JP2014147178A - モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気の取り込み量を確保しつつ、コギングトルク増加を抑えることが可能なモータを提供する。
【解決手段】磁性板は、前記メインコア部における軸方向端部に積層される積層部と、この積層部の前記ロータ側の端部から軸方向外側に延出されるとともに前記ロータと径方向に対向するロータ対向部とを有する。モータは、前記ロータ対向部の軸方向長さをh、ロータ対向部の径方向長さ(板厚)をt、前記ロータ対向部に対する界磁磁石の軸方向延出長さをsとした場合に、h=t×K−0.5s(但し、係数Kは0<K<6.3の範囲)を満たすように構成される。
【選択図】図12

Description

本発明は、モータに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示すように、コアの軸方向端面において、コアに積層される積層部と、この積層部から軸方向外側に延びて磁石と径方向において対向する対向部を有する磁性板(特許文献1では補助ロータコア)を備えたモータが知られている。このように磁石と径方向において対向する対向部を設けることで、磁気取り込み量を増やすことが可能となる。
特開平5−284679号公報
ところで、上記のようなモータにおいて、磁気の取り込み量を増大させるためには、前記対向部よりも磁石の軸方向長さを長くすることが好ましい。しかしながら、磁性板(対向部)に磁気が集中し過ぎるとコギングトルクの増加となりやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、磁気の取り込み量を確保しつつ、コギングトルク増加を抑えることが可能なモータを提供することにある。
上記課題を解決するモータは、回転軸の軸方向に積層された複数のコアシートよりなるステータコア及び該ステータコアに設けられた電機子巻線を有するステータと、前記ステータコアと径方向に対向する界磁磁石を有するロータと、を備えたモータであって、前記ステータコアは、前記電機子巻線が巻回されるティース構成部を有する前記コアシートが軸方向に積層されてなるメインコア部と、該メインコア部の軸方向端部に設けられる磁性板とを備え、前記磁性板は、前記メインコア部における軸方向端部に積層される積層部と、該積層部の前記ロータ側の端部から軸方向外側に延出されるとともに前記ロータと径方向に対向するロータ対向部とを有し、前記ロータ対向部の軸方向長さをh、ロータ対向部の径方向長さ(板厚)をt、前記ロータ対向部に対する界磁磁石の軸方向延出長さをsとした場合に、h=t×K−0.5s(但し、係数Kは0<K<6.3の範囲)を満たすように構成される。
この構成によれば、h=t×K−0.5s(但し、係数Kは0<K<6.3の範囲)を満たすようにモータを構成することで、図12において直線X1以下の範囲のコギングトルクが得られるため、コギングトルクの増加を抑える範囲でロータ対向部を設けて磁気の取り込み量を確保することが可能となる。
上記モータにおいて、前記磁性板は、前記係数Kの範囲が5.4<K<6.3を満たすように構成されることが好ましい。
この構成によれば、係数Kの範囲を5.4<K<6.3を満たすように、モータを構成することで、図12において直線X2〜X1の範囲のコギングトルクが得られるため、コギングトルクの増加を抑えつつロータ対向部の軸方向長さや界磁磁石の軸方向延出長さを
長く確保して磁気の取り込み量を確保することが可能となる。
上記モータにおいて、前記ティース構成部は、径方向において前記ロータ側に延出するものであり、前記ロータ側ほど周方向幅が狭くなるように形成されることが好ましい。
この構成によれば、ロータ側に延出するティース構成部がロータ側ほど周方向幅が狭くなるように構成されるため、例えばインナロータ型のモータでは径方向内側において電機子巻線のスペースを確保することができる。また、この場合、前記ティース構成部は磁性板と当接しているため、ティース構成部のロータ側の幅狭の部位に集中する磁気を緩和させて磁気飽和を抑えることができる。
上記モータにおいて、前記ロータの界磁磁石は、フェライト磁石よりなることが好ましい。
この構成によれば、ロータの界磁磁石は、比較的安価なフェライト磁石よりなるため、モータの低コスト化に寄与できる。
上記モータにおいて、前記磁性板は、前記メインコア部の軸方向両側に設けられることが好ましい。
この構成によれば、ロータ対向部を有する磁性板が軸方向両側に形成されるため、メインコアの軸方向長さを抑えつつ磁気の取り込み量をより拡大させることができる。また、ロータ対向部の反ロータ側に電機子巻線を配することができるため、軸方向長さを抑えることができる。
上記モータにおいて、前記電機子巻線は、前記ステータコアに軸方向に沿って形成された複数のスロットに挿入されるとともに該スロットから軸方向に突出する突出部が互いに電気的に接続された複数のセグメント導体よりなり、前記セグメント導体の前記突出部が、前記磁性板の前記ロータ対向部と径方向に対向するように構成されていることが好ましい。
この構成によれば、セグメント導体の軸方向の突出部が磁性板のロータ対向部と径方向に対向するため、ステータコアにおけるロータとの対向面を磁性板のロータ対向部によって確保して高出力を図りつつも、ステータの軸方向への大型化を抑えることができる。
上記モータにおいて、前記ステータコアの軸方向両側にそれぞれ設けられて該ステータコアを軸方向に挟持する第1フレーム及び第2フレームを備え、前記第1フレームと前記第2フレームとの間から前記ステータコアの外周面が外部に露出されるように構成されることが好ましい。
この構成によれば、各フレームでステータコアを軸方向に挟持する際に、ステータコアの外周面が露出されるため、ステータコア(ステータ)の熱を外部に放出しやすくできる。また、電機子巻線がセグメント導体にて構成されたステータの場合、電機子巻線の占積率を高く構成できる一方で発熱しやすくもなるが、ステータコアの外周面が各フレーム間から外部に露出されるため、ステータで生じた熱を外部に逃がしやすく好適である。
上記モータにおいて、前記第1及び第2フレームは、前記磁性板の前記積層部を介して前記メインコア部を軸方向に挟むように構成されることが好ましい。
この構成によれば、磁性板の積層部を各フレームに対して軸方向に干渉しないように小型にする必要がないため、出力の低下を抑えることができる。
上記モータにおいて、前記磁性板の板厚は、前記コアシートの板厚よりも厚く設定されていることが好ましい。
この構成によれば、磁性板の板厚をコアシートの板厚よりも厚くして磁性板を介して磁気を取り込みやすくすることができるため、より一層の高出力化に寄与できる。
本発明のモータによれば、磁気の取り込み量を確保しつつ、コギングトルク増加を抑えることが可能である。
実施形態のモータの模式断面図である。 同形態のステータの平面図である。 (a)は同形態の磁性板について説明するための断面図であり、(b)は同形態の磁性板のロータ対向部について説明するための正面図である。 同形態のステータコアの分解斜視図である。 同形態のステータコアを模式断面図である。 同形態のステータを部分的に拡大して示す平面図である。 同形態のセグメント導体の屈曲部位を示す模式断面図である。 同形態のモータの一部を拡大して示す模式断面図である。 同形態の磁性板を1枚用いた構造のステータコアの断面図である。 同形態の磁性板のロータ対向部とコギングトルクとの関係を示すグラフである。 同形態の磁性板のロータ対向部に対する界磁磁石の軸方向延出長さが0.5mmの場合におけるロータ対向部とコギングトルクとの関係を示すグラフである。 ロータ対向部と、界磁磁石と、コギングトルクとの関係を示す面グラフである。 同形態の磁性板のロータ対向部とコギングトルクとの関係を3次元で示したグラフである。 磁性板を2枚積層した構造のステータコアの断面図である。 磁性板を3枚積層した構造のステータコアの断面図である。 別例のモータを部分的に拡大して示す模式断面図である。 別例のモータを部分的に拡大して示す模式断面図である。
以下、モータの一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のモータ10は、リヤフレーム11とフロントフレーム12によってモータ10の軸方向に挟持された環状のステータ13の内側にロータ14が配置されて構成されている。なお、モータ10の軸方向出力側(後述するジョイント63側)を保持するフレームをフロントフレーム12とし、軸方向反出力側を保持するフレームをリヤフレーム11としている。各フレーム11,12は、互いに離間しないようにステータ13の外周側の位置でスルーボルト15にて締結固定されている。
[フレーム]
リヤフレーム11及びフロントフレーム12は、アルミニウムや鋼鉄等の金属材料にて形成されている。リヤフレーム11は、略円盤状の本体部11aと、本体部11aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円筒状のステータ保持部11bとを備えている。一方のフロントフレーム12も略同様の構成であり、略円盤状の本体部12aと、本体部12aの外周縁からモータ10の軸方向に延出された円環状のステータ保持部12bとを備えている。各フレーム11,12の本体部11a,12aの径方向中央には、同軸上に配置された軸受16,17が保持され、その軸受16,17には、ロータ14の回転軸18が軸支されている。
各フレーム11,12の本体部11a,12aには、その外周縁の複数箇所(例えば2箇所)から径方向外側に延びる締結固定部11c,12cが形成されている。なお、図1では、周方向に複数設けられた締結固定部11c,12cをそれぞれ1つのみ図示している。リヤフレーム11側の締結固定部11cとフロントフレーム12側の締結固定部12cは互いに同数設けられるとともに、回転軸18の軸方向に互いに対向している。そして、それぞれ対をなす締結固定部11c,12cがスルーボルト15によって締結固定されることで、各フレーム11,12がステータ13を挟持する状態で互いに固定されるようになっている。
[ステータ]
ステータ13は、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bに挟持された円環状のステータコア21と、そのステータコア21に装着された電機子巻線22とを備える。
図2及び図6に示すように、ステータコア21は、その外周を構成する円筒部23と、その円筒部23から径方向内側に延出された複数(本実施形態では60個)のティース24とからなる。各ティース24には、径方向内側に向かうにつれて周方向幅が狭くなるテーパ状をなす径方向延出部24aが形成され、その各径方向延出部24aの先端部(径方向内側端部)には、該径方向延出部24aよりも周方向幅が広い幅広部24bが形成されている。径方向延出部24aの周方向両端面は、回転軸18の軸線と平行な平面状をなすとともに、周方向に隣り合う周方向端面同士が平行をなしている。
各ティース24の間の空間は、電機子巻線22を構成するセグメント導体25を収容する部位であるスロットSとして構成される。つまり、スロットSは、ティース24の周方向側面とティース24間における円筒部23の内周面とから構成されている。本実施形態では、ティース24は、周方向に隣り合う径方向延出部24aの周方向端面同士が平行となるように形成されるため、各スロットSが軸方向視で略矩形状をなすように構成されている。また、各スロットSは、ステータコア21を軸方向に沿って貫通するとともに、径方向内側に開口する形状をなしている。なお、ステータコア21に形成されたスロットSの個数は、ティース24と同数(本実施形態では60個)である。
[ステータコア]
上記のような形状を有するステータコア21は、複数の鋼板を積層して一体化することによって成形されている。
詳述すると、図4に示すように、ステータコア21は、鋼板をプレス加工により打ち抜いて形成した複数枚のコアシート30を軸方向に積層してかしめて一体化することにより形成されたメインコア部31と、メインコア部31の軸方向両端部にそれぞれ固定された磁性板40(補助コア部)とから構成されている。なお、本実施形態では、磁性板40は、同形状のものがメインコア部31の軸方向両側に1枚ずつ設けられている。
メインコア部31の各コアシート30は同一形状をなし、板面が軸方向と直交するように配置されている。この各コアシート30は、円環状をなす環状部32と、その環状部32から径方向内側に延びる複数のティース構成部33を有している。また、各コアシート30は、ティース構成部33が軸方向沿って重なるように積層されている。
図2、図4及び図6に示すように、磁性板40は、プレス加工により成形されるものであり、メインコア部31の軸方向両端のコアシート30に積層された板状の積層部41を有している。積層部41は、メインコア部31のコアシート30に対して平行且つ同軸となるように積層されている。また、磁性板40は、その板厚T1がメインコア部31のコ
アシート30の板厚T2よりも厚く設定されている(図1参照)。
積層部41には、コアシート30の環状部32と軸方向に重なる円環状をなす環状部42と、その環状部42から径方向内側に延びる複数のティース構成部43とが形成されている。積層部41のティース構成部43は、軸方向視においてコアシート30のティース構成部33と同形状をなしている。磁性板40は、積層部41の環状部42及びティース構成部43が、コアシート30の環状部32及びティース構成部33とそれぞれ軸方向に重なるように設けられている。このコアシート30と磁性板40の各環状部32,42がステータコア21の円筒部23を構成し、各ティース構成部33,43がステータコア21のティース24を構成している。また、積層部41の環状部42の外径は、コアシート30の環状部32の外径よりも小さく形成されている(図2参照)。これにより、軸方向視においてコアシート30の環状部32の外周縁全体が露出するように構成されている。
磁性板40のティース構成部43の径方向内側端部(ロータ14側端部)には、軸方向外側(反メインコア部側)に延出されたロータ対向部としてのロータ対向部44が形成されている。ロータ対向部44は、ティース構成部43の径方向内側端部を軸方向外側に直角に屈曲することで形成されている。つまり、磁性板40は、軸方向外側に屈曲形成されたロータ対向部44で板面が径方向を向くように形成されている。なお、ロータ対向部44の内径面は、メインコア部31(コアシート30)の内径と同径となるように曲面形成されている。また、積層部41の軸方向厚みとロータ対向部44の径方向厚みは、磁性板40の板厚T1によって決まり、それらは互いに等しい厚みとなっている。また、ロータ対向部44とティース構成部43との間の折曲部位(ティース構成部43とロータ対向部44のなす角部)の肉厚は、ロータ対向部44の板厚(つまり、磁性板40の板厚T1)よりも厚くなるように形成されている。
図3(a)(b)に示すようにロータ対向部44は、周方向両側に周方向側部としての側縁部44a,44bを有する。この側縁部44a,44bは、回転軸18の軸線L1方向(軸方向)に対して傾斜する形状とされる。側縁部44a,44bは、前記軸方向外側(反積層部41側)ほど前記ロータ対向部44の周方向中央側に近づくように傾斜されている。また、周方向一方側の側縁部44aと周方向他方側の側縁部44bとは、前記ロータ対向部44の周方向中心を通る仮想線L2(軸線L1に沿った直線)を中心として対称形状をなすように形成される。このため、ロータ対向部44は、その軸方向基端側(軸方向内側)の周方向幅がティース24の幅広部24bを構成するティース構成部33,43の先端部の周方向幅と等しく形成され、軸方向先端側(軸方向外側)ほど周方向幅が狭く、径方向視で台形形状をなすように形成される。なお、本実施形態の各ロータ対向部44は全て同形状をなすように形成される。
図5に示すように、コアシート30と磁性板の積層部41の各環状部32,42には、板厚方向に突出する凸部45(ダボ)がプレス加工にて形成されている。各環状部32,42において、凸部45は周方向に複数(本実施形態では4つ)形成されている。また、各環状部32,42は、各凸部45の裏側において凸部45の成形時に形成された凹部46を有している。そして、各凸部45は、軸方向に隣り合うコアシート30の凹部46に圧入固定(かしめ固定)されている。これにより、各コアシート30が一体化されてメインコア部31を構成するとともに、そのメインコア部31の軸方向両側に磁性板40が固定される。
図6に示すように、ステータコア21の各スロットS内には、絶縁性の樹脂材料から形成されたシート状の絶縁部材47が装着されている。各絶縁部材47は、スロットSの径方向外側端部で折り返された状態で設けられ、スロットSの内周面に沿うように形成されている。また、各絶縁部材47はスロットSに軸方向に挿入されるものであり、絶縁部材
47の軸方向長さは、スロットSの軸方向長さよりも長く設定されている。つまり、絶縁部材47の軸方向両端部は、スロットSの軸方向両端部から外部に突出している(図7参照)。
[電機子巻線]
図6及び図8に示すように、上記したステータコア21に装着された電機子巻線22は、複数のセグメント導体25(セグメントコンダクタ)にて構成されている。各セグメント導体25は、所定のもの同士で接続されて、3相(U相、V相、W相)Y結線の電機子巻線22を構成している。また、各セグメント導体25は、同一断面形状(断面矩形状)の線材から形成されるものである。
各セグメント導体25は、スロットS内に挿通される部位である一対の直線部51と、スロットSから軸方向一方側(リヤフレーム11側)に突出する第1突出部52と、スロットSから軸方向他方側(フロントフレーム12側)に突出する第2突出部53とを有し、第1突出部52側で折り返される略U字状をなしている。また、第1及び第2突出部52,53は、磁性板40のロータ対向部44と径方向に対向している。
一対の直線部51は、径方向位置が互いにずれるように形成されるとともに、周方向位置の異なるスロットSにそれぞれ挿入される。また、直線部51はスロットS内において絶縁部材47の内側に配置されている(図6参照)。この絶縁部材47によってセグメント導体25とステータコア21とが電気的に絶縁されている。
セグメント導体25は、各スロットS内において直線部51が径方向に4つ並ぶように配置されている。そして、セグメント導体25には、2つの直線部51が径方向内側から1つ目と4つ目に配置されるもの(図8において外側に図示されたセグメント導体25x)と、2つの直線部51が径方向内側から2つ目と3つ目に配置されるもの(図8において内側に図示されたセグメント導体25y)の2種類が用いられている。なお、主にこの2種類のセグメント導体25x,25yから電機子巻線22が構成されるが、例えば電機子巻線22の端部(電源接続端子や中性点接続端子等)を構成するセグメント導体には、別種類のもの(例えば、直線部が1つだけのセグメント導体)が用いられる。
各直線部51は、スロットSを軸方向に貫通してフロントフレーム12側に突出した第2突出部53が、周方向に屈曲されて他のセグメント導体25の直線部51や、特殊な種類のセグメント導体と溶接等により電気的に接続され、これにより、各セグメント導体25によって電機子巻線22が構成される。
また、セグメント導体25の第1及び第2突出部52,53は、スロットSの軸方向両端で直線部51に対して周方向に屈曲されている。ここで、第1突出部52が周方向に屈曲されたスロットSの軸方向端部付近の拡大図を図7に示す。同図に示すように、スロットSの軸方向一端を構成する磁性板40(積層部41)のティース構成部43の角部には、円弧状に面取りされた面取り部43aが形成されている。また、第2突出部53側の磁性板40にも同様に、スロットSの軸方向他端を構成するティース構成部43の角部に面取り部43aが形成されている。面取り部43aは、第1及び第2突出部52,53の周方向への屈曲形状に沿う円弧状をなし、その屈曲部位に対して広い面積で接触するようになっている。これにより、第1及び第2突出部52,53の周方向の屈曲部位に対して、ティース構成部43の角部から局所的に力が加わることが抑制され、その屈曲部位の損傷が抑制されるようになっている。また同様に、第1及び第2突出部52,53の屈曲部位と面取り部43aとに挟まれた絶縁部材47の損傷も抑制されている。また、本実施形態では、磁性板40の板厚T1(ティース構成部43の板厚)がコアシート30の板厚T2よりも厚いため、面取り部43aの曲率半径Rmをコアシート30の板厚T2よりも大き
く設定可能となっている。これにより、曲率半径Rmが大きい面取り部43aによってセグメント導体25の屈曲部位の損傷がより好適に抑制されるようになっている。
また、図8に示すように、セグメント導体25の折り返し部25aが形成された第1突出部52は、径方向外側に傾く(膨らむ)ように形成されている。これにより、折り返し部25aがスロットSの径方向中央よりも径方向外側に偏倚するとともに、第1突出部52の径方向内側端部52aがスロットSの径方向内側端部Saよりも径方向外側に位置するように構成される。これにより、第1突出部52と磁性板40のロータ対向部44との径方向間の間隙が広く構成されるため、第1突出部52とロータ対向部44との干渉がより好適に抑制されている。その結果、セグメント導体25とロータ対向部44との絶縁性がより好適に確保されるだけでなく、第1突出部52との干渉によってロータ対向部44が変形することによるコギングトルクの増大や出力の低下が抑制されている。
一方、セグメント導体25の第2突出部53には、折り返し部が形成されず、その第2突出部53同士が溶接接合される構成のため、第2突出部53とロータ対向部44との間隙を容易に確保できるようになっている。また、第2突出部53の溶接部位は、フロントフレーム12側のロータ対向部44の軸方向先端部よりも軸方向外側(反メインコア部側)に形成されている。これにより、第2突出部53の溶接作業においてロータ対向部44が邪魔になりにくく、作業性が向上されるとともに、第2突出部53とロータ対向部44との絶縁性をより確実に確保することが可能となっている。なお、第2突出部53の溶接部位を、フロントフレーム12側のロータ対向部44の軸方向先端部よりも軸方向内側(メインコア部31側)に設定してもよく、この場合には、第2突出部53がロータ対向部44よりも軸方向外側に突出しないように構成できるため、ステータ13の軸方向の小型化に寄与できる。
[ステータコアの保持構成]
図1に示すように、上記構成のステータ13を保持する各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、各フレーム11,12の本体部11a,12aから軸方向に延出する円筒状をなしている。ステータ保持部11b,12bの外径は、ステータ保持部11b,12bのメインコア部31の外径よりも大きく形成されている。また、ステータ保持部11b,12bの内径は、メインコア部31の外径よりも小さく、且つ、磁性板40(積層部41)の外径よりも大きく形成されている。
図8に示すように、ステータ保持部11b,12bの先端部(軸方向内側端部)には、外嵌部11d,12dがそれぞれ形成されている。各外嵌部11d,12dは、ステータ保持部11b,12bの内径を大きくすることにより径方向の厚さが薄く形成された部分であり、円環状をなしている。外嵌部11d,12dの内径は、メインコア部31の外径と略等しく形成されており、外嵌部11d,12dの径方向内側には、軸方向と直交する平面状をなす当接面11e,12eがそれぞれ形成されている。
ステータコア21において、磁性板40の積層部41の外周側でメインコア部31の外周縁が軸方向両側に露出された部位(露出面31a)が各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bに挟持されている。詳しくは、ステータ保持部11b,12bは、外嵌部11d,12dがメインコア部31の軸方向両端の外周縁にそれぞれ外嵌されるとともに、当接面11e,12eがメインコア部31の軸方向両側の露出面31aにそれぞれ軸方向に当接している。この状態で、各フレーム11,12が前記スルーボルト15によって互いに連結固定されることで、メインコア部31がステータ保持部11b,12bによって軸方向に挟持される。また、ステータ保持部11b,12bの先端部の間からは、ステータコア21のメインコア部31の外周面が外部に露出されている。
[ロータ]
図1、図2及び図8に示すように、ロータ14は、軸受16,17に軸支された回転軸18と、回転軸18に一体回転可能に固定された円筒状のロータコア61と、ロータコア61の外周面に固設された複数(本実施形態では10個)の界磁磁石62とから構成されている。
図8に示すようにロータコア61は、第1及び第2コアシート61a,61bを軸方向に複数積層して構成される。第1コアシート61aは、図2に示すように円環状の円環状部61cを備える。第2コアシート61bは、前記第1コアシート61aと略同形状の円環状部61cの径方向外側面において、径方向外側に突出する突起部61dを周方向に複数有する。
図8に示すように本実施形態のロータコア61は、その軸方向略中央に前記突起部61dを有する第2コアシート61bを複数積層し、その軸方向両側のそれぞれに第1コアシート61aを複数積層して構成される。すなわち、ロータコア61は、軸方向中央側に前記突起部61dが位置する構成とされる。
図2に示すように各界磁磁石62は、フェライト磁石よりなり、磁極(N極とS極)が周方向で交互に異なるように配置されている。各界磁磁石62は、周方向において間隙を有して前記ロータコアの外周面に固着された所謂セグメント磁石である。
ロータコア61及びロータ14の界磁磁石62の軸方向長さをステータコア21の内周端部の軸方向長さ(即ち、一方の磁性板40のロータ対向部44の先端から他方の磁性板40のロータ対向部44の先端までの長さ)に対して長くなるように設定されている。即ち、界磁磁石62は、ステータコア21のメインコア部31の内周面と各磁性板40のロータ対向部44に対して径方向に対向している。そして、各界磁磁石62は、ロータコア61の軸方向略中央側に設けられた突起部61dと周方向において当接あるいは僅かの隙間を隔てて配置され、周方向への位置ずれ(空転)が抑えられている。
図1に示すように、回転軸18の先端部(図1において左側の端部)は、フロントフレーム12を貫通してモータ10の外部に突出している。そして、この回転軸18の先端部には、該回転軸18と一体回転するジョイント63が設けられている。このジョイント63は図示しない外部装置に連結され、その外部装置に回転軸18の回転を伝達する。
[ロータとステータとの関係]
次に、上記のように構成されたロータ14とステータ13との関係について説明する。
図10には、ロータ対向部44の軸方向長さとコギングトルクとの関係を示し、横軸をロータ対向部44の軸方向長さhとし、縦軸をコギングトルクとして図示している。また、図10では、ロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さsの違いを線の種類を変更して図示している。具体的には、ロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さsが0.0、0.25、0.5、0.75、1.0、1.25、1.5、1.75、2.0の計9種類あり、これらを順に一点鎖線、長破線、実線、二点鎖線、太い一点鎖線、太い破線、太い実線、破線、太い二点鎖線で示している。また、図11には、図10において実線で示したロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さs=0.5の場合を抜き出して図示している。なお、いずれにおいてもロータ対向部44の径方向長さ(板厚)tは、1.2mmであり、図9に示すように、前記板厚T1と同一厚みである。また、ロータ対向部44の軸方向長さhを長くすると、相対的に界磁磁石62自体の軸方向長さも長くしている。
図10及び図11からわかるように、ロータ対向部44の軸方向長さhが比較的低い第
1の範囲(図11においてR1で示す)ではコギングトルクの変化は少ない。そして、ロータ対向部44の軸方向長さhが比較的低い範囲である前記第1の範囲R1を超えてから所定の第2の範囲(図11においてR2で示す)ではロータ対向部44の根元部分である軸方向基端側において磁束の増大が誘発されてコギングトルクが徐々に増加する。また、ロータ対向部44の軸方向長さhが前記第2の範囲R2を超えてから所定の第3の範囲(図11においてR3で示す)では、ロータ対向部44(磁性板40)でのコギングトルクの位相がメインコア部31に対して反転して、相殺関係となって一時的にコギングトルクの増加が抑えられる。そして、ロータ対向部44の軸方向長さhが前記第3の範囲R3を超えた比較的長い第4の範囲(図11においてR4で)ではコギングトルクが急激に悪化することがわかる。
図12及び図13には、ロータ対向部の軸方向長さhと、ロータ対向部に対する界磁磁石の軸方向延出長さsと、コギングトルクとの関係を示している。図12では、縦軸をロータ対向部44の軸方向長さhとし、横軸をロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さsとし、領域Ar1〜Ar29でコギングトルクの大きさを示している。また、図13では、図12を3次元で表している。図12及び図13では、コギングトルクが低い方から順に、領域Ar1、Ar2、・・・、Ar28、Ar29として示しており、同範囲のコギングトルクにおいては領域内を同一のパターンで図示している。
図12及び図13からわかるように、ロータ対向部44の軸方向長さhが長くなるほど、概ねコギングトルクが高くなる傾向にあり、ロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さsが長くなるほど、概ねコギングトルクが高くなる傾向にある。これらの関係は、次の式1で表すことができる。なお、式1においてロータ対向部44の軸方向長さをh、ロータ対向部44の径方向長さ(板厚)をt、前記ロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さをsとして示している。
h=t×K−0.5s・・・(式1)
ここで、本実施形態の場合、前記係数Kを0<K<6.3の範囲とすることで、図12において直線X1よりも低い範囲のコギングトルクを得ることができる。すなわち、係数Kを0<K<6.3の範囲として上記式1を満たすように磁性板40及び界磁磁石62を構成することで、磁気の取り込み量を考慮しつつ、急激なコギングトルクの変化が少ない範囲(図11において第1の範囲R1、第2の範囲R2及び第3の範囲R3)とすることができるようになる。
さらに、前記係数Kの下限を5.4より大として、係数Kの範囲を5.4<K<6.3とすることで、図12において直線X2と直線X1の範囲(前記第3の範囲R3に相当する範囲)に設定できる。すなわち、係数Kを5.4<K<6.3の範囲として上記式1を満たすように磁性板40及び界磁磁石62を構成することで、急激なコギングトルクの変化が少ない範囲(前記第3の範囲R3)において、磁気の取り込み量を好適に増やすことができるようになる。
このため、本実施形態のモータ10では、前記係数Kを0<K<6.3の範囲で前記式1を満たす構成としている。更に好ましくは前記係数Kを5.4<K<6.3の範囲で前記式1を満たす構成としている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
上記のように構成されたモータ10は、ステータ13の電機子巻線22への通電により発生した磁界とロータ14の界磁磁石62の磁界とが、メインコア部31の内周面と各磁性板40のロータ対向部44を介して作用し合い、ロータ14が回転するようになっている。なお、本実施形態では、磁性板40の板厚T1がコアシート30の板厚T2よりも厚
く設定されているため、磁性板40での磁気飽和が生じにくく、磁性板40を介して磁気を取り込みやすくなっている。
ここで、本実施形態のモータ10では、前記係数Kを0<K<6.3の範囲で前記式1を満たす構成とされるため、急激なコギングトルクの増加が抑えられる範囲において磁性板40のロータ対向部44を設けて磁気の取り込み量が確保されている。さらに、前記係数Kを5.4<K<6.3の範囲で前記式1を満たす構成とすることで、急激なコギングトルクの変化が少ない範囲(前記第3の範囲R3)において、磁気の取り込み量を好適に増やすことが可能となっている。
また、ロータ対向部44は、径方向視で台形形状をなすため、周方向に磁気的にスキューされた形状とされる。これにより、コギングトルクが低減されるようになっている。
また、各磁性板40のロータ対向部44は、ステータコア21のティース24のロータ14側端部(径方向内側端部)から軸方向に延びるように形成されている。これにより、ステータコア21のロータ14との対向面(ステータコア21の内周面)の軸方向長さを確保して高出力化を図りつつも、メインコア部31の積厚が抑えられるようになっている。そして、メインコア部31の積厚が抑えられることで、メインコア部31の積厚の変動(公差)が少なく抑えられるため、そのメインコア部31を挟む各フレーム11,12の軸方向の間隔の変動が抑えられ、ひいては、モータ10全体の軸方向寸法の変動が抑えられるようになっている。
また、磁性板40は、その板厚T1が厚いほどその変動(公差)が大きくなるが、本実施形態のように、各フレーム11,12がメインコア部31のみを挟持して磁性板40とは軸方向に当接しないように構成することで、モータ10全体の軸方向寸法の変動がより抑えられるようになっている。
また、ロータ14のロータコア61は、その外周面に固設される界磁磁石62がロータコア61の突起部61dと周方向において当接あるいは僅かの隙間を隔てて配置されるように構成される。このため、界磁磁石62の周方向の位置ずれが抑えられる。前記突起部61dは、前記磁性板40と径方向において対向しないように、ロータコア61の軸方向中央部に設けられるため、減磁されやすい部位が軸方向に分散されるため、相対的に耐減磁性を高めることが可能となる。
また、電機子巻線22にセグメント導体25を用いた構成では、セグメント導体25を収容するスロットSの数(ティース24の数)が多く、ティース24の周方向幅が狭くなる傾向がある。このため、ティース24におけるロータ14との対向面(径方向内側端面)の面積を広くして出力を向上させるためには、本実施形態のように、ロータ対向部44によってティース24の径方向内側端面を軸方向に延ばす構成が適している。また、本実施形態のティース24は、内周側ほど周方向幅が狭くなる径方向延出部24aと幅広部24bの境界部分で磁気集中しやすい構成であるが、その境界部位に磁性板40の積層部41が重なっているため、磁気集中が緩和されるようになっている。
次に、本実施形態の効果を記載する。
(1)ロータ対向部44の軸方向長さをh、ロータ対向部44の径方向長さ(板厚)をt、前記ロータ対向部44に対する界磁磁石62の軸方向延出長さをsとし、h=t×K−0.5s(但し、係数Kは0<K<6.3の範囲)を満たすように、モータ10を構成することで、図12において直線X1以下の範囲のコギングトルクが得られる。このため、コギングトルクの増加を抑える範囲でロータ対向部44を設けて磁気の取り込み量を確保することが可能となる。また、係数Kの範囲を5.4<K<6.3を満たすように、モータ10を構成することで、図12において直線X2〜X1の範囲のコギングトルクが得
られるため、コギングトルクの増加を抑えつつロータ対向部44の軸方向長さや界磁磁石62の軸方向延出長さを長く確保して磁気の取り込み量を確保することが可能となる。
(2)径方向においてロータ側に延出するメインコア部31のティース構成部33がロータ側ほど周方向幅が狭くなるように構成されるため、本実施形態のようにインナロータ型のモータでは径方向内側において電機子巻線22のスペースを確保することができる。また、この場合、前記ティース構成部33は磁性板40と当接しているため、ティース構成部33のロータ側の幅狭の部位に集中する磁気を緩和させて磁気飽和を抑えることができる。
(4)ロータ14の界磁磁石62は、比較的安価なフェライト磁石よりなるため、モータの低コスト化に寄与できる。
(5)ロータ対向部44を有する磁性板40が軸方向両側に形成されるため、メインコア部31の軸方向長さを抑えつつ磁気の取り込み量をより拡大させることができる。また、ロータ対向部44の反ロータ側に電機子巻線22を配することができるため、軸方向長さを抑えることができる。
(6)電機子巻線22は、ステータコア21に軸方向に沿って形成された複数のスロットSに挿入されるとともに該スロットSから軸方向に突出する第1及び第2突出部52,53を有する複数のセグメント導体25よりなる。そして、セグメント導体25の第1及び第2突出部52,53は、磁性板40のロータ対向部44と径方向に対向するように構成される。これにより、ステータコア21におけるロータ14との対向面を磁性板40のロータ対向部44によって確保して高出力を図りつつも、ステータ13の軸方向への大型化を抑えることができる。
(7)各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、メインコア部31の外周縁(露出面31a)を軸方向に直接的に挟むように構成され、磁性板40に対しては軸方向に当接しないように構成される。このため、メインコア部31を挟む各フレーム11,12の軸方向の間隔の変動(公差)を抑えることができ、その結果、モータ10全体の軸方向寸法の変動を抑えることが可能となる。また、電機子巻線がセグメント導体にて構成されたステータの場合、電機子巻線の占積率を高く構成できる一方で発熱しやすくもなるが、ステータコアの外周面が各フレーム間から外部に露出されるため、ステータで生じた熱を外部に逃がしやすく好適である。
(8)磁性板40の板厚T1は、コアシート30の板厚T2よりも厚く設定されるため、磁性板40を介して磁気を取り込みやすくすることができ、その結果、より一層の高出力化に寄与できる。また、本実施形態のように、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2よりも厚くして出力向上を図る場合には、磁性板40の板厚変動が大きくなる。このため、各フレーム11,12が磁性板40とは軸方向に当接しないように構成することで、モータ10全体の軸方向寸法の変動を抑える効果がより顕著となる。
尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、メインコア部31の軸方向両端部に磁性板40をそれぞれ1枚用いた構成としたが、これに限らない。例えば図14に示すようにメインコア部31の軸方向端部にそれぞれ磁性板を2枚積層して用いたり、図15に示すようにメインコア部31の軸方向端部に磁性板を3枚積層して用いたりしてもよい。図14に示すように、第1及び第2磁性板71,72のロータ対向部71a,72aの径方向長さt2とし、一方の磁性板71のロータ対向部71aの径方向長さt2と他方の磁性板のロータ対向部72aの径方向長さt2とを足し合わせて、上記実施形態のロータ対向部44の径方向長さtに相当する。また、図15に示すように、第1〜第3磁性板75,76,77のロータ対向部
75a,76a,77aの径方向長さt3とし、第1〜第3磁性板75,76,77のロータ対向部75a,76a,77aの径方向長さt3を足し合わせて、上記実施形態のロータ対向部44の径方向長さtに相当する。
・上記実施形態では、各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bは、メインコア部31の外周縁(露出面31a)を軸方向に直接的に挟み、磁性板40に対しては軸方向に当接しないように構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば図16に示すように、磁性板40の環状部42(積層部41)を介してメインコア部31を軸方向に挟むように構成してもよい。この図16に示すような構成によれば、磁性板40の積層部41をステータ保持部11b,12bに対して軸方向に干渉しないように径方向に小さくする必要がないため、出力の低下を抑えることができる。また、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2よりも厚くして出力向上を図る場合には、磁性板40よりも板厚が薄いコアシート30の枚数を調整することで、モータ10全体の軸方向寸法の変動を抑えることが可能である。
・上記実施形態では、各セグメント導体25は、スロットSに挿通された一対の直線部51を繋ぐ第1突出部52側で折り返されるように形成し、第2突出部53側で溶接等により接合するように構成されたが、これに特に限定されるものではない。例えば図17に示すように、一対の直線部51をそれぞれ別体とし、第1突出部52においても溶接等により接合するように構成してもよい。また、セグメント導体25同士の接続は、溶接以外に例えば、バスバー等の別部材を用いた接続構造としてもよい。
・上記実施形態では、磁性板40の積層部41の外径をコアシート30の外径よりも小さくすることで、メインコア部31の軸方向端面の外周縁全体に亘って露出面31aを形成し、その露出面31aを各フレーム11,12のステータ保持部11b,12bで挟むように構成したが、これに特に限定されるものではない。例えば、メインコア部31(コアシート30)の外周面から径方向外側に突出する突出部を形成し、その突出部をステータ保持部11b,12bで挟むように構成してもよい。
・上記実施形態では、磁性板40の積層部41は、環状部42とティース構成部43とを有するが、これ以外に例えば、積層部41をティース構成部43のみで構成してもよい。
・上記実施形態では、磁性板40はメインコア部31(コアシート30)にかしめ固定されたが、これ以外に例えば、接着や溶接によって固定してもよい。
・上記実施形態では、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2よりも厚く設定したが、これに特に限定されるものではなく、磁性板40の板厚T1をコアシート30の板厚T2に対して等しく、又は薄く設定してもよい。
・上記実施形態では、セグメント導体25にて構成される電機子巻線22を用いたが、これ以外に例えば、銅線等をティースに巻回してなる電機子巻線を用いてもよい。
・上記実施形態では、ロータ14の界磁磁石62にフェライト磁石を用いたが、これ以外に例えば、ネオジム磁石等、その他の磁石を用いてもよい。
・上記実施形態では、ロータコア61を複数の第1及び第2コアシート61a,61bよりなる積層構造としたが、これ以外に例えば、ロータコア61を鋳造等により成形される一体成形品としてもよい。但し、このような構成であっても位置決め部としての突起部61dを形成する。
・上記実施形態では、ロータ14をステータ13の内周側に配置したインナロータ型の
モータ10に具体化したが、これに特に限定されるものではなく、ロータをステータの外周側に配置したアウタロータ型のモータに具体化してもよい。
10…モータ、11…リヤフレーム(第1フレーム)、12…フロントフレーム(第2フレーム)、13…ステータ、14…ロータ、18…回転軸、21…ステータコア、22…電機子巻線、25,25x,25y…セグメント導体、30…コアシート、31…メインコア部、33…ティース構成部、40…磁性板、41…積層部、43…ティース構成部、44…ロータ対向部、61…ロータコア、61a…コアシート、62…界磁磁石、71、72,75,76,77…磁性板、71a,72a,75a,76a,77a…ロータ対向部、S…スロット、T1,T2…板厚、h…軸方向長さ、s…軸方向延出長さ、t,t2,t3…径方向長さ。

Claims (9)

  1. 回転軸の軸方向に積層された複数のコアシートよりなるステータコア及び該ステータコアに設けられた電機子巻線を有するステータと、
    前記ステータコアと径方向に対向する界磁磁石を有するロータと、
    を備えたモータであって、
    前記ステータコアは、前記電機子巻線が巻回されるティース構成部を有する前記コアシートが軸方向に積層されてなるメインコア部と、該メインコア部の軸方向端部に設けられる磁性板とを備え、
    前記磁性板は、前記メインコア部における軸方向端部に積層される積層部と、該積層部の前記ロータ側の端部から軸方向外側に延出されるとともに前記ロータと径方向に対向するロータ対向部とを有し、前記ロータ対向部の軸方向長さをh、ロータ対向部の径方向長さ(板厚)をt、前記ロータ対向部に対する界磁磁石の軸方向延出長さをsとした場合に、h=t×K−0.5s(但し、係数Kは0<K<6.3の範囲)を満たすように構成されることを特徴とするモータ。
  2. 請求項1に記載のモータにおいて、
    前記磁性板は、前記係数Kの範囲が5.4<K<6.3を満たすように構成されることを特徴とするモータ。
  3. 請求項1又は2に記載のモータにおいて、
    前記ティース構成部は、径方向において前記ロータ側に延出するものであり、前記ロータ側ほど周方向幅が狭くなるように形成されることを特徴とするモータ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記ロータの界磁磁石は、フェライト磁石よりなることを特徴とするモータ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記磁性板は、前記メインコア部の軸方向両側に設けられることを特徴とするモータ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記電機子巻線は、前記ステータコアに軸方向に沿って形成された複数のスロットに挿入されるとともに該スロットから軸方向に突出する突出部が互いに電気的に接続された複数のセグメント導体よりなり、
    前記セグメント導体の前記突出部が、前記磁性板の前記ロータ対向部と径方向に対向するように構成されていることを特徴とするモータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記ステータコアの軸方向両側にそれぞれ設けられて該ステータコアを軸方向に挟持する第1フレーム及び第2フレームを備え、
    前記第1フレームと前記第2フレームとの間から前記ステータコアの外周面が外部に露出されるように構成されたことを特徴とするモータ。
  8. 請求項7に記載のモータにおいて、
    前記第1及び第2フレームは、前記磁性板の前記積層部を介して前記メインコア部を軸方向に挟むように構成されることを特徴とするモータ。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のモータにおいて、
    前記磁性板の板厚は、前記コアシートの板厚よりも厚く設定されていることを特徴とするモータ。
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