JP2014153345A - 封止構造体、封止構造体の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents
封止構造体、封止構造体の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】気密容器としての機能が損なわれる気密リーク不良を防止し、且つオーミックコンタクトの良好な封止構造体を提供する。
【解決手段】封止構造体8は、第1面13に設けられている第2の凹部15と、第2の凹部15内と第1面13と表裏関係の第2面20とを貫通する第1貫通孔10とが設けられている第1基板としての第1基体11と、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で第1基体11に接合されている第2基板としての第2基体3と、第2の凹部15に対向する第2基体3に接するとともに、第1貫通孔10の内面を介し第2面20に延在されている導電層としての第1電極16(第1導電層)、第2電極17(第2導電層)、スルーホール電極18、および外部電極19と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】封止構造体8は、第1面13に設けられている第2の凹部15と、第2の凹部15内と第1面13と表裏関係の第2面20とを貫通する第1貫通孔10とが設けられている第1基板としての第1基体11と、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で第1基体11に接合されている第2基板としての第2基体3と、第2の凹部15に対向する第2基体3に接するとともに、第1貫通孔10の内面を介し第2面20に延在されている導電層としての第1電極16(第1導電層)、第2電極17(第2導電層)、スルーホール電極18、および外部電極19と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、封止空間から外部への電気的導通手段を有する封止構造体、封止構造体の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体に関する。
従来、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして、半導体基板あるいはガラス基板などのパッケージ基板上に機能素子が設けられた加速度センサー、ジャイロセンサーなどが提案されている。例えば、特許文献1には、半導体基板を用いて形成されたセンサーチップ(センサー素子)の表裏面側に、それぞれ接合された第1のパッケージ用基板と、第2のパッケージ用基板とを備えた半導体センサーの一例としての加速度センサーが開示されている。
この加速度センサーでは、センサーチップに矩形枠状のフレーム部が備えられ、フレーム部の内側に配置される重り部がフレーム部の表面側において可撓性を有する薄肉の撓み部を介してフレーム部に揺動自在に支持されている。なお、第1のパッケージ用基板におけるセンサーチップの対向面には、センサーチップの厚み方向への揺動空間を確保する凹部が形成されており、その凹部内に位置するフレーム部に配置されたピエゾ抵抗と、ピエゾ抵抗と電気的に接続されたパッドとが設けられている。このパッドは、パッド面に設けられた電極層と、第1のパッケージ用基板の厚み方向に貫設された貫通配線の内端部に設けられた電極層とが圧接されることで電気的導通が取られ、貫通配線を介して外部電極に接続されている。また、第1のパッケージ用基板は、凹部の外周となる面の全周に亘って、対向するフレーム部と接合されている。第2のパッケージ用基板は、フレーム部の全周に亘って接合されており、第1のパッケージ用基板とフレーム部と第2のパッケージ用基板とでパッケージとしての気密容器を構成している。
上述の特許文献1による加速度センサーでは、第1のパッケージ用基板と対向するフレーム部との接合が、第1のパッケージ用基板の凹部の外周となる面で行われている。そのため、それぞれの部材の接合面に凹凸があったり、平坦度が悪かったりすることにより、接合時にボイドと呼ばれる未接合部が生じてしまうことがあった。このボイドの発生により気密容器としての機能が損なわれる気密リーク不良の増大、あるいは気密信頼性が低下してしまうという課題を有していた。また、ピエゾ抵抗と外部電極との電気的接続が、パッド面に設けられた電極層と、第1のパッケージ用基板の厚み方向に貫設された貫通配線の内端部に設けられた電極層とが圧接されることによってなされるが、圧接面の汚染あるいは圧接部分の電極層の変形などにより、圧接部分のオーミックコンタクトが不安定となるという課題も有していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る封止構造体は、第1面および該第1面と表裏関係にある第2面を備え、前記第1面に設けられている凹部と、前記凹部の底面から前記第2面に貫通する第1貫通孔と、が設けられている第1基板と、前記凹部の外周で前記第1基板に接合されている第2基板と、前記第2面から前記貫通孔の内面を介し前記第2基板に接続されている導電層と、が設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板に接合されている第2基板との間の気密領域が、凹部の底面と該底面に対向する第2基板とに接する導電層と、凹部の外周を囲む封止領域での接合との2つの部位によって形成されることになる。このように、2つの部位で封止が行われるため、第1基板と第2基板との接合領域にボイドを生じても、導電層の接合部位によって気密性を維持することができ、気密封止性を向上させることができる。このように、気密領域から第1基板の外面である第2面まで気密性を損ねることなく、安定的な電気的接続を図ることが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の封止構造体において、前記導電層は、前記凹部内において、前記凹部の底面に設けられた第1導電層と、前記凹部に対向する前記第2基板面に設けられた第2導電層と、が接合されて設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、凹部の底面に第1導電層、および凹部に対向する領域の第2基板面に第2導電層が設けられていることから、第2基板とのオーミックコンタクトを安定させることが可能となり、電気的接続の安定性を高めることが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の封止構造体において、前記第1導電層と前記第2導電層とは、平面視で少なくとも一部が重なっていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板と第2基板とを接合させるだけで、重なっている凹部内の第1導電層と第2基板面の第2導電層とが圧接され、この圧接によって電気的導通を確保することができる。
[適用例4]上記適用例に記載の封止構造体において、前記凹部内に設けられている導電層の容積は、前記凹部の容積よりも大きいことを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板と第2基板とを圧接する際に、導電層が凹部内に押し込められる。即ち、導電層の凹部以外への逃げ場が無くなることになり、より強い圧接を行うことができる。これにより確実な電気的導通を確保することができる。
[適用例5]上記適用例に記載の封止構造体において、前記第2基板には、平面視で前記凹部に対向する位置に表裏を貫通する第2貫通孔が設けられており、前記第1貫通孔は、封止部材によって封止されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第2貫通孔が第2基板に設けられていることにより、第2貫通孔と第1貫通孔とを介して第2基板の凹部側と反対側の面側の領域の排気、あるいは気体充填などが可能となる。また、第1貫通孔を封止部材で封止すれば気密性を確保することができる。
[適用例6]本適用例に係る封止構造体の製造方法は、第1基板に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部の底面に第1導電層を形成する第1導電層形成工程と、第2基板に前記凹部の外周より内側の外縁を有する第2導電層を形成する第2導電層形成工程と、前記凹部の底面から、前記第1基板の第1面と反対側の第2面に貫通する第1貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、前記第1導電層と前記第2導電層との少なくとも一部が平面視で重なり、且つ前記第2導電層が前記凹部内に収まるように前記第2基板を第1基板上に配置し、前記第1基板と前記第2基板とを前記凹部の外周で接合する接合工程と、前記貫通孔の内面を介し、前記第1導電層から前記第2面に延在する第3導電層を形成する第3導電層形成工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板の凹部の底部に形成された第1導電層と、その凹部に対向する第2基板面に形成された第2導電層と、貫通孔の内面を介して第2面に延在する第3導電層とによって第2面と第2基板との電気的導通を確保することができる。これにより、それぞれの導電層間、あるいは、第2基板と第2導電層とのオーミックコンタクトを安定させることが可能となり電気的導通を安定させた封止構造体を提供することができる。また、貫通孔を囲む第1導電層と第2導電層とが密着すること、および凹部の外周を囲む封止領域での接合との2つの接合によって第1基板と第2基板とが接合されることから気密領域の封止性を向上させることができ、気密性を向上させた封止構造体を提供することができる。
[適用例7]上記適用例に記載の封止構造体の製造方法において、前記第1導電性形成工程後に前記貫通孔形成工程を行い、前記貫通孔形成工程では、前記第2面側から前記凹部の底面に達しない非貫通孔を形成する第1穴明け工程と、前記非貫通孔の孔底部をエッチング加工し、前記第1導電層をエッチングストップ層として用いて前記第1基板を貫通させる第2穴明け工程と、を含むことを特徴とする。
本適用例によれば、作業効率の高い工法の第1穴明け工程を用いて非貫通孔を形成し、さらに第1導電層をエッチングストップ層として用いる精密な工法の第2穴明け工程を用いて貫通孔を形成することができる。これにより、効率よく精度の高い貫通孔を形成することができる。
[適用例8]上記適用例に記載の封止構造体の製造方法において、前記接合工程では、前記第1基板と前記第2基板との間に封止媒体を介さない直接接合が用いられていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1基板と第2基板とが直接接合を用いて接合されているため、接合を容易に行うことが可能となる。
[適用例9]本適用例に係る電子デバイスは、適用例1ないし適用例5のいずれか一例に記載の封止構造体を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、導電性が確保され、気密信頼性の高い封止構造体を用いているため、長期信頼性の高い電子デバイスを提供することが可能となる。
[適用例10]上記適用例に記載の電子デバイスにおいて、前記封止構造体は、角速度センサーまたは加速度センサーであり、前記角速度センサーまたは前記加速度センサーを備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、導電性が確保され、気密信頼性の高い封止構造体としての角速度センサーまたは加速度センサーを用いたているため、長期信頼性の高いセンサーを提供することが可能となる。
[適用例11]本適用例に係る電子機器は、適用例1ないし適用例5のいずれか一例に記載の封止構造体を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、導電性が確保され、気密信頼性の高い封止構造体を用いているため、長期信頼性の高い電子機器を提供することが可能となる。
[適用例12]本適用例に係る移動体は、適用例1ないし適用例5のいずれか一例に記載の封止構造体を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、導電性が確保され、気密信頼性の高い封止構造体を用いているため、長期信頼性の高い移動体を提供することが可能となる。
[1.電子デバイス]
先ず、本発明に係る封止構造体とそれを用いた電子デバイスについて、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る封止構造体とそれを用いた電子デバイスの概略を示し、(a)は、ウェハーに配列された電子デバイスを示す平面図、(b)は、(a)に示す電子デバイスの正断面図、(c)は、封止構造体の概略を示す正断面図であり、(b)に示すQ部の拡大図である。図2は、図1(c)に示す封止構造体の更なる詳細を説明する正断面図である。図3は、封止構造体の製造工程の第1形態を示す工程フロー図である。図4は、封止構造体の製造工程の第2形態を示す工程フロー図である。図5は、電子デバイスに用いられている機能素子を模式的に示す平面図である。
先ず、本発明に係る封止構造体とそれを用いた電子デバイスについて、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る封止構造体とそれを用いた電子デバイスの概略を示し、(a)は、ウェハーに配列された電子デバイスを示す平面図、(b)は、(a)に示す電子デバイスの正断面図、(c)は、封止構造体の概略を示す正断面図であり、(b)に示すQ部の拡大図である。図2は、図1(c)に示す封止構造体の更なる詳細を説明する正断面図である。図3は、封止構造体の製造工程の第1形態を示す工程フロー図である。図4は、封止構造体の製造工程の第2形態を示す工程フロー図である。図5は、電子デバイスに用いられている機能素子を模式的に示す平面図である。
(電子デバイスの構成)
まず、本実施形態に係る電子デバイスの構成について、図1(a)、図1(b)を参照しながら説明する。電子デバイス2は、図1(a)、図1(b)に示すように、基板(ウェハー)1にマトリックス状に配列されて形成されている。電子デバイス2は、ダイシング装置などを用い、分割線C0および分割線C1からCnに沿って基板(ウェハー)1から分割、個片化されたものである。なお、図1(a)、図1(b)では、複数の電子デバイス2が配置されている例を示しているが、それぞれの電子デバイス2の構成は同様であるため、以下の説明では一つの電子デバイス2を用いて説明する。また、図1(a)および図1(b)では、機能素子102を簡略化して図示している。
まず、本実施形態に係る電子デバイスの構成について、図1(a)、図1(b)を参照しながら説明する。電子デバイス2は、図1(a)、図1(b)に示すように、基板(ウェハー)1にマトリックス状に配列されて形成されている。電子デバイス2は、ダイシング装置などを用い、分割線C0および分割線C1からCnに沿って基板(ウェハー)1から分割、個片化されたものである。なお、図1(a)、図1(b)では、複数の電子デバイス2が配置されている例を示しているが、それぞれの電子デバイス2の構成は同様であるため、以下の説明では一つの電子デバイス2を用いて説明する。また、図1(a)および図1(b)では、機能素子102を簡略化して図示している。
電子デバイス2は、第1基板としての第1基体11および蓋体12を有するパッケージ30と、第1貫通孔10を含む封止構造体8と、機能素子102を含む第2基板としての第2基体3と、を含む。
(封止構造体の構成)
封止構造体8は、図1(c)に示すように、第1基体11に設けられた凹部としての第2の凹部15と、第2の凹部15から第1基体11を貫通する第1貫通孔10と、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で第1基体11と接合された第2基体3とを含む。封止構造体8は、さらに、第2の凹部15の底面と該底面に対向する第2基体3とに接するとともに、第1貫通孔10の内面を介し第1基体11の第2面20に延在されている導電層としての第1電極16(第1導電層)および第2電極17(第2導電層)と、スルーホール電極18と、外部電極19とを含む。
封止構造体8は、図1(c)に示すように、第1基体11に設けられた凹部としての第2の凹部15と、第2の凹部15から第1基体11を貫通する第1貫通孔10と、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で第1基体11と接合された第2基体3とを含む。封止構造体8は、さらに、第2の凹部15の底面と該底面に対向する第2基体3とに接するとともに、第1貫通孔10の内面を介し第1基体11の第2面20に延在されている導電層としての第1電極16(第1導電層)および第2電極17(第2導電層)と、スルーホール電極18と、外部電極19とを含む。
第1基板としての第1基体11は、例えば、ガラス基板、シリコン基板、水晶基板を用いることができるが、本例ではガラス基板を用いている。第1基体11は、機能素子102を支持することができる。第1基体11には、第1面13から掘り込まれた第1の凹部5が形成されており、第1の凹部5の上方、即ち第1の凹部5を跨ぐように、第1の凹部5に対向して機能素子102が配置されている。第1の凹部5によって、機能素子102は、第1基体11に妨害(接触)されることなく、予め定められた方向に可動することができる。
第1基体11に設けられた第2の凹部15には、その底面から第1基体11を貫通し、第1基体11の裏面である第2面20まで貫通する第1貫通孔10が形成されている。第1貫通孔10は、第2の凹部15底面の開口面積よりも第1基体11の第2面20の開口面積の方が大きくなるように形成されている。第1貫通孔10は、キャビティー4側の(すなわち基体10側の)第1開口の面積よりも、第1開口と反対側の第2開口の面積の方が大きい形状を有している。換言すれば、第1貫通孔10は、第1基体11の第2面20側から第2の凹部15底面側に向けて、徐々に開口の面積が小さくなるような形状、即ちテーパー状をなしている。第1貫通孔10を、このようなテーパー状とすることで、スルーホール電極18の形成が容易となる。なお、本例では第1貫通孔10がテーパー状となった例で説明したがこれに限らず、第1貫通孔10は、開口面積が略同一なストレート孔であってもよい。
スルーホール電極18は、図2に示すように、第1貫通孔10の側面の一部あるいは全面に形成されており、少なくとも第1電極16および外部電極19と電気的導通を取って接続されている。スルーホール電極18としては、例えば、第1貫通孔10の側面側から、下地層18aとしてのクロム(Cr)層および導通層18bとしての金(Au)層が、この順で積層されたものを用いることができる。
第1基体11に設けられた第2の凹部15には、導電層としての第1電極16(第1導電層)が設けられている。第1電極16は、第2の凹部15底面の全面に亘って設けられていることが好ましいが、少なくとも第1貫通孔10の外周を囲むように周状(環状)に設けられていれば、後段で詳述する気密性を確保するための構成として好ましい。第1電極16としては、図2に示すように、第2の凹部15の底面側から、下地層16aとしてのクロム(Cr)層および導通層16bとしての金(Au)層が、この順で積層されたものを用いることができる。
第1基体11の裏面である第2面20の第1貫通孔10の開口の外側には、スルーホール電極18と接続された外部電極19が設けられている。外部電極19は、第1基体11の第2面20にあって、少なくともスルーホール電極18と接続されていればよく、第1貫通孔10の開口の外周を囲むような構成、あるいはスルーホール電極18から延在されたランドとして設けられていてもよい。外部電極19としては、図2に示すように、第2の凹部15の底面側から、下地層19aとしてのクロム(Cr)層および導通層19bとしての金(Au)層が、この順で積層されたものを用いることができる。なお、外部電極19とスルーホール電極18とは、同一加工工程によって形成されてもよい。
第1基体11と接合された第2基体3の、第2の凹部15に対向する部分には、導電層としての第2電極17(第2導電層)が設けられている。第2電極17は、その外周が第2の凹部15の外周よりも内側となるように、即ち第2電極17の外形が第2の凹部15に収まるように第2の凹部15よりもやや小さな外形で設けられている。第2電極17としては、図2に示すように、第2基体3の第3面14側から、下地層17aとしてのクロム(Cr)層および導通層17bとしての金(Au)層が、この順で積層されたものを用いることができる。このように、第2基体3の第3面14に第2電極17が設けられている構成とすることにより、第2基体3と第2電極17とのオーミックコンタクトを安定させることが可能となり、で接続安定性を高めることが可能となる。
そして、封止構造体8では、導電層としての第1電極16と第2電極17とが重なるように圧接され、第1基体11の第1面13と第2基体3の第3面14とが陽極接合を用いて接合されている。このように第1基体11と第2基体3とが接合されることにより、第2の凹部15内の第1貫通孔10を囲む領域の第1電極16と第2電極17とが接合され、電気的接合と共に封止機能を併せて有することとなる。即ち、第1電極16と第2電極17とを構成する金(Au)同士が共晶結合を生じることにより、より確実な接合となり、高気密性を有する封止状態を実現することが可能となる。
また、封止構造体8では、第1基体11の第1面13と第2基体3の第3面14とが、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で、陽極接合を用いて接合されている。この陽極接合による第1基体11と第2基体3の接合により、第2の凹部15の外周を囲む部分においても気密封止が行われ、第2の凹部15内の第1電極16と第2電極17との接合における気密封止と併せて、2つの部位によって気密性が確保される。したがって、第1貫通孔10と機能素子102が収納されている第1の凹部5および後述する蓋体12のキャビティー4の気密領域との間においては、2つの部位で封止が行われるため気密封止性を向上させることができる。さらに、気密領域から第1基体11の外面である第2面20まで気密性を損ねることなく、安定的な電気的接続を図ることが可能となる。
なお、第1基体11と第2基体3との接合には、例えば、陽極接合など封止媒体を用いることなく接合を行う直接接合が好ましい。このような直接接合を用いることにより、接合を容易に且つ気密性を確保して行うことが可能となる。
また、図2に示すように、第1電極16および第2電極17は、それぞれの厚みを合わせた厚みt2が、第2の凹部15の深さt1よりも大きくなるように形成されることが好ましい。また、第1電極16および第2電極17は、第1電極16および第2電極17のそれぞれの容積を合わせた容積が第2の凹部15の容積よりも大きくなるように設けられることが好ましい。このような構成とすることにより、第1基体11と第2基体3とを圧接し接合する際に、導電層としての第1電極16および第2電極17が第2の凹部15内に閉じ込められる。即ち、圧接されることによって変形する第1電極16および第2電極17の第2の凹部15以外への逃げ場が無くなることになり、より強い圧接を行うことができる。これにより確実な電気的導通を確保することができる。
また、第1電極16および第2電極17は、第2基体3側から見た平面視で少なくとも一部が重なっていればよい。このような構成とすることで、第1基体11と第2基体3とを圧接し接合するだけで、重なっている第2の凹部15内の第1電極16および第2電極17とが圧接され、電気的導通(導電)を容易に確保することができる。
また、第1電極16、第2電極17、スルーホール電極18、および外部電極19の材質は、封適宜変更することができる。例えば、下地層としては、クロム(Cr)に替えて、チタン(Ti)などを用いることができる。また、導電層としては、金(Au)に替えて、錫(Sn)アルミニウム(Al)、アルミニウム‐ゲルマニウム合金(AlGe)などを用いることができる。
蓋体12は、第1基体11の第1面13上に機能素子102を覆って載置されている。蓋体12は、第1基体11に接合されていてもよい。場合によっては、機能素子102の一部に接合されていてもよい。蓋体12としては、シリコン基板を用いることが好適である。第1基体11としてガラス基板を用いた場合、第1基体11と蓋体12とは、陽極接合によって接合されていてもよい。
なお、第1基体11と蓋体12との接合方法は、特に限定されず、例えば、低融点ガラス(ガラスペースト)による接合でもよいし、半田による接合でもよい。または、第1基体11および蓋体12の各々の接合部分に金属薄膜(図示せず)を形成し、該金属薄膜同士を共晶接合させることにより、第1基体11と蓋体12とを接合させてもよい。
第1基体11および蓋体12は、機能素子102を収容するキャビティー4を形成している。図示の例では、蓋体12に、蓋体12が第1基体11と対向する面である第1面13側から掘り込まれた凹部が形成されており、該凹部は、第1基体11によって封止されてキャビティー4となる。第1基体11および蓋体12の平面形状(蓋体12側から見た形状)は、キャビティー4に機能素子102を収容できれば特に限定されないが、本例では、矩形(より具体的には長方形)である。
キャビティー4は、減圧状態や不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気で密閉されている。特に、機能素子102としてジャイロセンサーを用いる場合、キャビティー4は、減圧状態(より好ましくは真空状態)であることが望ましい。これにより、ジャイロセンサーの振動が空気粘性によって減衰することを抑制できる。
なお、図示の例では、キャビティー4となる凹部は、蓋体12に形成されているが、第1基体11に形成されていてもよく、第1基体11に形成された第1の凹部5に機能素子102を収容し、第1の凹部5を蓋体12によって封止することによって、キャビティー4を形成してもよい。
上述のような封止構造体8によれば、第1基体11の第2の凹部15の底面に形成された第1電極16と、その第2の凹部15に対向する第2基体3の第3面14に形成された第2電極17と、第1貫通孔10の内面を介して第1基体11の第2面20に延在する第3導電層(スルーホール電極18および外部電極19)とによって第2面20と第2基体3との電気的導通を確実にとることができる。これにより、それぞれの導電層間(電極間)の導通、あるいは第2基体3と第2電極17のオーミックコンタクトを安定させることが可能となり、電気的導通を安定させた封止構造体8を提供することができる。
また、第1貫通孔10を囲む第1電極16と第2電極17とが密着することによる接合、および第2の凹部15の外周を囲む封止領域での第1基体11と第2基体3との接合、の2つの接合によって第1基体11と第2基体3とが接合されることから気密領域の封止性を高めることができる。さらに、スルーホール電極18、第1電極16、第2電極17、外部電極19により、機能素子102とパッケージ30の外部との電気的接続を、第1貫通孔10を介して行うことができる。これにより、従来用いられていた蓋体12と第1基体11との間を通る機能素子102とパッケージ30の外部との接続配線が不要となり、この接続配線の凹凸により生じ易かった蓋体12と第1基体11との間の気密不良(リーク)の発生を防止することができる。これらの相乗効果により、さらに気密性を向上させた封止構造体8を提供することができる。
(封止構造体の製造工程の第1形態)
図3に示す封止構造体の工程フロー図に沿って、製造工程の第1形態について説明する。
図3に示す封止構造体の工程フロー図に沿って、製造工程の第1形態について説明する。
先ず、凹部形成工程について説明する。図3(a)に示すように、第1基板としての第1基体11(本例では、ガラス基板)を用意する。この第1基体11に、フォトリソグラフィー法を用いて、例えばクロム(Cr)層、金(Au)層をマスクパターンとしたエッチング加工を行い、第1面13から掘り込まれた凹部としての第2の凹部15を形成する。
次に、第1導電層形成工程について説明する。図3(b)に示すように、第2の凹部15の底面に、第1導電層としての第1電極16を形成する。第1電極16は、図示では省略しているが前述の構成で説明したように、第2の凹部15の底面に下地層16aとしてのクロム(Cr)層を形成し、その表面に導通層16bとしての金(Au)層が形成された2層構成となっている。なお、第1電極16は、例えば、真空スパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成することができる。
併せて、第2導電層形成工程について説明する。図3(d)に示すように、第2基板としての第2基体3(本例では、シリコン基板)を用意する。そして、第2基体3が第1基体11に接合される際に、第2の凹部15と対向する位置の第2基体3の第3面14に、第2の凹部15の外周より内側の外縁を有する第2導電層としての第2電極17を形成する。換言すれば、第2電極17の外形形状が、第2の凹部15内に収まるように形成する。第2電極17は、図示では省略しているが前述の構成で説明したように、第2基体3の第3面14に下地層17aとしてのクロム(Cr)層を形成し、その表面に導通層17bとしての金(Au)層が形成された2層構成となっている。なお、第2電極17は、例えば、真空スパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成することができる。
次に、貫通孔形成工程について説明する。図3(c)に示すように、第1基体11の第2面20から第2の凹部15の底面に向かって第1基体11を貫通する第1貫通孔10を形成する。第1貫通孔10は、例えば第1基体11の第2面20に設けられたドライフィルムをマスクとしたブラスト加工法によって形成することができる。このブラスト加工法によって第1貫通孔10を形成することで、第1基体11の第2面20側から第2の凹部15底面側に向けて、徐々に開口の面積が小さくなるようなテーパー形状を容易に形成することができる。
次に、接合工程について説明する。図3(e)に示すように、第1電極16と第2電極17とが第2基体3側から見た平面視で重なり、且つ第2電極17が第2の凹部15内に収まるように第1基体11と第2基体3とを配置する。そして、図3(f)に示すように、第1基体11と第2基体3とを圧接し、第1基体11の第1面13と第2基体3の第3面14とを密着させるように、陽極接合法を用いて第1基体11と第2基体3とを接合する。第1基体11と第2基体3との接合は、第2の凹部15の外周を囲む領域を接合領域として行う。この接合によって、第1電極16と第2電極17とが押圧され密着することになり、電気的接合が確実にとられることとなる。
次に、第3導電層形成工程について説明する。図3(g)に示すように、第1貫通孔10の内面および第1基体11の裏面である第2面20の第1貫通孔10の外周部分に、スルーホール電極18と外部電極19とを含む第3導電層を形成する。なお、第1貫通孔10の内面に形成する導電層をスルーホール電極18と呼び、第1基体11の第2面20に形成する導電層を外部電極19と呼ぶ。第3導電層としてのスルーホール電極18および外部電極19は、図示では省略しているが前述の構成で説明したように、第1貫通孔10の内面および第1基体11の第2面20に下地層18a、19aとしてのクロム(Cr)層を形成し、その表面に導通層18b、19bとしての金(Au)層が形成された2層構成となっている。なお、スルーホール電極18および外部電極19は、例えば、真空スパッタリング法、真空蒸着法などを用いて形成することができる。このように、第3導電層としてのスルーホール電極18および外部電極19を形成することで、導電層としての第1電極16および第2電極17とスルーホール電極18および外部電極19とが電気的に接続される。これにより、第2の凹部15および第1貫通孔10の内面を介し、第2基体3と第1基体11の裏面である第2面20との電気的接続をとることができる。
(封止構造体の製造工程の第2形態)
図4に示す封止構造体の工程フロー図に沿って、製造工程の第2形態について説明する。製造工程の第2の形態は、前述の第1の形態で説明した第1貫通孔(本第2形態では貫通孔として説明する)の製造方法が異なる。したがって、以下の説明では、第1形態と異なる工程を主に説明し、第1形態と同様な工程については、簡略な説明、あるいは説明を省略することもある。
図4に示す封止構造体の工程フロー図に沿って、製造工程の第2形態について説明する。製造工程の第2の形態は、前述の第1の形態で説明した第1貫通孔(本第2形態では貫通孔として説明する)の製造方法が異なる。したがって、以下の説明では、第1形態と異なる工程を主に説明し、第1形態と同様な工程については、簡略な説明、あるいは説明を省略することもある。
先ず、凹部形成工程について説明する。図4(a)に示すように、第1基板としての第1基体11(本例では、ガラス基板)を用意する。この第1基体11に、フォトリソグラフィー法を用いて、例えばクロム(Cr)層、金(Au)層をマスクパターンとしたエッチング加工を行い、第1面13から掘り込まれた凹部としての第2の凹部15を形成する。
次に、第1導電層形成工程について説明する。図4(b)に示すように、第2の凹部15の底面に、第1導電層としての第1電極16を形成する。第1電極16の構成は、第1形態と同様であるので説明を省略する。
併せて、第2導電層形成工程について説明する。図4(e)に示すように、第2基板としての第2基体3(本例では、シリコン基板)を用意する。そして、第2基体3が第1基体11に接合される際に、第2の凹部15と対向する位置の第2基体3の第3面14に、第2の凹部15の外周より内側の外縁を有する第2導電層としての第2電極17を形成する。換言すれば、第2電極17の外形形状が、第2の凹部15内に収まるように形成する。第2電極17の構成は、第1形態と同様であるので説明を省略する。
次に、貫通孔形成工程について説明する。図4(c)に示すように、第1基体11の第2面20から第2の凹部15の底面に向かって非貫通孔10aを形成する。即ち、非貫通孔10aは、第2の凹部15の底面との間に非貫通部10bを有して形成される。非貫通孔10aは、例えば第1基体11の第2面20に設けられたドライフィルムをマスクとしたブラスト加工法によって形成することができる。このブラスト加工法によって非貫通孔10aを形成することで、第1基体11の第2面20側から第2の凹部15底面側に向けて、徐々に開口の面積が小さくなるようなテーパー形状の非貫通孔10aを容易に形成することができる。
次に、図4(d)に示すように、貫通孔(第1貫通孔)10を形成する。貫通孔10は、フォトリソグラフィー法を用いて、例えばクロム(Cr)層、金(Au)層をマスクパターンとしたエッチング加工を行い、非貫通部10bを除去する。このとき第1基体11の溶融液は、第1電極16を溶融しないため、第1電極16をエッチングストップ層として用いることができ、第1基体11の溶融形状、即ち非貫通部10bの溶融形状(貫通形状)を精密に形成することができる。その後、第1電極16を溶融、除去することによって貫通孔10を形成する。このように、細密加工の容易なエッチング加工により貫通孔10を形成することで、形状精度が安定した貫通孔10を形成することができる。
次に、接合工程について説明する。第1形態と同様であるが、図4(f)に示すように、第1電極16と第2電極17とが第2基体3側から見た平面視で重なり、且つ第2電極17が第2の凹部15内に収まるように第1基体11と第2基体3とを配置する。そして、図3(f)に示すように、第1基体11と第2基体3とを圧接し、第1基体11の第1面13と第2基体3の第3面14とを密着させるように、陽極接合法を用いて第1基体11と第2基体3とを接合する。第1基体11と第2基体3との接合は、第2の凹部15の外周を囲む領域を接合領域として行う。この接合によって、第1電極16と第2電極17とが押圧され密着することになり、電気的接合が確実にとられることとなる。
次に、第3導電層形成工程が形成されるが、前述の第1形態と同様であるので説明を省略する。これらの工程により、第2の凹部15および貫通孔10の内面を介し、第2基体3と第1基体11の裏面である第2面20との電気的接続をとることができる。
上述のような封止構造体8の製造工程(第1形態、第2形態)によれば、第1基体11の第2の凹部15の底面に形成された第1導電層としての第1電極16と、第2の凹部15に対向する第2基体3の第3面14に形成された第2導電層としての第2電極17と、貫通孔10の内面を介して第1基体11の第2面20に延在する第3導電層(スルーホール電極18および外部電極19)と、によって第2面20と第2基体3との電気的導通を確実にとることができる。これにより、それぞれの導電層間(電極間)の導通、あるいは、第2基体3と第2電極17のオーミックコンタクトを安定させることが可能となり、電気的導通を安定させた封止構造体8を提供することができる。
また、貫通孔10を囲む第1電極16と第2電極17とが密着することによる接合、および第2の凹部15の外周を囲む封止領域での第1基体11と第2基体3との接合、の2つの接合によって第1基体11と第2基体3とが接合されることから気密領域の封止性を高めることができる。さらに、スルーホール電極18、第1電極16、第2電極17、外部電極19により、機能素子102とパッケージ30の外部との電気的接続を、貫通孔10を介して行うことができる。これにより、従来用いられていた蓋体12と第1基体11との間を通る機能素子102とパッケージ30の外部との接続配線が不要となり、この接続配線の凹凸により生じ易かった蓋体12と第1基体11との間の気密不良(リーク)の発生を防止することができる。これらの相乗効果により、さらに気密性を向上させた封止構造体8を提供することができる。
なお、封止構造体の第1形態および第2形態における第2基板としての第2基体3については、後述するシリコン構造体である機能素子102としてのジャイロセンサーなどであってもよく、この場合は、機能素子102としてのジャイロセンサーの一部に第2電極17が設けられることになる。
(機能素子の構成)
ここで、図5を参照して機能素子102(第2基体3)について説明する。機能素子102は、第1基体11(図1参照)上に載置(搭載)されている。機能素子102は、例えば、陽極接合や直接接合によって、第1基体11に接合されている。なお、機能素子102には、前述した第1基体11の第2の凹部15に対向する、導電層としての第2電極17が設けられているが、本説明では省略する。機能素子102の形態としては、減圧状態や不活性ガス雰囲気で密閉されたキャビティー4内で動作するものであれば、特に限定されず、例えば、ジャイロセンサー、加速度センサー、振動子、SAW(弾性表面波)素子、マイクロアクチュエーターなどの各種の機能素子を挙げることができる。
ここで、図5を参照して機能素子102(第2基体3)について説明する。機能素子102は、第1基体11(図1参照)上に載置(搭載)されている。機能素子102は、例えば、陽極接合や直接接合によって、第1基体11に接合されている。なお、機能素子102には、前述した第1基体11の第2の凹部15に対向する、導電層としての第2電極17が設けられているが、本説明では省略する。機能素子102の形態としては、減圧状態や不活性ガス雰囲気で密閉されたキャビティー4内で動作するものであれば、特に限定されず、例えば、ジャイロセンサー、加速度センサー、振動子、SAW(弾性表面波)素子、マイクロアクチュエーターなどの各種の機能素子を挙げることができる。
以下では、機能素子102として、ジャイロセンサーを用いた例について、説明する。機能素子102は、図5に示すように、振動系構造体104と、駆動用固定電極130と、検出用固定電極140と、固定部150と、を有している。
振動系構造体104は、例えば、第1基体11に固定されたシリコン基板(第2基体3)を加工することにより、一体的に形成されている。これにより、シリコン半導体デバイスの製造に用いられる微細な加工技術の適用が可能となり、振動系構造体104の小型化を図ることができる。
振動系構造体104は、第1基体11に固定された固定部150によって、支持されており、第1基体11と離間して配置されている。振動系構造体104は、第1振動体106と、第2振動体108と、を有することができる。第1振動体106および第2振動体108は、X軸に沿って互いに連結されている。
第1振動体106および第2振動体108は、両者の境界線B(Y軸に沿った直線)に対して、対称となる形状を有することができる。したがって、以下では、第1振動体106の構成について説明し、第2振動体108の構成の説明については、省略する。
第1振動体106は、駆動部110と、検出部120と、を有する。駆動部110は、駆動用支持部112と、駆動用バネ部114と、駆動用可動電極116と、を有することができる。
駆動用支持部112は、例えば、フレーム状の形状を有し、駆動用支持部112の内側には、検出部120が配置されている。図示の例では、駆動用支持部112は、X軸に沿って延在する第1延在部112aと、Y軸に沿って延在する第2延在部112bと、によって構成されている。
駆動用バネ部114は、駆動用支持部112の外側に配置されている。図示の例では、駆動用バネ部114の一端は、駆動用支持部112の角部(第1延在部112aと第2延在部112bとの接続部)近傍に接続されている。駆動用バネ部114の他端は、固定部150に接続されている。
図示の例では、駆動用バネ部114は、第1振動体106において、4つ設けられている。そのため、第1振動体106は、4つの固定部150によって、支持されている。なお、第1振動体106と第2振動体108との境界線B上の固定部150は、設けられていなくてもよい。
駆動用バネ部114は、Y軸に沿って往復しながらX軸に沿って延在する形状を有している。複数の駆動用バネ部114は、駆動用支持部112の中心を通るX軸に沿った仮想線、および駆動用支持部112の中心を通るY軸に沿った仮想線に対して、対称に設けられている。駆動用バネ部114を上記のような形状とすることにより、駆動用バネ部114が、Y軸方向およびZ軸方向に変形することを抑制し、駆動用バネ部114を、駆動部110の振動方向であるX軸方向にスムーズに伸縮させることができる。そして、駆動用バネ部114の伸縮に伴い、駆動用支持部112を(駆動部110を)、X軸に沿って振動させることができる。なお、駆動用バネ部114は、駆動用支持部112をX軸に沿って振動させることができれば、その数は特に限定されない。
駆動用可動電極116は、駆動用支持部112の外側に、駆動用支持部112に接続されて配置されている。より具体的には、駆動用可動電極116は、駆動用支持部112の第1延在部112aに接続されている。
駆動用固定電極130は、駆動用支持部112の外側に配置されている。駆動用固定電極130は、第1基体11(図1参照)上に固定されている。図示の例では、駆動用固定電極130は、複数設けられ、駆動用可動電極116を介して、対向配置されている。図示の例では、駆動用固定電極130は、櫛歯状の形状を有しており、駆動用可動電極116は、駆動用固定電極130の櫛歯の間に挿入可能な突出部116aを有している。駆動用固定電極130と突出部116aとの間の距離(ギャップ)を小さくすることにより、駆動用固定電極130と駆動用可動電極116との間に作用する静電力を、大きくすることができる。
駆動用固定電極130および駆動用可動電極116に、電圧を印加すると、駆動用固定電極130と駆動用可動電極116との間に静電力を発生させることができる。これにより、駆動用バネ部114をX軸に沿って伸縮させつつ、駆動用支持部112(駆動部110)を、X軸に沿って振動させることができる。
なお、図示の例では、駆動用可動電極116は、第1振動体106において、4つ設けられているが、駆動用支持部112をX軸に沿って振動させることができれば、その数は特に限定されない。また、図示の例では、駆動用固定電極130は、駆動用可動電極116を介して、対向配置されているが、駆動用支持部112をX軸に沿って振動させることができれば、駆動用固定電極130は、駆動用可動電極116の一方側にのみ配置されていてもよい。
検出部120は、駆動部110に連結されている。図示の例では、検出部120は、駆動用支持部112の内側に配置されている。検出部120は、検出用支持部122と、検出用バネ部124と、検出用可動電極126と、を有することができる。なお、図示はしないが、検出部120は、駆動部110に連結されていれば、駆動用支持部112の外側に配置されていてもよい。
検出用支持部122は、例えば、フレーム状の形状を有している。図示の例では、検出用支持部122は、X軸に沿って延在する第3延在部122aと、Y軸に沿って延在する第4延在部122bと、によって構成されている。
検出用バネ部124は、検出用支持部122の外側に配置されている。検出用バネ部124は、検出用支持部122と駆動用支持部112とを接続している。より具体的には、検出用バネ部124の一端は、検出用支持部122の角部(第3延在部122aと第4延在部122bとの接続部)近傍に接続されている。検出用バネ部124の他端は、駆動用支持部112の第1延在部112aに接続されている。
検出用バネ部124は、X軸に沿って往復しながらY軸に沿って延在する形状を有している。図示の例では、検出用バネ部124は、第1振動体106において、4つ設けられている。複数の検出用バネ部124は、検出用支持部122の中心を通るX軸に沿った仮想線、および検出用支持部122の中心を通るY軸に沿った仮想線に対して、対称に設けられている。検出用バネ部124を上記のような形状とすることにより、検出用バネ部124が、X軸方向およびZ軸方向に変形することを抑制し、検出用バネ部124を、検出部120の振動方向であるY軸方向にスムーズに伸縮させることができる。そして、検出用バネ部124の伸縮に伴い、検出用支持部122を(検出部120を)、Y軸に沿って変位させることができる。なお、検出用バネ部124は、検出用支持部122をY軸に沿って変位させることができれば、その数は特に限定されない。
検出用可動電極126は、検出用支持部122の内側に、検出用支持部122に接続されて配置されている。図示の例では、検出用可動電極126は、X軸に沿って延在しており、検出用支持部122の2つの第4延在部122bに、接続されている。
検出用固定電極140は、検出用支持部122の内側に配置されている。検出用固定電極140は、第1基体11(図1参照)上に固定されている。図示の例では、検出用固定電極140は、複数設けられ、検出用可動電極126を介して、対向配置されている。
検出用可動電極126および検出用固定電極140の数および形状は、検出用可動電極126と検出用固定電極140との間の静電容量の変化を検出することができれば、特に限定されない。
(機能素子の動作)
次に、機能素子102の動作について簡単に説明する。駆動用固定電極130および駆動用可動電極116に、図示しない電源によって、電圧を印加すると、駆動用固定電極130と駆動用可動電極116との間に静電力を発生させることができる。これにより、駆動用バネ部114をX軸に沿って伸縮させることができ、駆動部110をX軸に沿って振動させることができる。
次に、機能素子102の動作について簡単に説明する。駆動用固定電極130および駆動用可動電極116に、図示しない電源によって、電圧を印加すると、駆動用固定電極130と駆動用可動電極116との間に静電力を発生させることができる。これにより、駆動用バネ部114をX軸に沿って伸縮させることができ、駆動部110をX軸に沿って振動させることができる。
なお、検出部120は、駆動部110に連結されているため、検出部120も駆動部110の振動に伴い、X軸に沿って振動する。すなわち、第1振動体106および第2振動体108は、X軸に沿って、互いに反対方向に変位する。
駆動部110が第1振動を行っている状態で、機能素子102にZ軸回りの角速度ωが加わると、コリオリの力が働き、検出部120は、Y軸に沿って変位する。検出部120がY軸に沿って変位することにより、検出用可動電極126と検出用固定電極140との間の距離Lは、変化する。そのため、検出用可動電極126と検出用固定電極140との間の静電容量は、変化する。機能素子102では、検出用可動電極126および検出用固定電極140に電圧を印加することにより、検出用可動電極126と検出用固定電極140との間の静電容量の変化量を検出し、Z軸回りの角速度ωを求めることができる。
以上、説明したような電子デバイス2は、確実な導電性を有し、且つ気密信頼性の高い前述した封止構造体8を備えていることから、長期信頼性の高い電子デバイス2とすることができる。
また、電子デバイス2は、導電性が確保され、且つ気密信頼性の高い封止構造体8を用いた角速度センサーまたは加速度センサーを用いることにより、長期信頼性の高いセンサーを提供することが可能となる。
(封止構造体の変形例)
ここで、図6を参照して封止構造体の変形例について説明する。図6は、封止構造体の変形例を示す正断面図である。なお、本変形例の封止構造体8aと前述の封止構造体8との相違は、第2基体3に第2貫通孔21が設けられており、第2貫通孔21と第1基体11の貫通孔10とが連結されているところにある。以下の説明では、前述の封止構造体8と同様な構成については同符号を付して説明を省略することがある。
ここで、図6を参照して封止構造体の変形例について説明する。図6は、封止構造体の変形例を示す正断面図である。なお、本変形例の封止構造体8aと前述の封止構造体8との相違は、第2基体3に第2貫通孔21が設けられており、第2貫通孔21と第1基体11の貫通孔10とが連結されているところにある。以下の説明では、前述の封止構造体8と同様な構成については同符号を付して説明を省略することがある。
図6に示す変形例の封止構造体8aは、第1基体11に設けられた凹部としての第2の凹部15と、第2の凹部15から第1基体11を貫通する第1貫通孔10と、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で第1基体11と接合された第2基体3とを含む。封止構造体8aは、さらに、第2の凹部15の底面と該底面に対向する第2基体3とに接するとともに、第1貫通孔10の内面を介し第1基体11の第2面20に延在されている導電層としての第1電極16(第1導電層)および第2電極17(第2導電層)と、スルーホール電極18と、外部電極19とを含む。
第1基板としての第1基体11は、前述の封止構造体8と同様な構成であるので、その説明は省略する。また、第1貫通孔10、スルーホール電極18、第1電極16、および外部電極19についても前述の封止構造体8と同様な構成であるので、その説明は省略する。
第1基体11と接合された第2基体3の、第2の凹部15に対向する部分には、導電層としての第2電極17が設けられている。第2電極17は、その外周が第2の凹部15の外周よりも内側となるように、即ち第2電極17の外形が第2の凹部15に収まるように第2の凹部15よりもやや小さな外形で設けられている。第2電極17の構成は、前述の封止構造体8と同様な構成であるので、その説明は省略する。
さらに、第1貫通孔10に対向する第2基体3には、第2基体3の表裏面を貫通する第2貫通孔21と、第2電極17を貫通し、第2貫通孔21および第1貫通孔10とを連通する穴部22が設けられている。なお、第2貫通孔21を形成する際に、第2電極17をエッチングストップ層として用いることができ、第2貫通孔21の形状を安定化することができる。このように、第1貫通孔10、穴部22、および第2貫通孔21が設けられることによって、第1基体11の外部電極19側と第2基体3の第3面14の反対側の面側の空間(図1に示す電子デバイス2のキャビティー4)とを連通させることができる。これにより、第1基体11の外部電極19側からキャビティー4内の脱気などを行うことが可能となる。そして、第1貫通孔10が封止部材23によって塞がれることによってキャビティー4を密閉(気密封止)することができる。なお、封止部材23材質は、例えば、スルーホール電極18に含まれる元素を含む合金である。より具体的には封止部材23の材質は、AuGe、AuSi、AuSn、SnPb、PbAg、SnAgCu、SnZnBiなどの合金である。また、封止部材23は、レーザー光などのエネルギー線を照射することによって溶融され、第1貫通孔10を塞ぐ。
そして、封止構造体8aにおいても、前述の封止構造体8と同様に、導電層としての第1電極16と第2電極17とが重なるように圧接され、第1基体11の第1面13と第2基体3の第3面14とが陽極接合を用いて接合されている。このように第1基体11と第2基体3とが接合されることにより、第2の凹部15内の第1貫通孔10を囲む領域の第1電極16と第2電極17とが接合され、電気的接合と共に封止機能を併せて有することとなる。即ち、第1電極16と第2電極17とを構成する金(Au)同士が共晶結合を生じることにより、より確実な接合となり、高気密性を有する封止状態を実現することが可能となる。
また、封止構造体8aでは、前述の封止構造体8と同様に、第1基体11の第1面13と第2基体3の第3面14とが、第2の凹部15の外周を囲む封止領域で、陽極接合を用いて接合されている。この陽極接合による第1基体11と第2基体3の接合により、第2の凹部15の外周を囲む部分においても気密封止が行われ、第2の凹部15内の第1電極16と第2電極17との接合における気密封止と併せて、2つの部位によって気密性が確保される。したがって、第1貫通孔10と機能素子102が収納されている第1の凹部5および後述する蓋体12のキャビティー4の気密領域との間においては、2つの部位で封止が行われるため気密封止性を向上させることができる。さらに、気密領域から第1基体11の外面である第2面20まで気密性を損ねることなく、安定的な電気的接続を図ることが可能となる。
[2.ジャイロセンサー]
次に、前述の封止構造体8が適用された電子デバイス2を用いた他の電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーについて、図7を用いて説明する。図7は、本発明に係る封止構造体を用いた電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。
次に、前述の封止構造体8が適用された電子デバイス2を用いた他の電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーについて、図7を用いて説明する。図7は、本発明に係る封止構造体を用いた電子デバイスの一例としてのジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。
他の電子デバイスの一例としてのジャイロセンサー80は、ジャイロ素子を内蔵した前述の電子デバイス2、回路素子としてのIC84、パッケージとしての収容器81、蓋体86を備えている。セラミックなどで形成された収容器81の底面にはIC84が配置され、Auなどのワイヤー85で収容器81に形成された配線(図示せず)と電気的接続がなされている。IC84には電子デバイス2を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときに電子デバイス2に生ずる検出信号を検出する検出回路とを含んでいる。
電子デバイス2は、収容器81に形成された支持台82に、電子デバイス2の固定部が導電性接着剤などの固定部材83を介して接着支持されている。また、支持台82表面には配線(図示せず)が形成され、電子デバイス2の電極と配線間の導通が固定部材83を介してなされている。この固定部材83は、弾性のある材料であることが望ましい。弾性を有する固定部材83としてはシリコーンを基材とする導電性接着剤などが知られている。そして、収容器81内を真空雰囲気に保持し、収容器81の上部の開口が蓋体86にて封止されている。
電子デバイス2は、収容器81に形成された支持台82に、電子デバイス2の固定部が導電性接着剤などの固定部材83を介して接着支持されている。また、支持台82表面には配線(図示せず)が形成され、電子デバイス2の電極と配線間の導通が固定部材83を介してなされている。この固定部材83は、弾性のある材料であることが望ましい。弾性を有する固定部材83としてはシリコーンを基材とする導電性接着剤などが知られている。そして、収容器81内を真空雰囲気に保持し、収容器81の上部の開口が蓋体86にて封止されている。
電子デバイスの他の一例としてのジャイロセンサー80においては、前述したように、優れた導電性が確保され、且つ気密信頼性の高い封止構造体8を適用した電子デバイス2を用いている。これにより、長期信頼性の高いジャイロセンサー80を提供することが可能となる。
上述では、ジャイロ素子を用いたジャイロセンサー80を例に説明したが、電子デバイスとしてはこれに限らない。他の電子デバイスとしては、例えば素子として加速度検出素子を用いた加速度センサー、水晶振動素子(振動片)を用いたタイミングデバイス(水晶振動子、水晶発振器など)、感圧素子を用いた圧力センサーなどであってもよい。
[3.電子機器]
本発明の一実施形態に係る電子デバイス2、ジャイロセンサー80を適用した電子機器の具体例について、図8〜図10に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、電子デバイス2を適用した例を示している。
本発明の一実施形態に係る電子デバイス2、ジャイロセンサー80を適用した電子機器の具体例について、図8〜図10に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、電子デバイス2を適用した例を示している。
図8は、本発明の一実施形態に係る電子デバイス2を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度センサー等として機能する電子デバイス2が内蔵されている。
図9は、本発明の一実施形態に係る電子デバイス2を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度センサー等として機能する電子デバイス2が内蔵されている。
図10は、本発明の一実施形態に係る電子デバイス2を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター(PC)1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度センサー等として機能する電子デバイス2が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係る電子デバイス2は、図8のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図9の携帯電話機、図10のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
以上、本発明にかかる電子機器について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
[4.移動体]
図11は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には前述した実施形態に係る角速度センサー等として機能する電子デバイス2が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、電子デバイス2を内蔵してタイヤ1509などを制御する電子制御ユニット1508が車体1507に搭載されている。また、電子デバイス2は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
図11は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には前述した実施形態に係る角速度センサー等として機能する電子デバイス2が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、電子デバイス2を内蔵してタイヤ1509などを制御する電子制御ユニット1508が車体1507に搭載されている。また、電子デバイス2は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
1…基板(ウェハー)、2…電子デバイス、3…第2基体、4…キャビティー、5…第1の凹部、8…封止構造体、10…第1貫通孔(貫通孔)、11…第1基体、12…蓋体、13…第1面、14…第3面、15…第2の凹部、16…導電層としての第1電極(第1導電層)、17…導電層としての第2電極(第2導電層)、16a、17a、18a、19a…下地層、16b、17b、18b、19b…導通層、18…スルーホール電極、19…外部電極、20…第2面、21…第2貫通孔、22…穴部、30…パッケージ、80…他の電子デバイスとしてのジャイロセンサー、102…機能素子、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ、1500…移動体としての自動車。
Claims (12)
- 第1面および該第1面と表裏関係にある第2面を備え、前記第1面に設けられている凹部と、前記凹部の底面から前記第2面に貫通する第1貫通孔と、が設けられている第1基板と、
前記凹部の外周で前記第1基板に接合されている第2基板と、
前記第2面から前記貫通孔の内面を介し前記第2基板に接続されている導電層と、
が設けられていることを特徴とする封止構造体。 - 前記導電層は、前記凹部内において、前記凹部の底面に設けられた第1導電層と、前記凹部に対向する前記第2基板面に設けられた第2導電層と、が接合されて設けられていることを特徴とする請求項1に記載の封止構造体。
- 前記第1導電層と前記第2導電層とは、平面視で少なくとも一部が重なっていることを特徴とする請求項2に記載の封止構造体。
- 前記凹部内に設けられている導電層の容積は、前記凹部の容積よりも大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の封止構造体。
- 前記第2基板には、平面視で前記凹部に対向する位置に表裏を貫通する第2貫通孔が設けられており、
前記第1貫通孔は、封止部材によって封止されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の封止構造体。 - 第1基板に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記凹部の底面に第1導電層を形成する第1導電層形成工程と、
第2基板に前記凹部の外周より内側の外縁を有する第2導電層を形成する第2導電層形成工程と、
前記凹部の底面から、前記第1基板の第1面と反対側の第2面に貫通する貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、
前記第1導電層と前記第2導電層との少なくとも一部が平面視で重なり、且つ前記第2導電層が前記凹部内に収まるように前記第2基板を第1基板上に配置し、前記第1基板と前記第2基板とを前記凹部の外周で接合する接合工程と、
前記貫通孔の内面を介し、前記第1導電層から前記第2面に延在する第3導電層を形成する第3導電層形成工程と、
を含むことを特徴とする封止構造体の製造方法。 - 前記第1導電性形成工程後に前記貫通孔形成工程を行い、
前記貫通孔形成工程では、前記第2面側から前記凹部の底面に達しない非貫通孔を形成する第1穴明け工程と、
前記非貫通孔の孔底部をエッチング加工し、前記第1導電層をエッチングストップ層として用いて前記第1基板を貫通させる第2穴明け工程と、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の封止構造体の製造方法。 - 前記接合工程では、前記第1基板と前記第2基板との間に封止媒体を介さない直接接合が用いられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の封止構造体の製造方法。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の封止構造体を備えていることを特徴とする電子デバイス。
- 前記封止構造体は、角速度センサーまたは加速度センサーであり、
前記角速度センサーまたは前記加速度センサーを備えていることを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の封止構造体を備えていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の封止構造体を備えていることを特徴とする移動体。
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JP2013026331A JP2014153345A (ja) | 2013-02-14 | 2013-02-14 | 封止構造体、封止構造体の製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 |
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WO2016084936A1 (ja) * | 2014-11-28 | 2016-06-02 | 京セラ株式会社 | Sawデバイスおよびsawデバイスの製造方法 |
JP2016176895A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-06 | セイコーエプソン株式会社 | センサー、電子機器および移動体 |
-
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JPWO2016084936A1 (ja) * | 2014-11-28 | 2017-08-17 | 京セラ株式会社 | Sawデバイスおよびsawデバイスの製造方法 |
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