JP2014143345A - 熱可塑性樹脂多層基板の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂多層基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内蔵したコンデンサにおいて意図する容量を得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板を、複雑な製造工程を必要とせずに、確実に製造できるようにする。
【解決手段】積層工程に供される熱可塑性樹脂シート10cの、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域に、熱圧着工程で、熱可塑性樹脂シートが軟化、流動した後に形成される熱可塑性樹脂層11の厚みを調整するための、貫通孔101および非貫通孔の少なくとも一方の孔を複数個配設するとともに、厚み測定データに基づいて、孔の平面面積の大きさ、孔の配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層基板の製造方法に関し、詳しくは、熱可塑性樹脂を用いた樹脂多層基板の製造方法に関する。
近年、例えば携帯電話などの用途に広く用いられている電子部品の1つとして、配線導体を3次元的に配置したり、コンデンサなどの素子を内蔵させたりした多層基板がある。
そして、そのような多層基板の1つに、熱可塑性樹脂からなる絶縁体層を積層してなる樹脂多層基板(熱可塑性樹脂多層基板)がある(特許文献1参照)。
なお、特許文献1には、複数の熱可塑性樹脂シートを、一括積層した後、圧着する工程を経て製造される樹脂多層基板が開示されている。
このような樹脂多層基板は、セラミック多層基板のように高温で焼成してセラミックを焼結させる工程を必要とせず、複雑な製造プロセスを必要としないという特徴を有している。
しかしながら、樹脂多層基板は、熱可塑性樹脂シートを積層した後、熱圧着して積層体を形成する工程が必要であり、熱圧着工程では、熱可塑性樹脂の流動が生じる。
そのため、例えば、樹脂多層基板が、内部電極を熱可塑性樹脂からなる絶縁体層(誘電体層)を介して互いに対向するように配設することにより形成されるコンデンサを備えている(内蔵している)構成のものである場合、互いに対向する内部電極の間に介在する熱可塑性樹脂からなる絶縁体層(誘電体層)が流動して、厚みにばらつきが生じ、樹脂多層基板間で得られる容量にばらつきが生じる場合がある。
また、樹脂多層基板の製造に用いられる熱可塑性樹脂シートには、ロット毎などで厚みにばらつきがある場合が多く、そのような厚みの異なる熱可塑性樹脂シートを用いた樹脂多層基板間においては、内蔵したコンデンサで得られる容量にばらつきが生じるという問題点がある。
そのため、熱可塑性樹脂シートを積層し、熱圧着する工程を経て製造される樹脂多層基板において、安定した容量を確実に得ることができるような高精度のコンデンサを内蔵させることは容易でないのが実情である。
国際公開第2010/113539号パンフレット
本発明は、上記課題を解決するものであり、内蔵したコンデンサにおいて意図するような容量を得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板を、複雑な製造工程を必要とせずに、容易かつ確実に製造することができる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法は、
熱可塑性樹脂層を介在させて互いに対向する一対のコンデンサ用電極パターンを備えたコンデンサを具備する熱可塑性樹脂多層基板の製造方法であって、
複数の熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成する積層工程と、
前記積層体を熱圧着する熱圧着工程とを備え、かつ、
前記積層工程に供される前記熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、
前記熱可塑性樹脂シートの、前記一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域に、前記熱圧着工程で、前記熱可塑性樹脂シートが軟化、流動した後に形成される熱可塑性樹脂層の厚みを調整するための、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、前記厚み測定データに基づいて、前記孔の平面面積の大きさ、前記孔の配設個数、および前記孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御すること
を特徴としている。
また、本発明の他の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法は、
熱可塑性樹脂層を介在させて互いに対向する一対のコンデンサ用電極パターンを備えたコンデンサを具備する熱可塑性樹脂多層基板の製造方法であって、
複数の熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成する積層工程と、
前記積層体を熱圧着する熱圧着工程とを備え、かつ、
前記積層工程に供される前記熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、
前記一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、前記厚み測定データに基づいて、前記孔の平面面積の大きさ、前記孔の配設個数、および前記孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御すること
を特徴としている。
また、本発明の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法においては、
前記一対のコンデンサ用電極パターンのそれぞれは、一方主面と他方主面の表面粗さが異なり、前記一方主面が前記他方主面よりも表面粗さRaの値の小さいシャイニー面とされ、前記他方主面が前記一方主面よりも表面粗さRaの値の大きいマット面とされているとともに、
前記一対のコンデンサ用電極パターンは、前記一方主面が互いに対向する面となるように配設されていること
が好ましい。
上記構成とすることにより、上述の熱圧着工程で、一対のコンデンサ用電極パターン間に存在する熱可塑性樹脂を円滑に流動させて、熱可塑性樹脂層の厚み制御の精度をさらに向上させることが可能になり、一対のコンデンサ用電極パターン間に目標とする容量を確実に得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板を提供することが可能になる。
また、前記一対のコンデンサ用電極パターンは、それぞれ異なる前記熱可塑性樹脂シートにアンカー効果により固着されたコンデンサ用電極パターンであって、前記マット面である前記他方主面が前記熱可塑性樹脂シートへの固着面とされており、前記シャイニー面である前記一方主面が、前記固着面の反対面とされていることが好ましい。
上記構成を実現するにあたっては、コンデンサ用電極パターンとなる銅箔などの導電層の、表面粗さが粗い方の面(マット面)が、アンカー効果により熱可塑性樹脂シートに固着された熱可塑性樹脂シートを用い、コンデンサ用電極パターンとなる銅箔などの導電層をエッチングしてコンデンサ用電極パターンを形成する方法が例示される。
そして、このシャイニー面が対向面となるような構成を備えることにより、熱圧着工程で軟化した熱可塑性樹脂が、一対のコンデンサ用電極パターン間を円滑に流動することになり、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みを精度よく制御することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
本発明の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法は、積層工程に供される熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域に、熱圧着工程で、熱可塑性樹脂シートが軟化、流動した後に形成される熱可塑性樹脂層の厚みを調整するための、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、上記厚み測定データに基づいて、孔の平面面積の大きさ、孔の配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御するようにしているので、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する熱可塑性樹脂の量を調整することが可能になるとともに、熱圧着工程で、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂シート)が軟化、流動することから、例えばロット毎に厚みにばらつきがある熱可塑性樹脂シートを用いた場合にも、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する熱可塑性樹脂層の厚みを制御することが可能になる。
また、熱圧着工程において、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層は軟化、流動するため、熱可塑性樹脂シートに貫通孔や非貫通孔が形成されていても、熱圧着後にはほぼ均一な層状となる。
その結果、内蔵したコンデンサにおいて目標値とする容量を確実に得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板を得ることができるようになる。
また、本発明の他の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法は、積層工程に供される熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、厚み測定データに基づいて、孔の平面面積の大きさ、孔の配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御するようにしているので、圧着工程で、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂シート)が軟化、流動し、コンデンサ用電極パターンに形成された貫通孔や非貫通孔に入り込んだり、一部が貫通孔を経て系外に流出したりすることになり、例えばロット毎に厚みにばらつきがある熱可塑性樹脂シートを用いた場合にも、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する熱可塑性樹脂層の厚みを制御することが可能になる。
その結果、その結果、内蔵したコンデンサにおいて目標値とする容量を確実に得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板を得ることができるようになる。
なお、一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に貫通孔が形成されている場合には、熱圧着工程で軟化した熱可塑性樹脂を貫通孔から効率よく流出させることが可能になり、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みの調整幅を大きくすることが可能になる。また、一対のコンデンサ用電極パターンの一方に非貫通孔が形成された構成とした場合には、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みの調整幅は小さくなるが、厚み調整の精度を向上させることが可能で、厚みの微調整を行うには適している。
本発明の実施形態(実施形態1)にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を説明するための図であって、積層体を熱圧着する前の工程を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法において用いられている、コンデンサ用電極パターン間に配設される熱可塑性樹脂シートの構成を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を説明するための図であって、積層体を熱圧着している状態を示す図である。 本発明の実施形態1にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法により製造された、表面実装部品を実装した状態の熱可塑性樹脂多層基板を示す図である。 本発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を説明するための図であって、積層体を熱圧着する前の工程を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法において用いられている、コンデンサ用電極パターンの構成を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を説明するための図であって、積層体を熱圧着している状態を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法により製造された、表面実装部品を実装した状態の熱可塑性樹脂多層基板を示す図である。
以下に本発明の実施形態を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
[実施形態1]
<実施の形態の概要>
まず、本発明にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法の実施の形態(実施形態1)の概要について説明する。
(1)まず、(a)積層工程に供される、熱圧着前の熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みと、(b)熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域に配設した貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方の、平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さ、の少なくとも一つと、(c)熱可塑性樹脂シートを所定枚数積層してなる積層体を熱圧着することにより製造される熱可塑性樹脂多層基板の、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みとの関係についてのデータ(厚み・孔関係データ)を作成する。このデータは、実際の製造工程で用いる熱圧着設備を用いてサンプリングすることが好ましい。
なお、この実施形態1において、「厚み・孔関係データ」を作成するにあたっては、例えば、実際の熱可塑性樹脂多層基板の製造工程で使用される熱可塑性樹脂シートにおいて想定される厚みばらつきの範囲で、厚みの異なる複数種類の熱可塑性樹脂シートを用意する。
そして、一対のコンデンサ用電極パターン間に配設される熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を配設するとともに、一対のコンデンサ用電極パターン間における熱可塑性樹脂シートの厚みに応じて、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方の、平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを変化させる。
それから、一対のコンデンサ用電極パターンを設けた熱可塑性樹脂シートの間に、上述の貫通孔、非貫通孔を形成し、平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを変化させた熱可塑性樹脂シートが位置するように、熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成し、得られる積層体を所定の条件で熱圧着して熱可塑性樹脂多層基板を作製する。
そして、得られる熱可塑性樹脂多層基板における、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みを調べることにより、上述の貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方の平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つと、熱圧着後の、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みとの関係データ、すなわち、「厚み・孔関係データ(相関テーブル)」を得る。
(2)次に、所定の熱可塑性樹脂シート群(ロット)から一部の熱可塑性樹脂シートを抜き取り、厚みを測定し、「厚み測定データ」を得る。
(3)そして、この「厚み測定データ」と、上記の「厚み・孔関係データ」とから、一対のコンデンサ用電極パターン間に配設される熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置することになる領域に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を配設するとともに、孔の平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを調整する。
(4)それから、上述の貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を形成するとともに、孔の平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを調整した熱可塑性樹脂シートが、一対のコンデンサ用電極パターンが形成された熱可塑性樹脂シートの間に位置するように、熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成する。
(5)次に、(4)で形成した積層体を所定の条件で熱圧着する。
(6)その後、必要に応じて表面実装部品の実装などの工程を経て、熱可塑性樹脂多層基板を得る。
<具体的な実施の形態>
次に、本発明の実施の形態(実施形態1)にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法について、図面を参照しながら詳しく説明する。
図1は実施形態(実施形態1)にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を説明する図、図2は一対のコンデンサ用電極パターン(導体パターン)間に配設される熱可塑性樹脂シートの構成を示す平面図、図3はこの実施形態1の製造方法により製造された、表面実装部品を実装する前の状態の熱可塑性樹脂多層基板を示す図、図4は、図3の、熱圧着された積層体(表面実装部品が実装される前の状態の熱可塑性樹脂多層基板)の表面に、表面実装部品を実装した状態の熱可塑性樹脂多層基板を示す図である。
まず、図1に示すように、一方主面の全面に金属膜が張り付けられている熱可塑性樹脂シートを用意する。この熱可塑性樹脂シートの樹脂層は、熱可塑性樹脂を押圧成形や延伸成形して得られたものであり、同一ロットにおける厚みはほぼ同じである。次に、このロットからシートを一部抜き取り、その樹脂層の厚みを測定する。次に各シートの所定位置にコンデンサ用導体パターン1、ビアホール導体2、および、必要に応じてその他の導体パターンを形成して、図1に示すような熱可塑性樹脂シート10を得る。
熱可塑性樹脂シートとしては、例えば、液晶ポリマー、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの種々の熱可塑性樹脂を構成材料として用いた熱可塑性樹脂シートを用いることが可能であり、さらにその他の熱可塑性樹脂を用いた熱可塑性樹脂シートを用いることも可能である。
また、この実施形態1において、導体パターン1は、例えば、一方の主面の全面に銅箔が形成された熱可塑性樹脂シートを用い、銅箔をフォトリソグラフィーによりパターニングすることにより形成することができる。すなわち、熱可塑性樹脂シートの銅箔上に、導体パターンの形状に対応する形状のレジストパターンを形成し、エッチング処理を施して、レジストにより覆われていない部分の銅箔を除去し、その後、レジストを除去することにより、意図する形状を有する導体パターンを得ることができる。
なお、導体パターンの構成材料としては、銅に限らず、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、アルミニウム、アルミニウム合金などの卑金属材料や、金、銀、銀−パラジウム合金のような貴金属材料などを用いることが可能であり、その具体的な種類に特別の制約はない。
また、ビアホール導体2は、例えば、熱可塑性樹脂シート10の銅箔が形成されていない方の面からレーザービームを照射してビアホールを形成した後、ビアホールに電極ペーストを充填する方法などにより形成することができる。
なお、導体パターン1の厚みは、例えば5〜20μmとすることがのぞましく、また、熱可塑性樹脂シート10の厚みは、例えば10〜100μmとすることが好ましい。
そして、複数の熱可塑性樹脂シート10のうち、一対の熱可塑性樹脂シート10(10a,10b)として、コンデンサ用電極パターンとなる電極パターン1(1a,1b)が形成された熱可塑性樹脂シートを用意するとともに、一対の熱可塑性樹脂シート10(10a,10b)間に配設される熱可塑性樹脂シートとして、図1に示すように、一対のコンデンサ用電極パターン(電極パターン)1(1a,1b)間に位置する領域に、平面形状が円形の貫通孔101を配設するとともに、貫通孔101の平面面積の大きさと配設個数を制御した熱可塑性樹脂シート10(10c)を用意する。なお、熱可塑性樹脂シート10cにおいては、図2に示すように、貫通孔101が、縦方向に3個、横方向に3個、合計9個形成されている。
また、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)は、互いに対向する面である一方主面1a1,1b1と、対向しない他方主面1a2,1b2とで、表面粗さが異なっており、互いに対向する面である、一方主面1a1,1b1は、他方主面1a2,1b2よりも表面粗さRaの値の小さいシャイニー面とされており、他方主面1a2,1b2は一方主面1a1,1b1よりも表面粗さRaの値の大きいマット面とされている。なお、ここでいう表面粗さRaとは、JIS B 0601−2001に規定されている算術平均粗さRaのことである。
なお、この実施形態1においては、一方主面1a1および1b1の表面粗さRaの値が例えば、0〜1(μm)、他方主面1a2および1b2の表面粗さRaの値がたとえば、1〜5(μm)となるように構成されている。
一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)において、互いに対向する一方主面1a1,1b1がシャイニー面で、他方主面1a2,1b2がマット面であるような構成を実現するための方法としては、例えば、一方の主面の全体に導体パターンとなる銅箔が配設された熱可塑性樹脂シートであって、銅箔の熱可塑性樹脂シートと接する方の主面の表面粗さRaの値が、熱可塑性樹脂シートと接しない方の主面の表面粗さRaの値より大きく(表面粗さが粗く)なるように構成された熱可塑性樹脂シートを用いる方法が挙げられる。なお、表面粗さが粗くない方の面(シャイニー面)に平滑化のための処理を行なってもよい。
すなわち、このような熱可塑性樹脂シートを、上述したようなフォトリソグラフィーを用いてエッチングして導体パターンを形成することにより、互いに対向する一方主面1a1,1b1が、他方主面1a2,1b2よりも表面粗さRaの値の小さいシャイニー面であり、他方主面1a2,1b2が表面粗さRaの値の大きいマット面であるような構成とすることができる。
それから、熱可塑性樹脂シート10(10a,10b,10c)を、図1に示すように、所定の順序で積層することにより積層体(熱圧着前の積層体)20を形成する。
次に、積層体20を、一対の熱圧着用の押圧板(平板治具)30の間に挟み込み、所定の熱圧着条件下に、一対の熱圧着用の押圧板(平板治具)30により積層体20を熱圧着する。
これにより、図3に示すように、表面実装部品が実装される前の状態の熱可塑性樹脂多層基板20Aが得られる。
その後、図4に示すように、熱圧着された積層体(表面実装部品が実装される前の状態の熱可塑性樹脂多層基板)20Aの表面に、表面実装部品40a,40bを実装する。これにより、表面に表面実装部品40a,40bが実装された状態の熱可塑性樹脂多層基板20Bが得られる。
なお、図4では、熱可塑性樹脂多層基板20Bが実装基板50の実装電極51上に実装された状態を示しており、熱可塑性樹脂多層基板20Bの下面側の導体パターン1は熱可塑性樹脂多層基板20Bの外部端子として機能するように構成されており、上面側の導体パターン1は表面実装部品40a,40bが実装される実装電極として機能するように構成されている。
そして、この実施形態1の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法においては、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)が配設された一対の熱可塑性樹脂シート10(10a,10b)間に配設される熱可塑性樹脂シートとして、図1,2に示すように、一対のコンデンサ用電極パターン(電極パターン)1a,1b間に位置する領域に、貫通孔101を配設した熱可塑性樹脂シート10cを用いるようにしているので、例えばロット毎に厚みにばらつきがある熱可塑性樹脂シートを用いた場合にも、熱圧着工程において、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する熱可塑性樹脂を軟化させて、貫通孔101が埋まるように流動させることが可能になり、コンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する熱可塑性樹脂層11の厚みを制御して、ロット間での厚みばらつきが少なく、意図する大きさの容量を得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板20A,20Bを得ることができる。
また、この実施形態1の熱可塑性樹脂多層基板では、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)の互いに対向する一方主面1a1,1b1他方主面1a2,1b2よりも表面粗さRaの値の小さいシャイニー面となるようにしているので、熱圧着工程で、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間に存在する熱可塑性樹脂を円滑に流動させて、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間に介在する熱可塑性樹脂層11の厚み制御の精度を向上させることが可能になり、さらに目標とする特性に近い特性を備えた熱可塑性樹脂多層基板を得ることが可能になる。
また、この実施形態1では、貫通孔の配設個数と、直径を制御して、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間に位置する熱可塑性樹脂層の厚みを調整するようにしているが、貫通孔の代わりに非貫通孔を形成し、非貫通孔の配設個数と直径に加え、非貫通孔の深さを制御することにより、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間に位置する熱可塑性樹脂層の熱圧着後の厚みを調整するように構成することも可能である。
<評価>
この実施形態1では、積層工程に供される熱可塑性樹脂シート(一対の熱可塑性樹脂シート10a,10b間に配設される熱可塑性樹脂シート)10cとして、基準値のシート厚みが19μmのものを用いた。そして、シート厚みがばらついた際に熱圧着後の容量がばらつかないようするための「厚み・孔関係データ(相関テーブル)」をあらかじめ用意した。例えば、ここでは基準値のシート厚み(19μm)とは±2μmの範囲でシート厚みの異なる、17μm、18μm、19μm、20μm、21μmのシート厚みの場合の「厚み・孔関係データ(相関テーブル)」を用意した。
次に、基準値のシート厚みである19μmの熱可塑性樹脂シートに加えて、厚みが20μm、21μmと異なる合計3種類の熱可塑性樹脂シートを用意した。
そして、厚みが19μmの熱可塑性樹脂シート10cについては、貫通孔を形成せず、厚みが20μmの熱可塑性樹脂シートについては、「厚み・孔関係データ(相関テーブル)」に基づき、直径が150μmの貫通孔101を9個形成し、厚みが21μmの熱可塑性樹脂シート10cについては、この「厚み・孔関係データ(相関テーブル)」に基づき、直径が200μmの貫通孔101を9個形成した。すなわち、熱可塑性樹脂シート10cの厚みに応じて、直径の異なる貫通孔101の直径を形成した。
それから、この3種類の熱可塑性樹脂シート10cを用いて、上述の実施形態1の製造方法に準じる方法で、図1に示すような構造を有する積層体を形成し、同一条件で熱圧着を行った。そして得られた熱可塑性樹脂多層基板(実施例の試料)について、上記一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)の間に形成される容量の大きさ(挙動)を調べた。その結果を表1に示す。
なお、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1bは、いずれも平面形状が正方形で、寸法が1.0mm角である。また、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間の熱可塑性樹脂層11の誘電率(比誘電率)は、3.0とした。
Figure 2014143345
また、比較のため、積層工程に供される熱可塑性樹脂シート(一対の熱可塑性樹脂シート10a,10b間に配設される熱可塑性樹脂シート)10cとして、厚みが19μm、20μm、21μmと異なる3種類の熱可塑性樹脂シートを用意し、いずれにも貫通孔を形成せず、同一条件で熱圧着を行った。そして得られた熱可塑性樹脂多層基板(比較例)について、上記一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)の間に形成される容量の大きさ(挙動)を調べた。その結果を表2に示す。
Figure 2014143345
熱可塑性樹脂シート(一対の熱可塑性樹脂シート10a,10b間に配設される熱可塑性樹脂シート)10cの厚みに関わらず、いずれについても貫通孔を形成せず、同一条件で熱圧着を行った比較例の場合、表2に示すように、厚みが19μmの熱可塑性樹脂シート10cを用いた熱可塑性樹脂多層基板(比較用の試料1)において得られる容量(一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に形成される容量)が1.40pFであるのに対し、厚みが20μmの熱可塑性樹脂シート10cを用いた熱可塑性樹脂多層基板(比較用の試料2)では、1.33pF、厚みが21μmの熱可塑性樹脂シート10cを用いた熱可塑性樹脂多層基板(比較用の試料3)では、1.26pFと、積層工程に供される熱可塑性樹脂シート10cの厚みが厚くなると、得られる容量が小さくなることが確認された。
これに対し、厚みが19μmの熱可塑性樹脂シート10cについては、貫通孔を形成せず、厚みが20μmの熱可塑性樹脂シート10cについては、直径が150μmの貫通孔101を9個形成し、厚みが21μmの熱可塑性樹脂シート10cについては、直径が200μmの貫通孔101を9個形成した表1の実施例の試料1〜3では、いずれの試料の場合も、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する熱可塑性樹脂層11の厚みがほぼ一定であり、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に形成される容量も1.40pFで一定であることが確認された。
このように、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に配設される熱可塑性樹脂シートに上述のような貫通孔101を形成するようにした本発明によれば、例えばロット毎に厚みにばらつきがある熱可塑性樹脂シートを用いた場合にも、熱圧着工程において、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する熱可塑性樹脂を適切に流動させ、コンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する熱可塑性樹脂層11の厚みを制御して、ロット間での容量ばらつきが小さく、意図する大きさの容量を得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板を製造できることがわかる。
なお、この実施形態1では、熱可塑性樹脂シート10cに貫通孔101を形成し、その直径や配設個数を制御するようにしたが、貫通孔101を形成する代わりに非貫通孔を形成し、その直径や深さ、あるいは配設個数などを制御することによっても同様の効果を得ることができる。
[実施形態2]
<実施の形態の概要>
まず、本発明にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法の他の実施の形態(実施形態2)の概要について説明する。
(1)まず、(a)積層工程に供される、熱圧着前の熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間の領域の厚みと、(b)熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に形成した、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、配設した貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方の、平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つと、(c)熱可塑性樹脂シートを所定枚数積層してなる積層体を熱圧着することにより製造される熱可塑性樹脂多層基板の、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みとの関係についてのデータ(厚み・孔関係データ)を作成する。
なお、この実施形態2において、「厚み・孔関係データ」を作成するにあたって、例えば、実際の熱可塑性樹脂多層基板の製造工程で使用される熱可塑性樹脂シートにおいて想定される厚みばらつきの範囲で、厚みの異なる熱可塑性樹脂シートを用意する。
そして、一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を配設するとともに、一対のコンデンサ用電極パターン間に配設されることになる熱可塑性樹脂シートの厚みに応じて、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方の、平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを変化させる。
それから、一対のコンデンサ用電極パターンの間に位置するように、厚みの異なるそれぞれの熱可塑性樹脂シートを積層して、それぞれの積層体を形成し、得られる積層体を所定の条件で熱圧着することにより、熱可塑性樹脂多層基板を作製する。
そして、得られる熱可塑性樹脂多層基板における、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みを調べることにより、一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に配設された貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方の平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つと、熱圧着後の、一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層の厚みとの関係、すなわち、「厚み・孔関係データ」を得る。
なお、貫通孔を設けることでコンデンサ用電極パターンの面積が小さくなるので、これも加味した「厚み・孔関係データ」を作成することが望ましい。
(2)次に、所定の熱可塑性樹脂シート群(ロット)から一部の熱可塑性樹脂シートを抜き取り、厚みを測定し、「厚み測定データ」を得る。
そして、一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を配設するとともに、「厚み測定データ」と、「厚み・孔関係データ」とから、孔の平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを決定する。
(3)それから、熱圧着後の一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する熱可塑性樹脂層の厚みを調整するため、上述の貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を形成するとともに、孔の平面面積の大きさ、配設個数、および孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを調整した熱可塑性樹脂シートが、一対のコンデンサ用電極パターンが形成された熱可塑性樹脂シートの間に位置するように、熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成する。
(4)それから、上述の一対のコンデンサ用電極パターンが形成された一対の熱可塑性樹脂シート間に、所定の熱可塑性樹脂シートが位置するように、複数の熱可塑性樹脂シートを所定の順序で積層して、積層体を形成する。
(5)次に、(4)で形成した積層体を所定の条件で熱圧着する。
(6)その後、必要に応じて表面実装部品の実装などの工程を経て、熱可塑性樹脂多層基板を得る。
<具体的な実施の形態>
次に、本発明の他の実施の形態(実施形態2)にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法について、図面を参照しながら詳しく説明する。
図5は本発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる熱可塑性樹脂多層基板の製造方法を説明する図、図6は一対のコンデンサ用電極パターン(導体パターン)のうちの一方のコンデンサ用電極パターン(導体パターン)の構成を示す平面図、図7はこの実施形態2の製造方法により製造された、表面実装部品を実装する前の状態の熱可塑性樹脂多層基板を示す図、図8は、図7の、熱圧着された積層体(表面実装部品が実装される前の状態の熱可塑性樹脂多層基板)の表面に、表面実装部品を実装した状態の熱可塑性樹脂多層基板を示す図である。
である。
なお、図5〜8において、図1〜4と同一符号を付した部分は同一または相当する部分を示す。
図5〜7に示すように、この実施形態2においては、一対のコンデンサ用電極パターンとして機能する導体パターン1(1a)と導体パターン1(1b)間に配設される熱可塑性樹脂シート10cとして、特に貫通孔や非貫通孔が形成されていない構成のものが用いられている。
そして、その一方で、一対の熱可塑性樹脂シート10(10a,10b)に配設されたコンデンサ用電極パターン(導体パターン)1a,1bのうち、下側のコンデンサ用電極パターン1bには、平面形状が円形の貫通孔102(図6参照)が配設されている。すなわち、図6に示すように、コンデンサ用電極パターン1bには、貫通孔102として、縦方向に3個、横方向に3個の、合計9個の貫通孔102が形成されている。
この実施形態2では、熱圧着工程で熱可塑性樹脂シートが軟化した熱可塑性樹脂を、コンデンサ用電極パターン1bの貫通孔102に流れ込ませたり、貫通孔102を経て一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間の領域の外側に流動させたりして、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間の熱可塑性樹脂層11(図7)の厚みを制御することができるようにしている。
なお、この実施形態2においても、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間において、熱圧着工程で軟化した熱可塑性樹脂を円滑に流動させることができるように、上記実施形態1の場合と同様に、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)は、互いに対向する面である一方主面1a1,1b1と、対向しない他方主面1a2,1b2とで、表面粗さが異なっており、互いに対向する面である、一方主面1a1,1b1は、他方主面1a2,1b2よりも表面粗さRaの値の小さいシャイニー面とされており、他方主面1a2,1b2は一方主面1a1,1b1よりも表面粗さRaの値の大きいマット面とされている。なお、ここでいう表面粗さRaとは、JIS B 0601−2001に規定されている算術平均粗さRaのことである。
この実施形態2のその他の構成は、上記実施形態1の場合と同様である。
そして、この実施形態2の場合も、上述の実施形態1の場合と同様、以下の手順で、熱可塑性樹脂多層基板が製造される。
まず、図5に示すような態様で、熱可塑性樹脂シート10(10a,10b,10c)を、図5に示すように、所定の順序で積層することにより積層体(熱圧着前の積層体)20を形成する。
次に、積層体20を、一対の熱圧着用の押圧板(平板治具)30の間に挟み込み、所定の熱圧着条件下に、一対の熱圧着用の押圧板(平板治具)30により積層体20を熱圧着する。
これにより、図7に示すように、表面実装部品が実装される前の状態の熱可塑性樹脂多層基板20Aが得られる。
その後、図8に示すように、熱圧着された積層体(表面実装部品が実装される前の状態の熱可塑性樹脂多層基板)20Aの表面に、表面実装部品40a,40bを実装する。これにより、表面に表面実装部品40a,40bが実装された状態の熱可塑性樹脂多層基板20Bが得られる。
なお、図8では、熱可塑性樹脂多層基板20Bが実装基板50の実装電極51上に実装された状態を示しており、熱可塑性樹脂多層基板20Bの下面側の導体パターン1は熱可塑性樹脂多層基板20Bの外部端子として機能するように構成されており、上面側の導体パターン1は表面実装部品40a,40bが実装される実装電極として機能するように構成されている。
そして、この実施形態2の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法においては、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1bのうち、一方のコンデンサ用電極パターン1bに貫通孔102を形成するようにしているので、例えばロット毎に厚みにばらつきがある熱可塑性樹脂シートを用いた場合にも、熱圧着工程において、軟化した熱可塑性樹脂を、コンデンサ用電極パターン1bの貫通孔102に流れ込ませたり、貫通孔102を経て一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間の領域の外側に流動させたりして、一対のコンデンサ用電極パターン1(1a,1b)間の熱可塑性樹脂層11(図7)の厚みを制御することができる。その結果、意図する大きさの容量を得ることが可能な熱可塑性樹脂多層基板20A,20Bを製造することができる。
なお、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に配設されることになる熱可塑性樹脂シート10の厚みが、目標とする容量を得ることが可能な厚みとほぼ一致している場合には、貫通孔102の径を実質的に0とする(すなわち、貫通孔を形成しないようにする)ことにより、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1b間に位置する熱可塑性樹脂層11の厚みを目標とする厚みとして、意図するような容量を得ることができる。
また、この実施形態2では、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1bのうちの一方(コンデンサ用電極パターン1b)に貫通孔102を設けるようにしたが、一対のコンデンサ用電極パターン1a,1bの両方に設けるようにすることも可能である。
また、実施形態2では、コンデンサ用電極パターン1bに貫通孔102を形成したが、貫通孔102を形成する代わりに非貫通孔を形成し、その直径や深さ、あるいは配設個数などを制御することによっても同様の効果を得ることが可能である。
本発明はさらにその他の点において上記実施形態1,2に限定されるものではなく、例えば、熱圧着条件、熱可塑性樹脂シートや一対のコンデンサ用電極パターンへの貫通孔や非貫通孔の配設態様などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
1 導体パターン
1a,1b 一対のコンデンサ用電極パターン
1a1,1b1 一対のコンデンサ用電極パターンの一方主面
1a2,1b2 一対のコンデンサ用電極パターンの他方主面
2 ビアホール導体
10 熱可塑性樹脂シート
10a,10b 一対の熱可塑性樹脂シート
10c 一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂シート
11 一対のコンデンサ用電極パターン間の熱可塑性樹脂層
20 圧着前の積層体
20A 圧着後の積層体(表面実装部品の実装前のセラミック多層基板)
20B 表面実装部品が実装された状態の熱可塑性樹脂多層基板
30 押圧板(平板治具)
40a,40b 表面実装部品
50 実装基板
51 実装電極
101 熱可塑性樹脂シートに形成された貫通孔
102 コンデンサ用電極パターンに形成された貫通孔

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂層を介在させて互いに対向する一対のコンデンサ用電極パターンを備えたコンデンサを具備する熱可塑性樹脂多層基板の製造方法であって、
    複数の熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を熱圧着する熱圧着工程とを備え、かつ、
    前記積層工程に供される前記熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、
    前記熱可塑性樹脂シートの、前記一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域に、前記熱圧着工程で、前記熱可塑性樹脂シートが軟化、流動した後に形成される熱可塑性樹脂層の厚みを調整するための、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、前記厚み測定データに基づいて、前記孔の平面面積の大きさ、前記孔の配設個数、および前記孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂多層基板の製造方法。
  2. 熱可塑性樹脂層を介在させて互いに対向する一対のコンデンサ用電極パターンを備えたコンデンサを具備する熱可塑性樹脂多層基板の製造方法であって、
    複数の熱可塑性樹脂シートを積層して積層体を形成する積層工程と、
    前記積層体を熱圧着する熱圧着工程とを備え、かつ、
    前記積層工程に供される前記熱可塑性樹脂シートの、一対のコンデンサ用電極パターン間に位置する領域の厚みを予め測定して厚み測定データを得ておき、
    前記一対のコンデンサ用電極パターンの少なくとも一方に、貫通孔および非貫通孔の少なくとも一方を複数個配設するとともに、前記厚み測定データに基づいて、前記孔の平面面積の大きさ、前記孔の配設個数、および前記孔が非貫通孔である場合の深さの少なくとも一つを制御すること
    を特徴とする熱可塑性樹脂多層基板の製造方法。
  3. 前記一対のコンデンサ用電極パターンのそれぞれは、一方主面と他方主面の表面粗さが異なり、前記一方主面が前記他方主面よりも表面粗さRaの値の小さいシャイニー面とされ、前記他方主面が前記一方主面よりも表面粗さRaの値の大きいマット面とされているとともに、
    前記一対のコンデンサ用電極パターンは、前記一方主面が互いに対向する面となるように配設されていること
    を特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法。
  4. 前記一対のコンデンサ用電極パターンは、それぞれ異なる前記熱可塑性樹脂シートにアンカー効果により固着されたコンデンサ用電極パターンであって、前記マット面である前記他方主面が前記熱可塑性樹脂シートへの固着面とされており、前記シャイニー面である前記一方主面が、前記固着面の反対面とされていることを特徴とする請求項3記載の熱可塑性樹脂多層基板の製造方法。
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