JP6049669B2 - 直流電力供給装置および直流電力供給方法 - Google Patents

直流電力供給装置および直流電力供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、交流電力を発生し、その交流電力を直流電力に変換して負荷に供給する直流電力供給装置および直流電力供給方法に関する。
交流電力を直流電力に変換して負荷に供給するシステムとして、二次電池を充電するために当該二次電池に直流電力を供給する充電システムが知られている。そして、電気自動車や産業用機器、携帯用電子機器等に内蔵された二次電池を充電する充電システムとして、送電装置と受電装置との間を一対のコイルで磁界結合し、送電装置で発生した交流電力を磁界結合した一対のコイルで受電装置に伝送するワイヤレス電力伝送技術を用いたワイヤレス充電システムが知られている。
ワイヤレス充電システムでは、受電装置に内蔵された二次電池がリチウム・イオン電池等の定電流定電圧充電方式で充電される二次電池の場合、例えば、特許文献1に示されるように、受電装置内に整流器、定電圧制御器、充電器を設け、整流器で交流電力を直流電力に変換した後、定電圧制御器でその直流電力を所定の定電圧で充電器に出力し、充電器で定電流定電圧充電方式により二次電池を充電する構成が知られている。定電流定電圧充電方式は、定電流で二次電池の充電を開始し、二次電池の電池電圧が所定の電圧に上昇すると、定電圧で充電電流が所定の電流値に低下するまで二次電池の充電を行う方式である。
従来、一般に、DC/DCコンバータを用い、二次電池の充電状態に応じてDC/DCコンバータのスイッチング制御を切り換えて定電流定電圧充電方式により二次電池を充電する構成が採用されている。
特開2013−70581号 公報 特許第5431033号 公報
従来の構成では、二次電池の充電を定電流充電もしくは定電圧充電で制御するために、二次電池の前段にDC/DCコンバータ等の充電制御機器を設けているので、充電装置内の直流電力変換後の回路構成が複雑になり、充電装置の小型化やコスト低減の障害になるという問題がある。
特に、ワイヤレス充電システムでは、受電装置側にDC/DCコンバータ等の充電制御機器が設けられるので、受電装置の大型化やコスト増を招くことになる。特に、携帯電話や携帯端末等の小型機器については、充電システムの小型化、コスト低減が求めらえる昨今、このような大型化やコスト増は重要な課題である。
上記の問題は、充電システムだけでなく、交流電力を直流電力に変換した後、その直流電力を定電流制御もしくは定電圧制御によって負荷に供給する直流電力供給装置に対しても同様に言えることである。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、負荷の前段にDC/DCコンバータ等の直流電力の供給を制御する制御機器を設けることなく、定電流方式もしくは定電圧方式により直流電力の供給を制御することができる直流電力供給装置および直流電力供給方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によって提供される直流電力供給装置は、高周波インバータを有し、高周波交流電力を出力する電力発生手段と、前記高周波交流電力を直流電力に変換し、負荷に供給する電力変換手段と、前記負荷に供給される直流電力に関する電気的な物理量を検出する検出手段と、前記高周波交流電力の周波数より低い周波数のパルス信号を発生させ、発生させた前記パルス信号に基づき、前記電力発生手段から出力される高周波交流電力を、前記高周波交流電力が第1レベルになる第1期間と前記高周波交流電力が前記第1レベルより低い第2レベルになる第2期間とを前記パルス信号の周波数で交互に繰り返すパルス状の高周波交流電力にし、前記検出手段により検出される物理量が所定の目標値となるように、前記パルス信号の波形を調整することで、前記電力発生手段を制御する制御手段と、を備え、前記電力発生手段は、前記高周波交流電力の周波数と同一周波数の高周波信号に基づき、入力される電力を前記高周波交流電力に変換する第1のスイッチング回路と、前記第1のスイッチング回路に入力する電力のレベルを、前記パルス信号に基づき、前記第1レベルと前記第2レベルとで切り替える第2のスイッチング回路と、を有しており、前記制御手段は、前記第1のスイッチング回路に前記高周波信号を入力し、前記第2のスイッチング回路に前記パルス信号を入力することで、前記電力発生手段から出力される高周波交流電力を前記パルス状の高周波交流電力にする。
好ましくは、前記電力発生手段は、交流電力を整流し、直流電圧を発生させる整流回路と、前記整流回路から入力される直流電圧を、前記第1レベルの直流電圧と前記第2レベルの直流電圧とに分圧する複数のコンデンサと、をさらに有しており、前記第2のスイッチング回路は、前記パルス信号に基づき、前記第1レベルの直流電圧を前記第1のスイッチング回路に印加する状態と前記第2レベルの直流電圧を前記第1のスイッチング回路に印加する状態とを切り替える。
好ましくは、前記検出手段により検出される物理量と前記目標値との差分に基づき、前記パルス信号のパルス幅を調整する。
好ましくは、前記制御手段は、前記検出手段により検出される物理量と前記目標値との差分を算出し、当該差分情報を示す差分信号を発生する差分信号発生手段と、キャリア信号を発生させるキャリア信号発生手段と、前記差分信号と前記キャリア信号を比較し、その比較結果に基づき前記パルス信号を発生させる比較手段と、高周波信号を発生させる高周波信号発生手段と、を含んでおり、前記比較手段が発生させた前記パルス信号を前記第2のスイッチング回路に入力し、前記高周波信号発生手段が発生させた前記高周波信号を前記第1のスイッチング回路に入力する。
好ましくは、前記比較手段は、前記差分信号が前記キャリア信号より大きいときは、前記第1レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力されるようにし、一方、前記差分信号が前記キャリア信号以下のときは、前記第2レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力されるように、前記パルス信号を生成する。
あるいは、前記制御手段は、前記第1レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力される期間が、一定となり、前記第2レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力される期間が、前記検出手段により検出される物理量と前記目標値との差分に基づき変化するように、前記パルス信号を生成する。
好ましくは、前記検出手段で検出される物理量は、前記パルス信号の所定周期ごとの平均値であり、前記検出手段で検出される物理量は、直流電流、直流電圧、あるいは、直流電力のうち少なくとも1つである。
さらに、前記電力発生手段と前記電力変換手段の間に設けられ、前記電力発生手段の出力端における反射波電力が所定値以下となるように、前記出力端から前記負荷側をみたインピーダンスを調整するインピーダンス調整手段を、備える。
また、前記インピーダンス調整手段と前記電力変換手段との間に互いに磁気結合された一対のコイルが設けられ、前記電力発生手段から出力された交流電力が前記一対のコイルを介して非接触で前記電力変換手段に伝送される。
好ましくは、前記負荷は、二次電池または蓄電器である。
本発明に係る直流電力供給装置および直流電力供給方法によれば、電力発生手段から出力される高周波交流電力を、高周波交流電力がオン状態または第1レベルになる第1期間と高周波交流電力がオフ状態または第2レベルになる第2期間とを有するパルス状の高周波交流電力にし、負荷に供給される直流電力に関する電気的な物理量(直流電圧もしくは直流電流)が所定の値(定電流制御の場合の定電流値や定電圧制御の場合の定電圧値等)となるように、パルス状の高周波電力の第1期間と第2期間の長さを制御したので、電力変換手段と負荷との間に、例えば、DC/DCコンバータ等の当該負荷に供給される電気的な物理量を所定の値に制御する手段(定電流制御手段や定電圧制御手段等)を設ける必要がなくなる。従って、直流電力供給装置の構成の簡素化やコスト低減が可能になる。
本発明の実施形態に係る充電装置(直流電力供給装置)の構成例を示すブロック図である。 高周波インバータ回路(ハーフブリッジ型)の構成例を示す回路図である。 リチウム・イオン電池の充電特性を示す図である。 本発明の実施形態に係る高周波電源の出力電力を制御する制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制御部が行う高周波電源の電力出力制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る制御部の各出力信号の波形を示す図である。 本発明の実施形態に係る制御信号SΔPの変化に伴う、制御部の各出力信号の波形を示す図である。 本発明の実施形態の変形例に係る高周波電源の出力電力を制御する制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態の変形例に係る制御部が行う高周波電源の電力出力制御処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態変形例に係る制御部の各出力信号の波形を示す図である。 本発明に係る充電装置(直流電力供給装置)の変形例の構成を示すブロック図である。 本発明に係る高周波電源の変形例1(ハーフブリッジ型)の構成例を示す回路図である。 本発明に係る高周波電源の変形例2(フルブリッジ型)の構成例を示す回路図である。
本発明に係る直流電力供給装置の実施形態として、電気自動車等に内蔵された二次電池を充電する充電装置を例に説明する。図1は、本発明に係る充電装置全体の構成例を示すブロック図である。
図1に示す充電装置は、非接触電力伝送システム1を利用して受電装置3内の二次電池34(充電式電池。以下、バッテリ34という。)を充電する構成である。非接触電力伝送システム1は、磁気共鳴方式により送電装置2から受電装置3に数MHz〜数百MHzの高周波交流電力を非接触で伝送するシステムである。なお、本実施形態では、13.56MHzの高周波交流電力を非接触で伝送するシステムを例にとって説明する。図1のブロック構成では、バッテリ34を除いた部分が充電装置の構成となる。バッテリ34を非接触で充電する非接触電力伝送システム1として、電気自動車に搭載されたバッテリを充電する充電システムが周知である。以下の説明では、電気自動車の充電システムを例に説明する。
送電装置2は、高周波電源21、インピーダンス整合器22、送電部23、制御部24、および通信ユニット25を含み、受電装置3は、受電部31、整流平滑回路32、電圧・電流検出器33、バッテリ34および通信ユニット35を含んで構成される。
高周波電源21は、商用電源から入力される商用電力(交流電力)を全波整流し、直流電力に変換する整流回路211と、整流回路211から入力される直流電力を高周波交流電力に変換する高周波インバータ回路212と、高周波電源21の出力端Aで進行波電力Pfと反射波電力Prを検出する電力検出器213と、を含んで構成される。高周波インバータ回路212は、制御部24からドライブ信号Sdが入力され、当該ドライブ信号Sdに基づき、内蔵するスイッチング素子をオンオフさせ、所定周波数(13.56MHz)の高周波交流電力がオン状態になるハイレベル期間と、高周波交流電力がオフ状態になるローレベル期間を有するパルス状の高周波交流電力を発生させる。また、高周波インバータ回路212は、所定周波数(13.56MHz)の高周波交流電力の振幅が第1レベルになるハイレベル期間と、高周波交流電力の振幅が第1レベルより低い第2レベルになるローレベル期間と、を有するパルス状の高周波交流電力を発生させるようにしてもよい。(請求項において、「第1期間」が上記ハイレベル期間に、「第2期間」が上記ローレベル期間に相当。)
整流回路211は、商用電源より入力される交流電力から高周波インバータ回路212への入力電力PCC(直流電圧VCC)を生成するブロックである。整流回路211は、例えば、4個の半導体整流素子をブリッジ接続した整流回路で商用電源から入力される商用電圧(例えば、AC100[V])を全波整流し、整流後のレベルを平滑回路で平滑化して直流電圧VCCを生成する周知の電源回路で構成される。なお、本発明の実施形態では、整流回路211に平滑回路を備えていなくてもよい。
高周波インバータ回路212は、整流回路211から入力される直流電力を、制御部24から入力されるドライブ信号Sdに基づき、ハイレベル期間とローレベル期間とを有するパルス状の高周波交流電力に変換して、出力するブロックである。高周波インバータ回路212の直流入力部には、高周波電流を供給するキャパシタを備えている。
高周波インバータ回路212は、例えば、図2に示すハーフブリッジ型のスイッチング・アンプで構成される。同図に示すスイッチング・アンプは、一対の電源端子b、b’の間に2つの同一タイプの半導体スイッチング素子QBの直列回路を接続したスイッチング回路と、そのスイッチング回路にドライブ信号を入力するドライブ回路と、そのスイッチング回路から出力される高周波交流電力を外部に出力する出力回路と、で構成される。
ドライブ回路は、一次巻線に、互いに逆方向に巻かれた2つの二次巻線を結合したトランスT1で構成される。トランスT1の一次巻線には、制御部24から出力されるドライブ信号Sd(出力制御信号Sdともいう)が入力され、トランスT1の一方の二次巻線(図2では上側の巻線)からドライブ信号Sdと同相の高周波信号v’が出力され、トランスT1の他方の二次巻線(図2では下側の巻線)からドライブ信号Sdと逆相の高周波信号−v’が出力される。
出力回路は、キャパシタC1とインダクタが直列接続された共振回路と、インダクタとキャパシタC2がL型接続されたインピーダンス変換回路と、を接続したフィルタ回路と絶縁用のトランスT2で構成される。図2のインダクタL1は、共振回路のインダクタとインピーダンス変換回路のインダクタを兼ねている。フィルタ回路は、スイッチング回路よりパルス出力される高周波交流電力から直流成分と不要な高周波成分(ノイズ成分)を除去する。フィルタ回路から出力される高周波交流電力は、トランスT2の一次巻線に入力される。トランスT2の二次巻線からパルス出力された高周波交流電力Pout(高周波交流電圧Vout)は、インピーダンス整合器22に出力される。
一対の半導体スイッチング素子QBにはNチャネル型のMOSFETが用いられるが、バイポーラトランジスタ等の他の種類のトランジスタを用いることができる。また、一対の半導体スイッチング素子QBをNチャネル型とPチャネル型を組み合わせたコンプリメンタル型にしてもよい。この場合は、トランスT1の二次巻線は1つでよく、高周波電圧v’のパルス出力をそれぞれNチャネル型MOSFETとPチャネル型MOSFETのゲートに入力すればよい。本実施形態では、高周波インバータ回路212をハーフブリッジ型のスイッチング・アンプで構成しているが、フルブリッジ型やプッシュプル型のスイッチング・アンプなどにより構成してもよい。また、本実施形態では、ドライブ回路にトランスT1を用いているが、矩形波の信号でドライブする場合は、デジタル・アイソレータを用いて構成することもできる。
ドライブ信号SdをSd=V・sin(2πf・t+φ)(f:基本周波数、φ:初期位相)とすると、トランスT1の一次巻線にドライブ信号Sdが入力されている期間では、トランスT1の一方の二次巻線から同相の高周波電圧v’=V’・sin(2πf・t+φ)が出力され、トランスT1の他方の二次巻線から逆相の高周波電圧−v’=−V’・sin(2πf・t+φ)が出力される。同相の高周波電圧v’は、一方の半導体スイッチング素子QB(図2では上側の半導体スイッチング素子QB)に入力され、逆相の高周波電圧−v’は、他方の半導体スイッチング素子QB(図2では下側の半導体スイッチング素子QB)に入力される。2つの半導体スイッチング素子QBは、Nチャネル型MOSFETであるから、一方の半導体スイッチング素子QBは、高周波電圧v’がハイレベルのときにオン動作をし、他方の半導体スイッチング素子QBは、高周波電圧−v’がハイレベルのときにオン動作をする。従って、2つの半導体スイッチング素子QBは、高周波電圧v’の半周期毎に交互にオンオフ動作を繰り返す。
2つの半導体スイッチング素子QBが交互にオンオフ動作を繰り返すことによって、接続点aの電圧Vaはv’>0の期間に「VCC」となり、v’≦0の期間にゼロレベルとなるように矩形波状に変化する。出力回路のフィルタ回路でその矩形波出力から直流成分とスイッチングノイズが除去されて、絶縁用のトランスT2を介して高周波交流電圧Voutが出力端子c、c’から出力される。
電力検出器213は、高周波インバータ回路212から出力される高周波交流電力の進行波電力Pfおよび反射波電力Prを検出するものであり、例えば、双方向性結合器と、その双方向性結合器から出力される進行波検出信号Vfと反射波検出信号Vrを検出する一対の電圧計と、進行波検出信号Vfと反射波検出信号Vrをそれぞれ進行波電力Pfと反射波電力Prに変換する変換器とで構成される。電力検出器213で検出された進行波電力Pfと反射波電力Prは制御部24に入力される。
インピーダンス整合器22は、高周波電源21から出力された進行波がインピーダンス整合器22の入力部で反射される量(反射波電力Pr)を抑えるために、高周波電源21の出力端Aから負荷側を見たインピーダンスZA(以下、「負荷側インピーダンスZA」)を調整するものである。インピーダンス整合器22は、例えば、第1のキャパシタ(図示しない)、インダクタ(図示しない)、および第2のキャパシタ(図示しない)をπ型に接続したπ型回路で構成される。高周波電源21は、特性インピーダンスZo(例えば、50[Ω])の負荷が接続された場合に最適な伝送効率で高周波交流電力を出力するように設計されている。制御部24は、負荷側インピーダンスZAが特性インピーダンスZOとなって、高周波電源21に戻ってくる反射波電力Prが小さくなるように、インピーダンス整合器22を制御する。例えば、制御部24は、電力検出器213から入力される反射波電力Prをモニタしながら、第1、第2のキャパシタの各キャパシタンスやインダクタのインダクタンスを変化させ、反射波電力Prが所定値以下となる値に設定する。なお、インピーダンス整合器22は、π型回路の他、L型回路、逆L型回路、T型回路などで構成されていてもよい。また、インピーダンス整合器22は、フェライトコアと一次巻線と二次巻線からなるトランスを用い、その巻数比を変化させて、インピーダンスを変化させるものであってもよい。
送電部23は、インピーダンス整合器22から出力される高周波交流電力を受電装置3の受電部31に無線で伝送する。送電部23は、例えば、複数ターンの円形コイルからなるインダクタ231とそのインダクタ231に直列に接続されたキャパシタ232との直列共振回路で構成される。送電部23では、直列共振回路の直列共振周波数fo(=1/[2π・√(L・C)])(L:インダクタ231の自己インダクタンス、C:キャパシタ232のキャパシタンス)が高周波電源21から出力される高周波交流電力の周波数fg(以下、電源周波数fg)[MHz]に調整されている。
制御部24は、ROM、RAM、CPUなどを備えるマイクロコンピュータやFPGA(Field−Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成される。制御部24は、後述する電圧・電流検出器33から入力される電流値(直流電流)・電圧値(直流電圧)が設定電流や設定電圧になるように、高周波電源21の高周波インバータ回路212にドライブ信号Sdを出力し、高周波電源21から出力される高周波交流電力を制御する。
本実施形態では、バッテリ34は、一般に電気自動車に搭載されるリチウム・イオン電池である。リチウム・イオン電池は、定電流で充電を開始し、電池電圧が所定の電圧に上昇すると、定電圧に切り換えて充電電流が所定の電流に変化するまで充電を行う定電流定電圧充電方式の二次電池である。制御部24は、定電流定電圧充電方式によるバッテリ34の充電プロセスにおける定電流充電制御と定電圧充電制御を高周波電源21から出力される高周波交流電力(出力電力)を制御することによって実現する。この制御部24についての詳細は、後述する。
通信ユニット25は、受電装置3内に設けられた通信ユニット35と無線通信を行って、受電装置3から電圧・電流検出器33で検出されたバッテリ34の充電電流Ijと電池電圧Vjの検出データを受信する。通信ユニット25は、受信回路、周波数変換回路および復調回路を含み、受信回路で通信ユニット35から送信される無線通信信号を受信し、周波数変換回路でその無線通信信号の周波数を所定の低周波に変換した後、復調回路で充電電流Ijと電池電圧Vjの検出データを復調する。通信ユニット25が受信した充電電流Ijと電池電圧Vjの検出データは制御部24に入力される。
受電部31は、送電装置2の送電部23との間で磁界結合をして送電部23からパルス状の高周波交流電力を受電する。受電部31は、送電部23と同一の構成を有し、複数ターンの円形コイルからなるインダクタ311とそのインダクタ311に直列に接続されたキャパシタ312との直列共振回路で構成される。受電部31も、直列共振回路の直列共振周波数fo(=1/[2π・√(L・C)])(L:インダクタ311の自己インダクタンス、C:キャパシタ312のキャパシタンス)が電源周波数fg[MHz]に調整されている。
整流平滑回路32は、受電部31から出力される高周波交流を整流し、平滑化する。整流平滑回路32は、例えば、4個の整流素子をブリッジ回路構成にした整流回路部と、コンデンサを用いた平滑回路部で構成される。送電部23から出力する周波数がHF帯の場合、4個の整流素子にはショートキーバリアーダイオードが用いられる。なお、整流素子には素子内部に並列にキャパシタが形成され、HF帯では、このキャパシタを通して進相の高周波電流が流れるので、この進相の高周波電流をキャンセルするためにブリッジ回路の入力端に、インダクタを並列接続したり、インダクタを直列接続したりするとよい。
電圧・電流検出器33は、直流電圧計と直流電流計を含み、直流電圧計で整流平滑回路32からバッテリ34に印加される直流電圧(電池電圧)Vjを計測し、直流電流計で整流平滑回路32からバッテリ34に供給される直流電流(充電電流)jを計測する。電圧・電流検出器33で検出された電池電圧Vjと充電電流Ijは、通信ユニット35、25を介して、送電装置2の制御部24に入力される。電圧・電流検出器33が検出する電池電圧Vjと充電電流Ijは、後述するキャリア条件設定部24Hに設定されるキャリア信号の所定周期(例えば1周期)ごとの平均値により測定される。もしくは、キャリア信号発生部24Iから出力されるキャリア信号SFLの所定周期であってもよく、比較部24Jから出力されるオンオフ信号SON-OFFの所定周期であってもよい。さらに、送電装置2から出力されたパルス状の高周波交流電力に基づき、1つのハイレベル期間と1つのローレベル期間とを1周期として、所定周期毎の平均値により測定するようにしてもよい。
バッテリ34は、充電により電池として繰り返し使用可能な二次電池で、例えば、ニッケル水素電池、ニッカド電池、リチウム・イオン電池等が含まれる。なお、鉛蓄電池であってもよい。本実施形態では、図3に示す充電特性を有するリチウム・イオン電池である例を説明する。
通信ユニット35は、送電装置2内に設けられた通信ユニット25と無線通信を行って、電圧・電流検出器33で検出されたバッテリ34の充電電流Ijと電池電圧Vjの検出データを送電装置2に送信する。通信ユニット35は、変調信号生成回路、キャリア発生回路、変調回路および送信回路を含み、変調信号生成回路で充電電流Ijおよび電池電圧Vjの情報を含む変調信号を生成し、キャリア発生回路で発生したキャリア信号を所定の変調方式により変調回路で変調して通信用信号を生成し、送信回路でその通信用信号を増幅した後、アンテナを介して空中に放射する(通信ユニット25に送信する)。
次に、本実施形態に係る制御部24のフィードバック制御による高周波電源21から出力される高周波交流電力の出力制御について、説明する。図4は、制御部24の高周波電源21の出力電力を制御する制御系の構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部24は、3個の加算器24A、24B、24Fと、3個の誤差増幅部24C、24D、24Gと、制御切換部24Eと、キャリア条件設定部24Hと、キャリア信号発生部24Iと、比較部24Jと、高周波条件設定部24Kと、高周波信号発生部24Lと、ドライブ信号発生部24Mと、出力停止制御部24Nと、を含んで構成される。
本実施形態では、高周波電源21の出力電力を制御することによってバッテリ34の定電流充電と定電圧充電の両制御を行うので、制御部24には、定電流充電制御に基づいて出力制御信号Sdを生成する処理回路と定電圧充電制御に基づいて出力制御信号Sdを生成する処理回路とが設けられている。加算器24Aおよび誤差増幅部24Cは、定電圧充電制御に基づいて、出力制御信号Sdを生成する処理回路であり、加算器24Bおよび誤差増幅部24Dは、定電流充電制御に基づいて、出力制御信号Sdを生成する処理回路である。
バッテリ34は、使用したい電圧や容量に合わせて直並列できるリチウム・イオン電池が使用される。リチウム・イオン電池は一般に、図3に示すように、充電開始からバッテリ34の電池電圧Vjが所定の電圧Vthに上昇するまでは定電流充電制御が行われ、電池電圧Vjが電圧Vthに上昇した後は充電電流Ijが最低充電電流Ijminに低下するまで定電圧充電制御が行われる。制御部24には、ユーザによってバッテリ34の定電流充電制御における定電流値Icjと、定電圧充電制御における定電圧値Vcjと、最低充電電流Ijminと、電圧Vthが設定される。
加算器24Aは、定電圧充電制御における定電圧値Vcjと電圧・電流検出器33で検出された電池電圧Vjの差電圧ΔVj(=Vcj−Vj)を演算し、誤差増幅部24Cはその差電圧ΔVjに所定のフィードバックゲインを乗じて高周波電源21の出力電力の制御目標値PCVを生成する処理を行う。加算器24Bは、定電流充電制御における定電流値Icjと電圧・電流検出器33で検出された充電電流Ijの差電流ΔIj(=Icj−Ij)を演算し、誤差増幅部24Dはその差電流ΔIjに所定のフィードバックゲインを乗じて高周波電源21の出力電力の制御目標値PCIを生成する処理を行う。
制御切換部24Eは、定電圧充電制御と定電流充電制御を切り換える処理を行うものである。具体的には、加算器24Fに出力する、差電圧ΔVjに基づく制御目標値PCVと差電流ΔIjに基づく制御目標値PCIとを切り換える制御を行う。制御切換部24Eには、ユーザによって設定された電圧Vth(定電流充電制御を定電圧充電制御に切り換える電池電圧Vjの閾値)と電圧・電流検出器33で検出された電池電圧Vjとが入力され、制御切換部24Eは、電池電圧Vjと電圧Vthを比較し、Vj<Vthであれば、差電流ΔIjに基づく制御目標値PCIを加算器24Fに出力し、Vj≧Vthであれば、差電圧ΔVjに基づく制御目標値PCVを加算器24Fに出力する。
加算器24Fと誤差増幅部24Gは、制御目標値PCVまたは制御目標値PCIと電力検出器213で検出された進行波電力Pfとの差電力ΔPfに基づいて、制御信号SΔPを生成する処理回路である。加算器24Fには、電力検出器213で検出された進行波電力Pfが入力され、加算器24Fは、その進行波電力Pfと制御切換部24Eから入力される制御目標値PCVまたは制御目標値PCIとの差電力ΔPf(=PCV−PfまたはPCI−Pf)を演算する。そして、誤差増幅部24Gは、その差電力ΔPfに所定のフィードバックゲインを乗じた制御信号SΔPを後述する比較部24Jに出力する。
キャリア条件設定部24Hは、予め設定されたプログラムによって生成されるキャリア信号SFLの周波数fp、振幅A等のパラメータを、キャリア信号発生部24Iに設定する。周波数fpは、例えば、後述する高周波条件設定部24Kに設定される高周波電圧Voの周波数f(13.56MHz)に対して百分の1〜千分の1の低い周波数が設定される。なお、キャリア信号SFLの周波数fp、振幅A等のパラメータは、利用者によって変更可能なようにしておいてもよい。
キャリア信号発生部24Iは、キャリア条件設定部24Hに設定された周波数fp、振幅A等のパラメータに基づき、鋸波形状(鋸型)または三角波状のキャリア信号SFLを発生させ、比較部24Jに出力する。以下、鋸型のキャリア信号SFLを用いて説明する。
比較部24Jは、誤差増幅部24Gから入力される制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iから入力されるキャリア信号SFLとを比較して、後述する高周波信号発生部24Lでの高周波信号の発生を制御するためのパルス信号(以下、オンオフ信号)SON-OFFを生成して出力する。具体的には、比較部24Jは、誤差増幅部24Gから入力される制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iから入力される鋸型のキャリア信号SFLを比較し、制御信号SΔPがキャリア信号SFLより大きいときにオン電圧となるように、一方、制御信号SΔPがキャリア信号SFL以下のときにオフ電圧となるように、オンオフ信号SON-OFFを生成する。よって、比較部24Jから出力されるオンオフ信号SON-OFFは、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPに応じて、パルス幅(あるいはデューティ比)が調整される。
高周波条件設定部24Kは、予め設定されたプログラムによって生成される高周波電圧Voの周波数f(13.56MHz)、初期位相φ等のパラメータを、高周波信号発生部24Lに設定する。なお、高周波電圧Voの周波数f、初期位相φ等のパラメータは、利用者によって変更可能なようにしておいてもよい。
高周波信号発生部24Lは、高周波条件設定部24Kから入力される周波数fおよび初期位相φ、比較部24Jから入力されるオンオフ信号SON-OFFに基づき、高周波信号がオン状態または高周波信号の振幅がハイレベルになるハイレベル期間と、高周波信号がオフ状態または高周波信号の振幅がハイレベルより低いローレベルになるローレベル期間と、をオンオフ信号SON-OFFの周波数で交互に繰り返すパルス状の高周波信号SFHを生成する。具体的には、比較部24Jから入力されるオンオフ信号SON-OFFがオン電圧のとき、例えばダイレクト・デジタル・シンセサイザーによりAn・sin(2πf・t+φ)(An:既定の振幅)で表わされる正弦波の高周波電圧Vo(高周波信号SF)を発生させ、オンオフ信号SON-OFFがオフ電圧のとき、高周波電圧Voを発生させない。これにより、高周波信号がオン状態になるハイレベル期間と高周波信号がオフ状態になるローレベル期間とを有するパルス状の高周波信号SFHが生成される(後述する図6(c))。そして、高周波信号発生部24Lは、生成したパルス状の高周波信号SFHをドライブ信号発生部24Mに出力する。
または、比較部24Jから入力されるオンオフ信号SON-OFFがオン電圧のとき、上記ダイレクト・デジタル・シンセサイザーによりA1・sin(2πf・t+φ)(A1:ハイレベルの振幅)で表わされる正弦波の高周波電圧Vo(高周波信号SF)を発生させ、オンオフ信号SON-OFFがオフ電圧のとき、A2・sin(2πf・t+φ)(A2:ローレベルの振幅;0≦A2<A1)で表わされる正弦波の高周波電圧Vo(高周波信号SF)を発生させる。これにより、高周波信号の振幅がハイレベルになるハイレベル期間と高周波信号の振幅がローレベルになるローレベル期間とを有するパルス状の高周波信号SFHが生成される。なお、以下、本実施形態の説明では、高周波信号発生部24Lは、オン状態になるハイレベル期間とオフ状態になるローレベル期間を有するパルス状の高周波信号SFHを生成する例を説明する。
ドライブ信号発生部24Mは、高周波信号発生部24Lにより入力されるパルス状の高周波信号SFHに基づき、高周波インバータ回路212のドライブ回路を駆動するためのドライブ信号(出力制御信号)Sdを発生させ、高周波インバータ回路212のドライブ回路に出力する。
出力停止制御部24Nは、高周波電源21の電力出力を停止させる(バッテリ34の充電を停止する)処理を行う。出力停止制御部24Nは、定電圧充電制御でバッテリ34の充電電流Ijが最低充電電流Ijminに低下すると、充電完了と見做して高周波電源21の電力出力を停止させる。また、電力検出器213による反射波電力Prの検出値がユーザによって予め設定されたPrthを超える場合も、反射波電力により高周波電源21の損失が増加したり、高周波電源21とインピーダンス整合器22との間の無効電力が増加したりするため、高周波電源21の電力出力を停止させる。
出力停止制御部24Nには、ユーザによって設定された反射波電力の閾値Prthおよび最低充電電流Ijminと、電圧・電流検出器33による充電電流Ijの検出値と、電力検出器213による反射波電力Prの検出値が入力される。出力停止制御部24Nは、反射波電力Prの検出値と閾値Prthを比較し、Prth<Prであれば、出力停止信号Sstopを誤差増幅部24C、24Dに出力する。また、出力停止制御部24Nは、充電電流Ijの検出値と最低充電電流Ijminを比較し、Ij≦Ijminになると、出力停止信号Sstopを誤差増幅部24C、24Dに出力する。誤差増幅部24C、24Dは、出力停止信号Sstopが入力されると、出力電力の制御目標値PCV、PCIをゼロにする。これにより、高周波電源21からの出力電力をゼロにする出力制御信号Sdが高周波電源21に出力されるので、高周波電源21の出力電力が強制的にゼロとなるように制御される。
次に、本実施形態に係る制御部24が行う高周波電源21の電力出力制御の処理について、図5、図6を用いて説明する。以下の説明では、バッテリ34の残容量が「充電要」となったので、電気自動車が所定の充電位置に駐車され、受電装置3から送電装置2に出力される電力供給要求に基づいて制御部24が高周波電源21の出力を制御する場合について説明する。なお、受電装置3から送電装置2に出力される電力供給要求は、例えば、通信ユニット35、25による無線通信によって行われる。また、制御部24は、電力検出器213からの反射波電力Prの検出値に基づき、インピーダンス整合器22のインピーダンス調整や出力停止処理を行うが、これらの処理についての詳細は割愛する。
上述する受電装置3から送電装置2に出力される電力供給要求により、高周波電源21からの電力出力が開始されると、制御部24は、電圧・電流検出器33で検出された電池電圧Vjと充電電流Ijを、通信ユニット35、25を介して、読み込む(ステップS101)。ここで、電圧・電流検出器33は、電池電圧Vjと充電電流Ijを検出するとき、キャリア信号発生部24Iが発生するキャリア信号SFLの周期または比較部24Jから出力されるオンオフ信号SON-OFFの周期毎の平均値によりそれらの値を検出する。そして、制御部24は、電池電圧Vjが予め設定された電圧Vth以上であるか否かを判別する(ステップS103)。制御部24は、Vj<Vthであれば(ステップS103;NO)、ステップS107に移行して定電流充電制御を行う。一方、Vj≧Vthであれば(ステップS103;YES)、電圧・電流検出器33で検出された充電電流Ijと予め設定された最低充電電流Ijminを比較し(ステップS105)、Ij>Ijmin(ステップS105;YES)であれば、ステップS111に移行して定電圧充電制御を行う。
通常、バッテリ34が満充電状態でなければ、出力制御の開始後の最初のステップS103の処理ではVj<Vthとなるので、制御部24は、ステップS107に移行して最初に定電流充電制御で受電装置3への高周波交流電力の供給を制御し(バッテリ34を定電流制御で充電し)、この定電流充電制御で電池電圧Vjが閾値Vthに上昇すると(ステップS103;YES)、定電圧充電制御に切り換えて受電装置3への高周波交流電力の供給を制御する(バッテリ34を定電圧制御で充電する)。
定電流充電制御では、制御部24は、予め設定された定電流Icjと電圧・電流検出器33で検出された充電電流Ijの差電流ΔIj(=Icj−Ij)を算出し(ステップS107)、その差電流ΔIjに所定のフィードバックゲインを乗じて制御目標値PCIを生成する(ステップS109)。その後、さらに、その制御目標値PCIと電力検出器213で検出された進行波電力Pfとの差電力ΔPf(=PCI−Pf)を算出し、誤差増幅部24Gは、その差電力ΔPfに所定のフィードバックゲインを乗じて、制御信号SΔP(図6(a)破線)を生成する(ステップS115)。そして、誤差増幅部24Gは、生成した制御信号SΔPを比較部24Jに出力する。このとき、キャリア信号発生部24Iは、キャリア条件設定部24Hに設定されるキャリア条件を満たす鋸波形状のキャリア信号SFL(図6(a)実線)を発生させ、比較部24Jに出力する。
続いて、比較部24Jは、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iからの所定周波数のキャリア信号SFLを比較し、その比較結果となるオンオフ信号SON-OFF(図6(b))を生成し、高周波信号発生部24Lに出力する(ステップS117)。具体的には、比較部24Jは、制御信号SΔPがキャリア信号SFLより大きいとき(T1)には、オン電圧になるように、一方、制御信号SΔPがキャリア信号SFL以下のとき(T2)には、オフ電圧となるように、オンオフ信号SON-OFFを生成する。
高周波信号発生部24Lは、入力されるオンオフ信号SON-OFFがオン電圧であるときに、高周波条件設定部24Kに設定される高周波条件の高周波信号を発生させ、オンオフ信号SON-OFFがオフ電圧であるときに、高周波信号を発生させない。これにより、高周波信号発生部24Lは、高周波信号がオン状態になるハイレベル期間と高周波信号がオフ状態になるローレベル期間とをオンオフ信号SON-OFFの周波数で交互に繰り返すパルス状の高周波信号SFH(図6(c))を生成し、ドライブ信号発生部24Mに出力する(ステップS119)。
ドライブ信号発生部24Mは、高周波信号発生部24Lから出力されるパルス状の高周波信号SFHに基づき、ドライブ回路を駆動させるための、ドライブ信号Sd(図6(c)と同様の波形)を発生させ、高周波インバータ回路212のドライブ回路に出力する(ステップS121)。高周波インバータ回路212は、このドライブ信号Sdに基づき、ドライブ回路を動作させ、パルス状の高周波交流電力を生成し、受電装置3に供給する。高周波インバータ回路212から出力される高周波交流電力は、進行波電力Pfに相当するので、受電装置3にはその進行波電力Pfから反射が電力Prを差し引いた電力PL(=Pf−Pr)が供給される。
その後、定電流充電制御で電池電圧Vjが閾値Vthに上昇すると(ステップS103;NO)、制御部24は、ステップS105の判定処理を行うが、この時には充電電流IjはIjmin<Ijであるので、制御切換部24Eは、ステップS111に移行し、定電圧充電制御に切り換えて高周波電源21の出力電力の制御を行う。
定電圧充電制御では、制御部24は、予め設定された定電圧Vcjと電圧・電流検出器33で検出された電池電圧Vjの差電圧ΔVj(=Vcj−Vj)を算出し(ステップS111)、その差電圧ΔVjに所定のフィードバックゲインを乗じて制御目標値PCVを生成する(ステップS113)。その後、さらに、その制御目標値PCVと電力検出器213で検出された進行波電力Pfとの差電力ΔPf(=PCV−Pf)を算出し、誤差増幅部24Gは、その差電力ΔPfに所定のフィードバックゲインを乗じて、制御信号SΔP(図6(a)破線)を生成する(ステップS115)。その後、定電流充電制御の場合と同様に、ステップS117〜ステップS121の処理が行われ、高周波インバータ回路212のドライブ回路にドライブ信号発生部24Mが生成したドライブ信号Sdが入力され、高周波インバータ回路212からパルス状の高周波交流電力が出力され、受電装置3に電力が供給される。
この定電圧充電制御により、バッテリ34に充電が行われていき、充電電流Ijが最低充電電流Ijminに低下し、Ij≦Ijminとなると(ステップS105;NO)、出力停止制御部24Nは、充電が完了したと見做して、ステップS123に移行し、出力停止制御部24Nにより出力停止処理が行われ、電力出力制御を終了する。
以上のように、制御部24が高周波電源21の高周波インバータ回路212を制御することで、高周波電源21からパルス状の高周波交流電力が出力され、制御目標値PCV、PCIに応じて調整された出力電力がバッテリ34に供給される。
次に、バッテリ34に供給される電力(高周波電源21からの出力電力)が制御目標値PCVまたはPCIに対して、大きい状態のときと小さい状態のときとの各出力信号の波形を、図7を用いて説明する。
まず、高周波電源21から出力される進行波電力Pfが制御目標値PCVまたはPCIよりも大きい状態のときについて説明する。この状態では、進行波電力Pfが制御目標値PCVまたはPCIを上回っているため、その差電力ΔPf(=PCV−PfまたはPCI−Pf)は負の値となる。この状態では、図7(a)に示すように、差電力ΔPfに基づく制御信号SΔP(図において、破線で示す)は、図6の場合(一点鎖線で示す)と比べ低い値が出力される。そして、比較部24Jが、この制御信号SΔPとキャリア信号SFLを比較することで、オンオフ信号SON-OFFが生成される。生成されたオンオフ信号SON-OFFは、図6の場合と比べ、オン電圧の期間が短く、オフ電圧の期間が長いオンオフ信号SON-OFFとなる。さらに、このオンオフ信号SON-OFFに基づきパルス状の高周波信号SFHが生成されるので、ハイレベル期間が短く、ローレベル期間が長いパルス状の高周波信号SFHが生成されることになる。そして、このパルス状の高周波信号SFHと同様の出力波形となるドライブ信号Sdにより高周波インバータ回路212が制御されるので、高周波電源21から出力される高周波電力Pfは小さくなり、制御目標値PCVまたはPCIとの差分が小さくなるように制御が行われる。
続いて、高周波電源21から出力される進行波電力Pfが制御目標値PCVまたはPCIよりも小さい状態の時について説明する。この状態では、進行波電力Pfが制御目標値PCVまたはPCIを下回っているため、その差電力ΔPf(=PCV−PfまたはPCI−Pf)が、正の値となる。この状態では、図7(b)に示すように、差電力ΔPfに基づく制御信号SΔP(図において、破線で示す)は、図6の場合(一点鎖線で示す)と比べ高い値が出力される。そして、比較部24Jが、この制御信号SΔPとキャリア信号SFLを比較することで、オンオフ信号SON-OFFが生成される。生成されたオンオフ信号SON-OFFは、図6の場合と比べ、オン電圧の期間が長く、オフ電圧の期間が短いオンオフ信号SON-OFFとなる。さらに、このオンオフ信号SON-OFFに基づきパルス状の高周波信号SFHが生成されるので、ハイレベル期間が長く、ローレベル期間が短いパルス状の高周波信号SFHが生成されることになる。このパルス状の高周波信号SFHと同様の出力波形となるドライブ信号Sdにより高周波インバータ回路212が制御されるので、高周波電源21から出力される高周波電力Pfは大きくなり、制御目標値PCVまたはPCIとの差分が小さくなるように制御が行われる。
以上で説明したように、本実施形態に係る送電装置2によれば、バッテリ34の電池電圧Vjと充電電流Ijを制御部24にフィードバックし、定電流充電制御期間では、高周波電源21の出力電力を、充電電流Ijを定電流ICjに制御するための補償値である制御目標値PCIに制御し、定電圧充電制御期間では、高周波電源21の出力電力を、電池電圧Vjを定電圧VCjに制御するための補償値である制御目標値PCVに制御する。これにより、従来のように、バッテリ34の前段にDC/DCコンバータ等の充電制御機器を設け、その充電制御機器でバッテリ34の定電流充電制御や定電圧充電制御を行わせる必要がなく、受電装置3の構成の簡素化やコスト低減を図ることができる。
また、高周波電源21から、ハイレベル期間とローレベル期間とを有するパルス状の高周波交流電力を出力するようにしたので、送電装置2にDC/DCコンバータ等の電力制御機器を設け、高周波電源21から出力される電力の調整制御を行わせる必要がなく、送電装置2の構成の簡素化やコスト低減を図ることができる。
次に、本実施形態の変形例に係る制御部24’のフィードバック制御による高周波電源21から出力される高周波交流電力の出力制御について、説明する。なお、本実施形態に係る制御部24と同じ構成については、同じ符号番号を付してその説明を省略する。
制御部24’は、制御部24に置き換えられたものであり、図8は、制御部24’の高周波電源21の出力電力を制御する制御系の構成を示すブロック図である。図8に示すように、制御部24’は、3個の加算器24A、24B、24Fと、3個の誤差増幅部24C、24D、24Gと、制御切換部24Eと、キャリア条件設定部24Hと、キャリア信号発生部24Iと、比較部24J’と、高周波条件設定部24Kと、高周波信号発生部24L’と、乗算部24Pと、ドライブ信号発生部24Mと、出力停止制御部24Nと、を含んで構成される。
比較部24J’は、誤差増幅部24Gから入力される制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iから入力されるキャリア信号SFLとを比較し、後述する高周波信号発生部24L’で生成される高周波信号をオンオフ制御するためのパルス信号(以下、オンオフ信号)SON-OFFを乗算部24Pに出力する。具体的には、比較部24J’は、誤差増幅部24Gから入力される制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iから入力される鋸型のキャリア信号SFLを比較し、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPがキャリア信号発生部24Iからのキャリア信号SFLより大きいときにオン電圧となるように、一方、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPがキャリア信号発生部24Iからのキャリア信号SFL以下のときにオフ電圧となるように、オンオフ信号SON-OFFを生成する。
高周波信号発生部24L’は、高周波条件設定部24Kから入力される周波数fおよび初期位相φに基づき、例えば、ダイレクト・デジタル・シンセサイザーによりAn・sin(2πf・t+φ)(An:既定の振幅)で表わされる正弦波の高周波電圧Vo(高周波信号SF)を生成する。そして、高周波信号発生部24L’は、生成した高周波信号SFを乗算部24Pに出力する。
乗算部24Pは、比較部24J’から入力されるオンオフ信号SON-OFFと高周波信号発生部24L’から入力される高周波信号SFとを乗算し、高周波信号がオン状態になるハイレベル期間と高周波信号がオフ状態になるローレベル期間とを、オンオフ信号SON-OFFの周波数で交互に繰り返すパルス状の高周波信号SFHを生成する。そして、乗算部24Pは、生成したパルス状の高周波信号SFHをドライブ信号発生部24Mに出力する。ドライブ信号発生部24Mは、入力されるパルス状の高周波信号SFHによりドライブ回路を駆動するためのドライブ信号Sdを発生させ、高周波インバータ回路212のドライブ回路に出力する。
また他の態様では、比較部24J’は、誤差増幅部24Gから入力される制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iから入力される鋸型のキャリア信号SFLを比較し、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPがキャリア信号発生部24Iからのキャリア信号SFLより大きいときにハイレベルの電圧となるように、一方、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPがキャリア信号発生部24Iからのキャリア信号SFL以下のときにハイレベルより低いローレベルの電圧となるように、オンオフ信号SON-OFFを生成するようにしておく。そして、乗算部24Pは、比較部24J’から入力されるオンオフ信号SON-OFFと高周波信号発生部24L’から入力される高周波信号SFとを乗算し、高周波信号の振幅がハイレベルになるハイレベル期間と高周波信号の振幅がローレベルになるローレベル期間と、を有するパルス状の高周波信号SFHを生成するようにしてもよい。
次に、本実施形態の変形例に係る制御部24’が行う高周波電源21の電力出力制御の処理について、図9、図10を用いて説明する。以下の説明では、バッテリ34の残容量が「充電要」となったので、電気自動車が所定の充電位置に駐車され、受電装置3から送電装置2に出力される電力供給要求に基づいて制御部24が高周波電源21の出力を制御する場合について説明する。図9に示すように、図5のフローチャートと比べ、ステップS119のパルス状の高周波信号SFHの生成処理が、ステップS119’に置き換わっている。ステップS119’において、乗算部24Pは、ステップS117で比較部24J’により生成されたオンオフ信号SON-OFF(図10(b))と、高周波信号発生部24L’により生成された高周波信号SF(図10(c))と、を乗算し、ハイレベル期間とローレベル期間とを、オンオフ信号SON-OFFの周波数で交互に繰り返すパルス状の高周波信号SFH(図10(d))を生成する。
以上で説明したように、本実施形態の変形例においても、バッテリ34の電池電圧Vjと充電電流Ijを制御部24にフィードバックし、定電流充電制御期間では、高周波電源21の出力電力を、充電電流Ijを定電流ICjに制御するための補償値である制御目標値PCIに制御し、定電圧充電制御期間では、高周波電源21の出力電力を、電池電圧Vjを定電圧VCjに制御するための補償値である制御目標値PCVに制御する。これにより、従来のように、バッテリ34の前段にDC/DCコンバータ等の充電制御機器を設け、その充電制御機器でバッテリ34の定電流充電制御や定電圧充電制御を行わせる必要がなく、受電装置3の構成の簡素化やコスト低減を図ることができる。
また、高周波電源21から、ハイレベル期間とローレベル期間とを有するパルス状の高周波交流電力を出力するようにしたので、送電装置2にDC/DCコンバータ等の電力制御機器を設け、高周波電源21から出力される電力の調整制御を行わせる必要がなく、送電装置2の構成の簡素化やコスト低減を図ることができる。
上記実施形態では、比較部24J、24J’が誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPとキャリア信号発生部24Iからのキャリア信号SFLとを比較し、オンオフ信号SON-OFFを生成する例を説明したが、これに限らない。例えば、比較部24J、24J’の代わりにオンオフ信号発生部を備え、当該オンオフ信号発生部は、ある一定のオン電圧の期間と、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPの大きさに従ったオフ電圧の期間とからなるオンオフ信号SON-OFFを生成するようにしてもよい。具体的には、オンオフ信号発生部は、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPが基準値(ゼロ)(換言すれば、高周波電源21からの出力電力と制御目標値とが同じ)の場合、ある一定期間のオン電圧と、その期間と同一のオフ電圧と、からなるオンオフ信号SON-OFFを生成し、誤差増幅部24Gからの制御信号SΔPが基準値より大きくなるに従い(高周波電源21からの出力電力が制御目標値より小さくなるに従い)、オフ電圧の期間を短くさせ、一方、制御信号SΔPが基準値より小さくなる(高周波電源21からの出力電力が制御目標値より大きくなるに従い)にオフ電圧の期間を長くさせたオンオフ信号SON-OFFを生成する。よって、誤差増幅部24Gから出力される制御信号SΔPに応じてオンオフ信号SON-OFFのデューティ比を変化させ、高周波電源21から出力される高周波交流電力を調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、バッテリ34が定電流定電圧充電方式の二次電池であるので、高周波電源21の出力制御を定電流充電制御と定電圧充電制御を切り換えて行う構成としたが、バッテリ34が定電流充電方式もしくは定電圧充電方式で充電可能であれば、その一方のみを行うような構成であってもよい。この場合、定電流充電方式では、図4において、定電圧制御に関する加算器24Aと誤差増幅部24C、および、制御切換部24Eの構成を削除し、また、定電圧充電方式では、定電流制御に関する加算器24Bと誤差増幅部24D、および、制御切換部24Eの構成を削除すればよい。
さらに、上記実施形態では、高周波電源21から出力される進行波電力Pfを制御していたが、進行波電力Pfに代えて受電装置3に供給される電力PL(進行波電力Pfから反射波電力Prを差し引いた電力)を制御するようにしてもよい。この場合は、図4において、加算器24Fと電力検出器213との間に進行波電力Pfから反射波電力Prを減算して電力PLを算出する電力演算部を設け、その電力演算部から加算器24Fに電力PLを入力するようにすればよい。
また、進行波電力Pfに代えて高周波電源21から出力される有効電力Pを制御するようにしてもよい。この場合は、電力検出器213に変えてRF検出器を設けるとともに、RF検出器と加算器24Fの間に電力演算部を設け、RF検出器で高周波電源21の出力端Aにおける高周波(RF)電圧v、高周波(RF)電流iおよび位相差θ(RF電圧vとRF電流iの位相差)を検出し、電力演算部でこれらの検出値から有効電力Pを算出し、加算器24Fに入力すればよい。なお、有効電力Pは、RF電圧vとRF電流iの振幅をそれぞれVm、Imとすると、P=Vm・Im・cos(θ)/2の演算式により算出される。
また、電力演算部で無効電力Qを演算し、反射波電力Prに代えて無効電力Qを用いて出力停止の制御をするようにしてもよい。この場合は、出力停止制御部24Nに無効電力Qの閾値Qthを設定するとともに、電力演算部で算出した無効電力Qを入力し、出力停止制御部24Nでその無効電力Qと閾値Qthを比較し、Qth<Qの場合に出力停止信号Sstopを誤差増幅部24C、24Dに出力させるようにすればよい。
その他、上記実施形態では、非接触電力伝送システム1を用いた電気自動車の充電システムについて説明したが、本発明は、電気自動車の充電システムに限定されるものではなく、携帯電話や携帯端末等の二次電池を充電する非接触の充電装置にも適用することができる。
また、図11に示すように、図1において、無線で高周波交流電力をバッテリ34側に伝送する構成(送電部23と受電部31)と無線で電池電圧Vjと充電電流Ijの検出値を制御部24に通信する構成(通信ユニット25、35)を除去し、インピーダンス整合器22と整流平滑回路32を直結するとともに電圧・電流検出器33と制御部24を接続して、充電装置4を有線により高周波交流電力と電池電圧Vjおよび充電電流Ijの検出値を伝送する構成にしてもよい。
上記実施形態では、パルス状の高周波交流電力の第1レベルと第2レベルとの切り替えを、制御部24内で生成される高周波信号SFHにハイレベルとローレベルとを設けることで行っているが、これに限定されるものではない。高周波信号SFHにハイレベルとローレベルを設けるのではなく、高周波インバータ回路212のスイッチング回路に入力される電圧を切り替えることで行うようにしてもよい。例えば、図12や図13に示すように、商用電源から商用周波数の電圧を入力し、全波整流後、コンデンサ(図12ではC11とC12、図13ではC21とC22)を2直列させた回路に入力する。そして、2直列したコンデンサのプラス側出力端子、マイナス側出力端子、および、2直列接続部の端子の計3端子を、高周波インバータ回路212’に接続するようにして、パルス状の高周波電力を出力させるようにしてもよい。なお、図12に示す構成は、ハーフブリッジ回路を変形した回路構成であり、図13に示す構成は、フルブリッジ回路を変形した回路構成である。図12および図13において、Q11〜Q14、Q21〜Q26は、上記実施形態のQBと同様に、MOSFETである。
図12において、制御部24は、Q11およびQ12のゲートにオンオフ信号SON-OFFを入力し、Q13およびQ14のゲートに高周波信号SFに基づくドライブ信号を入力するように高周波電源21を制御する。例えば、図12(a)においては、Q11がオンでQ12がオフの場合、Q13およびQ14からなるスイッチング回路には、整流回路から出力される電圧が印加され、高周波交流電力Pout(高周波交流電圧Vout)は第1レベルとなる。また、Q11がオフでQ12がオンの場合、Q13およびQ14からなるスイッチング回路には、整流回路から出力される電圧をコンデンサC11とC12とで分圧した電圧が印加され、高周波交流電力Pout(高周波交流電圧Vout)は第2レベルとなる。これにより、高周波電源21からパルス状の高周波交流電力が出力される。図12(b)は、Q11およびQ12を、Q13およびQ14からなるスイッチング回路の負極側に設けたものである。また、図13においては、制御部24は、Q21およびQ22のゲートにオンオフ信号SON-OFFを入力し、Q23ないしQ26のゲートに高周波信号SFに基づくドライブ信号を入力するように高周波電源21を制御することで、高周波電源21からパルス状の高周波交流電力が出力される。これにより、上記実施形態と同様に、高周波電源21からパルス状の高周波交流電力を出力させることができ、さらには、高周波電源21のスイッチングによる電力ロスをより少なくさせることが可能となる。
また、上記実施形態では、被充電体として二次電池を例に説明したが、被充電体は、直流で充電されるものであれば、二次電池に限定されるものではなく、畜電器(例えば、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタなど)であってもよい。また、上記実施形態では、被充電体を充電する充電装置について説明したが、本発明は、直流で電力の供給を受ける負荷に対して、交流電力を直流電力に変換し、その直流電力を定電流制御もしくは定電圧制御で負荷に供給する直流電力供給装置に広く適用できる。
1 非接触電力伝送システム
2 送電装置
21 高周波電源(電力発生手段)
211 整流回路
212 高周波インバータ回路
213 電力検出器
22 インピーダンス整合器(インピーダンス調整手段)
23 送電部
231 インダクタ
232 キャパシタ
24、24’ 制御部(制御手段)
24A、24B、24F 加算器
24C、24D、24G 誤差増幅部
24E 制御切換部
24H キャリア条件設定部
24I キャリア信号発生部(キャリア信号発生手段)
24J、24J’ 比較部(比較手段)
24K 高周波条件設定部
24L、24L’ 高周波信号発生部(高周波信号発生手段)
24M ドライブ信号発生部(ドライブ信号発生手段)
24N 出力停止制御部
24P 乗算部(高周波信号発生手段)
25、35 通信ユニット
3 受電装置
31 受電部
311 インダクタ
312 キャパシタ
32 整流平滑回路(電力変換手段)
33 電圧・電流検出器(検出手段)
34 バッテリ(負荷)
4 充電装置

Claims (11)

  1. 高周波インバータを有し、高周波交流電力を出力する電力発生手段と、
    前記高周波交流電力を直流電力に変換し、負荷に供給する電力変換手段と、
    前記負荷に供給される直流電力に関する電気的な物理量を検出する検出手段と、
    前記高周波交流電力の周波数より低い周波数のパルス信号を発生させ、発生させた前記パルス信号に基づき、前記電力発生手段から出力される高周波交流電力を、前記高周波交流電力が第1レベルになる第1期間と前記高周波交流電力が前記第1レベルより低い第2レベルになる第2期間とを前記パルス信号の周波数で交互に繰り返すパルス状の高周波交流電力にし、前記検出手段により検出される物理量が所定の目標値となるように、前記パルス信号の波形を調整することで、前記電力発生手段を制御する制御手段と、
    を備え
    前記電力発生手段は、前記高周波交流電力の周波数と同一周波数の高周波信号に基づき、入力される電力を前記高周波交流電力に変換する第1のスイッチング回路と、前記第1のスイッチング回路に入力する電力のレベルを、前記パルス信号に基づき、前記第1レベルと前記第2レベルとで切り替える第2のスイッチング回路と、を有しており、
    前記制御手段は、前記第1のスイッチング回路に前記高周波信号を入力し、前記第2のスイッチング回路に前記パルス信号を入力することで、前記電力発生手段から出力される高周波交流電力を前記パルス状の高周波交流電力にする、
    ことを特徴とする直流電力供給装置。
  2. 前記電力発生手段は、
    交流電力を整流し、直流電圧を発生させる整流回路と、
    前記整流回路から入力される直流電圧を、前記第1レベルの直流電圧と前記第2レベルの直流電圧とに分圧する複数のコンデンサと、
    をさらに有しており、
    前記第2のスイッチング回路は、前記パルス信号に基づき、前記第1レベルの直流電圧を前記第1のスイッチング回路に印加する状態と前記第2レベルの直流電圧を前記第1のスイッチング回路に印加する状態とを切り替える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の直流電力供給装置。
  3. 前記制御手段は、前記検出手段により検出される物理量と前記目標値との差分に基づき、前記パルス信号のパルス幅を調整する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流電力供給装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記検出手段により検出される物理量と前記目標値との差分を算出し、当該差分情報を示す差分信号を発生する差分信号発生手段と、
    キャリア信号を発生させるキャリア信号発生手段と、
    前記差分信号と前記キャリア信号を比較し、その比較結果に基づき前記パルス信号を発生させる比較手段と、
    前記高周波信号を発生させる高周波信号発生手段と、
    を含んでおり、
    前記比較手段が発生させた前記パルス信号を前記第2のスイッチング回路に入力し、前記高周波信号発生手段が発生させた前記高周波信号を前記第1のスイッチング回路に入力する、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の直流電力供給装置。
  5. 前記比較手段は、前記差分信号が前記キャリア信号より大きいときは、前記第1レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力されるようにし、一方、前記差分信号が前記キャリア信号以下のときは、前記第2レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力されるように、前記パルス信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の直流電力供給装置。
  6. 前記制御手段は、前記第1レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力される期間が、一定となり、前記第2レベルの電力が前記第1のスイッチング回路に入力される期間が、前記検出手段により検出される物理量と前記目標値との差分に基づき変化するように、前記パルス信号を生成する、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の直流電力供給装置。
  7. 前記検出手段で検出される物理量は、前記パルス信号の所定周期ごとの平均値である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の直流電力供給装置。
  8. 前記検出手段で検出される物理量は、直流電流、直流電圧、あるいは、直流電力のうち少なくとも1つである、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の直流電力供給装置。
  9. 前記電力発生手段と前記電力変換手段の間に設けられ、前記電力発生手段の出力端における反射波電力が所定値以下となるように、前記出力端から前記負荷側をみたインピーダンスを調整するインピーダンス調整手段を、さらに備える、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の直流電力供給装置。
  10. 前記インピーダンス調整手段と前記電力変換手段との間に互いに磁気結合された一対のコイルが設けられ、前記電力発生手段から出力された交流電力が前記一対のコイルを介して非接触で前記電力変換手段に伝送される、
    ことを特徴とする請求項9に記載の直流電力供給装置。
  11. 前記負荷は、二次電池または蓄電器である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載の直流電力供給装置。
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