JP2014151338A - 低水素系被覆アーク溶接棒 - Google Patents

低水素系被覆アーク溶接棒 Download PDF

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Abstract

【課題】Ni含有量が1質量%以下であっても低温靭性が良好な溶接金属が得られる低水素系被覆アーク溶接棒を提供する。
【解決手段】被覆剤の被覆率を10〜40質量%とし、被覆剤の組成を、質量%で、金属炭酸塩(CO換算値):10〜30%、金属フッ化物(F換算値):2〜13%、TiO:1〜7%、Si、Si合金及びSi酸化物のうち少なくとも1種(Si換算値):1.9〜11.7%、Ni及び/又はNi合金(Ni換算値):0.5〜3.5%、Mo及び/又はMo合金(Mo換算値):0.11〜0.45%、B、B合金及びB酸化物のうち少なくとも1種(B換算値):0.02〜0.25%、Ti及び/又はTi合金(Ti換算値):0.2〜1.0%、Al、Al合金、Mg及びMg合金のうち少なくとも1種(Al換算値又はMg換算値):0.2〜1.8%、Mn及び/又はMn合金(Mn換算値):1〜7%、Fe:3〜11%にする。
【選択図】なし

Description

本発明は、鋼心線を低水素系被覆剤で被覆した低水素系被覆アーク溶接棒に関する。より詳しくは、被覆アーク溶接における溶接金属の性能向上技術に関する。
従来、鋼心線を低水素系被覆剤で被覆した低水素系被覆アーク溶接棒に関して、溶接金属の性能を向上させるために、種々の検討がなされている(例えば、特許文献1〜3参照。)。特許文献1に記載の低水素系被覆アーク溶接棒では、溶接金属の破断靭性を向上させるため、心線のN量及びC量を規制し、被覆剤はCO及びMgを特定量含有すると共に酸性酸化物を規制した組成とし、更に、被覆率が26〜45%の範囲で、かつ、溶接棒全体でMn、Ni、Al及びPの量を調整している。
また、特許文献2に記載の低水素系被覆アーク溶接棒は、被覆剤からNiを添加する場合の溶接作業性及び溶接金属の靭性・延性を向上させるために、被覆剤に配合されるNi及びNi合金の粒度並びに成分組成などを特定している。更に、特許文献3に記載の低水素系被覆アーク溶接棒では、590MPa級以上の高張力鋼の溶接において溶接金属の低温破壊靭性を向上させるため、鋼心線及び被覆剤の組成をそれぞれ特定している。
特開平3−285793号公報 特開平7−251294号公報 特開2010−227968号公報
石油・ガスの開発や油・ガスの輸送では、硫化物応力腐食割れや水素脆性というサワー腐食が問題となる。この問題に対応するため、米国防蝕技術協会(National Association of Corrosion Engineers:NACE)の規格では、溶接金属中のNi量が1質量%以下に規制されている。しかしながら、前述した従来の低水素系被覆アーク溶接棒は、Niにより溶接金属の靭性を確保しているため、得られる溶接金属はNi含有量が1質量%を超えてしまい、NACEの要求に十分に対応することができないという問題点がある。
また、特許文献1に記載の低水素系被覆アーク溶接棒では、金属Mgを添加することにより、低い酸素量においても溶接金属の靭性を確保しているが、金属Mgの添加は、スパッタの発生や塗装性の低下などを招くため、溶接作業性が低下するという問題点がある。
そこで、本発明は、Ni含有量が1質量%以下であっても、低温靭性が良好な溶接金属が得られる低水素系被覆アーク溶接棒を提供することを主目的とする。
本発明に係る低水素系被覆アーク溶接棒は、鋼心線を被覆剤で被覆した低水素系被覆アーク溶接棒であって、前記被覆剤の被覆率が溶接棒全質量あたり10〜40質量%であり、前記被覆剤は、該被覆剤全質量あたり、金属炭酸塩(CO換算値):10〜30質量%、金属フッ化物(F換算値):2〜13質量%、TiO:1〜7質量%、Si、Si合金及びSi酸化物からなる群から選択される少なくとも1種(Si換算値):合計で1.9〜11.7質量%、Ni及び/又はNi合金(Ni換算値):合計で0.5〜3.5質量%、Mo及び/又はMo合金(Mo換算値):合計で0.11〜0.45質量%、B、B合金及びB酸化物からなる群から選択される少なくとも1種(B換算値):合計で0.02〜0.25質量%、Ti及び/又はTi合金(Ti換算値):合計で0.2〜1.0質量%、Al、Al合金、Mg及びMg合金からなる群から選択される少なくとも1種(Al換算値又はMg換算値):合計で0.2〜1.8質量、Mn及び/又はMn合金(Mn換算値):1〜7質量%、Fe:3〜11質量%を含有する。
前記被覆剤としては、例えば、Ni及びNi合金の総含有量(Ni換算値)を[Ni]、Ti及びTi合金の総含有量(Ti換算値)を[Ti]、B、B合金及びB酸化物の総含有量(B換算値)を[B]、Mo及びMo合金の総含有量(Mo換算値)を[Mo]、Mn及びMn合金の総含有量(Mn換算値)を[Mn]としたとき、下記数式1を満たすものを使用することができる。
Figure 2014151338
また、本発明の低水素系被覆アーク溶接棒は、引張強さが550MPa以上の高張力鋼の溶接に適用することができる。
本発明によれば、低水素系被覆アーク溶接棒の被覆剤組成及び被覆率を特定しているため、Ni含有量が1質量%以下であっても、低温靭性が良好な溶接金属を得ることができる。
横軸に被覆剤中のMo及びMnの総含有量をとり、縦軸に被覆剤中のNi、Ti及びBの総含有量をとって、実施例1〜15の被覆アーク溶接棒における被覆剤のMo及びMnの総含有量とNi、Ti及びBの総含有量の比と溶接金属性能との関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る低水素系被覆アーク溶接棒は、鋼心線を被覆剤で被覆した低水素系被覆アーク溶接棒であり、覆剤の被覆率が溶接棒全質量あたり10〜40質量%である。また、被覆剤は、その全質量あたり、金属炭酸塩(CO換算値):10〜30質量%、金属フッ化物(F換算値):2〜13質量%、TiO:1〜7質量%、Si、Si合金及びSi酸化物からなる群から選択される少なくとも1種(Si換算値):合計で1.9〜11.7質量%、Ni及び/又はNi合金(Ni換算値):合計で0.5〜3.5質量%、Mo及び/又はMo合金(Mo換算値):合計で0.11〜0.45質量%、B、B合金及びB酸化物からなる群から選択される少なくとも1種(B換算値):合計で0.02〜0.25質量%、Ti及び/又はTi合金(Ti換算値):合計で0.2〜1.0質量%、Al、Al合金、Mg及びMg合金からなる群から選択される少なくとも1種(Al換算値又はMg換算値):合計で0.2〜1.8質量、Mn及び/又はMn合金(Mn換算値):1〜7質量%、Fe:3〜11質量%を含有する。
[鋼心線]
鋼心線の種類は、母材や溶接条件などに応じて適宜選択することができるが、例えば引張強さが550MPa以上の高張力鋼を溶接する場合は、製造面とコスト面から、軟鋼心線を用いることが好ましい。本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒に使用する軟鋼心線の具体例としては、JIS G3503に規定されているSWRY 11などが挙げられる。
[溶接棒全質量に対する被覆剤の被覆率:10〜40質量%]
被覆アーク溶接棒の被覆剤の被覆率(%)は、(被覆剤の質量(質量%)/溶接棒全質量(質量%))×100により算出される。被覆率が10質量%未満であると、シールド不足となり、溶接金属中のN量及び水素量が増加し、溶接金属の靭性及び耐割れ性が低下する。一方、被覆率が40質量%を超えると、アーク長が長くなり、アーク切れが発生する。よって、本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒においては、被覆剤の被覆率は10〜40質量%とする。
次に、本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒の被覆剤の成分限定理由について説明する。なお、以下に示す各成分の含有量は、被覆剤全質量あたりの含有量である。
[金属炭酸塩(CO換算値):10〜30質量%]
金属炭酸塩は、溶接中に分解してCOを発生し、シールド効果によって、溶接金属中のN量及び水素量を低減させることができる成分である。しかしながら、金属炭酸塩含有量が10質量%未満では、その効果が得られず、また、30質量%を超えると、スパッタが多発するようになる。よって、金属炭酸塩含有量は、CO換算値で、10〜30質量%とする。
[金属フッ化物(F換算値):2〜13質量%]
金属フッ化物は、耐気孔性を維持するために不可欠の成分であり、また、スラグ剤としても作用する。しかしながら、金属フッ化物含有量が2質量%未満では、耐気孔性が劣化し、また13質量%を超えると、アークが不安定となって立向上進溶接が困難となる。よって、金属フッ化物含有量は、F換算値で、2〜13質量%とする。
[TiO:1〜7質量%]
TiOは、全姿勢、特に立向溶接での作業性を維持するためのスラグ剤として添加されるが、その含有量が1質量%未満では立向上進溶接が困難となり、また、7質量%を超えると、粘性が過多となって耐気孔性が劣化する。よって、TiO含有量は1〜7質量%とする。
[Si、Si合金及びSi酸化物のうち少なくとも1種(Si換算値):合計で1.9〜11.7質量%]
Siは、金属又は合金の形態で添加されると、脱酸作用により溶接金属中の酸素と反応してSiOを生成し、このSiOは、粘結剤やスラグ造滓剤として作用する。また、Si酸化物の形態で添加されても、同様に粘結剤やスラグ造滓剤として作用する。
しかしながら、Si、Si合金及びSi酸化物の総含有量が、Si換算値で、1.9質量%未満の場合、スラグ不足により立向上進溶接が困難となる。一方、Si、Si合金及びSi酸化物の総含有量が、Si換算値で、11.7質量%を超えると、スラグがガラス状となり、スラグ剥離性が劣化する。よって、Si、Si合金及びSi酸化物の総含有量は、Si換算値で、1.9〜11.7質量%とする。
なお、被覆剤は、金属Si、Si合金及びSi酸化物のうち少なくとも1種を含有していればよい。また、被覆剤に添加されるSi合金としては、例えばFe−SiやFe−Si−Bなどの鉄合金が挙げられる。
[Ni及び/又はNi合金(Ni換算値):合計で0.5〜3.5質量%]
Ni及びNi合金は、溶接金属の耐力向上及び低温靭性の改善に極めて有効な成分である。しかしながら、Ni及びNi合金の総含有量が0.5質量%未満では、その効果が不十分となり、また、3.5質量%を超えると、高温割れ(凝固割れ)が発生しやすくなる。よって、Ni及びNi合金の総含有量は、Ni換算値で、0.5〜3.5質量%とする。
Ni及びNi合金の総含有量は、溶接金属の耐力向上及び低温靭性向上の観点から、1.0質量%以上とすることが好ましく、また、耐高温割れ性向上の観点から、3.0質量%以下とすることが好ましい。更に、本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒では、NACE規格に準拠し、溶接金属のNi含有量が1質量%以下となるように、被覆剤におけるNi及びNi合金の総含有量を規制することが好ましい。
なお、被覆剤は、金属NiとNi合金の少なくとも一方を含有していればよい。また、Ni成分は、通常、金属Ni粉やNi−MgなどのNi合金粉の形態で、被覆剤に添加される。
[Mo及び/又はMo合金(Mo換算値):合計で0.11〜0.45質量%]
Mo及びMo合金は、溶接金属の焼き入れ性を確保する効果がある。しかしながら、Mo及びMo合金の総含有量が0.11質量%未満では、その効果が得られず、また、0.45質量%を超えると、溶接金属の焼入れ性が大幅に上昇し、靭性が低下する。よって、Mo及びMo合金の総含有量は、Mo換算値で、0.11〜0.45質量%とする。
Mo及びMo合金の総含有量は、焼き入れ性を向上し、溶接金属の強度を確保する観点から、0.15質量%以上とすることが好ましく、また、溶接金属の靭性確保の観点から、0.40質量%以下とすることが好ましい。なお、被覆剤は、金属MoとMo合金の少なくとも一方を含有していればよい。また、Mo成分は、通常、Fe−Moなどの鉄合金の形態で、被覆剤に添加される。
[B、B合金及びB酸化物のうち少なくとも1種(B換算値):合計で0.02〜0.25質量%]
B、B合金及びB酸化物は、旧γ粒界に偏析し、粒界フェライトの発生を抑制することによって、溶接金属の靭性を向上させる作用がある。しかしながら、これらの総含有量が、B換算で、0.02質量%未満であると、溶接金属の靭性を向上させる効果が十分に得られない。一方、B、B合金及びB酸化物の総含有量が、B換算で、0.25質量%を超えると、溶接金属の耐高温割れ性が劣化する。よって、B、B合金及びB酸化物の総含有量は、B換算値で、0.02〜0.25質量%とする。
B、B合金及びB酸化物の総含有量は、0.06質量%以上であることが好ましく、これにより、靭性向上効果を更に高めることができる。また、耐高温割れ性の観点から、B、B合金及びB酸化物の総含有量は、0.20質量%以下であることが好ましい。なお、被覆剤は、金属B、B合金及びB酸化物のうち少なくとも1種を含有していればよい。また、B成分は、通常、Fe−Si−BなどのFe合金やB酸化物の形態で、被覆剤に添加される。
[Ti及び/又はTi合金(Ti換算値):合計で0.2〜1.0質量%]
Ti及びTi合金は、溶接金属中で酸化物又は固溶体として存在するが、酸化物による旧γ粒内のアシキュラーフェライトの核として、溶接金属の靭性向上に寄与する。即ち、被覆剤にTi及びTi合金が添加されていると、旧γ粒内において、Ti酸化物を核としてアシキュラーフェライトが生成する。このアシキュラーフェライトは、組織の微細化に寄与し、溶接金属の靭性を向上させる作用がある。
しかしながら、Ti及びTi合金の総含有量が0.2質量%未満の場合、十分な生成ができず、フェライトの粗大化により溶接金属の靭性が劣化する。一方、Ti及びTi合金の総含有量が1.0質量%を超えると、固溶Tiが過多となり、溶接金属が強度過多となり、靭性も劣化する。よって、Ti及びTi合金の総含有量は、Ti換算値で、0.2〜1.0質量%とする。
Ti及びTi合金の総含有量は、溶接金属の靭性向上の観点から、0.4質量%以上とすることが好ましく、また、靭性劣化抑制効果向上の観点から、0.8質量%以下とすることが好ましい。なお、被覆剤は、金属TiとTi合金の少なくとも一方を含有していればよい。また、Ti成分は、通常、Fe−TiなどのFe合金の形態で、被覆剤に添加される。
[Al、Al合金、Mg及びMg合金のうち少なくとも1種(Al換算値又はMg換算値):合計で0.2〜1.8質量]
Al及びAl合金、並びにMg及びMg合金は、強脱酸剤であり、溶接金属の酸素量を低減し、靭性を向上させる作用がある。しかしながら、これらの総含有量が、0.2質量%未満の場合、酸素量低減の効果が不十分となる。一方、Al及びAl合金、並びにMg及びMg合金の総含有量が1.8質量%を超えると、スパッタが多く発生し、溶接作業性が劣化する。
よって、Al及びAl合金、並びにMg及びMg合金の総含有量は、Al及びAl合金についてはAl換算値で、Mg及びMg合金についてはMg換算値で、0.2〜1.8質量%とする。なお、被覆剤は、Al及びAl合金、並びにMg及びMg合金のうち少なくとも1種を含有していればよい。
[Mn及び/又はMn合金(Mn換算値):1〜7質量%]
Mn及びMn合金は、溶接金属の強度の確保と脱酸を目的として添加する。また、Mn及びMn合金は、靭性が優れた溶接金属を得るためにも重要な成分である。しかしながら、Mn及びMn合金の総含有量が1質量%未満の場合、溶接金属の強度が低下し、靭性も劣化する。一方、Mn及びMn合金の総含有量が7質量%を超えると、溶接金属の焼入れ性が増えて、靭性が低下する。
よって、Mn及びMn合金の総含有量は、Mn換算値で、1〜7質量%とする。Mn及びMn合金の総含有量は、溶接金属の強度及び靭性の確保の観点から、3質量%以上とすることが好ましく、また、靭性劣化抑制効果向上の観点から、5質量%以下とすることが好ましい。なお、被覆剤は、金属MnとMn合金の少なくとも一方を含有していればよい。また、Mn成分は、通常、Fe−Mnなどの鉄合金や金属Mnの形態で、被覆剤に添加される。
[Fe:3〜11質量%]
Feは、スラグ形成剤及びアーク安定剤として作用する。しかしながら、Fe含有量が3質量%未満の場合、スラグ発生量が過多となり、スラグ巻込などの溶接欠陥が発生しやすくなる。また、Fe含有量が11質量%を超えると、前述した必須合金成分を目的とする量まで添加することが難しくなる。よって、Fe含有量は3〜11質量%とする。なお、Fe成分は、鉄粉やFe系合金の形態で、被覆剤に添加される。
[([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]):0.3〜1.2]
Ni、Ti及びBは、溶接金属の低温靭性の向上に有効な元素である。また、Mo及びMnは、溶接金属の強度の向上に有効な元素である。そして、本発明者は、溶接金属の強度と低温靭性の両方を向上させるために、これらの元素の配合バランスについて鋭意検討を行った。その結果、Ni、Ti及びBの総含有量と、Mo及びMnの総含有量との比を特定の範囲にすることにより、溶接金属の低温靭性と強度とが改善されるだけではなく、溶接金属の耐高温割れ性及びスラグ剥離性についても良好な結果が得られることを見出した。
即ち、本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒においては、Ni、Ti及びBの総含有量と、Mo及びMnの総含有量との比が、下記数式2を満たすようにすることが好ましい。なお、下記数式2に示す[Ni]は、Ni及びNi合金の総含有量(Ni換算値)であり、[Ti]はTi及びTi合金の総含有量(Ti換算値)であり、[B]はB、B合金及びB酸化物の総含有量(B換算値)であり、[Mo]はMo及びMo合金の総含有量(Mo換算値)であり、[Mn]はMn及びMn合金の総含有量である。
Figure 2014151338
ここで、Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))が0.3未満の場合、溶接金属の焼入れ性が高まり、溶接金属の強度上昇や靭性劣化が生じることがある。また、Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))が1.2を超えると、溶接金属の焼入れ性が低下して強度が低下したり、耐高温割れ性やスラグ剥離性が劣化することがある。
一方、Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))を0.3〜1.2の範囲にすると、溶接金属の焼き入れ性及び強度を良好な状態に保ちつつ、Ni添加及びTiとBの複合添加による組織制御作用によって、組織の粗大化を抑制し、溶接金属を高靱化することができる。更に、高温割れの発生を抑制できると共に、スラグ剥離性などの溶接作業性も向上する。その結果、Ni含有量が1質量%以下であっても、低温靭性、強度及び耐高温割れ性に優れた溶接金属が得られる。
Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))は、0.4以上であることがより好ましく、これにより、溶接金属の強度上昇を抑制し、靭性劣化を回避する効果が向上する。また、耐高温割れ性の向上及びスラグ剥離性劣化回避の観点から、Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))は、0.9以下であることがより好ましい。
[その他の成分]
被覆剤は、前述した各成分の他に、粘結剤として、澱粉、パルプ及びセルロースなどの有機物、ケイ酸カリウム及びケイ酸ナトリウムなどの無機物を含有していてもよい。これらの粘結剤の含有量は、作業性改善の観点から、被覆剤全質量あたり、0.2〜4.0質量%とすることが好ましい。ただし、マイカ、タルク及びセリサイトなどの結晶水を含有するケイ酸塩は、溶接金属中の水素量を増加させるために、実質的には含有しないことが望ましい。
また、被覆剤は、アーク安定剤として、NaO及びKOなどを含有していてもよい。これらのアーク安定剤の含有量は、作業性改善の観点から、被覆剤全質量あたり、0.5〜4.0質量%とすることが好ましい。
[製造方法]
本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒を製造する際は、通常の溶接棒塗装機により、鋼心線の周囲に、前述した組成の被覆剤を、被覆率が10〜40質量%となるように被覆塗装する。その際、作業性の観点から、被覆剤に、ケイ酸ナトリウムやケイ酸カリウムに代表される水ガラスなどの粘結剤を含有させることが好ましい。その後、被覆剤で被覆された鋼心線を350〜550℃で焼成することにより、被覆剤中の水分を除去し、低水素系被覆アーク溶接棒とする。なお、鋼心線には、前述したようにJIS G3503に規定されているSWRY 11などを用いることができる。
以上詳述したように、本実施形態の低水素系被覆アーク溶接棒では、被覆剤組成及び被覆率を特定しているため、Ni含有量が1質量%以下でかつ低温靭性が良好な溶接金属を得ることができる。この低水素系被覆アーク溶接棒は、溶接作業性にも優れており、引張強さが550MPa以上の高張力鋼の溶接に特に好適である。
そして、Ni、Ti及びBの総含有量と、Mo及びMnの総含有量との比が、上記数式2を満たす被覆剤組成にすると、脆性破壊の遷移温度を低温側に移行させることができると共に、強度の低下も抑制することができるため、低温靭性及び強度の両方が優れた溶接金属が得られる。また、溶接金属中のNi含有量をNACEの規格に適合した範囲に調整することもでき、耐高温割れ性能も確保することができる。これにより、低温環境下で使用される構造物の安全性をより一層高めることが可能となる。
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果について具体的に説明する。本実施例においては、溶接棒塗装機を用いて、軟鋼心線(直径4.0mm、長さ400mm)を、下記表1に示す成分組成の被覆剤で被覆した後、470℃で約1時間焼成し、実施例及び比較例の各低水素系被覆アーク溶接棒を作製した。なお、実施例及び比較例の各溶接棒の被覆率は、下記表1に示す通りである。また、下記表1に示す被覆剤No.1〜15が本発明の範囲内のものであり、No.16〜22に本発明の範囲から外れるものである。
Figure 2014151338
次に、前述した方法で作製した実施例及び比較例の各被覆アーク溶接棒を用いて、各種性能確認試験を実施した。以下、各試験の具体的内容について説明する。
<試験1:全溶着金属溶接>
実施例及び比較例の各被覆アーク溶接棒について、下記表2に示す成分組成(残部はFe及び不可避的不純物)の鋼板を母材とし、下記表3に示す条件にて溶接を行い、得られた溶接金属の機械的性質及び化学成分を、下記表4に示す試験方法により調べた。その際、機械的性質については、0.2%耐力が460MPa以上、引張強さが560MPa以上及び−60℃における吸収エネルギーが47J以上のものを合格とした。
Figure 2014151338
Figure 2014151338
Figure 2014151338
<試験2:立向上進溶接試験>
実施例及び比較例の被覆アーク溶接棒について、上記表2に示す組成の鋼板を母材とし、下記表5に示す条件にて立向上進溶接を行い、溶接作業性として、「ビード円滑性」、「等脚性」及び「ビードのなじみ」を評価した。
Figure 2014151338
<試験3:すみ肉溶接試験>
実施例及び比較例の被覆アーク溶接棒について、上記表2に示す組成の鋼板を母材とし、下記表6に示す条件にてすみ肉溶接を行い、溶接作業性として、「スラグ剥離性」、「スパッタ発生性」及び「耐気孔性」を評価した。
Figure 2014151338
<試験4: 耐高温割れ性能>
実施例及び比較例の被覆アーク溶接棒について、上記表2に示す組成の鋼板を母材とし、下記表7に示す条件にて溶接を行い、得られた溶接金属の耐高温割れ性をC形ジグ拘束突合せ溶接割れ試験によって評価した。その際、「割れ率(%)」は、溶接ビード長さ(クレータ部10mmを除く)に対する割れ亀裂長さの割合(=割れ亀裂長/溶接ビード長)とし、10%以下を合格とした。
Figure 2014151338
実施例及び比較例の各被覆アーク溶接棒により得られた溶接金属の組成を下記表8に、その他の評価結果を下記表9にまとめて示す。なお、下記表8に示す溶接金属組成における残部はFe及び不可避的不純物である。下記表9に示す「溶接作業性」の評価において、○は良好、×は不良を示す。また、「総合評価」は、評価項目の中に1つでも「×」や「不合格」があるものは×とした。
Figure 2014151338
Figure 2014151338
上記表8及び表9に示すように、被覆剤の組成や被覆率が本発明の範囲から外れる被覆剤を使用した比較例16〜22の被覆アーク溶接棒は、溶接作業性が劣っていた。更に、比較例16〜20の被覆アーク溶接棒を用いたものは、溶接金属の機械的性質も劣っていた。
これに対して、本発明の範囲内の被覆剤を使用した実施例1〜15の被覆アーク溶接棒は、溶接作業性が良好で、機械的性質が良好な溶接金属が得られた。特に、Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))が0.3〜1.2の範囲にある被覆剤を使用した実施例1〜7,12〜15の被覆アーク溶接棒は、全ての項目で優れた評価結果が得られた。
図1は横軸に被覆剤中のMo及びMnの総含有量をとり、縦軸に被覆剤中のNi、Ti及びBの総含有量をとって、実施例1〜15の被覆アーク溶接棒における被覆剤のMo及びMnの総含有量とNi、Ti及びBの総含有量の比と溶接金属性能との関係を示す図である。図1に示すように、被覆剤のNi、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))が0.3未満のものは、0.3以上のものに比べて靭性が劣る傾向にあった。また、Ni、Ti及びBの総含有量とMo及びMnの総含有量との比(([Ni]+[Ti]+[B])/([Mo]+[Mn]))が1.2を超えるものは、1.2以下のものよりも、強度が劣る傾向にあった。
以上の結果から、本発明によれば、Ni含有量が1質量%以下であっても、低温靭性が良好な溶接金属が得られることが確認された。

Claims (3)

  1. 鋼心線を被覆剤で被覆した低水素系被覆アーク溶接棒であって、
    前記被覆剤の被覆率が溶接棒全質量あたり10〜40質量%であり、
    前記被覆剤は、該被覆剤全質量あたり、
    金属炭酸塩(CO換算値):10〜30質量%、
    金属フッ化物(F換算値):2〜13質量%、
    TiO:1〜7質量%、
    Si、Si合金及びSi酸化物からなる群から選択される少なくとも1種(Si換算値):合計で1.9〜11.7質量%、
    Ni及び/又はNi合金(Ni換算値):合計で0.5〜3.5質量%、
    Mo及び/又はMo合金(Mo換算値):合計で0.11〜0.45質量%、
    B、B合金及びB酸化物からなる群から選択される少なくとも1種(B換算値):合計で0.02〜0.25質量%、
    Ti及び/又はTi合金(Ti換算値):合計で0.2〜1.0質量%、
    Al、Al合金、Mg及びMg合金からなる群から選択される少なくとも1種(Al換算値又はMg換算値):合計で0.2〜1.8質量、
    Mn及び/又はMn合金(Mn換算値):1〜7質量%、
    Fe:3〜11質量%
    を含有する低水素系被覆アーク溶接棒。
  2. 前記被覆剤は、Ni及びNi合金の総含有量(Ni換算値)を[Ni]、Ti及びTi合金の総含有量(Ti換算値)を[Ti]、B、B合金及びB酸化物の総含有量(B換算値)を[B]、Mo及びMo合金の総含有量(Mo換算値)を[Mo]、Mn及びMn合金の総含有量(Mn換算値)を[Mn]としたとき、下記数式(A)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の低水素系被覆アーク溶接棒。

    Figure 2014151338
  3. 引張強さが550MPa以上の高張力鋼の溶接に用いられることを特徴とする請求項1又は2に記載の低水素系被覆アーク溶接棒。
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