JP2016208602A - 非接触電力伝送装置 - Google Patents

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雄一 田口
琢磨 小野
Takuma Ono
琢磨 小野
祐司 大北
Yuji Okita
祐司 大北
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Abstract

【課題】コストや装置の体格を増加せずに、1次側コイルと2次側コイルとの位置ズレや負荷変動時に、悪影響を抑制した状態で1次側の電源を動作させる。【解決手段】非接触電力伝送装置10は、交流電源12から交流電力が入力される1次側コイル13aと、1次側コイルから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイル23aと、2次側コイルにて受電された交流電力を整流する整流器24と、整流器24から直流電力が入力されるメインバッテリ22と、整流器24とメインバッテリ22との間にメインバッテリ22に並列に接続されてスイッチング素子27aを有する降圧型DC/DCコンバータ27と、降圧型DC/DCコンバータ27により変換された直流電力が入力される補機バッテリ28と、交流電源12の出力負荷Zsoutの変動を抑制するように降圧型DC/DCコンバータ27を制御する受電側コントローラ29と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、非接触電力伝送装置に係り、詳しくはメインバッテリと補機バッテリとを備えた車両のバッテリの充電に適した非接触電力伝送装置に関する。
従来から、電源コードや送電ケーブルを用いない非接触電力伝送装置として、例えば、磁場共鳴を用いたものが知られている。例えば、特許文献1には、図3に示すように、非接触電力伝送装置60として、地上に設けられた地上側機器61と、車両に搭載された車両側機器71とを備えている。
地上側機器61には、高周波電源62と、高周波電源62から高周波電力が入力される送電器63とが設けられている。高周波電源62は、系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換器62aと、その直流電力を高周波電力に変換するDC/RF変換器62bとを備えている。送電器63は、並列に接続された1次側コイル63a及び1次側コンデンサ63bからなる共振回路で構成されている。また、地上側機器61には、高周波電源62から出力されている高周波電力の電力値を測定する測定器64が設けられている。測定器64は、高周波電源62の出力端に設けられており、高周波電源62の出力電圧及び出力電流を測定し、その測定結果を電源側コントローラ65に送信する。
車両側機器71には、送電器63から非接触で高周波電力を受電可能な受電器72と、車両用バッテリ73とが設けられている。受電器72は、並列に接続された2次側コイル72a及び2次側コンデンサ72bからなる共振回路で構成されている。送電器63及び受電器72の共振回路の共振周波数は同一である。車両側機器71は、受電器72にて受電した高周波電力を直流電力に整流する整流器74と、整流器74にて整流された直流電力の電圧値を異なる電圧値に変換して車両用バッテリ73に出力するDC/DCコンバータ75とを備えている。整流器74と車両用バッテリ73との間には、車両用バッテリ73の充電量を検知する検知センサ77が設けられている。検知センサ77の検知結果は、車両側コントローラ76に入力され、車両側コントローラ76は、車両用バッテリ73の充電量を把握することができる。
車両側コントローラ76は、DC/DCコンバータ75のスイッチング素子75aのオンオフのデューティ比を調整することにより、負荷80のインピーダンスZinを調整して、車両用バッテリ73に対して充電に適した電力値の直流電力が入力されるようにする。負荷80は、高周波電源62の出力端から車両用バッテリ73までを一つの負荷としている。
また、近年、電気自動車やハイブリッドカーなどのモータを利用して走行する車両が普及している。このような車両では、走行用モータに電力を供給する車両用バッテリとしてのメインバッテリの他に、車両の補機に電力を供給する補機バッテリが備えられている。
特開2014−90633号公報
非接触電力伝送では、送電器63及び受電器72の共鳴系の共鳴状態を適切な状態にする必要がある。ところが、共鳴系の共鳴状態は1次側コイル63aと2次側コイル72aとの位置ズレや入力される直流電力の電力値等に応じてインピーダンスが変動する車両用バッテリ73等の負荷変動に起因して、高周波電源62の出力負荷、すなわち高周波電源62の出力端から負荷である車両用バッテリ73等までのインピーダンスが変わってしまい、高周波電源62の動作に対して、発熱や定格オーバー等の悪影響を与える。
また、負荷変動によって、整流器74の動作に対して、発熱や定格オーバー等の悪影響を与える。このような悪影響を抑制する方法として、車両用バッテリ73の充電用のDC/DCコンバータ75を含む可変整合器の採用は、コストや装置の体格の面でデメリットとなる。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、コストや装置の体格を増加せずに、1次側コイルと2次側コイルとの位置ズレや負荷変動時に、悪影響を抑制した状態で1次側の電源を動作させることができる非接触電力伝送装置を提供することにある。
上記課題を解決する非接触電力伝送装置は、交流電力を出力する交流電源と、前記交流電力が入力される1次側コイルと、前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルと、前記2次側コイルにて受電された交流電力を整流する整流部と、前記整流部により整流された直流電力が入力されるメインバッテリと、前記整流部と前記メインバッテリとの間に、前記メインバッテリに並列に接続されると共に、スイッチング素子を有するDC/DCコンバータと、前記DC/DCコンバータに接続されると共に、前記DC/DCコンバータにより変換された直流電力が入力される補機バッテリと、前記スイッチング素子のスイッチング制御により前記交流電源の出力端から前記メインバッテリ及び前記補機バッテリまでのインピーダンスの変動を抑制するように前記DC/DCコンバータを制御する制御部と、を備えている。
この構成によれば、交流電源の出力端からメインバッテリ及び補機バッテリまでのインピーダンス、すなわち交流電源の出力負荷Zsoutあるいは出力負荷Zsoutに対応して変化する変化量をモニタしながら、出力負荷Zsoutの変化あるいは出力負荷Zsoutに対応して変化する変化量の変化を打ち消すようにDC/DCコンバータのスイッチング素子のスイッチング制御を行えば、交流電源の出力端からメインバッテリ及び補機バッテリまでのインピーダンスを調整し、交流電源の出力端からメインバッテリ及び補機バッテリまでのインピーダンスの変動を抑制することができる。
この制御は、非接触電力伝送装置に装備されていた補機バッテリに入力される直流電力を変換するDC/DCコンバータを使用して実施できる。したがって、コストや装置の体格を増加せずに、1次側コイルと2次側コイルとの位置ズレや負荷変動時に、悪影響を抑制した状態で1次側の電源を動作させることができる。
前記制御部は、前記スイッチング素子のオンオフのデューティ比の調整により、前記インピーダンスの変動を抑制するように前記DC/DCコンバータを制御する。スイッチング制御をスイッチング素子のオンオフのデューティ比の調整により行う場合は、スイッチング周波数が変化しない状態でスイッチング制御を行うことができる。
前記制御部は、前記交流電源の出力インピーダンス、出力電流及び出力電力のいずれかを検知して前記スイッチング素子のスイッチング制御を行うようにしてもよい。2次側の各部におけるインピーダンスが変化すると、それに対応して交流電源の出力負荷も変化する。そのため、交流電源の出力負荷(出力インピーダンス)が適正な値から変化したか否かは、交流電源の出力負荷を直接検知せずに他の変化量を検知してもよい。
しかし、交流電源側には交流電源の出力状態を検知する検知装置が設けられている場合が多いため、交流電源の出力インピーダンス、出力電流及び出力電力のいずれかを検知する場合は、既存の検知装置を利用できる場合が多い。
また、1次側コイルと2次側コイルとの位置ズレ時に、交流電源の動作に対して、発熱、定格オーバー等の悪影響を与える。
しかし、交流電源の出力インピーダンス、出力電流及び出力電力のいずれかを検知して、スイッチング素子のスイッチング制御を行うことにより、交流電源の動作に対する悪影響を抑制することができる。
前記制御部は、前記整流部の入力インピーダンス、出力インピーダンス、入力電流、出力電流、入力電力及び出力電力のいずれかを検知して前記スイッチング素子のスイッチング制御を行うようにしてもよい。電力伝送時に負荷変動があると、整流部の入力インピーダンス及び出力インピーダンスが変化し、整流部の動作に対して、発熱、定格オーバー等の悪影響を与える。
しかし、整流部の入力インピーダンス及び出力インピーダンスの変動を抑制した状態でスイッチング素子のスイッチング制御を行うことにより、整流部の動作に対する悪影響を抑制することができる。
本発明によれば、コストや装置の体格を増加せずに、1次側コイルと2次側コイルとの位置ズレや負荷変動時に、悪影響を抑制した状態で1次側の電源を動作させることができる。
第1の実施形態の非接触電力伝送装置のブロック図。 第2の実施形態の非接触電力伝送装置のブロック図。 従来技術の非接触電力伝送装置のブロック図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を車両の充電装置に具体化した第1の実施形態を図1にしたがって説明する。
図1に示すように、非接触電力伝送装置10は、非接触で電力伝送が可能な地上側機器11及び車両側機器21を備えている。地上側機器11は地上に設けられており、車両側機器21は車両に搭載されている。
地上側機器11は、交流電力を出力する交流電源12を備えている。交流電源12は、予め定められた周波数の交流電力を出力可能に構成されている。詳述すると、交流電源12は、系統電源Eから入力される系統電力を直流電力に変換するAC/DC変換器12aと、AC/DC変換器12aによって変換された直流電力を高周波電力に変換するDC/RF変換器12bとを備えている。
交流電源12から出力された交流電力は、非接触で車両側機器21に伝送され、車両側機器21に設けられたメインバッテリ22の充電に用いられる。具体的には、非接触電力伝送装置10は、地上側機器11及び車両側機器21間の電力伝送を行うものとして、地上側機器11に設けられた送電器13と、車両側機器21に設けられた受電器23とを備えている。
送電器13及び受電器23は同一の構成となっており、両者は磁場共鳴可能に構成されている。詳細には、送電器13は、互いに並列に接続された1次側コイル13a及び1次側コンデンサ13bを含む共振回路を有している。受電器23は、互いに並列に接続された2次側コイル23a及び2次側コンデンサ23bを含む共振回路を有している。両共振回路の共振周波数は同一に設定されている。
地上側機器11は、交流電源12等の制御を行う送電側コントローラ14を備えている。送電側コントローラ14は、交流電源12からの交流電力の出力のON/OFFを制御するとともに、交流電源12の出力電力値を制御する。地上側機器11は、交流電源12の出力負荷Zsoutを把握するために用いられる1次側測定器16を備えている。1次側測定器16は、交流電源12の出力電圧及び出力電流を測定(検知)する。そして、1次側測定器16は、その測定結果を送電側コントローラ14に送信する。送電側コントローラ14は、1次側測定器16の測定結果に基づいて交流電源12の出力負荷Zsoutを把握する。
また、地上側機器11は、当該地上側機器11に設けられた1次側インピーダンス変換器15を介して、交流電源12から出力された交流電力が送電器13に入力されるように構成されている。そして、送電器13及び受電器23の相対位置が磁場共鳴可能な位置にある状況において、交流電力が送電器13(1次側コイル13a)に入力された場合、送電器13と受電器23(2次側コイル23a)とが磁場共鳴する。これにより、受電器23は、送電器13から交流電力を受電する。すなわち、非接触電力伝送装置10は、交流電力を出力する交流電源12と、交流電力が入力される1次側コイル13aと、1次側コイル13aから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイル23aと、を備えている。
交流電源12から出力される交流電力の周波数は、送電器13及び受電器23間にて電力伝送が可能となるように、送電器13及び受電器23の共振周波数に対応させて設定されている。例えば、交流電力の周波数は、送電器13及び受電器23の共振周波数と同一に設定されている。なお、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で、交流電力の周波数と、送電器13及び受電器23の共振周波数とがずれていてもよい。
車両側機器21は、受電器23によって受電される交流電力を整流し、その整流された直流電力を出力する整流部としての整流器24を備えている。整流器24には、車両側機器21に設けられた2次側インピーダンス変換器25を介して、受電器23から交流電力が入力される。整流器24は、例えば整流ダイオードを有している。整流器24によって整流された直流電力は、メインバッテリ22に充電される。
すなわち、非接触電力伝送装置10は、2次側コイル23aにて受電された交流電力を整流する整流部(整流器24)と、整流部により整流された直流電力が入力されるメインバッテリ22とを備えている。
車両側機器21は、メインバッテリ22の他に内部制御用電源26を備えている。内部制御用電源26は、整流器24に対してメインバッテリ22と並列に接続されたDC/DCコンバータとしての降圧型DC/DCコンバータ27と、降圧型DC/DCコンバータ27の出力側に接続された補機バッテリ28とにより構成されている。すなわち、補機バッテリ28は、DC/DCコンバータに接続されると共に、前記DC/DCコンバータにより変換された直流電力が入力される。補機バッテリ28の電圧は、メインバッテリ22の電圧より低い。降圧型DC/DCコンバータ27はスイッチング素子27aを備えている。車両側機器21は、スイッチング素子27aのスイッチング制御を行う制御部としての受電側コントローラ29を備えている。
受電側コントローラ29は、スイッチング素子27aのスイッチング制御により交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンス、すなわち交流電源12の出力負荷Zsoutの変動を抑制するように降圧型DC/DCコンバータ27を制御する。すなわち、非接触電力伝送装置10は、DC/DCコンバータにより変換された直流電力が入力される補機バッテリ28と、スイッチング素子27aのスイッチング制御により交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制するように降圧型DC/DCコンバータ27を制御する制御部とを備える。
送電側コントローラ14と受電側コントローラ29とは、無線通信可能に構成されている。非接触電力伝送装置10は、送電側コントローラ14と受電側コントローラ29間で情報のやり取りを行うことにより、電力伝送の制御等を行う。
詳述すると、受電側コントローラ29は、送電器13及び受電器23が適切な位置関係において、交流電源12から電力伝送が行われる際の交流電源12の出力負荷Zsoutの値、すなわち基準となる出力負荷Zsoutの値をメモリに記憶している。そして、地上側機器11から車両側機器21への非接触電力伝送が行われる際には、受電側コントローラ29は、1次側測定器16により測定された交流電源12の出力負荷Zsoutの情報を送電側コントローラ14から無線により把握する。そして、受電側コントローラ29は、送電側コントローラ14から送られてくる交流電源12の出力負荷Zsoutの値が、基準となる出力負荷Zsoutの値に近づくように、降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行う。受電側コントローラ29は、スイッチング素子27aのオンオフのデューティ比の調整により、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制するように降圧型DC/DCコンバータ27を制御する。受電側コントローラ29は、デューティ比を、例えば、10〜50%の範囲で変更する。
次に前記のように構成された非接触電力伝送装置10の作用を説明する。
車両に搭載されたメインバッテリ22に充電を行う場合には、車両が地上側機器11の近くの所定位置に停止した状態でメインバッテリ22への充電が行われる。車両が所定位置に停止した後、受電側コントローラ29は、送電側コントローラ14に充電要求信号を送信する。
地上側機器11から車両側機器21への非接触電力伝送が行われる際には、受電側コントローラ29は、交流電源12の出力負荷Zsoutの情報を送電側コントローラ14から無線により把握する。そして、その出力負荷Zsoutの値が、基準となる出力負荷Zsoutの値に近づくように、降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行う。
実施形態の非接触電力伝送装置10は、交流電源12の出力負荷Zsoutをモニタしながら、出力負荷Zsoutの変化を打ち消すように降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行い、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスを調整し、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制することができる。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)非接触電力伝送装置10は、交流電力を出力する交流電源12と、交流電力が入力される1次側コイル13aと、1次側コイル13aから非接触で交流電力を受電可能な2次側コイル23aと、2次側コイル23aにて受電された交流電力を整流する整流部(整流器24)と、整流部により整流された直流電力が入力されるメインバッテリ22と、整流部とメインバッテリ22との間に、メインバッテリ22に並列に接続されると共に、スイッチング素子27aを有するDC/DCコンバータ(降圧型DC/DCコンバータ27)と、DC/DCコンバータに接続されるとともに、DC/DCコンバータにより変換された直流電力が入力される補機バッテリ28と、スイッチング素子27aのスイッチング制御により交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制するようにDC/DCコンバータを制御する制御部(受電側コントローラ29)と、を備えている。
この構成によれば、交流電源12の出力負荷Zsoutを直接、あるいは出力負荷Zsoutに対応して変化する変化量をモニタしながら、出力負荷Zsoutの変化を打ち消すようにDC/DCコンバータのスイッチング素子27aのスイッチング制御を行えば、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスを調整し、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制することができる。したがって、コストや装置の体格を増加せずに、1次側コイル13aと2次側コイル23aとの位置ズレやメインバッテリ22及び補機バッテリ28の負荷変動時に、悪影響を抑制した状態で1次側の電源(交流電源12)を動作させることができる。
(2)制御部(受電側コントローラ29)は、スイッチング素子27aのオンオフのデューティ比の調整により、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制するようにDC/DCコンバータを制御する。したがって、スイッチング周波数が変化しない状態でスイッチング制御を行うことができる。
(3)制御部(受電側コントローラ29)は、交流電源12の出力負荷Zsoutを把握してスイッチング素子27aのスイッチング制御を行う。2次側の各部におけるインピーダンスが変化すると、それに対応して交流電源12の出力負荷Zsoutも変化する。そのため、交流電源12の出力負荷Zsoutが適切な値から変化したか否かは、交流電源12の出力負荷Zsoutを直接把握せずに、交流電源12の出力負荷Zsoutの変化に対応する他の変化量を把握してもよい。しかし、交流電源12側には交流電源12の出力状態を把握するための検知装置が設けられている場合が多いため、交流電源12の出力負荷Zsoutを把握する場合は、既存の検知装置を利用できる場合が多い。
また、制御部は、交流電源12の出力負荷Zsoutを把握してスイッチング素子27aのスイッチング制御を行っているため、1次側コイルと2次側コイルとの位置ズレ時における交流電源12の動作に対する発熱、定格オーバー等の悪影響を抑制した状態で、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に第2の実施形態を図2にしたがって説明する。この実施形態では、交流電源12の出力インピーダンスである出力負荷Zsoutを直接把握してスイッチング素子27aのスイッチング制御を行うのではなく、出力負荷Zsoutの変化に対応して変化する変化量を検知(把握)してスイッチング素子27aのスイッチング制御を行う点が第1の実施形態と異なる。第1の実施形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説明を省略する。
図2に示すように、車両側機器21は、交流電源12の出力負荷Zsoutの変化に対応して変化する変化量を検知する検知装置として、2次側測定器30を備えている。受電側コントローラ29は、送電器13及び受電器23が適切な位置関係において交流電源12から電力伝送が行われる際の整流器24の出力インピーダンスZroutの値、すなわち基準となる出力インピーダンスZroutの値をメモリに記憶している。
2次側測定器30は、整流器24とメインバッテリ22とを接続する電力線の電圧及び電流を測定する。2次側測定器30は、その測定結果を受電側コントローラ29に送信する。受電側コントローラ29は、2次側測定器30の測定結果に基づいて、整流器24の出力インピーダンスZroutを把握する。そして、受電側コントローラ29は、その出力インピーダンスZroutの値が、基準となる出力インピーダンスZroutの値に近づくように、降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行う。スイッチング制御は、第1の実施形態と同様に、スイッチング素子27aのオンオフのデューティ比の調整により行われる。その結果、整流器24の動作に対して、発熱や定格オーバーなどの悪影響を抑制した状態で、交流電源12の出力端からメインバッテリ22及び補機バッテリ28までのインピーダンスの変動を抑制することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 第1の実施形態において、1次側測定器16で交流電源12の出力電圧及び出力電流を測定して出力負荷Zsoutをモニタする代わりに、1次側測定器16で交流電源12の出力電圧を測定して電源出力電圧をモニタしながら降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行ってもよい。また、1次側測定器16で交流電源12の出力電流を測定して電源出力電流をモニタしながら降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行ってもよい。
○ 1次側測定器16で出力負荷Zsoutを把握したり、交流電源12の出力電圧あるいは出力電流を測定したりする代わりに、1次側測定器16で1次側インピーダンス変換器15の出力電圧や出力電流を測定して、1次側インピーダンス変換器15の出力電圧や出力電流あるいは出力インピーダンスを把握する。そして、位置ズレや負荷変動時のそれらの値の変化を小さくするように、降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行ってもよい。
○ 出力負荷Zsout、交流電源12の出力電圧、出力電流、1次側インピーダンス変換器15の出力電圧、出力電流あるいは出力インピーダンスを把握して、スイッチング素子27aのスイッチング制御を、オンオフのデューティ比を調整して行う代わりに、スイッチング素子27aを間欠動作させることで行ってもよい。
○ 交流電源12の出力負荷Zsoutの変化に対応して変化する変化量として、第2の実施形態のように整流器24の出力インピーダンスZroutを把握する代わりに、整流器24の出力電流を測定して、その変化量が小さくなるように、スイッチング素子27aのスイッチング制御を行うようにしてもよい。
○ 第2の実施形態において、整流器24の出力インピーダンスZroutを把握する代わりに、整流器24の入力インピーダンスを把握し、整流器24の入力インピーダンスをモニタしながら降圧型DC/DCコンバータ27のスイッチング素子27aのスイッチング制御を行ってもよい。また、整流器24の出力インピーダンスZroutを把握する代わりに、整流器24の入力電圧あるいは入力電流を測定して、その変化量が小さくなるように、スイッチング素子27aのスイッチング制御を行うようにしてもよい。
○ 整流器24の出力インピーダンスZrout、出力電圧、出力電流、入力インピーダンス、入力電圧、入力電流のいずれかを把握して、スイッチング素子27aのスイッチング制御を、オンオフのデューティ比を調整して行う代わりに、スイッチング素子27aを間欠動作させることで行ってもよい。
○ 非接触電力伝送装置10は、必ずしも1次側インピーダンス変換器15や2次側インピーダンス変換器25を備えていなくてもよい。
○ 各実施形態では、送電器13及び受電器23にそれぞれ1次側コンデンサ13b、2次側コンデンサ23bを設けたが、これらを省略してもよい。この場合、1次側コイル13aの寄生容量及び2次側コイル23aの寄生容量を用いて磁場共鳴させる。
○ 非接触電力伝送装置10は、車両に搭載されたバッテリ(メインバッテリ22及び補機バッテリ28)の充電に使用するものに限らず、バッテリを備えた移動体、例えば、自走式のロボットであってもよい。
○ 各実施形態では、送電器13の共振周波数と受電器23の共振周波数とは同一に設定されていたが、これに限られず、電力伝送が可能な範囲内で両者を異ならせてもよい。
○ 各実施形態では、非接触の電力伝送を実現させるために磁場共鳴を用いたが、これに限られず、電磁誘導を用いてもよい。
Pr…整流器の出力電力、Zsout…交流電源の出力インピーダンスとしての出力負荷、Zrout…整流器の出力インピーダンス、10…非接触電力伝送装置、12…交流電源、13a…1次側コイル、22…メインバッテリ、23a…2次側コイル、24…整流部としての整流器、27…DC/DCコンバータとしての降圧型DC/DCコンバータ、27a…スイッチング素子、28…補機バッテリ、29…制御部としての受電側コントローラ。

Claims (4)

  1. 交流電力を出力する交流電源と、
    前記交流電力が入力される1次側コイルと、
    前記1次側コイルから非接触で前記交流電力を受電可能な2次側コイルと、
    前記2次側コイルにて受電された交流電力を整流する整流部と、
    前記整流部により整流された直流電力が入力されるメインバッテリと、
    前記整流部と前記メインバッテリとの間に、前記メインバッテリに並列に接続されると共に、スイッチング素子を有するDC/DCコンバータと、
    前記DC/DCコンバータに接続されると共に、前記DC/DCコンバータにより変換された直流電力が入力される補機バッテリと、
    前記スイッチング素子のスイッチング制御により前記交流電源の出力端から前記メインバッテリ及び前記補機バッテリまでのインピーダンスの変動を抑制するように前記DC/DCコンバータを制御する制御部と、
    を備えていることを特徴とする非接触電力伝送装置。
  2. 前記制御部は、前記スイッチング素子のオンオフのデューティ比の調整により、前記インピーダンスの変動を抑制するように前記DC/DCコンバータを制御する請求項1に記載の非接触電力伝送装置。
  3. 前記制御部は、前記交流電源の出力インピーダンス、出力電流及び出力電力のいずれかを検知して前記スイッチング素子のスイッチング制御を行う請求項1又は請求項2に記載の非接触電力伝送装置。
  4. 前記制御部は、前記整流部の入力インピーダンス、出力インピーダンス、入力電流、出力電流、入力電力及び出力電力のいずれかを検知して前記スイッチング素子のスイッチング制御を行う請求項1又は請求項2に記載の非接触電力伝送装置。
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