JP2014143020A - リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池用正極およびリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】負荷特性に優れたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】リチウム二次電池用活物質の表面に、導電剤と、還元状態においてラジカル部分構造をとる高分子ラジカル材料が融着し複合化されていることを特徴とする、リチウム二次電池用活物質。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子ラジカル材料が導電剤とともに活物質の表面、特にリチウム複合酸化物の表面に複合化された材料を活物質としたリチウム二次電池に関するものである。
近年、ノート型パソコンや携帯電話などの携帯電子機器は、通信機能をはじめ、動画再生機能やカメラ機能など多機能化している。このような携帯電子機器に用いられる蓄電デバイスに対しては安全性、小型化、軽量化などのさまざまな要求があり、高いエネルギー密度、高い出力密度、高いサイクル安定性などの特性が求められている。
リチウム複合酸化物などのリチウム二次電池用活物質と、ニトロキシル高分子化合物などの高分子ラジカル材料が混合された電極を用いたリチウム二次電池は、高分子ラジカル材料のイオン吸脱着反応を利用することで、より速い反応、すなわち高い入出力特性を得られることが期待される。例えば、特許文献1には、高出力な蓄電デバイスとして、ニトロキシル化合物を正極中に含有した蓄電デバイスが提案されている。しかし高分子ラジカル材料の導電性が低いため、期待されるほどの高い入出力特性を得ることが困難であった。
これに対し、例えば特許文献2に示されるように、あらかじめ高分子ラジカル材料と導電剤を複合化し、それをリチウム二次電池の活物質および高分子ラジカル材料を複合化していない導電剤と混合した電極は、高分子ラジカル材料と導電剤を複合化せず単に混合したものに比べ出力特性が向上するとされる。
特開2002−304996号公報 特開2007−213992号公報
しかし、高分子ラジカル材料と複合化した導電剤は凝集力が高く、リチウム二次電池の活物質と混錬混合して電極を作製する際に不均一に分散しやすいため、電極の反応が電極内で不均一になり、より高い出力特性を得ることが困難である。その上充放電サイクルを繰り返すと、特性が早期に劣化する可能性があった。
そこで、高分子ラジカル材料、導電剤、リチウム複合酸化物が均一に分散した電極が求められる。
本発明の一態様は、リチウム二次電池用活物質の表面に、導電剤と、還元状態においてラジカル部分構造をとる高分子ラジカル材料が融着して複合化されていることを特徴とする、リチウム二次電池用活物質に関する。
本発明によれば、負荷特性に優れたリチウム二次電池が得られる。
本発明は、リチウム二次電池の活物質、特にリチウム複合酸化物の表面に高分子ラジカル材料、導電剤が複合化された材料を新たにリチウム二次電池の活物質として電極に用いることを特徴としている。ここで複合化とは、リチウム複合酸化物の表面に高分子ラジカル材料が導電剤を伴って融着し、リチウム複合酸化物と導電剤と高分子ラジカル材料が一体化されていることを意味し、リチウム複合酸化物の表面に導電剤および高分子ラジカル材料が、あるいは導電剤と高分子ラジカル材料が複合化されたものが、高分子ラジカル材料の融着なしにリチウム複合酸化物の表面に単に接触、あるいは高分子ラジカル材料とは別の結着剤によって結合している状態とは区別される。一方、その複合化された新たな活物質は、複合化に用いた高分子ラジカル材料と異なる結着剤により、集電体や新たに付与された導電剤と結合して電極を形成している。ここで電極を形成する際、リチウム複合酸化物が導電剤、高分子ラジカル材料とあらかじめ複合化されていない場合は、導電剤と高分子ラジカルの複合体の凝集力が高いため、混合時に前記複合体が凝集しやすく、結果として電極内で前記複合体のみが局所的に凝集した不均一な電極が形成されやすい。これに対し、リチウム複合酸化物が導電剤、高分子ラジカル材料とあらかじめ複合化されている場合は、リチウム複合酸化物の介在によってそのような凝集が起こりにくいため、通常の電極形成手法で前記複合体、新たに付与した導電剤、結着剤が均一に分散した電極が形成される。その結果、電極の抵抗が低くなり、より高い出力特性を得ることができる。
本発明の高分子ラジカル材料と複合化するリチウム二次電池の活物質は、反応電位が高分子ラジカル材料と近い方が好ましい。よって、高分子ラジカル材料と複合化するリチウム二次電池の活物質は、正極に用いるものが好ましい。
(正極活物質)
本発明の高分子ラジカル材料と複合化するリチウム二次電池の正極活物質としては、リチウム二次電池の正極活物質として用いることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、従来より正極活物質として用いられているLiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiMnO2、LiMn0.5Ni0.52、LiNi0.7Co0.2Mn0.12、LiFePO4などのリチウム複合酸化物や、MnO2などのリチウムを含有していない金属酸化物が例示される。またこの他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。これらのうち、高分子ラジカル材料と反応電位が近いLiFePO4やLiMn24が好ましい。これらの正極活物質は、複数のものが混合、あるいは複合化されていてもよく、また正極内で高分子ラジカル材料と複合化されたものと未複合のものが混合されていてもよい。
(高分子ラジカル材料)
本発明の高分子ラジカル材料は、酸化状態において化学式(1)で示されるニトロキシルカチオン部分構造をとり、還元状態において化学式(2)で示されるニトロキシルラジカル部分構造をとるニトロキシル高分子化合物であることを特徴とする。
Figure 2014143020
前記ニトロキシル高分子化合物は、還元状態において下記化学式(3)で示される環状ニトロキシル構造を含む高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2014143020
化学式(3)中、R〜Rはそれぞれ独立にアルキル基を表し、それぞれ独立に直鎖状のアルキル基が好ましい。またラジカルの安定性の観点から、R〜Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。Xは化学式(3)が5〜7員環を形成するような2価の基を表し、少なくとも一部がポリマーの主鎖の一部を構成する。このようなXの具体例として、例えば、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CH=CH−、−CH=CHCH−、−CH=CHCHCH−、−CHCH=CHCH−が挙げられ、その中で隣接しない−CH−は、−O−、−NH−又は−S−によって置き換えられていてもよく、−CH=は、−N=によって置き換えられていてもよい。また環を構成する原子に結合した水素原子は、アルキル基、ハロゲン原子、=O、エーテル基、エステル基、シアノ基、アミド基等により置換されていてもよい。
中でも特に好ましい環状ニトロキシル構造は、還元状態において、化学式(6)で示される2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシルラジカル、化学式(7)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリジノキシルラジカル、及び化学式(8)で示される2,2,5,5−テトラメチルピロリノキシルラジカルからなる群より選ばれるものである。なお、化学式(6)〜(8)中、R〜Rは前記化学式(3)と同じである。
Figure 2014143020
化学式(3)で示される環状ニトロキシル構造は、側鎖もしくは主鎖の一部としてポリマーの一部を構成している。すなわち、Xの少なくとも一部は、ポリマーの主鎖の一部を構成しており、環状構造を形成する元素に結合する少なくとも1つの水素を取った構造としてポリマーの側鎖もしくは主鎖の一部に存在している。合成等の容易さから側鎖に存在している方が好ましい。側鎖に存在するときは、下記化学式(9)で示される残基のように、化学式(3)で示される環状ニトロキシル構造の基X中の環員を構成する−CH−、−CH=又は−NH−から水素を取った残基X’によって主鎖ポリマーに結合している。
Figure 2014143020
化学式(9)中、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、X’は前記化学式(3)のXから水素を取った残基を表したものである。このとき用いられる主鎖ポリマーの構造としては特に制限はなく、どのようなものであっても、化学式(9)で示される残基が側鎖に存在していればよい。具体的には、次に挙げるポリマーに、化学式(9)で示される残基が付加したもの、又はポリマーの一部の原子又は基が、化学式(9)で示される残基によって置換されたものを挙げることができる。いずれの場合も、化学式(9)で示される残基が直接ではなく、適当な2価の基を中間に介して結合していてもよい。主鎖ポリマーの構造としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリデセン、ポリドデセン、ポリヘプテン、ポリイソブテン、ポリオクタデセン等のポリアルキレン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリクロロプレン、ポリイソプレン、ポリイソブテン等のジエン系ポリマー;ポリ(メタ)アクリル酸;ポリ(メタ)アクリロニトリル;ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリメチル(メタ)アクリルアミド、ポリジメチル(メタ)アクリルアミド、ポリイソプロピル(メタ)アクリルアミド等のポリ(メタ)アクリルアミド類ポリマー;ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のポリアルキル(メタ)アクリレート類;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系ポリマー;ポリスチレン、ポリブロモスチレン、ポリクロロスチレン、ポリメチルスチレン等のポリスチレン系ポリマー;ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン等のビニル系ポリマー;ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブテンオキサイド、ポリオキシメチレン、ポリアセトアルデヒド、ポリメチルビニルエーテル、ポリプロピルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテル、ポリベンジルビニルエーテル等のポリエーテル系ポリマー;ポリメチレンスルフィド、ポリエチレンスルフィド、ポリエチレンジスルフィド、ポリプロピレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテトラフルフィド、ポリエチレントリメチレンスルフィド等のポリスルフィド系ポリマー;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンパラフェニレンジアセテート、ポリエチレンイソプロピリデンジベンゾエート等のポリエステル類;ポリトリメチレンエチレンウレタン等のポリウレタン類;ポリエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等のポリケトン系ポリマー;ポリオキシイソフタロイル等のポリ無水物系ポリマー;ポリエチレンアミン、ポリヘキサメチレンアミン、ポリエチレントリメチレンアミン等のポリアミン系ポリマー;ナイロン、ポリグリシン、ポリアラニン等のポリアミド系ポリマー;ポリアセチルイミノエチレン、ポリベンゾイルイミノエチレン等のポリイミン系ポリマー;ポリエステルイミド、ポリエーテルイミド、ポリベンズイミド、ポリピロメルイミド等のポリイミド系ポリマー;ポリアリレン、ポリアリレンアルキレン、ポリアリレンアルケニレン、ポリフェノール、フェノール樹脂、セルロース、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾキサジン、ポリベンゾキサゾール、オリカルボラン、ポリジベンゾフラン、ポリオキソイソインドリン、ポリフランテトラカルボキシル酸ジイミド、ポリオキサジアゾール、ポリオキシンドール、ポリフタラジン、ポリフタライド、ポリシアヌレート、ポリイソシアヌレート、ポリピペラジン、ポリピペリジン、ポリピラジノキノキサン、ポリピラゾール、ポリピリダジン、ポリピリジン、ポリピロメリチミン、ポリキノン、ポリピロリジン、ポリキノキサリン、ポリトリアジン、ポリトリアゾール等のポリアロマティック系ポリマー;ポリジシロキサン、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系ポリマー;ポリシラン系ポリマー;ポリシラザン系ポリマー;ポリホスファゼン系ポリマー;ポリチアジル系ポリマー;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン等の共役系ポリマーを挙げることができる。なお、(メタ)アクリルとはメタクリル又はアクリルを意味する。この中で、電気化学的な耐性に優れている点で、ポリアルキレン系ポリマー、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド類ポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート類、ポリスチレン系ポリマーを主鎖構造として有することが好ましい。主鎖とは、高分子化合物中で、最も炭素数の多い炭素鎖のことである。
以上に例示されるニトロキシル高分子化合物の中で、特に好ましく用いられる単位の例として、下記化学式(4)及び/又は(5)の化学構造で表される高分子化合物、又はその化学構造を繰り返し単位として含む共重合体が挙げられる。なお、化学式(4)、(5)中、nは1以上の整数であり、R〜Rは前記化学式(3)と同じであり、Rは水素又はメチル基である。
Figure 2014143020
本発明におけるニトロキシル高分子の分子量は特に制限はないが、電解液に溶けないだけの分子量を有していることが好ましく、これは電解液の溶媒種との組み合わせにより異なる。一般には重量平均分子量1,000以上であり、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上であり、また、一般には5,000,000以下、好ましくは500,000以下である。また、化学式(9)で示される残基を含むポリマーは架橋していてもよく、それにより電解液に対する耐久性を向上させることができる。
また、ニトロキシル高分子化合物は、単独で用いることができるが、二種類以上を混合して用いてもよい。
(導電剤)
本発明の導電剤は、リチウム二次電池の導電剤として用いることができるものであれば特に限定されるものではなく、従来より用いられている炭素材料、例えばアセチレンブラックに代表されるカーボンブラックや、気相法炭素繊維やカーボンナノファイバーなどに代表される炭素繊維が用いられる。
(活物質、導電剤、高分子ラジカル材料の複合化)
本発明の、リチウム二次電池用活物質、導電剤、高分子ラジカル材料の複合化手法については、特に限定されない。
例えば高分子ラジカル材料をN−メチルピロリドン等の溶媒に溶解し、導電剤と、リチウム複合酸化物等のリチウム二次電池用活物質を加え、必要に応じて界面活性剤等を添加して撹拌後、メタノールなどの貧溶媒に少しずつ滴下して、高分子ラジカル材料と導電剤、リチウム複合酸化物を同時に沈殿させる。これを濾過して回収し、乾燥することにより、高分子ラジカル材料と導電剤が表面に融着して複合化されたリチウム複合酸化物が得られる。
この乾燥工程中または乾燥工程の後に、加熱して、高分子ラジカル材料と導電剤のリチウム二次電池用活物質への融着、複合化を高めることが望ましい。このときの加熱温度は、高分子ラジカル材料のガラス転移温度以上が好ましく、ガラス転移温度より10℃以上高いことがより好ましい。また、温度が高すぎると、高分子ラジカル材料が劣化する場合があるので、高分子ラジカル材料が劣化しない温度の範囲である。具体的には、使用する高分子ラジカル材料の種類にも依存するが、一般には、130℃以上、より好ましくは150℃以上であり、また、好ましくは250℃以下、より好ましくは200℃以下である。
あるいは、リチウム二次電池用活物質、導電剤、高分子ラジカル材料の均一な混合物、例えば、高分子ラジカル材料と導電剤の複合体とリチウム二次電池用活物質の混合物を、高分子ラジカル材料のガラス転移温度以上に加熱することにより、リチウム二次電池用活物質・高分子ラジカル材料・導電剤を複合化してもよい。
複合化されたリチウム二次電池用活物質・高分子ラジカル材料・導電剤は、必要により粉砕し、また必要により分級して所望の粒径に揃えて使用することができる。
本発明の、リチウム二次電池の活物質、導電剤、高分子ラジカル材料の複合化において、活物質の表面積に対する、導電剤と高分子ラジカル材料が付着する面積の割合は5〜50%が好ましく、より好ましくは10〜40%、さらに好ましくは10〜20%である。同様に、活物質の粒径に対する、導電剤と高分子ラジカル材料の付着厚みの割合は1〜50%が好ましく、より好ましくは5〜30%、さらに好ましくは5〜10%である。これらの割合が低すぎると高分子ラジカルの反応の効果が得られず、高すぎると活物質の反応が阻害されるため、高い入出力が得られない。
(負極活物質)
本発明のリチウム二次電池の負極活物質としては、リチウム二次電池の負極活物質として用いることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、従来より負極活物質として用いられている黒鉛、非晶質炭素、チタン酸リチウム、酸化チタン、シリコンおよびその酸化物や合金、ゲルマニウムおよびその合金、スズおよびその酸化物や合金などが例示される。またこの他にも、リチウムを電気化学的に挿入、脱離する物質であれば、制限なく用いることができる。これらの材料の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、薄膜状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のものなどが挙げられる。また、これらの負極活物質は、単独または組み合わせて使用することができる。
(結着剤)
正極および負極を形成する際に、結着剤を用いることもできる。結着剤を用いることにより、活物質同士、活物質と導電性付与剤との間、活物質や導電付与剤と集電体との間の結びつきを強めることができる。このような結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリイミド、部分カルボキシ化セルロース、各種ポリウレタン等の樹脂バインダーが挙げられる。
(集電体)
本発明のリチウム二次電池の集電体としては、リチウムと合金化しない金属から形成されていれば特に限定されず、例えば従来より正極集電体として用いられているアルミニウム、負極集電体として用いられる銅およびその合金、ニッケルなどが挙げられる。
(電解液)
本発明のリチウム二次電池に用いる非水電解質の溶媒は、特に限定されるものではないが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネートなどの環状カーボネートと、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどの鎖状カーボネートとの混合溶媒が例示される。また、上記環状カーボネートと1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタンなどのエーテル系溶媒との混合溶媒も例示される。また非水電解質の溶質は、特に限定されるものではなく、従来よりリチウム二次電池に用いられているLiPF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiN(C25SO2)2、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO2)3、LiC(C25SO2)3、LiAsF6、LiClO4、Li210Cl10、Li212Cl12など及びそれらの混合物が例示されるが、特に高分子ラジカル材料への吸脱着が容易なLiPF6、LiBF4が好ましい。さらに電解質として、ポリエチレンオキシド、ポリアクリロニトリルなどのポリマー電解質に電解液を含浸したゲル状ポリマー電解質や、無機固体電解質が例示される。
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
(実施例1)
(正極活物質1の作製)
LiMn24、炭素繊維(昭和電工VGCF−H)および化学式(4)のR〜Rがメチル基であるニトロキシル高分子化合物(重量平均分子量28000)を重量比70:10:20の割合でN−メチルピロリドンに溶解し、ホモジナイザーで撹拌してスラリーを得た。このスラリーを大量のメタノールに撹拌しながら少しずつ加え、LiMn24、炭素繊維、ニトロキシル高分子化合物の複合体を沈殿させた。この沈殿物を濾過し、真空乾燥器で150℃に昇温後60℃で8時間真空乾燥して複合体の固形物を得、これを粉砕して正極活物質1を得た。この活物質を電子顕微鏡で観察したところ、LiMn24粒の表面に導電剤と高分子ラジカル材料が、高分子ラジカル材料が融着することにより一体化し、複合化しているのが観察された。このときLiMn24粒の表面は、導電剤と高分子ラジカル材料によって約10〜20%が覆われ、粒径の増加率は約5〜10%だった。
(比較例1)
(正極活物質2の作製)
正極活物質1と同量の炭素繊維および化学式(4)のR〜Rがメチル基であるニトロキシル高分子化合物(重量平均分子量28000)をN−メチルピロリドンに溶解し、ホモジナイザーで撹拌してスラリーを得た。このスラリーを大量のメタノールに撹拌しながら少しずつ加え、炭素繊維とニトロキシル高分子化合物の複合体を沈殿させた。この沈殿物を濾過し、真空乾燥器で150℃に昇温後60℃8時間真空乾燥して複合体の固形物を得た。この複合体と、正極活物質1と同量のLiMn24を混合し、粉砕して正極活物質2を得た。
(比較例2)
(正極活物質3の作製)
正極活物質1と同量のLiMn24、炭素繊維および化学式(4)のR〜Rがメチル基であるニトロキシル高分子化合物(重量平均分子量28000)を混合し、粉砕して正極活物質3を得た。
(正極の作製)
正極活物質1〜3それぞれに対し、水を分散媒とし、正極活物質:アセチレンブラック:結着剤(CMC+PTFE)=92:5:3で混合したスラリーを作製し、これをドクターブレード法によりアルミニウム箔上に塗布、乾燥して正極を得た。正極活物質1〜3から得られた正極を、それぞれ正極1、正極2、正極3とした。
(負極の作製)
N−メチルピロリドンを分散媒とし、黒鉛:アセチレンブラック:結着剤(PVdF)=92:4:4で混合したスラリーを作製し、これをドクターブレード法により銅箔上に塗布、乾燥して負極を得た。
(電解液の作製)
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比3:7で混合した溶媒に、LiPF6を1モル/リットルとなるよう溶解させ、電解液を作製した。
(小型ラミネートセルのサイクル試験)
前記正極を2cm×2cm、前記負極を2.5cm×2.5cmの大きさに切り取り、正極および負極を活物質塗布面が対向するようにセパレータをはさんで重ね合わせ、アルミラミネート外装体に挿入し、前記電解液を注入して、小型ラミネートセルを作製した。
25℃にて、1mAで4.2Vになるまで定電流充電を行い、その後1mAで2.5Vになるまで定電流放電を行い、これを1サイクルとして3サイクル充放電を行った。次に1mAで4.2Vになるまで定電流充電を行い、その後10mAで2.5Vになるまで定電流放電を行った。このとき、10mA時の放電容量と、3サイクル目の1mA時の放電容量の比(放電負荷特性)を比較した。結果を表1に示す。
Figure 2014143020
表1によると、実施例1、比較例1、比較例2の順に放電負荷特性に優れた。比較例2は高分子ラジカル材料に対する電子導電性が低いために放電負荷特性が劣ったと考えられる。比較例1は比較例2に比べ優れた特性を示したが、実施例1が最も優れた。これは比較例1、実施例1とも、高分子ラジカル材料に対する電子導電性が正極内で高く維持され、なおかつ実施例1のほうが高分子ラジカル材料、導電剤、LiMn24が均一に正極内に分散し、抵抗が低くなって速い反応が可能になったためと考えられる。
本発明の実施形態によれば、負荷特性に優れたリチウム二次電池を提供することができる。そのため、本発明の実施形態によるリチウム二次電池は、各種携帯電子機器の電源、電気自動車、ハイブリット電気自動車などの駆動用または補助用蓄電源、ソーラーエネルギーや風力発電等の各種エネルギーの蓄電装置、あるいは家庭用電気器具の蓄電源等に用いることができる。

Claims (10)

  1. リチウム二次電池用活物質の表面に、導電剤と、還元状態においてラジカル部分構造をとる高分子ラジカル材料が融着して複合化されていることを特徴とする、リチウム二次電池用活物質。
  2. 前記リチウム二次電池用活物質がリチウム複合酸化物であることを特徴とする、請求項1に記載のリチウム二次電池用活物質。
  3. 前記高分子ラジカル材料が、酸化状態において下記化学式(1)で示されるニトロキシルカチオン部分構造をとり、還元状態において下記化学式(2)で示されるニトロキシルラジカル部分構造をとるニトロキシル高分子化合物であることを特徴とする、請求項1または2に記載のリチウム二次電池用活物質。
    Figure 2014143020
  4. 導電剤と高分子ラジカル材料が複合化された前記リチウム二次電池用活物質が、前記高分子ラジカル材料とは異なる結着剤により集電体と結合され、電極を形成していることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用活物質を用いたリチウム二次電池用電極。
  5. 請求項4に記載の電極が正極に用いられていることを特徴とする、リチウム二次電池。
  6. リチウム二次電池用活物質の表面に、導電剤と、還元状態においてラジカル部分構造をとる高分子ラジカル材料を融着して複合化することを特徴とする、リチウム二次電池用活物質の製造方法。
  7. 前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤を溶媒中に均一に溶解または分散し、
    溶解または分散した前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤を同時に沈殿させ、
    沈殿した前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤混合体を乾燥することにより、前記リチウム二次電池用活物質の表面に、前記導電剤と前記高分子ラジカル材料を融着して複合化することを特徴とする、請求項6に記載のリチウム二次電池用活物質の製造方法。
  8. 前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤を溶媒中に均一に溶解または分散し、
    溶解または分散した前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤を同時に沈殿させ、
    沈殿した前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤混合体を乾燥し加熱することにより、前記リチウム二次電池用活物質の表面に、前記導電剤と前記高分子ラジカル材料を融着して複合化し、
    さらに前記高分子ラジカル材料のガラス転移温度以上に加熱することにより、前記リチウム二次電池用活物質、前記高分子ラジカル材料および前記導電剤の複合化を高めることを特徴とする、請求項6または7に記載のリチウム二次電池用活物質の製造方法。
  9. 前記リチウム二次電池用活物質がリチウム複合酸化物であることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用活物質の製造方法。
  10. 前記高分子ラジカル材料が、酸化状態において下記化学式(1)で示されるニトロキシルカチオン部分構造をとり、還元状態において下記化学式(2)で示されるニトロキシルラジカル部分構造をとるニトロキシル高分子化合物であることを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載のリチウム二次電池用活物質の製造方法。
    Figure 2014143020
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