JP2014154797A - 半導体光装置 - Google Patents

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則之 横内
Akihiko Kasukawa
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Abstract

【課題】 光フィールドをn型クラッド層側に偏在させ、かつ結晶欠陥の発生しにくい構造の半導体光素子を提供する。
【解決手段】 InPからなる基板の上に、基板に格子整合するGaInAsPまたはAlGaInAsPからなる高屈折率層を含むn型クラッド層が配置されている。n型クラッド層の上にInPからなる中間層が配置されている。中間層の上に、メサストライプ構造が配置されている。メサストライプ構造は、多重量子井戸構造を有する活性層、及び活性層の上に配置されたp型クラッド層を含む。メサストライプ構造の両側に電流阻止領域が配置されている。一対の電極が、活性層にキャリアを注入する。n型クラッド層の実効屈折率が、p型クラッド層の実効屈折率より高い。
【選択図】 図1

Description

本発明は、メサストライプ構造内に活性層を含む半導体光装置に関する。
InP基板上の1.2μm〜1.6μm帯の高出力レーザ素子に、GaInAsP系の活性層をInPのクラッドで埋め込んだ埋め込みヘテロ構造(BH構造)が採用されている。半導体レーザの光損失の要因の1つとして、価電子帯間吸収が挙げられる。価電子帯間吸収の大きさは正孔密度に比例するため、p型クラッド層での価電子帯間吸収が、光損失に大きな影響を与える。
下記の特許文献1に、光フィールドをn型クラッド側に偏在させた半導体レーザが開示されている。この半導体レーザでは、n型InP及びp型InPからなるクラッドが用いられる。n型クラッド層の一部に、n型GaInAsPからなる光フィールド制御層が挿入される。下記の特許文献2に開示された半導体レーザにおいては、n型クラッド層がGaInAsPで形成される。GaInAsPの屈折率は、InPの屈折率より大きいため、光フィールドがn型クラッド層の方に偏在する。下記の特許文献3に、活性層にAlGaInAsを用いた半導体レーザが開示されている。活性層は、基板上に形成されたメサ内に配置され、その両側に、電流阻止層が配置される。
光フィールドをp型クラッド層からn型クラッド層の方に偏在させることにより、p型クラッド層内での価電子帯間吸収による光損失を低減させることができる。
特開2000−174394号公報 特開2004−153212号公報 特開2001−102355号公報
InPに格子整合する条件の下で、n型GaInAsPからなるクラッド層の屈折率が大きくなる組成にすると、そのバンドギャップエネルギーが小さくなる。n型クラッド層のバンドギャップエネルギーは、キャリアを活性層に閉じ込めるために、InPのバンドギャップエネルギーに近いことが好ましい。GaInAsPのバンドギャップエネルギーをInPのバンドギャップエネルギーに近づけると、InPとGaInAsPとの屈折率の差も小さくなる。n型クラッド層とp型クラッド層との屈折率差が小さいと、光フィールドをn型クラッド層側に偏在させるために、n型クラッド層を十分厚くしなければならない。例えば、特許文献2に開示された半導体レーザのn型クラッド層の厚さは7.5μmにされている。
GaInAsPをこのような厚さに成膜すると、メサを形成する際に、メサの両側にAsを含むn型クラッド層が露出する。メサ形成後、メサの両側に、電流阻止層を再成長させる。電流阻止層には、通常InPが用いられる。Asを含むn型クラッド層の表面に、Pを含む半導体層を成長させる場合、その成長界面(以下、「As/P界面」という、)に結晶欠陥が発生しやすい。この結晶欠陥が、半導体レーザ素子の信頼性低下や歩留り低下の原因となることが懸念される。
本発明の目的は、光フィールドをn型クラッド層側に偏在させ、かつ結晶欠陥の発生しにくい構造の半導体光装置を提供することである。
本発明の一観点によると、
InPからなる基板と、
前記基板の上に配置され、InPからなる前記基板に格子整合するGaInAsPまたはAlGaInAsPからなる高屈折率層を含むn型クラッド層と、
前記n型クラッド層の上に配置されたInPからなる中間層と、
前記中間層の上に配置され、多重量子井戸構造を有する活性層、及び前記活性層の上に配置されたp型クラッド層を含むメサストライプ構造と、
前記メサストライプ構造の両側に配置された電流阻止領域と、
前記活性層にキャリアを注入する一対の電極と
を有し、
前記n型クラッド層の実効屈折率が、前記p型クラッド層の実効屈折率より高い半導体光装置が提供される。
本発明の他の観点によると、
InPからなる基板上に、前記基板に格子整合するGaInAsPまたはAlGaInAsPからなる高屈折率層を含むn型クラッド層を形成する工程と、
前記n型クラッド層の上にInPからなる中間層を形成する工程と、
前記中間層の上に、活性層を形成する工程と、
前記活性層の上にp型クラッド層を形成する工程と、
前記活性層及び前記p型クラッド層の一部分を、前記中間層が露出するまでエッチングして、前記活性層及び前記p型クラッド層を含むメサストライプ構造を残す工程と、
前記メサストライプ構造の両側の前記基板の上に電流阻止領域を形成する工程と、
前記活性層にキャリアを注入する一対の電極を形成する工程と
を有し、
前記n型クラッド層の実効屈折率が、前記p型クラッド層の実効屈折率より高い半導体光装置の製造方法が提供される。
n型クラッド層に、p型クラッド層より屈折率の高いGaInAsPまたはAlGaInAsPを用いることにより、光フィールドをn型クラッド層側に偏在させることができる。n型クラッド層の上にAsを含まない中間層を配置することにより、As/P界面に起因する結晶欠陥の発生を抑制することができる。
図1Aは、実施例1による半導体光素子の平面図であり、図1Bは、図1Aの一点鎖線1B−1Bにおける断面図である。 図2Aは、実施例1による半導体光素子のコア層の断面図であり、図2Bは、実施例1の変形例による半導体光素子のコア層の断面図である。 図3A及び図3Bは、実施例1による半導体光素子の製造途中段階における断面図である。 図3C及び図3Dは、実施例1による半導体光素子の製造途中段階における断面図である。 図4は、実施例1の変形例による半導体光素子の断面図である。 図5Aは、実施例2による半導体光素子の製造途中段階における断面図である、図5Bは、実施例2による半導体光素子の断面図である。 図6は、実施例2の変形例による半導体光素子の断面図である。 図7は、実施例3による半導体光装置の概略断面図である。 図8A〜図8Dは、実施例1、実施例2、及びそれらの変形例による半導体光素子をヒートシンクに搭載したときの半導体光素子及びヒーシンクの断面図である。
[実施例1]
図1Aに、実施例1による半導体光素子20の例として半導体レーザの平面図を示す。長方形の平面形状を有する基板21の上に、一方向に長いメサストライプ構造30が形成されている。基板21及びメサストライプ構造30は、メサストライプ構造30の長手方向と交差する一対の端面を有する。一方の端面に高反射膜31が形成され、他方の端面に反射防止膜32が形成されている。メサストライプ構造30内で誘導放出により発生したレーザビームが、反射防止膜32から外部に放射される。なお、反射防止膜32を無反射コーティングにすることにより、半導体光素子を、分布帰還型(DFB)レーザとして動作させることも可能である。他の例として、両端を無反射コーティングにすることにより、半導体光素子を、半導体光増幅器(SOA)として動作させることも可能である。
図1Bに、図1Aの一点鎖線1B−1Bにおける断面図を示す。n型InPからなる基板21の上に、n型GaInAsPからなるn型クラッド層22が形成され、その上にn型InPからなる中間層36が形成されている。中間層36の厚さは、例えば10nm程度である。中間層36の上に、メサストライプ構造30が形成されている。中間層36は、メサストライプ構造30の両側の領域まで広がり、n型クラッド層22の全面を覆う。基板21の面方位は(100)である。メサストライプ構造30は、コア層35、及びその上に配置されたp型InPからなるp型クラッド層26を含む。
コア層35は、n側分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)層23とp側分離閉じ込めヘテロ構造(SCH)層25とで、活性層24を挟んだ積層構造を有する。活性層24に対して、n側SCH層23がn型クラッド層22側に配置され、p側SCH層26がp型クラッド層26側に配置されている。n型クラッド層22を形成するGaInAsPの各元素の組成比は、InPの基板21に格子整合するように選択されている。コア層35の詳細な構造については、後に図2Aを参照して説明する。
メサストライプ構造30の両側の中間層36の上に、それぞれ電流阻止領域40が配置されている。電流阻止領域40は、p型InP層41とn型InP層42とを含む。n型InP層42とp型InP層41との上下関係は、n型クラッド層22とp型クラッド層26との上下関係と逆である。実施例1においては、p型InP層41がn型InP層42の下に配置されている。
p型InP層41及びn型InP層42の代わりに、それぞれp型InP系材料層及びn型InP系材料層を用いてもよい。ここで、「InP系材料」とは、III族元素としてInを含み、V族元素としてPを含み、InP基板上にエピタキシャル成長可能な化合物半導体材料を意味する。InP系材料の例として、InP、GaInAsP等が挙げられる。
p型クラッド層26及び電流阻止領域40の上に、2層目のp型クラッド層27が配置されている。2層目のp型クラッド層27は、p型InPで形成される。2層目のp型クラッド層27の上に、p型GaInAsPまたはp型GaInAsからなるp型コンタクト層33が配置されている。p型コンタクト層33の上にp側電極28が形成されている。基板21の背面に、n側電極29が形成されている。p側電極28は、p型コンタクト層33にオーミックコンタクトし、n側電極29は、基板21にオーミックコンタクトする。
メサストライプ構造30の厚さ方向に順方向バイアスが印加されるように、n側電極29及びp側電極28に直流電圧が印加される。このとき、電流阻止領域40のpn接合には逆方向バイアスが印加されるため、電流阻止領域40にはほとんど電流が流れない。このため、メサストライプ構造30に電流が集中し、活性層24へのキャリアの注入効率を高めることができる。
n型クラッド層22の屈折率がp型クラッド層26の屈折率より高い。このため、光フィールド45がp型クラッド層26からn型クラッド層22の方に偏在する。
図2Aに、コア層35の断面図を示す。活性層24が、n側SCH層23とp側SCH層25とで挟まれている。活性層24は、バリア層24Bと井戸層24Wとを含む多重量子井戸構造を有する。バリア層24Bと井戸層24Wとは交互に積層されており、積層方向の両端にバリア層24Bが配置される。バリア層24B及び井戸層24Wは、アンドープのGaInAsP系材料で形成されている。ここで、GaInAsP系材料とは、III族元素としてGa及びInを含み、V族元素としてAs及びPを含む化合物半導体材料を意味する。バリア層24Bのバンドギャップエネルギーが井戸層24Wのバンドギャップエネルギーより大きくなるように、構成元素の組成比が選択されている。
n側SCH層23は、バンドギャップエネルギーが相互に異なる3層のアンドープのGaInAsP系材料層23A〜23Cで構成されている。n側SCH層23内のバンドギャップエネルギーは、n型クラッド層22から活性層24に向かって、階段状に小さくなっている。バンドギャップエネルギーが相互に異なるGaInAsP系材料層を4層以上にしてもよい。または、n側SCH層23を、活性層24に向かってバンドギャップエネルギーが連続的に小さくなる構成としてもよい。p側SCH層25は、n側SCH層23を上下反転させた構造を有する。すなわち、p側SCH層25も、バンドギャップエネルギーの異なる3層のアンドープのGaInAsP系材料層25A〜25Cを含む。p側SCH層25内のバンドギャップエネルギーも、p型クラッド層26から活性層24に向かって階段状または連続的に小さくなる。
図2Bに示すように、バリア層24B及び井戸層24Wを、アンドープのAlGaInAs系材料で形成してもよい。ここで、AlGaInAs系材料とは、III族元素としてAl、Ga及びInを含み、V族元素としてAsを含む化合物半導体材料を意味する。この場合も、バリア層24Bのバンドギャップエネルギーが井戸層24Wのバンドギャップエネルギーより大きくなるように、構成元素の組成比が選択される。この場合、n側SCH層23及びp側SCH層25も、活性層24と同様に、GaInAsP系材料に代えて、AlGaInAs系材料で形成することが好ましい。
n側SCH層23及びp側SCH層25は、活性層24より大きいバンドギャップエネルギーを有し、キャリアを活性層24に閉じ込める。n側SCH層23及びp側SCH層25の屈折率は活性層24の屈折率より小さい。ただし、n側SCH層23及びp側SCH層25は、光を閉じ込めるための十分な厚さを有しないため、これらの層の光閉じ込め機能は小さい。光閉じ込め機能は、主としてn型クラッド層22及びp型クラッド層26で実現される。
次に、図3A〜図3Dを参照して、実施例1による半導体光素子の製造方法について説明する。
図3Aに示すように、n型InPからなる基板21の上に、n型クラッド層22、中間層36、n側SCH層23、活性層24、p側SCH層25、及びp型クラッド層26を
順番に成長させる。これらの膜の成長には、例えば有機金属化学気相成長(MOCVD)法等を適用することができる。p型クラッド層26の上にマスクパターン46を形成する。マスクパターン46は、メサストライプ構造30(図1A)に整合する平面形状を有する。
図3Bに示すように、マスクパターン46をエッチングマスクとして用いて、p型クラッド層26及びコア層35をエッチングし、中間層36の表層部でエッチングを停止させる。このエッチングには、ドライエッチングまたはウェットエッチングを適用することができる。このエッチングにより、コア層35及びp型クラッド層26を含むメサストライプ構造30が形成される。メサストライプ構造30の側面は、メサストライプ構造30の底部が頂部より広くなる向きに傾斜している。メサストライプ構造30は、いわゆる「順メサ構造」を有する。中間層36は、n型クラッド層22の表面の全域に残存する。
図3Cに示すように、メサストライプ構造30の両側の中間層36の上に、p型InP層41及びn型InP層42を形成する。これにより、メサストライプ構造30の両側に埋め込まれた電流阻止領域40が形成される。p型InP層41及びn型InP層42の形成には、マスクパターン46をマスクとして用いた選択成長が適用される。電流阻止領域40を形成した後、マスクパターン46を除去する。
図3Dに示すように、メサストライプ構造30及び電流阻止領域40の上に、p型クラッド層27及びp型コンタクト層33を形成する。p型クラッド層27及びp型コンタクト層33の形成には、例えばMOCVD法が適用される。その後、図1Bに示したように、p側電極28及びn側電極29を形成する。メサストライプ構造30に直交する方向にへき開し、複数のレーザチップが横方向に並んだレーザバーの状態にする。このへき開により、レーザチップの端面が露出する。図1Aに示したように、レーザバーの露出した端面に、高反射膜31及び反射防止膜32を形成する。その後、p側電極28からn側電極29までの積層構造をレーザチップ単位に分割する。
次に、n型InPからなる中間層36を配置する効果について説明する。中間層36は、メサストライプ構造30(図3B)を形成するときに、エッチング停止層として機能する。さらに中間層36は、n型GaInAsPからなるn型クラッド層22が大気に暴露されることを防止する保護膜としても機能する。
電流阻止領域40(図3C)を再成長させるときの下地表面が中間層となるため、再成長界面がAsを含まない。このため、As/P界面に起因する結晶欠陥の発生を防止することができる。電流阻止領域40を再成長させるときの下地表面が、電流阻止領域40と同一の材料であるInPで形成されているため、再成長界面に結晶欠陥が生じにくい。
上記実施例1では、n型クラッド層22(図1B)をn型GaInAsPからなる単一の層で形成したが、相互に組成の異なる複数の混晶半導体層で形成してもよい。このとき、少なくとも1つの層は、GaInAsPまたはAlGaInAsPを含む高屈折率層とする。この高屈折率層が、図1Bに示したGaInAsPからなるn型クラッド層22と同じ機能を有する。すなわち、高屈折率層の屈折率は、p型クラッド層26の屈折率より高い。このため、高屈折率層を含むn型クラッド層22の実効屈折率は、p型クラッド層の実効屈折率より高い。実施例1では、n型クラッド層22が高屈折率層として機能する。光フィールドをn型クラッド層22の方に十分偏在させるために、高屈折率層の厚さを500nm以上とすることが好ましい。
例えば、高屈折率層を、組成が相互に異なる複数のGaInAsP系材料層またはAlGaInAsP系材料層を含む積層構造としてもよい。例えば、n型クラッド層22を、
GaInAsP層とInP層とを含む多層構造としてもよい。
実施例1による半導体光素子は、例えばエルビウムドープファイバ増幅器用の励起用光源として使用される。この用途で使用する場合、活性層24のバリア層24Bと井戸層24W(図2A)のGaInAsPの構成元素の組成比は、発振波長が約1400nm以上1500nm未満の波長、一例として1480nmになるように選択される。その他に、実施例1による半導体光素子は、1.5μm帯等のフルバンドチューナブルレーザモジュールの半導体光増幅器(SOA)に適用することができる。
さらに、実施例1では、メサストライプ構造30(図1B)の両側に、厚さ10nm程度の薄い中間層36を介して、InPより屈折率の高いGaInAsPからなるn型クラッド層22が広がっている。このため、横方向に関して、メサストライプ構造30内の領域と、それよりも外側の領域との実効屈折率差が小さくなる。その結果、高次横モードのカットオフメサ幅が広くなる。例えば、メサストライプ構造30の頂部の幅を3μm以上にしても、高次横モードの発生を抑制し、単一モードで発振させることができる。メサ幅を広くすることにより、素子抵抗を低減させることが可能になる。
[実施例1の変形例]
図4に、実施例1の変形例による半導体光素子の断面図を示す。この変形例では、電流阻止領域40に、単層の半絶縁性InP系材料層が用いられる。半絶縁性InP系材料として、例えばFeドープInPが挙げられる。
[実施例2]
図5Aに、実施例2による半導体光素子の断面図を示す。以下、実施例1との相違点について説明し、同一の構成については説明を省略する。実施例1では、n型InPからなる中間層36(図1B)が、n型クラッド層22の全面を覆っていた。実施例2では、n型InPからなる中間層36が、メサストライプ構造30の下部のみに配置されており、メサストライプ構造30の両側には、中間層36が広がっていない。
次に、実施例2による半導体光素子の製造方法について説明する。実施例1の図3Bに示した状態に至るまでの工程は、実施例1と実施例2とで共通である。
図5B示すように、メサストライプ構造30の両側に露出している中間層36(図3B)をドライエッチングする。以下、ドライエッチングの工程について具体的に説明する。メサストライプ構造30の両側に中間層36が露出した状態の基板(図3B)を、電流阻止領域40(図5A)を形成するための結晶成長装置のチャンバ内に装填する。チャンバ内にエッチングガスを供給することにより、中間層36をエッチングする。エッチングガスとして、GaInAsPに対してInPを選択的にエッチングできるガス、例えばCBrを用いることができる。中間層36がエッチングされた領域に、n型クラッド層22が露出する。
図5Aに示したように、露出したn型クラッド層22の上に、電流阻止領域40を選択成長させる。中間層36のエッチング及び電流阻止領域40の再成長を、同一のチャンバ内で行うため、n型クラッド層22の露出した表面が大気に暴露されることがない。このため、電流阻止領域40の結晶性を良好に保って、結晶成長を行うことが可能である。
中間層36のエッチングと、電流阻止領域40の再成長とを、必ずしも同一のチャンバ内で行う必要はない。例えば、エッチング用チャンバと、結晶成長用チャンバとが、相互に連結された半導体製造装置を用いてもよい。中間層36のエッチングが終了すると、エッチング用チャンバから結晶成長用チャンバに、基板が大気に暴露されることなく搬送さ
れる。このように、n型クラッド層22が露出した後、電流阻止領域40を成長させるまでの間、n型クラッド層22の表面が大気に暴露されないプロセスを採用すればよい。
通常、メサストライプ構造を形成するために、基板表面を一度大気に暴露すると、表面に酸化膜が形成される。この酸化膜により、再成長界面に欠陥を生じさせる恐れがある。このため、再成長を行う直前に、硫酸などで前処理を行う必要がある。しかしながら、硫酸処理を行ったとしても、硫酸処理から、基板を再成長用の装置内に配置するまでの間に、基板表面に薄い酸化膜が形成されてしまう。中間層36を装置内でエッチングする方法でも、基板を装置内に配置する前に、硫酸処理を行う必要がある。実施例2のように装置内でInP中間層36のエッチングを行うことにより、基板の移動中に形成されたメサストライプ構造30の両側のInP中間層36上の酸化膜をInP中間層ごと除去することができる。実施例2では、メサストライプ構造30の両側の広い領域に形成されていた薄い酸化膜を除去できるので、再成長を行う際、As/P界面が露出したとしても、欠陥を生じるリスクを少なくできる。
[実施例2の変形例]
図6に、実施例2の変形例による半導体光素子の断面図を示す。実施例2では、電流阻止領域40が、p型InP層41とn型InP層42との2層で構成されていた。実施例2の変形例では、電流阻止領域40が、この2層の他にAlGaInAs層43を含む。図6は、n型AlGaInAs層43を、p型InP層41とn型InP層42との間に配置した例を示している。AlGaInAs層43は、電流阻止領域40内の他の位置に挿入してもよい。例えば、p型InP層41とn型クラッド層22との間に挿入してもよい。この構成の場合には、AlGaInAsの導電型をp型とする。また、n型InP層42の上にn型AlGaInAs層43を配置してもよい。
実施例2の変形例では、メサストライプ構造30の両側に、InPより屈折率の高いAlGaInAs層43が配置されている。このため、実施例2に比べて、横方向に関する屈折率差が低減され、高次横モードのカットオフメサ幅が、より広くなる。すなわち、メサストライプ構造30の頂部のメサ幅Wを広くしても、シングルモードで発振させることができる。実施例2に比べて、メサ幅Wを広くすることができるため、素子抵抗を低減させることが可能になる。
AlGaInAs層43に代えて、InPより屈折率が高く、InPに格子整合する材料を用いてもよい。このような材料として、AlInAs、GaInAsP等が挙げられる。
[実施例3]
図7に、実施例3による半導体装置の例として、励起用光源の断面図を示す。実施例3による半導体装置は、例えばエルビウムドープ光ファイバ増幅器の励起用光源として使用される。セラミックス製のパッケージ60の底面に、温度調整モジュール61が搭載されている。温度調整モジュール61には、例えばペルチェ素子が用いられる。温度調整モジュール61の上にベース62が固定されている。
ベース62に、ヒートシンク63、レンズ66、アイソレータ67、及びフォトディテクタ70が固定されている。ヒートシンク63に、半導体光素子64及びサーミスタ65が搭載されている。半導体光素子64には、上記実施例1、実施例2、またはこれらの変形例による半導体光素子が用いられる。パッケージ60の側面に貫通孔が形成されており、この貫通孔内に、レンズ68、及び光ファイバ69の入射端が固定されている。
温度調整モジュール61は、ヒートシンク63を介して半導体光素子64の温度を調節
する。一般的には、半導体光素子64が温度調整モジュール61によって冷却される。なお、温度調整モジュール61を省略し、ヒートシンク63からの自然放熱により半導体光素子64を冷却してもよい。ヒートシンク63は、放熱フィンが設けられた外形を有するものに限定されない。例えば、熱伝導率の高い金属板をヒートシンク63として用いることも可能である。半導体光素子64から出射したレーザビームが、レンズ66でコリメートされる。コリメートされたレーザビームが、アイソレータ67を経由してレンズ68に入射する。レンズ68は、入射したレーザビームを、光ファイバ69の入射端面に集光する。サーミスタ65は、ヒートシンク63を介して、半導体光素子64の動作中の温度を計測する。半導体光素子64の高反射膜から漏れたレーザビームが、フォトディテクタ70で検出される。
図8A〜図8Dに、それぞれ実施例1(図1B)、実施例1の変形例(図4)、実施例2(図5A)、及び実施例2の変形例(図6)による半導体光素子64をヒートシンク63に搭載した時のヒートシンク63及び半導体光素子64の断面図を示す。実施例1、実施例2、及びこれらの変形例による半導体光素子64の実装形態は、ジャンクションダウンである。
いずれの場合も、コア層35から見て、n型クラッド層22が、ヒートシンク63とは反対側に位置する姿勢で、半導体光素子64がヒートシンク63に実装される。通常、三元または四元混晶半導体は、InP等の二元化合物半導体よりも熱伝導率が低い。図8A〜図8Dに示した実装形態では、発熱源である活性層24とヒートシンク63との間に、三元または四元混晶半導体のn型クラッド層22が配置されない。すなわち、一対の電極のうち、活性層24から見てn型クラッド層22とは反対側の電極が、温度調整モジュール61(図7)に熱的に結合している。この構成により、活性層24(図2A、図2B)を効率的に冷却することができる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
20 半導体光素子
21 基板
22 n型クラッド層
23 n側分離閉じ込めヘテロ構造層(n側SCH層)
24 活性層
24B バリア層
24W 井戸層
25 p側分離閉じ込めヘテロ構造層(p側SCH層)
26 p型クラッド層
27 2層目のp型クラッド層
28 p側電極
29 n側電極
30 メサストライプ構造
31 高反射膜
32 反射防止膜
33 p型コンタクト層
35 コア層
36 中間層
40 電流阻止領域
41 p型InP層
42 n型InP層
43 AlGaInAs層
45 光フィールド
46 マスクパターン
60 パッケージ
61 温度調整モジュール
62 ベース
63 ヒートシンク
64 半導体光素子
65 サーミスタ
66 レンズ
67 アイソレータ
68 レンズ
69 光ファイバ
70 フォトディテクタ

Claims (12)

  1. InPからなる基板と、
    前記基板の上に配置され、InPからなる前記基板に格子整合するGaInAsPまたはAlGaInAsPからなる高屈折率層を含むn型クラッド層と、
    前記n型クラッド層の上に配置されたInPからなる中間層と、
    前記中間層の上に配置され、多重量子井戸構造を有する活性層、及び前記活性層の上に配置されたp型クラッド層を含むメサストライプ構造と、
    前記メサストライプ構造の両側に配置された電流阻止領域と、
    前記活性層にキャリアを注入する一対の電極と
    を有し、
    前記n型クラッド層の実効屈折率が、前記p型クラッド層の実効屈折率より高い半導体光装置。
  2. 前記中間層は、前記メサストライプ構造の両側の前記n型クラッド層を覆う請求項1に記載の半導体光装置。
  3. 前記活性層は、GaInAsP系材料層及びAlGaInAs系材料層の少なくとも一方を含む多重量子井戸構造を有する請求項1または2に記載の半導体光装置。
  4. 前記電流阻止領域は、少なくともn型InP系材料層とp型InP系材料層とを含み、前記n型InP系材料層が前記p型InP系材料層の上に配置されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  5. 前記電流阻止領域は、半絶縁性のInP層を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  6. さらに、
    前記活性層と前記中間層との間に配置されたn側分離閉じ込めヘテロ層と、
    前記活性層と前記p型クラッド層との間に配置されたp側分離閉じ込めヘテロ層と
    を有し、
    前記n側分離閉じ込めヘテロ層及び前記p側分離閉じ込めヘテロ層の各々は、GaInAsPまたはAlGaInAsを含み、前記活性層に向かってバンドギャップエネルギーが連続的に、または階段状に小さくなっている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  7. 前記電流阻止領域は、さらに、GaInAsP、AlGaInAs、またはAlInAsからなる層を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  8. 前記メサストライプ構造の前記活性層の幅が3μm以上である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  9. さらに、ヒートシンクを有し、
    前記一対の電極の一方は前記基板の背面に形成され、他方は前記メサストライプ構造の上に形成されており、
    前記一対の電極のうち、前記活性層から見て前記n型クラッド層とは反対側の電極が、前記ヒートシンクに熱的に結合している請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  10. 前記基板及び前記メサストライプ構造は、前記メサストライプ構造の長手方向と交差す
    る一対の端面を含み、
    さらに、
    入射端面を有する光ファイバと、
    前記一対の端面の一方から出射したレーザビームを、前記光ファイバの前記入射端面に結合させるレンズと
    を有する請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体光装置。
  11. InPからなる基板上に、前記基板に格子整合するGaInAsPまたはAlGaInAsPからなる高屈折率層を含むn型クラッド層を形成する工程と、
    前記n型クラッド層の上にInPからなる中間層を形成する工程と、
    前記中間層の上に、活性層を形成する工程と、
    前記活性層の上にp型クラッド層を形成する工程と、
    前記活性層及び前記p型クラッド層の一部分を、前記中間層が露出するまでエッチングして、前記活性層及び前記p型クラッド層を含むメサストライプ構造を残す工程と、
    前記メサストライプ構造の両側の前記基板の上に電流阻止領域を形成する工程と、
    前記活性層にキャリアを注入する一対の電極を形成する工程と
    を有し、
    前記n型クラッド層の実効屈折率が、前記p型クラッド層の実効屈折率より高い半導体光装置の製造方法。
  12. 前記中間層が露出するまでエッチングした後、前記電流阻止領域を形成する前に、さらに、前記メサストライプ構造の両側に露出している前記中間層をエッチングして、前記n型クラッド層を露出させる工程を有し、
    前記n型クラッド層が露出した後、前記電流阻止領域を形成するまでの間、露出している前記n型クラッド層の表面を大気に暴露させない請求項11に記載の半導体光装置の製造方法。
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