以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとからなる筐体にて各部を保持する構造である。
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(図3参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6が設けられている。尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えないし、所定数の遊技球を機内に封入し、発射した遊技球を遊技機内で回収して再度発射位置へ誘導する封入式の弾球遊技機としてもよい。
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14(本発明の演出ボタンに相当)、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。本実施例では、遊技ボタン14としてプッシュ式のボタンを採用しているが、遊技者の操作に応じた信号が検出可能な操作装置であれば、これに限るわけではない。例えば、操作方向まで検出可能な十時式のボタンでもよいし、レバータイプのスイッチでもよい。
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(図3参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。本実施例では、遊技球を機外に払出す構成の遊技機としているが、遊技機内部に封入された所定数の遊技球を循環的に使用して遊技を行う循環式遊技機としても何ら問題ない。
続いて、図2に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(図3参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特図表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特図表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特図保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特図保留数表示装置29aが設けられている。
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(図3参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普図保留数表示装置41aが設けられている。
大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35e(図3参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。尚、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35eは遊技盤正面から見た一般入賞口スイッチ35aの位置によって区別され、右側上には一般入賞口スイッチ35b、右側下には一般入賞口スイッチ35c、左側上には一般入賞口スイッチ35d、左側下には一般入賞口スイッチ35e、が配置されている。尚、本実施例においては、普通電動役物40は開放時のみ遊技球の入賞が可能な構成としているが、この構成に限るわけではなく、未開放時(普通電役ソレノイド40bが駆動しない)でも遊技球の入球を可能とする構成でも問題ない。
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(図3参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(図3参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2始動口スイッチ32a(図3参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(図3参照)が遊技球を検出)すると、第1特図表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2始動口スイッチ32a(図3参照)で遊技球を検出)すると、第2特図表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて各々の特別図柄の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。尚、第1始動口と第2始動口への入球順(記憶が古い順)に変動を開始する構成としても問題ない。
変動後に確定表示した第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(図3参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(図3参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
尚、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と普通電動役物40(第2始動口32)は3個、大入賞口33aは14個、一般入賞口35aは10個に設定されている。
続いて、図3にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置から直接的または間接的に供給される構成となっている。
図3に示す通り、主制御装置50の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31aと、第2始動口32となる普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35b(右上)、35c(右下)、35d(左上)、35e(左下)とが接続されている。また、裏配線中継端子板63を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠4a・4bが閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。また、電池として1次電池を採用する場合には電池の消耗によって交換(電池のみ交換又はリミットスイッチを交換)することとなるが、2次電池を採用する場合には通常時に充電する構成とし、繰り返し利用可能に構成することが望ましい。
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第2特図表示装置30と、特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合制御装置53に出力する。ここで主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53(本発明のサブ制御装置に相当)とは間に演出中継端子板65を介して主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク22またはタンクレール23内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
サブ統合制御装置53(本発明のサブ制御装置に相当)の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14a(本発明の演出ボタンの操作を検出)が接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、意匠枠4a、4bおよび遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠3およびスピーカユニット21に備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンド(本発明の制御信号に相当)に基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。尚、本実施例では、サブ統合制御装置53のRAMに記憶された遊技情報を電源断時に保持しない構成としているが、電源装置55からVBBを供給して記憶保持可能とし、復電時に記憶した遊技情報を元に電源断前の遊技を再開する構成としても何ら差し支えない。
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(払出し遅延報知、前面枠3、意匠枠4a、4b等の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
次に、遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口31及び第2始動口32への遊技球入球に基づく当否判定(第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かの判定)は、通常(低)確率遊技状態と、該通常確率遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(確変状態)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。
また、普通電動役物40(第2始動口32)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短機能)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機を同じくして作動する。
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物40の作動契機を大きく増加させている。これにより、単位時間当たりの普通電動役物40への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
次に、図4を用いて、主制御装置50が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否か(はずれでも大当りを期待させる演出が可能な否か)を判定する。
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
S40の処理、又はS10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S60)、S30と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)、リターンする。
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
次に、図5に示したフローチャートを用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定(始動口への遊技球の入球に起因して抽出した乱数値によって大当りを生起させるか否かを抽選)する処理となる。
当否判定処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S100)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S100:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S100:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S105)。肯定判定なら(S105:yes)、S115に進み、否定判定なら(S105:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S110:yes)、S115に進む。S105とS110の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であってもその効果に何ら変わりわない。
S115では確変フラグの値が0か否か判定する(S115)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断するための値である。肯定判定なら(S115:yes)S120に進み、否定判定なら(S115:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
S120では、保留記憶のシフト処理を行い(S120)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
続く、大当り判定用乱数比較処理(S125)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、判定対象の乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
続くS130の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が大当り(判定値と同一)であるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S130:yes)、図柄モード設定処理を行う(S135)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(S135)。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S140)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
次にS135で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S145)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
次に、S135で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S150)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S155)。
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示信号(変動指示コマンド)(本発明の制御信号に相当)としてサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S130が否定判定、即ちハズレなら(S130:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S165)、肯定判定なら(S165:yes)、小当り図柄を選択し(S170)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S150)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S155)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
S165が否定判定なら(S165:no)、ハズレ図柄を選択し(S175)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S155)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号(変動指示コマンド)をサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したササブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する図柄の変動表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
以上が当否判定処理の説明となる。本実施例では、図4に示したように、指導入賞処理時に当否判定結果を報知する図柄の種類と変動パターンを選択する乱数(大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数)を取得したが、これらの乱数を当否判定処理時に取得する構成であってもよい。
次に、図6に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この処理は、主制御装置50から受信する変動指示コマンド(本発明の制御信号に相当)の種類と、該受信時にサブ統合制御装置53が抽出する乱数値とに応じて、演出図柄表示装置54b上に表示する変動表示態様を選択し変動表示の開始を指示する処理を主とし、遊技ボタン14(本発明の演出ボタンに相当)の操作が可能な演出態様が選択された場合は、選択した変動パターンに基づいて変動表示が開始されてから遊技ボタン14の操作が可能となるまでの待機時間と、該操作の有効時間と、該待機時間中であることを示すフラグ(遊技ボタン操作待機フラグ)をセットする処理を行う。
本処理を開始すると、主制御装置50から変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S200)。否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定なら(S200:yes)、振分乱数1を抽出し(S205)、サブ統合制御装置53が備える保留球数カウンタのデクリメントを行い(S210)、受信した変動指示コマンドの種類とS205で抽出した振分乱数1とに応じて、サブ統合制御装置53が記憶する複数種類の演出変動態様の中から演出図柄表示装置54bに表示する1つの演出変動態様と確定表示する演出図柄とを選択する。選択される演出態様の中には、遊技ボタン14の操作が有効となる演出態様も複数含まれており、演出態様の違いにより大当りの期待感が異なる内容となっている。
S210に続いては、S210で選択した演出態様が遊技ボタン14の操作が無いものか否かを判定する(S215)。否定判定、即ち、遊技ボタン14の操作が有効となる演出態様であったなら(S215:no)、遊技ボタン操作待機フラグに1をセットする(S225)。遊技ボタン操作待機フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が0なら遊技ボタン14の操作が有効となる演出表示を実施していない、もしくは実施していてもすでに有効時間に至っている状態であることを、値が1なら遊技ボタン14の操作が有効となる演出表示を開始し、未だ操作が有効となる時間に至っていない状態であることをサブ統合制御装置53が判断する。
S225に続いては、変動表示が開始してから遊技ボタン14の操作が有効となるまでの待機時間を計時する待機タイマをセットし(S230)、待機時間が経過した後の遊技ボタン14の操作有効時間を計時する有効タイマをセットする(S235)。待機タイマはセットと同時に計時をスタートするが、有効タイマは後述する有効時間フラグに1がセットされると計時を開始する。有効タイマの計時時間を待機時間+有効時間として、待機タイマと同時に計時を開始してもよい。また、有効タイマの値は複数種類備え、S210で選択した演出態様の種類とS205で抽出した振分乱数1の値とに応じて一つの値を選択しセットする。
S235、又はS215の肯定判定(S215:yes)に続いては、S210で選択した演出変動態様及び確定図柄を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S225)リターンする。
次に、図7に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作待機処理を説明する。本処理は、本発明のメーター状表示手段を含み、遊技ボタン14の操作が有効になるまでの待機時間を計測し、待機タイマが所定値になると遊技ボタン14の操作を有効(操作に応じて予告演出が表示可能)とする。
本処理を開始すると、遊技ボタン操作待機フラグが1か否か判定し(S250)、否定判定なら(S250:no)リターンし、肯定判定なら(S250:yes)、待機タイマとなるカウンタに+1し(S255)、待機タイマの値が所定値に達したか否か判定する(S260)。否定判定なら(S260:no)リターンし、肯定判定なら(S260:yes)、有効時間フラグに1をセットし(S265)、待機タイマをクリアし(S270)、遊技ボタン操作待機フラグに0をセットし(S275)、演出図柄表示装置54bに後述するメーター表示部及び経過時間移動表示部を表示する指示信号を送信し(S280)リターンする。このS280が本発明のメーター状表示手段に相当し、経過時間移動表示部が本発明の操作タイミング指示部に相当する。
有効時間フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が0なら遊技ボタン14の操作が無効であることを、値が1なら遊技ボタン14の操作が有効であることをサブ統合制御装置53が判断する。
次に、図8に示したフローチャートを用いて、実施例1においてサブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作処理1を説明する。本処理は、本発明の予告表示手段と予告表示態様変更手段とを含む処理となる。
本処理を開始すると、有効時間フラグが1か否か判定し(S300)、否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)有効タイマを成すカウンタに+1する(S305)。
ここで、演出ボタン操作処理1の内容を理解し易くするために、本実施例において演出図柄表示装置54bに表示される遊技ボタン14を用いた予告演出の基本表示の内容を図10を用いて説明する。図10(1)は、遊技ボタン14の操作が有効となった時点(S265で有効時間フラグに1がセットされた時点)の表示例となる。この時点の演出図柄表示装置54bの表示は、画面上部に左中右の演出図柄(変動中)が表示され、画面下部に遊技ボタン14の有効期間を示すメーター部(本発明のメーター状表示部に相当)が表示されると同時にメーター部の左上に遊技ボタン14の操作を促すボタン操作指示部が表示される(演出ボタン操作の有効化の報知に相当)。
メーター部には、遊技ボタン14の操作有効時間の経過状況を遊技者が容易に認識可能となるように、経過時間に合わせてメーター部の左端から右端(有効時間終了)に移動する経過時間移動表示部が付属している。遊技ボタン14の操作が有効になった時点では、経過時間移動表示部はメーター部の左端にあり時間の経過とともに右に移動し、有効時間終了時に右端に到達する。
図10(2)は、遊技ボタン14の操作が有効になってから所定時間(本実施例では5.0秒)が経過した場合の表示例となる。本実施例では、遊技ボタン14が操作された時間(有効となってから経過した時間)によって表示する予告内容が異なる構成となっており、予告内容が異なることになる時間区分が所定時間が経過すると区分表示部(本発明の目印に相当)としてメーター部に追加表示される。本実施例ではその時間区分が演出期間A、演出期間B、演出期間Cの3種類となっており、図に示す態様でメーター部に表示される。これにより、有効時間の経過とともに移動する経過時間移動表示部と演出期間を示すメーター部上の演出区分表示とで、遊技者がどのタイミングで遊技ボタン14を操作するかを選択することを可能としながら、演出期間の時間の長短が遊技ボタン14を狙った位置で操作することの難易度と関係し、遊技者にとって価値のある予告(例えば当たりはずれの直接的な予告)ほどその操作タイミングを短くして難易度を上げるなどの遊技性を持たせることができる。
また、本実施例では、S210で選択した変動パターンの種類に応じて遊技ボタン14の有効期間も複数備えるが、演出図柄表示装置54bに表示するメーター部の左右の長さはいずれの変動パターンにおいても同じ長さとし、有効期間の時間設定が異なる場合は経過時間移動表示部の移動速度が変化する構成(有効期間が短ければ移動速度が速い)とした。これに対して、有効期間の違いに応じてメーター部の左右の長さを変化させてもよい。この場合、有効期間が開始された時点で表示されるメーター部の表示態様(長短)によって、有効期間の長さを感覚的に認識させ遊技ボタン14の操作に備えさせることが可能となる。
図8のフローチャートの説明に戻り、S305に続いては、区分表示済フラグが0か否か判定する(S310)。区分表示済フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が0ならメーター部に演出区分(図10(2)を用いて説明した区分表示部)を表示していない状態であることを、値が1ならメーター部に演出区分を表示している状態であることをサブ統合制御装置53が判断する。
S310が肯定判定、即ち、未だメーター部に演出区分が表示されていないなら(S310:no)、有効タイマが区分表示値(本実施例では5.0秒)に達したか否か判定し(S315)、肯定判定なら(S315:yes)、演出図柄表示装置54bに表示しているメーター部に区分表示を追加表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S320)、区分表示済フラグに1をセットする(S325)。S320は、本発明の「前記演出ボタンの操作が有効となってから所定時間が経過すると前記目印を表示する」メーター状表示手段に相当する。
S325、又はS310、S315の否定判定(S310:no、S315:no)に続いては、有効タイマの値が所定値(S210で選択した演出態様の種類によって異なる設定となる遊技ボタン14の有効時間)よりも小さいか否か判定し(S330)、肯定判定、即ち、有効期間内なら(S330:yes)、遊技ボタン操作信号(遊技スイッチ14a信号)を受信したか否か判定し(S335)否定判定なら(S335:no)、リターンする。
S335が肯定判定なら(S335:yes)、有効タイマの値が演出期間Aに相当する値か否か判定し(S340)、肯定判定なら(S340:yes)表示する予告演出として予告演出Aを選択する(S345)。S340が否定判定なら(S340:no)、有効タイマの値が演出期間Bに相当する値か否か判定し(S370)、肯定判定なら(S370:yes)表示する予告演出として予告演出Bを選択する(S375)。S370が否定判定なら(S370:no)、表示する予告演出として予告演出Cを選択し(S380)、S345、S375、又はS380に続いては、選択した予告演出を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信する(S350)。
S350、又はS330の否定判定(S330:no)に続いては、有効期間フラグに0をセットし(S355)、有効タイマをクリアして(S360)リターンする。S355とS360により遊技ボタン14の操作は無効(有効期間は終了)となるが、演出図柄表示装置54b状のメーター部の表示は、予告演出が表示されている所定期間(本実施例では3.0秒)表示を継続する。
以上が本実施例においてサブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作処理1となり、本発明の「演出図柄の変動表示時に、所定期間に限り前記演出ボタンを操作することにより前記演出図柄表示装置に予告演出を表示する予告表示手段」に相当する処理となる。また、S340とS370の判定と、各判定に対応するS345、S375、S380が本発明の「有効となってから前記演出ボタンが操作されるまでの経過時間に基づいて表示する前記予告演出の表示態様を変更する予告表示態様変更手段」に相当する。
次に、図11を用いて、本実施例において演出図柄表示装置54bに表示される予告演出の表示内容を説明する。(1)は、遊技ボタン14の操作が演出期間Aで行われた場合に表示される表示例である。演出期間Aは3種類の演出期間の中で最も短く、期間中に遊技ボタン14を操作するのが最も困難(難易度最上位)となる。そのため、演出期間Aで遊技ボタン14が操作された場合は、遊技者が最も関心のある内容を予告演出として表示している。
演出期間Aで遊技ボタン14が操作された場合の具体的な表示内容は、メーター部と右演出図柄の間にキャラクタ(熊の達吉)が出現し、変動中の図柄が確定表示を行う前に、変動結果(当否判定の結果)として「大当り」又は「はずれ」といった当否結果をコメントとして予告表示する。なお、レアな演出として、演出期間Aに経過時間移動表示部が至ると速度を遅くしたり、有効期間が終了するまで停止する演出も考えられる。普段は演出期間Aで停止させるのは困難なのだが速度が遅くなったり停止したりすれば容易に演出期間Aの予告演出を見ることができるようになる。また、遅くなったり停止する等の経過時間移動表示部の速度変化だけで期待度が高い変動であることをも示す事ができるようになる。
(2)は、遊技ボタン14の操作が演出期間Bで行われた場合に表示される表示例である。演出期間Bは3種類の演出期間の中で2番目に短く(長く)、期間中に遊技ボタン14を操作するのは中程度の難易度となる。そのため、演出期間Bで遊技ボタン14が操作された場合は、遊技者が最も関心のある当否結果ではなく、その前段階であるリーチ内容又はリーチに発展するか否かを予告演出として表示している。
演出期間Bで遊技ボタン14が操作された場合の具体的な表示内容は、演出期間Aと同様に、メーター部と右演出図柄の間に熊の達吉が出現し、大当りの期待が高まるリーチが成立するか否かに関して「○○リーチ」又は「リーチならず」といった内容をコメントとして予告表示する。なお、演出期間Bでも経過時間移動表示部の速度が遅くなったり停止することが考えられる。演出期間B、Aを横断的に速度を遅くすることも考えられ、その場合は予告表示のチャンスアップ的な演出となる。また、演出期間Aでもよいが、該演出期間内で経過時間移動表示部の経過時間が戻ったりする演出も考えられる。この演出は、遊技ボタン14を押すタイミングを一度逃しても再チャレンジできる演出となり、一度失敗しても期待感を持続させることができる。
(3)は、遊技ボタン14の操作が演出期間Cで行われた場合に表示される表示例である。演出期間Cは3種類の演出期間の中で最も長く、期間中に遊技ボタン14を操作するのが最も容易(難易度最下位)となる。そのため、演出期間Cで遊技ボタン14が操作された場合に表示する予告演出の内容は、当否結果に対する漠然とした内容に留めている。
演出期間Cで遊技ボタン14が操作された場合の具体的な表示内容は、演出期間Aと同様に、メーター部と右演出図柄の間に熊の達吉が出現し、「あついよ!」又は「あたるかな」といった内容をコメントとして予告表示する。
以上が本実施例における予告演出の表示内容例の説明となる。本実施例では遊技ボタン14の操作有効期間を右演出図柄が停止するまで(リーチが確定する以前まで)としたが、有効期間をそれ以上長くしてもよく、その場合(2)では、例えば、リーチが発生した後に演出期間Bで遊技ボタン14が操作された場合などは、リーチ後の大当り信頼度として「信頼度40%!」などを報知してもよい。
また、(3)では、例えば、リーチが成立した後に演出期間Cで遊技ボタン14が操作された場合などは、「失敗!」などを表示し、例えリーチに発展したとしても遊技ボタン14の操作に失敗(難易度低の操作)しているため、信頼度に関する報知は行わないことが考えられる。このように、演出変動の進行(発展)状況と演出区分との組合せによって予告演出内容を変化させることにより、操作結果と遊技の進行状況に応じた予告演出の表示が可能となる。
以上が実施例1の説明となる。本実施例では演出区分の種類を3種類(操作難易度設定を3種類)としたがこの数に限るわけではなく、2種類でもよいし3種類でもよく、遊技ボタン14の操作の難易度が複数設定可能な構成であればよいが、異なる3種類以上で設定することにより遊技者が選択する余地が増え遊技性も増加する。
次に実施例3について説明する。本実施例に於いて遊技機を構成する部品とその電気的接続は実施例1、2と共通である。従って、重複する部分は実施例1を援用して説明を進める。
実施例1、2では、有効期間中の遊技ボタン14の操作が1回のみ有効であったのに対して、本実施例では有効期間中に遊技ボタン14の操作が3回(複数回)有効とし、3回の操作が全てあらかじめ定められた期間(成功期間)で実施されたことを条件として当否判定結果に関する予告演出を実施する構成となっている。この構成とするために実施例1と異なるのは、サブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作処理3となるため、以下は演出ボタン操作処理3と演出図柄表示装置54b上の表示内容について説明する。
図15は、本実施例においてサブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作処理3を示すフローチャートとなる。本処理は、本発明の「演出ボタンが複数回操作されると前記予告演出を完成」する予告表示態様変更手段を含む処理となる。
本処理を開始すると、有効時間フラグが1か否か判定し(S500)、否定判定なら(S500:no)リターンし、肯定判定なら(S500:yes)有効タイマを成すカウンタに+1し(S505)、有効タイマの値が所定値(遊技ボタン14の有効時間)よりも小さいか否か判定し(S515)、肯定判定、即ち、有効期間内なら(S515:yes)、遊技ボタン操作信号(遊技スイッチ14a信号)を受信したか否か判定し(S520)、否定判定なら(S520:no)、リターンする。
S520が肯定判定なら(S520:yes)、操作信号の受信が成功期間中か否か判定し(S525)、否定判定、即ち、失敗期間での操作なら(S525:no)、演出図柄表示装置54bに失敗演出を表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S570)、有効時間フラグに0をセットし(S555)、有効タイマと成功カウンタをクリアし(S560、S565)リターンする。これにより、一度でも操作に失敗したら有効期間は終了し、変動表示の結果に関する予告演出は表示されない。
S525が肯定判定なら(S525:yes)、成功カウンタに+1し(S530)、成功カウンタの値が3か否か、即ち、3回(全て)の操作が成功期間で行われた否か判定する(S535)。否定判定なら(S535:no)、成功カウンタの値を参照し(S575)、参照した値に基づいて演出図柄表示装置54bに操作成功演出を表示させる指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S580)、リターンする。
S535が肯定判定なら(S535:yes)、実施中の変動演出パターンを参照し、該参照に基づいて演出図柄表示装置54bに表示する予告演出の種類を選択し(S545)、選択した予告演出を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S550)、前述したS555、S560、S565を行いリターンする。
以上が本実施例でサブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作処理となるが、本処理により実際に演出図柄表示装置54bに表示される内容を図16、17を用いて説明する。
図16(1)は、遊技ボタン14の操作が有効となった時点で表示される内容となるが、本実施例においては、メーター部の表示が開始された時点(遊技ボタン14の操作が有効となった時点)からメーター部には成功期間と失敗期間の演出区分が表示されている。具体的には、メーター部にほぼ均等の期間を開けて成功期間が3か所配置され、どの成功期間も失敗期間よりも短い期間となっている。これにより、有効期間を開始すると「失敗期間」→「成功期間(1回目)」→「失敗期間」→「成功期間(2回目)」→「失敗期間」→「成功期間(3回目)」→「失敗期間」の順に有効期間が経過する。
図16(2)は、1回目の遊技ボタン14の操作が成功期間で行われた場合の表示内容となる。この場合は、S575で参照した成功カウンタの値が1となり、1に基づくS580の指示によって、メーター部左上のボタン操作指示部の態様がボタンを押した態様に変化するとともに「GOODJOB!」の文字列を表示する。さらに、熊の達吉の左に表示するスコア表示部の1回目に、1回目の操作が成功した(成功している)ことを示す○を表示する。
図17(3)は、2回目の遊技ボタン14の操作が成功期間で行われた場合の表示内容となる。この場合は、S575で参照した成功カウンタの値が2となり、2に基づくS580の指示によって、メーター部左上のボタン操作指示部の態様がボタンを押した態様に変化するとともに「GOODJOB!」の文字列を表示する。さらに、熊の達吉の左に表示するスコア表示部の2回目に、2回目の操作が成功した(成功している)ことを示す○を表示する。
図17(4)は、3回目の遊技ボタン14の操作が成功期間で行われた場合の表示内容となる。この場合は、S575で参照した成功カウンタの値が3となり、S535の肯定判定に続くS550の指示によって、メーター部左上のボタン操作指示部の態様がボタンを押した態様に変化するとともに「GOODJOB!」の文字列を表示する。さらに、熊の達吉の左に表示するスコア表示部の3回目に、3回目の操作が成功した(成功している)ことを示す○を表示する。そして、3回全ての操作が成功したことに応じた当該変動の発展予告として、熊の達吉のコメントとして「達吉リーチ」を表示する。
達吉のコメントはS540で行われる変動演出パターンの参照に基づくものであり、リーチに発展する場合はリーチ名を予告し、所定の確率で当否判定結果まで予告する。また、3回目の成功期間を右演出図柄が停止してからとしてもよく、その場合、実施例1で説明した内容と同様の効果を奏する。
以上が実施例3の説明となる。本実施例では、3箇所の成功期間は全て同じ長さに設定してあるが、異なる時間(長さ)設定としてもよく、徐々に成功期間が短くなるように設定(徐々に難易度が増す設定)としてもよいし、その逆でもよく、複数の成功期間をばらばらな時間設定としてもよい。また、成功していく度に経過時間表示部の速度を変化させたりすることも考えられる。早くなれば難易度が高くなるし、遅くなれば難易度が低くなっていくといった演出が可能となる。
実施例1、2、3では、遊技ボタン14の操作を促す表示として、遊技ボタン14の操作が有効になるとメーター部の表示を開始するのと同じタイミングでボタン操作指示部を演出図柄表示装置54bに表示している。上述した実施例では、有効期間が終了するとメーター部の表示とともにボタン操作指示部も演出図柄表示装置54b上から消える構成としているが、メーター部を表示せず(有効期間を表示せず)ボタン操作指示部のみ表示する遊技機も存在し、該遊技機の場合は有効期間が終了するとボタン操作指示部が消える構成としたものが多い。
このように、ボタン操作指示部を備えた遊技機は、ボタン操作指示部のみを表示し有効期間が終了すると同時にボタン操作指示部を消すものと、ボタン操作指示部と有効期間を示すメーター部との両方を表示し、有効期間が終了すると両方(ボタン操作指示部とメーター部と)を消すものがあるが、その構成の違いには特に意味(規則性)はなかった。
また、遊技を長時間行っていると、毎回遊技ボタン14を操作するのが面倒になり操作を行わない場合もある。このように遊技ボタン14の操作が有効になっても有効期間が終了するまで操作が行われない場合、有効期間終了時には予告演出が行われるものと、予告演出を行わないものとがあった。これらの構成の違いについても特に規則性はなく、遊技ボタン14を操作しなければ予告演出が行われないものについては、遊技者が予告演出を確認したいのであれば、面倒ではあるが全てのボタン演出時には遊技ボタン14を操作しなければならなかった。
ボタン操作指示部の表示に関しては上記した課題が存在するが、この課題は上記した実施例に図18、19を用いることによって解決することができる。該遊技機は、演出ボタン(遊技ボタン14)の操作有効時に演出ボタンの操作を促す表示を演出図柄表示装置で行う遊技機であって、演出ボタンの有効期間に該演出ボタンの操作が行わなかった場合でも、該有効期間の終了後に予告演出が行われる第1演出と、演出ボタンの有効期間に該演出ボタンの操作が行わなかった場合は該有効期間が終了しても予告演出が行われない第2演出と、を備え、第1演出では有効期間中に演出ボタンの操作を促す表示のみを演出図柄表示装置で行い、第2演出では演出ボタンの操作を促す表示と、有効期間を示すメーター部とを表示する構成となっている。
図18のフローチャートは、サブ統合制御装置53が実行する第1ボタン演出処置(ボタン操作指示部のみ表示する演出で実行)を示し、上記した第1演出を行う場合に実行される。なお、第1演出と第2演出とは、変動パターン毎にどちらの演出を実施するかが設定されている構成としてもよいし、変動指示コマンド受信時に選択した変動パターンがボタン演出を行うものであった場合、S205で抽出した振分乱数1の値に応じてどちらかを決定してもよい。
本処理を開始すると、有効時間フラグが1か否か判定し(S600)、否定判定なら(S600:no)リターンし、肯定判定なら(S600:yes)有効タイマを成すカウンタに+1し(S605)、有効タイマの値が所定値(遊技ボタン14の有効時間)よりも小さいか否か判定し(S610)、肯定判定、即ち、有効期間内なら(S610:yes)、遊技ボタン操作信号(遊技スイッチ14a信号)を受信したか否か判定し(S615)、否定判定なら(S615:no)、リターンする。
S615が肯定判定、又はS610が否定判定なら(S615:yes、S610:no)、実施中の変動パターン(及び有効タイマの値)に基づいて予告演出態様を選択する処理を行い(S620)、選択した予告演出態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S625)、有効時間フラグに0をセットし(S630)、有効タイマをクリアし(S635)リターンする。
以上が上記した新たな課題を解決するために実施される第1ボタン演出処理となる。なお、実施例1で図7を用いて説明したサブ統合制御装置53が実行する演出ボタン操作待機処理は、同様に実行されるが、その場合、S280のメーター部表示指示ではボタン操作指示部の表示のみを表示する指示信号が送信される。このようにすれば、遊技ボタン14を押すことを楽しんでいる遊技者はどちらの演出表示がされても押して楽しむことができるし、遊技ボタン14を押すのが少し面倒な遊技者は、遊技ボタン14を押さなくても所定時間後に自動で見られる演出については無視し、遊技ボタン14を押さないと見られない演出については押すことが可能となる。また、その規則性を知っていれば、予め押さないと見れない演出か否かを事前に報せることができるようになる。
図19のフローチャートは、サブ統合制御装置53が実行する第2ボタン演出処置(ボタン操作指示部とメーター部の両方を表示する演出で実行)を示し、上記した第2演出を行う場合に実行される。本処理の構成は、ほぼ第1ボタン演出処理と同じであり、異なるのは、第1ボタン演出処理のS610に相当するS710が否定判定の場合(遊技ボタン14の操作が行われないまま有効期間が経過した場合)、第1ボタン演出処理と同じくS720(第1ボタン演出処理のS620に相当)に進むのではなく、第1ボタン演出処理のS630に相当するS730に進む。これにより有効期間中に遊技ボタン14が操作されなかった場合は、予告演出を行うことなく有効期間を終了する構成となっている。
以上が上記した新たな課題を解決するための説明となる。第1ボタン処理のS610が否定判定なら、S620に進むのではなく、操作が行われた場合とは異なる予告演出態様群の中から予告演出を選択する構成(例えば、操作した場合はコメントを表示し、操作しなかった場合は音声予告のみ)も考えられる。この場合、遊技者が異なる予告演出を見たい場合は、意図して操作を行わないという遊技性も生まれる。
上記した第1演出と第2演出を備えることにより、操作しなければ予告が出現しない演出の場合は、メーター部を表示して視覚的に有効期間を認識させることにより、有効期間中に操作しなければならないという感覚を与えることができる。
以上が実施例の説明となる。遊技ボタン14の操作に応じて実施される予告演出は、コメント(文字列)を表示する予告演出に限らず、変動表示中の抽選結果を予告する態様(演出図柄態様)を表示するものであってもよいし、音や可動役物を作動させるものであってもよい。
また、実施例ではメーター部と該メーター部上を移動する経過時間移動表示部によって有効期間の残り時間を含む経過状況を視覚的に認識させたが、この構成に限るわけではなく、メーター部自体が変形(縮む)することにより残りの有効期間を報知する構成としてもよい。また、形状の変化や物体の移動に限らず、有効期間の残り時間を数値として表示し、演出区分を表示した数字の色や形状変化によって認識可能とする構成としてもよい。