JP2014145693A - 核酸分析装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の核酸分析装置は、制御部からの通信が途切れた場合に、制御部からの指令がなくても測定再開が容易な装置状態になるよう自動処理を行う装置を提供することを目的としている。
【解決手段】
複数の試薬容器を保持する試薬ラックと、サンプルを保持する基板を設置するステージと、試薬の吸引吐出を行う分注ノズルと、前記分注ノズルを洗浄する洗浄ポートと、前記分注ノズルを前記試薬容器、前記洗浄ポート及び基板の間に駆動するノズル駆動機構と、前記ステージを試薬分注位置及び検出位置の間に駆動するステージ駆動機構、前記基板内のサンプルに生じた変化を検出する検出部と、前記基板の蛍光を励起する励起光の光源と、装置本体の各機構の動作を制御部からの通信により制御し、通信が途切れた場合に、通信が途切れたことを検知することを特徴とする核酸分析装置に関するものである。
【選択図】 図1
Description
1)光源ランプを消す。
2)サンプルを適切な温度にする。
3)保護試薬をサンプルに注入する。
4)洗浄液を止める。
5)各機構(対物レンズ、分注ノズル等)を安全位置に戻す。
6)装置内で調整された試薬を廃棄する。
7)分注ノズルを洗浄する。
また、通信復旧後に再開が可能なように、測定が停止した詳細な箇所と、どのような処理を施したかが確認できる。
図1は、核酸分析装置の構成図である。核酸分析装置は、本体部101と制御部102で構成される。制御部102は、LANケーブルやUSBケーブルなどの通信ケーブル103を介して、本体部101と接続されている。制御部102は、本体部101に内蔵されるなど一体的に形成されていてもよい。本体部101は、送液ユニット104、反応ユニット105、検出ユニット106を備えている。
核酸分析装置の動作の大まかな流れを図2に示す。(S1)ユーザが、核酸サンプルが保持された平面基板114および試薬を装置に設置し、制御部102に各種測定条件を設定入力し、測定を開始する。準備が整うと、(S2)サンプルが保持されたステージ115は試薬分注位置へ移動する。(S3)送液ユニット104は、スライダ108動作および分注ノズル109の吸引/吐出動作により、試薬を試薬ラック107からステージ115上のサンプルへと送液する。また、調整が必要な試薬の場合は、試薬の撹拌混合による試薬調整を行う。(S4)試薬を吸引/吐出したノズル109は、試薬同士の混入がおきないようにポート112で洗浄液120をノズル内部から吐出する「内洗」およびノズル外部を洗浄液120で洗う「外洗」を行う。(S5)試薬分注後、送液ユニット105は、その試薬反応ステップに応じてサンプルを温調する。試薬反応ステップには、例えば、核酸伸長反応の開始点となるプライマーをサンプルに合成する「プライミング」ステップ、蛍光修飾されたプローブをサンプル核酸上に伸長させる「ライゲーション」ステップ、蛍光修飾を切断する「切断」ステップなど、一連の流れがあり、使われる試薬および温調反応(例えば、70℃で1分保持、40℃と15℃を3分ずつ繰り返すなど)はそれぞれステップにより異なる。(S6)一連の複数の試薬反応ステップを実施した後、次の蛍光検出へ進む。(S7)反応後のサンプルを保持したステージ115は、検出位置へ移動する。(S8)対物レンズ119の上下移動により検出の焦点が設定されると、サンプルに励起光が照射され、蛍光が検出される。(S9)検出ユニット106による画像取得領域には限りがあるため、少しずつステージ115を移動させて蛍光検出を繰返し、平面基板114上のサンプル測定領域を網羅するように撮像を繰り返す。(S10)ここまでの一連の試薬反応による核酸伸長から検出まで((S2)〜(S10))をサイクルと呼び、再び、サイクルを繰り返すことにより核酸の塩基配列を決定していく。(S11)あらかじめユーザが設定した塩基長分の検出が終了すると、測定は終了する。
各ユニットは、制御部102からの指令(コマンド)により動作するため、制御部102と本体の通信が途切れた場合、本体が次の動作の指示を受け取ることができない。そのため、装置は、通信が途切れた時の状態のまま保持されてしまう。通信が途切れ、本体部101と制御部102の間で指令(コマンド)を授受できないのは、次のような例である。
1)制御部102と本体部101を接続する通信ケーブル103が抜けたり、切断された場合。
2)コンピュータである制御部102の電源が落ちた場合。
3)制御部102が基幹ソフトウェアの不具合で制御ソフトウェアが正常動作しない(フリーズする)場合。
4)制御部102で実行されるコマンド発行の制御ソフトウェアがシャットダウンされた場合。
通信が途切れた場合、本体部101が次の動作の指令を受け取ることができないため、装置は通信が途切れた時の状態のまま保持されてしまう。装置動作のタイミングによっては、核酸サンプル、試薬、装置がダメージを受けるような好ましくない状態におかれてしまう。このような状態を回避するために、通信が途切れた場合、装置本体部101が制御部102からの指令なしでも自動で行う処理を次に示す。
また、制御部102と本体部101の通信が復旧した後に、ユーザが制御部102から自動で実施された処理を確認できるようにしても良い。
102 制御部
103 通信ケーブル
104 送液ユニット
105 反応ユニット
106 検出ユニット
107 試薬ラック
108 スライダ
109 分注ノズル
110 シリンジ
111 ノズル駆動機構
112 洗浄ポート
113 廃液タンク
114 基板
115 ステージ
116 ステージ駆動機構
117 光源
118 検出機
119 対物レンズ
120 洗浄液
121 外洗出口
301 演算処理部
302 タイマー
303 表示部
501 スライダの穴
502 矢印(スライダの動き)
503 矢印(ノズルの水平方向の動き)
504 矢印(ノズルの垂直方向の動き)
Claims (30)
- 複数の試薬容器を保持する試薬ラックと、
サンプルを保持する基板を設置するステージと、
試薬の吸引吐出を行う分注ノズルと、
前記分注ノズルを洗浄する洗浄ポートと、
前記分注ノズルを前記試薬容器、前記洗浄ポート及び基板の間に駆動するノズル駆動機構と、
前記ステージを試薬分注位置及び検出位置の間に駆動するステージ駆動機構と、
前記基板内のサンプルに生じた変化を検出する検出部と、
前記基板の蛍光を励起する励起光の光源と、
を備え、
装置本体の各機構の動作を制御部からの通信により制御し、
通信が途切れた場合に、通信が途切れたことを検知することを特徴とする核酸分析装置。 - 請求項1において、
前記制御部から発行されるコマンドにより各機構を動作させる演算処理部と、
前記制御部との通信時間間隔を計測する時間計測部と、
を備え、
前記演算処理部および前記時間計測部を用いて、制御部から発行されるコマンドを検知することで、通信を検出することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの電気信号の検知により通信を検出することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が前記光源を消灯することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体がサンプルを決められた温度に温度調整することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項5において、
決められた温度とは、サンプルが変性しない温度であることを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項5において、
決められた温度とは、サンプルの劣化を促進する酵素が活性化しない温度であることを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が保護試薬をサンプルに注入することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項8において、
保護試薬とは、サンプルが変性または劣化するのを防ぐための試薬であることを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項8において、
保護試薬とは、サンプルの劣化を促進する酵素の働きを抑えたり、雑菌の繁殖を防ぐための試薬であることを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項8において、
保護試薬とは、サンプルを乾燥から防ぐための試薬であることを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が洗浄液の吐出を停止することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項12において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が試薬分注ノズルの外部を洗浄する洗浄液の吐出を停止することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項12において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が試薬分注ノズルの内部を洗浄する洗浄液の吐出を停止することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が分注ノズルを安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体がスライダを試薬容器が閉じる安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が対物レンズを安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体がステージを安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項15または16において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が分注ノズルを安全位置に動かしてから、次にスライダを試薬容器が閉じる安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項17または18において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が対物レンズを安全位置に動かしてから、次にステージを安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項17または18において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が分注ノズルを安全位置に動かしてから、次にステージを安全位置に動かすことを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体がシャッターを閉じて光がサンプルに照射されないようにすることを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が調整中の残試薬を破棄することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体がノズルを洗浄することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項8において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が保護試薬を一定時間ごとにサンプルに注入することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項23において、
制御部からの通信が途切れた場合に、装置本体が調整中の残試薬を一定時間後に破棄することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項1において、
制御部からの指令なしで、装置本体が実施した処理を表示することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項27において、
処理の表示は、装置本体部に表示することを特徴とする、核酸分析装置。 - 請求項27において、
処理の表示は、通信復旧時に制御部に表示することを特徴とする、核酸分析装置。 - 複数の試薬容器を保持する試薬ラックと、
サンプルを保持する基板を設置するステージと、
試薬の吸引吐出を行う分注ノズルと、
前記分注ノズルを洗浄する洗浄ポートと、
前記分注ノズルを前記試薬容器、前記洗浄ポート及び基板の間に駆動するノズル駆動機構と、
前記ステージを試薬分注位置及び検出位置の間に駆動するステージ駆動機構、
前記基板内のサンプルに生じた変化を検出する検出部と、
前記基板の蛍光を励起する励起光の光源と、
を備える核酸分析装置が実行する方法であって、
装置本体の各機構の動作を制御部からの通信により制御するステップと、
通信が途切れた場合に、通信が途切れたことを検知するステップと、
を有することを特徴とする核酸分析方法。
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