JP2014141428A - スルフィド基含有有機ケイ素化合物の製造方法 - Google Patents

スルフィド基含有有機ケイ素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】下記一般式(1)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (1)
(R1、R2は炭素数1〜4の1価炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価炭化水素基、mは平均値として2<m≦6の数、pは0〜2)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(2)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−SH (2)
(R1〜R3、pは上記の通り)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物とを反応させる下記一般式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (3)
(R1〜R3、pは上記の通り、2≦n≦6の数)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物の製造方法。
【効果】本発明によれば、ほとんど濾過物を生成することなく、モノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が少ない上記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物を容易に製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、下記一般式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (3)
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、nは平均値として2≦n≦6の数を表し、pは0〜2を示す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物を製造する方法に関する。
ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィドは、シリカ配合タイヤにおいて、ゴムとシリカのカップリング剤として広く使用されている。ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィドの製造方法としては、クロロプロピルトリエトキシシランと硫化ナトリウム及び硫黄を反応させる方法が開示されているが、大量の溶媒が必要であり、大量の濾過物が生成してしまい、生産性に改善の余地があった。
ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィドは、ゴム、シリカと共に高温で混練した場合、配合物の粘度を上昇させ、その後の加工性に問題があった。これを改良したビス−トリエトキシシリルプロピルジスルフィドのような短鎖ポリスルフィド化合物が提案され、特開平9−169774号公報(特許文献1)には、NaCNを用いるジスルフィドシランの製造方法が開示されている。しかしながら、この製造方法は、有毒な化合物を使うという問題点があり、これに替わる安価で安全な短鎖スルフィド鎖含有有機ケイ素化合物の製造方法が求められていた。
短鎖スルフィド鎖含有有機ケイ素化合物を製造するにあたり、モノスルフィド基含有有機ケイ素化合物が生成してしまう場合があるが、モノスルフィド基含有有機ケイ素化合物はシリカとゴムとの反応にあまり関与していないため、添加の効果が低くなってしまう場合がある。特開2003−261580号公報(特許文献2)では、モノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が少ない短鎖スルフィド鎖含有有機ケイ素化合物の製造方法が開示されているが、大量の溶媒が必要であり、更には大量の濾過物が生成してしまい、生産性が悪いという問題点があった。
特開平9−169774号公報 特開2003−261580号公報
本発明は、上記事情を鑑みたもので、濾過物がほとんど生成せず、高い生産性を有する上記一般式(3)で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物、特にモノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が少ない短鎖スルフィド鎖含有有機ケイ素化合物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは平均値として2<m≦6の数を表し、pは0〜2を示す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物と下記一般式(2)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−SH (2)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物と、必要に応じて硫黄、触媒として塩基を用いて反応させることにより、下記一般式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (3)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りであり、2≦n≦6の数を表す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物が容易に、濾過物をほとんど生成することなく得られることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記スルフィド基含有有機ケイ素化合物の製造方法を提供する。
〔1〕 下記一般式(1)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは平均値として2<m≦6の数を表し、pは0〜2を示す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(2)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−SH (2)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (3)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りであり、2≦n≦6の数を表す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物の製造方法。
〔2〕 更に、硫黄を添加することを特徴とする〔1〕記載の製造方法。
〔3〕 触媒として、塩基を用いることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の製造方法。
〔4〕 上記一般式(1)及び(3)において、m>nであることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕 上記一般式(3)で表される成分中に含まれる下記一般式(4)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−S−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (4)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
で表されるモノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が0.5モル%以下であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、ほとんど濾過物を生成することなく、モノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が少ない上記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物を容易に製造することができる。
以下、本発明について、具体的に説明する。
本発明は、上述したように、下記一般式(1)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは平均値として2<m≦6の数を表し、pは0〜2を示す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(2)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−SH (2)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物とを反応させることにより、下記一般式(3)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (3)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りであり、2≦n≦6の数を表す。)
で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物を得ることができる製造方法である。
ここで、出発原料として使用されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物は、下記一般式(1)で表されるものである。
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (1)
上記式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価炭化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ビニル基、アリル基、メタリル基等のアルキル基、アルケニル基等が例示される。R3は炭素数1〜10の2価炭化水素基を示し、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、n−ブチレン基、i−ブチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、フェニレン基、メチルフェニルエチレン基等のアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基や、これらの基が結合した基などが例示される。mは平均値として2<m≦6、好ましくは平均値として2.5≦m≦4のものが用いられる。pは0、1又は2であり、好ましくは0又は1、特に好ましくは0である。
このような上記一般式(1)で表される化合物としては下記のものが代表例として挙げられるが、ここに例示したものに限らない。
(CH3O)3Si−(CH23−S4−(CH23−Si(OCH33
(CH3O)3Si−(CH23−S3−(CH23−Si(OCH33
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S4−(CH23−Si(OCH2CH33
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S3−(CH23−Si(OCH2CH33
一方、出発原料として使用されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物は、下記一般式(2)で表されるものである。
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−SH (2)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
このような上記一般式(2)で表される化合物として、下記のものが代表例として挙げられるが、ここに例示したものに限らない。
(CH3O)3Si−(CH23−SH
(CH3CH2O)3Si−(CH23−SH
上記一般式(2)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物の量としては、上記一般式(1)で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物1molに対し、0.01〜6mol、好ましくは0.1〜4molである。6molより多いと上記一般式(2)で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物が残存してしまう。
更に、反応を行う際、スルフィド鎖の調整のため、硫黄を添加することができる。
なお、硫黄の添加量は、上述したように所望するスルフィド鎖に応じて選定されるが、通常、上記一般式(1)で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物1molに対し、0〜1.5mol、好ましくは0〜1.0molである。1.5molより多いと生成物である上記一般式(3)で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物のスルフィド鎖が長くなり、硫黄が析出してしまう場合がある。
更に、反応を行う際、触媒として塩基を用いることが好ましい。触媒を用いることにより反応温度を下げることができ、更に反応時間も短縮することができる。
塩基としては、塩基性有機化合物や塩基性無機化合物が挙げられ、塩基性有機化合物としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、イミダゾール等が挙げられ、塩基性無機化合物としては、例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム等のナトリウムを含有する化合物、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カリウム等のカリウムを含有する化合物、炭酸リチウム、炭酸水素リチウム、水酸化リチウム等のリチウムを含有する化合物、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のマグネシウムを含有する化合物などの各種のアルカリ炭酸塩、水酸化アルカリ等が挙げられる。中でも、価格、取り扱いやすさの点から酢酸ナトリウムがよい。
塩基触媒の量としては、上記一般式(1)で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物1molに対して0.000001〜0.2molであり、好ましくは0.00005〜0.2molであり、特に好ましくは0.0001〜0.1molである。0.000001molより少ないと触媒としての効果が十分でなく、0.2molより多いと触媒としての効果が飽和になり、非経済的である。
本発明の化合物を製造する際、溶媒の使用は任意であり、無溶媒でもよいが、例えば、ペンタン、ヘキサン、へプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等を使用することができ、特にジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類の使用が好ましく、更にメタノール、エタノール等のアルコール類が特に好ましい。
本発明の化合物を製造する際の反応温度としては、40〜200℃であり、塩基触媒を用いることにより40〜150℃で反応可能であり、好ましくは50〜120℃であり、特に好ましくは60〜100℃である。40℃より低いと、反応速度が非常に遅くなり、非経済的である。また、200℃より高いと効果が飽和になり非経済的である。
本発明において、溶媒を使用した場合、反応終了後、濾過する前に減圧下で留去すればよい。
本発明の製造方法によって得られる上記一般式(3)で表される化合物としては下記のものが代表例として挙げられるが、ここに例示したものに限らない。
(CH3O)3Si−(CH23−S3−(CH23−Si(OCH33
(CH3O)3Si−(CH23−S2−(CH23−Si(OCH33
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S3−(CH23−Si(OCH2CH33
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2−(CH23−Si(OCH2CH33
本反応の一般反応式は、下記一般式(5)
Figure 2014141428
(式中、D=A+B/2、n=2Am+B+2C/(2A+B)、E=B/2を表す。A,B,C,D,Eは、各分子のモル数を表す。)
で表すことができ、副生成物である硫化水素は気体であるため、濾過物がほとんど生成せず、生産性が高い。
本反応の一般反応式ではスルフィド基含有有機ケイ素化合物1molとメルカプト基含有有機ケイ素化合物2molとの反応により、スルフィド鎖が2以上のスルフィド基含有有機ケイ素化合物が2mol生成するため、結果として生成物中のモノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が小さくなる。
なお、上述した化合物のm、nは不均化反応等が生じるため、分布を持っており、あくまで平均値として表記されるものである。
この場合、m>nであることが、モノスルフィド基含有有機ケイ素化合物(4)の含有量を低減することができる点から好ましい。
また、本発明により得られた上記一般式(3)で表される化合物中に含まれるモノスルフィド基含有有機ケイ素化合物(4)
(R1O)(3-p)(R2pSi−R3−S−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (4)
(式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
の含有量は、通常0.5モル%以下であり、特に0.3モル%以下が好ましい。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
窒素ガス導入管、撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィド(信越化学工業株式会社製KBE−846)539.0g(1mol)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE−803)476.8g(2mol)を納め、180℃にて20時間撹拌した。その後、濾過することで褐色液体962.5gを得た。このものの赤外線吸収スペクトル及び1H核磁気共鳴スペクトル分析、硫黄含有量分析を行った結果、下記平均組成式(6)であることが確認された。
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2.5−(CH23−Si(OCH2CH33
(6)
このもののスルフィド分布を超臨界クロマトグラフィー分析にて分析したところ、以下のスルフィド分布であることが判明した。
n=1 0.3%(モル%)
n=2 57.5%
n=3 30.6%
n=4 7.6%
n=5 1.5%
n=6 0.1%以下
なお、原料として用いたビス−トリエトキシシリルテトラスルフィドのスルフィドシラン分布は以下の通りであった。
n=1 0.2%(モル%)
n=2 18.7%
n=3 30.3%
n=4 24.6%
n=5 16.1%
n=6 6.2%
n=7 3.1%
n=8 1.0%
[実施例2]
窒素ガス導入管、撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィド(信越化学工業株式会社製KBE−846)539.0g(1mol)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE−803)476.8g(2mol)、エタノール500g、酢酸ナトリウム2g(0.02mol)を納め、80℃にて3時間撹拌した。その後、減圧留去、濾過することで褐色液体960.9gを得た。このものの赤外線吸収スペクトル及び1H核磁気共鳴スペクトル分析、硫黄含有量分析を行った結果、下記平均組成式(6)であることが確認された。
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2.5−(CH23−Si(OCH2CH33
(6)
このもののスルフィド分布を超臨界クロマトグラフィー分析にて分析したところ、以下のスルフィド分布であることが判明した。
n=1 0.3%(モル%)
n=2 60.6%
n=3 29.8%
n=4 7.4%
n=5 1.9%
n=6 0.1%以下
[実施例3]
窒素ガス導入管、撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィド(信越化学工業株式会社製KBE−846)539.0g(1mol)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE−803)476.8g(2mol)、硫黄16.0g(0.5mol)、エタノール500g、酢酸ナトリウム2g(0.02mol)を納め、80℃にて3時間撹拌した。その後、減圧留去、濾過することで褐色液体976.8gを得た。このものの赤外線吸収スペクトル及び1H核磁気共鳴スペクトル分析、硫黄含有量分析を行った結果、下記平均組成式(7)であることが確認された。
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S3.0−(CH23−Si(OCH2CH33
(7)
このもののスルフィド分布を超臨界クロマトグラフィー分析にて分析したところ、以下のスルフィド分布であることが判明した。
n=1 0.3%(モル%)
n=2 26.3%
n=3 52.2%
n=4 15.5%
n=5 5.7%
n=6 0.1%以下
[実施例4]
窒素ガス導入管、撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた2Lセパラブルフラスコに、ビス−トリエトキシシリルテトラスルフィド(信越化学工業株式会社製KBE−846)539.0g(1mol)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE−803)715.2g(3mol)、エタノール500g、酢酸ナトリウム2g(0.02mol)を納め、80℃にて3時間撹拌した。その後、減圧留去、濾過することで褐色液体1198.2gを得た。このものの赤外線吸収スペクトル及び1H核磁気共鳴スペクトル分析、硫黄含有量分析を行った結果、下記平均組成式(8)であることが確認された。
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2.2−(CH23−Si(OCH2CH33
(8)
このもののスルフィド分布を超臨界クロマトグラフィー分析にて分析したところ、以下のスルフィド分布であることが判明した。
n=1 0.3%(モル%)
n=2 83.3%
n=3 13.4%
n=4 2.1%
n=5 0.9%
n=6 0.1%以下
[比較例1]
窒素ガス導入管、撹拌機、還流冷却器及び温度計を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、エタノール500g、無水硫化ソーダ39.0g(0.5mol)、硫黄48.1g(1.5mol)を仕込み、80℃に昇温し、3−クロロプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業株式会社製KBE−703)240.8g(1.0mol)をゆっくり滴下した。滴下により発熱し、エタノールの還流状態の82℃になったが、その温度を維持し、滴下を続けた。滴下に要した時間は30分であった。滴下終了後、更に82℃にて5時間熟成を続けた。その後、冷却し、溶液を濾過した。濾液をロータリーエバポレーターにて減圧濃縮し赤褐色透明の液体220.5gを得た。このものの赤外線吸収スペクトル分析及び1H核磁気共鳴スペクトル分析、硫黄含有量分析を行った結果、実施例1、2と同様な、下記平均組成式(6)であることが確認された。
(CH3CH2O)3Si−(CH23−S2.5−(CH23−Si(OCH2CH33
(6)
このもののスルフィド分布を超臨界クロマトグラフィー分析にて分析したところ、以下のスルフィド分布であることが判明した。
n=1 1.0%(モル%)
n=2 60.6%
n=3 28.3%
n=4 7.6%
n=5 2.5%
n=6 0.1%以下
このように本発明の製造方法により安易に、濾過物をほとんど生成することなくモノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が少ない短鎖のスルフィド基含有有機ケイ素化合物を製造することができる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sm−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (1)
    (式中、R1及びR2はそれぞれ炭素数1〜4の1価の炭化水素基、R3は炭素数1〜10の2価の炭化水素基、mは平均値として2<m≦6の数を表し、pは0〜2を示す。)
    で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物と、下記一般式(2)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−SH (2)
    (式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
    で表されるメルカプト基含有有機ケイ素化合物とを反応させることを特徴とする下記一般式(3)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−Sn−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (3)
    (式中、R1、R2、R3、pは上記の通りであり、2≦n≦6の数を表す。)
    で表されるスルフィド基含有有機ケイ素化合物の製造方法。
  2. 更に、硫黄を添加することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 触媒として、塩基を用いることを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 上記一般式(1)及び(3)において、m>nであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 上記一般式(3)で表される成分中に含まれる下記一般式(4)
    (R1O)(3-p)(R2pSi−R3−S−R3−Si(OR1(3-p)(R2p (4)
    (式中、R1、R2、R3、pは上記の通りである。)
    で表されるモノスルフィド基含有有機ケイ素化合物の含有量が0.5モル%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の製造方法。
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