JP2014153055A - 気泡検査装置および気泡検査方法 - Google Patents

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清市 松本
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康晴 奥田
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Abstract

【課題】粘度の高いスラリーであっても検査可能な気泡検査装置であって、スラリーに含まれる微小な気泡を定量的に把握し得る検査装置を提供する。
【解決手段】本発明により提供される気泡検査装置300は、スラリーの流路212であって該流路を構成する壁面には上記スラリーの流動方向に回転可能なローラ214を備え、ローラ214に対向する位置には外部から視認可能な部位を備えたスラリーの流路212と;上記視認可能な部位であって上記気泡を検知する被検知部位228において光学的手法を用いて気泡を検知する気泡検知部250と;を備えている。そして、流路212内に供給された上記スラリーは、ローラ214が回転することで上記流動方向に流動し、且つ気泡検知部250は、被検知部位228において気泡を検知可能なように設置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スラリーに含まれる気泡の検査装置ならびに気泡の検査方法に関する。
一般に、スラリー(ペースト、インクを包含する。以下同様。)は、固形物を所定の液状媒体中に溶解または分散させることによって調製される。このようなスラリーを用いて製造される物の一例として、電池の電極が挙げられる。かかる電極は、例えば活物質と必要に応じて用いられる材料とを適当な溶媒中で撹拌混合することによって調製されたスラリー(以下、「活物質層形成用スラリー」ということがある。)を集電体上に付与(塗工)し乾燥することにより作製される。この際、例えば撹拌混合時の巻き込みや配管の接続部のリーク等によって、スラリー中に気泡(空気)が混入することがあり得る。スラリー中に混入した気泡はピンホールやスケ(欠点)等の塗工不良の原因となり得、これによって電池性能の低下や内部短絡等の不具合を生じる虞がある。したがって、高品質な電極を安定的に製造するためには、事前にスラリー中の気泡の有無を検査、把握し、極力気泡を含まないものを用いることが好ましい。
これに関連する従来技術として、例えば特許文献1には、感熱紙を形成するための塗布液に含まれる気泡を検出する手法であって、一対の透明板からなる気泡検知通路の間にスラリーを通過させて該気泡検知通路に透過光または反射光を照射することで気泡を検出する手法が開示されている。
特開2011−242328号公報
特許文献1に記載の手法を用いる場合、微小なサイズの(例えば数百ミクロン程度の)気泡を検出するためには、気泡検知通路の間隔をより狭くする必要がある。しかしながら、本発明者らの検討によれば、例えば活物質層形成用スラリーのように粘度が高い場合(例えば粘度が1000mPa・s以上の場合)は、気泡検知通路の間隔を狭めると顕著に抵抗が高くなり、該気泡検知通路内を流動させることが困難であった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、粘度の高いスラリーであっても検査可能な気泡検査装置であって、スラリーに含まれる微小な気泡を定量的に把握し得る検査装置を提供することである。また、関連する他の目的は、粘度の高いスラリーの気泡検査方法を提供することである。さらに、関連する他の目的は、高品質な電極および該電極を用いた電池を製造するための方法を提供することである。
本発明者らは、粘度の高いスラリーを狭い流路内に円滑に流通させる手段を鋭意検討し、これを解決し得る手段を見出し、本発明を完成させた。
本発明により、液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリーに含まれる気泡を検査する装置が提供される。ここで開示される気泡検査装置は、
(A)スラリーの流路であって、上記流路を構成する壁面には上記スラリーの流動方向に回転可能なローラを備え、且つ該ローラと対向する位置には外部から視認可能な部位を備えたスラリーの流路と、
(B)上記視認可能な部位であって上記気泡を検知する被検知部位において光学的手法を用いて気泡を検知する気泡検知部と、
を備えている。そして、上記流路内に供給された上記スラリーは上記ローラが回転することで流動方向に流動し、且つ上記気泡検知部は上記被検知部位において上記スラリーに含まれる気泡を検知可能なように設置されている。
ここで開示される気泡検査装置では、流路を構成する壁面の一部にスラリーを移送するためのローラが備えられている。このため、狭い流路を流動し難い性状のスラリー(例えば高粘度な(粘度が1000mPa・s以上の)スラリー)であっても、流路内を円滑に流動させることができ、好適に気泡の検査を行うことができる。また、流路の少なくとも一部には被検知部位が外部から視認可能なよう形成されているため、スラリーに含まれる気泡の大きさや個数を定量的に把握することができる。さらに、流路内に供給されたスラリーは必ず被検知部位を通過するため、スラリーの全量検査を行うことができ、精度の高い気泡検知を行い得る。
上記流路(典型的には、対向する壁面間)の間隔は、少なくとも上記被検知部位において1mm以下(典型的には500μm以下、例えば400μm以下)であることが好ましい。かかる態様によれば、例えば電極の製造においてピンホールやスケ(欠点)等の塗工不良の原因となり得る数百ミクロン程度の大きさ(典型的には500μm以下、例えば50μm〜400μm)の気泡を好適に検査把握することができる。
ここで開示される気泡検査装置では、スラリーが連続的に被検知部位を通過するため、該被検知部位においてスラリーに含まれる気泡を検知し得る時間はごく僅かである。そこで、ここで開示される好適な一態様では、上記気泡検知部は、光を照射する投光部とカメラとを備え、上記被検知部位に光を照射して上記カメラでその反射光を検知する。そして、得られた画像データを用いて気泡の有無を判断する。これにより、スラリーに含まれる気泡を精度よく検知することができ、気泡の検知漏れを抑制し得る。また、被検知部位に光を照射することで画像がより鮮明となり、より精度の高い気泡検知を行い得る。
ここで開示される好適な一態様では、上記気泡検知部で検知された結果に基づいて気泡の大きさや数を算出する制御部をさらに備える。スラリーに含まれる気泡の大きさや数を定量的に把握することで、例えば活物質層形成用スラリーの塗工前に予め塗工に好適な(例えば直径300μm程度の気泡がない)スラリーか否かを客観的に(例えば過去の経験と照らし合わせて)判別し得る。そして、好適なスラリーのみを選択して塗工に供することで、ピンホールやスケ(欠点)等の塗工不良の発生を一層抑制し得、高品質な電極を安定して作製することができる。したがって、生産性や製造コストの観点からも好ましい。
ここで開示される好適な一態様では、上記ローラは、該ローラを回転駆動するための駆動部を備える。これによって、高粘度なスラリー(例えば、粘度が1500mPa・s以上のスラリー)であっても強制的に流路内を流動させることができ、安定して検査を行い得る。また、好適な他の一態様では、上記ローラは、該ローラに付着した上記スラリー中の上記固形分を除去するためのプレート部材を備える。これによって、スラリー中の固形分率や組成を変化させることなく、検査を行い得る。したがって、例えば、均質な電極を安定的に製造することができる。
また、本発明の他の側面として、液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリーに含まれる気泡を検査する方法が提供される。ここで開示される気泡検査方法では、スラリーの流路であって該流路を構成する壁面に上記スラリーの流動方向に回転可能なローラを設けておき、さらに上記ローラに対向する位置には外部から視認可能な部位を設けておき、該流路内に上記スラリーを流動させて、上記視認可能な部位であって上記気泡を検知する被検知部位において上記スラリーに含まれる気泡を光学的手法によって検知する。
かかる検査方法によれば、例えば粘度が1000mPa・s以上と高粘度なスラリーであっても好適に気泡の検査を行うことができる。また、光学的手法を採用することで、被検知部位においてスラリーに含まれる気泡の大きさや個数を視覚的に把握できるため、検知漏れを生じ難い。さらに、検査に供されるスラリーの全量を検査し得るため、精度の高い検査を行うことができる。
好適な一態様では、上記気泡の検知は、上記被検知部位に光を照射して、該被検知部位をカメラで撮影することによって行う。また好適な他の一態様では、検知された気泡の大きさや数を算出することをさらに含んでいる。
また、本発明の他の側面として、活物質層を備えた電極の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程:
(1)ここで開示される気泡検査装置または気泡検査方法によって活物質層形成用スラリーに含まれる気泡を検査すること;および
(2)上記検査済みのスラリーを用いて活物質層を形成し、電極を作製すること;
を包含する。このように、電極の製造工程に気泡検査工程を組み込むことによって、ピンホールやスケ等の塗工不良の発生を効率的に抑制し得る。したがって、歩留まりを向上させることができ、緻密で高品質な電極を安定的に製造することができる。このことは、生産性や製造コストの観点からも好ましい。
なお、本発明において「電極」とは、集電体上に電極活物質を含む多孔性の電極活物質層が形成されている多孔性電極一般を意味する。例えば、二次電池、一次電池、キャパシタ(コンデンサともいう)、燃料電池等に用いられる電極であり得、典型的には繰り返し充放電可能な蓄電デバイス一般に用いられる電極、例えばリチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ、疑似容量キャパシタ等に用いられる電極を包含する用語である。このように、本発明に関して「電極」とは、二次電池等のいわゆる化学反応(ファラデー反応)を蓄電機構とする電池の電極に限定されず、電気二重層キャパシタ等の化学反応を伴わない(非ファラデー反応)いわゆる物理現象(誘電分極)を蓄電機構とする物理電池の電極をも含み得る。
さらに、本発明の他の側面として、正負の電極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程:
(1)上述の方法により製造した電極(正極および/または負極)を準備すること;
(2)上記電極(正極および/または負極)を用いて非水電解質二次電池を構築すること;
を包含する。上記製造方法によれば、製造不良の発生を低減し得、優れた電池性能を長期に渡り発揮し得る非水電解質二次電池を安定して製造することができる。
なお、本明細書において「非水電解質二次電池」とは非水電解質(典型的には、非水溶媒中に支持塩を含む電解液)を備えた電池をいう。
一実施形態に係る気泡検査装置の構造を示す模式図である。 一実施形態に係る気泡検査システムの構成を示すブロック図である。 一実施形態に係る電極の製造装置を示す模式図である。 一実施形態に係る非水電解質二次電池の断面構造を示す模式図である。 図4の捲回電極体の構成を示す模式図である。 ロータの回転数とスラリーの流量との関係を示すグラフである。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態を説明する。以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付して説明している。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
≪気泡検査装置300≫
本発明により、液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリーに含まれる気泡を検査する、気泡検査装置が提供される。図1は、本発明の一実施形態に係る気泡検査装置の構造を示す模式図である。ここで開示される気泡検査装置300は、大まかに言って流路機構210と気泡検知部250とを備える。また、好適な一態様では、制御部260をさらに備える。以下、各部位を順に説明する。
<流路機構210>
流路機構210はスラリーの流路212を備えている。図1に示す形態では、本体220に備えられた対向する壁面、すなわち流路壁213および225で囲まれた空間が、スラリーの流路212である。流路212には、吸入口222および吐出口224が設けられており、検査対象たるスラリーは、吸入口222を通じて流路212に供給され、流路212を流通した後、吐出口224から吐出される。
流路212を構成する壁面の一部(ここでは、流路壁213の一部)には、スラリーの流動方向に回転可能な円筒状のローラ214を備えている。ローラ214がスラリーの流動方向に回転すると、排出口224側に比べて吸入口213側がやや負圧の状態となり、これによってスラリーが流路212内に引き込まれて流動方向へと流動し得る。このため、例えば狭い流路を流動し難い性状のスラリー(例えば高粘度なスラリー)であっても、流路212内を円滑に流動させることができる。
流路壁213の材質としては、機械的強度、耐摩耗性に優れるとともに、検査対象たるスラリーに対して高い耐腐食性を有するものを好ましく採用し得る。このような性状を満たす材質としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)、ねずみ鋳鉄(FC)、黒鉛鋳鉄(FCD)、炭素鋼(SC)、圧延鋼(SS)、アルミニウム合金等の金属材料;ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン等の樹脂材料;が挙げられる。
また、後に詳述するように、ローラ214は被検知部位228の対向面(背後の壁面)となるため、上記性状に加えて高い反射率を有する(例えば反射率が50%以上、好ましくは60%以上)ことが好ましい。高い反射率を有することにより、気泡211をより明瞭に識別し得、検知漏れを一層抑制し得る。すなわち、ローラ214の材質としては、機械的強度、耐摩耗性、反射性に優れたものを好ましく採用し得る。特に好ましい材質として、SUSが挙げられる。ローラ214の表面は、本発明の効果を大きく損なわない限りにおいて、例えばシボ加工、サンド加工、凹凸加工等を施した形態であり得る。これによって、ローラ214の表面にスラリー中の固形分が付着することを好適に抑制することができる。
好適な一態様では、ローラ214は該ローラを回転駆動するための駆動部216を備える。駆動部216は、例えば所定のモータであり得る。これによって、例えば高粘度なスラリーであっても着実に流動させることができ、安定して検査を行うことができる。図1に示す形態では、ローラ214はその中心部にシャフト(回転軸)215が支持されており、これを通じて駆動部216と電気的に接続されている。駆動部216によってローラ214が所定の方向(図1の矢印の方向)に回転すると、それに伴ってスラリーが流動方向へ流動させられる。図6は、ロータの回転数(rpm)とスラリーの流量(g/min.)との関係を示すグラフである。また、図6中の数値(100μm、200μm)は、それぞれ被検知部位における流路の間隔を示している。このように、例えば検査対象たるスラリーの性状や気泡の大きさ等によって流路の間隔を変更した場合は、駆動部216の回転速度を制御することによってスラリーの流通速度を検査に好適なように調整することができる。
好適な一形態では、駆動部216に制御部260が接続されている。そして、制御部260からの信号に基づいて、所定のプログラムに従って駆動部216が駆動する。かかる形態によれば、気泡211の検知を効率よく安定的に行うことができる。
好適な他の一態様では、ローラ214は該ローラに付着したスラリー中の固形分を除去するためのプレート部材218を備える。これによって、検査の前後でスラリー中の固形分率や組成が変化することを抑制し得、例えば電極の製造等に安定して供し得る。
プレート部材218の材質としては、検査対象たるスラリーに対して高い耐腐食性を有し、且つ比較的高い弾性率を有する(低硬度な)ものを好ましく採用し得る。好適例として、シリコンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)、フッ素ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム(ACM)等のゴム材料;PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)等の樹脂材料が挙げられる。弾性率が比較的高い材質を用いることによってローラ214とプレート部材218との密着性が高まり、ローラに付着した固形分を適切に除去し得る。このため、スラリー中の固形分率や組成を検査前後で好適に維持することができる。プレート部材218の形状は特に限定されないが、図1に示す形態では矩形状である。また、プレート部材218のローラ214に接する側の先端は、例えば櫛歯形状、スリット状等に加工された形態であり得る。これにより、ローラ214との接触抵抗を低く抑えることができる。なお、図1に示す形態では流路機構210内に1つのローラ214を備えているが、かかる態様に限定されず、例えば2つ以上のローラ214を設置することもできる。
流路212を構成する壁面のうち、少なくともローラ214に対向する位置(ここでは、流路壁213に対向する流路壁225の一部)には、外部から視認可能な部位226を備える。図1に示す形態では、視認可能な部位226が被検知部位228となる。被検知部位228では、光学的手法を用いてスラリーに含まれる気泡211を視覚的に確認することができる。外部から視認可能な部位226は、光透過性(透明度)の高い材質で形成される。好適例として、ガラス、石英等の無機材料;ポリカーボネート(アクリル)等の樹脂材料;等が挙げられる。なかでも機械的強度に優れる強化ガラスを用いることが特に好ましい。また、流路壁225のその他の部位(すなわち視認可能な部位226以外の部位)には、流路壁213の材質として例示したものを適宜採用し得る。
なお、図1に示す形態では、ローラ214に対向する位置のみが視認可能なよう形成されているが、かかる態様に限定されず、例えばローラ214を備える壁面と対向する壁面全体を視認可能なよう形成することもできる。
被検知部位228における流路212の間隔(ここでは、対向する二つの壁面の間隔)は、例えばスラリーの性状(例えば粘度や色調)や検出対象とする気泡211の大きさ等によって異なり得るため特に限定されないが、例えば1mm以下(典型的には500μm以下、例えば400μm以下)であり得る。本発明者らの検討によれば、例えば後述する物質層形成用スラリーの塗工時に、スラリー中に数百ミクロン程度の大きさ(例えば300μm程度)の気泡211が含まれるとピンホールやスケ(欠点)等の塗工不良を生じ易い。流路212の間隔を上記範囲とすることで、このような塗工不良の原因となり得る数百ミクロン程度の大きさ(典型的には500μm以下、例えば50μm〜400μm)の気泡211を好適に検査把握することができ、塗工不良を回避し得る。また、かかる範囲とすることで、例えば検査対象たるスラリーが光吸収率の高い黒色系の色調であっても精度よく気泡211を検知し得る。流路212の間隔の下限値は特に限定されないが、スラリーを円滑に流路212内に流通させる観点から、通常50μm以上(例えば100μm以上)とすることが好ましい。
なお、本明細書において「流路の間隔」とは、吸入口222から吐出口224に至る流路212において最も狭い部分における差渡し長さ(典型的には、対向する壁面間の最短距離。例えば、図1における流路壁213と対向する流路壁225との間の最短距離。)をいう。また、被検知部位228における流路の間隔は、典型的にはローラ214の最も凸な部位から被検知部位228までの最短距離をいう。上記隙間の間隔は、例えばローラ214の位置を調整することによって行い得る。
<気泡検知部250>
気泡検知部250は、流路212の視認可能な部位226であって被検知部位228において光学的手法を用いて気泡211を検知する部分であり、典型的には投光部252と受光部254とを備える。気泡検知手段として光学的手法を採用することにより、スラリーに含まれる気泡211を視覚的に確認することができ、気泡211の大きさや個数を定量的に把握することができる。また、ここで開示される気泡検査装置300では、流路212内に供給されたスラリーは必ず被検知部位228を通過する。このため、スラリーの全量を検査し得、精度の高い気泡検知を行い得る。なお、ここで検出し得る気泡211の大きさは、被検知部位228における流路212の間隔よりも小さく、例えば50μm〜500μm(典型的には100μm〜400μm)程度であり得る。
投光部252は特に限定されないが、例えば100nm〜3μm程度の波長の光を照射するものであり得る。より具体的には、紫外線(波長:100nm〜420nm)、可視光線(波長:380nm〜780nm)、赤外線(波長:780nm〜1.4μm)、レーザー光線等を照射するものであり得る。投光部252はまた、広帯域の波長の光を照射するものであってもよく、実質的に単一波長の光を照射するものであってもよい。被検知部位に光を照射することで画像がより鮮明となり、より精度の高い気泡検知を行い得る。
受光部254は、投光部252から照射される光を検知し得るものであればよく、特に限定されない。例えば所定の撮影機能を備えたカメラ、より具体的にはデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、あるいは被写体の画像を認識する画像認識装置(例えば、イメージセンサーなどを備えた装置)等であり得る。また、投光部252に可視光線を用いた場合は、検査員(人間)が目視によって直接的に気泡211を確認することもできる。
ここで開示される気泡検査装置300では、スラリーが連続的に被検知部位228を通過するため、該被検知部位においてスラリーに含まれる気泡211を検知し得る時間はごく僅かである。そこで、好ましい一態様では、被検知部位228をリアルタイムでカメラ撮影し、得られた画像データを用いて気泡211の有無を判断する。これにより、スラリーに含まれる気泡211を精度よく検知することができ、気泡211の検知漏れを抑制し得る。
図1に示す形態では、気泡検知部250は、可視光を照射する投光部252と、1秒間に30フレームの撮影が可能なカメラ254とを備える。かかる態様では、投光部252から照射される可視光が被検知部位228に到達し、被検知部位228の背面(すなわちロータ214)で反射される。この反射光がカメラ254に到達してスラリーの画像データを得ることができる。スラリーに気泡211が含まれる場合、スラリーと気泡211とでは光の反射率が異なるため、これを利用してスラリーに含まれる気泡211の大きさや個数を定量的に把握することができる。
なお、図1に示す形態では投光部252と受光部(カメラ)254とをそれぞれ1つずつ用いたが、かかる態様に限定されず、投光部252および/または受光部254を複数個併用することもできる。例えば、被検知部位228と平行になるよう複数個の投光部252を配列することができる。複数個の投光部252を用いる場合、それらの投光部252が照射する光の波長は等しくてもよく、互いに異なっていてもよい。また、複数個の受光部254を用いる場合、受光部254は同一のものであってもよく、異なる種類のものを併用してもよい。
好適な一形態では、気泡検知部250に制御部260が接続されている。そして、制御部260からの信号に基づいて、(好ましくは上述の駆動部216と連動して)気泡211の検査が行われる。また、気泡検知部250で得られた情報(典型的には、撮影された画像データ)は、気泡検知部250の出力として制御部260に送られる。
<制御部260>
制御部260は、主としてデジタルコンピュータから構成され、気泡検査装置300の作動における制御装置(ECU:Engine Control Unit)として機能する。制御部260は、例えば、制御を行うためのプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)と、そのプログラムを実行可能なCPU(Central Processing Unit)と、入出力ポートとを備える。制御部260は、所定の情報に基づいてモータ214の駆動部216や気泡検知部250を制御する。より具体的には、出力ポートを介して、ローラ214の回転速度の調整や、投光部252および受光部254の駆動や調整等を行う。また、入力ポートを介して、気泡検知部250からの信号(出力)を受信する。そして、受光部254によって撮影された情報(画像データ)に基づき、既存の画像処理の技術等を利用して(例えばスラリーと気泡211との色調の違いから)スラリーに含まれる気泡211の数や大きさを算出する。
≪気泡検査システム400≫
図2は、上述のような気泡検査装置300を組み込んだ気泡検査システム400の一実施形態に係るブロック図である。図2に示すように、気泡検査システム400は大まかに言って気泡検査装置300(すなわち、流路機構210と気泡検知部250と制御部260)と、貯留タンク310と、回収タンク320と、評価部340と、を備える。以下、各部位について順に説明する。なお、気泡検査装置300については、先に説明したものと同様であるため、その詳細な説明を省略する。
貯留タンク310は、液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリー(検査対象)を貯留する容器である。貯留タンク310の内壁は、貯留するスラリーに対して耐腐食性に優れた材質であることが好ましい。このような材質としては、例えばSUSが挙げられる。
なお、図2に示す形態では、貯留タンク310が直接流路機構210と接続しているが、例えば貯留タンク310と流路機構210との間にポンプ等を介在させることによってスラリーに移送圧を負荷することもできる。かかる場合、ポンプの性能を調整することによって、流路機構210(具体的には、流路212)におけるスラリーの流通速度を制御し得る。
回収タンク320は、検査後のスラリーを回収する容器である。回収タンク320の内壁は、スラリーに対して耐腐食性に優れた材質であることが好ましい。このような材質としては、例えばSUSが挙げられる。好ましい一形態では、後述する評価部340の評価結果に基づいて、塗工に好適と判定されたスラリーとそうでないスラリーとを別々の回収タンク320に回収する。例えば吐出口224の先に2本の流路を設け、制御部260からの信号に基づいて弁を切り替えることにより、塗工に好適と判定されたスラリーとそうでないスラリーを分別し、それぞれ別々の回収タンク320に回収することができる。
評価部340は、制御部260から送られてきた気泡検査結果(スラリーに含まれる気泡の大きさや数の定量的データ)に基づいて、検査対象としてのスラリーが塗工に好適か否か評価する。好適な一形態では、上記好適か否かの判定基準となる値を、例えばROM、HDD、光記録媒体、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、フラッシュメモリ等の記録媒体にあらかじめ記録しておく。そして、これを閾値として実測の検知結果と比較することにより、検査に供したスラリーが塗工に好適か否かを判定する。閾値の範囲は任意に設定することができ、例えば、スラリーに含まれる気泡の数や大きさにより決定することができる。より具体的には、例えば直径300μm以上(典型的には直径が100μm〜300μm)の気泡が1つも無い場合に、塗工に好適と判断するように設定することができる。この場合、塗工に好適と判定されたスラリーでは、ピンホールやスケ(欠点)等の塗工不良を生じ難く、性能のばらつきが少ない高品質な電極を安定的に作製することができる。このように評価部340で得られた情報は評価部340の出力として制御部260に送られ、例えば吐出口224の先に備えられた流路の切り替えを行うために使用され得る。
≪気泡検査方法≫
また、本発明により、液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリーに含まれる気泡の検査方法が提供される。かかる検査方法は、スラリーの流路であって該流路を構成する壁面には上記スラリーの流動方向に回転可能なローラを設けておき、さらに上記ローラに対向する位置には外部から視認可能な部位を設けておき、該流路内に上記スラリーを流動させて、上記視認可能な部位であって上記気泡を検知する被検知部位において上記スラリーに含まれる気泡を光学的手法によって検知する。
かかる検査方法によれば、高粘度なスラリーであっても好適に気泡の検査を行うことができる。また、被検知部位においてスラリーに含まれる気泡の大きさや個数を視覚的に把握できるため、検知漏れを生じ難い。さらに、検査に供されるスラリーの全量を検査し得るため、精度の高い検査を行うことができる。このような検査には、例えば図1に示される気泡検査装置(あるいは、図2に示される気泡検査システム)を使用して好適に行うことができる。
気泡検査における好ましい一態様では、上記気泡検知部として、光(典型的には可視光)を照射する投光部252と、受光部(典型的にはカメラ)254とを用意する。そして、投光部252によって被検知部位228に光を照射して、受光部254でその反射光を検知する。好適な他の一態様では、検知された上記気泡の大きさや数を算出することをさらに含む。
≪電極の製造方法≫
また、本発明により、活物質層を備えた電極の製造方法が提供される。かかる製造方法は、以下の工程:
(1)ここで開示される気泡検査装置または気泡検査方法によって活物質層形成用スラリーに含まれる気泡を検査すること;および
(2)上記検査済みのスラリーを用いて活物質層を形成し、電極を作製すること;
を包含する。気泡検査工程を組み込むことによって、規格値以上(例えばΦ2mm以上、あるいは面積が0.4mm以上)のピンホールやスケ等が発生することを好適に抑制し得る。これによって緻密で高品質な電極を安定的に製造することができ、歩留まりを向上し得る。
図3は、本発明の一実施形態に係る電極の製造装置100を示す模式図である。製造装置100は、例えば非水電解質二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)の正極シート110や負極シート120(図4,5参照)を製造するために好適に採用し得る。図3に示す態様において、電極製造装置100は、大まかに言って、走行経路12と、集電体供給部14と、電極回収部16と、活物質層供給装置40と、乾燥炉50とを備えている。また、活物質層供給装置40には、気泡検査装置300が備えられている。
走行経路12は、集電体12aを走行させる経路である。この実施形態では、走行経路12には集電体12aを走行させる所定の経路に沿って複数のガイド12bが配置されている。なお、図示は省略するが、走行経路12には、集電体12aに適当な張力が作用するように張力を調整する機構(例えば、ダンサローラ)が必要に応じて適宜に配置されている。また、好適な一態様では、集電体12aの幅方向の位置を調整する位置調整機構が走行経路12に必要に応じて適宜に配置されている。位置調整機構には、例えばエッジ検知装置(エッジセンサー)と位置補正機構(ポジションコントローラ)とを組み合わせた、いわゆるEPC(edge position control)のような位置調整機構を採用することができる。
集電体供給部14は、走行経路12に集電体12aを供給する部位である。この実施形態では、走行経路12の始端に集電体供給部14が設けられている。また、集電体供給部14には予め巻き芯14aに巻き取られた集電体12aが配置されており、適宜に適当な量の集電体12aが集電体供給部14から走行経路12に供給される。
電極回収部16は、走行経路12から集電体12aを回収する部位である。この実施形態では、走行経路12の終端に電極回収部16が設けられている。電極回収部16は、走行経路12の途中で所定の処理が施された集電体12aを巻き芯16aに巻き取る。電極回収部16は、例えば制御部16bと、制御部16bに設定された所定のプログラムに従って駆動するモータ16cとを備える。集電体12aは、モータ16cによって操作された巻き芯16aによって適宜巻き取られる。
活物質層供給装置40は、金属箔(集電体12a)上に活物質層形成用スラリー40aを供給する装置である。かかる活物質層供給装置40は、貯留タンク41と、フィルタ42と、上述の気泡検査装置300と、バックロール44と、塗工部45と、を備えている。また、活物質層形成用スラリー40aの供給経路であって、気泡検査装置300と塗工部45の間には、弁43を備えている。なお、図示は省略するが、活物質層形成用スラリー40aの移送圧が不足する場合は、ポンプ等の移送機構を適宜併用することもできる。
貯留タンク41は、液状媒体中に活物質等の材料(固形物)が分散されてなる活物質層形成用スラリー40aを貯留する容器である。ここで示す形態では縦長の円筒形状を有し、底面には排出口41aが、側面には受入口41bが、それぞれ設けられている。排出口41aは、貯留タンク41からフィルタ42(ひいては塗工部45)へ活物質層形成用スラリー40aを移送するための供給経路に接続されている。一般に、撹拌混合等でスラリー中に混入した気泡は、浮力によって時間の経過とともにスラリーの表面(あるいは上方)に偏在し得る。このため、排出口41aを貯留タンク41の下方(ここでは底面)に設けることで、より気泡の低減された活物質層形成用スラリー40aを供給経路へと送り出すことができ、ピンホールやスケ等の塗工不良の発生をより一層抑制することができる。他方、受入口41bは気泡検査装置300から活物質層形成用スラリー40aを戻すための経路に接続されている。
貯留タンク41の内壁は、貯留する活物質層形成用スラリー40aに対して耐腐食性に優れた材質であることが好ましい。このような材質としては、例えばSUSが挙げられる。好適な一態様では、貯留タンク41内が減圧状態(より好適には真空状態)で保持されている。貯留タンク41内の圧力を低くすることで、活物質層形成用スラリー40aに含まれる気泡を好適に除去することができる。このような理由から、貯留タンク41は耐圧性に優れた真空タンクであることが特に好ましい。なお、ここでは貯留タンク41に直接活物質層形成用スラリー40aが導入される態様を示したが、かかる態様には限定されず、例えば任意の混練装置と配管によって接続され、かかる配管を通じて活物質層形成用スラリー40aが導入される態様とすることもできる。
気泡検査に供されるスラリーは、例えば、有機溶媒中に正極活物質粒子とバインダと導電材としての炭素材料とが混ぜられた正極活物質層形成用スラリーの形態であり得る。あるいは、水性溶媒中に負極活物質粒子とバインダとが混ぜられた負極活物質層形成用スラリー形態であり得る。スラリーの固形分濃度は、例えば40質量%〜80質量%(典型的には45質量%〜75質量%、例えば50質量%〜70質量%)であり得る。また、スラリーの粘度は、液温:25℃において、E型粘度計を用いてロータ回転数1rpmで測定したときの値が、概ね10000mPa・s以下(例えば1000〜10000mPa・s、好ましくは8000mPa・sm以下、より好ましくは5000mPa・sm以下、特に好ましくは3000mPa・sm以下)であり得る。スラリーの性状を上記範囲とすることで、気泡検査装置300において気泡の検査を好適に行うことができる。さらに、塗工時の塗工不良(例えば塗工スジや厚みムラ)が生じることを抑制し得る。
フィルタ42は、活物質層形成用スラリー40aの供給経路であって、貯留タンク41から塗工部45の間に配置される。ここで開示される態様では、貯留タンク41と気泡検査装置300との間に設けられている。フィルタ42は、活物質層形成用スラリー40a中に含まれ得る粒子の凝集体(例えば、活物質の凝集物)や異物(例えば、金属異物)を除去するとともに、活物質層形成用スラリー40a中の粒子のサイズ(径)を揃える部材である。その一方で、フィルタリングによって、例えばフィルタ42に含まれる空気やフィルタを配管に接続する部位(例えば、Oリング)から空気が取り込まれ、スラリー中に気泡が混入することがあり得る。このため、フィルタ後のスラリーを気泡検査に供することで、より好適にスラリー中の気泡を除去することができる。フィルタ42としては、例えば、樹脂や金属の繊維を絡ませた不織布フィルタ;樹脂や金属の繊維を編んだメッシュフィルタ;等を用いることができる。フィルタ42の目の粗さは、例えば除去対象とする粒子の大きさや活物質層形成用スラリー40aの粘度等によって、適宜変更することができる。
気泡検査装置300は、スラリーに含まれる気泡211を検査する装置であり、例えば図1に示す形態であり得る。弁43は、ゲート弁、グローブ弁、ボール弁、バタフライ弁、ダイヤフラム弁、電動弁、電磁弁等であり得る。この実施態様では、弁43は電磁弁であり、図示しない制御部および評価部と電気的に接続されている。
バックロール44は、走行経路12に沿って配設されており、集電体12aを支持するローラである。塗工部45は、活物質層形成用スラリー40aを所定の目付量で集電体12a上に塗工する部位である。塗工部45には、例えば、スリットコーター、グラビアコーター、ダイコーター、コンマコーター等の従来公知の塗工装置を用いることができる。図1に示す形態ではダイコーターが採用され、集電体12aの走行経路12に活物質層形成用スラリー40aを吐出する吐出口が配置されている。
貯留タンク41に貯留された活物質層形成用スラリー40aは、例えばまず貯留タンク41で減圧状態に保持され、脱泡処理が施される。次に、貯留タンク41に設けられた排出口41aから供給経路に供給され、フィルタ42によって凝集体や異物が除去される。このスラリーは、次に、気泡検査装置300によってスラリーの気泡211の有無が検査され、かかる気泡検査結果に基づいてスラリーに含まれる気泡211の大きさや数が算出される。この結果に基づいて、活物質層形成用スラリー40aが塗工に好適か否かが評価され、塗工に好適と判断された場合は、弁43が切り替わることによって当該スラリーが塗工部45に供給され、バックロール44に支持された集電体12a上に塗工される。この実施形態では、走行経路12に沿って集電体12aを走行させながら連続して活物質層形成用スラリー40aを供給することができる。他方、上記結果に基づいて、活物質層形成用スラリー40aが塗工に不適と判断された場合は、弁43が切り替わることによって当該スラリーが再び貯留タンク41へと戻される。この際、好適な一態様では、塗工に好適と判断された活物質層形成用スラリー40aが循環経路内にある程度バッファーとして循環している。これによって、塗工に不適と判断されたスラリーを貯留タンク41へ戻した場合であっても、塗工部45に所定の量のスラリーを供給し続けることができる。また、仮に循環経路内のバッファーを全て消費した場合には、当該ロットのスラリー全体を塗工に不適と判断し得る。
乾燥炉50は、集電体12aの走行経路12に設けられており、活物質層形成用スラリーの塗工後に、例えば80℃〜150℃程度の高温の乾燥雰囲気に集電体12aを曝して、該スラリーに含まれる溶媒を除去するための装置である。これにより、集電体12a上に活物質層を備えた電極を製造することができる。乾燥炉50を通過した集電体12aは、電極回収部16において巻き芯16aに巻き取られ、電池製造における次工程に供される。
≪非水電解質二次電池の製造方法≫
また、本発明により正負の電極と非水電解質とを備えた非水電解質二次電池の製造方法が開示される。かかる製造方法は、以下の工程:
(1)上述の電極製造方法によって、正極および/または負極を準備すること;および
(2)上記作製した正極および/または負極を用いて非水電解質二次電池を構築すること;
を包含する。ここで開示される技術によれば、高い電池性能を長期に渡り発揮し得る非水電解質二次電池を安定的に製造し得る。
≪(1)正極および/または負極の準備工程≫
<正極シート>
正極シートは、長尺状の正極集電体と、該集電体の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って形成された少なくとも正極活物質を含む正極活物質層とを備えている。このような正極シートは、例えば図3に示す電極製造装置を用いて、正極活物質と必要に応じて用いられる材料とを適当な溶媒に分散させたスラリーをシート状の正極集電体に付与、乾燥することにより作製し得る。正極集電体には、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性部材が好適に使用され得る。また、上記溶媒としては水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用可能であり、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることができる。
正極活物質としては、非水電解質二次電池の正極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料の1種または2種以上を特に限定なく使用することができる。好適例として、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(LiNiO、LiCoO、LiMn、LiFeO等)が挙げられる。なかでも、構成元素としてLi,Ni,CoおよびMnを含む、層状構造(典型的には、六方晶系に属する層状岩塩型構造)のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/3)は、熱安定性に優れ、且つ他の化合物に比べて理論エネルギー密度が高いため好ましく用いることができる。本発明者らの検討によれば、リチウム複合金属酸化物は液状媒体中で凝集を生じ易く、一般的な検査装置では該酸化物を含むスラリーに含まれる気泡の検査が難しい場合があり得る。このため、ここで開示される気泡検査装置(例えば図1に示すような気泡検査装置)の適用が特に有用である。あるいは、図3に示すような装置を用いることによって、スラリーに含まれる気泡の検査と共に正極集電体上に正極活物質層を備えた正極を好適に製造することができる。
ここで用いられる正極活物質層には、上記正極活物質に加え、一般的な非水電解質二次電池において正極活物質層の構成成分として使用され得る1種または2種以上の材料を必要に応じて含有し得る。そのような材料の例として、導電材やバインダが挙げられる。導電材としては、例えば、種々のカーボンブラック(典型的にはアセチレンブラック、ケッチェンブラック)、コークス、活性炭、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ等の炭素材料を好適に用いることができる。なかでも、比較的粒径が小さく比表面積が大きいカーボンブラック(典型的には、アセチレンブラック)を好ましく用いることができる。バインダとしては、使用する溶媒に溶解または分散可能なポリマーを用いることができる。例えば、非水溶媒を用いた正極活物質層スラリーにおいては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等を好適に用いることができる。また、水性溶媒を用いた正極活物質層スラリーにおいては、カルボキシメチルセルロース(CMC;典型的にはナトリウム塩)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース系ポリマー;ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系樹脂;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム類;を好ましく採用することができる。その他、各種添加剤(例えば、分散剤や過充電時にガスを発生させ得る化合物等)を適宜使用することもできる。
正極活物質層全体に占める正極活物質の割合は、凡そ60質量%以上(典型的には60質量%〜99質量%)とすることが適当であり、通常は凡そ70質量%〜95質量%であることが好ましい。導電材を使用する場合、正極活物質層全体に占める導電材の割合は、例えば凡そ2質量%〜20質量%とすることができ、通常は凡そ3質量%〜10質量%とすることが好ましい。バインダを使用する場合、正極活物質層全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ0.5質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
正極集電体の単位面積当たりに設けられる正極活物質層の質量は、正極集電体の片面当たり例えば5mg/cm〜40mg/cm(典型的には10mg/cm〜20mg/cm)程度とすることができる。なお、この実施形態のように正極集電体の両面に正極活物質層を有する構成では、正極集電体の各々の面に設けられる正極活物質層の質量を概ね同程度とすることが好ましい。また、正極活物質層の密度は、例えば1.5g/cm〜4g/cm(典型的には1.8g/cm〜3g/cm)程度とすることができ、正極活物質層114の片面当たりの厚みは、例えば40μm以上(典型的には50μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とすることができる。正極活物質層の密度や厚みを上記範囲とすることで、所望の容量を維持しつつ、拡散抵抗を低く抑えることができる。このため、非水電解質二次電池の出力特性とエネルギー密度とを高いレベルで両立させることができる。なお、正極活物質層の厚みや密度は、例えば正極活物質スラリーの乾燥後、適当なプレス処理を施すことによって調整することができる。
<負極シート>
負極シートは、長尺状の負極集電体と、該集電体の片面または両面(ここでは両面)に長手方向に沿って形成された少なくとも負極活物質を含む負極活物質層とを備えている。このような負極シートは、例えば図3に示す電極製造装置を用いて、負極活物質と必要に応じて用いられる材料とを適当な溶媒に分散させたスラリーをシート状の負極集電体に付与し、該スラリーを乾燥させて負極活物質層(負極活物質層)を形成することにより好ましく作製することができる。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等)からなる導電性材料が好ましく用いられる。また上記溶媒としては、水性溶媒および有機溶媒のいずれも使用可能であり、例えば水を用いることができる。
負極活物質としては、非水電解質二次電池の負極活物質として使用し得ることが知られている各種の材料の1種または2種以上を、特に限定なく使用することができる。好適例として、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)、カーボンナノチューブ、これらを組み合わせた構造を有するもの等の少なくとも一部にグラファイト構造(層状構造)を含む炭素材料が挙げられる。なかでも、天然黒鉛(石墨)や人造黒鉛を好ましく用いることができる。
ここで用いられる負極活物質層には、上記負極活物質に加え、一般的な非水電解質二次電池において負極活物質層の構成成分として使用され得る1種または2種以上の材料を必要に応じて含有し得る。そのような材料の例として、バインダや各種添加剤が挙げられる。バインダとしては、上記正極活物質層用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。具体的には、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等が例示される。その他、増粘剤、分散剤、導電材等の各種添加剤を適宜使用することもでき、増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)を好適に用いることができる。
負極活物質層全体に占める負極活物質の割合は、凡そ50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは90質量%〜99質量%(例えば95質量%〜99質量%)である。バインダを使用する場合には、負極活物質層124全体に占めるバインダの割合を例えば凡そ1質量%〜10質量%とすることができ、通常は凡そ1質量%〜5質量%とすることが適当である。
負極集電体の単位面積当たりに設けられる負極活物質層の質量は、例えば5mg/cm〜20mg/cm(典型的には5mg/cm〜10mg/cm)程度とすることが適当である。負極活物質層124の密度は、例えば0.5g/cm〜2g/cm(典型的には1g/cm〜1.5g/cm)程度とすることができ、負極活物質層の厚みは例えば40μm以上(典型的には50μm以上)であって、100μm以下(典型的には80μm以下)とすることができる。負極活物質層の密度や厚みを上記範囲とすることで、非水電解質との界面を好適に保ち、耐久性(サイクル特性)と出力特性とを高いレベルで両立させることができる。
≪(2)電池構築工程≫
次に、正極シートと負極シートとを用いて電極体を作製し、該電極体と非水電解質とを所定の電池ケースに収容することで非水電解質電池が構築される。
<電極体>
電極体は、正極シートと負極シートとを積層し、作製される。電極体の典型的な構成では、正極シートと負極シートとの間に両者の直接接触を防ぐ絶縁層が配置されている。好ましい一態様では、上記絶縁層として長尺シート状のセパレータシートを使用する。セパレータとしては、一般的な非水電解質二次電池用セパレータと同様のものを特に限定なく用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シート、不織布等を用いることができる。好適例として、1種または2種以上のポリオレフィン樹脂を主体に構成された単層または多層構造の多孔性シート(微多孔質樹脂シート)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造(PP/PE/PP構造))であってもよい。また、上記多孔質シート、不織布等の片面または両面(典型的には片面)に、無機フィラーを含む多孔質耐熱層を備える構成のものであってもよい。また、セパレータの総厚みは、例えば、凡そ10μm〜40μmの範囲内で設定することが好ましい。
<電池ケース>
上記作製した電極体を電池ケースに収容する。電池ケースとしては、従来から非水電解質二次電池に用いられる材料や形状を用いることができる。該ケースの材質としては、例えば、アルミニウム、スチール等の金属材料;ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料;が挙げられる。なかでも、放熱性向上やエネルギー密度を高める目的から、比較的軽量な金属(例えば、アルミニウムやアルミニウム合金)を好ましく採用し得る。また、該ケースの形状(容器の外形)は、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、袋体形、およびそれらを加工し変形させた形状等であり得る。
<非水電解質>
非水電解質としては、非水溶媒中に支持塩(例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等。リチウムイオン二次電池ではリチウム塩。)を溶解または分散させたものを好ましく採用し得る。支持塩としては、一般的な非水電解質二次電池と同様のものを適宜選択して採用し得、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、Li(CFSON、LiCFSO等のリチウム塩を用いることができる。このような支持塩は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。特に好ましい支持塩としてLiPFが挙げられる。また、非水電解質は上記支持塩の濃度が0.7mol/L〜1.3mol/Lの範囲内となるように調製することが好ましい。
非水溶媒としては、一般的な非水電解質二次電池の電解液に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を、特に限定なく用いることができる。具体例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が例示される。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。さらに、非水電解質中には本発明の目的を大きく損なわない限度で、各種添加剤を適宜添加することもできる。上記添加剤は、例えば、電池の出力性能の向上、保存性の向上(保存中における容量低下の抑制等)、サイクル特性の向上、初期充放電効率の向上等の1または2以上の目的で使用され得る。好ましい添加剤の例として、フルオロリン酸塩(典型的にはジフルオロリン酸塩、例えばジフルオロリン酸リチウム)、リチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等が挙げられる。
図4は、このようにして構築された非水電解質二次電池200の断面を示している。この非水電解質二次電池200は、捲回電極体180が、図示しない非水電解質とともに、該電極体180の形状に対応した扁平な直方体形状(角形)の電池ケース150に収容された構成を有する。この電池ケース150は、上端が開放された扁平な直方体形状(角形)の電池ケース本体152と、その開口部を塞ぐ蓋体154とを備える。電池ケース150の上面(すなわち蓋体154)には、外部接続用の正極端子170および負極端子172が、それら端子の一部を蓋体154から電池の外方に突出するよう設けられている。また、蓋体154には電池ケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁155が備えられている。
かかる構成の非水電解液二次電池200は、例えば、電池ケース150の開口部から電極体180を内部に収容し、電池ケース150の開口部に蓋体154を取り付けた後、蓋体154に設けられた図示しない電解液注入孔から非水電解液を注入し、次いでかかる注入孔を塞ぐことによって構築することができる。なお、非水電解質の配置(注入)プロセスや電池ケースの封止プロセスは、従来の非水電解質二次電池の製造で行われている手法と同様にして行うことができる。
図5は、捲回電極体180を組み立てる前段階における長尺状のシート構造(電極シート)を模式的に示す図である。捲回電極体180は、長尺状の正極集電体112の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って正極活物質層114が形成された正極シート110と、長尺状の負極集電体122の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って負極活物質層124が形成された負極シート120とを重ね合わせて捲回し、得られた捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状に成形されている。また、正極活物質層114と負極活物質層124との間は、両者の直接接触を防ぐ絶縁層が配置されている。図5に示す形態では、捲回電極体180を作製するに際して、上記絶縁層として長尺シート状のセパレータ140を使用している。かかる構成の電極体は、高いエネルギー密度を発揮し得るため、例えば高いエネルギー密度や入出力密度が要求される用途で好ましく採用され得る。
ここで開示された製造方法によって製造された非水電解質二次電池(典型的にはリチウムイオン二次電池)は、優れた電池性能(例えば、エネルギー密度や耐久性)を安定的に発揮し得ることを特徴とする。例えば入出力特性に優れ、充放電を繰り返しても容量低下の少ない耐久性の高いものであり得る。したがって、かかる特徴を活かして、例えば車両の動力源(駆動用電源)として好適に利用し得る。車両の種類は特に限定されないが、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)、電気トラック、原動機付自転車、電動アシスト自転車、電動車いす、電気鉄道等が挙げられる。なお、かかる非水電解質二次電池は、それらの複数個を直列および/または並列に接続してなる組電池の形態で使用されてもよい。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここで開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
12 走行経路
12a 集電体(金属箔)
12b ガイド
14 集電体供給部
14a 巻き芯
16 電極回収部
16a 巻き芯
16b 制御部
16c モータ
40 活物質層供給装置
40a 活物質層形成用スラリー
41 貯留タンク
41a 排出口
41b 受入口
42 フィルタ
43 弁
44 バックロール
45 塗工部(ダイコーター)
50 乾燥炉
100 電極製造装置
110 正極シート(正極)
112 正極集電体
114 正極活物質層
120 負極シート(負極)
122 負極集電体
124 負極活物質層
140 セパレータシート(セパレータ)
150 電池ケース
152 電池ケース本体
154 蓋体
155 安全弁
170 正極端子
172 負極端子
180 捲回電極体
200 非水電解質二次電池
210 流路機構
211 気泡
212 流路
213 流路壁
214 ローラ
215 シャフト(回転軸)
216 駆動部(モータ)
218 プレート部材
220 本体
222 吸入口
224 吐出口
225 流路壁
226 外部から視認可能な部位
228 被検知部位
250 気泡検知部
252 投光部
254 受光部(カメラ)
260 制御部
300 気泡検査装置
310 貯留タンク
320 回収タンク
340 評価部
400 気泡検査システム

Claims (12)

  1. 液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリーに含まれる気泡を検査する装置であって:
    スラリーの流路であって、該流路を構成する壁面には前記スラリーの流動方向に回転可能なローラを備え、且つ該ローラと対向する位置には外部から視認可能な部位を備えたスラリーの流路と、
    前記視認可能な部位であって前記気泡を検知する被検知部位において光学的手法を用いて気泡を検知する気泡検知部と、
    を備え、
    ここで、前記流路内に供給された前記スラリーは、前記ローラが回転することで前記流動方向に流動し、且つ
    前記気泡検知部は、前記被検知部位において前記スラリーに含まれる気泡を検知可能なように設置されている、気泡検査装置。
  2. 前記気泡検知部は、光を照射する投光部とカメラとを備え、
    前記被検知部位に前記光を照射して前記カメラでその反射光を検知する、請求項1に記載の気泡検査装置。
  3. 前記流路の間隔は、少なくとも前記被検知部位において500μm以下である、請求項1または2に記載の気泡検査装置。
  4. 粘度が1000mPa・s以上のスラリーの検査に供される、請求項1から3のいずれか一項に記載の気泡検査装置。
  5. 前記気泡検知部で検知された結果に基づいて気泡の大きさや数を算出する制御部をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の気泡検査装置。
  6. 前記ローラは、該ローラを回転駆動するための駆動部を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の気泡検査装置。
  7. 前記ローラは、該ローラに付着した前記スラリー中の前記固形分を除去するためのプレート部材を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の気泡検査装置。
  8. 液状媒体中に固形物が分散されてなるスラリーに含まれる気泡を検査する方法であって:
    スラリーの流路であって該流路を構成する壁面に前記スラリーの流動方向に回転可能なローラを設けておき、さらに前記ローラと対向する位置には外部から視認可能な部位を設けておき、該流路内に前記スラリーを流動させて、前記視認可能な部位であって前記気泡を検知する被検知部位において前記スラリーに含まれる気泡を光学的手法によって検知する、スラリーの気泡検査方法。
  9. 前記被検知部位に光を照射して、該被検知部位をカメラで撮影することによって前記気泡の検知を行う、請求項8に記載の気泡検査方法。
  10. 検知された前記気泡の大きさや数を算出することをさらに含む、請求項8または9に記載の気泡検査方法。
  11. 活物質層を備えた電極の製造方法であって:
    請求項1から7のいずれか一項に記載の気泡検査装置または請求項8から10のいずれか一項に記載の気泡検査方法によって活物質層形成用スラリーに含まれる気泡を検査すること;
    および
    前記検査済みのスラリーを用いて活物質層を形成し、電極を作製すること;
    を包含する、電極の製造方法。
  12. 正負の電極と、非水電解質と、を備えた非水電解質二次電池の製造方法であって:
    請求項11に記載の方法を用いて製造された正極および/または負極を準備すること;および
    前記正極および/または負極を用いて非水電解質二次電池を構築すること;
    を包含する、非水電解質二次電池の製造方法。
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