JP6699883B2 - 非接触電力伝送システム、および、送電装置 - Google Patents

非接触電力伝送システム、および、送電装置 Download PDF

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Description

本発明は、非接触で電力の伝送を行う非接触電力伝送システム、および、送電装置に関する。
負荷と電源とを直接接続することなく、電源が出力する電力を非接触で負荷に伝送する技術が開発されている。当該技術は、一般的に、非接触電力伝送やワイヤレス給電と呼ばれている。当該技術は、携帯電話や家電製品、電気自動車、無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)などへの電力伝送に応用されている。
非接触電力伝送では、高周波電源装置を備えている送電装置から、負荷に接続された受電装置に、非接触で送電を行う。送電装置には送電コイルが備えられており、受電装置には受電コイルが備えられている。送電コイルと受電コイルとが磁気的に結合されることで、非接触での送電が行われる。このような非接触電力伝送の技術を利用して、負荷としての蓄電デバイスに充電を行う充電システムが開発されている。
このような充電システムにおいて、蓄電デバイスが満充電になっているにも関わらず、送電装置から電力を送電し続けると、蓄電デバイスが過充電となり、蓄電デバイスの寿命を縮めることになる。また、無駄な電力消費にもなる。これを解消する方法として、送電装置と受電装置にそれぞれ通信装置を設け、蓄電デバイスの電圧が所定の電圧になった場合に、受電装置から送電装置に送電を停止させるための信号を送信する方法が考えられる。しかしながら、通信装置を設けると大がかりなシステムになり、システムが大型化してしまう。特に受電装置は小型化が要求されるので、通信装置を用いることなく、満充電を送電装置側で検出できるシステムが望まれている。
例えば、送電装置が反射波電力の時間変化率を算出し、当該時間変化率に基づいて蓄電デバイス(二次電池)の充電が完了したか否かを判断するワイヤレス充電装置が開示されている(特許文献1)。特許文献1に記載されているように、蓄電デバイスを充電する過程で、反射波電力は徐々に変化(増加)する。このとき、満充電(充電率が100%)に近づくにつれ、反射波電力の時間変化率は小さくなっている。そして、その時間変化率が閾値以下となった時に、充電が完了したと判断し、送電を停止している。
特開2013−70581号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、反射波電力を検出して、その時間変化率を算出する必要がある。
本発明は上記した事情のもとで考え出されたものであって、通信装置を備えることなく、受電装置に接続された蓄電デバイスの充電が完了したことをより容易に判断して、送電を停止することができる送電装置、および、当該送電装置を備えた非接触電力伝送システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によって提供される送電装置は、蓄電手段を定電流充電するための非接触電力伝送システムにおいて、受電装置に非接触で電力を伝送する送電装置であって、送電コイル、および、前記送電コイルに接続された共振コンデンサを備えている送電ユニットと、前記送電ユニットに高周波電力を出力する高周波電源装置と、前記高周波電源装置の出力または入力に関する電気信号を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した電気信号に基づく検出値が、前記蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、前記高周波電源装置の出力を停止させる制御手段とを備え、前記送電ユニットから前記受電装置への送電方式は、磁界共鳴方式であることを特徴とする。この構成によると、検出手段が検出した、高周波電源装置の出力または入力に基づく検出値が、蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、制御手段が、高周波電源装置の出力を停止させる。これにより、蓄電手段の充電が完了したことを、送電装置側でより容易に判断して、送電を停止することができる。送電装置側で判断できるので、通信装置を設ける必要がない。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記検出手段は、前記高周波電源装置の出力電流を検出する。この構成によると、高周波電源装置の出力電流に基づいて、蓄電手段の充電が完了したことを判断できる。出力電流のみで判断できるので、出力電圧を検出したり、出力電力を演算する必要がない。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記検出手段は、前記高周波電源装置の入力電力を検出する。この構成によると、高周波電源装置の入力電力に基づいて、蓄電手段の充電が完了したことを判断できる。したがって、高周波電源装置の入力電圧が変動する場合でも、適切に判断することができる。
本発明の第2の側面によって提供される送電装置は、蓄電手段を定電流充電するための非接触電力伝送システムにおいて、受電装置に非接触で電力を伝送する送電装置であって、送電コイル、および、前記送電コイルに接続された共振コンデンサを備えている送電ユニットと、インバータ回路を有しており、前記送電ユニットに高周波電力を出力する高周波電源装置と、前記インバータ回路の入力に関する電気信号を検出する検出手段と、前記検出手段が検出した電気信号に基づく検出値が、前記蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、前記高周波電源装置の出力を停止させる制御手段とを備え、前記送電ユニットから前記受電装置への送電方式は、磁界共鳴方式であることを特徴とする。この構成によると、検出手段が検出した、インバータ回路の入力に基づく検出値が、蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、制御手段が、高周波電源装置の出力を停止させる。これにより、蓄電手段の充電が完了したことを、送電装置側でより容易に判断して、送電を停止することができる。送電装置側で判断できるので、通信装置を設ける必要がない。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記検出手段は、前記インバータ回路の入力電力を検出する。この構成によると、インバータ回路の入力電力に基づいて、蓄電手段の充電が完了したことを判断できる。したがって、インバータ回路の入力電圧が変動する場合でも、適切に判断することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記蓄電手段は、キャパシタである。この構成によると、充電による蓄電手段の電圧の変化が大きいので、検出値の変化も大きく、満充電を判断しやすい。また、充放電による劣化が少ないので、製品寿命が長くなる、さらに、大電流による急速充電が可能である。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記制御手段は、前記検出値が、前記目標値以上である状態が所定時間継続した場合に、前記高周波電源装置の出力を停止させる。この構成によると、検出値が瞬時的に目標値に達したときに、高周波電源装置の出力を停止させてしまうことを防止することができる。
本発明の第3の側面によって提供される非接触電力伝送システムは、本発明の第1または第2の側面によって提供される送電装置と、前記受電装置とを備えている非接触電力伝送システムであって、前記受電装置は、前記送電コイルに磁気的に結合される受電コイル、および、前記受電コイルに接続された共振コンデンサを備えている受電ユニットと、前記受電ユニットからの出力電流を整流する整流回路とを備え、前記高周波電源装置は、一定の高周波電圧を出力し、前記送電ユニットは、前記送電コイルと送電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、前記受電ユニットは、前記受電コイルと受電側の前記共振コンデンサとが直列接続されていることを特徴とする。この構成によると、受電ユニットの出力電流を一定にすることができる。したがって、蓄電手段を定電流充電することができる。
本発明の第4の側面によって提供される非接触電力伝送システムは、本発明の第1または第2の側面によって提供される送電装置と、前記受電装置とを備えている非接触電力伝送システムであって、前記受電装置は、前記送電コイルに磁気的に結合される受電コイル、および、前記受電コイルに接続された共振コンデンサを備えている受電ユニットと、前記受電ユニットからの出力電流を整流する整流回路とを備え、前記高周波電源装置は、一定の高周波電流を出力し、前記送電ユニットは、前記送電コイルと送電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、前記受電ユニットは、前記受電コイルと受電側の前記共振コンデンサとが並列接続されていることを特徴とする。この構成によると、受電ユニットの出力電流を一定にすることができる。したがって、蓄電手段を定電流充電することができる。
本発明の第5の側面によって提供される非接触電力伝送システムは、本発明の第1または第2の側面によって提供される送電装置と、前記受電装置とを備えている非接触電力伝送システムであって、前記受電装置は、前記送電コイルに磁気的に結合される受電コイル、および、前記受電コイルに接続された共振コンデンサを備えている受電ユニットと、前記受電ユニットからの電圧出力を電流出力に変換する電圧‐電流変換回路と、前記電圧‐電流変換回路からの出力電流を整流する整流回路とを備え、前記高周波電源装置は、一定の高周波電流を出力し、前記送電ユニットは、前記送電コイルと送電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、前記受電ユニットは、前記受電コイルと受電側の前記共振コンデンサとが直列接続されていることを特徴とする。この構成によると、受電ユニットの出力電流を一定にすることができる。したがって、蓄電手段を定電流充電することができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記高周波電源装置は、直流電圧を出力する直流電源装置と、入力される高周波制御信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング素子と、前記直流電源装置と前記スイッチング素子との間に直列接続されたインダクタと、前記スイッチング素子と前記インダクタとの接続点と前記送電ユニットとの間に直列接続され、前記高周波制御信号の周波数を共振周波数とする第1の共振回路と、前記スイッチング素子に並列接続され、前記高周波制御信号の周波数の2倍の周波数を共振周波数とする第2の共振回路とを備えている。この構成によると、スイッチング素子に入力する高周波制御信号にデッドタイムを設ける必要がないので、ドライブ回路を単純な構成とすることができる。また、発生した高周波電流のうちの2次高調波成分を第2の共振回路に流すことができるので、2次高調波成分電流による発生電圧を抑制することができる。よって、スイッチング素子を高耐圧のものにする必要がない。
本発明によると、検出手段が検出した電気信号に基づく検出値が、蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、制御手段が、高周波電源装置の出力を停止させるようにした。これにより、蓄電手段の充電が完了したことを、送電装置側でより容易に判断して、送電を停止することができる。送電装置側で判断できるので、通信装置を設ける必要がない。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
第1実施形態に係る非接触電力伝送システムの全体構成を示す図である。 第1実施形態に係る非接触電力伝送システムの主要部分の回路を、等価回路で説明するための図である。 高周波電源装置の出力電流の実効値、および、蓄電デバイスの電圧の時間変化を示す図である。 第1実施形態に係る送電装置の変形例を示す図である。 第2実施形態に係る非接触電力伝送システムの全体構成を示す図である。 第2実施形態に係る受電装置の変形例を示す図である。 第2実施形態に係るインバータ回路の変形例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、第1実施形態に係る非接触電力伝送システムCの全体構成を示す図である。
図1に示すように、非接触電力伝送システムCは、送電装置Aと受電装置Bとを備えている。送電装置Aは、高周波電力を発生させ、発生させた高周波電力を非接触で受電装置Bに送電する。受電装置Bは、送電装置Aから送電された高周波電力を非接触で受電する。受電装置Bは、受電した高周波電力を、蓄電デバイスDの充電に適した電力に変換し、蓄電デバイスDに供給する。これにより、蓄電デバイスDの充電が行われる。つまり、非接触電力伝送システムCは、送電装置Aから送電される電力を受電装置Bが非接触で受電し、受電した電力を用いて蓄電デバイスDを充電するワイヤレス充電システムである。
非接触電力伝送システムCは、例えば、無人搬送車や電気自動車、電動工具、家電製品、携帯電話など様々な電気機器に内蔵された蓄電デバイスDを充電するために用いることができる。そして、各電気機器は、蓄電デバイスDに蓄積された電力を用いて各種動作する。受電装置Bは、これらの電気機器に備えられている。
送電装置Aは、高周波電源装置1、送電ユニット2、および、制御装置3を備えている。
高周波電源装置1は、高周波電力を送電ユニット2に供給するものである。高周波電源装置1は、一定の大きさの高周波電圧を出力するものであり、いわゆる定電圧源である。高周波電源装置1は、整流回路11、平滑コンデンサ12、および、インバータ回路13を備えている。
整流回路11は、商用電源から入力される交流電圧(例えば、商用電圧200[V]など)を整流して、直流電圧として出力する。平滑コンデンサ12は、整流回路11から出力された直流電圧を平滑化してインバータ回路13に出力する。
インバータ回路13は、直流電力を高周波電力に変換するものであり、平滑コンデンサ12より入力される直流電圧を高周波電圧に変換して、送電ユニット2に出力する。インバータ回路13は、例えば、単相フルブリッジ型のインバータ回路であり、4個のスイッチング素子を備えている。本実施形態では、スイッチング素子として、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)を使用している。なお、スイッチング素子はMOSFETに限定されず、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor : 絶縁ゲート・バイポーラトランジスタ)などであってもよい。
インバータ回路13は、図示しない制御回路から高周波制御信号を入力され、当該高周波制御信号に応じて各スイッチング素子のオン状態とオフ状態とを切り替えることで、直流電力を高周波電力に変換する。高周波制御信号は、所定の周波数f0(例えば、85[kHz]や13.56[MHz]など)でハイレベルとローレベルとを繰り返すパルス信号(なお、正弦波信号などでもよい)である。周波数f0は、スイッチング素子をスイッチングさせる周波数なので、以下では「スイッチング周波数f0」と記載する場合がある。スイッチング素子は、高周波制御信号がローレベルのときオフ状態になり、高周波制御信号がハイレベルのときオン状態になる。
インバータ回路13の出力端には、出力電圧を検出するための電圧センサ(図示なし)が設けられている。制御回路は、当該電圧センサが検出した出力電圧を、所定の目標電圧に一致させるようにフィードバック制御を行っている。具体的には、制御回路は、電圧センサが検出した出力電圧と設定された目標電圧との偏差をゼロにするための制御パルス信号を生成する。そして、当該制御パルス信号を図示しないドライブ回路で増幅して、高周波制御信号としてインバータ回路13に出力する。これにより、インバータ回路13の出力電圧は、設定された目標電圧に制御される。なお、インバータ回路13および制御回路の構成は上記したものに限られず、出力電圧を設定された目標電圧に制御できるものであればよい。
なお、高周波電源装置1の構成は、上記したものに限定されない。例えば、平滑コンデンサ12とインバータ回路13の間に、DC−DCコンバータを設けて、平滑コンデンサ12が出力する電圧を昇圧(または降圧)してからインバータ回路13に入力するようにしてもよい。また、インバータ回路13に入力される直流電圧が所定のレベル(目標電圧)になるように、制御するようにしてもよい。高周波電源装置1は、所定の高周波電圧を出力するものであればよい。
送電ユニット2は、送電コイルLtおよび共振コンデンサCtを備えている。送電コイルLtは、高周波電源装置1より供給される高周波電力を、受電装置Bに送電するものである。送電コイルLtの形状および巻き数は、限定されず、送電コイルLtの配置状態や、送電時の受電コイルLrとの関係に応じて、適宜設計される。共振コンデンサCtは、送電コイルLtに直列接続されて、直列共振回路を構成するためのものである。
送電コイルLtおよび共振コンデンサCtは、共振周波数が高周波電源装置1より供給される高周波電力の周波数f0(スイッチング周波数f0)と一致するように設計される。すなわち、送電コイルLtの自己インダクタンスLRと、共振コンデンサCtのキャパシタンスCRとが、下記(1)式の関係になるように設計される。なお、スイッチング周波数f0が高い場合は、送電コイルLtの巻線間の浮遊キャパシタンスを共振コンデンサCtとして用いるようにしてもよい。
Figure 0006699883
制御装置3は、送電装置Aを制御するものである。制御装置3は、蓄電デバイスDが満充電状態になったことを検知して、高周波電源装置1を停止させる。制御装置3の詳細については、後述する。
受電装置Bは、受電ユニット4および整流平滑回路5を備えている。
受電ユニット4は、受電コイルLr、および、共振コンデンサCrを備えている。受電コイルLrは、送電コイルLtと磁気結合して、非接触で受電するものである。受電コイルLrの形状および巻き数は、限定されず、受電コイルLrの配置状態や、送電時の送電コイルLtとの位置関係などに応じて、適宜設計される。例えば、非接触電力伝送システムCが無人搬送車の充電に用いられる場合、送電コイルLtおよび受電コイルLrは、渦巻状に巻回された平面コイルとし、互いに対向する位置にできるように配置される。この場合、受電コイルLrをコイル面が床面に対して略垂直になるように無人搬送車の車体側面に配置して、送電コイルLtをコイル面が床面に対して略垂直になるように配置すればよい。また、受電コイルLrをコイル面が床面に対して略平行になるように無人搬送車の車体底面に配置して、送電コイルLtをコイル面が床面に対して略平行になるように床面に配置してもよい。共振コンデンサCrは、受電コイルLrに直列接続されて、直列共振回路を構成するためのものである。
受電コイルLrおよび共振コンデンサCrは、送電コイルLtおよび共振コンデンサCtと同様に、共振周波数が高周波電源装置1より供給される高周波電力の周波数f0(スイッチング周波数f0)と一致するように設計される。なお、スイッチング周波数f0が高い場合は、受電コイルLrの巻線間の浮遊キャパシタンスを共振コンデンサCrとして用いるようにしてもよい。
受電コイルLrが送電コイルLtと磁気結合することで、受電装置Bは、送電装置Aから送電される高周波電力を受電する。すなわち、送電コイルLtに高周波電流が流れることで磁束が変化し、この磁束に鎖交する受電コイルLrに高周波電流が流れる。これにより、送電装置Aから受電装置Bに、非接触で電力を供給することができる。図1は、受電コイルLrが送電コイルLtと磁気結合した状態を示している。
送電ユニット2および受電ユニット4は、いずれも共振回路であり、共鳴して結合される。すなわち、送電ユニット2から受電ユニット4へは、磁界共鳴方式により、非接触で電力伝送が行われる。受電ユニット4が受電した電力は、整流平滑回路5に出力される。
整流平滑回路5は、受電ユニット4より出力される高周波電流を整流して、直流電流に変換するものである。整流平滑回路5は、4つのダイオードをブリッジ接続した全波整流回路を備えている。また、整流平滑回路5は、整流後の出力を平滑するための平滑回路も備えている。なお、整流平滑回路5の構成は限定されず、高周波電流を直流電流に変換するものであればよい。整流平滑回路5から出力される直流電流は、蓄電デバイスDに供給される。
蓄電デバイスDは、電気を蓄積するものであり、例えば、電気二重層キャパシタまたはリチウムイオンキャパシタなどのキャパシタである。キャパシタは、他の蓄電デバイスと比較すると、充放電による劣化が少なく製品寿命が長いこと、また、大電流による急速充電が可能といった特徴を有しており、充放電を繰り返し行う充電システムの場合には、キャパシタを利用する方が適している。蓄電デバイスDは、1つのキャパシタだけで、必要な充電容量が得られない場合、複数のキャパシタを直列接続したり、並列接続したりすればよい。蓄電デバイスDは、整流平滑回路5より出力される直流電力によって充電され、図示しないモータなどの負荷に電力を供給する。蓄電デバイスDには、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく、一定の大きさの電流が入力される。
次に、送電装置Aの制御装置3が行う、高周波電源装置1の停止処理について説明する。
制御装置3は、送電装置Aを制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備えるマイクロコンピュータやFPGA(Field-Programmable Gate Array)で構成される。
以下に、図2を参照して、蓄電デバイスDに供給される電流が、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく一定になることを説明する。
図2(a)は、図1に示す非接触電力伝送システムCの主要部分を抜き出したものである。
高周波電源装置1の出力電圧をV1、出力電流をI1とする。また、整流平滑回路5に印加される電圧をV2、整流平滑回路5に入力される電流をI2とする。なお、各電圧V1,V2および各電流I1,I2は、いずれもベクトルである。
一般的に、非接触電力伝送システムの等価回路は、磁気結合した送電コイルと受電コイルとを、3つのコイルで構成されたT型回路に置き換えて表すことができる。図2(a)に示す回路を、T型回路を用いて表した等価回路に変換すると、図2(b)に示す回路になる。図2(b)においては、図に示すように、コンデンサまたはコイルのインピーダンスをZ1〜Z3として表している。なお、各インピーダンスZ1〜Z3は、いずれもベクトルである。T型回路のコイルのうちの送電ユニット側のコイル(インピーダンスZ1に含まれるコイル)のインダクタンスは、送電コイルLtの自己インダクタンスから、送電コイルLtと受電コイルLrとの間の磁気結合による相互インダクタンスを減じたものとなる。T型回路のコイルのうちの受電ユニット側のコイル(インピーダンスZ3に含まれるコイル)のインダクタンスは、受電コイルLrの自己インダクタンスから、送電コイルLtと受電コイルLrとの間の磁気結合による相互インダクタンスを減じたものとなる。また、T型回路のコイルのうちの並列接続されたコイル(インピーダンスZ2に含まれるコイル)のインダクタンスは、送電コイルLtと受電コイルLrとの間の磁気結合による相互インダクタンスとなる。したがって、各インピーダンスZ1〜Z3は、下記(2)〜(4)式で表すことができる。なお、送電コイルLtおよび受電コイルLrのインダクタンスを、それぞれ、LtおよびLrとし、共振コンデンサCtおよび共振コンデンサCrのキャパシタンスを、それぞれ、CtおよびCrとしている。また、送電コイルLtと受電コイルLrの結合係数をkとしている。
Figure 0006699883
図2(c)は、図2(b)に示す回路を、Fパラメータを用いて表した等価回路を示す図である。なお、Fパラメータの各要素A,B,C,Dは、いずれもベクトルであり、Fパラメータは、下記(5)式のようになる。
Figure 0006699883
磁界共鳴の条件式であるZ1+Z2=Z2+Z3=0を、上記(5)式に代入すると、下記(6)式になる。これより、下記(7)式および上記(3)式から、下記(8)式が求められる。
Figure 0006699883
送電コイルLtと受電コイルLrの距離が変化しなければ、結合係数kは変化しない。したがって、上記(8)式より、受電ユニット4から出力される電流I2の大きさは、送電ユニット2に入力される電圧V1の大きさに比例する。また、送電ユニット2に入力される電圧V1は、高周波電源装置1の出力電圧V1である。高周波電源装置1は出力電圧V1の大きさを一定に制御している。したがって、受電ユニット4の出力電流I2の大きさは、接続される負荷のインピーダンスなどに関係なく、一定である。つまり、受電ユニット4の出力は、一定の大きさの電流I2を出力する定電流源と考えることができる。受電ユニット4の出力電流I2の大きさが一定なので、整流平滑回路5によって整流および平滑化された電流も一定になる。したがって、蓄電デバイスDに供給される電流I3は、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく一定になる。つまり、非接触電力伝送システムCは、定電流充電を行う。
蓄電デバイスDに定電流充電を行った場合、蓄電デバイスDの電圧V3は、充電時間に比例して線形的に増加する。電流I3は一定なので、蓄電デバイスDに入力される電力P3(=V3×I3)も充電時間に比例して線形的に増加する。また、電力の伝送効率が変化しなければ、送電ユニット2から出力される電力P1(=V1×I1)も、充電時間に比例して線形的に増加する。一方、電圧V1の大きさは一定なので、電流I1の大きさは、充電時間に比例して線形的に増加する。したがって、高周波電源装置1の出力電流I1を監視することで、蓄電デバイスDの電圧V3を検出することができる。
図3は、電流I1の実効値I1rmsと電圧V3の時間変化を示す図である。図に示すように、電流実効値I1rmsおよび電圧V3は、充電時間に比例して線形的に増加している。このような特性があることから、蓄電デバイスDの電圧V3の目標電圧V3 *(満充電であると判断するための基準値)に対応した電流実効値I1rmsの目標値I1rms *を、あらかじめ測定しておくことができる。そして、高周波電源装置1の出力電流I1を検出して、電流実効値I1rmsが目標値I1rms *になった時に、蓄電デバイスDの電圧V3が目標電圧V3 *になって、満充電になったと判断することができる。
制御装置3は、機能的ブロックとして、図1に示すように、電流検出部32、目標設定部33、および、判断部34を備えている。
電流検出部32は、高周波電源装置1の出力電流の実効値I1rmsを検出するものである。電流検出部32は、高周波電源装置1の出力線に配置された電流センサ31が検出した電流信号I1に基づいて、電流実効値I1rmsを検出する。具体的には、電流検出部32は、電流センサ31より入力される電流信号I1をデジタル変換し、デジタル化された電流信号から実効値を演算する。算出された電流実効値I1rmsは、判断部34に出力される。
目標設定部33は、目標値I1rms *を設定するものである。蓄電デバイスDの電圧V3の目標電圧V3 *に対応した電流実効値I1rmsの目標値I1rms *は、あらかじめ測定により取得されて、目標設定部33に記憶されている。具体的には、非接触電力伝送システムCにおいて、高周波電源装置1を稼働させて、電流実効値I1rmsおよび蓄電デバイスDの電圧V3を検出しながら、蓄電デバイスDの充電を行う。そして、電圧V3が目標電圧V3 *になった時の電流実効値I1rmsを、目標値I1rms *として記憶する。なお、複数回測定を繰り返した平均値を目標値I1rms *として記憶するようにしてもよい。目標値I1rms *は、判断部34に出力される。
判断部34は、蓄電デバイスDが満充電になったことを判断するものである。判断部34は、電流検出部32より入力される電流実効値I1rmsと、目標設定部33より入力されて設定された目標値I1rms *とを比較し、電流実効値I1rmsが目標値I1rms *以上になった場合に、蓄電デバイスDが満充電になったと判断する。この場合、判断部34は、高周波電源装置1に、出力を停止させるための停止信号を出力する。停止信号を入力された高周波電源装置1は、インバータ回路13に入力される高周波制御信号を停止させることで、出力を停止させる。なお、判断部34は、電流実効値I1rmsが目標値I1rms *以上になった状態が所定時間以上継続した場合に、蓄電デバイスDが満充電になったと判断するようにしてもよい。この場合、瞬時的に電流実効値I1rmsが目標値I1rms *以上になったときに、高周波電源装置1の出力を停止させてしまうことを防止することができる。
なお、電流検出部32は、電流実効値I1rmsを検出する代わりに、電流信号I1の大きさまたは平均値などを検出するようにしてもよい。この場合、比較のための目標値も、電流信号I1の大きさまたは平均値などの目標値とする必要がある。なお、制御装置3は、高周波電源装置1に含まれていてもよい。また、インバータ回路13の制御回路が、制御装置3の機能を有するようにしてもよい。
次に、第1実施形態に係る非接触電力伝送システムCの作用効果について説明する。
本実施形態によると、制御装置3は、電流検出部32が検出した、高周波電源装置1の出力電流の実効値I1rmsを、目標設定部33に記憶された目標値I1rms *と比較することで、蓄電デバイスDが満充電になったか否かを判断する。そして、制御装置3は、電流実効値I1rmsが目標値I1rms *以上になった場合に、蓄電デバイスDが満充電になったと判断して、高周波電源装置1に停止信号を出力することで、高周波電源装置1の出力を停止させる。したがって、蓄電デバイスDの充電が完了したことを、送電装置A側でより容易に判断して、送電を停止することができる。送電装置A側で判断できるので、送電装置Aおよび受電装置Bに通信装置を設ける必要がない。
また、本実施形態によると、送電ユニット2および受電ユニット4は直列共振回路である。また、高周波電源装置1は送電ユニット2に一定の大きさの高周波電圧を出力し、送電ユニット2から受電ユニット4へは磁界共鳴方式で送電を行う。したがって、受電ユニット4の出力が定電流源の出力と等価になる。よって、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく、蓄電デバイスDに出力される電流は一定になる。つまり、蓄電デバイスDを、定電流で充電することができる。
また、本実施形態によると、電流センサ31で検出した高周波電源装置1の出力電流に基づいて、蓄電デバイスDの充電が完了したことを判断できる。出力電流のみで判断できるので、出力電圧を検出したり、出力電力を演算する必要がない。
なお、本実施形態においては、蓄電デバイスDとしてキャパシタを用いた場合について説明したが、これに限られない。蓄電デバイスDとして鉛蓄電池またはリチウムイオン電池などの二次電池を用いるようにしてもよい。ただし、二次電池の場合、電圧V3の変化が小さいので、電流実効値I1rmsの変化も小さい。一方、キャパシタの場合は、電圧V3の変化が大きいので、電流実効値I1rmsの変化も大きい。電流実効値I1rmsの変化が大きい方が満充電を判断しやすいので、蓄電デバイスDとしては、キャパシタを用いることが望ましい。
また、本実施形態においては、送電ユニット2および受電ユニット4をどちらも直列共振回路としているが、両者を並列共振回路としてもよい。
本実施形態においては、高周波電源装置1の出力電流I1に基づいて、蓄電デバイスDの充電状態を判断する場合について説明したが、これに限られない。高周波電源装置1の出力電圧V1の大きさは一定なので、高周波電源装置1の出力電力P1も、充電時間に比例して線形的に増加する。したがって、高周波電源装置1の出力電力P1に基づいて、蓄電デバイスDの充電状態を判断するようにしてもよい。この場合、電流信号I1と、インバータ回路13の出力電圧制御のために設けられている電圧センサ(図示なし)が検出した電圧信号V1とに基づいて、出力電力P1を演算すればよい。
また、インバータ回路13での電力変換効率が変化しなければ、インバータ回路13に入力される電力P4および高周波電源装置1に入力される電力P5も、充電時間に比例して線形的に増加する。したがって、インバータ回路13の入力電力P4または高周波電源装置1の入力電力P5に基づいて、蓄電デバイスDの充電状態を判断するようにしてもよい。インバータ回路13の入力電力P4に基づいて充電状態を判断する場合について、以下に説明する。
図4(a)は、第1実施形態に係る送電装置Aの変形例を示している。図4(a)において、第1実施形態に係る送電装置A(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図4(a)に示す送電装置Aは、電流センサ31がインバータ回路13の入力線に配置されており、インバータ回路13の入力電圧を検出する電圧センサ35が追加されている点と、制御装置3が電流検出部32に代えて電力検出部36を備えている点とで、図1に示す送電装置Aと異なる。
図4(b)は、インバータ回路13の入力電力P4と電圧V3の時間変化を示す図である。図に示すように、入力電力P4および電圧V3は、充電時間に比例して線形的に増加している。このような特性があることから、蓄電デバイスDの電圧V3の目標電圧V3 *(満充電であると判断するための基準値)に対応した入力電力P4の目標値P4 *を、あらかじめ測定しておくことができる。そして、インバータ回路13の入力電力P4を検出して、入力電力P4が目標値P4 *になった時に、蓄電デバイスDの電圧V3が目標電圧V3 *になって、満充電になったと判断することができる。
電流センサ31は、インバータ回路13に入力される電流を検出し、検出した電流信号I4を制御装置3の電力検出部36に出力する。電圧センサ35は、平滑コンデンサ12の端子間電圧を検出し、検出した電圧信号V4を電力検出部36に出力する。電力検出部36は、電流センサ31より入力される電流信号I4と、電圧センサ35より入力される電圧信号V4とに基づいて、インバータ回路13の入力電力P4を演算する。演算された入力電力P4は、判断部34に出力される。
目標設定部33は、あらかじめ測定によって取得された、目標電圧V3 *に対応する入力電力P4の目標値P4 *を記憶しており、判断部34に出力する。判断部34は、電力検出部36より入力される入力電力P4と、目標設定部33より入力されて設定された目標値P4 *とを比較し、入力電力P4が目標値P4 *以上になった場合に、蓄電デバイスDが満充電になったと判断する。
当該変形例においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、インバータ回路13の入力電力P4に基づいて、蓄電デバイスDの充電が完了したことを判断できる。したがって、インバータ回路13の入力電圧V4が変動する場合でも、適切に判断することができる。なお、インバータ回路13の入力電圧V4が一定の場合、または、入力電圧V4の変動が小さい場合、インバータ回路13の入力電流I4に基づいて、蓄電デバイスDの充電状態を判断するようにしてもよい。また、高周波電源装置1の入力電力P5に基づいて充電状態を判断する場合は、電流センサ31および電圧センサ35の配置場所を変更して、それぞれ、高周波電源装置1の入力電流I5および入力電圧V5を検出するようにすればよい。この場合、高周波電源装置1の入力電圧(商用電源から入力される商用電圧)が変動する場合でも、適切に判断することができる。
上記第1実施形態においては、高周波電源装置1が一定の大きさの高周波電圧を出力する定電圧源である場合について説明したが、これに限られない。高周波電源装置1が一定の大きさの高周波電流を出力する定電流源である場合を、第2実施形態として、以下に説明する。
図5は、第2実施形態に係る非接触電力伝送システムC’を説明するための図である。図5(a)は非接触電力伝送システムC’の全体構成を示す図であり、図5(b)はインバータ回路13aの内部構成を示す回路図である。図5(a)において、第1実施形態に係る非接触電力伝送システムC(図1参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。非接触電力伝送システムC’は、送電装置A’の高周波電源装置1’が定電流源である点と、受電装置B’の受電ユニット4’が並列共振回路である点とで第1実施形態に係る非接触電力伝送システムCと異なる。
高周波電源装置1’は、高周波電力を送電ユニット2に供給するものである。高周波電源装置1’は、いわゆる定電流源であり、一定の大きさの高周波電流を出力する。高周波電源装置1’は、直流電源装置14、インバータ回路13a、および、制御回路15を備えている。
直流電源装置14は、直流電力を生成して出力するものである。直流電源装置14は、第1実施形態に係る整流回路11および平滑コンデンサ12を備えており、さらに、平滑コンデンサ12の後段に図示しないDC−DCコンバータを備えている。直流電源装置14は、商用電源から入力される交流電圧(例えば、商用電圧200[V]など)を整流回路11によって整流し、平滑コンデンサ12によって平滑することで、直流電圧に変換する。そして、DC−DCコンバータによって、所定のレベル(目標電圧)の直流電圧に変換する。直流電源装置14は、制御回路15から入力される電圧制御信号S1によって、DC−DCコンバータの変換動作を制御することにより、整流、平滑後の直流電圧を所定のレベルの直流電圧に変換する。なお、直流電源装置14の構成は限定されず、所定の高周波電圧を出力するものであればよい。
図5(b)に示すように、インバータ回路13aは、スイッチング素子Qs、ダイオードD1、インダクタL1,L2,L3、および、コンデンサC1,C2,C3,C4,C10を備えている。スイッチング素子Qs、ダイオードD1、インダクタL1,L3、および、コンデンサC1,C3,C4,C10は、いわゆるE級アンプと同様の回路を構成する。E級アンプは、直流電力を入力され、高周波電力を生成して出力する。
コンデンサC10は、直流電源装置14に並列接続されており、直流電源装置14より入力される直流電圧を平滑化するものである。
インダクタL1は、直流電源装置14の高電位側の出力端子とスイッチング素子Qsとの間に直列接続されている。直流電源装置14が一定の直流電圧を出力することにより、インダクタL1は、スイッチング素子Qsに一定の直流電流を供給する。
スイッチング素子Qsは、制御回路15から入力される高周波制御信号S2に応じて、オン状態とオフ状態とを切り替えるものである。本実施形態では、スイッチング素子QsとしてMOSFETを使用している。なお、スイッチング素子QsはMOSFETに限定されず、バイポーラトランジスタ、IGBTなどであってもよい。スイッチング素子Qsのドレイン端子は、インダクタL1の一方の端子(直流電源装置14の出力端子に接続されたのとは異なる方の端子)に接続されている。スイッチング素子Qsのソース端子は、直流電源装置14の低電位側の出力端子に接続されている。スイッチング素子Qsのゲート端子には、制御回路15から高周波制御信号S2が入力される。高周波制御信号S2は、スイッチング周波数f0でハイレベルとローレベルとを繰り返すパルス信号である。スイッチング素子Qsは、高周波制御信号S2がローレベルのときオフ状態になり、高周波制御信号S2がハイレベルのときオン状態になる。
ダイオードD1は、いわゆるフライホイールダイオードであって、スイッチング素子Qsのドレイン端子とソース端子との間に、逆並列に接続されている。すなわち、ダイオードD1のアノード端子はスイッチング素子Qsのソース端子に接続され、ダイオードD1のカソード端子はスイッチング素子Qsのドレイン端子に接続されている。ダイオードD1は、スイッチング素子Qsの切り替えによって発生する逆起電力による逆方向の高い電圧がスイッチング素子Qsに印加されないようにするためのものである。なお、スイッチング素子Qsが内部にダイオードの動作をする機能を有する場合は、ダイオードD1を設けないようにしてもよい。
コンデンサC1は、スイッチング素子Qsに並列接続されており、スイッチング素子Qsがオフ状態のときに電流が流れて、電気エネルギーを蓄積する。そして、コンデンサC1の両端電圧がピークになった後は放電を行い、電気エネルギーを放出する。そして、コンデンサC1の両端電圧がゼロになったタイミングで、スイッチング素子Qsがオフ状態からオン状態に切り替わる。
インダクタL3とコンデンサC3とは、直列接続されて共振回路LC3を構成している。インダクタL3およびコンデンサC3は、共振周波数がスイッチング周波数f0と一致するように設計される。共振回路LC3は、スイッチング素子Qsのドレイン端子とインダクタL1の一方の端子との接続点と送電ユニット2との間に、直列接続されている。共振回路LC3の共振特性により、出力電流が、共振周波数(スイッチング周波数f0)の正弦波状になる。なお、当該共振回路LC3が、本発明の「第1の共振回路」に相当する。
コンデンサC4は、共振回路LC3の出力側に、直流電源装置14に対して並列となるように、接続されている。コンデンサC4、インダクタL3およびコンデンサC3は、インピーダンス整合回路として機能する。また、コンデンサC3は、高周波電源装置1’から出力される高周波電流から直流成分をカットする。
以上の構成から、スイッチング素子Qs、ダイオードD1、インダクタL1,L3、および、コンデンサC1,C3,C4,C10を備えたE級アンプは、制御回路15より入力される高周波制御信号S2に応じてスイッチング素子Qsがスイッチングすることで、スイッチング周波数f0の高周波電流を生成して出力する。
また、本実施形態においては、インバータ回路13aは、インダクタL2とコンデンサC2とが直列接続された共振回路LC2を、スイッチング素子Qsに並列接続させている。インダクタL2およびコンデンサC2は、共振周波数がスイッチング周波数f0の2倍の周波数と一致するように設計される。共振回路LC2は、スイッチング周波数f0の2倍の周波数成分(2次高調波成分)に対して、低インピーダンスとなり、スイッチング周波数f0の成分(基本波成分)およびその3倍の周波数成分(3次高調波成分)に対して、高インピーダンスとなる。なお、当該共振回路LC2が、本発明の「第2の共振回路」に相当する。
また、インダクタL1およびコンデンサC1からなるフィルタLC1も、共振回路LC2と組み合わせて、スイッチング周波数f0の2倍の周波数成分(2次高調波成分)に対して、低インピーダンスとなり、スイッチング周波数f0の成分(基本波成分)およびその3倍の周波数成分(3次高調波成分)に対して、高インピーダンスとなるように設計される。なお、コンデンサC1のキャパシタンスは、スイッチング素子Qsの内部の容量成分も考慮して設計される。
以上の構成から、発生した高周波電流のうちの2次高調波成分が共振回路LC2に流れ、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間の2次高調波成分電流による発生電圧を抑制することができる。
制御回路15は、高周波電源装置1’を制御するものであり、CPU、ROMおよびRAMを備えるマイクロコンピュータやFPGAで構成される。
制御回路15は、フィードバック制御によって、直流電源装置14から出力される直流電圧のレベルを制御する。具体的には、制御回路15は、直流電源装置14の出力電圧と設定された目標電圧との偏差をゼロにするための制御パルス信号を生成する。そして、当該制御パルス信号を図示しないドライブ回路でDC−DCコンバータを駆動できるレベルに増幅して、電圧制御信号S1として直流電源装置14に出力する。これにより、制御回路15は、直流電源装置14から出力される直流電圧を目標電圧に制御して、直流電源装置14から一定の直流電圧を出力させることができる。また、制御回路15は、目標電圧を変更することで、直流電源装置14の出力電圧のレベルを変更する。
また、制御回路15は、基準クロックに基づいて、スイッチング周波数f0のパルス信号(なお、正弦波信号などでもよい)を生成し、当該パルス信号を図示しないドライブ回路でスイッチング素子Qsを駆動できるレベルに増幅して、高周波制御信号S2としてスイッチング素子Qsのゲート端子に出力する。
受電ユニット4’は、共振コンデンサCrが受電コイルLrに並列接続されており、並列共振回路を構成している。受電コイルLrおよび共振コンデンサCrは、送電コイルLtおよび共振コンデンサCtと同様に、共振周波数が高周波電源装置1’より供給される高周波電力の周波数f0(スイッチング周波数f0)と一致するように設計される。なお、高周波電源装置1’が出力する高周波電流の周波数が高い場合は、受電コイルLrの巻線間の浮遊キャパシタンスを共振コンデンサCrとして用いるようにしてもよい。
本実施形態において、第1実施形態と同様に、図2に示す等価回路への変換と同様の変換を行って演算を行うと、下記(9)式が求められる。
Figure 0006699883
送電コイルLtと受電コイルLrの距離が変化しなければ、結合係数kは変化しない。したがって、上記(9)式より、受電ユニット4から出力される電流I2の大きさは、送電ユニット2に入力される電流I1の大きさに比例する。また、送電ユニット2に入力される電流I1は、高周波電源装置1’の出力電流I1である。直流電源装置14が出力する直流電圧が一定の場合、高周波電源装置1’の出力電流I1の大きさは一定である。したがって、受電ユニット4の出力電流I2の大きさは、接続される負荷のインピーダンスなどに関係なく、一定である。つまり、受電ユニット4の出力は、一定の大きさの電流I2を出力する定電流源と考えることができる。受電ユニット4の出力電流I2の大きさが一定なので、整流平滑回路5によって整流および平滑化された電流も一定になる。したがって、蓄電デバイスDに供給される電流I3は、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく一定になる。つまり、非接触電力伝送システムC’も、第1実施形態に係る非接触電力伝送システムCと同様に、定電流充電を行う。
したがって、第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態によると、送電ユニット2は直列共振回路であり、受電ユニット4’は並列共振回路である。また、高周波電源装置1’は送電ユニット2に一定の大きさの高周波電流を出力し、送電ユニット2から受電ユニット4’へは磁界共鳴方式で送電を行う。したがって、受電ユニット4’の出力が定電流源の出力と等価になる。よって、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく、蓄電デバイスDに出力される電流は一定になる。つまり、蓄電デバイスDを、定電流で充電することができる。
第2実施形態によると、インバータ回路13aは、1つのスイッチング素子Qsに高周波制御信号S2を入力することで、一定の大きさの高周波電流を、送電ユニット2に出力することができる。高周波制御信号S2にデッドタイムを設ける必要がないので、高周波制御信号S2をスイッチング素子Qsに出力するためのドライブ回路を単純な構成とすることができる。
第2実施形態によると、インバータ回路13aのスイッチング素子Qsには、インダクタL2とコンデンサC2からなる共振回路LC2が並列接続されている。当該共振回路LC2は、スイッチング周波数f0の2倍の周波数成分(2次高調波成分)に対して、低インピーダンスとなり、スイッチング周波数f0の成分(基本波成分)およびその3倍の周波数成分(3次高調波成分)に対して、高インピーダンスとなる。したがって、インバータ回路13aで発生した高周波電流のうちの2次高調波成分は、共振回路LC2に流れ、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間の2次高調波成分電流による発生電圧を抑制することができる。よって、スイッチング素子Qsを高耐圧のものにする必要がない。
なお、第2実施形態においては、送電ユニット2を直列共振回路とし、受電ユニット4を並列共振回路としているが、これに限られず、送電ユニット2を並列共振回路とし、受電ユニット4を直列共振回路としてもよい。また、他の構成として、蓄電デバイスDに定電流充電を行うようにしてもよい。
図6(a)は、第2実施形態に係る受電装置B’の変形例を示している。図6(a)において、第2実施形態に係る受電装置B’(図5参照)と同一または類似の要素には、同一の符号を付している。図6(a)に示す受電装置B’は、受電ユニット4’に代えて受電ユニット4(図1参照)を備えている点と、受電ユニット4と整流平滑回路5との間に、電圧‐電流変換回路6が設けられている点とで、図5に示す受電装置B’と異なる。
電圧‐電流変換回路6は、電圧出力を電流出力に変換するものである。電圧‐電流変換回路6は、2つのインダクタL11,L12とコンデンサC11とを、T型に配置した回路である。インダクタL11とインダクタL12とは直列接続されており、受電ユニット4と整流平滑回路5との間に、直列接続されている。そして、インダクタL11とインダクタL12との接続点に、コンデンサC11が並列接続されている。スイッチング周波数f0におけるインダクタL11,L12およびコンデンサC11の各インピーダンスの大きさが等しくなるように、各インダクタンスおよびキャパシタンスを決定している。
当該変形例では、送電ユニット2および受電ユニット4がともに直列共振回路なので、図2に示す等価回路への変換を行って演算を行うと、上記(7)式および上記(3)式から下記(10)が求められる。
Figure 0006699883
送電コイルLtと受電コイルLrの距離が変化しなければ、結合係数kは変化しない。したがって、上記(10)式より、受電ユニット4から出力される電圧V2の大きさは、送電ユニット2に入力される電流I1の大きさに比例する。また、送電ユニット2に入力される電流I1は、高周波電源装置1’の出力電流I1である。直流電源装置14が出力する直流電圧が一定の場合、高周波電源装置1’の出力電流I1の大きさは一定である。したがって、受電ユニット4の出力電圧V2の大きさは、接続される負荷のインピーダンスなどに関係なく、一定である。つまり、受電ユニット4の出力は、一定の大きさの電圧V2を出力する定電圧源と考えることができる。また、電圧‐電流変換回路6は、電圧出力を電流出力に変換するので、受電ユニット4より一定の大きさの電圧V2を入力されることにより、一定の大きさの電流I2’を出力する。電圧‐電流変換回路6の出力電流I2’の大きさが一定なので、整流平滑回路5によって整流および平滑化された電流も一定になる。したがって、蓄電デバイスDに供給される電流I3は、蓄電デバイスDの充電状態に関係なく一定になる。つまり、本変形例においても、非接触電力伝送システムC’は、定電流充電を行う。
したがって、本変形例においても、第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
なお、本変形例においては、電圧‐電流変換回路6を、2つのインダクタL11,L12とコンデンサC11とをT型に配置した回路とした場合について説明したが、電圧‐電流変換回路6の回路構成は、上述したものに限定されない。例えば、1つのインダクタと2つのコンデンサとをT型に配置した回路としてもよいし、2つのインダクタと1つのコンデンサとをπ型に配置した回路としてもよいし、1つのインダクタと2つのコンデンサとをπ型に配置した回路としてもよい。
また、電圧‐電流変換回路6は、インダクタとコンデンサを組み合わせた回路に限定されない。電圧‐電流変換回路6は、受電ユニット4からの電圧出力を電流出力に変換するものであればよい。例えば、図6(b)に示すように、受電ユニット4と整流平滑回路5との間に直列接続される伝送線路TLを備える電圧‐電流変換回路6’を用いるようにしてもよい。伝送線路TLは、例えば同軸ケーブルとしている。なお、伝送線路TLは、同軸ケーブルに限定されず、例えば、同軸管、基板上に形成された線路などであってもよい。
伝送線路TLの長さは、受電ユニット4より入力される高周波(すなわち、高周波電源装置1’が出力する高周波)の基本波の、伝送線路TLにおける伝送波長の略4分の1としている。高周波電源装置1’が出力する高周波の波長λは、周波数をfとして、伝送線路TL内の電波の速度をνとすると、λ[m]=ν[m/s]/f[Hz]で表わされる。同軸ケーブル(ポリエチレン製)上の電波の速度νは、真空中の電波の速度(3.0×108[m/s])の約66%程度なので、例えば、スイッチング周波数f0=13.56[MHz]とすると、高周波電源装置1’が出力する高周波の波長λは、λ=(3.0×108)×(66/100)/(13.56×106)≒14.60[m]となる。伝送線路TLの長さは、この波長λの略1/4であるので、14.60×(1/4)≒3.65[m]となる。なお、上記同軸ケーブル上の電波の速度νを、真空中の電波の速度の約66%としたが、同軸ケーブル上の電波の速度は、用いる同軸ケーブルの波長短縮率(詳細には同軸ケーブルの絶縁材料)により異なる。したがって、伝送線路TLの長さは、用いる同軸ケーブルの種類に応じて、適宜変更すればよい。また、上記算出式から分かるように、高周波電源装置1’が出力する高周波の周波数が低ければ低いほど、波長λは長くなる。したがって、周波数が低い場合、長い伝送線路TLを用いる必要があり、当該伝送線路TLを受電装置B’の筺体に収容するために、受電装置B’の大きさを大きくしなければならない。よって、高周波電源装置1’が出力する高周波の周波数は、6.78MHz以上であることが望ましい。
また、本変形例においては、送電ユニット2および受電ユニット4をどちらも直列共振回路としているが、両者を並列共振回路としてもよい。
上記第2実施形態においては、高周波電源装置1’がインバータ回路13aを備える場合について説明したが、他のインバータ回路を備えるようにしてもよい。例えば、インバータ回路13aに代えて、共振回路LC2を設けないようにした、いわゆるE級アンプを用いたインバータ回路13bを備えるようにてもよい(図7(a)参照)。インバータ回路13bも、スイッチング素子Qsに高周波制御信号S2を入力することで、一定の大きさの高周波電流を出力することができる。高周波制御信号S2にデッドタイムを設ける必要がないので、高周波制御信号S2をスイッチング素子に出力するためのドライブ回路を単純な構成とすることができる。なお、この場合、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間電圧を抑制できないので、スイッチング素子Qsを高耐圧のものにする必要がある。
また、インバータ回路13b(図7(a)参照)において、インダクタL1の代わりに伝送線路Kを設けたインバータ回路13cを備えるようにしてもよい(図7(b)参照)。伝送線路Kは、電力を伝送するための線路であり、直流電源装置14の高電位側の出力端子とスイッチング素子Qsのドレイン端子との間に直列接続されている。本変形例においては、伝送線路Kを同軸ケーブルとしている。なお、伝送線路Kは、同軸ケーブルに限定されず、例えば、同軸管、基板上に形成された線路などであってもよい。
伝送線路Kの長さは、インバータ回路13cが出力する高周波の基本波の、伝送線路Kにおける伝送波長の略4分の1としている。つまり、上述した電圧‐電流変換回路6’の伝送線路TLと同様のものを用いている。したがって、スイッチング周波数f0=13.56[MHz]の場合、伝送線路Kの長さは、約3.65[m]となる。なお、スイッチング周波数f0が低ければ低いほど、伝送線路Kも長くする必要がある。したがって、伝送線路Kをインバータ回路13cの筺体に収容することを考慮すると、スイッチング周波数f0は、6.78MHz以上であることが望ましい。
スイッチング素子Qsのドレイン端子から伝送線路K側を見たインピーダンスは、スイッチング周波数f0の偶数倍の周波数成分に対して、低インピーダンスとなり、スイッチング周波数f0の成分(基本波成分)およびその奇数倍の周波数成分に対して、高インピーダンスとなる。インバータ回路13cも、スイッチング素子Qsに高周波制御信号S2を入力することで、一定の大きさの高周波電流を出力することができる。高周波制御信号S2にデッドタイムを設ける必要がないので、高周波制御信号S2をスイッチング素子に出力するためのドライブ回路を単純な構成とすることができる。また、伝送線路Kが偶数次高調波成分に対して低インピーダンスとなるので、偶数次高調波成分が伝送線路Kに流れ、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間の偶数次高調波成分電流による発生電圧を抑制することができる。
また、インバータ回路13b(図7(a)参照)において、伝送線路部K’を設けたインバータ回路13dを備えるようにしてもよい(図7(c)参照)。伝送線路部K’は、インバータ回路13dで生成される高周波から、所定次数の高調波成分を減衰させるものである。伝送線路部K’は、伝送線路K1および伝送線路K2を備えている。
伝送線路K1は、一端がスイッチング素子Qsのドレイン端子に接続され、他端が開放された伝送線路である。伝送線路K2は、一端がスイッチング素子Qsのドレイン端子に接続され、他端が短絡された伝送線路である。本変形例においては、伝送線路K1,K2を、同軸ケーブルとしている。なお、伝送線路K1,K2は、同軸ケーブルに限定されず、例えば、同軸管、基板上に形成された線路などであってもよい。
伝送線路K1,K2の長さは、インバータ回路13dが出力する高周波の基本波の、伝送線路K1,K2における伝送波長の略8分の1としている。上述したように、スイッチング周波数f0=13.56[MHz]とした場合、高周波電源装置1’が出力する高周波の基本波の、同軸ケーブル(ポリエチレン製)における伝送波長λは、約14.60[m]となる。伝送線路K1,K2の長さは、この伝送波長λの略1/8であるので、14.60×(1/8)≒1.8[m]となる。なお、スイッチング周波数f0が低ければ低いほど、伝送線路K1,K2も長くする必要がある。したがって、伝送線路K1,K2をインバータ回路13dの筺体に収容することを考慮すると、スイッチング周波数f0は、6.78MHz以上であることが望ましい。なお、当該伝送線路K1が、本発明の「第1の伝送線路」に相当し、当該伝送線路K2が、本発明の「第2の伝送線路」に相当する。
伝送線路部K’は、スイッチング周波数f0およびf0の奇数倍の周波数で、インピーダンスが無限大になり、f0の偶数倍の周波数で、インピーダンスが0「Ω」になる。つまり、伝送線路部K’には、インバータ回路13dで生成される高周波の基本波および奇数倍高調波(3次高調波、5次高調波など)の電流は流れず、偶数倍高調波(2次高調波、4次高調波など)の電流が流れて、スイッチング素子Qsに発生する高調波成分の電圧を減衰させる。インバータ回路13dも、スイッチング素子Qsに高周波制御信号S2を入力することで、一定の大きさの高周波電流を出力することができる。高周波制御信号S2にデッドタイムを設ける必要がないので、高周波制御信号S2をスイッチング素子に出力するためのドライブ回路を単純な構成とすることができる。また、偶数倍高調波成分が伝送線路部K’に流れ、スイッチング素子Qsのドレイン‐ソース間の2次高調波成分電流による発生電圧を抑制することができる。
なお、インバータ回路13a〜13d以外のインバータ回路であっても、一定の大きさの高周波電流を出力することができるインバータ回路であれば、本発明に用いることができる。
本発明に係る非接触電力伝送システムおよび送電装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る非接触電力伝送システムおよび送電装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A,A’ 送電装置
1,1’ 高周波電源装置
11 整流回路
12 平滑コンデンサ
13,13a,13b,13c,3d インバータ回路
C1,C2,C3,C4,C10 コンデンサ
L1,L2,L3 インダクタ
LC1 フィルタ
LC2 共振回路(第2の共振回路)
LC3 共振回路(第1の共振回路)
Qs スイッチング素子
D1 ダイオード
K 伝送線路
K’ 伝送線路部
K1 伝送線路(第1の伝送線路)
K2 伝送線路(第2の伝送線路)
14 直流電源装置
15 制御回路
2 送電ユニット
Lt 送電コイル
Ct 共振コンデンサ
B,B’ 受電装置
3 制御装置
31電流センサ
32 電流検出部
33 目標設定部
34 判断部
35 電圧センサ
36 電力検出部
4,4’ 受電ユニット
Lr 受電コイル
Cr 共振コンデンサ
5 整流平滑回路
6,6’ 電圧-電流変換回路
L11,L12 インダクタ
C11 コンデンサ
TL 伝送線路
C,C’ 非接触電力伝送システム
D 蓄電デバイス

Claims (4)

  1. 受電装置と、前記受電装置に非接触で電力を伝送する送電装置とを備え、蓄電手段を定電流充電する非接触電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、
    送電コイル、および、前記送電コイルに接続された共振コンデンサを備えている送電ユニットと、
    前記送電ユニットに高周波電力を出力する高周波電源装置と、
    前記高周波電源装置の出力電力を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した電力値が、前記蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、前記高周波電源装置の出力を停止させる制御手段と、
    を備え、
    前記受電装置は、
    前記送電コイルに磁気的に結合される受電コイル、および、前記受電コイルに接続された共振コンデンサを備えている受電ユニットと、
    前記受電ユニットからの電圧出力を電流出力に変換する電圧‐電流変換回路と、
    前記電圧‐電流変換回路からの出力電流を整流する整流回路と、
    を備え、
    前記高周波電源装置は、一定の高周波電流を出力し、
    前記送電ユニットは、前記送電コイルと送電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、
    前記受電ユニットは、前記受電コイルと受電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、
    前記送電ユニットから前記受電装置への送電方式は、磁界共鳴方式である、
    ことを特徴とする非接触電力伝送システム。
  2. 受電装置と、前記受電装置に非接触で電力を伝送する送電装置とを備え、蓄電手段を定電流充電する非接触電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、
    送電コイル、および、前記送電コイルに接続された共振コンデンサを備えている送電ユニットと、
    前記送電ユニットに高周波電力を出力する高周波電源装置と、
    前記高周波電源装置の入力電力を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した電力値が、前記蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、前記高周波電源装置の出力を停止させる制御手段と、
    を備え、
    前記受電装置は、
    前記送電コイルに磁気的に結合される受電コイル、および、前記受電コイルに接続された共振コンデンサを備えている受電ユニットと、
    前記受電ユニットからの電圧出力を電流出力に変換する電圧‐電流変換回路と、
    前記電圧‐電流変換回路からの出力電流を整流する整流回路と、
    を備え、
    前記高周波電源装置は、一定の高周波電流を出力し、
    前記送電ユニットは、前記送電コイルと送電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、
    前記受電ユニットは、前記受電コイルと受電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、
    前記送電ユニットから前記受電装置への送電方式は、磁界共鳴方式である、
    ことを特徴とする非接触電力伝送システム。
  3. 受電装置と、前記受電装置に非接触で電力を伝送する送電装置とを備え、蓄電手段を定電流充電する非接触電力伝送システムであって、
    前記送電装置は、
    送電コイル、および、前記送電コイルに接続された共振コンデンサを備えている送電ユニットと、
    インバータ回路を有しており、前記送電ユニットに高周波電力を出力する高周波電源装置と、
    前記インバータ回路の入力電力を検出する検出手段と、
    前記検出手段が検出した電力値が、前記蓄電手段の満充電時の電圧に対応する目標値に達した場合に、前記高周波電源装置の出力を停止させる制御手段と、
    を備え、
    前記受電装置は、
    前記送電コイルに磁気的に結合される受電コイル、および、前記受電コイルに接続された共振コンデンサを備えている受電ユニットと、
    前記受電ユニットからの電圧出力を電流出力に変換する電圧‐電流変換回路と、
    前記電圧‐電流変換回路からの出力電流を整流する整流回路と、
    を備え、
    前記高周波電源装置は、一定の高周波電流を出力し、
    前記送電ユニットは、前記送電コイルと送電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、
    前記受電ユニットは、前記受電コイルと受電側の前記共振コンデンサとが直列接続されており、
    前記送電ユニットから前記受電装置への送電方式は、磁界共鳴方式である、
    ことを特徴とする非接触電力伝送システム。
  4. 前記高周波電源装置は、
    直流電圧を出力する直流電源装置と、
    入力される高周波制御信号に基づいてスイッチング動作を行うスイッチング素子と、
    前記直流電源装置と前記スイッチング素子との間に直列接続されたインダクタと、
    前記スイッチング素子と前記インダクタとの接続点と前記送電ユニットとの間に直列接続され、前記高周波制御信号の周波数を共振周波数とする第1の共振回路と、
    前記スイッチング素子に並列接続され、前記高周波制御信号の周波数の2倍の周波数を共振周波数とする第2の共振回路と、
    を備えている、
    請求項1ないし3のいずれかに記載の非接触電力伝送システム。
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