JP2014143776A - ワイヤレス受電装置、ワイヤレス送電装置、およびワイヤレス給電装置 - Google Patents

ワイヤレス受電装置、ワイヤレス送電装置、およびワイヤレス給電装置 Download PDF

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貞行 松本
Takuya Yabumoto
卓哉 藪本
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一史 田中
Takayoshi Nagai
孝佳 永井
Ikuro Suga
郁朗 菅
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Abstract

【課題】可変キャパシタの等価静電容量を所望の大きさに調整することができ、送受電コイル間の給電を高効率に行えるワイヤレス給電装置を提供する。
【解決手段】受電コイルL2と可変キャパシタC2とを備え、可変キャパシタC2は、第1のキャパシタC2aを備えるとともに、第2のキャパシタC2bと直列に接続されたスイッチ11とを第1のキャパシタC2aに対して並列に接続されて構成され、かつ、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを検出し、その検出した端子電圧Vdの大きさに基づいてスイッチ11のオン時とオフ時の端子電圧Vdが共に同じ値となるタイミングでスイッチ11をオン/オフ制御する制御手段6〜10を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は電磁誘導方式や磁界共鳴方式のワイヤレス受電装置、ワイヤレス送電装置、およびワイヤレス給電装置に関するものである。
ワイヤレス給電は、非接触給電とも呼ばれ、送電コイルで発生させた磁界を利用して、空間を隔てて配置された受電コイルに電力を伝送するものである。一般に、ワイヤレス給電方式として、電磁誘導方式と磁界共鳴方式が知られているが、最近では電磁誘導方式と磁界共鳴方式は同一の原理に基づくものであるため、磁界共鳴方式は電磁誘導方式の一形態として扱われている。したがって、この発明においても、特に電磁誘導方式と磁界共鳴方式は区別せず同一のものとして扱う。
ワイヤレス給電では、受電コイルにキャパシタを接続して共振回路を形成した受電回路が用いられる。この場合、受電回路の共振周波数を送電コイルで発生させた磁界の周波数に合わせることで高効率の電力伝送を可能にするため、キャパシタには可変キャパシタを用いて共振周波数を制御する技術が必要とされている。
そこで、下記の特許文献1記載の従来のワイヤレス給電装置では、第1のキャパシタと、第2のキャパシタとスイッチを直列に接続したものを並列に接続して可変キャパシタを構成し、この可変キャパシタを送電コイルあるいは受電コイルに直列に接続することで送電回路または受電回路としている。この場合、特許文献1の記載では、可変キャパシタの等価静電容量Cは、第1のキャパシタの静電容量をC1、第2のキャパシタの静電容量をC2、スイッチのオン時間の割合、すなわちデューティ比をdとすると、次の式(1)で表されるとしている。
Figure 2014143776
上記の従来技術では、送電回路または受電回路に用いられるスイッチは、送電コイルまたは受電コイルに流れる電流の振幅が最大となるタイミングが、スイッチのオン期間に含まれるようにオン/オフ制御される。特に、送電コイルまたは受電コイルに流れる電流の振幅が最大となるタイミングが、スイッチのオン期間の中心と一致することが最も望ましいとされている。また、スイッチのデューティ比は、送電コイルで発生させる磁界の周波数と、送電コイルまたは受電コイルのインダクタンスおよび可変キャパシタの等価静電容量Cから算出される共振周波数とが互いに一致するように、式(1)に基づいて決定される。すなわち、磁界の周波数に応じて一義的に決定されるデューティ比dでもってスイッチのスイッチング動作を制御している。
特開2012−55157号公報
上記の特許文献1記載の従来技術では、第1のキャパシタと、第2のキャパシタとスイッチを直列に接続したものを並列に接続して構成された可変キャパシタを用い、そのスイッチングのデューティ比を変化させることで、式(1)に示した所望の等価静電容量Cが得られるとしている。
しかし、本発明者らの研究によれば、特許文献1に記載された通りにスイッチのオン/オフ制御を行っても、可変キャパシタの等価静電容量Cは所望の大きさとはならず、効率良く給電できない場合があることが分かった。
また、特許文献1には、送電コイルまたは受電コイルに対して可変キャパシタを直列に接続した構成は記載されているが、受電コイルに対して可変キャパシタを並列に接続した構成の受電回路については何ら提示されておらず、特許文献1に記載された通りに受電コイルに流れる電流に基づいてスイッチのオン期間を制御したのでは、可変キャパシタの等価静電容量が所望の大きさとはならず、効率良く給電できない場合があることが分かった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、可変キャパシタのスイッチのオン/オフのタイミングとオン期間の長さを適切に制御することにより、所望の等価静電容量を得ることができる可変キャパシタを用いたワイヤレス受電装置、ワイヤレス送電装置、およびワイヤレス給電装置を得ることを目的としている。
この発明に係るワイヤレス受電装置は、受電コイルと可変キャパシタとを備え、上記可変キャパシタは、第1のキャパシタを備えるとともに、第2のキャパシタと直列に接続されたスイッチとを上記第1のキャパシタに対して並列に接続されており、かつ、上記可変キャパシタの端子電圧を検出し、その検出した端子電圧の大きさに基づいて上記スイッチのオン時とオフ時の上記端子電圧が共に同じ値となるタイミングで上記スイッチをオン/オフ制御する制御手段を備えている。また、ワイヤレス送電装置の場合には、上記の受電コイルに代えて送電コイルが使用される。また、この発明に係るワイヤレス給電装置は、上記の構成を有するワイヤレス受電装置とワイヤレス送電装置の少なくとも一方の装置を用いることで構成される。
この発明によれば、可変キャパシタのスイッチのオン/オフのタイミングとオン期間の長さを適切に制御することにより、可変キャパシタの等価静電容量を所望の大きさに調整することができ、送受電コイル間の給電を高効率に行えるワイヤレス受電装置、ワイヤレス送電装置、およびワイヤレス給電装置を得ることができるといった、従来にない顕著な効果を奏することができる。
この発明の実施の形態1におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図である。 図1のワイヤレス給電装置の可変キャパシタで使用するスイッチの具体的な構成の一例を示す回路図である。 この発明の実施の形態1におけるワイヤレス給電装置の他の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態1におけるワイヤレス給電装置のさらに他の構成を示す回路図である。 図1に示すワイヤレス給電装置の制御器における規格化電圧Vcと送受電コイル間の効率との関係の実験結果を示す特性図である。 図1に示すワイヤレス給電装置の可変キャパシタで使用するスイッチをオン/オフするゲート信号のデューティ比と送受電コイル間の効率との関係の実験結果を示す特性図である。 図1に示すワイヤレス給電装置について、実験結果に基づくコイル間効率の最大値と理論上のコイル間効率の最大値とを比較した特性図である。 図1に示すワイヤレス給電装置について、可変キャパシタで使用するスイッチのデューティ比と可変キャパシタの等価静電容量との関係を示す特性図である。 図1に示す構成のワイヤレス給電装置について、可変キャパシタの端子電圧の波形、受電コイルに流れる電流、およびスイッチに入力されるゲート信号の相互の関係を示すタイムチャートである。 図1に示すワイヤレス給電装置について、負荷の抵抗が異なる場合の最適な規格化電圧Vcを比較した特性図である。 この発明の実施の形態2におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図である。 図11のワイヤレス給電装置の制御器における規格化電圧Vcと送受電コイル間の効率との関係の実験結果を示す特性図である。 図11のワイヤレス給電装置の可変キャパシタで使用するスイッチをオン/オフするゲート信号のデューティ比と送受電コイル間の効率との関係の実験結果を示す特性図である。 図11のワイヤレス給電装置について、実験結果に基づくコイル間効率の最大値と理論上のコイル間効率の最大値とを比較した特性図である。 図11のワイヤレス給電装置について、可変キャパシタで使用するスイッチのデューティ比と可変キャパシタの等価静電容量との関係を示す特性図である。 この発明の実施の形態1に示した構成(並列共振型)のワイヤレス給電装置と、実施の形態2で示した構成(直列共振型)のワイヤレス給電装置について、コイル間効率が最適時のスイッチのデューティ比を比較して示す特性図である。 図11に示すワイヤレス給電装置について、可変キャパシタの端子電圧の波形、受電コイルに流れる電流、およびスイッチに入力されるゲート信号の相互の関係を示すタイムチャートである。 図11に示すワイヤレス給電装置について、負荷の抵抗が異なる場合の最適な規格化電圧Vcを比較した特性図である。 この発明の実施の形態3におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図である。 この発明の実施の形態4におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図である。
この実施の形態1のワイヤレス給電装置は、ワイヤレス送電装置(以下、単に送電装置という)1と、ワイヤレス受電装置(以下、単に受電装置という)2から構成されている。
送電装置1は、数10kHz〜数100kHzあるいは数MHzの高周波電力を出力する高周波電源3、キャパシタC1、および送電コイルL1を備えている。送電コイルL1はリッツ線などの導線で形成したコイルであり、ここでは導線の電気抵抗をR1として送電コイルL1に直列接続された状態で示している。
なお、図1ではキャパシタC1と送電コイルL1を直列に接続した場合について示しているが、並列に接続してもよい。また、キャパシタC1は、送電コイルL1とは別体の部品であってもよいが、高周波電源3の駆動周波数fが数MHzである場合には、送電コイルL1が有する自己キャパシタンスであってもよい。
一方、受電装置2は、受電コイルL2、可変キャパシタC2、整流回路4、および負荷5を備えている。
受電コイルL2は、送電コイルL1の場合と同様、その導線の電気抵抗をR2とし受電コイルL2に直列接続された状態で示している。受電コイルL2と可変キャパシタC2は並列に接続され、受電コイルL2のインダクタンスと可変キャパシタC2のキャパシタンスとで並列共振回路を構成している。そして、この並列共振回路から出力される交流電力は、整流回路4によって直流電力に変換されて負荷5に供給される。負荷5は、例えば充電回路と充電池、あるいは電気機器などである。
上記の可変キャパシタC2は、第1のキャパシタC2aを備えるとともに、この第1のキャパシタC2aに対して、第2のキャパシタC2bとスイッチ11を直列に接続したものを、並列に接続して構成されている。スイッチ11は、双方向に電流を流すことができるスイッチであり、後述のゲート回路10からのゲート信号Vgによってオン/オフ制御される。
図2は上記のスイッチ11を半導体素子で実現する一例を示したものである。
このスイッチ11は、図2(a)に示すように、例えば2個のMOSFETを直列に接続して構成したり、図2(b)に示すように2個のIGBTを並列に接続して構成したりすることができるが、これに限らず他の構成であってもよい。
上記の可変キャパシタC2は、後述の電流検出器7の一部を構成するカレントトランス7aの1次側に直列に接続され、受電コイルL2とは並列に接続された構成となっている。すなわち、カレントトランス7aの1次側は1ターンであり、単なる導線と考えることができるので、実質的に可変キャパシタC2と受電コイルL2が並列に接続されることになる。
また、この実施の形態1において、受電装置2は、電圧検出器6、電流検出器7、制御器8、比較器9、およびゲート回路10を備えている。そして、これらの回路6〜10が特許請求の範囲における制御手段に対応している。また、電流検出器7と制御器8が特許請求の範囲における基準電圧設定手段に対応している。
電圧検出器6は、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを検出し、この端子電圧Vdを制御手段の各回路で取扱いできる大きさに縮小して全波整流した波形(脈流)の検出電圧Vaを出力するものであり、ここでは分圧回路6a、加減算器6b、整流器6c、および加減算器6dからなる。
分圧回路6aは、可変キャパシタC2の両端にそれぞれ接続された直列抵抗からなり、この分圧回路6aによって、可変キャパシタC2の一端と他端のそれぞれの電圧が1/n(nは直列抵抗の比によって決定する任意定数)の大きさの電圧に変換され、次段の加減算器6bに入力される。
加減算器6bは、分圧回路6aから出力された可変キャパシタC2の一端と他端の電圧の差を演算し、その結果を可変キャパシタC2の端子電圧Vdとして出力する。なお、ここでは加減算器6bはオペアンプを用いているが、これに限るものではない。なお、加減算器6bから出力される端子電圧Vdの値は、可変キャパシタC2の両端の実際の大きさの差電圧ではなく、制御手段の各回路で取扱いできる大きさに縮小(1/n倍)された差電圧である。また、可変キャパシタC2の両端には交流電圧が生じるので、加減算器6bから出力される端子電圧Vdも、可変キャパシタC2の両端に生じる交流電圧波形を1/nに縮小した交流電圧波形である。そして、加減算器6bからの出力は次段の整流器6cに入力される。
整流器6cは、ダイオードDcにより正電圧側と負電圧側に分けて整流される。すなわち、整流器6cの一方の出力(図1では上側)からは半波整流された負電圧波形が出力され、他方の出力(図1では下側)からは半波整流された正電圧波形が出力される。そして、これら整流器6cからの出力は次段の加減算器6dに入力される。
加減算器6dは、半波整流された正電圧波形と半波整流された負電圧波形の差を検出電圧Vaとして出力する。したがって、この加減算器6dから出力される検出電圧Vaの波形は、正電圧のみの全波整流波形(脈流)となる。
このように、電圧検出器6は、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを制御手段の各回路で取扱いできる大きさに縮小して正電圧のみの全波整流された波形(脈流)の検出電圧Vaを生成する。そして、この電圧検出器6からの検出電圧Vaが次段の比較器9の一方の入力端子(図1では−側)に入力される。
なお、ここで示した電圧検出器6の構成は一例であり、電圧検出器6は可変キャパシタC2の端子電圧Vd波形を全波整流して制御手段の各回路で取扱える大きさに変換して出力するものであれば他の構成であってもよい。
上記のように、電圧検出器6で生成された検出電圧Vaは、比較器9の一方の入力端子(図1では−側)に入力され、また、この比較器9の他方の入力端子(図1では+側)には、検出電圧Vaの比較基準となる基準電圧Vtが入力される。なお、この基準電圧Vtを生成するための構成、およびその必要性については後に詳述する。
比較器9は、検出電圧Vaと基準電圧Vtの大小関係に応じてスイッチ11をオン/オフするための制御信号Sgを出力する。すなわち、比較器9は、検出電圧Vaが基準電圧Vtより小さいとき(Va<Vt)には、ハイレベルの制御信号Sg(デジタル信号の“1”)を出力し、また、検出電圧Vaが基準電圧Vtよりも大きいとき(Va>Vt)には、ローレベルの制御信号Sg(デジタル信号の“0”)を出力する。そして、この制御信号Sgは次段のゲート回路10に入力される。
ゲート回路10は、この制御信号Sgに応じてスイッチ11をオン/オフするためのゲート信号Vgを出力する。すなわち、制御信号Sgがハイレベル(デジタル信号の“1”)の場合にはスイッチ11をオンし、逆に制御信号Sgがローレベル(デジタル信号の“0”)の場合にはスイッチ11をオフにするゲート信号Vgを出力する。そして、このゲート信号Vgによってスイッチ11がオン/オフされる。
このことは、基準電圧Vtの大きさがスイッチ11のオン/オフのタイミングを決定するものであって、可変キャパシタC2の端子電圧Vdに比例する検出電圧Vaの絶対値が、基準電圧Vt以下である場合にスイッチ11がオンされることを意味する。
なお、検出電圧Vaの絶対値が基準電圧Vt以下である場合にスイッチ11がオンされるのであれば、比較器9およびゲート回路10は、上記とは逆論理によってスイッチ11をオン/オフ制御するように構成することも可能である。
検出電圧Vaの比較基準となる上述の基準電圧Vtは、電流検出器7と制御器8とによって、次のようにして生成される。
電流検出器7は、可変キャパシタC2に流れる電流Idの大きさを検出し、その検出電流を平均化した大きさに比例した直流電圧Vbを生成するものであり、カレントトランス7aと平均化回路7bとからなる。
可変キャパシタC2と電流検出器7のカレントトランス7aの1次側は直列に接続されているので、可変キャパシタC2を流れる電流Idと同じ大きさの電流がカレントトランス7aの1次側に流れる。そうすると、カレントトランス7aの二次側には、1次側に流れる電流に比例する大きさの電圧が発生し、これが次段の平均化回路7bに入力される。
カレントトランス7aの二次側から出力される電圧波形は交流電圧波形である。この交流電圧波形が、平均化回路7bの入力端に設けられたダイオードDbにより半波整流波形に変換され、抵抗RbとキャパシタCbからなるローパスフィルタに入力される。これにより、平均化回路7bからは可変キャパシタC2を流れる電流Idの大きさを平均化した大きさに比例した直流電圧Vbが出力される。こうして、電流検出器7により生成された直流電圧Vbは、次段の制御器8に入力される。
なお、平均化回路7bは、上記の構成に限らず、例えばカレントトランス7aから出力される電圧波形を全波整流波形に変換したのちに平均化して直流電圧Vbを出力するものであってもよい。
制御器8は、可変電圧設定器8aと乗算器8bとからなり、電流検出器7で生成された上記の直流電圧Vbに対して、可変電圧設定器8aから出力される規格化電圧Vcを乗算器8bで乗算し、その乗算した結果を前述の基準電圧Vt(=Vb×Vc)として出力する。
次に、直流電圧Vbに規格化電圧Vcを乗算し、これにより得られた基準電圧Vtを検出電圧Vaと比較することで、ゲート信号Vgを生成する理由について説明する。
後述の検証結果から一層明確になるように、高周波電源3の駆動周波数fに応じて、送電コイルL1と受電コイルL2のコイル間効率が最大となる適切な共振周波数が存在するので、受電装置2の可変キャパシタC2の等価静電容量をその適切な共振周波数が得られるように調整する必要がある。この場合、可変キャパシタC2の等価静電容量は、スイッチ11をオン/オフ制御するゲート信号Vgのデューティ比によって調整することができる。
ここで、可変キャパシタC2の等価静電容量が変化すると、可変キャパシタC2の端子電圧Vdが変化する。したがって、可変キャパシタC2が所望の等価静電容量になるようにゲート信号Vgのデューティ比が変更される場合でも、常に適切なタイミングでスイッチ11のオン/オフが行われるようにするには、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに応じて、スイッチ11のオンとオフのタイミングを決定する基準電圧Vtの大きさを変更する必要がある。
そのため、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさの変化に追従して基準電圧Vtの大きさも変化するように、そのパラメータとして、ここでは、電流検出器7で可変キャパシタC2に流れる電流Idを検出してその電流値の平均値である直流電圧Vbを求める。その場合、可変キャパシタC2の等価静電容量の変化に応じて、可変キャパシタC2に流れる電流Idの値も変化するので、直流電圧Vbの大きさも変化する。
そこで、次に、制御器8でこの直流電圧Vbに規格化電圧Vcを乗算することにより、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに対して基準電圧Vtの大きさが常に所定の割合になるようにしている。したがって、この場合、直流電圧Vbに乗算する規格化電圧Vcは、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに対して基準電圧Vtの大きさが常に所定の割合になるように決めるための一種の比例係数に相当する。
これにより、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに応じて、スイッチ11のオンとオフのタイミングを決定する基準電圧Vtの大きさも変更されるので、常に適切なタイミングでスイッチ11のオン/オフが行われることになる。
このようにすれば、スイッチ11がオンする際の可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさと、スイッチ11がオフする際の可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさとが常に一致するようになるので、第1のキャパシタC2aから第2のキャパシタC2bに電荷が放電したり、あるいはその逆に第2のキャパシタC2bから第1のキャパシタC2aに電荷が放電したりする不具合が無くなり、可変キャパシタC2が所望の等価静電容量として機能することになる。
なお、制御器8は、図1に示したような乗算器8bに限られるものではなく、例えば、マイコンなどの演算処理装置を用いて、可変キャパシタC2に流れる電流Idの値を計測し、それに応じて演算処理装置内のプログラムによる処理によって基準電圧Vtを決定するものであってもよい。
前述の説明から分かるように、スイッチ11のオンとオフのタイミングを決定する基準電圧Vtの大きさは、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに応じて変更できればよい。したがって、必ずしも図1に示したように、可変キャパシタC2の電流値の平均値に比例した直流電圧Vbを制御器8に入力する必要はなく、例えば、図3あるいは図4に示す構成とすることも可能である。
すなわち、図3の構成では、基準電圧Vtを生成する場合に、電圧検出器6により可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに対応して得られる検出電圧Vaをローパスフィルタからなる平均化回路7bに入力し、この検出電圧Vaを平均化することで直流電圧Vbを生成し、この直流電圧Vbを制御器8に入力している。つまり、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの平均値に比例した電圧を直流電圧Vbとして制御器8に入力して基準電圧Vtを生成している。
なお、制御器8が高速AD変換可能な演算処理装置である場合には、可変キャパシタC2に流れる電流Idの値や端子電圧Vdを平均化処理せずに制御器8に直接入力し、制御器8の演算処理装置内のプログラムによる処理で基準電圧Vtを決定してもよい。あるいは、可変キャパシタC2の端子電圧Vdや可変キャパシタC2に流れる電流Idの最大値を検出するピーク検出回路などにより最大値を検出し、この値に基づいて基準電圧Vtを決定してもよい。
また、図4の構成では、基準電圧Vtを生成する場合に、可変キャパシタC2に流れる電流Idの値や可変キャパシタC2の端子電圧Vdをモニタせず、制御器8の可変電圧設定器8aにより可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに応じて予め設定した電圧を直接に基準電圧Vtとして比較器9に入力している。
高周波電源3の入力電力がほぼ一定、あるいは負荷5での消費電力がほぼ一定などの場合には、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさの変化も限られるので、基準電圧Vtを生成する際に、図1や図3に示したような可変キャパシタC2に流れる電流Idの値や端子電圧Vdをモニタする手段を省略することが可能である。また、入力電力や消費電力が変化する場合であっても、その情報を制御器8に入力して、制御器8が演算処理して適切な基準電圧Vtを出力してもよい。
なお、図4に示す構成において、電圧検出器6は、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを全波整流して得られる検出電圧Vaを比較器9の一端に入力するもので、電圧検出回路6eと絶対値回路6fから構成されている。
この場合、電圧検出回路6eは、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを検出して制御手段の各回路で扱える大きさに変化するもので、例えば図1に示したような分圧回路6aと加減算器6bで構成することができるが、その他の構成であってもよい。以後、電圧検出回路6eを図4に示す記号で表現する場合の機能はここで述べたものと同一とする。
また、絶対値回路6fは、電圧検出回路6eから出力される電圧波形を全波整流する一種の全波整流回路であり、例えば図1に示したような整流器6cと加減算器6dで構成することができるが、その他の構成であってもよい。以後、絶対値回路6fを図4に示す記号で表現する場合の機能は、ここで述べたものと同一とする。
次に、この実施の形態1(図1)の構成を備えたワイヤレス給電装置について、回路シミュレーションを用いた実験結果について説明する。
実験では図1に示した構成のワイヤレス給電装置について、回路シミュレーションによりその動作を検証した。
この回路シミュレーションにおいて、送電コイルL1のインダクタンスを281μH、抵抗R1を151mΩ、受電コイルL2のインダクタンスを35.9μH、抵抗R2を35mΩとした。これらは、実際に作製した送電コイルL1と受電コイルL2(以下、両コイルL1、L2を略称するときには送受電コイルという)の30kHzのときのインピーダンスを測定した結果と同じである。また、送受電コイルL1、L2の結合係数kを0.15とした。また、可変キャパシタC2の第1のキャパシタC2aの静電容量を0.22μF、第2のキャパシタC2bの静電容量を0.68μFとした。
送電装置1のキャパシタC1と送電コイルL1のインダクタンスとの共振周波数が高周波電源3の駆動角周波数ω(ω=2πf)と同じものとすれば、キャパシタC1の静電容量は、同じ符号C1を用いると、次の式(2)で求めることができる。
Figure 2014143776
また、負荷5は抵抗とし、その抵抗値をRmaxとすると、この抵抗値Rmaxは次の式(3)で与えられる。
Figure 2014143776
ここで、Q1=ω・L1/R1、Q2=ω・L2/R2であり、それぞれ送受電コイルL1、L2のQファクターと呼ばれる。
式(3)で与えられた抵抗値Rmaxは、電気学会論文誌D(産業応用部門誌)(IEEJ Transactions on Industry Applications)Vol.132 No.1pp.123−124(以下、先行技術文献2という)に記載された、並列共振型のワイヤレス給電装置において、コイル間効率が最大となる負荷抵抗の大きさである。また、同文献にはそのときの送受電コイルL1、L2間の最大効率ηmaxが次式で表されると記載されている。
Figure 2014143776
また、回路シミュレーションによる実験では、制御部分を除く送受電系の抵抗は、送電コイルL1の抵抗R1、受電コイルL2の抵抗R2、負荷5の抵抗Rmaxのみであり、スイッチ11やキャパシタなどには抵抗は無く損失はないものとした。すなわち、実験により正しく可変キャパシタC2の静電容量を変化させて受電装置2の共振周波数を高周波電源3の駆動周波数fに合わせることができれば、式(4)で与えられるコイル間の最大効率ηmaxが得られることになる。
図5は、上述の条件の下で、高周波電源3の駆動周波数fを29kHz〜50kHzまで変化させたときの、制御器8の規格化電圧Vcと送受電コイルL1、L2のコイル間効率との関係を示した実験結果である。また、図6は図5に基づく実験において、ゲート信号Vgのデューティ比とコイル間効率との関係を示した実験結果である。
図5から分かるように、コイル間効率は、規格化電圧Vcによって変化し、各駆動周波数fにおいて個別の規格化電圧Vcで最大のコイル間効率を得ている。そして、規格化電圧Vcの大きさによって基準電圧Vtの大きさが変わるため、スイッチ11のデューティ比が変化することは上述した。そして、図6から明らかなように、駆動周波数f毎にコイル間効率が最大となるデューティ比が存在するので、高周波電源3の駆動周波数fが変化した場合には、これに応じてゲート信号Vgのデューティ比を変化させて可変キャパシタC2の等価静電容量を調整することで、コイル間効率を最大にできることが分かる。
次に、上記のようにゲート信号Vgのデューティ比を変化させて可変キャパシタC2の等価静電容量を調整して受電装置2の共振周波数を高周波電源3の駆動周波数fに合せることでコイル間効率を高めることができるということを確認するため、図5および図6に示した実験結果に基づく各駆動周波数fの下での最大のコイル間効率と、式(4)で表された理論上の各駆動周波数fの下での最大のコイル間効率とを比較検証した。その結果を図7に示す。
図7から明らかなように、各駆動周波数fにおいて理論上の最大のコイル間効率と実験結果で得られる最大のコイル間効率との差は0.3ポイント以下であり、両者は非常によく一致している。すなわち、この発明に記載した方法により、ゲート信号Vgのデューティ比を制御して可変キャパシタC2で得られる等価静電容量を調整することにより、受電装置2の共振周波数を高周波電源3の駆動周波数fに正しく合わせることができることが分かる。
図8は、ゲート信号Vgのデューティ比と可変キャパシタC2の等価静電容量との関係を示したものである。図8の黒丸でプロットしたものが今回の回路シミュレーションの実験結果から得た可変キャパシタC2の等価静電容量である。また、図8の黒丸でプロットした実験結果を結んだ近似式を実線で示している。さらに、特許文献1に記載された式(1)から計算されるデューティ比に対する等価静電容量の関係を破線で示している。
次に、送受電コイルL1、L2のコイル間効率が最大となるデューティ比における可変キャパシタC2の等価静電容量(図8の黒丸でプロットした値)の求め方について説明する。
図7に示したように、ゲート信号Vgのデューティ比を適切に制御すれば、高周波電源3の駆動周波数fに受電装置2の共振周波数を合わせてコイル間効率を理論上の最大効率にすることができる。
受電装置2の共振周波数は、受電コイルL2のインダクタンスと可変キャパシタC2の等価静電容量から、その共振周波数を計算により求めることができる。いま、高周波電源3の駆動周波数fと、受電装置2の共振周波数とが同じ値とする。また、可変キャパシタC2の等価静電容量を同じ符号C2で表すと、図6においてコイル間効率が最大となる各デューティ比における可変キャパシタC2の等価静電容量は、次の式(5)により求めることができる。なお、式(5)でω=2πfである。
Figure 2014143776
図8の黒丸でプロットした実験結果を結んだ近似式(実線)は、ゲート信号Vgのデューティ比をd、第1のキャパシタC2aの静電容量を同じ符号C2aで、第2のキャパシタC2bの静電容量を同じ符号C2bでそれぞれ表すと、次の式(6)となる。
Figure 2014143776
図8から分かるように、実験結果から得られる可変キャパシタC2の等価静電容量の近似式は、sinの1.7乗の関数であり、特許文献1に記載されたように、可変キャパシタC2の等価静電容量はゲート信号Vgのデューティ比に対して1次関数にはならなかった。また、発明者らの研究では、図8ではsinの1.7乗の近似式で近似したが、必ずしもこの近似式で表されるものではなく、第1のキャパシタC2aと第2のキャパシタC2bの静電容量の大きさの比や、負荷5の種類によって近似式は異なるものになることが分かっている。
このように、特許文献1に記載のように、可変キャパシタC2の等価静電容量がデューティ比に対して1次関数で変化する場合があっても、それはごく限られた場合であって、多くの場合には特許文献1に記載された通りにゲート信号Vgのデューティ比を制御しても、所望の等価静電容量を得ることができないことが分かる。
図9は、今回の回路シミュレーションの実験において、高周波電源3の駆動周波数fが40kHzのときのコイル間効率が最大となる規格化電圧Vcの下での可変キャパシタC2の端子電圧Vdの波形、受電コイルL2に流れる電流、およびスイッチ11に入力されるゲート信号Vgの関係を示すタイムチャートである。なお、図9のグラフでは縦軸の数値を示していないので、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの波形は、可変キャパシタC2の両端に印加される実際の端子電圧と解釈してもよいが、以後の説明では、前述のように、図1の分圧回路6aと加減算器6bとによって制御手段の各回路で扱える大きさに縮小された電圧波形とする。
前述したように、制御手段の各回路で扱える大きさに変換された可変キャパシタC2の端子電圧Vdに比例した大きさの検出電圧Vaの絶対値が基準電圧Vtよりも小さいときには、ゲート回路10からはスイッチ11をオンするためのゲート信号Vgが出力されるので、スイッチ11がオンになる。そして、スイッチ11がオンのとき、可変キャパシタC2の第1のキャパシタC2aと第2のキャパシタC2bの合成容量が可変キャパシタC2の静電容量となるため、端子電圧Vdの波形の傾きが緩やかである。次に、スイッチ11がオフ期間になると、第1のキャパシタC2aの静電容量のみが可変キャパシタC2の静電容量となるので、端子電圧Vdの波形の傾きが急になり、やがて最大値を迎えて傾きの極性が反転する。続いて、ゲート信号Vgがオフからオンになると、再び第1のキャパシタC2aと第2のキャパシタC2bの合成容量が可変キャパシタC2の静電容量となるため、端子電圧Vdの波形の傾きが緩やかになる。
なお、ゲート信号Vgがオンの期間に第2のキャパシタC2bに充電された電荷は、ゲート信号Vgがオフの期間はそのまま保持され、再びゲート信号がオンになると保持した電荷を受電コイルL2側に放電するので、理論上は、損失は生じないが、実際のワイヤレス給電装置では、スイッチ11を構成するMOSFETやIGBTなどの半導体素子が抵抗を有するので、これによる損失が発生する。
次に、図9において、ゲート信号Vgのオン期間と可変キャパシタC2の端子電圧Vd、および受電コイルL2に流れる電流波形の関係について検討する。
特許文献1記載の内容では、受電コイルL2に流れる電流の振幅が最大のタイミングがゲート信号Vgのオン期間に含まれるのがよく、特に受電コイルL2に流れる電流の振幅が最大となるタイミングがゲート信号Vgのオン期間の中心に一致するのがよいと記載されている。
しかし、図9に示した実験結果に基づけば、受電コイルL2に流れる電流の振幅が最大となるタイミングは、ゲート信号Vgがオンからオフに切り替わる時刻の付近に位置しており、ゲート信号Vgのオン期間中に含まれているとは明言できない。すなわち、特許文献1に記載された通りに、式(1)に示した適切なデューティ比のゲート信号Vgでスイッチ11をオン/オフ制御しても、可変キャパシタC2の等価静電容量として所望の大きさを得ることができず、所望の特性の装置が得られない。実際に発明者らが行った今回の回路シミュレーションによる実験では、図9のゲート信号Vgと同じデューティ比で、オン期間の中心が受電コイルL2に流れる電流の振幅が最大となるタイミングに一致するように調整すると、送受電コイルL1、L2間の効率は低くなった。
その理由は、受電コイルL2に流れる電流の振幅が最大となるタイミングをゲート信号Vgのオン期間の中心と一致するようにすると、スイッチ11がオンからオフになるときの可変キャパシタC2の端子電圧Vdと、スイッチ11がオフからオンになるときの可変キャパシタC2の端子電圧Vdとが異なった値になるために、スイッチ11がオンあるいはオフになった瞬間に第1のキャパシタC2aから第2のキャパシタC2bへ放電したり、あるいはその逆に第2のキャパシタC2bから第1のキャパシタC2aへ放電したりするので、共振状態が崩れてしまい、送受電コイルL1、L2間の効率が悪くなるものと考えられる。
これに対して、この実施の形態1のワイヤレス給電装置は、可変キャパシタC2の端子電圧Vd(したがって、検出電圧Va)の大きさを基準電圧Vtの大きさと比較して、ゲート信号を出力しているので、ゲート信号Vgがオンからオフになるタイミングとオフからオンになるタイミングの可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさは同じであり、ゲート信号Vgがオンからオフになった際の第2のキャパシタC2bに充電された電荷の値と、ゲート信号Vgがオフからオンになった際の第2のキャパシタC2bに充電された電荷の値が常に同じ値になる。そのため、上記のような第1のキャパシタC2aから第2のキャパシタC2bに放電したり、あるいはその逆方向に放電したりするといった不具合が生じないので、所望の等価静電容量として機能する可変キャパシタC2とすることができる。
図10は図1の構成のワイヤレス給電装置において、負荷5を抵抗とし、その抵抗値を式(3)で示したRmax、Rmaxの5倍、Rmaxの0.5倍としたときの各駆動周波数fにおいて送受電コイルL1、L2のコイル間効率が最大となるときの制御器8の規格化電圧Vcを示したものである。この場合、制御器8の規格化電圧Vcを0.1刻みで変化させて行った。したがって、各駆動周波数fでスイッチ11のデューティ比が最適となる規格化電圧Vcの大きさには0.1程度の誤差がある。なお、負荷5の抵抗値以外のパラメータは、上記図5〜図9に示した回路シミュレーションによる実験と同一である。また、図10の縦軸の規格化電圧Vcは、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを電圧検出器6での分圧比率を変化させてどの程度縮小するかによって変化する値であるので、あえて単位は示していない。
図10から分かるように、負荷5の抵抗値がRmax、Rmax×5、Rmax×0.5と変化しても、各駆動周波数fにおいて可変キャパシタC2の等価静電容量を最適にするための規格化電圧Vcの大きさは、負荷5の抵抗値に影響されず誤差の範囲において略同一である。したがって、可変キャパシタC2の端子電圧Vdは、負荷5の消費電力の大きさによっても変化するものの、各駆動周波数fに適合した規格化電圧Vcを設定すれば、可変キャパシタC2の等価静電容量は常に最適な値となる。
受電装置2の受電コイルL2のインダクタンス、可変キャパシタC2を構成する第1、第2のキャパシタC2a、C2bの各静電容量は、予め受電装置2の製作者が知ることができる。そのため、各高周波電源3の駆動周波数fに対して可変キャパシタC2の等価静電容量が最適となる規格化電圧Vcの値を予め調べ、これを受電装置2の例えば制御器8に設けたメモリなどの記憶手段に記憶しておくことができる。また、送電装置1の高周波電源3の駆動周波数fは、受電装置2の受電コイルL2や可変キャパシタC2に流れる電流Idの周波数と同一であるので、受電装置2側のみで容易に測定することができる。
すなわち、受電装置2と送電装置1の製作者が異なり、受電装置2側で送電装置1の状態が未知な場合であっても、受電装置2側で送電装置1の駆動周波数fを測定し、その駆動周波数fに対応した規格化電圧Vcの値を受電装置2の制御器8が持つ記憶手段から読み出せば、送電装置1から最適な状態で電力を受電できるように受電装置2側で可変キャパシタC2の等価静電容量を設定することができる。
図10において、受電装置2の負荷5の抵抗値が異なる場合であっても、規格化電圧Vcは略同一であることから、負荷5として抵抗が変化するような機器が接続されている場合であっても最適に動作されることが分かる。抵抗値が変化するような負荷5とは、例えば電気自動車のバッテリーなど、充放電可能な二次電池や、状況に応じて消費電力が変動する機器などが挙げられる。受電装置2に負荷5として二次電池が接続されており、二次電池を定電力で受電するような場合、二次電池の電圧は充電の進捗状況に応じて変化するから、これに伴って二次電池の抵抗値も変化することになる。
電気自動車にワイヤレス給電装置を適用した場合には、送電装置1と受電装置2は、互いに特定された組合せとなるだけでなく、送受電装置1、2が例えばガソリンスタンドや店舗に設置された場合、送受電装置1、2は不特定の組合せとなる場合が生じる。このような場合、受電装置2が電力を受電する際、送電装置1の高周波電源3の駆動周波数fが様々な場合があり得る。このような状況においても、受電装置2の可変キャパシタC2の等価静電容量を最適な値に制御して、二次電池の充電状況に応じて二次電池の抵抗値が変化しても、送電装置1の駆動周波数fと受電装置2の共振周波数を一致させることができるので、送受電コイルL1、L2間の電力伝送効率を高くしてワイヤレス電力伝送を行うことができる。また、特許文献1に記載されるように、電流波形の振幅の最大となるタイミングとゲート信号Vgがオンとなる期間の中心のタイミングとを合わせるといった複雑な操作が不要となるので、受電装置2を簡略化でき、安価に製作できるといったメリットも得られる。
実施の形態2.
図11はこの実施の形態2におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図であり、実施の形態1(図1)と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
上記の実施の形態1では、受電装置2の受電コイルL2に可変キャパシタC2を並列に接続した並列共振型の構成のものについて説明したが、この実施の形態2のワイヤレス給電装置は、受電装置2の受電コイルL2に可変キャパシタC2を直列に接続した直列共振型の構成となっている。
すなわち、この実施の形態2のワイヤレス給電装置の受電装置2において、可変キャパシタC2は、実施の形態1の場合と同様、第1のキャパシタC2aを備えるとともに、この第1のキャパシタC2aに対して、第2のキャパシタC2bとスイッチ11とを直列に接続したものを並列に接続して構成されており、この可変キャパシタC2が受電コイルL2に直列に接続されている。
また、この実施の形態2の受電装置2においても、実施の形態1と同様、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを検出してこれに対応した検出電圧Vaを生成する電圧検出器6と、可変キャパシタC2に流れる電流Idをモニタするための電流検出器7を備えている。
電圧検出器6は、可変キャパシタC2の電圧波形を検出する電圧検出回路6eと、検出した電圧波形を全波整流する絶対値回路6fからなり、これらの構成は実施の形態1(図4)と同じ記号で表しており同じ機能をする。
電流検出器7は、可変キャパシタC2に流れる電流Idを検出する電流センサ7aと、この電流センサ7aで得られる電流値を平均化する平均化回路7bからなる。その場合、電流センサ7aは、図11に示すような簡略化した記号で表しているが、具体的には、例えば実施の形態1(図1)と同様なカレントトランスであってもよいし、シャント抵抗であってもよい。また、ホール素子などを用いた他の電流センサであってもよい。
そして、電流検出器7で可変キャパシタC2に流れる電流Idをモニタし、これにより制御器8の基準電圧Vtの大きさを調整している。すなわち、電流検出器7を構成する電流センサ7aは、可変キャパシタC2と直列に接続されているので、電流センサ7aには可変キャパシタC2に流れる電流Idと同じ電流が流れる。そして、電流センサ7aからは可変キャパシタC2に流れる電流Idに比例した電圧波形が出力される。この電圧波形は交流であるので、これを絶対値回路7b1とローパスフィルタ7b2からなる平均化回路7bで平均化することにより、平均化回路7bからは、可変キャパシタC2に流れる電流Idの大きさに比例した直流電圧Vbが出力される。そして、制御器8で、この直流電圧Vbに規格化電圧Vcを乗算することにより基準電圧Vtが生成される。
なお、ここでは可変キャパシタC2に流れる電流Idの大きさをモニタして、その大きさに応じて制御器8からの基準電圧Vtを調整する構成としているが、実施の形態1の図3に関して説明したように、基準電圧Vtを生成する上では、可変キャパシタC2の端子電圧Vdをモニタしてその大きさに応じて制御器8から出力される基準電圧Vtの大きさを調整してもよい。あるいは、実施の形態1の図4に関して説明したように、可変キャパシタC2の端子電圧Vdや電流をモニタせずに、端子電圧Vdの大きさに応じた基準電圧Vtを独自に生成してもよい。
この直列共振型の受電装置2においても、実施の形態1と同様に、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを全波整流して得られる正電圧のみの検出電圧Vaと、制御器8からの基準電圧Vtとを比較器9に入力して検出電圧Vaと基準電圧Vtを比較する。そして、検出電圧Vaが基準電圧Vtより小さいとき(Va<Vt)には、比較器9はハイレベルの制御信号Sgをゲート回路10に出力し、これに応じてゲート回路10はスイッチ11がオンするゲート信号Vgを出力する。また、検出電圧Vaが基準電圧Vtよりも大きいとき(Va>Vt)には、比較器9はローレベルの制御信号Sgをゲート回路10に出力し、これに応じてゲート回路10はスイッチ11をオフするゲート信号Vgを出力する。
このように、この実施の形態2の直列共振型の受電装置2においても、実施の形態1に示した並列共振型の受電装置2の場合と同様に、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを検出して得られる検出電圧Vaの絶対値が、所定の基準電圧Vtよりも小さいときにスイッチ11がオンするように制御することで、所望の等価静電容量が得られる可変キャパシタC2を実現することができる。
次に、この実施の形態2(図11)の構成を備えたワイヤレス給電装置について、回路シミュレーションを用いた実験結果について説明する。
この回路シミュレーションにおいて、送電コイルL1のインダクタンスを281μH、抵抗R1を151mΩ、受電コイルL2のインダクタンスを35.9mH、抵抗R2を35mΩ、送受電コイルL1、L2の結合係数kを0.15とした。また、可変キャパシタC2を構成する第1のキャパシタC2aの静電容量を0.1μF、第2のキャパシタC2bの静電容量を0.68μFとし、スイッチ11は抵抗が無いものとした。また、送電装置1のキャパシタC1と送電コイルL1のインダクタンスとの共振周波数が高周波電源3の駆動周波数fと同一になるようにした。さらに、負荷5は抵抗とし、その抵抗値Rmaxは次の式(7)で示す大きさとした。
Figure 2014143776
ここで、Q1、Q2は送受電コイルL1、L2のQファクターである。式(7)の抵抗値Rmaxは、実施の形態1で引用した先行技術文献2に記載された、送受電コイルL1、L2間の効率が最大となる負荷抵抗の抵抗値である。
図12は、上記の条件の下で、高周波電源3の駆動周波数fを30kHz〜50kHzまで変化させたときの、制御器8の規格化電圧Vcと送受電コイルL1、L2のコイル間効率との関係を示した実験結果である。また、図13は図12に基づく実験において、ゲート信号Vgのデューティ比とコイル間効率との関係を示した実験結果である。
図12から分かるように、実施の形態1の実験結果と同様、コイル間効率は、規格化電圧Vcによって変化し、各駆動周波数fにおいて個別の規格化電圧Vcで最大のコイル間効率を得ている。また、図13から明らかなように、駆動周波数f毎にコイル間効率が最大となるゲート信号Vgのデューティ比が存在するので、高周波電源3の駆動周波数fが変化した場合には、これに応じてデューティ比を変化させて可変キャパシタC2の等価静電容量を調整することで、コイル間効率を最大にできることが分かる。
なお、図12、図13において、35kHz、40kHz、45kHzにおいてコイル間効率が最大の規格化電圧Vcより大きいところで、規格化電圧Vcとコイル間効率が不連続になっているが、これは受電装置2の共振が不安定になったためである。しかし、可変キャパシタC2の実際の使用では、送電装置1の駆動周波数fと受電装置2の共振周波数が一致した状態でコイル間効率が最大となるように使用するので、何ら問題は無い。
図14は、図12および図13に示した実験結果に基づく各駆動周波数fの下での最大のコイル間効率と、前述の式(4)で表された理論上の各駆動周波数fの下での最大のコイル間効率とを比較検証した結果を示している。
図14から明らかなように、各駆動周波数fにおいて理論上の最大のコイル間効率と実験結果で得られる最大のコイル間効率との差は0.3ポイント以下であり、両者は非常によく一致している。すなわち、この実施の形態2におけるワイヤレス給電装置において、受電装置2が直列共振型の場合であっても、この発明に記載した方法により、ゲート信号Vgのデューティ比を制御して可変キャパシタC2で得られる等価静電容量を調整することにより、受電装置2の共振周波数を高周波電源3の駆動周波数fに正しく合わせることができることが分かる。
図15はゲート信号Vgのデューティ比と可変キャパシタC2の等価静電容量の関係を示したものである。図15の黒丸でプロットしたものが今回の回路シミュレーションの実験結果から得た可変キャパシタC2の等価静電容量である。また、図8の黒丸でプロットした実験結果を結んだ近似式を実線で示している。さらに、特許文献1に記載された前述の式(1)から計算されるデューティ比に対する等価静電容量の関係を破線で示している。なお、実験結果の近似式は、次の式(8)で表される。
Figure 2014143776
図15から分かるように、実験結果から得られる可変キャパシタC2の等価静電容量の近似式は、sinの2乗の関数であり、特許文献1に記載されたような直列共振型のものであっても、可変キャパシタC2の等価静電容量はデューティ比に対して1次関数的にはならない場合がある。特許文献1では、第2のキャパシタC2bは第1のキャパシタC2aに比べて静電容量が小さいため、可変キャパシタC2の等価静電容量は、スイッチ11のオン期間に対して近似的に1次関数で表されると考えたのではないかと推察される。
図16は、この実施の形態2における受電装置2が直列共振型の場合の実験結果と、実施の形態1で述べた受電装置2が並列共振型の場合の実験結果に基づいて、各駆動周波数fにおいて可変キャパシタC2の等価静電容量が最適になったときのゲート信号Vgのデューティ比を比較したものである。なお、上記直列共振型と並列共振型の受電装置2における各受電コイルL2のインダクタンスは同じであるので、最適時の可変キャパシタC2の等価静電容量は、直列共振型も並列共振型も同じである。また、可変キャパシタC2の第1のキャパシタC2aと第2のキャパシタC2bの静電容量の値も同じである。
図16は、各周波数における可変キャパシタC2の等価静電容量は、直列共振型であっても並列共振型であっても、スイッチ11のオン期間のデューティ比は同じではないことを示している。デューティ比の差は僅かであるので実験結果の誤差とも考えられるが、直列共振型と並列共振型では可変キャパシタC2などに流れる電流波形や可変キャパシタC2に電圧波形が異なるため、第1、第2のキャパシタC2a、C2bの充放電のされ方が異なり、図16のようにデューティ比が異なったとも考えられる。
この結果より、直列共振型であっても並列共振型であっても、可変キャパシタC2は使用できるが、可変キャパシタC2の等価静電容量は、前述の式(1)のように、第1のキャパシタC2aの静電容量と第2のキャパシタC2bの静電容量とゲート信号Vgのデューティ比だけでは決定されない可能性があると言える。
図17は、今回の回路シミュレーションによる実験において、高周波電源3の駆動周波数fが40kHzのときのコイル間効率が最大となる規格化電圧Vcの下での可変キャパシタC2の端子電圧Vdの波形、受電コイルL2に流れる電流、およびスイッチ11に入力されるゲート信号Vgの関係を示すタイムチャートである。
図17から分かるように、直列共振型の場合でも、可変キャパシタC2の動作は実施の形態1で述べた並列共振型の場合と基本的に同じである。ただし、この実施の形態2のような直列共振型の場合には、受電コイルL2に流れる電流波形とゲート信号Vgとの関係は、特許文献1に記載されているように、電流波形の振幅が最大となるタイミングがゲート信号Vgのオン期間中のほぼ中心となっている。
図18は、実施の形態1の場合と同様に、図11の構成のワイヤレス給電装置において負荷5を抵抗とし、その抵抗値を式(7)で示したRmax、Rmaxの5倍、Rmaxの0.5倍としたときの、各駆動周波数fにおいて送受電コイルL1、L2のコイル間効率が最大となる制御器8の規格化電圧Vcを示したものである。なお、負荷5の抵抗値以外のパラメータは、上記図12〜図17に示した回路シミュレーションによる実験と同一である。
図18から分かるように、この実施の形態2の受電装置2が直列共振型の場合であっても、実施の形態1で述べた並列共振型の受電装置2の場合と同様に、各駆動周波数fにおいて最適となる規格化電圧Vcの大きさは負荷5の抵抗値に影響されず略同一である。したがって、可変キャパシタC2の端子電圧Vdは、負荷5の消費電力の大きさによっても変化するものの、各駆動周波数fに適合した規格化電圧Vcを設定すれば、可変キャパシタC2の等価静電容量は常に最適な値となる。
すなわち、実施の形態1で説明したように、予め各駆動周波数fにおいて最適となる規格化電圧Vcの大きさを調べておき、受電装置2の例えば制御器8に設けたメモリなどの記憶手段に記憶しておく。そうすることで、駆動周波数fが未知の送電装置1から受電装置2が送電を受けた場合でも、その駆動周波数fを受電装置2で検知して、記憶手段から最適な規格化電圧Vcを読み出して設定することで、可変キャパシタC2の等価静電容量の大きさを最適な値に設定することができる。
実施の形態3.
図19はこの実施の形態3におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図であり、実施の形態1(図1)と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
前述の実施の形態1では、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを、可変キャパシタC2の両端に接続された電圧検出器6により検出する場合について述べたが、この実施の形態3では、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを、整流回路4の出力端で検出するようにしている。なお、この実施の形態3においても、受電装置2の受電コイルL2に可変キャパシタC2を並列に接続した並列共振型の構成のものである点は、実施の形態1と同じである。
上記実施の形態1、2のワイヤレス給電装置において、整流回路4は全波整流回路、半波整流回路、倍電圧全波整流回路など、その種別を問わないが、この実施の形態3の整流回路4は、ダイオードを4個用いたダイオードブリッジにより構成される全波整流回路である。そして、この整流回路4の出力端には、リアクトルL3と電解コンデンサなどのキャパシタC3からなる平滑回路12が接続され、この平滑回路12の出力端に負荷5が接続されている。また、整流回路4と平滑回路12との間に整流回路4の出力電圧を検出するための分圧回路6aが設けられている。
なお、実施の形態1、2のワイヤレス給電装置であっても、整流回路4の出力端には、負荷5の種類によっては平滑回路が接続されるが、実施の形態1、2では平滑回路は必須ではないので、負荷5には平滑回路が含まれているものとした。この実施の形態3においても負荷5が純抵抗として扱える場合には平滑回路12は無くてもよいが、負荷5がコンバータやインバータなど直流電圧が入力されて動作するような機器の場合には、通常、キャパシタC3を有するので、その場合には、この実施の形態3の発明を実施するにはリアクトルL3が必須となる。
一般に知られるように、整流回路4の出力端にキャパシタC3のみを接続したとき、整流回路4からは脈流の直流電圧が出力されるが、この電圧がキャパシタC3の端子電圧以上になったときに整流回路4のダイオードがオンになり、整流回路4からキャパシタC3に充電電流が流れる。このような場合、整流回路4から出力される電流は、ダイオードによってオン/オフされ、このとき可変キャパシタC2の端子電圧Vdを全波整流した波形を整流回路4の出力端で検出することができない。
これに対して、所定の大きさのリアクトルL3を整流回路4とキャパシタC3との間に挿入すること、整流回路4から出力される電流が整流回路4のダイオードによってオン/オフされることなく、常に整流回路4から電流が出力される状態で使用できるようになる。整流回路4から電流が常に出力されるためのリアクトルL3の大きさは、負荷5の抵抗の大きさによって異なり、負荷5の抵抗が大きいほどリアクトルL3のインダクタンスは大きいものが必要になる。リアクトルL3のインダクタンスの大きさと負荷5の抵抗の大きさとの関係は回路設計手法により求めることができるので、ここでは詳しく述べないが、負荷5の抵抗が変動する場合であっても、負荷5の抵抗が最大のときに整流回路4から電流が常に出力されるように設計すればよい。
この実施の形態3において、可変キャパシタC2の端子電圧Vdは、整流回路4により全波整流され、分圧回路6aによって制御手段の各回路で扱える大きさの検出電圧Vaに変換された後、比較器9の一方の入力端子に入力される。また、この検出電圧Vaは、ローパスフィルタからなる平均化回路7bに入力されて平均化されることにより、可変キャパシタC2の端子電圧Vdを全波整流した電圧の大きさに比例した直流電圧Vbが生成される。そして、実施の形態1で述べたように、この直流電圧Vbは制御器8に入力され、制御器8からは基準電圧Vtが出力されて比較器9の他方の入力端子に入力される。これにより、比較器9からは、スイッチ11のオンとオフを制御するための制御信号Sgが出力される。
なお、この実施の形態3の場合でも、基準電圧Vtを生成する上では、実施の形態1(図1)のように、可変キャパシタC2に流れる電流Idの大きさに比例した電圧を検出して直流電圧Vbを生成し、これを制御器8に入力してもよく、また、実施の形態1(図4)のように、可変キャパシタC2に流れる電流Idや端子電圧Vdをモニタする回路を省略してもよい。
その他の構成、および作用は実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
以上のように、この実施の形態3では、ダイオードブリッジで構成された整流回路4の出力電圧を分圧回路6aで検出することで、可変キャパシタC2の端子電圧Vdの大きさに対応した検出電圧Vaを生成してスイッチ11をオン/オフ制御する構成とすることにより、実施の形態1に記載した場合と同様の作用、効果が得られる。
実施の形態4.
図20はこの実施の形態4におけるワイヤレス給電装置の構成を示す回路図であり、実施の形態1(図1)と対応もしくは相当する構成部分には同一の符号を付す。
上記各実施の形態1〜3のワイヤレス給電装置では、可変キャパシタC2を受電装置2に設けた構成について説明したが、この実施の形態4のワイヤレス給電装置では、送電装置1に可変キャパシタC2が設けられている。
すなわち、この実施の形態4において、可変キャパシタC2は、送電コイルL1と直列に接続された状態で高周波電源3に接続されている。この場合の可変キャパシタC2の構成は、実施の形態2で説明した場合と同様である。そして、送電装置1に可変キャパシタC2を設けている関係上、電圧検出器6、電流検出器7、制御器8、比較器9、ゲート回路10も送電装置1側に設けられている。なお、電圧検出器6、電流検出器7、制御器8、比較器9、ゲート回路10の構成とその動作は、実施の形態2に説明した場合と同様である。
送電装置1は、可変キャパシタC2の等価静電容量と送電コイルL1のインダクタンスから決まる共振周波数が高周波電源3の駆動周波数fに近いときに、高周波電源3から大きな電力を出力することができる。
また、送電装置1は自身が高周波電源3を有しているので、高周波電源3の駆動周波数fや出力電力を自身で知ることができる。したがって、送電装置1と受電装置2の製作者が全く別人の場合など、送電装置1側で受電装置2側の共振周波数が未知の場合には、送電装置1側で高周波電源3の駆動周波数fと可変キャパシタC2の等価静電容量を変化させて、すなわち駆動周波数fをスキャンして、自動的に受電装置2の共振周波数に高周波電源3の駆動周波数fを合わせることで、可変キャパシタC2の等価静電容量をそれに応じた最適な大きさに調整することができる。
高周波電源3の駆動周波数fが受電装置2の共振周波数に一致すると、高周波電源3の出力電圧と出力電流から算出した抵抗値が大きくなる。通常、高周波電源3はスイッチング素子により構成されるインバータであり、自身の出力を制御するために出力電圧と出力電流をモニタする手段を備えているから、高周波電源3が自ら出力電圧と出力電流とから抵抗値を算出して受電装置2の共振周波数に一致した駆動周波数fで高周波電源3を駆動すればよい。このとき、可変キャパシタC2の等価静電容量は、送電コイルL1のインダクタンスとで決まる共振周波数の近辺に調整される。送電装置1は、高周波電源3の駆動周波数fと共振周波数が完全に一致している必要性はなく、駆動周波数fの近辺に共振周波数が設定されると、高周波電源3からの出力電力が大きくなるので、高周波電源3の出力電力あるいは入力電力が所望の大きさの電力になるように制御器8の規格化電圧Vcを調整すればよい。
なお、この実施の形態4では、送電装置1の送電コイルL1に可変キャパシタC2を直列に接続した直列共振型の構成のもの場合について示したが、これに限らず、送電装置1の送電コイルL1に可変キャパシタC2を並列に接続した並列共振型の構成の場合であっても、同様の作用、効果が得られる。
以上のように、この実施の形態4のワイヤレス給電装置にあっては、送電装置1の駆動周波数fを広い範囲において調整できるので、異なる共振周波数の受電装置2に対して送電できるといった効果が得られる。
なお、この発明は、上記の実施の形態1〜4の構成のみに限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、各実施の形態1〜4の構成を適宜組み合わせたり、各実施の形態1〜4について各種の変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
1 送電装置、2 受電装置、3 高周波電源、4 整流回路、5 負荷、
6 電圧検出器、6a 分圧回路、6b 加減算器、6c 整流器、6d 加減算回路、6e 電圧検出回路、6f 絶対値回路、7 電流検出器、7a カレントトランス、
7b 平均化回路、8 制御器、8a 可変電圧設定器、8b 乗算器、9 比較器、
10 ゲート回路、11 スイッチ、12 平滑回路、L1 送電コイル、
R1 送電コイルの抵抗、L2 受電コイル、R2 受電コイルの抵抗、
L3 リアクトル、C1 キャパシタ、C2 可変キャパシタ、
C2a 第1のキャパシタ、C2b 第2のキャパシタ、C3 キャパシタ、
Vd 可変キャパシタの端子電圧、Id 可変シャパシタに流れる電流、
Va 検出電圧、Vc 規格化電圧、Vt 基準電圧、Sg 制御信号、
Vg ゲート信号、f 高周波電源の駆動周波数。

Claims (14)

  1. 受電コイルと可変キャパシタとを備え、上記可変キャパシタは、第1のキャパシタを備えるとともに、第2のキャパシタと直列に接続されたスイッチとを上記第1のキャパシタに対して並列に接続してなるワイヤレス受電装置であって
    上記可変キャパシタの端子電圧を検出し、検出した上記端子電圧の大きさに基づいて上記スイッチのオン時とオフ時の上記端子電圧が共に同じ値となるタイミングで上記スイッチをオン/オフ制御する制御手段を備えることを特徴とするワイヤレス受電装置。
  2. 上記可変キャパシタと上記受電コイルは並列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス受電装置。
  3. 上記可変キャパシタと上記受電コイルは直列に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス受電装置。
  4. 上記可変キャパシタの両端にダイオードブリッジからなる全波整流回路の入力端が接続され、上記全波整流回路の出力端にリアクトルとキャパシタからなる平滑回路が接続され、上記制御手段が検出する上記可変キャパシタの上記端子電圧の絶対値は、上記全波整流回路の出力端で検出するものであることを特徴とする請求項2に記載のワイヤレス受電装置。
  5. 上記制御手段は、上記可変キャパシタの端子電圧または上記可変キャパシタに流れる電流の大きさに応じて上記スイッチのオン/オフのタイミングを決める基準電圧を設定する基準電圧設定手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のワイヤレス受電装置。
  6. 上記可変キャパシタの端子電圧または上記可変キャパシタに流れる電流の大きさは、上記可変キャパシタの端子電圧を全波整流した平均値または上記可変キャパシタに流れる電流を全波整流した平均値であることを特徴とする請求項5に記載のワイヤレス受電装置。
  7. 上記基準電圧設定手段は、上記可変キャパシタの端子電圧の大きさに対して上記基準電圧の大きさが一定の割合になるように規定する規格化電圧を、上記受電コイルに流れる電流の周波数に対応して記憶する記憶手段を備えるとともに、上記記憶手段から上記周波数に対応した上記規格化電圧を読み出し、上記規格化電圧に基づいて上記基準電圧を設定するものである、ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のワイヤレス受電装置。
  8. 高周波電源、送電コイル、および可変キャパシタを備え、上記可変キャパシタは、第1のキャパシタを備えるとともに、第2のキャパシタと直列に接続されたスイッチとを上記第1のキャパシタに対して並列に接続してなる可変キャパシタを有するワイヤレス送電装置であって
    上記可変キャパシタの端子電圧を検出し、検出した上記端子電圧の大きさに基づいて上記スイッチのオン時とオフ時の上記端子電圧が共に同じ値となるタイミングで上記スイッチをオン/オフ制御する制御手段を備えることを特徴とするワイヤレス送電装置。
  9. 上記可変キャパシタと上記送電コイルは並列に接続されていることを特徴とする請求項8に記載のワイヤレス送電装置。
  10. 上記可変キャパシタと上記送電コイルは直列に接続されていることを特徴とする請求項8に記載のワイヤレス送電装置。
  11. 上記制御手段は、上記可変キャパシタの端子電圧または上記可変キャパシタに流れる電流の大きさに応じて上記スイッチのオン/オフのタイミングを決める基準電圧を設定する基準電圧設定手段を備えることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のワイヤレス送電装置。
  12. 上記可変キャパシタの端子電圧または上記可変キャパシタに流れる電流の大きさは、上記可変キャパシタの端子電圧を全波整流した平均値または上記可変キャパシタに流れる電流を全波整流した平均値であることを特徴とする請求項11に記載のワイヤレス送電装置。
  13. 上記基準電圧設定手段は、上記高周波電源の出力電力または入力電力に応じて、上記可変キャパシタの端子電圧の大きさに対して上記基準電圧の大きさが一定の割合になるように規定する規格化電圧を調整し、この規格化電圧に基づいて上記基準電圧を設定するものであることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のワイヤレス送電装置。
  14. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のワイヤレス受電装置と、請求項8から請求項13のいずれか1項に記載のワイヤレス送電装置の内、少なくとも一方の装置を備えていることを特徴とするワイヤレス給電装置。
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