JP2014144944A - 結晶成長を抑制する水性懸濁状農薬組成物 - Google Patents

結晶成長を抑制する水性懸濁状農薬組成物 Download PDF

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良則 村松
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秀敏 白倉
Atsushi Sato
篤志 佐藤
Mitsuyuki Yabusaki
光之 薮▲崎▼
Shigeru Ueno
滋 上野
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Abstract

【課題】農薬活性成分の結晶成長を抑制し、防除効果ならびに保存安定性に優れた水性懸濁状農薬組成物の提供。
【解決手段】農薬有効成分、ならびに水溶解性セルロース誘導体及び/又はポリビニルフェノールを含んでなる水性懸濁状農薬組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は農薬製剤に関し、より詳細には水性懸濁農薬製剤に関する。
現在、作物の有害生物を防除するために、様々な農薬が使用されている。その中でも、水性懸濁状農薬組成物は水ベースの農薬製剤であり、散布者及び環境への配慮という点から安全な農薬製剤として近年利用価値が高まっている。
しかし、水性懸濁状農薬組成物(以下「フロアブル製剤」ともいう)では、農薬活性成分の結晶が水に懸濁しているため、保存中に少量の農薬活性成分が溶解し、再び結晶化することにより、農薬活性成分の結晶成長が起こる。製剤中で農薬活性成分が結晶成長すると、防除効果の低下をまねくうえ、物理化学特性の低下によるハードケーキングやスプレー時のノズルへの詰まりも懸念されるため、フロアブル製剤では結晶成長を許容範囲内に抑えることが重要である。
特開平10−29905号公報(特許文献1)には、除草剤ダイムロンのフロアブル製剤中にダイムロン原体の一部の類縁化合物を微量に共存させることにより、結晶成長を抑制する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、活性化合物の類縁化合物を添加することにより生物活性および製剤毒性が変化する可能性があるため、類縁化合物によっては添加することは難しい。また、有効成分の類縁化合物の成分組成を管理することも難しく、対象となる有効成分毎に適切な対応をとる必要がある。
国際公開第2007/145221号パンフレット(特許文献2)には、フロアブル製剤中の補助成分として特定の平均分子量を有するリグニンスルホン酸塩を配合することによって、保存中の農薬活性成分の結晶成長がより抑制されると共に、高温での保存においても組成物の流動性が悪化しないことが記載されている。しかしながら、アクリロニトリル系化合物、スピロメシフェン、スピロジクロフェン、ピリダベン、フェノキシプロピオン酸系化合物など、比較的近い構造を有するものに対しては有効ではあるが、構造が大きく異なる農薬活性成分に対しては適用が難しい。
特開平9−77604号公報(特許文献3)には、NメチルピロリドンなどのN−アルキル置換基を有する極性溶剤を、水性懸濁状組成物100重量部に対して10重量部未満の割合で配合することにより、製剤の効力が増強されるとともに、結晶成長が抑制されると記載されている。この文献では、水性懸濁状組成物にある特定の割合で極性溶剤を配合することで、分散媒への農薬活性成分の溶解性増強を抑制し、製剤物理特性を低下させることなく、農薬有効成分を有効に高い生物効果を発現できることが報告されている。しかしながら、農薬原体によってその溶剤に対する溶解度は異なるため、全ての農薬活性成分に適用できるものではない。
2003年の学術論文(非特許文献1:Organic Process Research & Development, 2003, Vol. 7, pp. 334-338)には、セファロスポリン系抗生物質であるセフマチレンの結晶形のコントロールについて記載されており、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類及び活性化合物の置換基にジフェニルメチル基を有する不純物が一定量存在すると、結晶化の際に、針状結晶、ブレード型結晶などの結晶形及び結晶の大きさをコントロールできるとの記載がある。しかしながら、この現象もその活性化合物に対して特異的であり、化合物によって結晶形は異なる上、さらに結晶化の方法によっても結晶形は変化するため、基本的にセファロスポリン系抗生物質に限定されるものであり、その他の活性化合物への適用可能性については知られていない。また、フロアブル製剤は水ベースの製剤であるため、活性化合物の結晶形とサイズを制御しても、活性成分が溶解し、再び結晶化することで結晶成長する可能性がある。
フロアブル製剤は、水に不溶性又は難溶性の固体有効成分を0.5〜3.0μm程度の微粒子に粉砕し、界面活性剤あるいは高分子から選ばれる分散剤と共に水に分散させた製剤であり、水懸濁製剤あるいはゾルとも呼ばれている。フロアブル製剤の外観は懸濁状の不透明液体で、通常は界面活性剤や増粘剤等を加えて製剤の安定化が図られている。しかしながら、保存中の条件によっては、活性成分の粒子径が増大し、安定な懸濁状態が失われて流動性が損なわれ、使用時のスム−ズな散布に支障を来たす。こうして均一な散布が妨げられる結果、有効成分の効力が十分に発揮されない場合がある。
特に、フロアブル製剤中の農薬活性成分の結晶の粒子径が、対象害虫に対する効果へ影響する場合においては、結晶成長によって粒子径が増大すると、活性化合物によっては、効果が著しく低下してしまうおそれがある。そこで、フロアブル製剤中の農薬活性成分の結晶成長を長期に亘り持続的に抑制することが望まれる。
特開平10−29905号公報 国際公開第2007/145221号パンフレット 特開平9−77604号公報
Organic Process Research & Development, 2003, Vol. 7, pp. 334-338
本発明者らは、水性懸濁状農薬組成物中に、水溶解性セルロース誘導体またはポリビニルフェノールを配合することにより、農薬活性成分の結晶成長が顕著に抑制されることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
従って、本発明の目的は、農薬活性成分の結晶成長を抑制し、防除効果ならびに保存安定性に優れた水性懸濁状農薬組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する:
(1)有効成分として、30℃において固体である、下記式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容される酸付加塩を含んでなり、かつ、水溶解性セルロース誘導体及び/又はポリビニルフェノールを含んでなる、水性懸濁状農薬組成物:
Figure 2014144944
〔式中、
は、COR’またはCOOR(ここで、R’およびRはC1−4のアルキル基を表す)を表し、
はC1−4アルキル基を表し、
はC1−4アルキル基を表し、
およびXは、互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4のアルキル基を表し、
ただし、XおよびXが同時に水素原子を表すことはなく、
は水素原子を表し、
、W、およびWは、それぞれC−Y、C−Y、およびC−Yを表し、
、Y、Y、Y、およびYは、互いに独立して、水素原子、C1−8アルキルオキシ基(このC1−8アルキルオキシ基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、および/または同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されたC1−4アルキルオキシ基により置換されたものである)、またはハロゲン原子を表し、
ただし、Y、Y、Y、Y、およびYの少なくとも1つは、C1−8アルキルオキシ基(このC1−8アルキルオキシ基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、および/または同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されたC1−4アルキルオキシ基により置換されたものである)を表し、
あるいは、Y、Y、Y、Y、およびYは、隣り合う2つの基が一緒になって、一以上のハロゲン原子により置換されている−O−(CH−O−(ここでnは1または2を表す)を表してもよく、
Zは酸素原子を表す〕;
(2)前記式(I)で示される化合物が、2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン)である、(1)の水性懸濁状農薬組成物;
(3)水溶解性セルロース誘導体及びポリビニルフェノールの両方を含んでなる、(1)又は(2)の水性懸濁状農薬組成物;
(4)前記ポリビニルフェノールが、500〜30000の重量平均分子量を有するものである、(1)〜(3)のいずれかの水性懸濁状農薬組成物;
(5)前記ポリビニルフェノールの含有量が、組成物全体の0.1〜10重量%である、(1)〜(4)のいずれかの水性懸濁状農薬組成物;
(6)前記水溶解性セルロース誘導体が、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである、(1)〜(5)のいずれかの水性懸濁状農薬組成物;
(7)前記水溶解性セルロース誘導体を2%(w/v)水溶液にした場合の20℃における粘度が3〜6000mm/sである、(1)〜(6)のいずれかの水性懸濁状農薬組成物;
(8)前記水溶解性セルロース誘導体の含有量が、組成物全体の0.1〜1.0重量%である、(1)〜(7)のいずれかの水性懸濁状農薬組成物;
(9)(1)〜(8)のいずれかの水性懸濁状農薬組成物を製造する方法であって、ポリビニルフェノールをアルコールに溶解させて添加することを特徴とする、方法;ならびに
(10)前記アルコールが、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はこれらの2以上の混合物である、(9)の方法。
一般に、フロアブル製剤(水性懸濁状農薬組成物)は、分散剤、増粘剤等を配合してあるが、通常の状態では比較的不安定な製剤であるため、時として農薬活性成分の結晶成長を招き前述の如き問題を生じることがある。水溶解度が低い農薬活性成分をフロアブル製剤とした場合、他の配合成分の影響から、その溶解度が変化して保存中に農薬活性成分の微量が溶解し、再び析出して凝集あるいは結晶の周囲で成長するオストワルド熟成を招くことが考えられるが、正確な原因については必ずしも定かではない。
本発明の水性懸濁状農薬組成物は、保存中に物理化学的性質が変化せず、保存安定性に優れ、農薬活性成分の結晶成長が抑制されるため、防除効果が低下しにくいなどの特徴を持ち、効果の安定化と施用時の作業性改善の両方を満足させるものである。
発明の具体的説明
本発明による水性懸濁状農薬組成物は、農薬有効成分、ならびに水溶解性セルロース誘導体及び/又はポリビニルフェノールを含むものである。本発明による水性懸濁状農薬組成物は、水溶解性セルロース誘導体及びポリビニルフェノールの両方を含む必要はなく、いずれか一方を含んでいればよいが、好ましくはこれらの両方を含むものとされる。
本発明に用いられる農薬有効成分は特に限定されるものではなく、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、混合する場合の比も自由に選択できる。本発明に用いられる農薬有効成分は、好ましくは30℃において固体である化合物である。農薬有効成分とその他成分との配合割合は、例えば、農薬有効成分とその他成分との合計100重量部に対して、農薬有効成分を0.01〜60重量部、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜30重量部とすることができる。
本発明の好ましい実施態様によれば、農薬有効成分は、前記式(I)で表される化合物とされ、特に好ましくは2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン)とされる。また、これらの化合物の農園芸上許容される酸付加塩も同様に利用可能である。農園芸上許容される酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、または酢酸塩が挙げられる。これらの化合物および酸付加塩は、例えば、国際公開第2006/013896号パンフレットに記載の方法によって製造することができる。
上記式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容される酸付加塩は、害虫および植物病原真菌に対して優れた防除効果を示すものである。従って、本発明の水性懸濁状農薬組成物は、農園芸用殺虫剤および農園芸用殺菌剤として用いることができる。
上記式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容される酸付加塩が防除効果を示す虫種としては、特に限定されるものではないが、好ましくは鱗翅目害虫(例えば、ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、アワヨトウ、ヨトウガ、タマナヤガ、トリコプルシア属、ヘリオティス属(Heliothis spp)、ヘリコベルパ属(Helicoverpa spp)等のヤガ類;ニカメイガ、コブノメイガ、ヨーロピアンコーンボーラー、ハイマダラノメイガ、シバツトガ、ワタノメイガ、ノシメマダラノメイガ等のメイガ類;モンシロチョウ等のシロチョウ類;アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ、コドリンガ等のハマキガ類;モモシンクイガ等のシンクイガ類;リオネティア属等のハモグリガ類;リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類;コナガ等のスガ類;ワタアカミムシ等のキバガ類;アメリカシロヒトリ等のヒトリガ類;イガ、コイガ等のヒロズコガ類など)、半翅目害虫(例えば、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシ等のアブラムシ類;ヒメトビウンカ、トビイロウンカ、セジロウンカ等のウンカ類;ツマグロヨコバイ等のヨコバイ類;アカヒゲホソミドリカスミカメ、チャバネアオカメムシ、ミナミアオカメムシ、ホソヘリカメムシ等のカメムシ類;オンシツコナジラミ、シルバーリーフコナジラミ等のコナジラミ類;クワコナカイガラムシ等のカイガラムシ類;グンバイムシ類;キジラミ類など)、鞘翅目害虫(例えば、メイズウィービル、イネミズゾウムシ、アズキゾウムシ等のゾウムシ類;チャイロコメノゴミムシダマシ等のゴミムシダマシ類;ドウガネブイブイ、ヒメコガネ等のコガネムシ類;キスジノミハムシ、ウリハムシ、コロラドポテトハムシ、ウェスタンコーンルートワーム、サザンコーンルートワーム等のハムシ類;イネドロオイムシ、アオバアリガタハネカクシ、シンクイムシ類、ニジュウヤホシテントウ等のエピラクナ類;カミキリムシ類など)、ダニ目害虫(例えば、ナミハダニ、カンザワハダニ、ミカンハダニ、リンゴハダニ、オリゴニカス属等のハダニ類;トマトサビダニ、ミカンサビダニ、チャノサビダニ等のフシダニ類;チャノホコリダニ等のホコリダニ類;コナダニ類など)、膜翅目害虫(例えば、カブラハバチ等のハバチ類など)、直翅目害虫(例えば、バッタ類など)、双翅目害虫(例えば、イエバエ類;イエカ類;ハマダラカ類;ユスリカ類;クロバエ類;ニクバエ類;ヒメイエバエ類;ハナバエ類;マメハモグリバエ、トマトハモグリバエ、ナスハモグリバエ等のハモグリバエ類;ミバエ類;ノミバエ類;ショウジョウバエ類;チョウバエ類;ブユ類;アブ類;サシバエ類など)、アザミウマ目害虫(例えば、ミナミキイロアザミウマ、ミカンキイロアザミウマ、ネギアザミウマ、ハナアザミウマ、チャノキイロアザミウマ、ヒラズハナアザミウマ、カキクダアザミウマなど)、植物寄生性線虫(例えば、ネコブセンチュウ類;ネグサレセンチュウ類;シストセンチュウ類;イネシンガレセンチュウ等のアフェレンコイデス類;マツノザイセンチュウなど)が挙げられ、より好ましくは鱗翅目害虫、半翅目害虫、鞘翅目害虫、ダニ目害虫、双翅目害虫、またはアザミウマ目害虫が挙げられる。
また、上記式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容される酸付加塩が防除効果を示す植物病原真菌としては、特に限定されるものではないが、コムギ赤さび病菌(Puccinia recondita)、オオムギうどんこ病菌(Erysiphe graminis)、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)、キュウリべと病菌(Pseudoperonospora cubensis)、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)、トマト輪紋病菌(Alternaria solani)、野菜類灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、野菜類菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、モモ灰星病菌(Monilinia fructicola)、イチゴ炭疸病菌(Colletotrichum gloeosporioides)、ダイズ紫斑病菌(Cercospora kikuchii)、リゾクトニア苗立枯病菌(Rhizoctonia solani)などが代表として挙げられ、好ましくはキュウリうどんこ病菌、コムギ赤さび病菌、オオムギうどんこ病菌、トマト輪紋病菌、リンゴ黒星病菌、モモ灰星病菌、またはイチゴ炭疸病菌が挙げられ、さらに好ましくはキュウリうどんこ病菌、コムギ赤さび病菌、またはオオムギうどんこ病菌が挙げられる。
本発明で使用されるポリビニルフェノールは特に限定されるものではなく、例えば、重量平均分子量が30,000以下のものを好適に用いることができるが、好ましくは500〜30000の重量平均分子量を有するものとされる。ポリビニルフェノールは、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、混合する場合の比も自由に選択できる。本発明による組成物中のポリビニルフェノールの含有量は適宜選択できるが、好ましくは組成物全体の0.1〜10重量%とされ、より好ましくは1.0〜2.0重量%とされる。ポリビニルフェノールとしては、例えば、マルカリンカーM S−1(重量平均分子量:1600〜2400、丸善石油化学社製)、マルカリンカーM S−2(重量平均分子量:4000〜6000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーM S−4(重量平均分子量:9000〜11000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーM H−2(重量平均分子量:19800〜24200、丸善石油化学社製)、マルカリンカーCMM(重量平均分子量:8000〜12000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーCHM(重量平均分子量:7000〜14000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーMB(重量平均分子量:5500〜7500、丸善石油化学社製)、マルカリンカーPHM―C(重量平均分子量:4000〜6000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーCST CST15(重量平均分子量:7000〜10000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーCST CST50(重量平均分子量:3000〜5000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーCST CST70(重量平均分子量:2500〜4000、丸善石油化学社製)、マルカリンカーCBA(重量平均分子量:10000〜30000、丸善石油化学社製)等が挙げられ、とりわけ、マルカリンカーM S−2が特に好ましい。
これらポリビニルフェノールは単独で使用してもよく、また、これらの2種以上を併用してもよい。ポリビニルフェノールの使用法としては、他の材料に固体のまま添加してもよいが、好ましくはアルコールに溶解させて液体状で添加される。
ポリビニルフェノールの溶解に使用できるアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、t−ブタノール、n−オクタノール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、アリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、フェノール、グリセリン等が挙げられ、特にエタノール、n−プロパノール、エチレングリコール又はプロピレングリコールが好ましく、プロピレングリコールが特に好ましい。
ポリビニルフェノールを液体状にして用いる際には、ポリビニルフェノールとアルコールとの配合割合は、例えば、アルコール100重量部に対して、ポリビニルフェノールを1〜30重量部とすることができ、好ましくは5〜25重量部とされる。
特定の理論に拘泥するわけではないが、ポリビニルフェノールが結晶成長を抑制する理由として、ポリビニルフェノールが親油性であるために、製剤中では親油性物質である農薬活性成分の表面に吸着し、その撥水性により細かな結晶の農薬活性成分が水へ溶解するのを阻害し、オストワルド熟成を防止することが考えられる。
本発明で使用される水溶解性セルロース誘導体は特に限定されるものではなく、例えば、2%(w/v)水溶液にした場合の20℃における粘度が6000mm/s以下となるものを好適に用いることができるが、好ましくは前記粘度が3〜6000mm/sとなるものとされる。水溶解性セルロース誘導体の粘度は、日本薬局方(一般試験法115〜116ページ)に記載の毛細管粘度計法または回転粘度計法により測定することができる。また、セルロース誘導体について用いられる「水溶解性」との用語は、室温(例えば20℃)において、セルロース誘導体が水に溶解することを意味する。水溶解性セルロース誘導体には、一旦水に溶解した後に、ある温度以上になると水に不溶化し、冷却すると再度溶解する性質を持つものが多く、このような水溶解性セルロース誘導体は、本発明に好適に用いることができる。水溶解性セルロース誘導体は、単独で又は2種以上を混合して使用することができ、混合する場合の比も自由に選択できる。本発明の組成物中の水溶解性セルロース誘導体の含有量は適宜選択できるが、好ましくは組成物全体の0.1〜1.0重量%とされ、より好ましくは0.2〜0.5重量%とされる。水溶解性セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、カルボキシメチルセルロース等の半合成多糖類が挙げられ、好ましくはメチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースとされる。
メチルセルロースとしては、例えば、メトローズMCE−4(表示粘度4mm/s,信越化学工業社製)、メトローズMCE−15(表示粘度15mm/s,信越化学工業社製)、メトローズMCE−25(表示粘度25mm/s,信越化学工業社製)、メトローズMCE−100(表示粘度100mm/s,信越化学工業社製)、メトローズMCE−400(表示粘度400mm/s,信越化学工業社製)、メトローズMCE−1,500(表示粘度1,500mm/s,信越化学工業社製)、メトローズMCE−4,000(表示粘度4,000mm/s,信越化学工業社製)などが挙げられる。ヒドロキシプロピルメチルセルロースとしては、例えば、メトローズSE−06(表示粘度6mm/s,信越化学工業社製)、メトローズSE−50(表示粘度50mm/s,信越化学工業社製)、メトローズSFE−400(表示粘度400mm/s,信越化学工業社製)、メトローズSFE−4,000(表示粘度4,000mm/s,信越化学工業社製)、メトローズNE−100(表示粘度100mm/s,信越化学工業社製)、メトローズNE−4,000(表示粘度4,000mm/s,信越化学工業社製)などが挙げられる。本発明で使用される水溶解性セルロース誘導体としては、メトローズMCE−4、メトローズMCE−15、メトローズMCE−25、メトローズSE−06およびメトローズSE−50が好ましく、メトローズMCE−25が特に好ましい。
これら水溶解性セルロース誘導体は、単独で使用してもよく、また、これらの2種以上を併用してもよい。水溶解性セルロース誘導体の使用法としては、他の材料に固体のまま添加してもよいが、好ましくは水に溶解させて添加される。
メチルセルロースを液体状にして用いる際には、メチルセルロースと水との配合割合は、例えば、水溶液中のメチルセルロースの濃度が1〜20重量%、好ましくは5〜10重量%となるように配合することができる。
特定の理論に拘泥するわけではないが、水溶解性セルロース誘導体が結晶成長を抑制する理由として、水溶解性セルロース誘導体は分散剤としても機能するが、高温時には水素結合が切れることにより疎水化し、親油性である農薬活性成分の表面に巻きつく性質を有し結晶の分散安定化により結晶同士の合一、凝集を防いでいることが考えられる。
これらポリビニルフェノール及び水溶解性セルロース誘導体は、それぞれ単独で用いても結晶成長抑制効果を発揮するが、併用するとより顕著な効果を発揮する。
本発明の組成物には、必要に応じて界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸塩、ジアルキルスルホサクシネ−ト、アルキルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテルサルフェート、ポリオキシアルキレンアルキルアリールホスフェート、ポリカルボン酸塩等のアニオン系界面活性剤、あるいは、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤などが挙げられ、これらを単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。使用方法としては、水相成分に所定量の界面活性剤を溶解して使用する方法がある。これらの界面活性剤はフロアブル製剤を製造した後、分散液中で沈降凝集が起こらないように分散系を安定化させる機能も担うものである。界面活性剤としては、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルがより好ましい。界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、水相成分100重量部に対して20重量部以下の配合が好ましい。
本発明の組成物には、必要に応じて増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、消泡剤、結晶成長抑制剤などの公知の添加剤を配合することもできる。増粘剤としてはキサンタンガム、ローカストビームなどの天然多糖類、マグネシウムアルミニウムシリケートなどのベントナイト類、カルボキシメチルセルロースなどの半合成多糖類が挙げられる。凍結防止剤としては尿素、またはプロピレングリコール、エチレングリコールなどグリコール類が挙げられる。防腐剤としては1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチルーイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。消泡剤としてはシリコーン系のエマルジョンなどが挙げられる。
本発明の組成物は、一般的な農薬フロアブル製剤の製法として知られている方法によって製造することができる。すなわち、農薬活性成分を、界面活性剤、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、消泡剤等と共に粉砕して調製される方法、あるいは、農薬活性成分を界面活性剤と共に粉砕し、その後、増粘剤、凍結防止剤、防腐剤、消泡剤等を加えるなどの方法が挙げられる。一般的には、農薬活性成分は0.5〜3μm前後に粉砕した後に配合される。
本発明による組成物の製法としては、例えば、界面活性剤を溶解させた水中において、農薬活性成分と、重量平均分子量4000〜6000のポリビニルフェノールをアルコール類及び界面活性剤を混合した液と、表示粘度25mm/s前後のメチルセルロースを溶かした水溶液とを混合し、ダイノミル等の湿式粉砕機で所望の粒子径に微粒化処理したものに、増粘剤等の補助剤を添加混合する方法が挙げられる。
本発明に使用できる粉砕機としては、バッチ式ビーズミル、ダイノミル、アクアマイザー、アトライター、パールミル、アジテーターミル、コボールミル、スパイクミル、アペックスミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、グレンミル、スターミル、SCミル、等の湿式粉砕機が挙げられるが、例えばダイノミルMULTI−LAB((株)シンマルエンタープライズ製)、レディーミルBSG-1/16(アイメックス株式会社製)、ウルトラアペックスミルUAM−05(寿工業(株)社製)などが使用できる。使用できるビーズとしてはガラスビーズ、特殊ガラスビーズ(低アルカリ、無アルカリ)ジルコニアビーズ、ジルコンビーズ(ジルコニア・シリカ系セラミックス)、アルミナビーズ、チタニアビーズ、サイアロンビーズ、窒化ケイ素ビーズ、オッタワサンド等が挙げられる。ビーズ粒子径としては0.01〜1.5mmの範囲のものを使用することが好ましく、0.1〜1.0mmの範囲のものを使用することがより好ましい。小さい粒子径のビーズを使用することで、小さい体積中位径のフロアブルを製造することができる。
本発明による組成物(フロアブル製剤)は、製剤中の農薬活性成分粒子の体積中位径が、有害生物の防除効果に大きく影響を及ぼすものである。ここでいう「体積中位径」とは、体積基準での平均粒子径を表し、その集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブの50%となる点の粒子径をいう。フロアブル製剤の調製において、農薬活性成分粒子を目的とする体積中位径に調整するには、分散剤の種類及び濃度、並びに農薬活性成分を分散させる粉砕条件(ビーズ粒子径、粉砕機種、撹拌速度、送液速度等)が重要な役割を果たす。農薬活性成分の粒子径は、粉砕条件と、分散系を作製する工程によりほぼ決定されるので、この工程で農薬活性成分の粒子の設計に合わせた分散剤及び粉砕方法を選ぶことが重要である。
本発明による組成物(フロアブル製剤)において、農薬活性成分粒子の体積中位径は、例えば、市販されているレーザー回折式粒度分布測定装置、具体的にはSALD2200((株)島津製作所製)などを用いて、体積中位径の大きさとその分布状態を測定することにより求めることができる。
本発明の組成物の製造方法において、混合は物理混合すればよく、混合工程では機械的な撹拌を行うのが好都合であり、撹拌条件を一定にすることで均一な混合を可能にする。撹拌には羽根、プロペラ、タービン等が使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
フロアブル中の農薬活性成分粒子の体積中位径は、以下の分析機器及び分析条件で測定した。
分析機器:レーザー回折式粒度分布測定装置 SALD−2200((株)島津製作所製)
測定方式:レーザー回折およびレーザー散乱法
測定範囲:0.03〜1000μm
光源:半導体レーザー(波長680nm、出力3mW)
セル:バッチセル方式
セル材質:石英ガラス製
ソフトウェア:WingSALD−2200
分析試料:調製したフロアブルに、有効成分が0.1〜0.25重量%の濃度になるように水を添加し、分散させることにより調製した。
実施例1
1L容のフラスコ中において、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)30重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)70重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)製)5重量部
を、水387.5重量部に添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度98%)105重量部、及び
・ソルポール5050((商品名)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)10重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、メトローズMCE−25((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)の7重量%水溶液53重量部を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・マルカリンカーM S−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)20重量部、
・プロピレングリコール(ADEKA(株)製)100重量部、及び
・エアロールCT−1L((商品名)、70%ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム液、東邦化学工業(株)製)20重量部
からなる液体を投入し、撹拌羽根を用いて回転数300rpmで20分攪拌し、プレミックスを調製した。このプレミックスを、ダイノーミル(MULTI LAB)で1.1μmまで粉砕した。
次いで、得られた粉砕液を1L容容器に移し、そこに、
・プロピレングリコール 20重量部、
・キサンタンガム 2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)3.5重量部、
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)3重量部、及び
・プロピレングリコール(ADEKA(株)製)20重量部
を水108重量部に分散させたものを添加し、均一に混合した後、水を加えて濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例2
実施例1で使用したマルカリンカーM S−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)を、マルカリンカーM S−1((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例3
実施例1で使用したマルカリンカーM S−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)を、マルカリンカーM S−4((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例4
実施例1で使用したマルカリンカーM S−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)を、マルカリンカーM H−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例5
実施例1で使用したメトローズMCE−25((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)を、メトローズMCE−4((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例6
実施例1で使用したメトローズMCE−25((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)を、メトローズSE−06((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例7
実施例1で使用したメトローズMCE−25((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)を、メトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例8
実施例1で使用したマルカリンカーM S−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)、プロピレングリコール(ADEKA(株)製)及びエアロールCT−1L((商品名)、70%ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム液、東邦化学工業(株)製)を、水に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例9
実施例1で使用したメトローズMCE−25((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)を、水に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例10
実施例1で使用したマルカリンカーM S−2((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)を、マルカリンカーM S−4((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)に変更し、かつ、メトローズMCE−25((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)製)を、メトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)に変更した以外は、実施例1と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例11
実施例10で使用したマルカリンカーM S−4((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)20重量部を、15重量部に変更し、プロピレングリコール(ADEKA(株)製)100重量部を110重量部に変更し、かつ、エアロールCT−1L((商品名)、70%ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム液、東邦化学工業(株)製)20重量部を15重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例12
実施例10で使用したマルカリンカーM S−4((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)20重量部を10重量部に変更し、プロピレングリコール(ADEKA(株)製)100重量部を120重量部に変更し、かつ、エアロールCT−1L((商品名)、70%ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム液、東邦化学工業(株)製)20重量部を10重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例13
実施例10で使用したマルカリンカーM S−4((商品名)、ポリビニルフェノール、丸善石油化学(株)製)20重量部を25重量部に変更し、プロピレングリコール(ADEKA(株)製)100重量部を90重量部に変更し、かつ、エアロールCT−1L((商品名)、70%ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム液、東邦化学工業(株)製)20重量部を25重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例14
実施例10で使用したメトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)の7重量%水溶液53重量部を、水53重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例15
実施例10で使用したメトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)の7重量%水溶液53重量部を、メトローズSE−50の1.8重量%水溶液53重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例16
実施例10で使用した、メトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)の7重量%水溶液53重量部を、メトローズSE−50の3.5重量%水溶液53重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例17
実施例10で使用したメトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)の7重量%水溶液53重量部を、メトローズSE−50の5.3重量%水溶液53重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例18
実施例10で使用したメトローズSE−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、信越化学工業(株)製)の7重量%水溶液53重量部を、メトローズSE−50の8.8重量%水溶液53重量部に変更した以外は、実施例10と同様の原料及び操作によってフロアブル調製を行い、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
実施例19
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)3重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)7重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.5重量部
を、水39.15重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)10.75重量部、及び
・メトローズMCE−1500((商品名)、メチルセルロース、信越化学工業(株)社製)0.5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 10重量部、
・キサンタンガム 0.2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.35重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.3重量部
を水18.75重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.2μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例1
1L容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)30重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)70重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)5重量部
を、水387.5重量部に添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン)105重量部、及び
・ソルポール5050((商品名)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)を10重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物を、撹拌羽根を用い、回転数300rpmで20分攪拌し、プレミックスを調製した。このプレミックスを、ダイノーミル(MULTI LAB)で1.2μmまで粉砕した。
次いで、得られた粉砕液を1L容容器に移し、そこに、
・プロピレングリコール 100重量部、
・キサンタンガム 2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)3.5重量部、
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)3重量部
を水136重量部に分散させたものを添加し、均一に混合した後、水を加えて濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例2
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)1.5重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)3.5重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.25重量部
を、水21.5重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)5.38重量部、及び
・モレスコホワイトMT−60((商品名)、流動パラフィン、松村石油社(株)製)0.5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 5重量部、
・キサンタンガム 0.1重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.18重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.15重量部
を水9.38重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.4μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例3
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)3重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)7重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.5重量部
を、水39.15重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)10.75重量部、及び
・ソルポール7518((商品名)、ロジングリセリンエステル、東邦化学工業社(株)製)5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 10重量部、
・キサンタンガム 0.2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.35重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.3重量
を水18.75重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.3μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例4
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−10SPG((商品名)、ポリオキシエチレンスチリルフェニルサルフェート、東邦化学工業(株)製)1.9重量部、
・エアロールCT−1L((商品名)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、東邦化学工業(株)製)0.36重量部、
・セオラスRC((商品名)、結晶セルロース、旭化成ケミカルズ(株)社製)0.15重量部、
・尿素2.5重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.25重量部
を、水19.8重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)5.38重量部
を添加し、混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 5重量部、
・キサンタンガム 0.1重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.18重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.15重量部
を水9.38重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.1μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例5
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)1.5重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)3.5重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.25重量部
を、水21.7重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン、純度95.8%)5.38重量部、
・クラレポバールの13.3重量%水溶液((商品名)、ポリビニルアルコール、クラレ社(株)社製)0.23重量部、及び
・セオラスRC((商品名)、結晶セルロース、旭化成ケミカルズ(株)社製)の5重量%水溶液0.2重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 5重量部、
・キサンタンガム 0.1重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.18重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.15重量
を水9.38重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.2μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例6
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)1.5重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)3.5重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.25部
を、水21.5重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル‐3,7‐ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)-キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)5.38重量部、及び
・バニレックスDP((商品名)、リグニンスルホン酸塩、日本製紙ケミカル(株)社製)2.5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 5重量部、
・キサンタンガム 0.1重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.18重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.15重量
を水9.38重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.2μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例7
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)3重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)7重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.5重量部
を、水39.15重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル‐3,7‐ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)10.75重量部、及び
・モンタン酸エステル 5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 10重量部、
・キサンタンガム 0.2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.35重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.3重量部
を水18.75重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.1μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例8
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)3重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)7重量部、
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.5重量部
を、水39.15重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)10.75重量部、及び
・セロゲン7A((商品名)、カルボキシメチルセルロース、第一製薬工業(株)社製)5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 10重量部、
・キサンタンガム 0.2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.35重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.3重量部
を水18.75重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.0μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例9
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)3重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)7重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)社製)0.5部
を、水39.15重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)10.75重量部、及び
・HP−50((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル酸エステル、信越化学工業(株)社製)5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 10重量部、
・キサンタンガム 0.2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)製)0.35重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.3重量部
を水18.75重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.1μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
比較例10
100mL容のフラスコにおいて、
・界面活性剤ソルポールT−15((商品名)、ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテル、東邦化学工業(株)製)3重量部、
・ペポールA−0858((商品名)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、東邦化学工業(株)製)7重量部、及び
・アンチホームE−20((商品名)、花王(株)製)0.5重量部
を、水39.15重量部に添加し、さらに、
・(2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン、純度95.8%)10.75重量部、及び
・AQOAT AS−LG((商品名)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、信越化学工業(株)社製)5重量部
を添加して混合撹拌した。
次いで、得られた混合物に、
・プロピレングリコール 10重量部、
・キサンタンガム 0.2重量部、
・クニピアF((商品名)、クニミネ工業(株)社製)0.35重量部、及び
・プロクセルGXL((商品名)、アーチケミカルズ社(株)製)0.3重量部
を水18.75重量部に分散させた分散液を添加してよく混合撹拌した。
得られた混合物を300mLのバッチ式ベッセルに移し、バッチ式ビーズミルにて1.2μmまで粉砕した。粉砕液をろ過してビーズを除去し、水で濃度を調整し、フロメトキン10.3重量%を含むフロアブル製剤を得た。
試験例1(54℃結晶成長抑制評価試験1)
実施例1〜19、及び比較例1、2、4〜6、8〜10で製造したフロアブル製剤を、それぞれ蓋付の10mLガラスボトルへ封入し、54℃の恒温槽にて1日保管し、保管後の農薬活性成分粒子の体積中位径を測定し、結晶成長率として評価した。結晶成長率は各フロアブル製剤の粒度分布の54℃加速条件下での体積中位径を初期体積中位径(試験開始時の体積中位径)で割ったものを100倍し、百分率(%)で表した。その結果を表1に示した。
Figure 2014144944
表1に示す結果から明らかなように、54℃1日後における結晶成長率において、比較例の製剤は結晶成長抑制効果があるとされている添加剤を添加した製剤であるにもかかわらず、結晶成長率が大きく、全て170%を超える結晶成長率を示した。これに対し、実施例の製剤では、実施例1〜19の全てにおいて結晶成長率170%以下という低い結晶成長にとどまっていた。とりわけ、ポリビニルフェノールと表示粘度が25のメチルセルロースとを組み合わせた実施例1〜4においては、結晶成長率が110%以下に抑えられており、この組み合わせが最も効果を発揮している。その理由として、比較例で得られたフロアブル製剤は54℃の条件下での保管中に、徐々にオストワルド熟成による結晶成長が起こり、細かい結晶から順に溶解し、大きな結晶の周囲に析出していくものと考えられるが、実施例のフロアブル製剤は、54℃の条件下で同様にオストワルド熟成が起こるものの、結晶の周囲にポリビニルフェノールやメチルセルロースが付着し、水に対して反発することで、結晶の溶解を防ぎ、結晶成長を妨げているものと推測される。
試験例2(54℃結晶成長抑制評価試験2)
実施例1〜19、ならびに比較例1、3および7で製造したフロアブル製剤を、それぞれ蓋付の10mLガラスボトルへ封入し、54℃の恒温槽にて7日保管し、保管後の農薬活性成分粒子の体積中位径を測定し、結晶成長率として評価した。結晶成長率は各フロアブル製剤の粒度分布の54℃加速条件下での体積中位径を初期体積中位径(試験開始時の体積中位径)で割ったものを100倍し、百分率(%)で表した。その結果を表2に示した。
Figure 2014144944
表2に示す結果から明らかなように、比較例1、3及び7で得られたフロアブル製剤は54℃7日後に平均粒子径が約5.5〜7.5倍増大したが、ポリビニルフェノール及びメチルセルロースを配合した実施例のフロアブル製剤は、54℃7日後においても平均粒子径が安定して低かった。54℃7日間という条件は過酷な条件であるものの、低い結晶成長率を示したことから、ポリビニルフェノール及びメチルセルロースは、長期間にわたって結晶成長を抑制すると考えられる。

Claims (10)

  1. 有効成分として、30℃において固体である、下記式(I)で表される化合物またはその農園芸上許容される酸付加塩を含んでなり、かつ、水溶解性セルロース誘導体及び/又はポリビニルフェノールを含んでなる、水性懸濁状農薬組成物:
    Figure 2014144944
    〔式中、
    は、COR’またはCOOR(ここで、R’およびRはC1−4のアルキル基を表す)を表し、
    はC1−4アルキル基を表し、
    はC1−4アルキル基を表し、
    およびXは、互いに独立して、水素原子、またはハロゲン原子により置換されていてもよいC1−4のアルキル基を表し、
    ただし、XおよびXが同時に水素原子を表すことはなく、
    は水素原子を表し、
    、W、およびWは、それぞれC−Y、C−Y、およびC−Yを表し、
    、Y、Y、Y、およびYは、互いに独立して、水素原子、C1−8アルキルオキシ基(このC1−8アルキルオキシ基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、および/または同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されたC1−4アルキルオキシ基により置換されたものである)、またはハロゲン原子を表し、
    ただし、Y、Y、Y、Y、およびYの少なくとも1つは、C1−8アルキルオキシ基(このC1−8アルキルオキシ基は、同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子、および/または同一もしくは異なる一以上のハロゲン原子により置換されたC1−4アルキルオキシ基により置換されたものである)を表し、
    あるいは、Y、Y、Y、Y、およびYは、隣り合う2つの基が一緒になって、一以上のハロゲン原子により置換されている−O−(CH−O−(ここでnは1または2を表す)を表してもよく、
    Zは酸素原子を表す〕。
  2. 前記式(I)で示される化合物が、2−エチル−3,7−ジメチル−4−メトキシカルボニルオキシ−6−(4−トリフルオロパラメトキシフェノキシ)−キノリン(一般名:フロメトキン)である、請求項1に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  3. 水溶解性セルロース誘導体及びポリビニルフェノールの両方を含んでなる、請求項1又は2に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  4. 前記ポリビニルフェノールが、500〜30000の重量平均分子量を有するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  5. 前記ポリビニルフェノールの含有量が、組成物全体の0.1〜10重量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  6. 前記水溶解性セルロース誘導体が、メチルセルロース又はヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  7. 前記水溶解性セルロース誘導体を2%(w/v)水溶液にした場合の20℃における粘度が3〜6000mm/sである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  8. 前記水溶解性セルロース誘導体の含有量が、組成物全体の0.1〜1.0重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の水性懸濁状農薬組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の水性懸濁状農薬組成物を製造する方法であって、ポリビニルフェノールをアルコールに溶解させて添加することを特徴とする、方法。
  10. 前記アルコールが、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、又はこれらの2以上の混合物である、請求項9に記載の方法。
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