JP2014146496A - X線照射源 - Google Patents

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Abstract

【課題】筐体からのアルカリイオンの析出を抑制することにより、安定した動作を実現できるX線照射源及びX線管を提供する。
【解決手段】X線照射源2では、X線管21の筐体51の壁部のうち、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部51bが、フィラメントへ印加される負の高電圧を発生する高圧発生モジュール22を含む電源部の高電圧領域VHに対向して配置されている。このような構成により、対向壁部51bに電界が生じることが抑制され、アルカリイオンがガラスから析出することが抑えられる。したがって、フィラメントや、グリッド、ターゲット等の異なる電位の電極間における電位関係の変化が抑制され、所望のX線量を保持することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、X線照射源に関する。
従来、X線照射窓を有する筐体内にX線管や高圧発生モジュールなどを組み込んで構成されたX線照射源が開発されている。例えば特許文献1に記載の工業用X線発生装置では、昇圧回路の高圧側とX線管の陰極とが近接して配置されている。また、例えば特許文献2に記載の軟X線発生装置では、エミッタの表面に所定の粒径のダイヤモンド粒子からなる薄膜が設けられている。この装置では、X線管の筐体全体がアルミで形成されており、X線管のカソード配置面の外側に金属部材が位置した構成となっている。
以上のようなX線照射源においては、X線管の給電端子との熱膨張係数を合わせる観点から、例えばソーダライムガラスといったアルカリを含むガラスを筐体の底板等に用いることが考えられる。このようなガラスの熱膨張係数は、X線管内に配置される各種の電極や封止材料との熱膨張係数と近いため、真空保持性能の高い真空筐体を形成することが可能となる。
特開2012−49123号公報 特開2007−305565公報
ところで、X線管の筐体にアルカリを含むガラスを用いる場合、負の高電圧が印加される陰極等の高圧部と、低電圧(或いは接地電位)が印加される各種の制御回路等の低圧部とでガラスが挟まれると、高圧部の電位に引き寄せられてアルカリイオンがガラスから析出することがある。このようなアルカリイオンの析出が生じ、X線管内の電極等にアルカリイオンが付着すると、各電極間の電位関係が変化するため、所望のX線量を保持することができないといった不具合が生じるおそれがあることが分かった。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、筐体からのアルカリイオンの析出を抑制することにより、安定した動作を実現できるX線照射源及びX線管を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係るX線照射源は、負の高電圧が印加される陰極と、陰極からの電子の入射によってX線を発生させるターゲットと、陰極とターゲットとを収容すると共にターゲットから発生したX線を外部に出射させる出力窓を有する筐体とを有するX線管と、陰極に印加される負の高電圧を発生させる電源部と、を備え、筐体は、出力窓が設けられた窓用壁部と、窓用壁部に接合されて陰極及びターゲットを収容する収容空間を形成する本体部と、を有し、本体部は、窓用壁部と対向して配置され、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部を有し、電源部は、負の高電圧を発生させる高電圧発生部と、当該高電圧発生部に接続されると共に対向壁部が配置される高電圧領域とを有していることを特徴としている。
このX線照射源では、X線管の筐体の壁部のうち、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部が、陰極へ印加される負の高電圧を発生する高電圧発生部に接続される高電圧領域に配置されている。このような構成により、対向壁部に電界が生じることが抑制され、アルカリイオンがガラスから析出することが抑えられる。したがって、アルカリイオンの付着による各電極間の電位関係の変化が抑制され、所望のX線量を保持することができないといった不具合が生じることなく、安定した動作を維持することが可能となる。
また、陰極は、対向壁部の内面に沿って延在しており、高電圧領域は、陰極の延在方向に沿って延在していることが好ましい。陰極が延在する場合には対向壁部でのアルカリイオンの析出も生じ易くなるが、高電圧領域を陰極に沿って延在させることで、アルカリイオンの析出を好適に抑制できる。
また、陰極の電子放出部は、対向壁部から離間しており、電子放出部と対向壁部との間には、電源部から陰極に供給される負の高電圧と略同等の負の高電圧が印加される背面電極が設けられ、背面電極は、陰極と対向するように対向壁部の内面に沿って延在して配置されていることが好ましい。電子放出部が対向壁部と直接的に面していると、対向壁部が帯電して電位が不安定となり、電子の放出も不安定になる場合が考えられる。したがって、背面電極を陰極と対向して配置することにより、かかる不具合を防止できる。一方、対向壁部により近い背面電極が形成する電界によって対向壁部でのアルカリイオンの析出が生じ易くなるが、高電圧領域と背面電極とを対向させることで、安定した電子放出を実現しつつ、アルカリイオンの析出をより好適に抑制できる。
また、筐体及び電源部が載置されると共に、高電圧領域を形成する配線部を備えた回路基板を更に備え、高電圧発生部及び配線部は、対向壁部の少なくとも一部を囲うように配置されていることが好ましい。このような高電圧発生部及び配線部の配置により、対向壁部に電界が生じることをより確実に抑制できる。また、X線管の安定的な固定を実現できる。
また、筐体及び電源部が載置されると共に、高電圧領域を形成する配線部を備えた回路基板を更に備え、筐体は、スペーサを介して回路基板に固定され、高電圧発生部及び配線部は、対向壁部と対向する位置で、筐体と回路基板との間でスペーサの少なくとも一部を囲うように配置されていることが好ましい。このような高電圧発生部及び配線部の配置においても、対向壁部に電界が生じることを確実に抑制できる。また、スペーサによってX線管を安定して固定しつつ、高電圧発生部及び配線部を対向壁部と対向する位置に配置することで、回路基板を有効に利用でき、装置の小型化が図られる。
また、筐体及び電源部が載置されると共に、高電圧領域を形成する配線部を備えた回路基板を更に備え、高電圧発生部及び配線部は、対向壁部と対向する位置で、回路基板における筐体の載置面と反対面側に配置されていることが好ましい。このような高電圧発生部及び配線部の配置においても、対向壁部に電界が生じることを確実に抑制できる。また、筐体周りの構成を簡単化でき、装置の小型化が図られる。
本発明によれば、筐体からのアルカリイオンの析出を抑制することにより、安定した動作を実現できる。
本発明の第1実施形態に係るX線照射源を含んで構成されるX線照射装置を示す斜視図である。 図1に示したX線照射装置の機能的な構成要素を示すブロック図である。 図1に示したX線照射源の斜視図である。 図3の平面図である。 図4におけるV−V線断面図である。 図5におけるVI−VI線断面図である。 変形例に係るX線照射源を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係るX線照射源におけるX線管と回路基板との結合状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るX線照射源を示す平面図である。 図9に示したX線照射源におけるX線管と回路基板との結合状態を示す断面図である。 本発明の効果確認試験結果を示す図であり、(a)は実施例1、(b)は実施例2の結果である。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るX線照射源の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るX線照射源を含んで構成されるX線照射装置を示す斜視図である。同図に示すX線照射装置1は、例えば大型ガラスを取り扱う製造ラインにおいてクリーンルーム等に設置され、X線の照射によって大型ガラスの除電を行うフォトイオナイザ(光照射式除電装置)として構成されている。このX線照射装置1は、X線を照射するX線照射源2と、X線照射源2を制御するコントローラ3とを備えて構成されている。
図2は、X線照射装置1の機能的な構成要素を示すブロック図である。同図に示すように、コントローラ3は、制御回路11を含んで構成されている。制御回路11は、例えばX線照射源2に内蔵されるX線管21に向けて電力を供給する電源回路、X線管21に向けて駆動及び停止を制御する制御信号を送信する制御信号送信回路などを含んで構成されている。この制御回路11は、接続ケーブルCによってX線照射ユニット2と接続されている。
次に、上述したX線照射源2の構成について詳細に説明する。
図3は、図1に示したX線照射源の斜視図である。また、図4は、図3の平面図であり、図5は、図4におけるV−V線断面図である。図3〜図5に示すように、X線照射源2は、金属製の略直方体形状の筐体31内に、X線管21及び高圧発生モジュール(電源部、高圧発生部)22と、駆動回路23の少なくとも一部が搭載される第1の回路基板32及び第2の回路基板33とを有している。
筐体31は、図3及び図4に示すように、X線管21から発生したX線を外部に向けて出射させる出力窓34が形成された長方形状の壁部31a、及びこの壁部31aの各辺に設けられた側壁部31bを有して一面側が開口する本体部35と、壁部31aに対向し、本体部35の開口部分を塞ぐように取り付けられた蓋部31cとを備えている。出力窓34は、壁部31aの略中央部分において、筐体31の長手方向に沿って長方形状に形成された開口部によって構成されている。
X線管21は、図5に示すように、筐体31に比べて十分に小さい略直方体形状の筐体51内に、電子ビームを発生させるフィラメント(陰極)52と、電子ビームを加速させるグリッド53と、電子ビームの入射に応じてX線を発生させるターゲット54とを有している。筐体51は、出力窓57が設けられた窓用壁部51aと、窓用壁部51aに接合されてフィラメント52、グリッド53、及びターゲット54を収容する収容空間を形成する本体部とを備えている。この本体部は、当該窓用壁部51aに対向する対向壁部51bと、窓用壁部51a及び対向壁部51bの外縁に沿う側壁部51cとによって構成されている。窓用壁部51aは、例えばステンレス等の金属板によって形成されている。対向壁部51bは、例えばソーダライムガラスやホウケイ酸ガラスといったアルカリ(ここではナトリウム)を含むガラス等の絶縁性材料によって形成されている。また、側壁部51cは、例えばガラス等の絶縁性材料によって形成されている。
側壁部51cの高さは、窓用壁部51a及び対向壁部51bの長手方向の長さよりも小さくなっている。つまり、筐体51は、窓用壁部51a及び対向壁部51bを平板平面に見立てることができるような、平板状の略直方体形状となっている。窓用壁部51aの略中央部分には、X線出射窓34に比べて一回り小さい開口部51dが筐体51の長手方向(窓用壁部51a及び対向壁部51bの長手方向)に沿って長方形状に形成されている。この開口部51dは、出力窓57を構成する。
フィラメント52は、対向壁部51b側に配置され、グリッド53は、フィラメント52とターゲット54との間に配置されている。フィラメント52及びグリッド53は、筐体51の長手方向に沿って延在し、図6に示すように、それぞれ複数の給電ピン55が接続されている。給電ピン55は、側壁部51cと対向壁部51bとの間を通って筐体51の幅方向の両側にそれぞれ突出し、第1の回路基板32上の配線部38(後述)に電気的に接続されている。フィラメント52には、配線部38及び給電ピン55を介し、例えば−5kV程度の負の高電圧が高圧発生モジュール22から印加される。
また、図5に示すように、フィラメント52の電子放出部52aは、対向壁部51bから離間しており、電子放出部52aと対向壁部51bとの間には、フィラメント52と対向するように背面電極58が配置されている。背面電極58は、その長手方向がフィラメント52の電子放出部52aに沿って延びると共に、その短手方向がフィラメント52の径に対して十分に大きな長さを有するような矩形状に形成され(図6参照)、対向壁部51bの内面に密着して載置された状態で配置されている。背面電極58には、フィラメント52に接続される給電ピン55とは別の複数の給電ピン55が接続されており、フィラメント52と同様に、配線部38及び給電ピン55を介して−5kV程度の負の高電圧が高圧発生モジュール22から印加される。
一方、窓用壁部51aの外面側には、図5に示すように、開口部51dを封止するように、例えばチタンなど、X線透過性が良く且つ導電性を備えた材料からなる長方形状の窓材56が密着固定され、ターゲット54で発生したX線をX線管21の外部へ出力させる出力窓57が構成されている。なお、例えばタングステンなどからなるターゲット54は、窓材56の内面に形成されている。
第1の回路基板32には、図4に示すように、上述した駆動回路23の一部と、配線部38を含む高圧発生モジュール22とが配置されている。第1の回路基板32上の駆動回路23は、X線管21を長手方向に挟むように、第1の回路基板32の長手方向の両端部の略長方形状の領域にそれぞれ配置されている。駆動回路23には、高圧発生モジュール22からX線管21に印加される電圧に比べて十分に低い電圧が印加され、第1の回路基板32上に低電圧領域VLを形成している。なお、図5に示すように、駆動回路23の一部は、第2の回路基板33上にも配置されている。
一方、高圧発生モジュール22及び配線部38は、本発明における電源部の一部を構成するものであり、図4に示すように、X線管21から僅かに離間した状態で、筐体51の対向壁部51b全体を囲むように、第1の回路基板32の中央部に矩形の枠状に設けられている。高電圧発生モジュール22において負の高電圧を発生させ、高電圧発生モジュール22に接続された配線部38を給電路とすることで、矩形の枠及びその内側に高電圧領域VHを形成している。X線管21は、筐体51の対向壁部51bと高電圧領域VHとが対向するように第1の回路基板32に固定されており、高電圧領域VHは、筐体51内のフィラメント52の延在方向に沿って延在し、フィラメント52及び背面電極58と対向した状態となっている(図5参照)。
筐体31内でのX線管21、高圧発生モジュール22、第1の回路基板32、及び第2の回路基板33の固定には、図5に示すように、スペーサ部材60が採用されている。スペーサ部材60は、例えばセラミックによって棒状に形成され、非導電性を呈している。スペーサ部材60は、筐体31における蓋部31cの内面側に立設され、X線管21及び高圧発生モジュール22を搭載した第1の回路基板32と、駆動回路23の一部を搭載した第2の回路基板33とを略平行に支持している。このような構造が設けられた蓋部31cは、X線管21の出力窓57が筐体31のX線出射窓34から露出するように位置合わせされ、本体部35に固定されている。
以上のような構成を有するX線照射源2では、X線管21の筐体51の壁部のうち、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部51bが、フィラメント52へ印加される負の高電圧を発生する高圧発生モジュール22を含む電源部の高電圧領域VHに対向して配置されている。このような構成により、対向壁部51bに電界が生じることが抑制され、アルカリイオンがガラスから析出することが抑えられる。
アルカリイオンがガラスから析出すると、以下のような不具合が生じる。例えば析出したアルカリイオンが筐体51の内壁面等の絶縁部材の表面に付着すると、耐電圧能が低下する可能性がある。このため、フィラメント52や、グリッド53、ターゲット54等の異なる電位の電極間における耐電圧能も低下し、各電極間にX線管21を駆動させるために必要な電圧を印加することが困難となる可能性がある。また、析出したアルカリイオンがグリッド53に付着すると、グリッド53を構成する材料と付着したアルカリイオンとの仕事関数の違いによって、フィラメント52との間の電位関係に変化が生じる可能性があり、フィラメント52から安定して電子を取り出すことが困難になる可能性がある。
したがって、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部51bが、フィラメント52へ印加される負の高電圧を発生する高圧発生モジュール22を含む電源部の高電圧領域VHに対向して配置されていることで、フィラメント52や、グリッド53、ターゲット54等の異なる電位の電極間における電位関係の変化が抑制され、所望のX線量を保持することができないといった不具合が生じることなく、安定した動作を維持することが可能となる。また、析出したアルカリイオンがフィラメント52に付着すると、フィラメント52の表面状態が変化するために電子放出能も変化する可能性があるが、アルカリイオンがガラスから析出することを抑えることで、このような不具合も抑制することができる。
また、X線照射源2では、フィラメント52の電子放出部52aが対向壁部51bから離間しており、電子放出部52aと対向壁部51bとの間に、高圧発生モジュール22からフィラメント52に供給される負の高電圧と略同等の負の高電圧が印加される背面電極58がフィラメント52と対向するように対向壁部51bの内面に沿って延在して配置されている。さらに、高電圧領域VHは、フィラメント52の延在方向に沿って延在し、背面電極58と対向した状態となっている。
電子放出部52aが対向壁部51bと直接的に面していると、対向壁部51bが帯電して電位が不安定となり、電子の放出も不安定になる場合が考えられる。したがって、背面電極58をフィラメント52と対向して配置することにより、かかる不具合を防止できる。一方、フィラメント52と比較してより対向壁部51bに近い背面電極58が形成する電界によって、対向壁部51bでのアルカリイオンの析出が生じ易くなる。そこで、本実施形態では、高電圧領域VHと背面電極58とを対向させることで、安定した電子放出を実現しつつ、対向壁部51bからのアルカリの析出をより確実に抑えることが可能となる。
また、X線照射源2では、高電圧領域VHを形成する高圧発生モジュール22及び配線部38が、第1の回路基板32において対向壁部51b全体を囲うように配置されていることが好ましい。このような高圧発生モジュール22及び配線部38の配置により、対向壁部51bがより確実に高電圧領域VHに配置され、対向壁部51bに電界が生じることをより確実に抑制できる。また、X線管21を第1の回路基板32に固定することで、X線照射源2内におけるX線管21の安定的な固定を実現できる。
なお、第1の回路基板32において、高圧発生モジュール22及び配線部38は必ずしも対向壁部51b全体を囲んでなくともよい。例えば図7に示すように、対向壁部51bの短手方向の一辺を除いた対向壁部51bの3辺を囲うように配線部38を配置してもよい。この場合であっても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第2実施形態]
図8は、本発明の第2実施形態に係るX線照射源におけるX線管と回路基板との結合状態を示す断面図である。同図に示すように、第2実施形態に係るX線照射源では、X線管21と第1の回路基板32との結合状態と、高圧発生モジュール22及び配線部38の配置とが第1実施形態と異なっている。
より具体的には、本実施形態では、X線管21の筐体51と第1の回路基板32との間にスペーサ73が配置されることでX線管21の筐体51と第1の回路基板32とが離間しており、スペーサ73を介して筐体51と第1の回路基板32とが結合している。スペーサ73は、絶縁性材料からなるブロック状の部材であり、例えばシリコーンゴムからなる。スペーサ73は、例えば背面電極58よりも一回り小さい扁平な略直方体形状をなし、対向壁部51b及び第1の回路基板32の略中央部分にそれぞれ接着されている。また、本実施形態では、スペーサ73によって対向壁部51bと第1の回路基板32との間に形成された隙間に高圧発生モジュール22及び配線部38が配置されている。高圧発生モジュール22及び配線部38は、第1の回路基板32において、対向壁部51bに接しない厚さでスペーサ73を囲うように矩形の枠状に設けられている。
このような構成においても、X線管21の筐体51の壁部のうち、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部51bが、フィラメント52へ印加される負の高電圧を発生する高圧発生モジュール22を含む電源部の高電圧領域VHに対向して配置されている。これにより、対向壁部51bに電界が生じることが抑制され、アルカリイオンがガラスから析出することが抑えられる。したがって、フィラメント52や、グリッド53、ターゲット54等の異なる電位の電極間における電位関係の変化が抑制され、所望のX線量を保持することができないといった不具合の発生を防止できるので、安定した動作を維持することが可能となる。
また、スペーサ73によって、X線管21を安定して固定しつつ、対向壁部51bと第1の回路基板32との間に形成された隙間に高圧発生モジュール22及び配線部38を配置することができるので、第1の回路基板32を有効に利用できる。これにより、第1の回路基板32の大型化を抑制し、X線照射源2の小型化を実現することができる。さらに、スペーサ73が絶縁性材料からなることで、対向壁部51bへの電気的な影響を抑制することもできる。
なお、スペーサ73は、シリコーン樹脂やウレタンなどであってもよく、導電性材料からなるものであってもよい。対向壁部51b、スペーサ73、及び第1の回路基板32の結合には、シールや接着剤等のように面同士の密着性を確保できる手法を用いることが好ましい。また、絶縁材料については自己融着性の材料を用いることも好ましい。
[第3実施形態]
図9は、本発明の第3実施形態に係るX線照射源の平面図である。また、図10は、そのX線管と回路基板との結合状態を示す断面図である。図9及び図10に示すように、第3実施形態に係るX線照射源では、X線管21と第1の回路基板32との結合状態と、高圧発生モジュール22及び配線部38の配置とが第1実施形態と更に異なっている。
より具体的には、本実施形態では、図4及び図5に示した第1の回路基板32よりも面積の大きい筐体31及び第1の回路基板32を用い、第1の回路基板32の一面側においてX線管21の幅方向の双方にX線管21を駆動させる駆動回路23を設けている。また、第2の回路基板33を用いず、枠状のスペーサ部材82を蓋部31cに固定し、スペーサ部材82の先端に第1の回路基板32を固定している。そして、高圧発生モジュール22及び配線部38は、第1の回路基板32における筐体51の載置面と反対面に、対向壁部51bと対向するように設けられている。
このような構成においても、X線管21の筐体51の壁部のうち、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部51bが、フィラメント52へ印加される負の高電圧を発生する高圧発生モジュール22を含む電源部の高電圧領域VHに対向して配置されている。これにより、対向壁部51bに電界が生じることが抑制され、アルカリイオンがガラスから析出することが抑えられる。したがって、フィラメント52や、グリッド53、ターゲット54等の異なる電位の電極間における電位関係の変化が抑制され、所望のX線量を保持することができないといった不具合の発生を防止できるので、安定した動作を維持することが可能となる。また、回路基板の数が減少することで、筐体31の厚みをより小さくすることができるほか、筐体51周りの構成を簡単化できる。
[本発明の効果確認試験]
図11は、本発明の効果確認試験の結果を示す図である。本試験は、対向壁部を囲うように高電圧領域を形成する配線部を第1の回路基板上に配置した例(実施例1)と、低電圧領域側を除いた対向壁部の3辺を囲うように高電圧領域を形成する配線部を第1の回路基板上に配置した例(実施例2)とにおいて、X線管の筐体周辺の電位分布をシミュレーションしたものである。いずれの例においても、第1の回路基板上には、対向壁部周りの高電圧領域と、高電圧領域から離間した低電圧領域とが存在し、第2の回路基板上には、低電圧領域のみが位置していると仮定した。また、実施例2では実施例1に比べて第2の回路基板を第1の回路基板に近接させた。
図11(a)及び図11(b)に示すように、実施例1及び実施例2のいずれにおいても、対向壁部の長手方向の端部に僅かに電界が発生しているが、当該部分を除いて電界が発生していないことが確認できた。この結果から、本発明のように、X線管の対向壁部を高電圧領域に配置することで、対向壁部での電界の発生を抑制できることが確認できた。
2…X線照射源、21…X線管、22…高圧発生モジュール(電源部、高圧発生部)、32…第1の回路基板(回路基板)、38…配線部(電源部)、51…筐体、51a…窓用壁部、51b…対向壁部、52…フィラメント(陰極)、52a…電子放出部、54…ターゲット、57…出力窓、58…背面電極、73…スペーサ。

Claims (6)

  1. 負の高電圧が印加される陰極と、前記陰極からの電子の入射によってX線を発生させるターゲットと、前記陰極と前記ターゲットとを収容すると共に前記ターゲットから発生した前記X線を外部に出射させる出力窓を有する筐体とを有するX線管と、
    前記陰極に印加される前記負の高電圧を発生させる電源部と、を備え、
    前記筐体は、前記出力窓が設けられた窓用壁部と、前記窓用壁部に接合されて前記陰極及び前記ターゲットを収容する収容空間を形成する本体部と、を有し、
    前記本体部は、前記窓用壁部と対向して配置され、アルカリを含むガラスによって形成された対向壁部を有し、
    前記電源部は、前記負の高電圧を発生させる高電圧発生部と、当該高電圧発生部に接続されると共に前記対向壁部が配置される高電圧領域とを有していることを特徴とするX線照射源。
  2. 前記陰極は、前記対向壁部の内面に沿って延在しており、
    前記高電圧領域は、前記陰極の延在方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1記載のX線照射源。
  3. 前記陰極の電子放出部は、前記対向壁部から離間しており、
    前記電子放出部と前記対向壁部との間には、前記電源部から前記陰極に供給される前記負の高電圧と略同等の負の高電圧が印加される背面電極が設けられ、
    前記背面電極は、前記陰極と対向するように前記対向壁部の内面に沿って延在して配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のX線照射源。
  4. 前記筐体及び前記電源部が載置されると共に、前記高電圧領域を形成する配線部を備えた回路基板を更に備え、
    前記高電圧発生部及び前記配線部は、前記対向壁部の少なくとも一部を囲うように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のX線照射源。
  5. 前記筐体及び前記電源部が載置されると共に、前記高電圧領域を形成する配線部を備えた回路基板を更に備え、
    前記筐体は、スペーサを介して前記回路基板に固定され、
    前記高電圧発生部及び前記配線部は、前記対向壁部と対向する位置で、前記筐体と前記回路基板との間で前記スペーサの少なくとも一部を囲うように配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のX線照射源。
  6. 前記筐体及び前記電源部が載置されると共に、前記高電圧領域を形成する配線部を備えた回路基板を更に備え、
    前記高電圧発生部及び前記配線部は、前記対向壁部と対向する位置で、前記回路基板における前記筐体の載置面と反対面側に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のX線照射源。
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