JP2014107317A - 電子デバイス用パッケージの製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 - Google Patents

電子デバイス用パッケージの製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】キャビティー内の脱気および封止を容易に行うことが可能な電子デバイス用パッケージの製造方法を提供する。
【解決手段】表面92aおよび裏面92bを繋ぐ外周面92cを有している板状のリッド92と、ジャイロ素子2が収納される収納空間14が設けられているベース91と、を接合する接合工程が、リッド92のベース91と接合される側の面に、収納空間14と外部とを連通する溝94を形成しておき、ベース91とリッド92との接合予定部位のうち、溝94に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する第1の接合工程と、該接合予定部位のうち、溝94に対応した部分をエネルギー線(レーザー光98)溶接により接合する第2の接合工程と、を含む電子デバイス用パッケージの製造方法。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子デバイス用パッケージの製造方法、電子デバイス、電子機器、および移動体に関する。
近年、携帯型電子機器の普及が進み、それに伴って電子機器の小型軽量化および低コスト化の要求が高まってきている。そのため、電子機器に用いられる電子部品においても高精度を維持しつつ、小型化および低コスト化の要求が高まっている。特に、振動素子をパッケージ内に収納した振動デバイスにおいては、振動素子を収納する空間を気密に維持することで振動特性が維持されるため、その封止技術に種々の提案がされている。
例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている接合方法では、振動デバイス素子(振動素子)を収納する空間の開口部を覆う蓋と開口部周縁とを一部を残して溶接した後に脱気を行い、その後溶接されていない部分の蓋と開口部周縁とを封止する。また、特許文献3に開示されている小型水晶振動子では、リッド(蓋)と接合されるパッケージ面に切り欠きを形成し、切り欠き以外の部分の一部を残して金属ろう材を溶融してリッドとパッケージとを接合し、脱気を行う。その後、切り欠き部分の金属ろう材を再溶融して蓋とパッケージとを封止する。
特開2000−223604号公報 特開2002−359311号公報 特開平1−151813号公報
しかしながら、上述した特許文献1、特許文献2に示されている接合方法では、一部を残して蓋と開口部周縁とを溶接し、脱気後に未溶接部分を溶接するため、未溶接部分の寸法などを安定的に管理することが困難であると共に、未溶接部分の僅かな隙間からの脱気となるため脱気時間が長くなり、封止の工数が大きくなってしまう。また、特許文献3に示されている構成では、金属ろう材を溶融させながら脱気を行うため、溶融状態の管理が必要であり、安定的な脱気と封止を行うことができずに、振動特性が安定しない虞を有していた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法は、表面および裏面を繋ぐ外周面を有している蓋体と、前記蓋体と接合される側に開口し、電子部品が収納される収納空間が設けられているベースとを接合する接合工程を有し、前記接合工程は、前記蓋体の前記ベースと接合される側の面に、前記収納空間と外部とを連通する溝を形成する工程と、前記ベースと前記蓋体との接合予定部位の前記溝に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する第1の接合工程と、前記接合予定部位の前記溝に対応する部分をエネルギー線溶接により接合する第2の接合工程と、を有していることを特徴とする。
このような電子デバイス用パッケージの製造方法によれば、蓋体に設けられた溝によりシーム溶接後(第1の接合工程後)にベースと蓋体との間に局所的に隙間を形成することができる。この溝は、ベースに設けられている収納空間と外部とを連通しているため、この隙間を減圧下または不活性ガス雰囲気下で第2の接合工程で塞ぐことにより、シーム溶接時に生じたガスをパッケージ内から除去して、高品質な気密封止を実現することができる。また、従来のような貫通孔および封止材を必要としないことから、製造工程が簡単化されるとともに、パッケージの小型化を図ることができる。
[適用例2]上記適用例の電子デバイス用パッケージの製造方法において、前記蓋体に設けられている前記溝は、一方端が前記蓋体の前記外周面に開口し、他方端が前記収納空間に対向する位置に設けることが好ましい。
このように、蓋体に溝が設けられていることで、シーム溶接後(第1の接合工程後)に、ベースに設けられている収納空間と外部とが連通されている、ベースと蓋体との間の局所的な隙間を形成することができる。また、溝には蓋体の中央部側に他方端が設けられているため、排気を一方向に行うことができる。即ち、一つの溝に一箇所の溶接(閉塞のための溶接)を行うことで封止が可能となる。これにより、この隙間を減圧下または不活性ガス雰囲気下で第2の接合工程で塞ぐことにより、シーム溶接時に生じたガスをパッケージ内から除去して、高品質な気密封止を容易に実現することができる。また、従来のような貫通孔および封止材を必要としないことから、製造工程が簡単化されるとともに、パッケージの小型化を図ることができる。
[適用例3]上記適用例の電子デバイス用パッケージの製造方法において、前記第2の接合工程では、前記接合予定部位のうち、前記溝の前記外部側の一方端を含む部分をエネルギー線溶接により接合することが好ましい。
このように、第2の接合工程で溝の外部側の端部を含む部分をエネルギー線溶接により接合していることから、エネルギー線によって溶融された溶融金属が、表面張力が小さな溝の端部側からベース側に流動する。これによって、溶融金属の流動性が良好となり溝の隙間を完全に塞ぐ、所謂気密封止を確実に行うことができ、気密の信頼性を向上させた電子デバイスの製造が可能となる。
[適用例4]上記適用例の電子デバイス用パッケージの製造方法において、前記第1の接合工程では、前記ベースと前記蓋体との接合部に前記シーム溶接により溶融し得る金属層を形成した後に、前記シーム溶接を行い、前記溝の深さは、前記金属層の厚さの和よりも大きくすることが好ましい。
これにより、第1の接合工程において、蓋体のベースとの接合面に形成された溝が塞がれることなく、蓋体とベースとをシーム溶接により強固に接合することができる。
[適用例5]上記適用例の電子デバイス用パッケージの製造方法において、前記溝の幅をL1とし、前記溝の深さをL2としたときに、L1>L2なる関係を満たすように前記溝を形成することが好ましい。
これにより、第1の接合工程後にベースと蓋体との間に局所的に隙間を形成するとともに、かかる隙間を第2の接合工程において簡単かつ確実に塞ぐことができる。
[適用例6]上記適用例の電子デバイス用パッケージの製造方法において、前記蓋体の平面視での輪郭は、矩形状をなし、前記第1の接合工程では、前記蓋体の平面視での各辺に沿ってシーム溶接を行うことが好ましい。
これにより、第1の接合工程において、蓋体のベースとの接合面に形成された溝に対応する部分が溶接されないようにして、ベースと蓋体との接合予定部位の主要部分を簡単かつ確実に接合することができる。
[適用例7]上記適用例の電子デバイス用パッケージの製造方法において、前記溝は、前記蓋体の平面視での辺部に設けられていることが好ましい。
これにより、シーム溶接後にベースと蓋体との間に形成される局所的な隙間の大きさの制御が容易となる。
[適用例8]本適用例に記載の電子デバイスは、上記適用例に記載の製造方法を用いて製造された電子デバイス用パッケージと、前記電子デバイス用パッケージ内に収納された電子部品と、を有していることを特徴とする。
このような電子デバイスによれば、小型化を図るとともに、高品質な気密封止を簡単に実現することができる。
[適用例9]本適用例に記載の電子機器は、上記適用例に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
このような電子機器によれば、信頼性を優れたものとすることができる。
[適用例10]本適用例に記載の移動体は、上記適用例に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする。
このような移動体によれば、信頼性を優れたものとすることができる。
電子デバイスの第1実施形態としての振動子の概略を示す斜視図。 電子デバイスの第1実施形態としての振動子を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は正断面図。 電子デバイスに用いられる電子部品としてのジャイロ素子を示す平面図。 電子デバイスに用いられる蓋体(リッド)の一例を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図、(c)は(a)のQ−Q断面図。 (a)〜(d)は、電子デバイスとしての振動子の製造工程の概略を示す正断面図。 封止工程を示す図であり、(a)は溝とエネルギー線との相関を示す平面図、(b)は(a)の正面図、(c)は封止部の平面図、(d)は、(c)の正断面図。 封止工程の比較例を示す図であり、(a)は溝とエネルギー線との相関を示す平面図、(b)は(a)の正断面図、(c)は封止部の平面図、(d)は、(c)のP−P断面図。 電子デバイスの第2実施形態としてのジャイロセンサーの概略を示す正断面図。 電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、本発明の電子デバイス用パッケージの製造方法について、添付図面に沿って詳細に説明する。
[電子デバイスの第1実施形態]
先ず、本発明に係る電子デバイス用パッケージの製造方法を適用して製造される電子デバイスの第1実施形態として、振動子の実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る電子デバイスの第1実施形態としての振動子を示す概略斜視図である。図2は、本発明に係る電子デバイスの第1実施形態としての振動子の概略を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図である。図3は、図2に示す振動子が備える電子部品としてのジャイロ素子を示す平面図である。なお、以下では、図2に示すように、互いに直交する3軸を、x軸、y軸およびz軸とし、z軸は、振動子の厚さ方向と一致する。また、x軸に平行な方向を「x軸方向(第2方向)」と言い、y軸に平行な方向を「y軸方向(第1方向)」と言い、z軸に平行な方向を「z軸方向」と言う。
図1、および図2に示す電子デバイスの一例としての振動子1は、電子部品としてのジャイロ素子(振動素子)2と、ジャイロ素子2を収納するパッケージ9とを有している。以下、ジャイロ素子2およびパッケージ9について順次詳細に説明する。なお、図1に示すパッケージ9には、ベース91、シームリング93、蓋体としてのリッド92が含まれている。同図では、リッド92に設けられている溝94が示されているが、後述する封止(第2の接合工程)が行われていない状態を示している。
(ジャイロ素子)
図3は、上側(後述するリッド92側であり図2のz軸方向)から見たジャイロ素子の平面図である。なお、ジャイロ素子には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、同図においては省略している。
ジャイロ素子2は、z軸まわりの角速度を検出する「面外検出型」のセンサーであって、図示しないが、基材と、基材の表面に設けられている複数の電極、配線および端子とで構成されている。ジャイロ素子2は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料で構成することができるが、これらの中でも、水晶で構成するのが好ましい。これにより、優れた振動特性(周波数特性)を発揮することのできるジャイロ素子2が得られる。
このようなジャイロ素子2は、いわゆるダブルT型をなす振動体4と、振動体4を支持する支持部としての第1支持部51および第2支持部52と、振動体4と第1、第2支持部51、52とを連結する梁としての第1梁61、第2梁62、第3梁63および第4梁64とを有している。
振動体4は、xy平面に拡がりを有し、z軸方向に厚みを有している。このような振動体4は、中央に位置する基部41と、基部41からy軸方向に沿って両側に延出している第1検出振動腕421、第2検出振動腕422と、基部41からx軸方向に沿って両側に延出している第1連結腕431、第2連結腕432と、第1連結腕431の先端部からy軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第1駆動振動腕441、および第2駆動振動腕442と、第2連結腕432の先端部からy軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444とを有している。第1、第2検出振動腕421、422および第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の先端部には、それぞれ、基端側よりも幅の大きい略四角形の幅広部としての重量部(ハンマーヘッド)425、426、445、446、447、448が設けられている。このような重量部425、426、445、446、447、448を設けることでジャイロ素子2の角速度の検出感度が向上する。
また、第1、第2支持部51、52は、それぞれ、x軸方向に沿って延在しており、これら第1、第2支持部51、52の間に振動体4が位置している。言い換えれば、第1、第2支持部51、52は、振動体4を介してy軸方向に沿って対向するように配置されている。第1支持部51は、第1梁61、および第2梁62を介して基部41と連結されており、第2支持部52は、第3梁63、および第4梁64を介して基部41と連結されている。
第1梁61は、第1検出振動腕421と第1駆動振動腕441との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第2梁62は、第1検出振動腕421と第3駆動振動腕443との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第3梁63は、第2検出振動腕422と第2駆動振動腕442との間を通って第2支持部52と基部41を連結し、第4梁64は、第2検出振動腕422と第4駆動振動腕444との間を通って第2支持部52と基部41を連結している。
各梁61、62、63、64は、それぞれ、x軸方向に沿って往復しながらy軸方向に沿って延びる蛇行部を有する細長い形状で形成されているので、あらゆる方向に弾性を有している。そのため、外部から衝撃が加えられても、各梁61、62、63、64で衝撃を吸収する作用を有するので、これに起因する検出ノイズを低減または抑制することができる。
このような構成のジャイロ素子2は、次のようにしてz軸まわりの角速度ωを検出する。ジャイロ素子2は、角速度ωが加わらない状態において、駆動信号電極(図示せず)および駆動接地電極(図示せず)の間に電界が生じると、各駆動振動腕441、442、443、444がx軸方向に屈曲振動を行う。このとき、第1、第2駆動振動腕441、442と、第3、第4駆動振動腕443、444とは、中心点(重心)を通るyz平面に関して面対称の振動を行っているため、基部41と、第1、第2連結腕431、432と、第1、第2検出振動腕421、422とは、ほとんど振動しない。
この駆動振動を行っている状態にて、ジャイロ素子2にz軸まわりに角速度ωが加わると、各駆動振動腕441、442、443、444および連結腕431、432にy軸方向のコリオリの力が働き、このy軸方向の振動に呼応して、x軸方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した検出振動腕421、422の歪みを検出信号電極(図示せず)および検出接地電極(図示せず)が検出して角速度ωが求められる。
(パッケージ)
パッケージ9は、ジャイロ素子2を収納するものである。なお、パッケージ9には、後述する電子デバイスのように、ジャイロ素子2の他に、ジャイロ素子2の駆動等を行うICチップ等が収納されていてもよい。このようなパッケージ9は、その平面視(xy平面視)にて、略矩形状をなしている。
図1および図2に示すように、パッケージ9は、上面に開放する凹部を有するベース91と、凹部の開口を塞ぐように、シームリング93を介してベースに接合されている蓋体としてのリッド92とを有している。また、ベース91は、板状の底板911と、底板911の上面周縁部に設けられている枠状の側壁912とを有している。枠状の側壁912は、略矩形状の周状に設けられており、換言すれば、上記凹部の上面に開口する開口形状が略矩形状をなしている。この板状の底板911と枠状の側壁912に囲まれた凹部が電子部品としてのジャイロ素子2を収納する収納空間14となる。枠状の側壁912の上面には、例えばコバール等の合金で形成されたシームリング93が設けられている。シームリング93は、リッド92と側壁912との接合材としての機能を有しており、側壁912の上面に沿って枠状(略矩形状の周状)に設けられている。リッド92は、略矩形状の外形をなしており、裏面92bに外周から中央部に向かって、有底の溝94が設けられている。なお、リッド92の構成については後述で詳細について説明する。溝94は、リッド92がシームリング93上に載置されたとき、溝94が収納空間14にかかるように配置されている。このようなパッケージ9は、その内側に収納空間14を有しており、この収納空間14内に、ジャイロ素子2が気密的に収納、設置されている。なお、ジャイロ素子2が収納されている収納空間14は、溝94から排気(脱気)が行われた後、溝94が形成されている部分に残っているリッド92が、エネルギー線(例えば、レーザー光)によって溶融された後に固化された封止部95、即ちエネルギー線溶接による封止部95によって封止されている。なお、封止部95は、溝94の外部側の端部、即ちリッド92の外周面92cを含む部分が溶融、固化されて形成されている。
ベース91の構成材料としては、特に限定されないが、酸化アルミニウム等の各種セラミックスを用いることができる。また、リッド92の構成材料としては、特に限定されないが、ベース91の構成材料と線膨張係数が近似する部材であると良い。例えば、ベース91の構成材料を前述のようなセラミックスとした場合には、コバール等の合金とするのが好ましい。
ジャイロ素子2は、第1、第2支持部51、52にて、半田、銀ペースト、導電性接着剤(樹脂材料中に金属粒子などの導電性フィラーを分散させた接着剤)などの導電性固定部材8を介して底板911の上面に固定されている。第1、第2支持部51、52は、ジャイロ素子2のy軸方向の両端部に位置するため、このような部分を底板911に固定することにより、ジャイロ素子2の振動体4が両持ち支持され、ジャイロ素子2を底板911に対して安定的に固定することができる。そのため、ジャイロ素子2の不要な振動(検出振動以外の振動)が抑制され、ジャイロ素子2による角速度ωの検出精度が向上する。
また、導電性固定部材8は、第1、第2支持部51、52に設けられている2つの検出信号端子714、2つの検出接地端子724、駆動信号端子734および駆動接地端子744に対応(接触)して、且つ互いに離間して6つ設けられている。また、底板911の上面には、2つの検出信号端子714、2つの検出接地端子724、駆動信号端子734および駆動接地端子744に対応する6つの接続パッド10が設けられており、導電性固定部材8を介して、これら各接続パッド10とそれと対応するいずれかの端子とが電気的に接続されている。
(蓋体としてのリッド)
ここで、図4を用いて蓋体としてのリッド92について説明する。図4は、本発明に係る蓋体としてのリッドの一例を示し、(a)は平面図、(b)は正断面図、(c)は(a)のQ−Q断面図である。
蓋体としてのリッド92は、パッケージ9の上面に開放する凹部の開口を塞ぎ、凹部の開口の周囲を、例えばシーム溶接法などを用いて接合されている。詳述すると、リッド92は、表裏の関係にある表面92a、および裏面92bと、表面92aと裏面92bとを繋いでいる外周面92cとを有している板状の部材である。本例のリッド92は、板状であるため、形成が行い易く、さらには形状の安定しにも優れる。特に、後述する溝94は極めて小さな溝であるが、この形成も容易に行うことができる。また、本例のリッド92には、コバールの板材が用いられている。リッド92にコバールの板を用いることで封止の際に、コバールで形成されているシームリング93とリッド92とが同じ溶融状態で溶融され、さらには合金化もされ易いため封止を容易に、且つ確実に行うことができる。なお、リッド92には、コバールに換えて他の材料の板材を用いてもよく、例えば、42アロイ、ステンレス鋼などの金属材料、またはパッケージ9の側壁912と同材料などを用いることができる。
そして、リッド92を表面92a側から平面視したとき、外周面92cの内の一つの辺部からリッド92の中央部に向かう有底の溝94が、裏面92b側に設けられている。溝94は、平面視で一つの辺部の略中央に位置している。溝94は、リッド92がパッケージ9の上面に開放する凹部の開口を塞ぐように載置されたとき、その開口と重なる部分を有するように、リッド92の外周面92cから中心部に向かって設けられている。換言すれば、溝94は、外周面92cに開口する一方端94aと中央部側の他方端94bとを有しており、中央部側の他方端94bが、ベース91を構成する底板911の上面周縁部に設けられている枠状の側壁912の内壁よりも内側(パッケージの平面視中心側)に達するように設けられている。このように、溝94を設けることで、パッケージ9の収納空間14から排気を行うことが可能となる。また、溝94にはリッド92の中央部側に他方端94bが設けられているため、排気を一方向に行うことができる。即ち、一つの溝に一箇所の溶接(閉塞のための溶接)を行うことで封止が可能となる。なお、本実施形態では、溝94が平面視で一つの辺部の略中央に位置する例で説明したがこれに限らず、溝94は、少なくとも一つの辺部のいずれかに設けられていればよい。
また、溝94は、溝94の幅をL1とし、溝94の深さをL2としたときに、L1>L2なる関係を満たすことが好ましい。これにより、後述する第1の接合工程後にベース91とリッド92との間に局所的に隙間とするとともに、かかる隙間を後述する第2の接合工程において簡単かつ確実に塞ぐことができる。また、溝94の幅L1と深さL2との比L2/L1は、特に限定されないが、例えば、0.1以上0.5以下であるのが好ましい。また、溝94の幅L1は、特に限定されないが、1μm以上200μm以下程度であるのが好ましい。また、溝94の深さL2は、特に限定されないが、5μm以上30μm以下程度であるのが好ましい。
また、ベース91とリッド92との接合部のベース91とリッド92のそれぞれに、シーム溶接により溶融し得る金属層(図示せず)を形成した後に、シーム溶接を行うことがある。この場合溝94の深さ(深さL2)は、この2つの金属層(ベース91に設けられた金属層とリッド92に設けられた金属層)の厚さの和よりも大きいことが好ましい。これにより、後述する第1の接合工程において、リッド92のベース91との接合面に形成された溝94を塞ぐことなく、リッド92とベース91とをシーム溶接により強固に接合することができる。
そして、溝94によって形成されたとパッケージ9とリッド92との隙間から、凹部(収納空間14)の排気を行った後、この溝94の設けられている部分のリッド92をレーザー光などで溶融し、溝94を塞ぐことによって収納空間14が気密に封止される。
なお、本実施形態ではリッド92に一つの溝94が設けられている例で説明したが、溝の数、および配置はこれに限らず、溝は複数であってもよく、さらに、溝がリッド92の表面92a、裏面92bに設けられている構成であってもよい。
また、図4(c)で示す溝94の壁面の横断面形状は、矩形状、湾曲形状、半円状、テーパー状(くさび形状)など排気穴としての機能を有していればその形状は問わない。
(振動子の製造方法)
次に、本発明に係る電子デバイスとしての振動子の製造方法について図5、図6、および図7を参照しながら説明する。図5(a)〜(d)は、上述した図1および図2に示す電子デバイスとしての振動子の製造工程の概略を示す正断面図である。図6は、第2の接合工程としての封止工程を示す図であり、(a)は溝とエネルギー線(レーザー光)との相関を示す平面図、(b)は(a)の正断面図、(c)は封止部の平面図、(d)は、(c)の正断面図である。図7は、封止工程の比較例を示す図であり、(a)は溝とエネルギー線(レーザー光)との相関を示す平面図、(b)は(a)の正断面図、(c)は封止部の平面図、(d)は、(c)のP−P断面図である。
先ず、電子部品としてのジャイロ素子2をベース91の収納空間14に収納する工程を説明する。図5(a)に示すように、板状の底板911と、底板911の上面周縁部に設けられている枠状の側壁912とを有し、底板911と側壁912の内壁とに囲まれて上面に開放する凹部である収納空間14を有するベース91を用意する。ベース91には、枠状の側壁912の上面にシームリング93が形成され、底板911の上面に接続パッド10が形成されている。また、上述したジャイロ素子2を用意する。そして、接続パッド10とジャイロ素子2とを電気的接続を取って固定する。この接続には、半田、銀ペースト、導電性接着剤(樹脂材料中に金属粒子などの導電性フィラーを分散させた接着剤)などの導電性固定部材8を用いることができる。このとき、ジャイロ素子2は、導電性固定部材8の厚みによって底板911の上面との空隙を有することになる。
次に、収納空間14に蓋体としてのリッド92を載置する工程を説明する。図5(b)に示すように、収納空間14に収納されているジャイロ素子2を気密に保持するために、上述した蓋体としてのリッド92をシームリング93上に載置する。リッド92の裏面92bには、溝94が設けられている。そして、リッド92がシームリング93上に載置されたとき、溝94は収納空間14にかかるように延在されている。即ち、リッド92を載置する工程後のリッド92とシームリング93との間には、溝94によって収納空間14とベース91の外部を連通する局所的な隙間が形成される。
次に、リッド92をベース91に接合する接合工程について説明する。接合工程は、第1の接合工程と第2の接合工程とを有している。以下に、第1の接合工程と第2の接合工程とを詳細に説明する。
先ず、第1の接合工程を説明する。図5(c)に示すように、枠状の側壁912上でリッド92とシームリング93とが対峙する部分を矩形の周状にシーム溶接機のローラー電極97を用いてシーム溶接を行いリッド92とシームリング93とを接合する。即ち、リッド92をベース91に接合する。ローラー電極97は、図示しない加圧機構により、リッド92に対して、ベース91とは反対側から加圧接触する。そして、ローラー電極97は、軸線まわりに回転しながら、リッド92の平面視における外周辺に沿って所定の速度で走行する。このとき、リッド92およびシームリング93を介してローラー電極97間に電流を流すことにより、シームリング93あるいは接合金属をジュール熱により溶融させ、リッド92とシームリング93とを接合する。
このとき、溝94が設けられている部分のリッド92は、溝94によってリッド92とシームリング93とが接触していないためシーム溶接されずに未溶接状態となる。即ち、第1の接合工程では、ベース91とリッド92との接合予定部位のうち、溝94に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する。溝94は、収納空間14とベース91の外部を連通しているため、この未溶接の空間が、次の封止工程での排気穴として機能する。
次に、溝94(排気穴)を用い収納空間14から排気を行う工程を説明する。本実施形態では、図5(d)に示すように、前述のシーム溶接時に溶接されていない溝94が、収納空間14まで達するように延設されている。したがって、溝94を排気穴として用い、同図に示す矢印のように収納空間14のガスを排気することができる。なお本実施形態では、収納空間14のガスを排気した状態、所謂減圧下で封止する例で説明したが、減圧下に限らず、排気の後不活性ガスなどを導入した不活性ガス雰囲気下で封止することも可能である。
次に、排気が終了した収納空間14を気密に封止する第2の接合工程を、図6(a)〜(d)、および図7(a)〜(d)を用いて説明する。図6(a)、(b)に示すように、収納空間14の排気が終了した状態で、排気穴として用いた溝94に対応する部分にエネルギー線(例えば、レーザー光、電子線)を照射する。本実施形態ではエネルギー線としてレーザー光98を照射し、残っている部分の金属(コバール)を溶融する。このとき、レーザー光98のスポット内に溝94の外部側の端部、即ちリッド92の外周面92cを含む溝94の端部部分を包含するように配置してレーザー光98を照射する。そして、図6(c)、(d)に示すように、レーザー光98の照射による熱エネルギーで、溝94が設けられた部分のリッド92の表面92a側の溝上部92dが溶融し、溶融した金属が溝94を埋めながらシームリング93上に流動する。十分に溶融金属が流動したところで、レーザー光98の照射を止めると、溶融していた金属が固化し、この固化した溶融金属が封止部95となって溝94を気密に封止(塞ぐ)する。
上述のように、レーザー光98を、そのスポット内に溝94の外部側の端部、即ちリッド92の外周面92cを含む溝94の端部部分を包含するように配置して照射し、溝94の端部を含むリッドの溝上部92dが溶融することで、溶融金属の流動性が良好となる。このように溶融金属の流動性が向上することで溝94の封止を確実に行うことができる。このことについて、図7の比較例を用いてさらに説明する。
図7に示す比較例は、図7(a)、(b)に示すように、レーザー光98のスポットが溝94の外部側の端部から内側に入った位置にある。即ち、レーザー光98が、リッド92の外周面92cを含まない位置で照射される。このため、図7(c)、(d)に示すように、リッド92の溶融部分はリッド92の外周面92cを残す部分になる。したがって、溶融金属は、外周にリッド92の裏面92bが存在するため表面張力が均衡する(つりあう)こととなり、下部に位置するシームリング93に流れ難くなる。このため、図7(d)に示すように、溝94の両側隅v、v’の部分に溶融金属が流動しきれずに固化し、封止部95aが形成されてしまい気密性を損ねてしまう虞を生じていた。
これに対し、図6に示す本実施形態では、リッド92の外周面92cを含む溝94の端部部分を包含するようにレーザー光98が照射されるため、端部側に面が存在しないため、表面張力のバランスが取れずに、即ち均衡が悪く、表面張力の弱い側である端部側に溶融金属が流れ易くなる。
このような工程を有する電子デバイスとしての振動子1の製造方法を用いることで、レーザー光98による溶融金属の流動性が良好となり、封止部95の形成を確実に行うことが可能となる。したがって、溝94の封止を確実に行うことができ、気密の信頼性を向上させた電子デバイスとしての振動子1の製造が可能となる。また、溝94がそのまま排気穴となるため、従来技術のような排気用に用いる未接合部分(排気穴)の寸法管理などを行うことが不要となり、安定的に排気、接合(封止)が行われるため、接合(封止)後に振動子1が高温加熱された場合でも、発生するガスを抑制することができる。また、安定的な排気、接合(封止)により、パッケージ9に収納されている電子部品としてのジャイロ素子2が残留ガスなどの影響によって受ける特性劣化を防止することができ、安定した特性の電子デバイスとしての振動子1を提供することができる。
なお、上述の説明では、1つの排気穴(溝94)を用いる例で説明したが、排気穴は複数であってもよい。このように、複数の排気穴を用いる場合は、排気速度は速くなるが、封止箇所は複数必要となる。
[電子デバイスの第2実施形態]
次に、電子デバイスの第2実施形態として、ジャイロセンサーの実施形態について、図8を用いて説明する。図8はジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。なお、本実施形態では、上述の第1実施形態と同様な構成については、同じ符号を付けて説明を省略することもある。
ジャイロセンサー200は、電子部品としてのジャイロ素子2、回路素子としてのIC112、収容器としてのパッケージ(ベース)111、蓋体としてのリッド92を備えている。セラミックなどで形成されたパッケージ111は、積層された第3基板125c、第2基板125b、および第1基板125aと、第1基板125aの表面周縁部に設けられている枠状の側壁115と、第3基板125cの表面周縁部に設けられている枠状の側壁120とを有している。
枠状の側壁115の上面には、例えばコバール等の合金で形成されたシームリング117が形成されている。シームリング117は、リッド92との接合材としての機能を有しており、側壁115の上面に沿って枠状(周状)に設けられている。リッド92は、シームリング117に対向する面である裏面92bの端部に溝94が設けられている。なお、リッド92の構成については上述の第1実施形態と同様である。リッド92がシームリング117上に載置されたとき、溝94は、収納空間114にかかるように形成されている。ここで、第1基板125aの表面と枠状の側壁115の内壁で囲まれた空間が、ジャイロ素子2の収納空間114となり、第3基板125cと枠状の側壁120の内壁で囲まれた空間が、IC112の収納部116となる。なお、ジャイロ素子2が収納されている収納空間114は、溝94から排気(脱気)が行われた後、溝94が形成されている部分に残るリッド92が溶融された後固化された封止部95によって封止されている。また、枠状の側壁120の表面(図示下面)には、複数の外部端子122が設けられている。
ジャイロ素子2の収納空間114に位置する第1基板125aの表面には、接続パッド110が形成されており、ジャイロ素子2が、接続パッド110と電気的接続を取って固定されている。この接続には、半田、銀ペースト、導電性接着剤(樹脂材料中に金属粒子などの導電性フィラーを分散させた接着剤)などの導電性固定部材127を用いることができる。このとき、ジャイロ素子2は、導電性固定部材127の厚みによって第1基板125aの上面との空隙を有することになる。
ジャイロ素子2が収納された収納空間114の開口は、蓋体としてのリッド92で塞がれ、気密に封止されている。リッド92は、上述の第1実施形態で説明したリッド92と同様な構成であるので詳細な説明は省略し、概略を説明する。リッド92は、パッケージ111の上面に開放する収納空間114の開口を塞ぎ、開口の周囲を、例えばシーム溶接法などを用いて接合されている。リッド92は、コバールの板材が用いられ、表裏の関係にある表面92a、および裏面92bを有している。上述の第1実施形態と同様に、リッド92には、裏面92b側にリッド92の外周面92cから中央部に向かって設けられている有底の溝94が設けられている。そして、シームリング117とリッド92との隙間である溝94から、収納空間114の排気を行った後、この溝94の端部を含む部分をレーザー光などで溶融し、固化させることによって気密な封止が行われている。
一方、IC112の収納部116に位置する第3基板125cの表面には、接続電極118が形成されており、接続電極118とIC112とが金(Au)バンプ124での接合などにより電気的接続を取って固定されている。IC112と第3基板125cの表面との間隙は、樹脂などのアンダーフィル131が配設されて埋められている。なお樹脂は、IC112を覆うように設けられていてもよい。なお、接続パッド110、接続電極118、外部端子122などは、それぞれが内部配線などで接続されているが、本発明での説明は図示も含めて省略している。
(ジャイロセンサーの製造方法)
次に、ジャイロセンサー200の製造方法について説明するが、上述の振動子1の製造方法で説明した工程と同様な工程の説明は省略する。省略する工程は、ジャイロ素子2をベースとしてのパッケージ111の収納空間14に収納する工程、収納空間114にリッド92を載置する工程、リッド92をパッケージ111に接合する第1の接合工程、および排気が終了した収納空間114を気密に封止する第2の接合工程である。
上述の工程に加えて、ジャイロセンサー200の製造では、第3基板125cの表面周縁部に設けられている枠状の側壁120に囲まれたIC112の収納部116に、IC112を収納する。IC112は、第3基板125cの表面に設けられた接続電極118に金(Au)バンプ124を用い、電気的接続を取って固定する。IC112と第3基板125cの表面との間隙には、樹脂などのアンダーフィル131を充填し、隙間を埋める。以上の工程によって、ジャイロセンサー200が完成する。
上述の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様にレーザー光による溶融金属(リッド92)の流動性が良好となり、封止部95の形成を確実に行うことが可能となる。したがって、溝94の封止を確実に行うことができ、気密の信頼性を向上させた電子デバイスとしてのジャイロセンサー200の製造が可能となる。また、溝94がそのまま排気穴となるため、従来技術のような排気用に用いる未接合部分(排気穴)の寸法管理などを行うことが不要となり、安定的に排気、接合(封止)が行われるため、接合(封止)後にジャイロセンサー200が高温加熱された場合でも、発生するガスを抑制することができる。また、安定的な排気、接合(封止)により、パッケージ111に収納されている電子部品としてのジャイロ素子2が残留ガスなどの影響によって受ける特性劣化を防止することができ、安定した特性の電子デバイスとしてのジャイロセンサー200を提供することができる。
上述の電子デバイスの説明では、電子部品として所謂ダブルT型のジャイロ素子2を用いた振動子1、ジャイロセンサー200を例に説明したがこれに限らず、パッケージ内に素子を気密に収納する電子デバイスに適用することができる。他の電子デバイスとしては、例えば電子部品としてH型、あるいは音叉型のジャイロ素子を用いたジャイロセンサー、振動素子を用いたタイミングデバイス(振動子、発振器など)、感圧素子を用いた圧力センサー、半導体素子を用いた半導体装置などであってもよい。
なお、振動素子としては、圧電体を用いたMEMS素子などの圧電振動素子、あるいは素材に水晶を用いた音叉型水晶振動片などの屈曲振動を行う水晶振動片、縦振動型水晶振動片、厚みすべり水晶振動片などを好適に用いることができる。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る電子デバイスとしての振動子1、あるいは電子デバイスとしてのジャイロセンサー200を適用した電子機器について、図9〜図11に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、ジャイロ素子2を用いた振動子1を適用した例を示している。
図9は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスとしての振動子1を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度を検出する機能を備えたジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
図10は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスとしての振動子1を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
図11は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスとしての振動子1を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係る振動子1は、図9のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図10の携帯電話機、図11のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図12は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車106には本発明に係る電子デバイスとしての振動子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車106には、ジャイロ素子2を用いた振動子1を内蔵してタイヤ109などを制御する電子制御ユニット108が車体107に搭載されている。また、振動子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
1…電子デバイスとしての振動子、2…電子部品としてのジャイロ素子、4…振動体、8…導電性固定部材(銀ペースト)、9…パッケージ、10…接続パッド、14…収納空間、41…基部、51…第1支持部、52…第2支持部、61…第1梁、62…第2梁、63…第3梁、64…第4梁、91…ベース、92…蓋体としてのリッド、92a…表面、92b…裏面、92c…外周面、92d…溝上部、93…シームリング、94…溝、95…封止部、97…シーム溶接機のローラー電極、98…エネルギー線としてのレーザー光、106…移動体としての自動車、110…接続パッド、111…パッケージ(ベース)、112…IC、114…収納空間、115、120…側壁、116…収納部、117…シームリング、118…接続電極、122…外部端子、124…金バンプ、125a…第1基板、125b…第2基板、125c…第3基板、127…導電性固定部材、131…アンダーフィル、200…電子デバイスとしてのジャイロセンサー、421…第1検出振動腕、422…第2検出振動腕、425、426、445、446、447,448…重量部(ハンマーヘッド)、431…第1連結腕、432…第2連結腕、441…第1駆動振動腕、442…第2駆動振動腕、443…第3駆動振動腕、444…第4駆動振動腕、714…検出信号端子、724…検出接地端子、734…駆動信号端子、744…駆動接地端子、911…底板、912…側壁、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ。

Claims (10)

  1. 表面および裏面を繋ぐ外周面を有している蓋体と、前記蓋体と接合される側に開口し、電子部品が収納される収納空間が設けられているベースとを接合する接合工程を有し、
    前記接合工程は、
    前記蓋体の前記ベースと接合される側の面に、前記収納空間と外部とを連通する溝を形成する工程と、
    前記ベースと前記蓋体との接合予定部位の前記溝に対応する部分を除いた部分をシーム溶接により接合する第1の接合工程と、
    前記接合予定部位の前記溝に対応する部分をエネルギー線溶接により接合する第2の接合工程と、
    を有していることを特徴とする電子デバイス用パッケージの製造方法。
  2. 前記蓋体に設けられている前記溝は、一方端が前記蓋体の前記外周面に開口し、他方端が前記収納空間に対向する位置に設けることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
  3. 前記第2の接合工程では、前記接合予定部位のうち、前記溝の前記外部側の一方端を含む部分をエネルギー線溶接により接合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
  4. 前記第1の接合工程では、前記ベースと前記蓋体との接合部に前記シーム溶接により溶融し得る金属層を形成した後に、前記シーム溶接を行い、
    前記溝の深さは、前記金属層の厚さの和よりも大きくすることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
  5. 前記溝の幅をL1とし、前記溝の深さをL2としたときに、
    L1>L2なる関係を満たすように前記溝を形成することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
  6. 前記蓋体の平面視での輪郭は、矩形状をなし、
    前記第1の接合工程では、前記蓋体の平面視での各辺に沿って前記シーム溶接を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
  7. 前記溝は、前記蓋体の平面視での辺部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の電子デバイス用パッケージの製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の製造方法を用いて製造された電子デバイス用パッケージと、
    前記電子デバイス用パッケージ内に収納された電子部品と、
    を有していることを特徴とする電子デバイス。
  9. 請求項8に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項8に記載の電子デバイスを備えていることを特徴とする移動体。
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