具体例を示す。送電器2の動作を停止させる場合を考える。このとき、受電コイル部2と送電コイル部1の結合係数が閾値以上であれば、受電器2を動作させたままにする。これにより、受電コイル部2と送電コイル部1間の不要結合に起因して受電器2に高周波電力が入力されることによる損傷を防止できる。
一方、受電コイル部2と送電コイル部1の結合係数が閾値未満であれば、受電器2を停止させる。受電コイル部2と送電コイル部1の結合係数が閾値未満であれば、受電コイル部2と送電コイル部1間の不要結合に起因して受電器2に高周波電力が入力されても、受電器2のダメージは無視できるほど小さいといえる。よって、この場合、受電器2を停止させることで、不要な消費電力を削減し、低消費電力化の効果が得られる。よって、不要結合の結合係数が閾値未満(損傷を無視できる)と判断した場合には、受電器を停止させることが有効となる。
各受電コイル部の閾値は、あらかじめ各受電コイル部に接続されている受電器の損傷を計測(破損の有無等を計測)することで、決定すればよい。不要結合量(結合係数)は、あらかじめ各受電コイルを、他の系統に属する送電コイル部と組み合わせて、計測しておけばよい。なお、3つ以上の系統の場合、1つの受電コイル部が2つ以上の送電コイル部と不要結合する場合があるが、この場合、それぞれ送電コイル部との不要結合の合計またはそれらのうちの最大値等を、代表の不要結合量(結合係数)として用いればよい。
なお、実際に受電器を停止させるか否かを判断するにあたっては、上記の測定の結果を利用して、どの送電器を動作させるかに応じて、事前に停止させる受電器を定めておけばよい。例えば図1において、受電コイル部2と送電コイル部1の結合係数(不要結合量)が閾値未満であることが事前に測定により分かっていれば、送電器2を停止した場合には受電器2を一定時間後または任意の時間後に停止させるよう事前にプログラムしておけばよい。リアルタイムに不要結合量を測定する必要はない。ただし、リアルタイムに不要結合量を測定してもかまわない。
このように、一部の送電器を停止させる場合、当該一部の送電器と同じ系統に属する受電コイル部と、その他の動作している送電器に接続された送電コイル部との結合係数(不要結合量)が閾値未満のときは、その受電器の動作は停止させる。これにより、無線電力伝送装置の低消費電力化の効果を得ることができる。
図8は、本実施形態に係る無線電力伝送装置における制御の一例のフローチャートである。
送電制御器または受電制御器は、負荷装置の要求電力に応じて、動作させる1つまたは複数の送電器を選択する(STEP1、STEP2)。送電制御器および受電制御器のうち受電制御器が送電器の選択を行った場合、選択した送電器を特定する情報を送電制御器に送信する。
送電制御器または受電制御器は、選択された送電器に応じて、動作させる受電器を選択する(STEP3)。具体的に、選択された送電器と同じ系統に属する受電器を選択する。また、選択されていない送電器と同じ系統に属する受電器については、当該受電器に接続されている受電コイル部と、選択された送電器に接続されている送電コイル部との結合係数(不要結合量)に応じて、選択するかを判断する。一例として、結合係数が閾値未満であれば、当該受電器を選択せず、閾値以上であれば、当該受電器を選択する。不要結合の対象となる送電コイル部が複数存在するときは、最大の結合係数、結合係数の合計など、任意の代表値を用いて、同様の判断を行えばよい。送電制御器および受電制御器のうち送電制御器が受電器の選択を行った場合、選択した受電器を特定する情報を受電制御器に送信する。
受電制御器は、STEP3で選択された受電器を動作させる(オンにする)(STEP4)。受電器がオンにされた後、送電制御器が、STEP2で選択された送電器を動作させる(オンにする)(STEP5)。受電制御器は、受電器をオンにした後、その旨の情報を送電制御器に送信してもよい。この場合、送電制御器は、当該情報を受信した後で、送電器をオンにすればよい。
送電制御器または受電制御器は、負荷装置の要求電力が減少するかを判断し、減少しない場合、一定時間(規定時間)充電した後、同様の判断を行うことを繰り返す(STEP6、STEP7)。例えば外部(負荷装置等)から要求電力の減少指示が入力されたかを判断してもよい。または、予め定めた時間が経過した場合に電力を減少させることが予めプログラムされている場合は、充電開始から当該時間が経過したことをもって、要求電力を減少させると判断してもよい。または、負荷装置の充電量が一定値に達した場合に要求電力を下げる場合は、当該負荷装置の充電容量を検出し、検出値が一定値に達した場合に、要求電力を下げることを決定してもよい。ここで述べた例は一例であり、他の方法で判断してもよい。
送電制御器または受電制御器は、要求電力が減少することを決定した場合は、停止させる送電器を選択する(STEP8)。選択の方法は、減少後の送電電力を送電可能な限り、任意でよい。また、STEP3と同様にして、選択した送電器と同じ系統に属する受電器については、受電コイル部と他の系統の送電コイル部間の不要結合量と、閾値とに基づき、停止させるかを判断する(STEP9)。停止させる場合は、その受電器を停止対象として選択する。送電制御器は、STEP8で選択された送電器を停止し(STEP10)、次に、受電制御器は、STEP9で選択された受電器を停止させる(STEP11)。
次に、送電制御器または受電制御器は、負荷装置の要求電力が減少するかを判断し(STEP12)、減少しない場合は、一定時間(規定時間)充電を継続した後(STEP7)、STEP12の判断を再度行う。負荷装置の要求電力の減少が充電停止(例えば要求電力がゼロ)の場合は、動作している全ての送電器を停止し(STEP14)、次に、動作している全ての受電器を停止させる(STEP15)。これにより、負荷装置の充電が終了となる。一方、充電停止でない場合は、ステップS8に戻り、停止させる送電器の選択を行う。
本フローチャートに示した制御によって、充電開始時、要求電力減少時、充電終了時全ての段階で、受電器を損傷から保護することが可能となり、かつ無線電力伝送装置の消費電力を低減できる。
図9は、本実施形態に係る無線電力伝送装置のブロック図である。第1の実施形態(図1)では系統数が2であったが、ここでは系統数が4の場合の構成例を示す。すなわち、図1に示した送電装置に、送電器121、122(送電器3、4)と、送電コイル部123、124(送電コイル部3、4)が追加されている。図1に示した受電装置に、受電器127、128(受電器3、4)と、受電コイル部125、126(受電コイル部3、4)が追加されている。送電制御器110は、送電器1、2に加え、送電器3、4を制御する。受電制御器111は、受電器1、2に加え、受電器3、4を制御する。送電制御器110および受電制御器111は、上述した第2の実施形態に係る動作(図8等)を実行する。
図9の無線電力伝送装置の動作の具体例を述べる。最初、送電器1〜4のすべてと、受電器1〜4のすべてが起動しており、ある電力Pの伝送が行われているとする。各系統では同じ電力(P/4)が伝送されるとする(図8のSTEP1〜5)。送電の途中で、負荷装置の要求電力が減少し、Pの3/4になったとする(STEP6、STEP7)。送電を停止する送電器として、ここでは、送電器4を選択する(STEP8)。選択は任意に行ってもよいし、送電器を停止する順序を事前に定義しておいてもよい。送電器4に対応する受電器4について、受電コイル部4と送電コイル部1〜4との不要結合量(結合係数)に応じて停止させるかを判断する。ここでは、受電コイル部4と送電コイル部3との不要結合量とが閾値以上であるとして、受電器4を停止させない(起動を維持する)ことを決定する(STEP9)。よって、選択した送電器4を停止し(STEP10)、受電器4は停止させない。
次に、ある時間の経過後、負荷装置の要求電力がさらに減少し、Pの1/2になったとする(STEP12、STEP17)。送電を停止する送電器として、ここでは、送電器3を選択する(STEP8)。送電器3に対応する受電器3について、受電コイル部3と送電コイル部1、2との不要結合量(結合係数)に応じて、停止させるかを判断する。ここでは、受電コイル部3と送電コイル部1、2との不要結合量がそれぞれ閾値未満であるとして、受電器3を停止させることを決定する(STEP9)。また、送電器3を停止させる場合に、受電コイル部4と送電コイル部3との不要結合量も閾値未満になるため、受電器4も停止させることを決定する。よって、選択した送電器3を停止し(STEP10)、受電器3、4を停止させる(STEP11)。
次に、ある時間の経過後、負荷装置の要求電力がさらに減少し、Pの1/4になったとする(STEP12)。送電を停止する送電器として、ここでは、送電器2を選択する(STEP8)。送電器2に対応する受電器2について、受電コイル部2と送電コイル部1との不要結合量(結合係数)に応じて停止させるかを判断する。ここでは、受電コイル部2と送電コイル部1との不要結合量が閾値以上であるとして、受電器2を停止させないことを決定する(STEP9)。よって、選択した送電器2を停止し(STEP10)、受電器2は停止させない(STEP11)。
以上、本実施形態によれば、不要結合量が閾値未満の受電コイル部に接続された受電コイル部は停止することにより、無線電力伝送装置の低消費電力化の効果を得ることができる。
(第3の実施形態)
図10に、第3の実施形態に係る無線電力伝送装置を示す。第1の実施形態では1つの系統は1つの送電器、送電コイル部、受電コイル部、受電器を具備していたが、第3の実施形態では、2つの副送電器と、2つの副送電コイル部と、2つの副受電コイル部と、2つの副受電器で構成される。
より詳細には、図10において、1つ目の系統は、2つの副送電器301、302と、2つの副送電コイル部303、304と、2つの副受電コイル部305、306と、2つの副受電器307、308で構成される。2つ目の系統は、2つの副送電器311、312と、2つの副送電コイル部313、314と、2つの副受電コイル部315、316と、2つの副受電器317、318で構成される。図10の例では系統数は2であるが、3以上でもかまわない。また各系統の送電電力は、同じであっても異なってもかまわない。また、各系統の送電周波数は、同じであっても異なってもかまわない。
送電制御器110は、系統ごとに、2つの副送電コイル部に流れる電流位相が逆位相になるように、2つの副送電器を制御する。すなわち、1つ目の系統における2つの副送電コイル部303、304に流れる電流位相が逆位相になるように、2つの副送電器301、302を制御する。換言すれば、2つの副送電コイル部303、304に流れる電流の総和が最小または閾値以下になるように、2つの副送電器301、302で生成する交流電流の振幅および位相を制御する。また、2つ目の系統における2つの副送電コイル部313、314に流れる電流位相が逆位相になるように、2つの副送電器311、312を制御する。換言すれば、2つの副送電コイル部313、314に流れる電流の総和が最小または閾値以下になるように、2つの副送電器311、312で生成する交流電流の振幅および位相を制御する。この構成により、無線電力伝送装置から漏洩する漏洩電磁界を削減できる。なお、副送電コイル部303、304で生成する交流電流の振幅は同じであるとするが、異なる場合もあり得る。同様に、副送電コイル部313、314で生成する交流電流の振幅は同じであるとするが、異なる場合もあり得る。
無線電力伝送装置では、コイルに高周波電流が流れるため、この高周波電流を波源として漏洩電磁界が発生する。ここで、2つのコイルに流れる電流位相が逆位相の場合、2つのコイルから漏洩する電磁界は打消し効果により、削減される。本実施形態では、系統毎に、2つの副送電コイル対に流れる電流位相を逆位相として、この効果を得ている。ここで、副送電コイル対に流れる電流の周波数および振幅は同一とする。この結果、打消し効果が得られる。
一方、系統毎の送電周波数は任意でよい。全ての系統で送電の周波数を同一としてもよいし、異なった周波数としてもよい。例えば、1つ目の系統の周波数をf1(例えば副送電コイル部11と副送電コイル部12の共振周波数がf1)、2つ目の系統の周波数をf2(例えば副送電コイル部21と副送電コイル部22の共振周波数f2)とする。f1とf2は異なる周波数である。
系統間で送電周波数を同一とした場合には、利用周波数を1個にできる利点がある。しかしながら、逆位相による打消しで抑圧しきれなかった漏えい電磁界が、系統間で加算され、漏えい電磁界が増大する可能性がある。一方、系統毎に送電周波数を異なるようにした場合には、逆位相による打消しで抑圧しきれなかった漏えい電磁界は、周波数軸上で重ならない利点がある。しかしながら、2つの周波数を利用しなければいけないため構成が複雑になる可能性がある。また周波数は、各国の事情などで制限される場合があり、2つの周波数を利用できない場合もある。
なお、本実施形態では、副送電器の数が2であったが、3以上でもよい。例えば、副送電器の数が3の場合には、高周波電流の位相差が120度となるように3つの副送電器を動作させれば、それぞれに接続された3つの副送電コイル部からの漏洩電磁界は打消し関係となる。
本実施形態のその他の動作は、第1の実施形態と同様である。本実施形態において、ある系統からの送電を停止する場合、当該系統内のすべての副送電器を停止させればよい。また、本実施形態では、ある系統における受電動作を停止させる場合、ある系統内のすべての副受電器を停止させればよい。
また、送電を停止するある系統内の各副受電コイル部について、送電を行う他の系統内の各副送電コイル部との間の結合量(不要結合量)のうち最大のものを、当該ある系統と他の系統との間の不要結合量として用いてもよい。当該不要結合量が閾値未満であれば、当該ある系統内のすべての副受電器の動作を停止し、閾値以上であれば、当該ある系統内のすべての副受電器の動作を維持するようにしてもよい。
(第4の実施形態)
図11に、第1〜第3のいずれかの実施形態に係る無線電力伝送装置を鉄道に適用した例を示す概略平面図である。電車のような連結車両が、線路上を走行する。図では、説明のため、連結車両が線路の脇に沿って示されているが、実際には、連結車両は線路上に配置される。
3つの車両501、502、503に、2個ずつ受電コイル部が搭載されている。車両501に受電コイル部1、2が搭載され、車両502に受電コイル部3、4が搭載され、車両503に受電コイル部5、6が搭載されている。また各車両には、2つの受電コイル部に接続される2つの受電器と、負荷装置とも配置されている(図示せず)。負荷装置としては、電力を消費する冷房等の機器、電力を蓄積するバッテリー等がある。
車両501〜503に対向するように線路504上に複数の送電コイル部1〜6が配置されている。送電コイル部1、2は受電コイル部1、2に対向し、送電コイル部3、4は受電コイル部3、4に対向し、送電コイル部5、6は受電コイル部5、6に対向している。このような対向関係になるように、線路504に連結車両が停止している。
送電コイル部1、2に接続された2つの送電器、送電コイル部3、4に接続された2つの送電器、送電コイル部5、6に接続された2つの送電器、およびこれらの送電器に交流電圧を供給する1つまたは複数の交流電源が、線路内または線路の近傍に配置されている。
送電コイル部1、2から送電される高周波エネルギーは、受電コイル部1,2を介して車両501の負荷装置に供給される。送電コイル部3、4から送電される高周波エネルギーは、受電コイル部3,4を介して車両502の負荷装置に供給される。送電コイル部5、6から送電される高周波エネルギーは、受電コイル部5、6を介して車両503の負荷装置に供給される。
車両に搭載される機器の違いに応じて、車両ごとに要求する要求電力が異なる場合がある。本実施形態の無線電力伝送によれば、車両ごとに要求電力が異なったり、要求電力が増減したりしても、各車両に搭載された受電器にかかる損傷を抑制しつつ、無線電力伝送が可能となる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
100:交流電源
101、102、121、122:送電器
103、104、123、124:送電コイル部
110:送電制御器
105、106、125、126:受電コイル部
107、108、127、128:受電器
109:負荷装置
111:受電制御器
131:コンバータ
132:インバータ
282、282a、282b:容量
292、292a、292b:コイル
171:整流回路
172:昇降圧回路
301、302、311、312:副送電器
303、304、313、314:副送電コイル部
305、306、315、316:副受電コイル部
307、308、317、318:副受電器

Claims (11)

  1. 交流電力を生成する複数の送電器と、
    前記複数の送電器で生成された前記交流電力に応じた磁界を生成する複数の送電コイル部と、
    前記複数の送電コイル部にそれぞれ対応し、前記複数の送電コイル部で生成される磁界と結合することにより、前記交流電力を受電する複数の受電コイル部と、
    前記複数の受電コイル部で受電された前記交流電力を変換し、変換された電力を出力する複数の受電器と、
    前記複数の送電器と前記複数の受電器とを制御する制御器と、を備え、
    前記制御器は、前記複数の送電器のうち一部の送電器を停止させる場合に、前記一部の送電器以外の残りの送電器に対応する前記受電器の起動と、前記一部の送電器に対応する前記受電器の全部または一部の起動を、前記一部の送電器を停止させた後も維持するように制御する
    無線電力伝送装置。
  2. 前記制御器は、前記一部の送電器に対応する前記受電器に接続された前記受電コイル部と、前記残りの送電器に対応する前記送電コイル部との間の結合係数に応じて、前記一部の送電器に対応する前記受電器の起動を維持するかを決定する
    請求項1に記載の無線電力伝送装置。
  3. 前記制御器は、
    前記結合係数が閾値以上の前記受電コイル部に対応する前記受電器の起動を維持することを決定し
    前記結合係数が閾値未満の前記受電コイル部に対応する前記受電器を停止することを決定する
    請求項2に記載の無線電力伝送装置。
  4. 前記制御器は、前記複数の受電器から出力された前記電力を用いて動作する負荷装置の要求電力を表す情報を取得し、前記情報に基づき前記負荷装置の要求電力の減少を検出した場合に、前記複数の送電器の一部を停止するよう制御する
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載の無線電力伝送装置。
  5. 前記制御器は、前記交流電力の伝送を開始する場合、前記複数の受電器の起動が完了するまで、前記複数の送電器を停止させておき、前記複数の受電器の起動が完了した後、前記複数の送電器を起動するよう制御する
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の無線電力伝送装置。
  6. 前記送電器は、複数の副送電器を含み、
    前記送電コイル部は、複数の副送電コイル部を含み、
    前記受電コイル部は、複数の副受電コイル部を含み、
    前記受電器は、複数の副受電器を含み、
    前記送電器ごとに、前記複数の副送電器に流れる電流の振幅の総和を抑制するように前記複数の副送電器で生成する交流電力の振幅および位相を制御する
    請求項1ないし5のいずれか一項に記載の無線電力伝送装置。
  7. 前記送電器毎に前記交流電力の周波数が異なる
    請求項6に記載の無線電力伝送装置。
  8. 前記複数の受電器から出力された前記電力を用いる負荷装置
    をさらに備えた請求項1ないし7のいずれか一項に記載の無線電力伝送装置。
  9. 前記負荷装置は、前記電力を消費する抵抗体または前記電力を充電するバッテリーである
    請求項8に記載の無線電力伝送装置。
  10. 複数の受電コイル部と、前記複数のコイル部で受電された交流電力を変換する複数の受電器とを含む受電装置に対する送電装置であって、
    交流電力を生成する複数の送電器と、
    前記複数の受電コイル部にそれぞれ対応し、前記複数の送電器で生成された前記交流電力に応じた磁界を生成し、前記磁界を前記複数の受電コイル部に結合することにより、前記交流電力を送電する複数の送電コイル部と、
    前記複数の送電器のうち一部の送電器を停止させる場合に、前記一部の送電器以外の残りの送電器に対応する前記受電器の起動と、前記一部の送電器に対応する前記受電器の全部または一部の起動を、前記一部の送電器を停止させた後も維持するように制御する送電制御器と
    を備えた送電装置。
  11. 交流電力を生成する複数の送電器と、前記複数の送電器で生成された前記交流電力に応じた磁界を生成する複数の送電コイル部とを含む送電装置に対する受電装置であって、
    前記複数の送電コイル部にそれぞれ対応し、前記複数の送電コイル部で生成される磁界と結合することにより、前記交流電力を受電する複数の受電コイル部と、
    前記複数のコイル部で受電された交流電力を変換し、変換された電力を出力する複数の受電器と、
    前記複数の送電器のうち一部の送電器を停止させる場合に、前記一部の送電器以外の残りの送電器に対応する前記受電器の起動と、前記一部の送電器に対応する前記受電器の全部または一部の起動とを、前記一部の送電器を停止させた後も維持するように制御する受電制御器と
    を備えた受電装置。
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